JP3745237B2 - 画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体及び現像剤担持体を有する画像形成方法及びプロセスカートリッジに関し、詳しくは、特定の樹脂及びフッ素含有樹脂粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体と特定の固体潤滑剤及び導電剤を被覆した現像剤担持体とを有する画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、様々な有機光導電性化合物を有する電子写真感光体の開発が盛んに行われている。例えば、米国特許3837851号明細書には、トリアリールピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感光体が、米国特許3871880号明細書には、ペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とを含有する感光体が記載されている。
【0003】
有機光導電性化合物は、化合物によって感度を有する波長域が異なり、例えば、特開昭61−272754号公報及び特開昭56−167759号公報には、可視領域に高い感度を有する化合物が開示されており、また、特開昭57−19567号公報及び特開昭61−228453号公報には、赤外領域に高い感度を有する化合物が開示されている。これらの化合物のうち赤外領域に感度を有するものは、レーザービームプリンター(以下、LBPと略す)やLEDプリンターに使用され、その需要頻度は高くなってきている。
【0004】
一方、帯電手段としては、電子写真感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加することによって、電子写真感光体を帯電する接触帯電手段が特開昭57−17826号公報及び特開昭58−40566号公報等に開示されている。
【0005】
接触帯電手段は、コロナ帯電手段に比べ、オゾン発生量が格段に少ない、コロナ帯電手段が帯電器に流す電流の80%前後はシールドに流れるため浪費されるのに対して、接触帯電はこの浪費分が無く非常に経済的である等のメリットを持つ。
【0006】
しかしながら、接触帯電手段においては、帯電部材が電子写真感光体に接触しているため、電子写真感光体にはより優れた機械的強度が要求される。また、帯電安定性を向上させる目的で、印加電圧として直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を用いることが提案されている(特開昭63−149668号公報)が、この帯電方法では、帯電安定性は向上するものの、交流電圧を重畳するために電子写真感光体に流れる電流量は大幅に増大する。その結果、電子写真感光体の削れ量が増加し、画像にカブリが発生してしまうという問題が新たに生じ、機械的強度のみならず電気的強度をも向上させる様々な手段か検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、機械的及び電気的耐久特性の向上により電子写真感光体の表面層の削れ量が減少すると、あるいは削れ量がある程度多くても表面粗さが大きいと、酸化劣化した樹脂及び表面付着物が十分除去しきれなくなることで、感光体表面の抵抗の低下を引き起こし、形成した画像が流れたように不鮮明になる現象(以下、画像流れと称す)が生じることがあった。また、表面粗さが大きいと、明部電位が上昇し、画像濃度が低下することがあった。
【0008】
この現象は、印加電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を用いた接触帯電手段を採用した場合に特に顕著に生じ、転写材として十分に吸湿した紙を用いると更に顕著に生じる。
【0009】
画像流れを防止する手段として、特開昭62−160458号公報には、低分子量のポリカーボネート樹脂と高分子量のポリカーボネート樹脂の両方を用い、電子写真感光体の劣化した表面層を付着物と共に除去することが記載されているが、上記特定の接触帯電手段を採用した際には、使用に伴う電子写真感光体の表面粗さの増大が特に顕著になるために、十分な効果が得られるものではなかった。
【0010】
また、これらを解決するために、特開2000−19765号公報には、特定の帯電手段及び特定の樹脂及びフッ素含有樹脂粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体について開示されている。確かにこの発明によれば耐久性に優れ、画像流れや明部電位の上昇が生じ難い点においては著しい改善効果が認められた。
【0011】
しかし、近年、益々進むプリンターの小型化を達成するため、プロセスカートリッジ構成部材である静電荷像担持体や現像剤担持体等も小型・小径化されてきており、その結果として本構成の静電荷像担持体のみでは画像縦すじ等によって、良好な画像の長期にわたる維持が困難になってきている。
【0012】
すなわち、ドラム上に生じたわずかなトナー融着であっても、高速化によるその回転角速度の速さから、融着物の成長速度が速く、その後これらがクリーニングブレード等との当接部に付着することによってクリーニング不良を起こす。特に当該静電荷像担持体はその表面が磨耗性の樹脂で構成されているため、一度クリーニング不良を起こした場合は局所的な磨耗不均一性を生じ、急激に縦筋等の画像劣化を生じることになる。
【0013】
したがって、プリンターの小型化・高速化に伴って、良好な画像を長期にわたり維持するのは困難な状況にあった。
【0014】
また、特に、今後構築されていかなければならない循環型消費社会のためには、プロセスカートリッジの構成部材においてもリサイクル・再使用が考慮された設計が望まれるが、こうした観点においてもこれまでの技術では実現困難な状況にあった。
【0015】
本発明の目的は、耐久特性に優れ、しかも画像流れ、画像縦すじ等の画像劣化が生じ難く、またその高耐久性により部材のリサイクル・再利用がしやすい画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電部材によって帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、現像剤担持体上のトナーによって静電荷像を現像してトナー像を形成する工程を少なくとも有する画像形成方法およびプロセスカートリッジであり、
該帯電部材は静電荷像担持体に接触配置され、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加されることにより該静電荷像担持体を帯電し、
該静電荷像担持体は、その表面層が、▲1▼7.5×103〜3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(1)
【0017】
【化5】
Figure 0003745237
〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂、または▲2▼7.5×103〜3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(2)
【0018】
【化6】
Figure 0003745237
〔式中、X2は−CR2324−(ただしR23およびR24は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R15〜R22は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂の少なくとも1種を含有し、
【0019】
現像剤担持体は表面に、結着樹脂に固体潤滑剤及び導電剤を含有した被膜を形成した現像剤担持体であって、前記固体潤滑剤が体積平均粒径が3〜10μmであり、且つ体積分布の変動係数Aが下記条件
A≦65
[式中、Aは粉体の体積分布における変動係数(s/D1)×100を示す。但し、sは粉体の体積分布における標準偏差を示し、D1は粉体の体積平均粒径(μm)を示す。]
に分級されたものであることを特徴とする画像形成方法およびプロセスカートリッジに関する。
【0020】
本発明の画像形成方法およびプロセスカートリッジは、特定の帯電方法、静電荷像担持体および現像剤担持体を一つの構成に有することにより、優れた耐久特性を保ちつつ、しかも画像流れ、画像縦すじ等の画像欠陥が生じ難い電子写真特性を持っているものである。
【0021】
このような顕著な効果が得られる理由は明らかではないが、前記固体潤滑剤の体積平均粒径が3〜10μm、体積分布の変動係数Aが65以下であるため、現像剤担持体上の表面粗度Raの測定位置によるばらつきが小さく、現像剤への帯電が均一になる又は帯電された現像剤の感光ドラム上への搬送が均一になり、その結果、磨耗性の静電荷像担持体表面の平滑性(磨耗均一性)がよく、現像剤の静電荷像担持体上への引っかかりが少ないために、付着・融着の無い状態が長期にわたって維持されるものと考えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる帯電手段を有する帯電部材は、電子写真感光体に接触配置され、直流電流に交流電圧を重畳した電圧を印加される接触帯電部材であれば特に限定されるものではなく、ローラー状、ブレード状及びブラシ状等いずれのものでもよい。また、帯電部材に印加される電圧は、直流電圧は絶対値で200〜2000Vであることが好ましく、交流電圧はピーク間電圧が400〜4000Vで、周波数が200〜3000Hzであることが好ましい。
【0023】
本発明に用いられる静電荷像担持体について説明する。
【0024】
本発明に用いられる上記式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂および上記式(2)で示されるポリカーボネート樹脂としては、適度な摩耗性を付与できることが必要である。具体的には最適な摩耗性を付与し、画像流れに対する効果を充分とするため、7500乃至37000の重量平均分子量を有し、10000乃至37000の重量平均分子量を有することが好ましく、15000乃至30000の重量平均分子量を有することがより好ましい。また、これらの樹脂の分散度としては、強度及び画像流れに対する充分な効果を奏するという点において好ましくは3.0以下、より好ましくは2.6以下であることが良い。ここでいう「分散度」とは、重量平均分子量/数平均分子量で表わされる値である。
【0025】
本発明における分子量は、ポリスチレンを標準物質として用いたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。より詳細な測定条件の例を以下に示す。
装置:HLC−8120(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel Super HM−M
6mm I.D.×15cm(東ソー(株)製) 2本
標準物質:ポリスチレン(東ソー(株)製)
試料:樹脂1質量部/テトラヒドロフラン1000質量部
流速:0.6ml/min
溶媒:テトラヒドロフラン
温度:40℃
検出器:R.I、UV(254nm)
【0026】
式(1)及び式(2)中、アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基などが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基などが挙げられる。シクロアルキリデン基としてはシクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基及びフルオレニリデン基などが挙げられる。α,ω−アルキレン基としては1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基及び1,4−ブチレン基などが挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子及び臭素原子などが挙げられる。
【0027】
これらの基が有してもよい置換基としてはフッ素原子、塩素原子及び臭素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基及びプロピル基などのアルキル基;フェニル基、ナフチル基及びアンスリル基などのアリール基;ベンジル基及びフェネチル基などのアラルキル基;及びメトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。
【0028】
なお、「単結合」とは、X1またはX2の両側のベンゼン環が直接結合していることを意味し、例えば後述の構成単位例(1)−7,(1)−23及び(1)−24が挙げられる。
【0029】
本発明に用いられる式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂の構成単位の具体例を表1〜4に示すが、必ずしもこれらに限られるものではない。
【0030】
【表1】
Figure 0003745237
【0031】
【表2】
Figure 0003745237
【0032】
【表3】
Figure 0003745237
【0033】
【表4】
Figure 0003745237
【0034】
好ましい例としては構成単位例(1)−1、(1)−2、(1)−3、(1)−4、(1)−9が挙げられ、特に構成単位(1)−1、(1)−2、(1)−4が好ましい。
【0035】
本発明において用いられる式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂は、下記式(3)で示されるビスフェノールを通常溶解性を上げるため、テレフタル酸塩化物とイソフタル酸塩化物の混合物とアルカリ下で溶媒/水系中で撹拌し、界面重合することによって合成することができる。
【0036】
【化7】
Figure 0003745237
〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−である。また、R1〜R8は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
【0037】
テレフタル酸塩化物とイソフタル酸塩化物の比率はその重合体の溶解性を考慮して決定されるもので定説はない。ただし、いずれかの塩化物が30mol%以下になると、合成した重合体の溶解性が極端に低下するので注意が必要である。通常は1/1の比率で合成するのが好ましい。
【0038】
また、本発明の静電荷像担持体においては、式(1)で示される構成単位が同一のもので構成される重合体でも、2種類以上の式(1)で示される別種の構成単位からなる共重合体でもよい。更には式(1)で示される構成単位を有する樹脂を2種以上ブレンドしてもよい。
【0039】
本発明に用いられる式(2)で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂の構成単位の好ましい例を表5〜8に示すが、これらに限られるものではない。
【0040】
【表5】
Figure 0003745237
【0041】
【表6】
Figure 0003745237
【0042】
【表7】
Figure 0003745237
【0043】
【表8】
Figure 0003745237
【0044】
特に、好ましい例としては構成単位例(2)−1、(2)−2、(2)−3、(2)−4、(2)−9が挙げられ、特に構成単位(2)−1、(2)−2、(2)−4が好ましい。
【0045】
本発明において用いられる式(2)で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂は、下記式(4)で示されるビスフェノールを通常アルカリの存在下でホスゲンを作用させて重合することによって合成することができる。
【0046】
【化8】
Figure 0003745237
〔式中、X2は−CR2324−(ただしR23およびR24は同一または異なって水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−である。また、R15〜R22は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
【0047】
本発明に用いられる静電荷像担持体においては、式(2)で示される構成単位が同一のもので構成される重合体でも、2種類以上の式(2)で示される別種の構成単位からなる共重合体でもよい。更にはこれらの樹脂を2種以上ブレンドしてもよいし、式(1)で示される樹脂とブレンドしてもよい。
【0048】
本発明に用いられる静電荷像担持体においては、必要に応じて膜強度の保持のために分子量の比較的大きい樹脂と混合して用いてもよい。用いる樹脂としては式(1)で示されるポリアリレート樹脂または式(2)で示されるポリカーボネート樹脂が好ましく、それらの樹脂の分子量としては具体的には37000より大きい重量平均分子量を有することが好ましく、特に50000乃至300000の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0049】
さらに必要に応じてその他の樹脂と混合して用いてもよい。しかし7.5×103〜3.7×104の重量平均分子量を有する本発明の樹脂とその他の樹脂とを混合する場合は、本発明の樹脂が全体のバインダー樹脂に対しては適度な摩耗性を付与し、画像流れに対する効果を充分なものにすること考慮すると、20質量%以上含まれていることが好ましく、30質量%以上含まれていることがより好ましい。
【0050】
本発明に用いる静電荷像担持体としては、表面層にフッ素樹脂粒子を含有することがより好ましい。フッ素系樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化エチレン樹脂、六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれら共重合体から選ばれる一種類または二種類以上を適宜選択するのが望ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0051】
フッ素系樹脂粒子の含有量は、フッ素系樹脂粒子の分散による顕著な改質効果を確保し、良好な塗料の長期安定性、光透過性下、キャリアの移動性を得ることを考慮すると、該粒子を含有する層中の全固形分質量に対して0.1〜50質量%が望ましく、特に0.2〜30質量%が好ましい。
【0052】
また本発明においては、フッ素樹脂粒子の顕著な添加効果を確保すると共に、本発明に係る静電荷像担持体が分子量の比較的低い結着樹脂を用いることから、塗布液中でのフッ素系樹脂の沈降を回避し、塗料の長期安定性や塗工性を良好にするために、フッ素系樹脂粒子の一次粒径は0.3μm以下、好ましくは0.05〜0.3μm、より好ましくは0.08〜0.3μmであることが良い。
【0053】
フッ素系樹脂粒子の分散性を向上させるために、フッ素系くし型グラフトポリマーを用いるとより好ましい。フッ素系くし型グラフトポリマーは、各分子鎖の片末端に重合性の官能基を有する分子量が1000〜10000程度の比較的低分子量のオリゴマーとフッ素系重合性モノマーを共重合して得られるものであり、フッ素系重合性の幹にマクロモノマーの重合体が枝状にぶらさがった構造を有している。マクロモノマーには、グラフトモノマーを添加する樹脂と親和性のあるものが選択され、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステルあるいはスチレン化合物などの重合体や共重合体などが用いられる。
【0054】
一方、フッ素系重合性モノマーとしては、表9に示されるような側鎖にフッ素原子を有する重合性モノマーの1種あるいは2種以上が用いられるが、何らこれに限定されるものではない。
【0055】
【表9】
Figure 0003745237
【0056】
式中、Raは水素原子またはメチル基を表わす。Rbは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトリル基を表わし、その数種類の組み合わせでもよい。nは1以上の整数、mは1〜5の整数、kは1〜4の整数を表わし、m+k=5である。
【0057】
表9の式中、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基などが挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基などが挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子及び臭素原子などが挙げられる。
【0058】
フッ素系くし型グラフトポリマー中におけるフッ素系モノマー残基の含量は、疎水化の顕著な改質効果を維持しながら、マクロモノマーとの溶解性を良好にすることを考慮すると、フッ素系くし型グラフトポリマー中5〜90質量%が好ましい。特に10〜70質量%であることが好ましい。
【0059】
フッ素系くし型グラフトポリマーの含有量は、塗膜のバルク中に存在するグラフトポリマーと樹脂との相溶性の問題を回避しながら、繰り返し電子写真プロセスを行ったときの残留電位を低減させると共に、フッ素系樹脂粒子の顕著な分散性改質効果を考慮すると、フッ素系樹脂粒子の質量に対して0.01〜20%が好ましく、特に0.1〜10%が好ましい。
【0060】
本発明の静電荷像担持体においては、必要に応じて酸化防止剤を添加するとより好ましい。酸化防止剤を添加することにより、画像流れ発生の主原因である表面付着物や結着樹脂の酸化劣化を抑えることができるため、画像流れの発生をより効果的に防ぐことができる。
【0061】
本発明に用いられる酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系酸化防止剤が特に好ましい。これらは1種類で用いてもよいが、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤及びりん系酸化防止剤を組み合わせて用いるのがよい。
【0062】
酸化防止剤の含有量は、少なすぎると画像流れへの効果が不十分となり、一方多すぎると残留電位の上昇などの電子写真特性の悪化を招くため適正な量を選択する必要がある。具体的には樹脂に対して0.01〜30質量%が好ましく、特に0.1〜20質量%が好ましい。
【0063】
次に、本発明に用いられる静電荷像担持体の代表例である電子写真感光体について説明する。
【0064】
電子写真感光体は、感光層が電荷輸送材料と電荷発生材料を同一の層に含有する単層型であっても、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料を含有する電荷発生層に分離した積層型でもよいが、電子写真特性的には積層型であることが好ましい。更には、電荷発生層上に電荷輸送層を有し、電荷輸送層が表面層であることが好ましい。以下この形態を例にとり説明する。
【0065】
使用する導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレス等の金属、あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチック等が挙げられ、形状はシート状、円筒状等が挙げられる。
【0066】
露光が可干渉光である場合は、散乱による干渉縞防止または支持体の傷の被覆を目的とした導電層を導電性支持体上に設けてもよい。導電層はカーボンブラック、金属粒子等の導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmが適当である。
【0067】
導電性支持体と感光層の間に接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層の材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.3〜1μmが適当である。
【0068】
電荷発生層は、電荷発生材料を0.3〜4倍量の適当な樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル及び液衝突型高速分散機等の方法で良く分散した分散液を塗布し、乾燥することによって形成される。
【0069】
用いられる電荷発生材料としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニン系等の各顔料が挙げられる。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜2μmが適当である。
【0070】
電荷輸送層は、主として電荷輸送材料、本発明の樹脂及びフッ素含有樹脂粒子とを溶剤中に溶解及び分散した塗布液を塗布し、乾燥することによって形成する。塗布液の調合方法としては、電荷輸送材料、本発明の樹脂及びフッ素含有樹脂粒子とを溶剤中に同時に溶解及び分散する方法、及び樹脂とフッ素含有樹脂粒子とをあらかじめ溶解及び分散した塗布液を作製し、電荷輸送材料を溶解した塗布液と混合する方法等が挙げられる。塗布液の作製にあたっては単なる撹拌混合でも良いが、必要に応じて、ボールミル、ロールミル、サンドミル及び高圧分散機等の分散手段を用い、フッ素含有樹脂粒子の一次粒子が0.3μm以下となるように調合する。
【0071】
用いられる電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物及びチアゾール系化合物等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は、0.5〜2倍量の樹脂と組み合わされる。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは15〜30μmが適当である。
【0072】
次に本発明に用いられる現像剤担持体について説明する。
【0073】
現像剤担持体に用いられる導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物、カ−ボンファイバ−、カ−ボンブラック、グラファイト等の炭素物が挙げられる。このうちカーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、添加量のコントロールである程度任意の導電度を得ることができるために好適に用いられる。尚、本発明に使用する導電性のアモルファスカーボンの粒径は10〜80mμmのものが好ましい。
【0074】
結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂;或は光硬化性樹脂等を使用することができる。中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂の様な離型性のあるもの、或はポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂の様な機械的性質に優れたものがより好ましい。
【0075】
固体潤滑剤としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化ほう素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石が挙げられる。このうちグラファイトは潤滑性と共に導電性を有し、高すぎる電荷を有する現像剤を減少させ、現像に好適な帯電量を持たせる働きがあることから好適に用いられる。
【0076】
本発明において体積平均粒径が3〜10μmであり、且つ体積分布の変動係数AがA≦65に分級された固体潤滑剤を用いる理由は、現像剤担持体上の表面粗度Raのバラツキが小さくなり、現像剤への帯電が均一になり、更に帯電された現像剤の感光ドラム上への搬送が均一になるからである。
【0077】
すなわち、この現像剤担持体を用いることによって、感光ドラムの表面層の削れる際の均一性が著しく向上し、結果としてマシンの小型化、高画質化、高速化に対し必要となっていた性能特性を満足する現像機構成を可能とするものである。
【0078】
さらに、その良好な均一性から、現像剤を使い切り、プロセスカートリッジがその製品寿命を終えた後でも、分解し、さらに清掃等して繰り返し使用することが可能であり、かつこのような使用であっても、その画像性能は新品と遜色ない程度の性能を有する等、プロセスカートリッジにおいてリサイクルが容易な設計にすることが可能となる。
【0079】
また、上記マシンの小型化・高速化の要請から、本発明に係る現像剤担持体の外周直径が15mm以下で、その角速度が10.0rad/sec以上で回転し現像することが好ましい。
【0080】
次に本発明の現像剤担持体が組み込まれる現像装置について、説明及び例示する。図1は、本発明の現像剤担持体が組み込まれている現像装置の一実施例を示す概略構成図である。図1に示す様に、本現像装置は、現像容器1と、現像容器1内に回転自在に設置されたスリーブ上の現像剤担持体2と、現像剤担持体2内に不動に設置された磁石3と、現像剤担持体2の頂部上に設けれた現像剤規制ブレード4とを具備する。
【0081】
上記構成にて、現像剤担持体2が矢印a方向へと回転して現像剤容器1内の磁性トナーからなる一成分現像剤5を、矢印b方向に回転する静電潜像を形成した感光ドラム6と対向した現像位置(現像剤担持体2と感光ドラム6との最近接位置)Gへと担持及び搬送し、現像位置Gで現像剤5により感光ドラム6上の静電潜像を現像し、トナ−像として顕像化する。このとき、現像剤担持体2上に担持された現像剤5は、現像剤層厚規制部材4にて所定厚さに規制されて、現像位置Gへと搬送される。また、現像剤担持体2にはバイアス電源7により現像バイアスとして交互電界が付与される。現像位置Gにて現像作用を無くした残余の現像剤は、現像剤担持体2の回転に伴い現像容器1内に戻り、現像剤担持体2上から回収される。図1に示す構成は、現像剤層厚規制部材として磁性ブレードを用いた構成を示したが、弾性ブレードを使用した構成でもよい。
【0082】
本発明に使用されるトナーは、粉砕法や重合法で作製される一般的な構成のトナーが用いられる。トナー粒子は、通常、結着樹脂及び着色剤を少なくとも有する着色樹脂組成物である。以下、粉砕方法によるトナーを説明する。
【0083】
先ず、トナー粒子に用いられる結着樹脂の種類としては、例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂が使用できる。架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0084】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類の如きビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用いられる。
【0085】
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用できる。
【0086】
圧力定着用に供されるトナーの結着樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単独又は混合して用いることが好ましい。
【0087】
定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナー粒子中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、グラフト変性物を含む。
【0088】
その他の添加剤として、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムも利用できる。
【0089】
本発明に使用されるトナーには、荷電制御剤として有機金属化合物を用いることが好ましい。有機金属化合物のうちでも、特に気化性や昇華性に富む有機化合物を配位子や対イオンとして含有するものが有用である。
【0090】
このような金属錯体としては次に示した一般式で表わされるアゾ系金属錯体がある。
【0091】
【化9】
Figure 0003745237
〔上記式中、Mは配位中心金属を表し、配位数6の金属、例えば、Cr、Co、Ni、Mn、Fe、Al、Ti、Sc、Vが挙げられる。Arは、フェニル基、ナフチル基の如きアリール基であり、置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド基及び、炭素数1〜18のアルキル基やアルコキシル基がある。X、X’、Y、Y’は、−O−、−CO−、−NH−、−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。A+は、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン又は、脂肪族アンモニウムイオン、或いは、これらいずれかの混合イオンを示す。〕
【0092】
下記に、本発明に良好に利用できる上記一般式で表わされるアゾ系金属錯体の具体例(a)〜(c)を示す。
【0093】
【化10】
Figure 0003745237
【0094】
本発明のトナーは、着色剤として磁性体を有する磁性トナーとすることもできる。この場合に好適に用いられる磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素の如き元素を含む磁性金属酸化物が挙げられる。中でも、四三酸化鉄、γ−酸化鉄の如き酸化鉄を主成分とするものが好ましい。
【0095】
この場合には、更に、トナーの流動性向上及び帯電性コントロールの観点から、ケイ素原子を含有するものであることが好ましい。特に、磁性トナー粒子が小径になると、トナー粒子母体の流動性が低下するため、前述した本発明で使用する疎水性シリカ微粉体を添加するだけでは充分な流動性が得られず、良好な帯電性を得られなくなり、本発明の目的を達成することが困難な場合が生ずる。ケイ素原子の含有量は磁性体に対して0.2乃至2.0質量%含有されていることが好ましく、0.2質量%より少ない場合は充分な流動性が得られず、文字シャープ性の悪化、ベタ黒濃度薄の如き弊害が生ずる。2.0質量%より多く含有させると、特に高温高湿環境において画像濃度低下を生じ易くなる。ケイ素原子の含有量は、より好ましくは0.3乃至1.7質量%の場合である。特に、磁性体の表面にケイ素原子が0.05乃至0.5質量%存在する場合がより好ましい。
【0096】
ケイ素原子は水溶性ケイ素化合物の形で磁性体生成時に添加してもよく、磁性体の生成、ろ過、乾燥後、ケイ酸化合物の形で添加し、ミックスマーラーの如き混合機で表面に固着させてもよい。これら磁性体の粒子としては、窒素吸着法によるBET比表面積が、好ましくは、2乃至30m2/g、特に3乃至28m2/gのものを使用することが好ましい。更に、モース硬度が5乃至7の磁性粒子を用いることが好ましい。
【0097】
使用する磁性粒子の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状等があるが、8面体、6面体、球形、不定型の如き異方性の少ないものが好ましい。特に、磁性粒子の球形度Ψが0.8以上であることが、画像濃度を高める上で好ましい。磁性粒子の個数平均粒径としては、0.05乃至1.0μmが好ましく、更に好ましくは0.1乃至0.6μm、特に0.1乃至0.4μmが好ましい。
【0098】
本発明のトナーにおけるこれらの磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、30乃至200質量部、好ましくは60乃至200質量部、更には、70乃至150質量部がよい。30質量部未満では搬送性の点で劣り、現像剤担持体上のトナー層にムラが生じて画像ムラとなる傾向があり、更に、磁性トナーのトリボの上昇に起因する画像濃度低下が生じ易い傾向がある。一方、磁性体の含有量が200質量部を超えると、定着性が低下する可能性がある。
【0099】
本発明において、磁性体の個数平均粒径の測定は以下の方法によって行う。透過型電子顕微鏡で磁性粉微粉体を構成する磁性微粒子の写真を撮影し、4万倍に拡大したものにつき、任意に250個測定後、投影径の巾のMartin径(定方向に投影面積を2等分する線分の長さ)を測定し、測定値に基づいて個数平均粒径を算出する。
【0100】
本発明のトナーを粉砕方法によって作製するには、公知の方法が用いられる。例えば、結着樹脂、ワックス、金属塩乃至は金属錯体、着色剤としての顔料、染料、又は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合器により充分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相溶せしめた中に、金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕、分級を行なって、本発明で使用するトナー粒子を得ることができる。上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いて所望の粒度分布を有するトナー粒子を得ることが好ましい。
【0101】
また、重合方法によるトナーは、特公昭36−10231号、同43−10799号及び同51−14895号公報等で開示されている重合トナーが用いられる。
【0102】
本発明に使用するトナーでは、工程で得られたトナー粒子に対して、環境安定性,帯電安定性,現像性,流動性,保存性向上のため、無機微粉体または疎水性無機微粉体が混合されることが好ましい。例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
【0103】
シリカ微粉体はケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等、他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0104】
さらにシリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0105】
疎水化処理に使用されるシランカップリング剤としては、例えばジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等を挙げることができる。
【0106】
上記シリカ微粉体のシランカップリング剤処理は、シリカ微粉体を撹拌等によりグラウンド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾燥処理、又は、シリカを溶媒中に分散させたシランカップリング剤を滴下反応させる湿式法等、一般に知られた方法で処理することができる。
【0107】
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30〜1,000mm2/sのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ましい。
【0108】
シリコーンオイル処理の方法は、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコーンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製しても良い。
【0109】
本発明のトナーには、必要に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0110】
例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0111】
トナーと混合される樹脂微粒子または無機微粉体または疎水性無機微粉体等は、トナー100質量部に対して0.1〜5質量部(好ましくは、0.1〜3質量部)使用するのが良い。
【0112】
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施態様が何ら限定されるものではない。
【0113】
【実施例】
以下の実施例中、部は質量部を意味する。
【0114】
静電荷像担持体(以下「感光体ドラム」と称す)の調製例1
24φ,254mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、その上に、以下の材料より構成される塗布液を浸せき法で塗布し、140℃で30分間熱硬化することによって膜厚が15μmの導電層を形成した。
・導電性顔料(SnO2コート処理硫酸バリウム) 10部
・抵抗調節用顔料(酸化チタン) 2部
・バインダー樹脂(フェノール樹脂) 6部
・レベリング材(シリコーンオイル) 0.001部
・溶剤 20部
(メタノール/メトキシプロパノール;0.2/0.8〔質量比〕)
【0115】
次にこの上に、Nメトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部/nブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を、浸せき法で塗布し、乾燥することによって膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
【0116】
次に、CuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°が9.0°,14.2°,23.9°,27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン(TiOPc)4部と、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学製)2部及びシクロヘキサノン60部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。その後エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸せき法で塗布し、乾燥することによって、膜厚が0.3μmの電荷発生層を中間層上に形成した。
【0117】
次に、下記式で示されるアミン化合物9部と
【0118】
【化11】
Figure 0003745237
下記式で示されるアミン化合物1部と
【0119】
【化12】
Figure 0003745237
構成単位例(1)−1のバインダー樹脂(No.1)10部を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒に溶解した。この樹脂の重量平均分子量を測定したところ、35000であった。
【0120】
この塗布液を浸せき法で塗布し、120℃で2時間乾燥することによって、膜厚が25μmの電荷輸送層を電荷発生層上に形成し感光ドラム1を調製した。
【0121】
感光体ドラムの調製例2
電荷輸送層を下記のように形成する以外は調整例1と同様にして感光ドラム2を調製した。
【0122】
すなわち、四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン製)10部と構成単位例(2)−1(重量平均分子量=12000)の樹脂10部とフッ素含有くし型グラフトポリマー(商品名:GF300、東亜化成製)0.07部とをモノクロロベンゼン60部と充分混合した後、高圧分散機にて分散して四フッ化エチレン樹脂粒子液を調製した。このときの四フッ化エチレン樹脂粒子の一次粒径を粒度分布測定装置(堀場製作所製)にて測定したところ、粒径は0.25μmであった。
【0123】
次に、下記式で示されるアミン化合物9部と
【0124】
【化13】
Figure 0003745237
下記式で示されるアミン化合物1部と
【0125】
【化14】
Figure 0003745237
構成単位例(2)−1(重量平均分子量=12000)の樹脂10部と前述の四フッ化エチレン樹脂粒子分散液5部とをモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒に溶解した。この樹脂の重量平均分子量及び分散度を測定したところ、それぞれ12000及び1.8であった。
【0126】
この塗布液を浸漬法で塗布し、120℃で2時間乾燥することによって、膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。
【0127】
感光体ドラムの調製例3(比較用)
構成単位例(1)−1のバインダー樹脂で重量平均分子量が6000である樹脂を用いること以外は調整例1と同様にして感光ドラム3を調製した。
【0128】
感光体ドラムの調製例4(比較用)
構成単位例(1)−1のバインダー樹脂で重量平均分子量が45000である樹脂を用いること以外は調整例1と同様にして感光ドラム4を調製した。
【0129】
以下に本発明に用いられる固体潤滑剤の製造例を説明する。
【0130】
グラファイトの分級に用いる分級装置は一般に市販されている分級装置が使用可能である。その様な分級装置としては、エルボージェット、スーパーセパレータMSS型、スペディッククラシファイア、ターボクラシファイア−、DS分級機、ドナセレック等がある。現像剤担持体上の被膜は、例えば、結着樹脂中に固体潤滑剤及び導電剤を分散し、これを塗料として担持体基体上に塗布し、乾燥させて得られる。以下具体的製造例をもって本発明を説明する。
【0131】
体積平均粒径約2,4,9,13μmの未分級のままのグラファイトをそれぞれ約6mgサンプリングし、これにIPA10〜20mlを加え、超音波で2分間分散させる。この分散液0.5mlをコールター社製レーザー回折方式粒子サイズアナライザーLS130中で循環させながら粒度分布測定を行った結果、それぞれ、体積平均粒径約2μmの未分級のままのグラファイトは、体積平均粒径1.956μm、体積分布の変動係数Aが74.3;体積平均粒径約4μmの未分級のままのグラファイトは、体積平均粒径3.856μm、体積分布の変動係数Aが78.2;体積平均粒径約9μmの未分級のままのグラファイトは、体積平均粒径8.766μm、体積分布の変動係数Aが73.5;体積平均粒径約13μmの未分級のままのグラファイトは、体積平均粒径12.54μm、体積分布の変動係数Aが80.3であった。
【0132】
固体潤滑剤製造例1
未分級のグラファイト(体積平均粒径8.766μm、変動係数73.5)をエルボージェットで微粉側15%、粗粉側5%カットし、同様に粒度分布測定を行った結果、体積平均粒径8.897μm、体積分布の変動係数Aが53.5のグラファイトを得た。
【0133】
固体潤滑剤製造例2
未分級のグラファイト(体積平均粒径3.856μm、変動係数78.2)をエルボージェットで微粉側20%、粗粉側5%カットし、同様に粒度分布測定を行った結果、体積平均粒径3.921μm、体積分布の変動係数Aが62.2のグラファイトを得た。
【0134】
固体潤滑剤製造例3(比較用)
未分級のグラファイト(体積平均粒径12.54μm、変動係数80.3)をエルボージェットで微粉側25%、粗粉側10%カットし、同様に粒度分布測定を行った結果、体積平均粒径12.86μm、体積分布の変動係数Aが75.3のグラファイトを得た。
【0135】
固体潤滑剤製造例4(比較用)
未分級のグラファイト(体積平均粒径1.956μm、変動係数74.3)をエルボージェットで微粉側25%、粗粉側5%カットし、同様に粒度分布測定を行った結果、体積平均粒径1.973μm、体積分布の変動係数Aが45.6のグラファイトを得た。
【0136】
現像剤担持体製造例1
個数平均粒径10μmの球状フェノール樹脂100部に個数平均粒径3μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14重量部を均一に被覆し、その後、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼成することにより黒鉛化して球状の導電性炭素球状粒子を作製した。
・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200部
・固体潤滑剤製造例1で分級したグラファイト 50部
・導電性カーボンブラック 8部
・イソプロピルアルコール 130部
上記材料に直径1mmのジルコニアビーズをメディア粒子として加え、サンドミルにて2時間分散し、フルイを用いてジルコニアビーズを分離し、原液を得た。
【0137】
上記で得られた原液380部に、上記導電性炭素球状粒子を10部添加し、固形分濃度が32%になる様にイソプロピルアルコールを添加した後、直径3mmのガラスビーズを用いて1時間分散し、フルイを用いてガラスビーズを分離し、塗工液を得た。この塗工液を用いてスプレー法により外径12mmφのアルミニウム製円筒管上に塗工幅216mmで導電性被覆層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間加熱して導電性被覆層を硬化させて現像剤担持体(スリーブ)Aを作製した。このスリーブの表面粗度Raを10ポイント測定しその標準偏差を求めたところ、標準偏差=0.060μmであった。
【0138】
現像剤担持体製造例2
固体潤滑剤として固体潤滑剤製造例2で分級したグラファイトを用いること以外は現像剤担持体製造例1と同様にして現像剤担持体(スリーブ)Bを作製した。このスリーブの表面粗度Raを10ポイント測定しその標準偏差を求めたところ、標準偏差=0.075μmであった。
【0139】
現像剤担持体製造例3(比較用)
固体潤滑剤として固体潤滑剤製造例3で分級したグラファイトを用いること以外は現像剤担持体製造例1と同様にして現像剤担持体(スリーブ)Cを作製した。このスリーブの表面粗度Raを10ポイント測定しその標準偏差を求めたところ、標準偏差=0.147μmであった。
【0140】
現像剤担持体製造例4(比較用)
固体潤滑剤として固体潤滑剤製造例4で分級したグラファイトを用いること以外は現像剤担持体製造例1と同様にして現像剤担持体(スリーブ)Dを作製した。このスリーブの表面粗度Raを10ポイント測定しその標準偏差を求めたところ、標準偏差=0.035μmであった。
【0141】
トナーの調製
・結着樹脂(スチレン系樹脂) 100部
・磁性体(Fe34) 100部
・荷電制御剤(モノアゾ鉄錯体) 2部
・ワックス(ポリプロピレンワックス,融点143℃) 5部
上記混合物を、130℃に加熱された二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕した。
【0142】
更に粗粉砕物をターボ工業社製ターボミルT−250型を用い微粉砕後、気流式分級機で分級し、重量平均径が6.5μmのトナー粒子を得た。
【0143】
上記得られたトナー粒子100部に対して、疎水性シリカ微粉体1.2部及びチタン酸ストロンチウム微粉体0.4部を加えてヘンシェルミキサーで混合しトナーを得た。
【0144】
<実施例1>
図2の基本構成を有する現像装置及びプロセスカートリッジにおいて、101の静電荷像担持体に感光ドラム1、現像剤担持体104にスリーブAを用い、帯電ローラ102は、その径を12mmとし、直流電圧−600V、交流電圧のピーク間電圧2.0kV、周波数620Hzの印加電圧にて下記画像評価を行なった。
【0145】
すなわち、スリーブ104の回転角速度を14.0rad/secにし、上記製造例のトナー約160gをプロセスカートリッジのトナー容器112に充填、印字率3%の画像2500枚のプリントを行なった。次に当該プロセスカートリッジを分解し、当該感光ドラムと帯電ローラを清掃後、他の部材は新しい物を用い、再度プロセスカートリッジを組み立て、約160gのトナーを充填し23℃,60%RHの環境下、2500枚のプリントを行った。この作業を何度か繰り返し、画像濃度、画像流れ、画像縦スジ、ドラム削れ均一性の評価を行なった。
【0146】
その結果を表10〜13に示す。
【0147】
<実施例2>
静電荷像担持体101に感光ドラム1、現像剤担持体104にスリーブBを用いたこと以外は実施例1と同様に評価を行なった。
【0148】
<実施例3>
静電荷像担持体101に感光ドラム2、現像剤担持体104にスリーブAを用いたこと以外は実施例1と同様に評価を行なった。
【0149】
<実施例4>
静電荷像担持体101に感光ドラム2、現像剤担持体104にスリーブBを用いたこと以外は実施例1と同様に評価を行なった。
【0150】
<比較例1>
静電荷像担持体101に感光ドラム3、現像剤担持体104にスリーブAを用いたこと以外は実施例1と同様に評価を行なった。
【0151】
<比較例2>
静電荷像担持体101に感光ドラム4、現像剤担持体104にスリーブAを用いたこと以外は実施例1と同様に評価を行なった。
【0152】
<比較例3>
静電荷像担持体101に感光ドラム1、現像剤担持体104にスリーブCを用いたこと以外は実施例1と同様に評価を行なった。
【0153】
<比較例4>
静電荷像担持体101に感光ドラム1、現像剤担持体104にスリーブDを用いたこと以外は実施例1と同様に評価を行なった。
【0154】
[画像等評価方法]
(1)画像濃度の評価方法
画像濃度は、23.0℃,相対湿度60%の環境下で、通常の複写機用普通紙(75g/m2)にプリントアウト終了時の画像濃度維持を測定することにより評価した。画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いてプリント画像上の縦横5ミリのベタ黒部分の濃度を5箇所測定し、平均値を算出して下記の基準で評価した。
◎:1.4以上
○:1.2〜1.4
△:1.0〜1.2
×:1.0以下
【0155】
(2)画像流れの評価方法
前述の装置を用いて33℃,相対湿度95%の環境下で吸湿量10%の紙(吸湿量はInfrared Engineering製 MOISTREXMX5000を用いて測定した)を使用して連続通紙の繰り返し使用の耐久を2500枚行い、画像流れの評価を行った。画像はA4で、印字率3%のE文字パターンとして、評価は各2500枚及び各2500枚耐久後24時間放置でのE文字画像を目視して下記の基準で評価した。
○:画像流れは発生してない
△:画像流れは発生しているが文字は判別できる
×:文字が何か判別できない
××:文字が完全に消えてしまっている
【0156】
(3)画像縦スジ
上記のように印字率3%の画像を各2500枚プリント後、A4版のハーフトーン画像を作成した。この画像によって縦スジ状の濃度ムラを観察する。
○・・・クリーニング不良がない良好な画像
△・・・幅1mm長さ1cm以内のクリーニング不良が2個所以下あるが実用上問題のないレベル
×・・・幅1mm長さ1cm以内のクリーニング不良が2個所以上発生
【0157】
(4)感光ドラム表面層削れ均一性の評価方法
23.0℃,相対湿度60%の環境下で、各2500枚の印字後、感光体層厚の変化を長手方向に5点測定し、削れ量の均一性を示す指標としてその標準偏差を求めた。測定は膜厚計(商品名パ−マスコ−プEC、Kett社製)を用い行なった。
【0158】
【表10】
Figure 0003745237
【0159】
【表11】
Figure 0003745237
【0160】
【表12】
Figure 0003745237
【0161】
【表13】
Figure 0003745237
【0162】
【発明の効果】
上記実施例からもわかるように、本発明の画像形成装置を用いることによって、耐久特性に優れ、しかも画像流れ、画像縦すじ等の画像劣化が生じ難く、またその高耐久性により部材のリサイクル、再利用がしやすい画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジを含むプロセスカートリッジを装着したプリンター本体の一実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 現像容器
2 現像剤担持体
3 固定磁石
4 現像剤規制部材
5 一成分磁性現像剤
6 感光ドラム
7 バイアス電源
101 静電荷像担持体(感光ドラム)
102 帯電部材
103 露光装置
104 トナー担持体(現像スリーブ)
104a トナー層厚規制部材(現像ブレード)
105 転写手段
106 定着手段
106a 定着ローラー
106b 加圧ローラー
107 クリーニング部材
108a,108b,109a,109b,110a,110b 搬送部材
111 現像ユニット
112 トナー容器
113 トナー撹拌手段
114 クリーニングユニット(Cユニット)
115 クリーナー容器
T トナー(現像剤)
P 転写材
L 露光

Claims (10)

  1. 静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電部材によって帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、現像剤担持体上のトナーによって静電荷像を現像してトナー像を形成する工程を少なくとも有する画像形成方法であり、
    該帯電部材は静電荷像担持体に接触配置され、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加されることにより該静電荷像担持体を帯電し、
    該静電荷像担持体は、その表面層が、▲1▼7.5×103〜3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(1)
    Figure 0003745237
    〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
    で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂、または▲2▼7.5×103〜3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(2)
    Figure 0003745237
    〔式中、X2は−CR2324−(ただしR23およびR24は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R15〜R22は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
    で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂のうち少なくとも1種で構成され、
    現像剤担持体は表面に、結着樹脂に固体潤滑剤及び導電剤を含有した被膜を形成した現像剤担持体であって、前記固体潤滑剤が体積平均粒径が3〜10μmであり、且つ体積分布の変動係数Aが下記条件
    A≦65
    [式中、Aは粉体の体積分布における変動係数(s/D1)×100を示す。但し、sは粉体の体積分布における標準偏差を示し、D1は粉体の体積平均粒径(μm)を示す。]
    に分級されたものであることを特徴とする画像形成方法。
  2. 該現像剤担持体がその角速度10.0rad/sec以上で回転し現像を行なうことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 該現像剤担持体の外周直径が15mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 該固体潤滑剤がグラファイトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 該静電荷像担持体の表面層を構成する樹脂中にフッ素樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電部材によって帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、現像剤担持体上のトナーによって静電荷像を現像してトナー像を形成する工程を少なくとも有するリサイクルが容易なプロセスカートリッジであり、
    該帯電部材は静電荷像担持体に接触配置され、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加されることにより該静電荷像担持体を帯電し、
    該静電荷像担持体は、その表面層が、▲1▼7.5×103〜3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(1)
    Figure 0003745237
    〔式中、X1は−CR1314−(ただしR13およびR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
    で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂、または▲2▼7.5×103〜3.7×104の重量平均分子量を有する下記式(2)
    Figure 0003745237
    〔式中、X2は−CR2324−(ただしR23およびR24は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−であり、R15〜R22は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
    で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂の少なくとも1種を含有し、現像剤担持体は表面に、結着樹脂に固体潤滑剤及び導電剤を含有した被膜を形成した現像剤担持体であって、前記固体潤滑剤が体積平均粒径が3〜10μmであり、且つ体積分布の変動係数Aが下記条件
    A≦65
    [式中、Aは粉体の体積分布における変動係数(s/D1)×100を示す。但し、sは粉体の体積分布における標準偏差を示し、D1は粉体の体積平均粒径(μm)を示す。]
    に分級されたものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 該現像剤担持体がその角速度10.0rad/sec以上で回転し現像を行なうことを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
  8. 該現像剤担持体の外周直径が15mm以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載のプロセスカートリッジ。
  9. 該固体潤滑剤がグラファイトであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  10. 該静電荷像担持体の表面層を構成する樹脂中にフッ素樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
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