JP4040207B2 - 画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術に関するもので、静電潜像を顕像化する静電荷像現像用トナー(以下「トナー」と称す)を使用する画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されているごとく多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写したのち、熱・圧力等により転写材上にトナー像を定着して複写物を得るものである。さらに感光体上に転写せずに残ったトナーは種々の方法によりクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年、電子写真法を用いた機器は、単なるオリジナル原稿を複写するだけでなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリンターが登場してきている。デジタルプリンターの一つとしてレーザービームプリンターがある。レーザービームプリンターは一般的には常温・常湿のオフィスで使用されるが、東南アジア、インド等の地域においては高温・多湿の環境で使用される場合もある。この様な環境においては、プリント時に発生する紙粉,オゾン等により形成される低電気抵抗物質によって感光体表面の潜像が著しく損なわれるという現象(以下「画像流れ」と称す)が生じ易い。
【0004】
画像流れを防止する手段として、特開昭60−32060号公報に2種のBETを有する無機微粉体を含有するトナーが開示されている。また感光体に関して、画像流れを防止する手段として特開昭62−160458号公報に2種の異なる分子量を有するポリカーボネート樹脂を含有する感光層を有する感光体が開示されている。しかし、前述したトナーを使用した場合、確かに画像流れは改善されるが、トナーに起因する微細粒子が帯電部材等で圧着されて感光体に付着する現象(以下「ドラム融着」と称す)が顕在化する。また2種の異なる分子量を有する感光層を有する感光体を使用した場合も同様の効果と弊害が生じ易くなる。
【0005】
一方、画像流れ現象は、転写材として使用する紙の種類等によっても発生の程度は変化する。特に填料としてタルクを使用している紙の場合は、上記2種の無機微粉体を有するトナーを単独使用しても画像流れを防止することは困難で、確かに上記感光体と組み合わせることで流れは改善されるが、ドラム融着はさらに悪化し、ドラム表面に筋が形成され画像上に白筋(以下「白筋」と称す。)となる新たな問題が生ずる。
【0006】
この白筋は、比較的小さい分子量を有する樹脂を用いた際に特に顕著に生じ易い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高温・高湿環境において、いかなる転写材を用いても画像流れの発生しない画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成用トナーを提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、全ての環境においてドラム融着の発生しない画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成用トナーを提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、全ての環境において白筋の発生しない画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成用トナーを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、現像手段が有するトナーによって静電荷像を現像してトナー像を形成し、静電荷像担持体上のトナー像を中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写し、転写材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方法であり、
該静電荷像担持体の表面層が、
(i)7.5×103乃至3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(1)
【0011】
【化7】
Figure 0004040207
〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂と、
【0012】
(ii)フッ素含有樹脂粒子と、を含有し、
該トナーは、トナー粒子と、個数平均粒径が0.10μm以下の第1の無機微粉体及び個数平均粒径が0.12乃至3.0μmの第2の無機微粉体とを有することを特徴とする画像形成方法に関する。
【0013】
また、本発明は、画像形成装置本体の着脱可能に装着されるプロセスカートリッジにおいて、
該プロセスカートリッジは、静電荷像を担持するための静電荷像担持体、及び該静電荷像担持体に担持されている静電荷像を現像してトナー像を形成するためのトナーを保有する現像手段を有しており、
該静電荷像担持体の表面層が、
(i)7.5×103乃至3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(1)
【0014】
【化9】
Figure 0004040207
〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂と、
【0015】
(ii)フッ素含有樹脂粒子と、を含有し、
該トナーは、トナー粒子と、個数平均粒径が0.10μm以下の第1の無機微粉体及び個数平均粒径が0.12乃至3.0μmの第2の無機微粉体とを有することを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
【0019】
本発明に用いられる静電荷像担持体は、表面層を形成する樹脂として▲1▼適度な摩耗性を有する樹脂および▲2▼表面の摩擦係数を減少させ、耐久性を向上させるフッ素系樹脂粒子とを使用することにより、優れた耐久特性を保ちつつ、しかも画像流れ防止の良好な電子写真特性を持っているものである。
【0020】
一般に樹脂の強度は分子量の減少とともに低くなり、それに伴い耐久特性も低下してしまうが、本発明においては表面の摩擦係数を減少させることで耐久特性を向上できるフッ素系樹脂粒子と組み合わせることにより、優れた耐久特性を保ちつつ、しかも画像流れ防止の良好な電子写真感光体を達成することができる。これはフッ素系樹脂粒子自体が表面への付着に対して有効なこともあるが、それに加えて摩耗性に優れた分子量のより低い樹脂と摩擦係数を減少させるのに有効なフッ素系樹脂粒子とを組み合わせて使用することにより、表面が従来と比べてより平滑に摩耗するためであり、その結果画像流れの一因となっていると考えられている帯電劣化した表面付着物等が付きにくいものと考えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂および式(2)で示されるポリカーボネート樹脂としては、適度な摩耗性を付与できることが必要である。具体的には7500乃至37000の重量平均分子量を有し、10000乃至37000の重量平均分子量を有することが好ましく、7500乃至30000の重量平均分子量を有することがより好ましい。重量平均分子量が7500より小さいと、強度低下が大きすぎて繰り返し使用により傷が発生しやすく、さらにはその影響のために画像流れに対する効果も不十分となる。また重量平均分子量が37000より大きいと、適度な摩耗性を付与できなくなり、画像流れに対する効果が不十分となる。これらの樹脂の分散度としては好ましくは3.0以下、より好ましくは2.6以下であることが良い。分散度が3.0より大きくなると、分子量のより小さいものの割合が多くなるために強度低下を引き起こして、その結果繰り返し使用により傷が発生しやすく、さらにはその影響のために画像流れに対する効果も不十分となりやすい。ここでいう「分散度」とは重量平均分子量/数平均分子量で表わされる値である。
【0022】
本発明における分子量は、ポリスチレンを標準物質として用いたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。より詳細な測定条件の例を以下に示す。
装置:HLC−8120(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel Super HM−M
6mm I.D.×15cm(東ソー(株)製) 2本
標準物質:ポリスチレン(東ソー(株)製)
試料:樹脂1重量部/テトラヒドロフラン1000重量部
流速:0.6ml/min
溶媒:テトラヒドロフラン
温度:40℃
検出器:R.I、UV(254nm)
【0023】
式(1)及び式(2)中、アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基などが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基などが挙げられる。シクロアルキリデン基としてはシクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基及びフルオレニリデン基などが挙げられる。α,ω−アルキレン基としては、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基及び1,4−ブチレン基などが挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子及び臭素原子などが挙げられる。
【0024】
これらの基が有してもよい置換基としてはフッ素原子、塩素原子及び臭素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基及びプロピル基などのアルキル基;フェニル基、ナフチル基及びアンスリル基などのアリール基;ベンジル基及びフェネチル基などのアラルキル基;及びメトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。
【0025】
なお、「単結合」とはX1またはX2の両側のベンゼン環が直接結合していることを意味し、例えば後述の構成単位例(1)−7,(1)−23及び(1)−24が挙げられる。
【0026】
本発明に用いられる式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂の構成単位の具体例を表1〜4に示すが、必ずしもこれらに限られるものではない。
【0027】
【表1】
Figure 0004040207
【0028】
【表2】
Figure 0004040207
【0029】
【表3】
Figure 0004040207
【0030】
【表4】
Figure 0004040207
【0031】
好ましい例としては構成単位例(1)−1、(1)−2、(1)−3、(1)−4、(1)−9が挙げられ、特に構成単位(1)−1、(1)−2、(1)−4が好ましい。
【0032】
本発明において用いられる式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂は、下記式(3)で示されるビスフェノールを通常溶解性を上げるためテレフタル酸塩化物、イソフタル酸塩化物の混合物とアルカリ下で溶媒/水系中で撹拌し、界面重合することによって合成することができる。
【0033】
【化13】
Figure 0004040207
〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は同一または異なって水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−である。また、R1〜R8は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
【0034】
テレフタル酸塩化物、イソフタル酸塩化物の比率はその重合体の溶解性を考慮して決定されるもので定説はない。ただし、いずれかの塩化物が30mol%以下になると、合成した重合体の溶解性が極端に低下するので注意が必要である。通常は1/1の比率で合成するのが好ましい。
【0035】
また、本発明の静電荷像担持体においては、式(1)で示される構成単位が同一のもので構成される重合体でも、2種類以上の式(1)で示される別種の構成単位からなる共重合体でもよい。更には式(1)で示される構成単位を有する樹脂を2種以上ブレンドしてもよい。
【0036】
本発明に用いられる式(2)で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂の構成単位の好ましい例を表5〜8に示すが、これらに限られるものではない。
【0037】
【表5】
Figure 0004040207
【0038】
【表6】
Figure 0004040207
【0039】
【表7】
Figure 0004040207
【0040】
【表8】
Figure 0004040207
【0041】
特に、好ましい例としては構成単位例(2)−1、(2)−2、(2)−3、(2)−4、(2)−9が挙げられ、特に構成単位(2)−1、(2)−2、(2)−4が好ましい。
【0042】
本発明において用いられる式(2)で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂は、下記式(4)で示されるビスフェノールを通常アルカリの存在下でホスゲンを作用させて重合することによって合成することができる。
【0043】
【化14】
Figure 0004040207
〔式中、X2は−CR2324−(ただしR23およびR24は同一または異なって水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−である。また、R15〜R22は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
【0044】
本発明に用いられる静電荷像担持体においては、式(2)で示される構成単位が同一のもので構成される重合体でも、2種類以上の式(2)で示される別種の構成単位からなる共重合体でもよい。更にはこれらの樹脂を2種以上ブレンドしてもよいし、式(1)で示される樹脂とブレンドしてもよい。
【0045】
本発明に用いられる静電荷像担持体においては、必要に応じて膜強度の保持のために分子量の比較的大きい樹脂と混合して用いてもよい。用いる樹脂としては式(1)で示されるポリアリレート樹脂または式(2)で示されるポリカーボネート樹脂が好ましく、それらの樹脂の分子量としては具体的には37000より大きい重量平均分子量を有することが好ましく、特に50000乃至300000の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0046】
さらに必要に応じてその他の樹脂と混合して用いてもよい。しかし7.5×103〜3.7×104の重量平均分子量を有する本発明の樹脂とその他の樹脂とを混合する場合は、本発明の樹脂が全体のバインダー樹脂に対して20重量%以上含まれていることが好ましく、30重量%以上含まれていることがより好ましい。20重量%より少ないと適度な摩耗性を付与しにくくなり、画像流れに対する効果が不十分となりやすい。
【0047】
本発明に用いるフッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びこれら共重合体から選ばれる一種類または二種類以上を適宜選択するのが望ましいが、特に4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0048】
フッ素系樹脂粒子の含有量は、該粒子を含有する層中の全固形分重量に対して0.1〜50重量%が適当であり、特に0.2〜30重量%が好ましい。含有量が0.1重量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分ではなく、一方50重量%を超えると塗料の長期安定性が悪化したり、光透過性の低下やキャリアの移動性の低下を招いてしまう。
【0049】
また本発明においては、フッ素系樹脂粒子の一次粒径は0.3μm以下、好ましくは0.05〜0.3μm、より好ましくは0.08〜0.3μmであることが良い。フッ素系樹脂粒子の一次粒径が0.3μmより大きい場合であると、本発明に係る静電荷像担持体が分子量の比較的低い結着樹脂を用いるために塗布液中でのフッ素系樹脂粒子の沈降が起こりやすくなり、塗料の長期安定性や塗工性が悪化するという弊害が発生してしまう。フッ素系樹脂粒子の一次粒径が0.05μm未満の場合には、粒子を添加することによる効果を得にくくなる。
【0050】
フッ素系樹脂粒子の分散性を向上させるために、フッ素系くし型グラフトポリマーを用いるとより好ましい。フッ素系くし型グラフトポリマーは、各分子鎖の片末端に重合性の官能基を有する分子量が1000〜10000程度の比較的低分子量のオリゴマーとフッ素系重合性モノマーを共重合して得られるものであり、フッ素系重合性の幹にマクロモノマーの重合体が枝状にぶらさがった構造を有している。マクロモノマーにはグラフトモノマーを添加する樹脂と親和性のあるものが選択され、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステルあるいはスチレン化合物などの重合体や共重合体などが用いられる。
【0051】
一方、フッ素系重合性モノマーとしては、表9に示されるような側鎖にフッ素原子を有する重合性モノマーの1種あるいは2種以上が用いられるが、何らこれに限定されるものではない。
【0052】
【表9】
Figure 0004040207
【0053】
式中、Raは水素原子またはメチル基を表わす。Rbは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトリル基を表わし、その数種類の組み合わせでもよい。nは1以上の整数、mは1〜5の整数、kは1〜4の整数を表わし、m+k=5である。
【0054】
表9の式中、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基などが挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基などが挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子及び臭素原子などが挙げられる。
【0055】
フッ素系くし型グラフトポリマー中におけるフッ素系モノマー残基の含量は、フッ素系くし型グラフトポリマー中5〜90重量%が好ましく、10〜70重量%がさらに好ましい。フッ素系モノマー残基の含量が5重量%よりも少ないと疎水化の改質効果は十分に発揮できず、またフッ素系モノマー残基の含量が90重量%を超えるとマクロモノマーとの溶解性が悪くなる。
【0056】
フッ素系くし型グラフトポリマーの含有量は、フッ素系樹脂粒子の重量に対して0.01〜20%が好ましく、特に0.1〜10%が好ましい。0.01%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散性改質効果が十分でなく、一方20%を超えるとグラフトポリマーが塗膜のバルク中にも存在するようになるため樹脂との相溶性の問題から、繰り返し電子写真プロセスを行ったときに残留電位の蓄積が生じてくる。
【0057】
本発明の静電荷像担持体においては、必要に応じて酸化防止剤を添加するとより好ましい。酸化防止剤を添加することにより、画像流れ発生の主原因である表面付着物や結着樹脂の酸化劣化を抑えることができるため、画像流れの発生をより効果的に防ぐことができる。
【0058】
本発明に用いられる酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系酸化防止剤が特に好ましい。これらは1種類で用いてもよいが、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤及びりん系酸化防止剤を組み合わせて用いるのがよい。
【0059】
酸化防止剤の含有量は、少なすぎると画像流れへの効果が不十分となり、一方多すぎると残留電位の上昇などの電子写真特性の悪化を招くため適正な量を選択する必要がある。具体的には樹脂に対して0.01重量%〜30重量%が好ましく、特に0.1重量%〜20重量%が好ましい。
【0060】
次に、本発明に用いられる静電荷像担持体の代表例である電子写真感光体について説明する。
【0061】
電子写真感光体は、感光層が電荷輸送材料と電荷発生材料を同一の層に含有する単層型であっても、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料を含有する電荷発生層に分離した積層型でもよいが、電子写真特性的には積層型であることが好ましい。更には、電荷発生層上に電荷輸送層を有し、電荷輸送層が表面層であることが好ましい。以下この形態を例にとり説明する。
【0062】
使用する導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレス等の金属、あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチック等が挙げられ、形状はシート状、円筒状等が挙げられる。
【0063】
露光が可干渉光である場合は、散乱による干渉縞防止または支持体の傷の被覆を目的とした導電層を導電性支持体上に設けてもよい。導電層はカーボンブラック、金属粒子等の導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmが適当である。
【0064】
導電性支持体と感光層の間に接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層の材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.3〜1μmが適当である。
【0065】
電荷発生層は、電荷発生材料を0.3〜4倍量の適当な樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル及び液衝突型高速分散機等の方法で良く分散した分散液を塗布し、乾燥することによって形成される。
【0066】
用いられる電荷発生材料としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニン系等の各顔料が挙げられる。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜2μmが適当である。
【0067】
電荷輸送層は、主として電荷輸送材料、本発明の樹脂及びフッ素含有樹脂粒子とを溶剤中に溶解及び分散した塗布液を塗布し、乾燥することによって形成する。塗布液の調合方法としては、電荷輸送材料、本発明の樹脂及びフッ素含有樹脂粒子とを溶剤中に同時に溶解及び分散する方法、及び樹脂とフッ素含有樹脂粒子とをあらかじめ溶解及び分散した塗布液を作製し、電荷輸送材料を溶解した塗布液と混合する方法等が挙げられる。塗布液の作製にあたっては単なる撹拌混合でも良いが、必要に応じて、ボールミル、ロールミル、サンドミル及び高圧分散機等の分散手段を用い、フッ素含有樹脂粒子の一次粒子が0.3μm以下となるように調合する。
【0068】
用いられる電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物及びチアゾール系化合物等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は、0.5〜2倍量の樹脂と組み合わされる。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは15〜30μmが適当である。
【0069】
本発明においては、上述した特定の静電荷像担持体の表面にトナーが融着し(ドラム融着)、画像欠陥(反転現像の場合、黒点や白筋)の原因になることを防ぐという点で、特定のトナーを用いることが好ましい。
【0070】
即ち、トナー粒子と、個数平均粒径が0.10μm以下の第1の無機微粉体及び個数平均粒径が0.12乃至3.0μmの第2の無機微粉体とを有するトナーを用いることが好ましい。
【0071】
トナー粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する。
【0072】
本発明に使用されるトナー粒子の結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0073】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル、等のような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用いられる。ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用できる。
【0074】
また、圧力定着用に供されるトナーの結着樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単独または混合して用いることが好ましい。
【0075】
本発明のトナーに使用し得る着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。トナーの着色剤としては、顔料又は染料が用いられる。顔料としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーが挙げられる。顔料は定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、結着樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の添加量が良い。染料としては、例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料が挙げられる。染料は、結着樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の添加量が良い。トナーが磁性体を含有する、いわゆる一成分トナーである場合は、磁性体を着色剤としても良い。
【0076】
本発明に用いられる第1の無機微粉体が有する個数平均粒径は、0.10μm以下、好ましくは0.005乃至0.07μmである。また、第2の無機微粉体が有する個数平均粒径は、0.12乃至3.0μm、好ましくは0.12乃至2.5μmである。
【0077】
第1の無機微粉体及び第2の無機微粉体は共に、高温・高湿環境下において画像流れを防止する効果を有し、特に第2の無機微粉体はその効果が大である。さらに第2の無機微粉体は、高温・高湿環境下において画像濃度低下を防止する作用を有する。
【0078】
第1の無機微粉体は、難水溶性であることが好ましく、例えば酸化鉄、酸化マグネシウム、ケイ酸微粉体等がある。特にケイ酸微粉体が好ましい。
【0079】
第1の無機微粉体の個数平均粒径が0.10μmより大きい場合には、トナーの流動性が低下し、画像濃度の低下が生じる傾向にある。また第1の無機微粉体の個数平均粒径が0.005μm未満の場合には、トナー粒子から第1の無機微粉体の遊離が生じやすく、感光体表面へのフィルミングが生じ易くなる。
【0080】
さらに第1の無機微粉体は、その表面がカップリング処理、オイル処理、脂肪酸等による処理がされているものが好ましい。その中でも、ドラム融着、白筋防止の観点より、カップリング処理後さらにオイル処理を施したものが好ましく使用され、オイルの処理量は処理する無機微粉体の重量を基準として3〜20重量%含有しているものが好ましい。3重量%より少ない場合はドラム融着及びドラム白筋防止の効果が発現され難くなり、20重量%より多い場合は画像流れが生じ易くなり好ましくない。
【0081】
オイルとしては、シリコーンオイルが好適に用いられる。
【0082】
第2の無機微粉体は、高温・高湿環境下においてトナーの帯電性を低下させないために難水溶性であることが好ましく、例えば酸化鉄、酸化クロム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム等がある。好ましく用いられるのは、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化チタンである。
【0083】
第2の無機微粉体の個数平均粒径が0.12μmより小さい場合は、画像流れ防止効果が低下し好ましくなく、3.0μmより大きい場合は、白筋画像が発生しやすくなり、好ましくない。
【0084】
上記の第1の無機微粒子及び第2の無機微粒子の平均粒径は、以下の方法で測定した値である。
【0085】
電子顕微鏡S−800(日立製作所社製)を用いて、第1の無機微粒子は10000乃至20000倍、第2の無機微粒子は1000乃至20000倍の倍率で写真撮影を行い、撮影された微粒子から、第1の無機微粒子は0.001μm以上の粒子について、第2の無機微粒子は0.005μm以上の粒子について、ランダムに100乃至200個を抽出し、ノギス等の測定機器を用いてそれぞれの直径を測定し、平均化したものを各無機微粒子の個数平均粒径とした。
【0086】
本発明においては、第1の無機微粉体の含有量が、トナーに対し0.5〜2.5重量%であることが好ましい。0.5重量%に満たないとトナーに十分な流動性を付与することが困難となり、画像濃度が得にくくなり、2.5重量%を超えるとドラム融着の悪化が顕在化する。第2の無機微粉体の含有量は、トナーに対し0.35〜3.5重量%であることが好ましい。0.35重量%に満たないと十分な研磨効果が得られず、画像流れが発生し易くなり、3.5重量%を超えるとドラム融着の悪化が顕在化する。
【0087】
さらに本発明の解決すべき課題をより良好に達成するためには、トナーの粒度分布をトナーの重量平均粒径が3.5μm乃至6.5μmであり、2.00乃至3.17μmの粒径の粒子の含有量が5乃至40個数%とすることが好ましい。トナーの重量平均粒径が3.5μmより小さい場合は、ドラム融着が発生し易くなり好ましくなく、6.5μmより大きい場合は、画像流れが発生し易くなり好ましくない。粒径2.00乃至3.17μmの粒子の含有量が5個数%未満である場合は、画像流れが発生し易くなり好ましくなく、40個数%より多い場合は、ドラム融着が発生し易くなり好ましくない。
【0088】
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行なうが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
【0089】
具体的には、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積と個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)、個数分布から求めた個数基準の粒径2.00μm〜3.17μmの割合を求めた。
【0090】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
【0091】
本発明に使用されるトナーには、磁性体を含有するものが好ましく使用され、使用する磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素等の元素を含む金属酸化物等がある。中でも、四三酸化鉄,γ−酸化鉄等の酸化鉄を主成分とするものが好ましい。さらにトナーの流動性向上及び帯電性コントロールの観点から、ケイ素原子を含有することが好ましい。特にトナー粒子が小径になるとトナー粒子母体の流動性が低下する為、前述した本発明の無機微粉体を添加するだけでは十分な流動性が得られず良好な帯電性を得られなくなり、本発明の目的を達成することが困難な場合が生ずる。ケイ素原子の含有量は磁性体に対して0.2乃至2.0重量%含有されていることが好ましく、0.2重量%より少ない場合は十分な流動性が得られず、文字シャープ性の悪化,ベタ黒濃度薄等の弊害が生ずる。2.0重量%より多く含有させると特に高温・高湿環境において画像濃度低下を生じ易い。ケイ素原子の含有量は、より好ましくは0.3乃至1.7重量%の場合である。特に、磁性体の表面にケイ素原子が0.05乃至0.5重量%存在する場合がより好ましい。
【0092】
ケイ素原子は水溶性ケイ素化合物の形で磁性体生成時に添加してもよく、磁性体の生成,ろ過,乾燥後、ケイ酸化合物の形で添加し、ミックスマーラー等で表面に固着させてもよい。これら磁性体の粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が、好ましくは2乃至30m2/gが良く、特に3乃至28m2/gが良い。更にモース硬度が5乃至7の磁性粒子が好ましい。
【0093】
磁性粒子の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、8面体、6面体、球形、不定型等の異方性の少ないものが好ましい。特に、磁性粒子の球形度Ψが0.8以上であることが画像濃度を高める上で好ましい。磁性粒子の平均粒径としては0.05乃至1.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.1乃至0.6μm、特に、0.1乃至0.4μmが好ましい。
【0094】
トナーにおける磁性体の含有量は、結着樹脂100重量部に対し30乃至200重量部、好ましくは60乃至200重量部、さらには70乃至150重量部が良い。30重量部未満では搬送性の点で劣り、現像剤担持体上のトナー層にムラが生じて画像ムラとなる傾向があり、さらに磁性トナーのトリボの上昇に起因する画像濃度の低下が生じ易い傾向がある。一方、磁性体の含有量が200重量部を超えると定着性が低下する傾向がある。
【0095】
本発明に使用されるトナーには、荷電制御剤として有機金属化合物を用いることが好ましい。有機金属化合物のうちでも、特に気化性や昇華性に富む有機化合物を配位子や対イオンとして含有するものが有用である。
【0096】
このような金属錯体としては次に示した式で表わされるアゾ系金属錯体がある。
【0097】
【化15】
Figure 0004040207
【0098】
式中、Mは配位中心金属を表わし、配位数6のCr,Co,Ni,Mn,Fe,Al,Ti,Sc,V等があげられる。Arはアリール基であり、フェニル基、ナフチル基などがあげられ、置換基を有してもよい。この場合の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド基及び炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基等がある。X,X’,Y,Y’は−O−,−CO−,−NH−,−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。K+は水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオンあるいはこれらいずれかの混合イオンを示す。
【0099】
以下、本発明に良好に使用される錯体の具体例を示す。
【0100】
【化16】
Figure 0004040207
【0101】
【化17】
Figure 0004040207
【0102】
【化18】
Figure 0004040207
【0103】
荷電制御剤は、トナー100重量部に対して0.2〜5重量部の範囲で添加されるのが好ましい。
【0104】
また、本発明においては、定着部材からの離型性の向上,定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナー粒子中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、グラフト変性物を含む。
【0105】
その他の添加剤として、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0106】
本発明に使用するトナーを作製するには、公知の方法が用いられる。例えば、結着樹脂、ワックス、金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料、染料、又は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕、分級を行なって本発明に係るトナー粒子を得ることができる。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0107】
分級工程で得られたトナー粒子100重量部に対して、シリカ等から構成される外添剤が約1〜10重量部の範囲で添加され混合されるのが外添混合工程である。外添混合工程に使用される装置として好ましいものに、FM−500、−300、−75、−10等の名称を有する三井三池化工機(製)のヘンシェルミキサーを挙げることができる。
【0108】
さらに、画像形成装置の一例を図1に概略的に示し、それに基づき画像形成方法を説明する。
【0109】
1はドラム状の静電潜像担持体であり、その周囲には一次帯電手段が有する帯電ローラー(帯電部材)2、露光光学系3、トナー担持体5を有する現像手段4、転写手段9、クリーニング手段11が配置されている。
【0110】
この画像形成装置においては、帯電ローラー2により感光体である静電潜像担持体1の表面を一様に帯電した後、露光光学系3により露光して静電潜像担持体1の表面に静電潜像を形成する。
【0111】
本発明に用いられる帯電部材は、静電荷像担持体に接触配置される接触帯電部材であれば、形状については、特に限定されるものではなく、ローラー状、ブレード状及びブラシ状等いずれのものでもよい。
【0112】
また、帯電部材に印加される電圧は、直流電圧は絶対値で200〜2000Vであることが好ましく、交流電圧はピーク間電圧が400〜4000Vで、周波数が200〜3000Hzであることが好ましい。
【0113】
次いで、磁石を内包するトナー担持体5の表面上に、トナー層厚規制部材6により、トナーコート層を形成し、現像部において静電潜像担持体1の導電性基体とトナー担持体5との間のバイアス印加手段8により交互バイアス、パルスバイアス及び/または直流バイアスを印加しながら、静電潜像担持体1に形成した静電潜像を現像する。図中、7は撹拌手段、13は磁性トナーである。
【0114】
現像されたトナー像は、転写紙Pを搬送し転写手段としての転写ローラー9、電圧印加手段10により、転写紙Pの背面からトナーと逆極性の電荷を加えられて、転写紙Pへ静電転写される。
【0115】
トナー像が転写された転写紙Pは、加熱加圧ローラ定着器12を通過し、トナー像は定着画像となる。
【0116】
転写工程後の潜像担持体上に残留するトナーは、クリーニング手段としてのクリーニングブレード11により除去されてクリーナー14に回収され、再び一次帯電以下の工程が繰り返される。
【0117】
本発明においては、上述のドラム状の静電荷像担持体や現像装置、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合してプロセスカートリッジを構成し、このプロセスカートリッジを装置本体に対して着脱可能に構成しても良い。例えば、帯電部材及び現像装置を静電荷像担持体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記のプロセスカートリッジの方にクリーニング手段を伴って構成しても良い。
【0118】
図2は、本発明のプロセスカートリッジの一実施例を示している。本実施例では、現像手段4、ドラム状の静電荷像担持体(感光体ドラム)1、クリーニングブレード11を有するクリーナー14、一次帯電部材2を一体としたプロセスカートリッジ16が例示される。このプロセスカートリッジにおいては、現像手段4の磁性トナー13がなくなった時に新たなカートリッジと交換される。
【0119】
本実施例では、現像手段4は磁性トナー13を保有しており、現像時には、静電荷像担持体1とトナー担持体としての現像スリーブ5との間に所定の電界が形成される。現像工程が好適に実施されるためには、静電荷像担持体1と現像スリーブ5との間の距離は非常に大切である。
【0120】
図2に示すプロセスカートリッジにおいて、現像手段4は磁性トナー13を収容するためのトナー容器15と、トナー容器15内の磁性トナー13をトナー容器15から静電荷像担持体1に対面した現像域へと担持し搬送する現像スリーブ5と、現像域へと搬送される磁性トナーを所定厚さに規制し、現像スリーブ上にトナー薄層を形成するためのトナー層厚規制部材としての弾性ブレード6とを有する。
【0121】
前記現像スリーブ5は、任意の構造とし得る。通常は、図示しない磁石を内蔵した非磁性の現像スリーブ5から構成される。現像スリーブ5は図示されるように円筒状の回転体とすることもできる。循環移動するベルト状とすることも可能である。その材質としては通常、アルミニウムやSUSが用いられることが好ましい。
【0122】
前記弾性ブレード6は、ウレタンゴム、シリコーンゴム、NBRの如きゴム弾性体;リン青銅、ステンレス板の如き金属弾性体;ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン等の如き樹脂弾性体で形成された弾性板で構成される。弾性ブレード6は、その部材自体のもつ弾性により現像スリーブ5に当接され、鉄の如き剛体から成るブレード支持部材にてトナー容器15に固定される。弾性ブレード6は、線圧5〜80g/cmで現像スリーブ5の回転方向に対してカウンター方向に当接することが好ましい。弾性ブレード6の代わりに、鉄の如き磁性ドクターブレードを用いることも可能である。
【0123】
一次帯電手段としては、接触帯電部材として帯電ローラー2を用いて説明したが、帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でもよい。この接触帯電部材は、帯電によるオゾンの発生が少ない点で好ましい。転写手段としては、転写ローラー9を用いて説明したが転写ブレードの如き接触帯電手段でもよく、更に非接触のコロナ転写手段でもよいが、転写によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電手段が好ましい。
【0124】
本発明の画像形成方法をファクシミリのプリンターに適用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントするための露光になる。図3はこの場合の一例をブロック図で示したものである。
【0125】
コントローラ31は画像読取部30とプリンター39を制御する。コントローラ31の全体はCPU37により制御されている。画像読取部からの読取データは、送信回路33を通して相手局に送信される。相手局から受けたデータは受信回路32を通してプリンター39に送られる。画像メモリには所定の画像データが記憶される。プリンタコントローラ38はプリンター39を制御している。34は電話である。
【0126】
回線35から受信された画像(回線を介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回路32で復調された後、CPU37は画像情報の複号処理を行い順次画像メモリ36に格納される。そして、少なくとも1ページの画像がメモリ36に格納されると、そのページの画像記録を行う。CPU37は、メモリ36より1ページの画像情報を読み出しプリンタコントローラ38に複合化された1ページの画像情報を送出する。プリンタコントローラ38は、CPU37からの1ページの画像情報を受け取るとそのページの画像情報記録を行うべく、プリンタ39を制御する。
【0127】
尚、CPU37は、プリンタ39による記録中に、次のページの受信を行っている。
【0128】
以上の様に、画像の受信と記録が行われる。
【0129】
【実施例】
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、「部」は重量部を意味する。
【0130】
<実施例1>
〔I〕静電荷像担持体(以下「感光体ドラム」と称す)の調製:
30φ,254mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、その上に、以下の材料より構成される塗布液を浸せき法で塗布し、140℃で30分間熱硬化することによって膜厚が15μmの導電層を形成した。
・導電性顔料(SnO2 コート処理硫酸バリウム) 10部
・抵抗調節用顔料(酸化チタン) 2部
・バインダー樹脂(フェノール樹脂) 6部
・レベリング材(シリコーンオイル) 0.001部
・溶剤 20部
(メタノール/メトキシプロパノール;0.2/0.8〔重量比〕)
【0131】
次にこの上に、Nメトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部/nブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を、浸せき法で塗布し、乾燥することによって膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
【0132】
次に、CuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°が9.0°,14.2°,23.9°,27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン(TiOPc)4部と、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学製)2部及びシクロヘキサノン60部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。その後エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸せき法で塗布し、乾燥することによって、膜厚が0.3μmの電荷発生層を中間層上に形成した。
【0133】
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン製)10部と表10の条件No.1記載の樹脂10部とフッ素系くし型グラフトポリマー(GF300、東亜化成製)0.07部とを、モノクロロベンゼン60部と充分混合した後、高圧分散機にて分散して4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を調製した。このときの4フッ化エチレン樹脂粒子の一次粒径を粒度分布測定装置(堀場製作所製)にて測定したところ、粒径は0.25μmであった。
【0134】
次に、下記式で示されるアミン化合物9部と
【0135】
【化19】
Figure 0004040207
下記式で示されるアミン化合物1部と
【0136】
【化20】
Figure 0004040207
表10の条件No.1記載のバインダー樹脂10と前述の4フッ化エチレン樹脂粒子分散液5部とを、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒に溶解した。この樹脂の重量平均分子量を測定したところ、35000であった。
【0137】
この塗布液を浸せき法で塗布し、120℃で2時間乾燥することによって、膜厚が25μmの電荷輸送層を電荷発生層上に形成した。
【0138】
〔II〕トナーの調製:
・結着樹脂(スチレン系樹脂) 100部
・磁性体(Fe34) 100部
・荷電制御剤(モノアゾ鉄錯体) 2部
・ワックス(高分子アルコール系ワックス) 5部
【0139】
上記混合物を、130℃に加熱された二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、さらにエルボージェット分級機で所望の粒度分布を有するトナー粒子を得た。
【0140】
上記トナー粒子100部と一次粒子の個数平均粒径が0.02μmのシランカップリング剤で表面処理した疎水性シリカ(二酸化ケイ素)微粉体1.5部及び一次粒子の個数平均粒径が1.80μmのチタン酸ストロンチウム微粉体0.3部を加えてヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。なお、本トナーの粒度は重量平均粒径が5.80μm、粒径2.00乃至3.17μmの粒子の含有量が13個数%であった。
【0141】
図2に示すプロセスカートリッジを装着する図1に示す画像形成装置として、ヒューレットパッカード社製LBP「LJ−5L」を用い、この「LJ−5L」のプロセスカートリッジに上記の〔I〕及び〔II〕で調製した感光体ドラム及び上記トナーをセットし、以下の画像評価方法に従い、評価を行なった。
【0142】
尚、「LJ−5L」は、一次帯電部材として、感光体表面に当接する接触帯電ローラーを用い、この帯電ローラーに直流電圧:−625V,交流電圧:ピーク間電圧1.8kV,周波数370Hzの帯電電圧を印加して、感光体を一次帯電する構成を有する画像形成装置である。
【0143】
(イ)高温・高湿環境(33.0℃,95%RH)における評価:
▲1▼ドラム融着
画像面積比率約3%画像を2500枚連続プリントアウトした後、A4サイズの記録紙全面にベタ黒画像を形成し、ベタ黒画像上に生ずる白点の発生程度を評価した。
A:A4サイズの記録紙上に白点が全く発生しない。
C:A4サイズの記録紙上に白点が10点程度みられる。
E:A4サイズの記録紙上に白点が100点以上みられる。
【0144】
なお、BはAとCの中間レベル、DはCとEの中間レベルである。
【0145】
▲2▼画像流れ
画像面積比率約3%の画像を2500枚連続プリントアウトし、2500枚後の画像流れの程度により評価した。本評価においては、経験上、画像流れが発生し易いタルクを填料として用いている紙(33.0℃,95%RH下で吸湿量10%にしたもの)を評価用紙とした。尚、紙の吸湿量は、Infrared Engineering製 MOISTREX MX 5000を用いて測定した。
A:画像流れが全く発生しない。
C:画像流れが発生しているが、文字が何か判別できる。
E:画像流れが発生し、文字が何か判別できない。
【0146】
なお、BはAとCの中間レベル、DはCとEの中間レベルである。
【0147】
(ロ)低温・低湿環境(15℃,10%RH)における評価:
▲1▼白筋
画像面積比率約3%の画像を2500枚連続プリントアウトし、2500枚後のハーフトーン画像(副走査方向1ドット・2スペース)により、白筋のレベルを評価した。
A:白筋が全く発生しない。
C:白筋が発生しているが肉眼で明確に把握できない。
E:白筋の発生が肉眼で多数本明確に把握できる。
【0148】
なお、BはAとCの中間レベル、DはCとEの中間レベルである。
【0149】
<実施例2>
電荷輸送層の樹脂として、表10の条件No.2の樹脂を6部(樹脂全体の60重量%)、表10の条件No.4の樹脂を4部(樹脂全体の40重量%)とする以外は、実施例1と同様に感光体ドラムを作製した。現像剤に関しては、実施例1と同様のものを使用して、画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0150】
参考例1
電荷輸送層の樹脂として、表10の条件No.3の樹脂を4部(樹脂全体の40重量%)、表10の条件No.5の樹脂を6部(樹脂全体の60重量%)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体ドラムを作製した。トナーに関しては、重量平均径が6.8μm、粒径2.00乃至3.17μmの粒子の含有量が3個数%のもので二酸化ケイ素微粉体はトナー100部に対して1.2部添加したものを使用して、画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0151】
参考例2
電荷輸送層の樹脂として、参考例1と同様のものを使用し、実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。トナーに関しては、実施例1で使用したものと同様のものを使用して、画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0152】
参考例3
感光体ドラムの作製において、電荷発生層までは実施例1と同様にして形成した。
【0153】
電荷輸送層形成工程として、4フッ化エチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン製)10部と表10の条件No.1の樹脂10部とフッ素系くし型グラフトポリマー(GF300、東亜化成製)0.04部とを、モノクロロベンゼン60部と充分混合した後、高圧分散機にて分散して4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を調製した。このときの4フッ化エチレン樹脂粒子の一次粒径を粒度分布測定装置(堀場製作所製)にて測定したところ、粒径は0.18μmであった。
【0154】
次に下記式で示されるアミン化合物9部と
【0155】
【化21】
Figure 0004040207
下記式で示されるアミン化合物1部と
【0156】
【化22】
Figure 0004040207
参考例1で使用した樹脂10部と前述の4フッ化エチレン樹脂粒子分散液15部と下記式で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤0.2部
【0157】
【化23】
Figure 0004040207
及び下記式で示されるりん系酸化防止剤0.2部
【0158】
【化24】
Figure 0004040207
を用いた以外は、参考例1と同様に感光体ドラムを作製した。上述の感光体ドラムと実施例1で使用したトナーとを用いて、実施例1と同様にして画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0159】
参考例4
トナーの作製において、実施例1で用いたシランカップリング剤で表面処理したシリカ微粉体に代えて、さらにそのシランカップリング剤処理シリカ微粉体100部に対して20部のシリコーンオイル(粘度:100cSt)で処理したものを用いる以外は、参考例3と同様にして画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0160】
参考例5
参考例3でトナーの作製において、チタン酸ストロンチウム微粉体を用いる代わりに、酸化チタン微粉体(一次粒子の個数平均粒径:0.18μm)を用いる以外は、参考例3と同様にして画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0161】
<比較例1>
感光体ドラムの作製において、4フッ化エチレン樹脂粒子を用いず、バインダー樹脂として表10の条件No.5の樹脂のみを10部用いて電荷輸送層を形成した以外は、参考例1と同様にして感光体ドラムを作製し、参考例1と同様にして画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0162】
<比較例2>
感光体ドラムの作製において、4フッ化エチレン樹脂粒子を用いず、バインダー樹脂として表10の条件No.3の樹脂のみを10部用いて電荷輸送層を形成した以外は、参考例1と同様にして感光体ドラムを作製し、参考例1と同様にして画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0163】
<参考例
実施例1で使用したトナーに用いたチタン酸ストロンチウム微粉体を用いないことを除いては、実施例1と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様にして画像評価を行った。結果を表11に示す。
【0164】
<参考例
実施例1で使用したトナーに用いたチタン酸ストロンチウム微粉体に代えて、一次粒子の個数平均粒径が3.5μmのチタン酸ストロンチウム微粉体を用いることを除いては、実施例1と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様にして画像評価を行った。結果を表11に示す。
【0165】
<参考例
実施例1で使用したトナーに用いたチタン酸ストロンチウム微粉体に代えて、一次粒子の個数平均粒径が0.09μmのチタン酸ストロンチウム微粉体を用いることを除いては、実施例1と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様にして画像評価を行った。結果を表11に示す。
【0166】
【表10】
Figure 0004040207
【0167】
【表11】
Figure 0004040207
【0168】
【発明の効果】
本発明は、特定の静電荷像担持体と、特定の無機微粉体を有するトナーを用いることにより、高温高湿下でいかなる転写材を用いても画像流れが生じず、全ての環境下でドラム融着やドラム白筋の発生しない画像形成方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の一例の概略を示した図である。
【図2】本発明のプロセスカートリッジの一実施例を示す説明図である。
【図3】本発明の画像形成方法をファクシミリのプリンターに適用した場合のブロック図である。
【符号の説明】
1 静電荷像担持体
2 一次帯電装置
3 露光光学系
4 現像装置
5 トナー担持体
6 トナー層厚規制部材
7 トナー撹拌手段
8 現像バイアス電源
9 転写装置
10 転写電流発生装置
11 クリーニング手段
12 定着装置
13 トナー
P 転写材(記録材)

Claims (12)

  1. 静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、現像手段が有するトナーによって静電荷像を現像してトナー像を形成し、静電荷像担持体上のトナー像を中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写し、転写材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方法であり、
    該静電荷像担持体の表面層が、
    (i)7.5×103乃至3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(1)
    Figure 0004040207
    〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
    で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂と
    (ii)フッ素含有樹脂粒子と、を含有し、
    該トナーは、トナー粒子と、個数平均粒径が0.10μm以下の第1の無機微粉体及び個数平均粒径が0.12乃至3.0μmの第2の無機微粉体とを有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 第1の無機微粉体は、ケイ酸微粉体であり、該トナー中に0.5乃至2.5重量%含まれ、第2の無機微粉体は、酸化チタン,チタン酸ストロンチウム又は酸化セリウムであり、該トナー中に0.35乃至3.5重量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 第1の無機微粉体が3乃至20重量%のシリコーンオイルを含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 該トナーは、重量平均粒径が3.5乃至6.5μmであり、粒径2.00乃至3.17μmの粒子の含有量が5乃至40個数%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 該静電荷像担持体の表層が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 該静電荷像担持体に接触配置された帯電部材から直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより、該静電荷像担持体を帯電することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 画像形成装置本体の着脱可能に装着されるプロセスカートリッジにおいて、
    該プロセスカートリッジは、静電荷像を担持するための静電荷像担持体、及び該静電荷像担持体に担持されている静電荷像を現像してトナー像を形成するためのトナーを保有する現像手段を有しており、
    該静電荷像担持体の表面層が、
    (i)7.5×103乃至3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(1)
    Figure 0004040207
    〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
    で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂と
    (ii)フッ素含有樹脂粒子と、を含有し、
    該トナーは、トナー粒子と、個数平均粒径が0.10μm以下の第1の無機微粉体及び個数平均粒径が0.12乃至3.0μmの第2の無機微粉体とを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 第1の無機微粉体は、ケイ酸微粉体であり、該トナー中に0.5乃至2.5重量%含まれ、第2の無機微粉体は、酸化チタン,チタン酸ストロンチウム又は酸化セリウムであり、該トナー中に0.35乃至3.5重量%含まれていることを特徴とする請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
  9. 第1の無機微粉体が3乃至20重量%のシリコーンオイルを含有していることを特徴とする請求項7又は8に記載のプロセスカートリッジ。
  10. 該トナーは、重量平均粒径が3.5乃至6.5μmであり、粒径2.00乃至3.17μm以下の粒子の含有量が5乃至40個数%であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  11. 該静電荷像担持体の表層が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  12. 該プロセスカートリッジは、該静電荷像担持体に接触配置され、直流電圧と交流電圧を重畳した電圧を印加するための帯電部材をさらに有していることを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
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