JP4042836B2 - 電圧非直線性抵抗体の製造方法 - Google Patents

電圧非直線性抵抗体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧非直線性抵抗体の製造方法に係り、さらに詳しくは、耐熱衝撃特性に優れ、しかも抗折強度が高く、バリスタ電圧の制御が容易な電圧非直線性抵抗体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電圧非直線性抵抗体の代表例としてバリスタがある。バリスタは、たとえばモータなどの電子機器で発生する異常電圧やノイズなどを吸収または除去するために使用されている。特公昭55−49404号公報には、SrTiOを主成分とするバリスタが開示してあり、このバリスタは、バリスタ機能のみならずコンデンサ機能も有するため、電子機器にて発生するおそれがあるグロー放電、アーク放電、異常電圧およびノイズなどを良好に吸収することができる。また、特許第2944697号公報では、バリスタ電圧の温度依存性を制御する手法として、SrTiO−BaTiO−CaTiO系のバリスタが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなSrTiOまたはSrTiO−BaTiO−CaTiO系のバリスタは、一般に、直流モータの回転子とブラシとの間に発生するノイズを吸収するための部品として使用されている。このため、一般に、これらの系のバリスタは、リング形状を有し、バリスタの電極と回転子との接続は、半田付けにより行われている。この半田付け作業時には、リング形状のバリスタ素子に大きな熱衝撃を与えることになる。また、モータの高出力化に併せて、リング状バリスタの形状も大きくなる傾向にあり、それに伴い、バリスタの耐熱衝撃性の向上が望まれている。
【0004】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、耐熱衝撃特性に優れ、しかも抗折強度が高く、バリスタ電圧の制御が容易な電圧非直線性抵抗体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電圧非直線性抵抗体の製造方法は、焼成後のセラミック組成物中の炭素の含有量が120ppm以上、410ppm以下、好ましくは200ppm以上、300ppm以下となるように、添加物質の組成および/または脱脂条件を選択することを特徴とする方法であって、
前記セラミック組成物が、
組成式(Sr(1−x−y)BaCaTiO2+m で表され、x=0.1〜0.9、y=0.01〜0.5、x+y<1、0.98≦m≦1.02である主成分と、
ニオブ、タンタルおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種類の第1元素の酸化物を含む第1副成分と、
マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛およびバナジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の第2元素の酸化物を含む第2副成分と、
シリコンおよびアルミニウムのうちの少なくともいずれかの第3元素の酸化物を含む第3副成分と、を含有し、
前記主成分を100モル%とした場合に、前記第1副成分が0.01〜3モル%、好ましくは0.5〜2.0モル%、前記第2副成分が0.005〜3モル%、好ましくは0.02〜0.5モル%(ただし、前記第2元素をMと表した場合に、その酸化物をMOで表した場合のモル数)の範囲で前記セラミック組成物中に含まれ、
前記主成分を100質量%とした場合に、前記第3副成分が0.005〜1質量%、好ましくは0.02〜0.1質量%の範囲で含まれ、
脱脂工程前の前記セラミック組成物中に添加されるポリビニルアルコールの添加量が1〜6質量%であることを特徴とする。
【0006】
【0007】
炭素の含有量が多すぎると、電圧非直線性抵抗体の抗折強度が低下すると共に、耐熱衝撃特性が低下する傾向にあり、好ましくない。
【0008】
炭素の含有量が少なすぎると、バリスタ電圧の制御が困難になる傾向にあり好ましくない。
【0009】
【0010】
上記組成式中のxが0.1未満またはyが0.1未満である場合には、バリスタ電圧の温度特性が負特性になり、その結果、温度上昇と共にバリスタ電圧が低下し、短絡現象を引き起こす傾向にあることから、好ましくない。また、xが0.9を超えると、バリスタ電圧が発現できなくなる傾向にあり好ましくない。また、yが0.5を超えると、バリスタ特性が発現できない傾向にあり好ましくない。
【0011】
なお、バリスタ電圧とは、バリスタ素子に徐々に増大する電圧を印加し、たとえば10mAの電流が流れた時の印加電圧を言う。また、バリスタ特性とは、バリスタ素子に徐々に増大する電圧を印加する際に、素子に流れる電流が非直線的に増大する現象を言う。
【0012】
ニオブ、タンタルおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種類の第1元素の酸化物としては、Nb、Ta、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luが例示される。これらの酸化物は、上記のモル%の範囲内で組成物中に含有させることで、組成物の半導体化に寄与する。
【0013】
第2副成分としては、たとえばMnO、Co、NiO、CuO、ZnO、Vなどが例示される。これらの酸化物は、バリスタ電圧およびバリスタの非直線特性に寄与する酸化物であ。これらの酸化物の含有量が少なすぎると、バリスタ電圧および非直線特性が著しく劣化する傾向にあり、多すぎると、絶縁化によりバリスタ特性が著しく劣化する。ただし、第2副成分のモル数は、たとえばVの場合には、VO5/2 に換算して求める。
【0014】
第3副成分としては、SiO、Alが例示される。これらの酸化物は、組成物の結晶性に寄与する添加物である。第3副成分の含有量が少なすぎると、焼結体の密度が低下し、十分な強度が得られない傾向にあり、多すぎると、バリスタ特性が著しく劣化する傾向にある。
【0015】
好ましくは、前記組成物は、リチウム、ナトリウム、カリウムおよびルビジウムから成る群から選択される少なくとも1種類以上の第4元素の酸化物を含む第4副成分をさらに含有し、
前記主成分を100質量%とした場合に、前記第4副成分が、好ましくは0.05〜0.5質量%の範囲で含まれる。
【0016】
第4副成分としては、たとえばLiO、NaO、KO、RbOが例示される。これら酸化物は、バリスタの非直線係数に寄与する酸化物である。これらの酸化物の含有量が少なすぎると、バリスタの非直線係数の改善の効果が少なくなる傾向にあり、多すぎると、絶縁化によりバリスタ特性が著しく劣化する。
【0017】
【0018】
【0019】
好ましくは、脱脂工程後のセラミック組成物中の炭素の含有量が180ppm以上2100ppm以下となるように、添加物質の組成および/または脱脂工程条件を選択し、前記脱脂工程条件として、脱脂工程が、還元性雰囲気下、中性雰囲気下、炭酸ガス雰囲気下のいずれかの雰囲気下で行われる。
好ましくは、脱脂工程前のセラミック組成物中には、ポリビニルアルコール以外に、アモルファス状炭素、グラファイト、炭化物、有機化合物のいずれかが含まれる。
【0020】
本発明に係る方法により製造された電圧非直線性抵抗体は、ノイズ吸収電圧保護のため、バリスタ素子として好適に用いることができる。
【0021】
【発明の作用および効果】
本発明では、耐熱衝撃特性に優れ、しかも抗折強度が高く、バリスタ電圧の制御が容易な電圧非直線性抵抗体の製造方法を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の実施例に係るバリスタの断面図、
図2は本発明の実施例に係るバリスタのバリスタ電圧および非直線係数を測定するための回路図、
図3は本発明の実施例に係るバリスタにおける再酸化温度とバリスタ電圧との関係を示すグラフである。
【0023】
実施例1
原料として、SrCO、BaCO、CaCO、TiO、Nb、SiOを、最終的に得られる組成が(Sr0.35Ba0.35Ca0.3 )TiO+Nb(1.5モル%)+MnO(0.02モル%)+SiO(0.1質量%)となるように、秤量して配合した。なお、NbおよびMnOのモル%は、(Sr0.35Ba0.35Ca0.3 )TiOを100モル%とした場合のモル%であり、SiOの質量%は、(Sr0.35Ba0.35Ca0.3 )TiOを100質量%とした場合の質量%である。
【0024】
次に、この原料を、ボールミルを用いて10〜20時間混合した後、脱水および乾燥した。その後、この原料を1150〜1250℃にて仮焼成し、粗粉砕の後、再度、ボールミルを用いて10〜20時間混合した後、脱水および乾燥した。次に、この原料に、1質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加した。その結果、原料中の炭素の含有量は、2820ppmであった。次に、この原料を、成型圧約196MPaでプレス成形し、外径12.5mm、内径8mm、厚み1mmの円盤状予備成形体を得た。
【0025】
その後に、予備成形体の脱脂を行った。脱脂は、下記の表1に示すように、空気を2L/minの流量で流し続けながら、600℃12時間の条件で行った。脱脂後の予備成形体中の炭素の含有量は、448ppmであった。次に、この予備成形体を、表2に示すように、N(97体積%)+H(3体積%)の還元性雰囲気下で、1380℃にて2時間の焼成を行い、半導体焼結体を得た。焼成後の焼結体における炭素の含有量は、表2に示すように、122ppmであった。
【0026】
その後、この焼結体の再酸化処理を行った。再酸化処理の条件は、表2に示すように、空気中(酸化性雰囲気中)において、900℃および4時間の条件であった。再酸化処理後の焼結体の炭素の含有利用は、111ppmであった。なお、炭素の含有量の測定は、メノウ乳鉢で粉砕した後の試料を、0.2g秤量してから、炭素・硫黄分析装置(堀場製作所製のEMIA520)を用いて行った。
【0027】
次に、このようにして得られた焼結体の特性を調べるために、図1に示すように、焼結体2の表面に銀ペーストを塗布し、600℃で焼き付けることにより、銀電極4を形成し、バリスタ6を完成させた。
【0028】
次に、このバリスタ6のバリスタ電圧V10、非直線係数α10、耐熱衝撃特性(耐サーマル特性)および抗折強度を測定した。なお、バリスタ電圧V10は、図2に示すように、バリスタ6を直流定電圧電源8に接続し、バリスタ6の両電極間に作用する電圧を電圧計10で測定すると共に、バリスタ6に流れる電流を電流計12にて読みとることにより求めた。具体的には、バリスタ6に流れる電流が10mAの時に、バリスタ6の電極間に作用する電圧を電圧計10により読みとり、その値をバリスタ電圧V10とした。
非直線係数α10は、下記の数式(1)から求めた。
【0029】
〔数1〕
α10=log(I10/I)/log(V10/V1)=1/log(V10/V1)
… (1)
なお、V10は、図2に示すバリスタ6にI10=10mAの電流を流した場合のバリスタ電圧を意味し、V1は、図2に示すバリスタ6にI=1mAの電流を流した場合のバリスタ電圧を意味する。この非直線係数α10が大きいほど、バリスタ特性に優れている。
【0030】
また、耐熱衝撃特性は、次に示すようにして行った。すなわち、電極形成後の図1に示すバリスタ6に対して、380℃に加熱した半田コテを半田と共に接触させて、模擬的半田付けを行った。その半田付け処理の後に、フラックスを洗浄し、クラックの有無を検査した。各素子毎に5極の電極が形成してあるバリスタ素子試料を20個準備し、各試料に対して、5極の半田付けを行い、合計100極の半田付けを行い、100極中、クラックが発生している極数を、パーセントで表した。
【0031】
さらに、抗折強度については、JIS−R1601に準拠した棒形状の試料を、上述と同様な条件で作製し、その試料について、JIS−R1601に準拠した試験を行うことにより求めた。
測定した結果を表3にまとめて示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004042836
【0033】
【表2】
Figure 0004042836
【0034】
【表3】
Figure 0004042836
なお、表1〜3中において、*は、本発明の好ましい範囲から外れた数値を示す。
【0035】
実施例2
脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0036】
実施例3
1.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、6450ppmであり、脱脂条件を、COガス雰囲気下での600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。ただし、実施例3では、再酸化条件を、表2に示すように、800℃〜1050℃の間で変化させ、複数種類の試料を作製した。結果を表1〜3および図3に示す。本実施例では、図3に示すように、再酸化の温度に依存して、バリスタ電圧V10を、略正比例の関係に制御できることが確認できた。バリスタ電圧V10は、用途により変化することから、再酸化の温度に依存して、バリスタ電圧V10を、略正比例の関係に制御できることは、バリスタとして要求される特性として重要な因子である。また、本実施例では、再酸化条件に起因するバリスタ電圧V10のバラツキを小さくできると言う利点がある。
【0037】
比較例1−1
0.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、980ppmであり、脱脂条件を、800℃および12時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。ただし、比較例1−1では、再酸化条件を、表2に示すように、800℃〜1000℃の間で変化させ、複数種類の試料を作製した。結果を表1〜3および図3に示す。比較例1−1では、図3に示すように、再酸化温度の増大に依存して、バリスタ電圧V10が、著しく増大することが確認された。すなわち、比較例1−1では、実施例3に比較し、バリスタ電圧の制御が困難であることが確認された。
【0038】
実施例4
1.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、6450ppmであり、脱脂条件を、Nガス雰囲気下での600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0039】
実施例5
1.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、6450ppmであり、脱脂条件を、COガス雰囲気下での600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0040】
実施例6
3.2質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、13800ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0041】
比較例1
3.2質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、13800ppmであり、脱脂条件を、Nガス雰囲気下での600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。表1〜3に示すように、脱脂後の炭素の含有量が2100ppmよりも多く、且つ焼成後の炭素の含有量が410ppmよりも多く、耐熱衝撃特性の劣化が観察された。
【0042】
比較例2
3.2質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、13800ppmであり、脱脂条件を、COガス雰囲気下での600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。表1〜3に示すように、脱脂後の炭素の含有量が2100ppmよりも多く、且つ焼成後の炭素の含有量が410ppmよりも多く、耐熱衝撃特性の劣化が観察された。
【0043】
実施例7
6質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、25800ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0044】
比較例3
10質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加し、原料中の炭素の含有量が、43100ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。表1〜3に示すように、脱脂後の炭素の含有量が2100ppmよりも多く、且つ焼成後の炭素の含有量が410ppmよりも多く、耐熱衝撃特性の劣化が観察された。
【0045】
実施例8
1.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加すると共に、アモルファス状炭素を0.1質量%添加し、原料中の炭素の含有量が、8120ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0046】
比較例4
1.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加すると共に、アモルファス状炭素を1質量%添加し、原料中の炭素の含有量が、15420ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。表1〜3に示すように、脱脂後の炭素の含有量が2100ppmよりも多く、且つ焼成後の炭素の含有量が410ppmよりも多く、耐熱衝撃特性および抗折強度の劣化が観察された。
【0047】
比較例5
1.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加すると共に、アモルファス状炭素を2質量%添加し、原料中の炭素の含有量が、26580ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。表1〜3に示すように、脱脂後の炭素の含有量が2100ppmよりも多く、且つ焼成後の炭素の含有量が410ppmよりも多く、耐熱衝撃特性および抗折強度の劣化が観察された。
【0048】
参考例1−1
原料に対して、PVAを添加しないで、アモルファス状炭素を0.1質量%添加し、原料中の炭素の含有量が、1085ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0049】
比較例6
原料に対して、PVAを添加しないで、アモルファス状炭素を2質量%添加し、原料中の炭素の含有量が、20259ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。表1〜3に示すように、脱脂後の炭素の含有量が2100ppmよりも多く、且つ焼成後の炭素の含有量が410ppmよりも多く、耐熱衝撃特性および抗折強度の劣化が観察された。
【0050】
比較例7
原料に対して、PVAを添加しないで、アモルファス状炭素を5質量%添加し、原料中の炭素の含有量が、30445ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。表1〜3に示すように、脱脂後の炭素の含有量が2100ppmよりも多く、且つ焼成後の炭素の含有量が410ppmよりも多く、耐熱衝撃特性および抗折強度の劣化が観察された。
【0051】
実施例11
1.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加すると共に、SiCを0.1質量%添加し、原料中の炭素の含有量が、7870ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0052】
実施例12
1.5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダとして添加すると共に、TiCを0.1質量%添加し、原料中の炭素の含有量が、7060ppmであり、脱脂条件を、600℃および2時間の条件で行った以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0053】
実施例13
原料として、SrCO、BaCO、CaCO、TiO、Nb、LiO、SiOを、最終的に得られる組成が(Sr0.35Ba0.35Ca0.3 )TiO+Nb(0.42モル%)+MnO(0.014モル%)+LiO(0.1質量%)+SiO(0.1質量%)となるように、秤量して配合した以外は、実施例1と同様にして、バリスタ試料を作製し、同様な試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0054】
評価
表1〜3に示すように、本実施例に係るバリスタ試料は、非直線係数α10が、2以上であり、耐熱衝撃特性を示す不良率が30%以下であり、抗折強度が166.7MPa以上であり、バリスタとして良好な特性を有することが確認できた。また、図3に示すように、比較例1−1と実施例3とを比較することで、次のことが確認できた。すなわち、脱脂工程前のセラミック組成物にポリビニルアルコールを1〜6質量%添加し、脱脂後のセラミック組成物中の炭素の含有量を180ppm以上、および焼成後のセラミック組成物中の炭素の含有量を120ppm以上とすることで、再酸化処理の温度によるバリスタ電圧の制御が容易になることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例に係るバリスタの断面図である。
【図2】 図2は本発明の実施例に係るバリスタのバリスタ電圧および非直線係数を測定するための回路図である。
【図3】 図3は本発明の実施例に係るバリスタにおける再酸化温度とバリスタ電圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2… 焼結体
4… 電極
6… バリスタ
8… 直流定電圧電源
10… 電圧計
12… 電流計

Claims (4)

  1. 焼成後のセラミック組成物中の炭素の含有量が120ppm以上、410ppm以下となるように、添加物質の組成および/または脱脂条件を選択することを特徴とする電圧非直線性抵抗体の製造方法であって、
    前記セラミック組成物が、
    組成式(Sr(1−x−y)BaCaTiO2+m で表され、x=0.1〜0.9、y=0.01〜0.5、x+y<1、0.98≦m≦1.02である主成分と、
    ニオブ、タンタルおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種類の第1元素の酸化物を含む第1副成分と、
    マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛およびバナジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の第2元素の酸化物を含む第2副成分と、
    シリコンおよびアルミニウムのうちの少なくともいずれかの第3元素の酸化物を含む第3副成分と、を含有し、
    前記主成分を100モル%とした場合に、前記第1副成分が0.01〜3モル%、前記第2副成分が0.005〜3モル%(ただし、前記第2元素をMと表した場合に、その酸化物をMOで表した場合のモル数)の範囲で前記セラミック組成物中に含まれ、
    前記主成分を100質量%とした場合に、前記第3副成分が0.005〜1質量%の範囲で含まれ、
    脱脂工程前の前記セラミック組成物中に添加されるポリビニルアルコールの添加量が1〜6質量%であることを特徴とする電圧非直線性抵抗体の製造方法。
  2. 脱脂工程後のセラミック組成物中の炭素の含有量が180ppm以上、2100ppm以下となるように、添加物質の組成および/または脱脂工程条件を選択し、
    前記脱脂工程条件として、脱脂工程が、還元性雰囲気下、中性雰囲気下、炭酸ガス雰囲気下のいずれかの雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1に記載の電圧非直線性抵抗体の製造方法。
  3. リチウム、ナトリウム、カリウムおよびルビジウムから成る群から選択される少なくとも1種類以上の第4元素の酸化物を含む第4副成分をさらに含有し、
    前記主成分を100質量%とした場合に、前記第4副成分が0.05〜0.5質量%の範囲で含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の電圧非直線性抵抗体の製造方法。
  4. 前記脱脂工程前の前記セラミック組成物中には、ポリビニルアルコール以外に、アモルファス状炭素、グラファイト、炭化物、有機化合物のいずれかが含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電圧非直線性抵抗体の製造方法。
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