JP2003316066A - 現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ

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JP2003316066A
JP2003316066A JP2002117114A JP2002117114A JP2003316066A JP 2003316066 A JP2003316066 A JP 2003316066A JP 2002117114 A JP2002117114 A JP 2002117114A JP 2002117114 A JP2002117114 A JP 2002117114A JP 2003316066 A JP2003316066 A JP 2003316066A
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貴重 粕谷
Takeshi Takiguchi
剛 瀧口
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Kaori Hiratsuka
香織 平塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電生成物の生成が実質的になく、直接注入
帯電機構による簡易で安定した一様帯電を可能とし、転
写残トナーの回収性に優れた良好な現像兼クリーニング
を可能とし、像担持体表面の摩耗を低減する現像剤、こ
れを用いる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提
供する。 【解決手段】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
るトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なく
とも有する現像剤において、該導電性微粉末がその表面
に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは
固着した状態で有することを特徴とする現像剤を、接触
帯電工程及び現像兼クリーニング工程の少なくともいず
れか一方の工程を含む画像形成方法に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置、静
電記録装置、磁気記録装置などに用いられる現像剤、及
びこのような現像剤を用いた画像形成方法に関する。ま
た、本発明は、像担持体上にトナー画像を形成後、記録
媒体上にトナー画像を転写させて画像形成する複写機、
プリンター、ファックシミリ及びプロッターなどの画像
形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成法としては、電子写真
法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法など多
数の方法が知られている。例えば、電子写真法は、一般
には潜像担持体としての光導電性物質を利用した感光体
上に、種々の手段により電気的潜像を形成し、次いで該
潜像をトナーで現像して可視像とし、必要に応じて紙な
どの記録媒体(転写材)にトナー像を転写した後、熱・
圧力等により記録媒体上にトナー画像を定着して画像を
得るものである。
【0003】前記電気的潜像の形成は、一般に感光体を
帯電させ、これにレーザー光等の光を照射して行われる
が、感光体の帯電には非接触型のコロナ帯電器(コロナ
放電器)や、ローラー型(帯電ローラー)、ファーブラ
シ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材
(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯
電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体表面を所
定の極性・電位に帯電させる接触帯電装置が一般に用い
られている。接触帯電装置は、コロナ帯電器に比べて低
オゾン・低電力等の利点があることから、近年では多く
の提案がなされ、また実用化されている。
【0004】接触帯電装置による帯電機構については、
放電帯電機構と直接注入帯電機構とが知られている。放
電帯電機構は、接触帯電部材と像担持体との微小間隙に
生じる放電現象により像担持体を帯電させる機構であ
り、直接注入帯電機構は、中抵抗の接触帯電部材を像担
持体に接触させて像担持体表面に直接電荷を注入して像
担持体を帯電させる機構である。
【0005】放電帯電機構では、接触帯電部材と像担持
体との間に一定の放電しきい値を有するため、像担持体
の帯電電位よりも大きな電圧を接触帯電部材に印加する
必要がある。またコロナ帯電器に比べれば発生量は格段
に少ないが、放電生成物を生じることが原理的に避けら
れないため、オゾンなど活性イオンよる弊害を完全に回
避することは困難である。
【0006】一方で直接注入帯電機構では、接触帯電部
材から像担持体へ直接電荷が注入されることから、接触
帯電部材への印加電圧が上記放電しきい値以下の電圧で
あってもその印加電圧に相当の電位に像担持体を帯電さ
せることができる。また放電生成物による弊害は発生し
ない。このように放電帯電機構と直接注入帯電機構とを
比べた場合に、直接注入帯電機構は、消費電力の省力化
や放電生成物の抑制の観点から、より優れた帯電機構で
ある。またこのような効果は、接触帯電部材と像担持体
との接触性が大きいと、より一層効果的であることが知
られている。
【0007】またトナーによる可視像化は、用いられる
現像剤の種類によっても異なるが、現像スリーブや現像
ローラ等、現像装置におけるトナー担持体が感光体に対
して非接触に配置され、トナー担持体から感光体へトナ
ーを飛翔させる非接触一成分現像法、磁性トナーと中心
に磁極を配した回転スリーブを用い、感光体上とスリー
ブ上の間で磁性トナーを電界にて飛翔させる磁性一成分
現像方法、さらにはトナー担持体を感光体に圧接させ電
界によってトナーを転移させる接触一成分現像法等が知
られている。
【0008】感光体に形成されたトナー像は転写工程を
経て最終的には転写材に転写されるが、転写後の感光体
には転写せずに残存する転写残トナーが存在する。これ
を除去するための手段としては、感光体表面に当接する
ブレードやロール等のクリーニング部材を備えるクリー
ニング手段や、現像兼クリーニング手段が知られてい
る。現像兼クリーニング手段は、電圧の印加等によって
転写残トナーを回収できる現像装置であり、通常のクリ
ーニング手段に比べて、画像形成装置のコンパクト化
や、省資源、廃棄物削減及びトナーの有効活用等の観点
から優れている。
【0009】前述した接触帯電装置や現像兼クリーニン
グ手段は、優れた特性を有する手段であるが、その実用
に対しては検討の余地が残されている。接触帯電装置を
用いる場合では、帯電部材と転写残トナーが接触するこ
とから、このトナーとの接触に起因する問題点が存在す
る。また現像兼クリーニング手段を用いる場合では、帯
電特性を利用して感光体との間でトナーの授受を行うこ
とから、このトナーの帯電特性制御について問題点が存
在する。特に現像兼クリーニング手段においては、非接
触現像方法を採用する場合で上記問題点が顕著である。
【0010】前述した問題点に対しては、これを解決す
べく従来より種々の技術が提案されている。このような
技術としては、各手段や部材等の改良によって解決しよ
うとする技術や、使用される現像剤の特性改良によって
解決しようとする技術が挙げられる。
【0011】現像剤に関しては、二成分系、一成分系の
差異によらず、一般にトナー粒子と外添剤とによって構
成されており、現像剤の特性を改良するために、トナー
粒子の粒度分布や、外添剤の種類を検討した種々の現像
剤が知られている。
【0012】トナー粒子の粒度分布は、トナーの密度や
帯電均一性を目的として一般に規定されている。また外
添剤としては、現像剤の流動性を向上させることや、ト
ナー粒子に対するスペーサー作用を目的として添加され
る無機微粉末や、トナー粒子の過剰帯電を防止するため
にリーク作用を目的として添加される導電性微粉末等が
挙げられる。このような現像剤としては、例えば特開平
11−95479号公報や特開平11−202557号
公報に記載されている現像剤が挙げられる。
【0013】また、前述した要素の複数を検討した技術
も知られており、例えば特開平10−307458号公
報には、トナー粒径以下であり0.1μmより大きい粒
径の導電性微粉末を有するトナーを用い、直接注入帯電
機構を用いた現像兼クリーニング画像形成方法が記載さ
れている。この画像形成方法は、導電性微粉末による露
光光の遮光、現像の阻害や現像バイアスのリークを防止
し、優れた画像記録を実現しようとする画像形成方法で
ある。
【0014】また、特開平10−307456号公報に
よれば、トナーに導電性微粉末を外部添加し、少なくと
も可撓性の接触帯電部材と像担持体とのニップ部に前記
トナー中に含有の導電性微粉末が、現像工程で像担持体
に付着し転写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれ
て介在していることで、帯電不良、画像露光の遮光を生
じない良好な画像が得られる現像兼クリーニング画像形
成装置が開示されている。
【0015】また、現像剤として、特開昭63−362
86号公報、特開平5−150539号公報、特開平6
−3851号公報等において導電性微粒子を含有するト
ナーを用いることにより、それぞれ転写効率向上、帯電
安定性向上、画質向上(飛び散り防止)の効果を開示し
ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
提案も導電性微粉末の好ましい粒径についてはある程度
記載されているものの、導電性微粉末の形態あるいは構
成については記載されておらず、好ましいトナー粒子の
形態も記載されていない。そのため、安定した性能を得
るために更なる改良の余地がある。
【0017】このように従来の技術においては、現像兼
クリーニング画像形成法或いはクリーナーレス画像形成
法に用いるための現像剤について、十分な外部添加剤に
対する検討が為されておらず、外部添加剤を含めた現像
剤の提案にも、現像兼クリーニング画像形成法或いはク
リーナーレス画像形成法に適応するために十分な検討を
為されたものがなく、なお改良の余地があることが判明
した。
【0018】本発明は、オゾンなどの放電生成物の生成
が実質的になく、低い印加電圧で均一な帯電が得られる
直接注入帯電機構による簡易で安定した一様帯電を可能
とし、像担持体表面の摩耗を低減する現像剤、画像形成
方法及びプロセスカートリッジを提供することを課題と
する。
【0019】また本発明は、転写残トナーの回収性に優
れた良好な現像兼クリーニング画像形成を可能とする現
像剤、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供す
ることを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、現像剤を以下の構成とした。
【0021】すなわち本発明の現像剤は、結着樹脂及び
着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末
と導電性微粉末とを少なくとも有し、かつ該導電性微粉
末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子
を付着或いは固着した状態で有することを特徴とする。
【0022】また本発明の導電性微粉末は、その表面に
酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少な
くとも一種類の金属酸化物微粒子を被覆してなる導電性
微粉末であることを特徴とする。
【0023】また本発明の導電性微粉末は、トナー粒子
表面に凝集体として存在し、かつその平均粒子径が0.
1〜4μmであることが好ましい。
【0024】また本発明は、導電性微粉末粒径Daと導
電性微粉末より粒径の小さな微粒子の粒径Dbが次の関
係を満足することが好ましい。Da≧10Db
【0025】また本発明は、導電性微粉末表面がシラン
カップリング剤、チタニウムカップリング剤、アルミニ
ウムカップリング剤、シリコーンワニス、各種変性シリ
コーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーン
オイル、シラン化合物から選ばれる少なくとも一種類の
表面処理剤で疎水化処理された後、酸化ケイ素、酸化ア
ルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属
酸化物微粒子で被覆されていることが好ましい。
【0026】また本発明は、導電性微粉末表面を被覆す
る酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる金
属酸化物微粒子がシリコーンワニス、各種変性シリコー
ンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイ
ル、シラン化合物、シランカップリング剤から選ばれる
少なくとも一種類の疎水化処理剤で疎水化処理されてい
ることが好ましい。
【0027】更には、導電性微粉末表面を被覆する酸化
ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくと
も一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン
処理されていることが好ましい。
【0028】更には、導電性微粉末表面を被覆する酸化
ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくと
も一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン
とシリコーンオイルにより疎水化処理されていることが
より好ましい。
【0029】また本発明は、導電性微粉末表面を被覆す
る酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少
なくとも一種類の金属酸化物微粒子を導電性微粉末10
0質量部に対して0.1〜5質量部で処理することが好
ましい。
【0030】また本発明の現像剤は、導電性微粉末の含
有量が現像剤全体の0.5〜10質量%であることが好
ましい。
【0031】また本発明の現像剤において、導電性微粉
末は、抵抗が109Ω・cm以下であることが好まし
く、抵抗が106Ω・cm以下であることがより好まし
い。
【0032】また本発明の現像剤において、導電性微粉
末は非磁性であることが好ましい。
【0033】また本発明の現像剤において、導電性微粉
末は、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンから選ばれる少
なくとも一種の酸化物を含有していることが好ましい。
【0034】また本発明の現像剤において、無機微粉末
は、含有量が現像剤全体の0.1〜3.0質量%である
ことが好ましい。
【0035】また本発明の現像剤において、無機微粉末
は、少なくともシリコーンオイルで処理されたものであ
ることが好ましく、無機微粉末は少なくともシラン化合
物で処理されると同時に、又はその後にシリコーンオイ
ルで処理されたものであることがより好ましい。
【0036】また本発明において、無機微粉末は、シリ
カ、酸化チタン及びアルミナから選ばれる少なくとも一
種を含有することが好ましい。
【0037】また本発明の現像剤は、磁場79.6kA
/mにおける磁化の強さが10〜40Am2/kgであ
る磁性現像剤であることが好ましい。
【0038】また本発明は、像担持体を帯電させる帯電
工程と、帯電工程によって帯電した像担持体の帯電面に
画像情報を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、静
電潜像を現像剤によりトナー画像として可視化する現像
工程と、トナー画像を転写材に転写する転写工程とを含
み、これら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成
方法において、該現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少な
くとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉
末とを少なくとも有する現像剤であり、帯電工程とし
て、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部
であるニップ部に、少なくとも前記導電性微粉末が介在
した状態で、前記帯電部材に電圧を印加することにより
像担持体を帯電させる接触帯電工程、及び、前記現像工
程として、前記静電潜像を可視化し、前記トナー画像を
前記転写材に転写した後の前記像担持体表面に残留して
いる現像剤を回収する現像兼クリーニング工程、の少な
くともいずれか一方の工程を含むことを特徴とする画像
形成方法を提供する。
【0039】本発明の画像形成方法は、接触帯電工程に
おいて、前記ニップ部に介在する現像剤成分全体に対す
る導電性微粉末の含有比率が、現像剤に含有される導電
性微粉末の含有比率よりも高いことが好ましい。
【0040】また本発明の画像形成方法は、接触帯電工
程において、帯電部材の表面における移動速度と像担持
体の表面における移動速度との間に相対的速度差を設け
ることが好ましい。
【0041】また本発明の画像形成方法は、接触帯電工
程において、帯電部材と像担持体とが、それらの対向す
る表面において互いに逆方向に移動することが好まし
い。
【0042】また本発明の画像形成方法において、接触
帯電工程は、少なくとも表層が発泡体からなるローラー
部材に電圧を印加することにより、像担持体を帯電させ
る工程であることが好ましい。
【0043】また本発明の画像形成方法において、接触
帯電工程は、アスカーC硬度が25〜50度のローラー
部材に電圧を印加することにより、像担持体を帯電させ
る工程であることが好ましい。
【0044】また本発明の画像形成方法において、接触
帯電工程は、体積固有抵抗が103〜108Ω・cmのロ
ーラー部材に電圧を印加することにより、像担持体を帯
電させる工程であることが好ましい。
【0045】また本発明の画像形成方法において、接触
帯電工程は、導電性を有するブラシ部材に電圧を印加す
ることにより、像担持体を帯電させる工程であることが
好ましい。
【0046】また本発明の画像形成方法は、像担持体の
最表面層における体積抵抗が1×109〜1×1014Ω
・cmであることが好ましい。
【0047】また本発明の画像形成方法は、像担持体の
最表面層は、金属酸化物導電性微粒子が少なくとも分散
された樹脂層であることが好ましい。
【0048】また本発明の画像形成方法は、像担持体の
表面の水に対する接触角が85度以上であることが好ま
しい。
【0049】また本発明の画像形成方法において、像担
持体の最表面層は、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂及
びポリオレフィン系樹脂から選ばれる一種以上の材料か
らなる滑剤微粒子が少なくとも分散された層であること
が好ましい。
【0050】また本発明の画像形成方法において、現像
工程は、像担持体に対して100〜1000μmの離間
距離で対向して設置され、現像剤を担持する現像剤担持
体から、現像剤を像担持体に転移させることにより静電
潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0051】また本発明の画像形成方法において、現像
工程は、現像剤担持体上に現像剤を5〜30g/m2
密度で担持させることにより現像剤層を形成し、この現
像剤層から現像剤を前記像担持体に転移させることによ
り静電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0052】また本発明の画像形成方法において、現像
工程は、像担持体に対して所定の離間距離で対向して設
置され、現像剤を担持する現像剤担持体上に、離間距離
よりも薄い現像剤層を現像剤により形成し、現像剤層か
ら現像剤を電気的に像担持体表面に転移させることによ
り静電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0053】また本発明の画像形成方法において、現像
工程は、現像剤を担持する現像剤担持体と像担持体との
間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3×
10 6〜10×106V/mであり、周波数が100〜5
000Hzの交流電界を現像バイアスの印加により形成
し、像担持体の静電潜像を現像剤によって現像する工程
であることが好ましい。
【0054】また本発明の画像形成方法において、転写
工程は、現像工程によって形成されたトナー画像を中間
転写体に転写した後に、転写材に再転写する工程である
ことが好ましい。
【0055】また本発明の画像形成方法において、転写
工程は、転写材を介して像担持体に当接する転写部材に
よって、現像工程によって形成されたトナー画像を転写
材に転写する工程であることが好ましい。
【0056】また本発明の画像形成方法において、現像
剤は前述した本発明の現像剤であることが好ましい。
【0057】また本発明は、像担持体上に形成された静
電潜像を現像剤によって可視化し、この可視化されたト
ナー画像を転写材に転写することにより画像を形成する
ための画像形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセ
スカートリッジにおいて、静電潜像を担持するための像
担持体と、像担持体に対向して配置される現像剤担持体
及びこの現像剤担持体上に薄層の現像剤層を形成する現
像剤層規制部材を少なくとも有し、現像剤担持体上の現
像剤層から像担持体へ現像剤を転移させることによりト
ナー画像を形成する現像手段とを有するプロセスカート
リッジであって、該現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少
なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微
粉末とを少なくとも有する現像剤にであり、かつ該導電
性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな
微粒子を付着或いは固着した状態で有することを特徴と
し、かつ、トナー画像を形成し、トナー画像が転写材に
転写された後に像担持体に残留した現像剤を回収する現
像兼クリーニング手段を現像手段として有する構成、ま
たは、像担持体に接触する帯電部材を有し、像担持体と
帯電部材との接触部であるニップ部に導電性微粉末が介
在した状態で帯電部材に電圧を印加することにより像担
持体を帯電させる接触帯電手段をさらに有する構成、の
少なくともいずれか一方の構成を備えるプロセスカート
リッジを提供する。
【0058】本発明のプロセスカートリッジは、接触帯
電手段において、ニップ部に介在する現像剤成分全体に
対する導電性微粉末の含有比率が、現像剤に含有される
導電性微粉末の含有比率よりも高いことが好ましい。
【0059】また本発明のプロセスカートリッジは、接
触帯電手段において、帯電部材の表面における移動速度
と像担持体の表面における移動速度との間に、相対的速
度差を設けることが好ましい。
【0060】また本発明のプロセスカートリッジは、接
触帯電手段において、帯電部材と像担持体とが、それら
が対向する表面において互いに逆方向に移動することが
好ましい。
【0061】また本発明のプロセスカートリッジは、接
触帯電手段において、帯電部材は少なくとも表層が発泡
体からなるローラー部材であることが好ましい。
【0062】また本発明のプロセスカートリッジは、接
触帯電手段において、帯電部材はアスカーC硬度が25
〜50度のローラー部材であることが好ましい。
【0063】また本発明のプロセスカートリッジは、接
触帯電手段において、帯電部材は体積固有抵抗が103
〜108Ω・cmのローラー部材であることが好まし
い。
【0064】また本発明のプロセスカートリッジは、接
触帯電手段において、帯電部材は導電性を有するブラシ
部材であることが好ましい。
【0065】また本発明のプロセスカートリッジは、像
担持体の最表面層における体積抵抗が1×109〜1×
1014Ω・cmであることが好ましい。
【0066】また本発明のプロセスカートリッジでは、
像担持体の最表面層は、金属酸化物導電性微粒子が少な
くとも分散された樹脂層であることが好ましい。
【0067】また本発明のプロセスカートリッジは、像
担持体の表面の水に対する接触角が85度以上であるこ
とが好ましい。
【0068】また本発明のプロセスカートリッジでは、
像担持体の最表面層は、フッ素系樹脂、シリコーン系樹
脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる一種以上の材
料からなる滑剤微粒子が少なくとも分散された層である
ことが好ましい。
【0069】また本発明のプロセスカートリッジは、現
像剤担持体が像担持体に対して100〜1000μmの
離間距離で対向するように設置されることが好ましい。
【0070】また本発明のプロセスカートリッジでは、
現像手段は、現像剤担持体上に現像剤を5〜30g/m
2の密度で担持させた現像剤層を形成する現像剤層規制
手段を有することが好ましい。
【0071】また本発明のプロセスカートリッジでは、
現像剤担持体は像担持体に対して所定の離間距離で対向
するように設置され、現像手段は、離間距離よりも薄い
現像剤層を現像剤担持体上に形成する現像剤層規制手段
を有することが好ましい。
【0072】また本発明のプロセスカートリッジは、現
像剤担持体と像担持体との間に、少なくともピークトゥ
ーピークの電界強度が3×106〜10×106V/mで
あり、周波数が100〜5000Hzの交流電界が、現
像バイアスの印加により形成されることが好ましい。
【0073】また本発明のプロセスカートリッジでは、
現像剤は前述した本発明の現像剤であることが好まし
い。
【0074】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0075】<現像剤>本発明の現像剤は、結着樹脂及
び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉
末と導電性微粉末とを少なくとも有し、かつ該導電性微
粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒
子を付着或いは固着した状態で有することを特徴とす
る。
【0076】本発明の現像剤は、接触帯電工程を含む画
像形成方法に使用した場合に、オゾンなどの放電生成物
の生成が実質的になく、低い印加電圧で均一な像担持体
の帯電が得られる直接注入帯電機構を用いた一様帯電
を、簡易な構成で均一に行うことができ、現像剤の長期
にわたる繰り返し使用においても、帯電不良を生じず良
好な画像を得ることが可能となる。
【0077】また、本発明の現像剤を上記画像形成方法
に用いることによって、転写残或いはカブリとして接触
帯電部材に付着又は混入するトナー粒子を減少させ、か
つ接触帯電部材への導電性微粉末の供給を促進すること
ができ、一様帯電性を向上させ、グラフィック画像のハ
ーフトーンまできめ細かに再現できる高画質な接触帯電
による画像形成方法が可能となる。
【0078】また、本発明の現像剤は、現像兼クリーニ
ング工程を含む画像形成方法に用いる場合に、転写残ト
ナーの回収不良や一様帯電又は潜像形成の阻害による画
像不良を生じず、廃トナー量を大幅に減らすことが可能
な、低コストで小型化に有利な現像兼クリーニング画像
形成方法が可能となる。さらに、本発明の現像剤によっ
て、感光体の摩耗を低減し、耐久性に優れた現像兼クリ
ーニング画像形成方法が可能となる。
【0079】以下、本発明の現像剤について、画像形成
時における挙動を簡単に説明する。
【0080】本発明の現像剤は、結着樹脂及び着色剤を
少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉末と導電性微
粉末とを少なくとも有する現像剤において、該導電性微
粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒
子を付着或いは固着した状態で有することを特徴とす
る。現像剤が有する導電性微粉末は、像担持体に形成さ
れた静電潜像が現像される際に、トナー粒子とともに適
当量が現像剤担持体から像担持体に移行する。静電潜像
が現像されることにより像担持体上に形成されたトナー
画像は、転写工程において紙などの転写材に転移する。
このとき、像担持体上の導電性微粉末も一部は転写材に
付着するが、残りは像担持体上に付着保持されて残留す
る。
【0081】像担持体上に繰り返して作像が行われる場
合、転写工程と帯電工程との間で行われる公知のクリー
ニング工程、すなわち像担持体上に付着保持されて残留
した現像剤成分を像担持体上から取り除く工程、を持た
ない画像形成方法では、転写後の像担持体表面に残存し
たトナー粒子(以下、これを「転写残トナー粒子」とい
う)及び上記残存した導電性微粉末は、像担持体におい
て像を担持する面(以下、これを「像担持面」という)
の移動に伴って帯電部に持ち運ばれる。
【0082】像担持体の帯電に接触帯電部材を用いる場
合は、導電性微粉末は像担持体と接触帯電部材とが接触
して形成するニップ部である帯電部に持ち運ばれ、接触
帯電部材に付着・混入する。したがって、上記のニップ
部に導電性微粉末が介在した状態で像担持体の接触帯電
が行われる。
【0083】導電性微粉末を接触帯電部材に付着・混入
させ、帯電部に導電性微粉末が介在することにより、転
写残トナー粒子の付着・混入により接触帯電部材が汚染
されるにも拘わらず、接触帯電部材の抵抗を維持できる
ため、接触帯電部材による像担持体の帯電を良好に行う
ことができる。接触帯電部材の帯電部に十分な量の導電
性微粉末が介在しない場合には、転写残トナー粒子の接
触帯電部材への付着・混入による像担持体の帯電の低下
が容易に起こり、画像汚れを生じやすい。
【0084】更に、像担持体と接触帯電部材とが接触し
て形成するニップ部に導電性微粉末を積極的に持ち運ぶ
ことにより、接触帯電部材の像担持体への緻密な接触性
と接触抵抗を維持できるため、接触帯電部材による像担
持体の直接注入帯電を良好に行わせることができる。
【0085】転写残トナー粒子は、帯電部を通過し、又
は接触帯電部材から徐々に像担持体上に吐き出され、像
担持面の移動に伴って現像部に至る。ここで現像兼クリ
ーニング工程を含む画像形成方法では、現像工程におい
て現像兼クリーニング、すなわち転写残トナー粒子の回
収が行われる。また、転写工程の後に像担持体上に付着
保持されて残留する導電性微粉末も、転写残トナー粒子
と同様に像担持面の移動に伴って現像部に至る。
【0086】すなわち、転写残トナー粒子とともに導電
性微粉末が像担持体上に存在して、現像工程において転
写残トナー粒子の回収が行われる。現像工程における転
写残トナー粒子の回収が現像バイアス電界を利用して行
われる場合には、転写残トナー粒子が現像バイアス電界
によって回収されるのに対して、像担持体上の導電性微
粉末は導電性であることで回収され難い。このため、導
電性微粉末の一部は回収されるものの残りは像担持体上
に付着保持されて残留する。
【0087】本発明者らの検討によれば、このように現
像工程において回収され難い導電性微粉末が像担持体上
に存在することで、像担持体上の転写残トナー粒子の回
収性を向上させる効果が得られることが判明した。すな
わち、像担持体上の導電性微粉末が像担持体上の転写残
トナー粒子の回収助剤として働き、現像工程における転
写残トナー粒子の回収をより確実なものとし、転写残ト
ナー粒子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の画
像欠陥を有効に防止することができる。
【0088】従来、現像剤に導電性微粉末を外部添加す
る目的の多くが、トナー粒子表面に導電性微粉末を付着
させることにより、トナー粒子の摩擦帯電性を制御する
ことであり、トナー粒子から遊離或いは脱離する導電性
微粉末は、現像剤特性の変化又は劣化、或いは像担持体
の劣化を招く弊害として扱われてきた。
【0089】これに対し、本発明の現像剤では、導電性
微粉末をトナー粒子表面から積極的に遊離させ、像担持
体上に供給することによって上述の効果が得られる点、
及び少なくとも転写工程後の像担持体上において転写残
トナー粒子が少なく、トナー粒子から遊離して像担持体
上に残留する導電性微粉末の量が多いことで、上述の効
果をより好ましく得られる点で、従来多く検討されてき
た現像剤への導電性微粉末の外部添加とは異なる。すな
わち本発明の現像剤は、接触帯電工程を含む画像形成方
法、又は現像兼クリーニング工程を含む画像形成方法、
又はこれらの工程の両方を含む画像形成方法において優
れた効果を奏する。
【0090】本発明の現像剤は、導電性微粉末がトナー
粒子表面から遊離し易く、導電性微粉末を転写後の像担
持体上を経由して、像担持体と接触帯電部材とが接触し
て形成するニップ部である帯電部に持ち運び、介在させ
ることにより像担持体の帯電性を向上させ、帯電不良の
発生を防止し、安定して均一な一様帯電を可能とする。
また、現像工程において導電性微粉末が像担持体上に存
在することで、導電性微粉末が像担持体上の転写残トナ
ー粒子の回収助剤として働き、現像工程における転写残
トナー粒子の回収をより確実なものとし、転写残トナー
粒子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の画像欠
陥を有効に防止することができる。
【0091】本発明においては、トナー粒子表面に付着
してトナー粒子と共に挙動する導電性微粉末(すなわち
トナー粒子表面から遊離しない導電性微粉末)は、本発
明の現像剤が効果として発現する像担持体の帯電性の促
進及び現像兼クリーニング性能の向上に対して寄与せ
ず、導電性微粉末が表面に強く付着したトナー粒子は、
摩擦帯電性が低下し、現像性の低下、現像兼クリーニン
グでの転写残トナー粒子回収性の低下、及び転写性の低
下によって転写残トナー量が増加することにより一様帯
電又は潜像形成を阻害する等の原因となる。
【0092】本発明の現像剤に含有される導電性微粉末
は、画像形成が繰り返されることにより、現像工程で新
たに像担持面に移行し、また像担持面に残留した導電性
微粉末とともに、像担持面の移動に伴い転写工程を経て
帯電部に持ち運ばれ、帯電部に逐次に供給され続ける。
したがって、帯電部において導電性微粉末が脱落するな
どして減少したり、導電性微粉末の一様帯電性促進能力
が劣化した場合でも、帯電部に導電性微粉末が供給され
続けるため、長期にわたる繰り返し使用においても、像
担持体の帯電性の低下を防止し、良好な一様帯電が安定
して維持される。
【0093】本発明者らの、現像剤に添加する導電性微
粉末の粒径による像担持体の帯電性促進効果及び現像兼
クリーニング性に対する影響についての検討によれば、
導電性微粉末のうち粒子径が非常に小さいもの(例えば
0.1μm程度以下のもの)はトナー粒子表面に強固に
付着し易く、現像工程で像担持面に導電性微粉末を十分
には供給することができず、転写工程においてもトナー
粒子表面から導電性微粉末が遊離しにくい。
【0094】このため、転写後の像担持体上に導電性微
粉末を積極的に残留させ、帯電部に導電性微粉末を積極
的に供給することが困難であり、像担持体の帯電性を低
下させ画像不良を生じやすい。また、現像兼クリーニン
グ工程においても、像担持体上に導電性微粉末を十分に
供給することができず、像担持体上に導電性微粉末が供
給されたとしても粒子径が小さすぎるために転写残トナ
ーの回収性を向上させる効果が得られず、逆に回収すべ
き転写残トナーを増大してしまうために、転写残トナー
粒子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の画像欠
陥を生じやすい。
【0095】また、導電性微粉末のうち粒子径が大きす
ぎるもの(4μm超えるもの)は、帯電部に供給されて
も粒径が大きいために均一に像担持体の帯電性を促進す
ることができず、導電性微粉末が帯電部材から脱落しや
すくなり、安定して十分な粒子数の導電性微粉末を帯電
部に介在させ続けることが困難となる。
【0096】この観点から、本発明に関わる現像剤に添
加する導電性微粉末の粒径は、0.1μm〜4.0μm
(より好ましくは0.1μm〜2.0μm)が好まし
い。
【0097】更に、単位重量当たりの導電性微粉末の粒
子数が減少するため、十分な像担持体の均一帯電促進効
果が得られるだけの粒子数の導電性微粉末を帯電部に介
在させるには、導電性微粉末の現像剤に対する添加量を
大きくせざるを得なくなる。
【0098】しかし、導電性微粉末の添加量を大きくし
すぎると、現像剤全体としての摩擦帯電能及び現像性を
低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生じやすい。ま
た、導電性微粉末の粒径が大きいために、現像兼クリー
ニング工程における転写残トナー粒子の回収助剤として
の効果が十分には得られない。また転写残トナー粒子の
回収を高めるために、導電性微粉末の像担持体上での存
在量を大きくしすぎると、粒径が大きいために潜像形成
のための画像露光を遮ることによる画像欠陥を生じやす
い。
【0099】さらに、帯電部材が像担持体に接触して帯
電を行う画像形成方法においては、像担持体と接触帯電
部材とが接触して形成するニップ部である帯電部に導電
性微粉末が介在した状態で像担持体の接触帯電が行われ
ることとなるが、この場合に上記のように導電性微粉末
の粒子径が大きすぎると、像担持体表面を傷つけてしま
い画像欠陥を生じることが判明した。
【0100】また、粒子径が大きい導電性微粉末が帯電
部に介在すると、像担持体表面を研磨する効果も大き
く、繰り返し使用により像担持体表面層を著しく削るこ
とで像担持体の一様帯電特性が大きく変化し、得られる
画像の品位も大幅に変動してしまうことが判明した。
【0101】すなわち、像担持体表面層が感光層である
場合には、感光層の膜厚が削れてどんどん薄くなってし
まい、帯電条件或いは現像条件の調節では、得られる画
像の画像特性を安定化することができないまでに感光特
性が大きく変化してしまう。像担持体表面層が抵抗調整
された注入帯電促進層である場合には、注入帯電促進層
を削り取ってしまい、一様帯電における直接注入帯電性
を著しく低下させて帯電不良による画像欠陥を生じやす
い。注入帯電促進層の膜厚を厚くすることは、潜像のボ
ケ或いは流れによる乱れを生じ易く、高画質な画像を得
るためには限度がある。
【0102】これら像担持体表面層の傷及び削れの問題
は、一様帯電性を向上させるために接触帯電部材と像担
持体との接触性を高めようとする場合(例えば、接触帯
電部材と像担持体との接触圧を高めてニップ幅を広げる
場合、接触帯電部材と像担持体との周速差を大きくする
場合等)により顕著となる。導電性微粉末がトナー粒子
表面に強固に付着してしまわない程度に導電性微粉末の
粒子径を小さいものとすることによって、ある程度は像
担持体表面層の削れと一様帯電性を向上をはかることは
できるが、長期の繰り返し使用においてもこれらの両立
が容易ではなく、一様帯電性を向上と像担持体表面層の
傷及び削れの問題がトレードオフの関係にあることが判
明した。
【0103】本発明者らは、上記問題に対し、導電性微
粉末の表面に少なくとも該導電性微粉末より粒径の小さ
な微粒子を付着或いは固着した状態で有することにより
像担持体表面層の傷及び削れが大幅に低減され、良好な
一様帯電性を維持し、安定した画像特性を得ることがで
きることを解明した。同時に、上述した構成の導電性微
粉末を用いることにより、帯電部材表面に保持されるを
有する導電性微粉末により、転写残トナーが帯電部材表
面に付着或いは混入した場合でも転写残トナーが帯電部
材表面から脱離しやすくなり、帯電部材表面への転写残
トナーの蓄積による一様帯電性の低下が顕著に改善され
ることを見出した。
【0104】また、導電性微粉末の表面に少なくとも該
導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは固着
した状態で有することは、導電性微粉末粒子の凝集性を
著しく低下させ、トナーからの遊離、付着性の低減、並
びに帯電部材表面での導電性微粉末粒子間の凝集を軽減
させる。
【0105】本発明の導電性微粉末凝集度としては、9
0%以下となることが好ましい(より好ましくは、80
%以下、更により好ましくは60%以下、更により好ま
しくは50%以下)。
【0106】本発明の導電性微粉末凝集度の測定は、ホ
ソカワミクロン社製のパウダーテスターPT−R型で測
定した。以下に測定法の詳細を記載する。
【0107】振動台の上に、上から目開き250μm、
150μm、75μmの順でふるいをセットする。装置
に表示されている振幅目盛りが1mmになるように振幅
を調整した後、振動時間を15秒とし、粒子5gを静か
にのせて振動させる。振動停止後、それぞれのふるいに
残った質量を測定する。 (上段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100 ……a (中段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.6 ……b (下段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.2 ……c a+b+c=凝集度(%)として算出する。
【0108】本発明の導電性微粉末より粒径の小さな微
粒子は、金属酸化物微粒子、金属微粒子、樹脂微粒子等
が用いることが可能である。
【0109】帯電部材表面での導電性微粉末粒子間の凝
集は、凝集粒子として粒径が大きいために均一に像担持
体の帯電性を促進することができず、導電性微粉末が帯
電部材から脱落しやすくなり、安定して十分な粒子数の
導電性微粉末を帯電部に介在させ続けることが困難とな
る。
【0110】本発明のより好ましい構成として、導電性
微粉末は、その表面に酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チ
タンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子
を被覆してなる導電性微粉末であることが好ましい。
【0111】導電性微粉末を該金属酸化物微粒子で被覆
することにより、導電性微粉末の流動性が著しく改良さ
れ、トナーからの遊離、付着性の低減、並びに帯電部材
表面での導電性微粉末粒子間の凝集を軽減させることが
容易に達成可能となる。
【0112】また本発明は、導電性微粉末粒径Daと導
電性微粉末より粒径の小さな微粒子の粒径Dbが次の関
係を満足することが好ましい。 Da≧10Db(より好ましくはDa≧20Db)
【0113】粒径差がDa<10Dbの場合、導電性微
粉末の流動性付与効果が少ないことから好ましくない。
【0114】また本発明は、導電性微粉末表面がシラン
カップリング剤、チタニウムカップリング剤、アルミニ
ウムカップリング剤、シリコーンワニス、各種変性シリ
コーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーン
オイル、シラン化合物から選ばれる少なくとも一種類の
表面処理剤で疎水化処理された後、酸化ケイ素、酸化ア
ルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属
酸化物微粒子で被覆されていることが好ましい。導電性
微粉末表面を処理することにより環境安定性、特に高温
高湿下の帯電安定性、流動性維持が良化する。
【0115】また本発明は、導電性微粉末表面を被覆す
る酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる金
属酸化物微粒子がシリコーンワニス、各種変性シリコー
ンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイ
ル、シラン化合物、シランカップリング剤から選ばれる
少なくとも一種類の疎水化処理剤で疎水化処理されてい
ることが好ましい。導電性微粉末表面を被覆する該金属
酸化物微粒子を処理することにより環境安定性、特に高
温高湿下の帯電安定性、流動性維持が良化する。
【0116】更には、導電性微粉末表面を被覆する酸化
ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくと
も一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン
処理されていることが好ましい。疎水性を確保し、高湿
環境下での効果維持に有効である。
【0117】更には、導電性微粉末表面を被覆する酸化
ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくと
も一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン
とシリコーンオイルにより疎水化処理されていることが
より好ましい。該処理により、トナー表面からの遊離、
環境安定性が特に良化する。
【0118】また本発明は、導電性微粉末表面を被覆す
る酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少
なくとも一種類の金属酸化物微粒子を導電性微粉末10
0質量部に対して0.1〜5質量部で処理することが好
ましい。0.1質量部より少ない場合、導電性微粉末流
動性向上が少なく、5質量部より多く添加すると導電微
粉末の抵抗が変動し、本発明の効果を減じることとな
る。
【0119】より詳細に説明すると、本発明の現像剤が
有する無機微粉末(好ましくは、一次粒子の個数平均粒
径が4〜80nm)は、トナー粒子表面に付着してトナ
ー粒子とともに挙動することで、現像剤の流動性を改良
し、トナー粒子の摩擦帯電を均一化させる。このため、
トナー粒子の転写性を向上させ、接触帯電部材への転写
残トナーの混入量を低減し、像担持体の帯電性低下を防
止し、現像兼クリーニング工程における転写残トナーの
回収での負荷を低減できる。
【0120】この無機微粉末は、トナー粒子表面に付着
してトナー粒子とともに挙動するが、一次粒子の個数平
均粒径が4〜80nmと小さく、トナーに付着している
状態での粒径も、凝集体であっても0.1μm以下のも
のがほとんどであり、現像剤の0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に実
質的に影響を与えない。
【0121】本発明者らの検討によれば、1.00μm
以上2.00μm未満の粒径範囲の導電性微粉末が現像
剤中に存在することにより、接触帯電における接触帯電
部材への転写残トナーの付着・混入による像担持体の帯
電不良を防止し、直接注入帯電における像担持体の一様
帯電性を向上させ、現像兼クリーニングを用いた画像形
成方法における転写残トナーの回収不良を有効に防止す
る効果が顕著であることが判明した。
【0122】また、上記導電性微粉末の粒子は、接触帯
電部材に付着、混入することで、接触帯電部材での保持
性が高まり、導電性微粉末を介しての接触帯電部材の像
担持体へのより緻密な接触性が得られ、像担持体のより
均一な帯電を可能とすることが判明した。さらに、上記
導電性微粉末の粒子は、現像兼クリーニングにおける像
担持体上の転写残トナー粒子の回収助剤として働きが大
きく、像担持体上の転写残トナー粒子の回収性を向上さ
せる効果がより顕著であることが判明した。
【0123】すなわち、帯電部に転写残トナーとともに
導電性微粉末が介在した状態で像担持体の接触帯電が行
われる場合、接触帯電部材に付着又は混入した現像剤成
分における転写残トナーに対する導電性微粉末の含有比
率がより高まることで、転写残トナーによる像担持体の
帯電の阻害がより抑制され、接触帯電部材の像担持体へ
の接触性がより高まり、あるいは現像剤成分が付着又は
混入したことによる接触帯電部材の接触抵抗の上昇を抑
制することができるため、接触帯電部材による像担持体
の帯電をより良好に行わせることができる。
【0124】さらに、上記導電性微粉末を用いること
で、転写後の像担持体上において、残留する導電性微粉
末の転写残トナー粒子に対する比率が高まることで、転
写残トナー粒子の回収を行う現像兼クリーニング工程に
おける像担持体上においても、転写残トナーに対する回
収助剤として働く導電性微粉末の含有比率がより高ま
り、転写残トナーをより確実に回収することができる。
また、上記導電性微粉末の粒子は、現像兼クリーニング
における像担持体上の転写残トナー粒子の回収助剤とし
て働きが大きく、像担持体上の転写残トナー粒子の回収
性を向上させる効果がより顕著となる。
【0125】導電性微粉末の粒子径は、以下のように測
定することができる。すなわち、走査型電子顕微鏡によ
り拡大撮影した現像剤の写真と、更に走査型電子顕微鏡
に付属させたX線マイクロアナライザー(XMA)等の
元素分析手段によって導電性微粉末の含有する元素でマ
ッピングされた現像剤の写真を対照し、トナー粒子表面
に付着或いは遊離して存在している導電性微粉末を特定
する。走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写
真(例えば、日立製作所製FE−SEMS−800で3
000〜5000倍の視野で撮影した写真)から、又は
走査型電子顕微鏡からインターフェースを介して導入し
た(3000〜5000倍に拡大した)画像情報から、
特定された導電性微粉末の画像を画像処理装置(例えば
ニレコ社製画像解析装置LuzexIII)に導入し、
解析することによって導電性微粉末の粒度が求められ
る。
【0126】また、本発明の現像剤は、導電性微粉末の
含有量が現像剤全体の0.1〜5.0質量%(より好ま
しくは0.1〜2.0質量%)であることが好ましい。
導電性微粉末の含有量を上記範囲とすることにより、像
担持体の帯電を促進するための適度な量の導電性微粉末
を帯電部に供給でき、現像兼クリーニングにおいて転写
残トナー粒子の回収性を高めるために必要な量の導電性
微粉末を像担持体上に供給できる。
【0127】現像剤の導電性微粉末の含有量が上記範囲
よりも小さすぎる場合には、帯電部に供給される導電性
微粉末量が不足し易く、安定した像担持体の帯電促進効
果が得にくい。現像兼クリーニングを用いる画像形成に
おいても、転写残トナー粒子と共に像担持体上に存在す
る導電性微粉末量が不足し易く、転写残トナー粒子の回
収性の向上の効果が得にくい。また、現像剤の導電性微
粉末の含有量が上記範囲よりも大きすぎる場合には、過
剰の導電性微粉末が帯電部に供給され易く、帯電部に保
持しきれない導電性微粉末が多量に像担持体上に排出さ
れることによる露光不良を生じ易くなる。また、トナー
粒子の摩擦帯電性を低下させる或いは乱し、画像濃度低
下やカブリの増加の原因となることがある。このような
観点から、現像剤の導電性微粉末の含有量は、上記範囲
内であることが好ましい。
【0128】また、導電性微粉末の抵抗は、像担持体の
帯電促進効果及び転写残トナー回収性の向上効果を現像
剤に付与するために、109Ω・cm以下であることが
好ましい。導電性微粉末の抵抗が、上記範囲よりも大き
すぎると、導電性微粉末を帯電部材と像担持体とのニッ
プ部或いはその近傍の帯電領域に介在させ、接触帯電部
材の導電性微粉末を介しての像担持体への緻密な接触性
を維持させても、像担持体の良好な帯電性を得るための
帯電促進効果が小さくなる。現像兼クリーニングにおい
ても、導電性微粉末が転写残トナー粒子と同極性の電荷
を帯び易くなるために転写残トナー粒子と共に回収され
易くなり、回収助剤として回収されにくい導電性微粉末
が像担持体上に介在することによる転写残トナーの回収
性の向上が大幅に低下する場合がある。
【0129】導電性微粉末による像担持体の帯電促進効
果を十分に引き出し、像担持体の良好な一様帯電性を安
定して得るためには、導電性微粉末の抵抗が、接触帯電
部材の表面部或いは像担持体との接触部の抵抗よりも小
さいことが好ましく、この接触帯電部材の抵抗の1/1
00以下であることがさらに好ましい。
【0130】更に、導電性微粉末の抵抗が106Ω・c
m以下であることが、絶縁性の転写残トナー粒子の付着
・混入による接触帯電部材への帯電阻害に打ち勝って像
担持体の帯電をより良好に行わせる上で、及び、現像兼
クリーニングにおいて転写残トナーの回収性の向上効果
をより安定して得る上で好ましく良い。この導電性微粉
末の抵抗は、100〜105Ω・cmであることがさら
に好ましい。接触帯電においては像担持体の良好な帯電
を実現し、現像兼クリーニングにおいてはトナー回収性
の向上効果を安定させる上で、より一層効果的である。
【0131】本発明において、導電性微粉末の抵抗測定
は、錠剤法により測定し正規化して求めることができ
る。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に約0.5g
の粉体試料を入れ、粉体試料の上下に配置された上下電
極間に147N(15kg)の加重を行うと同時に10
0Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比
抵抗を算出する。
【0132】また、導電性微粉末は、透明、白色或いは
淡色の導電性微粉末であることが、転写材上に転写され
る導電性微粉末がカブリとして目立たないため好まし
い。潜像形成工程における露光光の妨げになることを防
ぐ意味でも導電性微粉末は、透明、白色或いは淡色の導
電性微粉末であることが好ましい。さらに、導電性微粉
末はこの静電潜像を形成する像露光光に対する透過率が
30%以上であることが好ましい。この透過率は35%
以上であることがさらに好ましい。
【0133】以下、本発明における導電性微粉末の光透
過性を測定する方法の一例を示す。片面に接着層を有す
る透明なフィルムの接着層上に、導電性微粉末を一層分
固定した状態で透過率を測定する。光はシートの鉛直方
向から照射し、フィルム背面まで透過した光を集光して
その光量を測定する。フィルムのみの場合と導電性微粉
末を付着した場合の光量の差に基づいて、正味の光量と
しての光透過率を算出する。実際的にはX−Rite社
製310T透過型濃度計を用いて測定することができ
る。
【0134】また、導電性微粉末は、非磁性であること
が好ましい。導電性微粉末を非磁性とすることで、透
明、白色或いは淡色の導電性微粉末が得られ易い。反対
に、磁性を有する導電性材料は、磁性を有することで、
透明、白色或いは淡色とすることが困難となる。また、
現像剤の磁気力による搬送及び保持を行う画像形成法に
おいては、磁性を有する導電性微粉末は現像されにくく
なり、像担持体上への導電性微粉末の供給が不足する或
いは現像剤担持体表面に導電性微粉末が蓄積しトナー粒
子の現像を妨げる等の弊害を起こし易い。更に、磁性ト
ナー粒子に磁性を有する導電性微粉末を添加する場合に
は、磁気的凝集力によりトナー粒子から導電性微粉末が
遊離しにくくなる傾向があり、導電性微粉末の像担持体
上への供給性が低下し易い。
【0135】本発明における導電性微粉末としては、例
えば銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微
粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウ
ム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タン
グステンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カド
ミウム、チタン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれ
らの複合酸化物などのうち、一次粒子の個数平均粒径が
50〜500nmであり、一次粒子の凝集体を有する導
電性微粉末が使用でき、好ましくは、上記の好ましい特
性(抵抗、透過率など)を有するものが用いられる。ま
た、現像剤としての粒度及び粒度分布を調整するために
粒度分布の調整された導電性微粉末を用いることも好ま
しい。
【0136】導電性微粉末は、これらの中でも、酸化亜
鉛、酸化スズ及び酸化チタンから選ばれる少なくとも一
種の酸化物を含有していることが、導電性微粉末の抵抗
を低く設定することが可能である点で好ましい。また、
非磁性であり、白色或いは淡色であり、転写材上に転写
される導電性微粉末がカブリとして目立たない点でも好
ましい。
【0137】また、導電性微粉末の抵抗値を制御する等
の目的で、アンチモン、アルミニウムなどの元素を含有
させた金属酸化物の微粒子、導電性材料を表面に有する
微粒子なども導電性微粉末として使用できる。例えば、
アルミニウム元素を含有する酸化亜鉛微粒子、アンチモ
ン元素を含有する酸化スズ微粒子などである。
【0138】さらに、導電性微粉末としてアルミニウム
元素を含有する酸化亜鉛を用いることが、白色度が高
く、安定して低抵抗な導電性微粉末が得られる点で特に
好ましい。酸化亜鉛にアルミニウム元素を含有させる方
法としては、特に限定はないが、特開平1−12622
8号公報等に開示されているような、導電性酸化亜鉛の
製法によることが格別に好ましい。
【0139】上記導電性微粉末の体積平均粒径は回折法
により測定されるものであっても良い。回折法による測
定法を例示する。純水10mlに微量の界面活性剤を添
加し、これに導電性微粉末の試料10mgを加え、超音
波分散機(超音波ホモジナイザー)にて10分間分散し
た後、リキッドモジュールを取り付けたコールター社
製、LS−230型レーザー回折式粒度分布測定装置を
用いて、0.04〜2000μmを粒子径の測定範囲と
し、測定時間90秒、測定回数1回で測定する。
【0140】本発明においては、導電性微粉末が主とし
て凝集体として挙動する場合には、導電性微粉末の粒子
の粒径もその一次粒子径ではなく、凝集体としての粒径
として定義される。
【0141】本発明において現像剤は、一次粒子の個数
平均粒径4〜80nmの無機微粉末を有することも必要
である。
【0142】無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径が上
記範囲よりも大きすぎる場合、或いは一次粒子の個数平
均粒径が上記範囲の無機微粉末が添加されていない場合
には、導電性微粉末を現像剤中でトナー粒子に対して均
一に分散させることができず、像担持体上に均一に導電
性微粉末を供給することが困難である。本発明にて用い
られる潤滑剤によって表面処理を施した導電性微粉末
は、トナー粒子から遊離し易い性質とともに現像剤中に
均一に分散し難い傾向がある。このため、より現像剤へ
の流動性付与能が高く、一次粒子の個数平均粒径のより
小さい無機微粉末を併用することで、導電性微粉末を現
像剤中に均一に分散させることが可能であることが判明
した。
【0143】導電性微粉末が現像剤中に均一に分散して
いない場合、像担持体上への導電性微粉末の長手方向で
の供給むらを生じ易く、接触帯電部材への供給むらを生
じた場合には導電性微粉末の供給むらに対応した像担持
体の帯電不良を生じ、現像兼クリーニング時には像担持
体上の導電性微粉末の介在量の減少部に対応して転写残
トナー粒子の回収性が低下することによる回収不良を生
じ、筋状の画像欠陥として現れる。また、転写残トナー
粒子が帯電部材へ付着した際に帯電部材に固着し易くな
り、像担持体の安定して良好な帯電特性を得ることが困
難となる。更に、良好な現像剤の流動性が得られず、ト
ナー粒子への帯電付与が不均一になり易く、カブリの増
大、画像濃度の低下、トナー飛散等の問題を避けられな
い。
【0144】無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径が4
nmよりも小さい場合には、無機微粉末の凝集性が強ま
り、一次粒子ではなく解砕処理によっても解れ難い強固
な凝集性を持つ、粒度分布の広い凝集体として挙動し易
く、無機微粉末の凝集体の現像による画像抜け、像担持
体、現像剤担持体或いは接触帯電部材等を傷つけるなど
による画像欠陥を生じ易くなる。また、これらの観点か
ら、無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径は6〜50n
mであることが好ましい。
【0145】すなわち本発明において、無機微粉末は、
トナー粒子の表面に付着させることで現像剤の流動性を
改良し、トナー粒子を均一に帯電させるために添加され
るのみでなく、導電性微粉末を現像剤中でトナー粒子に
対して均一に分散させ、像担持体上に均一に導電性微粉
末を供給せしめる効果も併せ持つ。
【0146】本発明において無機微粉末の一次粒子の個
数平均粒径の測定は、以下のように行うことができる。
すなわち、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤
の写真と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイ
クロアナライザー(XMA)等の元素分析手段によって
無機微粉末の含有する元素でマッピングされた現像剤の
写真を対照し、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存
在している無機微粉末の一次粒子を100個以上測定
し、個数平均粒径を求めることができる。
【0147】また本発明において無機微粉末は、一次粒
子の個数平均粒径4〜80nmのシリカ、チタニア(酸
化チタン)及びアルミナから選ばれる少なくとも一種を
含有することが好ましい。例えば、シリカ微粉体として
はケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたい
わゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリ
カ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカ
の両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内
部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3-
等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また
乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化
アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を
ケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリ
カと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であ
りそれらも包含する。
【0148】また本発明において無機微粉末は、疎水化
処理されたものであることが好ましい。無機微粉末を疎
水化処理することによって、無機微粉末の高湿環境にお
ける帯電性の低下を防止し、無機微粉末が表面に付着し
たトナー粒子の摩擦帯電量の環境安定性を向上させるこ
とで、現像剤としての画像濃度、カブリ等の現像特性の
環境安定性をより高めることができる。環境による無機
微粉末の帯電性及び無機微粉末が表面に付着したトナー
粒子の帯電量の変動を抑制することで、導電性微粉末の
トナー粒子からの遊離し易さが変動することを防止で
き、環境による導電性微粉末の像担持体上への供給量を
安定化し、像担持体帯電性及び転写残トナー粒子回収性
の環境安定性を高めることができる。
【0149】疎水化処理の処理剤としては、シリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シラン
カップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン
化合物の如き処理剤を単独で或いは併用して処理しても
良い。その中でも、無機微粉末は少なくともシリコーン
オイルで処理されたものであることが特に好ましい。処
理は公知の方法に従って行うことができる。
【0150】疎水化処理に使用されるシラン化合物とし
ては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラ
ン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラ
ン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジク
ロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメ
チルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロ
ルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロル
メチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメル
カプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガ
ノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラ
ン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロ
キサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、
1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げら
れる。
【0151】上記シリコーンオイルは、25℃における
粘度が10〜200,000mm2/sのものが、さら
には3,000〜80,000mm2/sのものが好ま
しい。シリコーンオイルの粘度が上記範囲よりも小さす
ぎる場合には、無機微粉末の処理に安定性がなく、熱及
び機械的な応力により、処理したシリコーンオイルが脱
離、転移或いは劣化して画質が劣化する傾向がある。ま
た、粘度が上記範囲よりも大きすぎる場合には、無機微
粉末の均一な処理が困難になる傾向がある。
【0152】使用されるシリコーンオイルとしては、例
えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等が特に好ましい。
【0153】シリコーンオイルの処理の方法としては、
例えばシラン化合物で処理された無機微粉末とシリコー
ンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直
接混合してもよいし、無機微粉末にシリコーンオイルを
噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシ
リコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ
微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。無機
微粉末の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用い
る方法がより好ましい。
【0154】シリコーンオイルの処理量は無機微粉末1
00質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20
質量部が良い。シリコーンオイルの量が上記範囲よりも
少なすぎると良好な疎水性が得られず、多すぎるとカブ
リ発生等の不具合が生ずることがある。
【0155】また本発明において無機微粉末は、少なく
ともシラン化合物で処理されると同時に、又はその後に
シリコーンオイルで処理されたものであることが好まし
い。無機微粉末の処理にシラン化合物を用いることが、
シリコーンオイルの無機微粉末への付着性を高めて、無
機微粉末の疎水性及び帯電性を均一化する上で特に好ま
しい。
【0156】無機微粉末の処理条件としては、例えば第
一段反応としてシリル化反応を行いシラノール基を化学
結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーン
オイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することが挙げ
られる。
【0157】また、本発明の現像剤は、無機微粉末の含
有量が現像剤全体の0.1〜3.0質量%であることが
好ましい。無機微粉末の含有量が上記範囲より少なすぎ
る場合には、無機微粉末を添加することの効果が十分に
得られず、また上記範囲より多すぎる場合には、トナー
粒子に対して過剰な無機微粉末が導電性微粉末を被覆し
てしまい、導電性微粉末の抵抗が高い場合と同様な挙動
を示すようになり、像担持体上への導電性微粉末の供給
性の低下、像担持体の帯電促進効果の低下、転写残トナ
ーの回収性の低下等、の本発明の効果を損なうようにな
る傾向がある。無機微粉末の含有量は、現像剤全体の
0.3〜2.0質量%であることがより好ましく、さら
に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
【0158】本発明で用いられる一次粒子の個数平均粒
径が4〜80nmの無機微粉末は、BET法で測定した
窒素吸着による比表面積が40〜300m2/gの範囲
内のものが好ましく、60〜250m2/gのものがよ
り好ましい。比表面積は、BET法に従って、比表面積
測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用
いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用
いて算出することができる。
【0159】本発明においてトナー粒子は、少なくとも
結着樹脂及び着色剤を含有する粒子である。トナー粒子
の抵抗は、1010Ω・cm以上であることが好ましく、
10 12Ω・cm以上であることがより好ましい。トナー
粒子が実質的に絶縁性を示さなければ、現像性と転写性
を両立することが困難である。また、トナー粒子への現
像電界による電荷の注入を生じ易く、現像剤の帯電を乱
しカブリを生ずることがある。
【0160】本発明において、トナー粒子の抵抗は、錠
剤法により測定し正規化して求めることができる。即
ち、底面積2.26cm2の円筒内に0.2〜0.5g
の粉体試料を入れ、粉体試料の上下に配置された上下電
極間に147N(15kg)の加重を行うと同時に10
00Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して
トナー粒子の抵抗を算出する。
【0161】本発明に使用されるトナー粒子が含有する
結着樹脂の種類としては、例えば、スチレン系樹脂、ス
チレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天
然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、
キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、
クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
【0162】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、ビニルトルエン等
のスチレン誘導体;例えば、アクリル酸又はアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エ
ステル類;例えば、メタクリル酸又はメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸オクチル等のメタクリル酸エステル類;例えば、
マレイン酸又はマレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、
マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカル
ボン酸エステル類;例えば、アクリルアミド、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン又は塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエ
ステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等
のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチ
ルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケト
ン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエ
ーテル類;等のビニル系単量体が単独で又は2つ以上用
いられる。
【0163】結着樹脂の製造においては架橋剤を用いて
も良く、ここで架橋剤としては、主として二個以上の重
合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香
族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3
−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合
を二個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、
ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスル
ホン等のジビニル化合物;及び三個以上のビニル基を有
する化合物;が単独で又は混合物として用いられる。
【0164】結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、
50〜70℃であることが好ましい。ガラス転移点温度
が上記範囲よりも低すぎる場合には現像剤の保存性が低
下し、高すぎる場合には定着性に劣ることがある。
【0165】本発明で用いられるトナー粒子にワックス
成分を含有させるのは好ましい形態のひとつである。本
発明に用いられるトナー粒子に含有されるワックスとし
ては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体、マイク
ロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッ
シャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワッ
クス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素
系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合
物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスな
どの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カ
ルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部
を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖の
アルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類などの、
飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン
酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルア
ルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコー
ル、カルナウビルアルコール、セチルアルコール、メリ
シルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有す
る長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;
ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミ
ド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸
アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和
脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、
ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオ
レイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシ
ン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレ
ンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイ
ソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステア
リン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩
(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化
水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系
モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニ
ン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部
分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得
られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物な
どが挙げられる。
【0166】本発明においては、該ワックスは、結着樹
脂100質量部に対して好ましくは0.5〜20質量
部、より好ましくは0.5〜15質量部の範囲で用いら
れる。
【0167】本発明に使用されるトナー粒子が含有する
着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、
鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエ
ローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、クロム
イエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズ
ベンガル、トリアリールメタン系染料、モノアゾ系、ジ
スアゾ系染顔料等、従来公知の染顔料を単独で又は混合
して使用し得る。
【0168】本発明においては、現像剤が、磁場79.
6kA/mにおける磁化の強さが10〜40Am2/k
gである磁性現像剤であることが好ましい。現像剤の磁
化の強さは20〜35Am2/kgであることがより好
ましい。
【0169】本発明において磁場79.6kA/mにお
ける磁化の強さを規定する理由は以下の通りである。通
常、磁性体の磁気特性を表す量としては、磁気飽和にお
ける磁化の強さ(飽和磁化)が用いられるが、本発明に
おいては画像形成装置内で実際に磁性現像剤に作用する
磁場における磁性現像剤の磁化の強さが重要であるため
である。画像形成装置に磁性現像剤が適用される場合、
磁性現像剤に作用する磁場は、画像形成装置外への磁場
の漏洩を大きくしないため或いは磁場発生源のコストを
低く抑えるために、市販されている多くの画像形成装置
において数十から百数十kA/mであり、画像形成装置
内で実際に磁性現像剤に作用する磁場の代表的な値とし
て磁場79.6kA/m(1000エルステッド)を選
択し、磁場79.6kA/mにおける磁化の強さを規定
したものである。
【0170】現像剤の磁場79.6kA/mにおける磁
化の強さが上記範囲よりも小さすぎる場合には、磁気力
により現像剤搬送を行うことが困難となり、現像剤担持
体上に均一に現像剤を担持させることができなくなるこ
とがある。また、磁気力により現像剤搬送を行う場合に
は、現像剤の穂立ちを均一に形成できないために、導電
性微粉末の像担持体への供給性が低下し、転写残トナー
粒子の回収性も低下することがある。
【0171】磁場79.6kA/mにおける磁化の強さ
が上記範囲よりも大きすぎる場合には、トナー粒子の磁
気凝集性が高まり、導電性微粉末の現像剤中での均一な
分散及び像担持体への供給が困難となり、本発明の効果
である像担持体の帯電促進効果又はトナー粒子回収性促
進効果が損なわれることがある。
【0172】このような磁性現像剤を得る手段として
は、トナー粒子に磁性体を含有させることが挙げられ
る。本発明において現像剤を磁性現像剤とするためトナ
ー粒子に含有させる磁性体としては、マグネタイト、マ
グヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、鉄、コバル
ト、ニッケル等の金属、或いはこれらの金属とアルミニ
ウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、ア
ンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシ
ウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナ
ジウム等の金属との合金及び混合物が挙げられる。
【0173】これらの磁性体の磁気特性としては、磁場
796kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2/k
g、残留磁化が1〜100Am2/kg、抗磁力が1〜
30kA/mであるものが好ましく用いられる。これら
の磁性体は結着樹脂100質量部に対し、通常には20
〜200質量部で用いられる。このような磁性体の中で
もマグネタイトを主とするものが特に好ましい。
【0174】本発明において磁性現像剤の磁化の強さ
は、振動型磁力計VSMP−1−10(東英工業社製)
を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/m
で測定することができる。また、磁性体の磁気特性は、
25℃の室温にて外部磁場796kA/mで測定するこ
とができる。
【0175】また、本発明において現像剤は、目開き1
49μmのふるい(100メッシュ)を通過し、目開き
74μmのふるい(200メッシュ)を不通過(以下、
これを「100メッシュパス−200メッシュオン」と
いう)の球形鉄粉に対する摩擦帯電量が絶対値で、20
〜100mC/kgであることが好ましい。
【0176】現像剤の摩擦帯電量が絶対値で上記範囲よ
りも小さすぎる場合には、トナー粒子の転写性が低下す
ることで転写残トナー粒子が増大するため、像担持体の
帯電性が低下し易くなり、転写残トナー粒子の回収の負
荷が大きくなり回収不良を生じ易くなる。現像剤の摩擦
帯電量が絶対値で上記範囲よりも大きすぎる場合には、
現像剤の静電的凝集性が高まり、導電性微粉末の現像剤
中での均一な分散及び像担持体への供給が困難となり、
本発明の効果である像担持体の帯電促進効果又はトナー
回収性促進効果が損なわれることがある。
【0177】特に磁性現像剤の場合には、現像剤が磁気
凝集性を併せ持つために静電的凝集性をより抑制するこ
とが必要であり、磁性現像剤の上記球形鉄粉に対する摩
擦帯電量は絶対値で25〜50mC/kgであることが
好ましい。
【0178】本発明における現像剤の摩擦帯電量の測定
法を図面を用いて詳述する。
【0179】図4は現像剤の摩擦帯電量を測定する装置
の説明図である。23℃,相対湿度60%の環境下、先
ず摩擦帯電量を測定しようとする現像剤と100メッシ
ュパス−200メッシュオンの球形鉄粉キャリア(例え
ば、同和鉄粉社製球形鉄粉DSP138)を使用するこ
とが可能である。)の質量比5:95(例えば、現像剤
0.5gに鉄粉キャリア9.5g)の混合物を50〜1
00mlの容量のポリエチレン製の瓶に入れ100回震
盪する。
【0180】次いで、底に目開き25μm(500メッ
シュ)のスクリーン83を備える金属製の測定容器82
に前記混合物約0.5gを入れ、金属製のフタ84をす
る。この時の測定容器82全体の質量を秤りW1(g)
とする。次に吸引機81(測定容器82と接する部分は
少なくとも絶縁体)において、吸引口87から吸引し、
風量調節弁86を調整することにより真空計85の圧力
を2450Paとする。この状態で十分(約1分間)吸
引を行い、現像剤を吸引除去する。この時の電位計89
の電位をV(ボルト)とする。ここで88はコンデンサ
ーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定
容器全体の質量を秤りW2(g)とする。この現像剤の
摩擦帯電量は下式の如く計算される。 現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−
W2)
【0181】本発明において現像剤は、荷電制御剤を含
有することが好ましい。荷電制御剤のうち、現像剤を正
荷電性に制御するものとして、例えば下記の物質があ
る。
【0182】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタン
グステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリ
ブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリ
シアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金
属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサ
イド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガ
ノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチル
スズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジ
オルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾ
ール化合物。これらを単独で或いは二種類以上組み合わ
せて用いることができる。これらの中でも、トリフェニ
ルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四
級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
【0183】また一般式(1)
【0184】
【化1】 [式中、R1はH又はCH3を示し、R2及びR3は置換又
は未置換のアルキル基(好ましくはC1〜C4)を示
す。]で表されるモノマーの単重合体;前述したスチレ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き
重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用
いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結
着樹脂(の全部又は一部)としての作用をも有する。
【0185】特に下記一般式(2)で表される化合物が
本発明の構成においては好ましい。
【0186】
【化2】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は、各々互いに
同一でも異なっていてもよい水素原子、置換若しくは未
置換のアルキル基又は、置換若しくは未置換のアリール
基を表す。R7、R8、R9は、各々互いに同一でも異な
っていてもよい水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基を表す。A-は、硫酸イオン、硝酸イオ
ン、ほう酸イオン、りん酸イオン、水酸イオン、有機硫
酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機りん酸イオン、
カルボン酸イオン、有機ほう酸イオン、テトラフルオロ
ボレートなどの陰イオンを示す。]
【0187】現像剤を負荷電性に制御するものとして、
例えば下記物質がある。
【0188】有機金属錯体、キレート化合物が有効であ
り、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系
の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボ
ン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、
無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘
導体類などがある。
【0189】また、次に示した一般式(3)で表される
アゾ系金属錯体が好ましい。
【0190】
【化3】
【0191】特に中心金属としてはFe、Crが好まし
く、置換基としてはハロゲン、アルキル基及びアニリド
基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アンモ
ニウム及び脂肪族アンモニウムが好ましい。
【0192】あるいは、次の一般式(4)に示した塩基
性有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発
明に使用できる。特に中心金属としてはFe、Al、Z
n、Zr及びCrが好ましく、置換基としてはハロゲ
ン、アルキル基及びアニリド基が好ましく、カウンター
イオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム及び
脂肪族アンモニウムが好ましい。またカウンターイオン
の異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
【0193】
【化4】
【0194】荷電制御剤を現像剤に含有させる方法とし
ては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法と
がある。これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹
脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー
製造方法等によって決定されるもので、一義的に限定さ
れるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部
に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜
5質量部の範囲で用いられる。
【0195】本発明に係るトナー粒子を製造するに当た
っては、上述したような構成材料をボールミルその他の
混合機により十分混合した後、加熱ロール、ニーダー、
エクストルーダー等の熱混練機を用いて良く混練し、冷
却固化後、粉砕、分級、必要に応じてトナー形状調整等
の処理を行ってトナー粒子を得る方法を用いることが好
ましく、他には、特公昭56−13945号公報等に記
載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気
中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;結着樹脂溶液中
に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナ
ー粒子を得る方法;特公昭36−10231号公報、特
開昭59−53856号公報、特開昭59−61842
号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナ
ー粒子を生成する方法;水溶性極性重合開始剤存在下で
直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合方法
に代表される乳化重合方法;樹脂微粒子及び着色剤等を
溶液中において会合させてトナー粒子を生成させる会合
重合法;単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系
有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合方
法;あるいはコア材、シェル材から成るいわゆるマイク
ロカプセルトナーにおいて、コア材あるいはシェル材、
あるいはこれらの両方に所定の材料を含有させる方法等
の方法が応用できる。
【0196】トナー粒子の形状調整のための処理として
は、粉砕法により得られたトナー粒子を水中或いは有機
溶液中に分散させ加熱或いは膨潤させる方法、熱気流中
を通過させる熱処理法、機械的エネルギーを付与して処
理する機械的衝撃法などが挙げられる。機械的衝撃力を
加える手段としては、例えばホソカワミクロン社製のメ
カノフージョンシステムや奈良機械製作所製のハイブリ
ダイゼーションシステム等の装置のように、高速回転す
る羽根によりトナー粒子をケーシングの内側に遠心力に
より押しつけ、圧縮力、摩擦力等の力によりトナー粒子
に機械的衝撃力を加える方法が挙げられる。
【0197】本発明においては、機械的衝撃法において
処理温度をトナー粒子のガラス転移点Tg付近の温度
(Tg±10℃)とする方法が、トナー粒子の凝集防止
や生産性の観点から好ましい。さらに好ましくは、処理
温度がトナー粒子のガラス転移点Tg±5℃の範囲の温
度で熱機械的衝撃によるトナー粒子の球形化処理を行う
ことが、形状が歪で円形度の低いトナー粒子を大幅に減
らし、導電性微粉末を有効に働かせるのに特に有効であ
る。
【0198】粉砕法により得られるトナー粒子の形状の
制御は、結着樹脂等のトナー粒子構成材料の選択及び粉
砕時の条件を適宜設定することで可能であるが、気流式
粉砕機でトナー粒子の円形度を高めようとすると生産性
が低下し易く、機械式粉砕機を用いてトナー粒子の円形
度を高める条件を設定することが好ましい。
【0199】本発明においては、トナー粒子の粒度分布
の変動係数を低く抑えるためには、分級工程において多
分割分級機を用いることが生産性の点で好ましい。ま
た、粉砕法によりトナー粒子を製造する場合に、1.0
0μm以上2.00μm未満の粒径範囲のトナー粒子を
少なくするためには、粉砕工程において機械式粉砕機を
用いることが好ましい。
【0200】上記のようにして得られたトナー粒子に外
部添加剤(無機微粉末、導電性微粉末等)を加え混合機
により混合し、さらに必要に応じ篩を通過させること
で、本発明に係る現像剤を製造することができる。
【0201】粉砕法によってトナー粒子を製造する場合
に用いられる製造装置としては、例えば混合機として
は、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミ
キサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社
製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロ
ミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミ
キサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツ
ボー社製)が挙げられる。
【0202】混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄
工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);T
EM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機
(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社
製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダ
ー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社
製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作
所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙
げられる。
【0203】粉砕機としては、カウンタージェットミ
ル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン
社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニ
ューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄
工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社
製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社
製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル
(ターボ工業社製)が挙げられ、この中でもクリプトロ
ン、ターボミル等の機械式粉砕機を用いることがより好
ましい。
【0204】分級機としては、クラッシール、マイクロ
ンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー
(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日
清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ター
ボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワ
ミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、
ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業
社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げら
れ、この中でもエルボージェット等の多分割分級機を用
いることがより好ましい。
【0205】粗粒などをふるい分けるために用いられる
篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社
製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社
製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソ
ニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(タ
ーボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円
形振動篩い等が挙げられる。
【0206】<画像形成方法及びプロセスカートリッジ
>次に、本発明の現像剤を好適に用いることができる本
発明の画像形成方法及びプロセスカートリッジについて
説明する。
【0207】本発明の画像形成方法は、像担持体を帯電
させる帯電工程と、帯電工程によって帯電した像担持体
の帯電面に静電潜像として画像情報を書き込む潜像形成
工程と、潜像形成工程において形成された静電潜像を上
記本発明の現像剤を用いてトナー画像として可視化する
現像工程と、現像工程において形成されたトナー画像を
転写材に転写する転写工程とを含み、前記帯電工程とし
て接触帯電工程、及び前記現像工程として現像兼クリー
ニング工程の少なくともいずれか一方を採用することを
特徴とする。
【0208】前記接触帯電工程とは、像担持体に電圧を
印加するための帯電部材を像担持体に接触配置し、帯電
部材に帯電電圧を印加することによって像担持体を帯電
させる方法であり、本発明では像担持体と帯電部材との
接触部であるニップ部に、少なくとも導電性微粉末を含
む現像剤成分が介在した状態で、帯電部材に電圧を印加
する。また前記現像兼クリーニング工程とは、像担持体
上の転写残トナーを現像器に回収する方法である。本発
明の画像形成方法では、接触帯電工程及び現像兼クリー
ニング工程のいずれか一方のみを採用しても良いし、両
方を採用しても良い。
【0209】また、本発明のプロセスカートリッジは、
像担持体を帯電するための帯電手段によって帯電した像
担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって可視化
し、この可視化されたトナー画像を転写材に転写するこ
とにより画像を形成するための画像形成装置本体に脱着
可能に装着されるものであって、静電潜像を担持するた
めの像担持体と、帯電した像担持体に形成された静電潜
像を、本発明の現像剤を用いて現像することによりトナ
ー画像を形成する現像手段とを少なくとも有し、前述し
た接触帯電工程及び現像兼クリーニング工程の少なくと
もいずれかを実現する手段を有する。
【0210】すなわち本発明のプロセスカートリッジ
は、像担持体と現像兼クリーニング手段とを有する構
成、像担持体と接触帯電手段と前述した本発明の現像剤
を有する通常の現像手段とを有する構成、及び像担持体
と接触帯電手段と現像兼クリーニング手段とを有する構
成のいずれかから構成される。
【0211】まず、本発明の画像形成方法について説明
する。本発明の画像形成方法における帯電工程は、現像
兼クリーニング工程のみを採用する場合では特に限定さ
れず、コロナ帯電器等の非接触型の帯電装置を用いた非
接触帯電工程であっても良いし、像担持体に接触して配
置されるローラー型(帯電ローラー)、ファーブラシ
型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材に
電圧を印加する接触帯電工程であっても良い。本発明に
おいては、コロナ帯電器等の非接触型の帯電装置と比較
して低オゾン、低電力等の利点がある接触帯電装置を用
いることが好ましい。
【0212】像担持体上の転写残トナー粒子は、形成す
る画像のパターンに対応するものと、画像の形成されて
いない部分に対応する、いわゆるカブリトナーに起因す
るものが考えられる。形成する画像のパターンに対応す
る転写残トナー粒子は、現像兼クリーニングでの完全な
回収が困難であり、回収が不十分であると、画像パター
ンの回収不良がそのまま次に形成される画像に現れるパ
ターンゴーストを生ずる。
【0213】このような画像のパターンに対応する転写
残トナー粒子については、転写残トナーのパターンを均
すことによって現像兼クリーニングでの回収性を大幅に
向上させることができる。
【0214】例えば、現像工程が接触現像プロセスであ
れば、現像剤を担持する現像剤担持体の表面における移
動速度と、現像剤担持体に接触している像担持体の表面
における移動速度との間に相対的速度差を持たせること
で、転写残トナーのパターンを均すと同時に転写残トナ
ー粒子を効率良く回収することができる。しかしなが
ら、接触現像プロセスでの上記の方法では、画像形成中
の電源の瞬断或いは紙詰まり時のように多量の転写残ト
ナーが像担持体上に残る場合には、転写残トナーが像担
持体上に残ったパターンで画像露光等の潜像形成を阻害
するためのパターンゴーストを生ずる問題を解決するこ
とが困難である。
【0215】これに対し接触帯電装置を用いた場合は、
接触帯電部材によって転写残トナーのパターンを均すこ
とで、現像工程が非接触現像プロセスであっても転写残
トナー粒子を効率良く回収することができ、回収不良に
よるパターンゴーストの発生を防止することができる。
また、多量の転写残トナーが像担持体上に残る場合に
も、接触帯電部材が一旦転写残トナーを堰き止め、転写
残トナーのパターンを均して徐々に転写残トナーを像担
持体上に吐き出すことで潜像形成阻害によるパターンゴ
ーストを防止することができる。
【0216】多量の転写残トナーが接触帯電部材に堰き
止められる場合の接触帯電部材の汚染による像担持体の
帯電性の低下に関しては、本発明の現像剤を用いること
で、像担持体の帯電性の低下を実用上問題ない範囲にま
で低減することができる。この点から本発明において
は、接触帯電装置を用いることが好ましい。
【0217】ところで、一般に接触帯電工程を行う場合
では、現像工程によって像担持体に供給された現像剤
が、転写工程において転写しきらずに前記ニップ部に到
達し、この転写残トナーが帯電部材へ付着することによ
って、像担持体の帯電性が悪化する傾向にある。
【0218】本発明においては、像担持体と像担持体に
接触する帯電部材との接触部であるニップ部に、少なく
とも導電性微粉末を含有する現像剤の成分が介在するこ
とが好ましい。上記ニップ部に少なくとも導電性微粉末
を含有する現像剤成分が介在することで、像担持体と接
触帯電部材との間の導通路が確保され、接触帯電部材へ
の転写残トナーの付着或いは混入による像担持体の帯電
性の低下を抑制することができる。
【0219】本発明では、接触帯電工程において、像担
持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部であるニ
ップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末
の含有比率が、上記本発明の現像剤に含有される導電性
微粉末(本発明の画像形成に供される前の現像剤中の導
電性微粉末)の含有比率よりも高いことが好ましい。上
記ニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微
粉末の含有比率が、現像剤に含有される導電性微粉末の
含有比率よりも高いことで、接触帯電部材への転写残ト
ナーの付着或いは混入による像担持体の帯電性の低下
を、より安定して抑制することができる。
【0220】本発明において帯電方法は、直接注入帯電
機構が支配的である帯電方法が好ましい。直接注入帯電
機構が支配的であることで、像担持体と像担持体に接触
する帯電部材との接触部であるニップ部に、少なくとも
導電性微粉末が介在することにより、接触帯電部材への
転写残トナーの付着或いは混入による像担持体の帯電性
の低下を抑制する効果に加えて、像担持体と帯電部材と
の接触性を高め導電性微粉末を介してのより緻密な接触
状態とすることにより、像担持体の帯電性を積極的に高
める効果が得られる。
【0221】また、直接注入帯電機構が支配的であるこ
とで、上記ニップ部に介在する現像剤成分全体に対する
導電性微粉末の含有比率が、現像剤に含有される導電性
微粉末の含有比率よりも高いことで、像担持体の帯電性
を積極的に高める効果がより高まり易い。
【0222】像担持体と像担持体に接触する帯電部材と
の接触部であるニップ部に介在する現像剤成分全体に対
する導電性微粉末の含有比率は、蛍光X線スペクトル分
析装置を用いて導電性微粉末の含有する元素を定量分析
することも可能であるが、以下のようにして導電性微粉
末の含有比率を比較することも可能である。
【0223】すなわち、走査型電子顕微鏡により拡大撮
影した上記ニップ部に介在する現像剤成分の写真と、更
に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイクロアナライ
ザー(XMA)等の元素分析手段によって導電性微粉末
の含有する元素でマッピングされた上記現像剤成分の写
真を対照し、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存在
している導電性微粉末を特定する。
【0224】走査型電子顕微鏡により拡大撮影した上記
現像剤成分の写真又は走査型電子顕微鏡からインターフ
ェースを介して導入した画像情報を画像処理装置に導入
し、解析することによって、特定された導電性微粉末の
粒子像の面積と、他の現像剤成分(トナー粒子)の像の
面積との面積比率を求める。同様に実際の画像形成に供
される前の現像剤での特定された導電性微粉末の粒子像
の面積と、他の現像剤成分(トナー粒子)の像の面積と
の面積比率を求め、先に求めた上記ニップ部に介在する
現像剤成分での面積比率と比較することで、導電性微粉
末の含有比率を比較することができる。
【0225】ところで、接触帯電工程においては、帯電
部材と像担持体との良好な接触性を確保するためには、
前記ニップ部に適量の導電性微粉末が介在することが好
ましい。帯電ニップ部における導電性微粉末の介在量が
少なすぎると、導電性微粉末による潤滑効果が十分に得
られず、像担持体と接触帯電部材との摩擦が大きくなる
ため、接触帯電部材を像担持体に速度差を持って回転駆
動させることが困難になる傾向がある。つまり、駆動ト
ルクが過大となり、無理に回転させると接触帯電部材や
像担持体の表面が削れてしまうことがある。更に導電性
微粉末による接触機会増加の効果が得られないこともあ
り、像担持体の十分な帯電性が得られにくい。
【0226】実験によると、帯電ニップ部における導電
性微粉末の介在量は103個/mm2以上であることが好
ましく、104個/mm2以上であることがより好まし
い。導電性微粉末の介在量が103個/mm2以上である
ことで、駆動トルクが過大となることがなく、導電性微
粉末による潤滑効果が十分に得られる。介在量が103
個/mm2より低いと十分な潤滑効果と接触機会増加の
効果が得られず像担持体の帯電性の低下が生じることが
ある。また、直接注入帯電方式を現像兼クリーニング画
像形成における像担持体の一様帯電として適用する場合
には、転写残トナー粒子の帯電部材への付着或いは混入
による像担持体の帯電性の低下が生ずることがある。介
在量が103個/mm2より大幅に低いと、転写残トナー
粒子が多い場合には像担持体の帯電性が低下しやすい。
【0227】帯電工程における像担持体上での導電性微
粉末の存在量の適正範囲は、導電性微粉末をどれぐらい
の密度で像担持体上に塗布することで像担持体の均一帯
電性の効果が得られるかでも決定される。
【0228】さらに転写残トナー粒子の帯電部材への付
着及び混入を抑制し、又は転写残トナー粒子の帯電部材
への付着或いは混入による像担持体の帯電阻害に打ち勝
って、良好な直接注入帯電を行うには、像担持体と接触
帯電部材とのニップ部における導電性微粉末の介在量が
104個/mm2以上であることがより好ましい。
【0229】また導電性微粉末の好適な介在量は、人間
の視覚特性から検討することもできる。人間の視覚特性
は、図3に示すように、空間周波数が10mm-1以上で
は画像上の識別階調数が限りなく1に近づいていく。す
なわち濃度ムラを識別できなくなる。この特性を積極的
に利用すると、像担持体上に導電性微粉末を付着させた
場合、少なくとも像担持体上で10mm-1以上の密度で
導電性微粉末を存在させ、直接注入帯電を行えば良いこ
とになる。たとえ導電性微粉末の存在しないところに像
担持体上でミクロな帯電不良が発生したとしても、その
帯電不良によって発生する画像上の濃度ムラは、人間の
視覚特性を越えた空間周波数領域に発生するため、画像
上では問題はないことになる。
【0230】導電性微粉末の像担持体上への塗布密度が
変化したときに、画像上に濃度ムラとして像担持体の帯
電不良が認知されるかどうかについては、導電性微粉末
がわずかにでも塗布されれば(例えば10個/m
2)、帯電ムラ発生の抑制に効果が認められるが、画
像上の濃度ムラが人間にとって許容可能かどうかという
点においてはまだ不十分である。ところがその塗布量を
102個/mm2以上にすると、画像の客観評価において
急激に好ましい結果が得られるようになる。更に、塗布
量を103個/mm2以上に増加させていくことにより、
像担持体の帯電不良に起因する画像上の問題点は皆無と
なる。
【0231】直接注入帯電方式による帯電では、放電帯
電方式とは根本的に異なり、帯電部材が像担持体に確実
に接触する事で帯電が行われているが、たとえ導電性微
粉末を像担持体上に過剰に塗布したとしても、像担持体
上で導電性微粉末が接触できない部分は必ず存在する。
ところが本発明による人間の視覚特性を積極的に利用し
た導電性微粉末の塗布を行うことで、実用上この問題点
が解決される。
【0232】また、導電性微粉末の像担持体上での存在
量の上限値は、導電性微粉末が像担持体上に一層均一に
塗布されるまでであり、それ以上塗布されても効果が向
上するわけではなく、逆に帯電工程後の像担持体上に過
剰の導電性微粉末が吐き出されることで露光光源からの
露光光を遮ったり、散乱させたりという弊害が生じる。
【0233】一方、上記ニップ部における導電性微粉末
の介在量が多過ぎると、導電性微粉末の接触帯電部材か
らの脱落が著しく増加し、画像露光の遮光等の潜像形成
阻害を起こし作像上に悪影響が出ることがある。導電性
微粉末の像担持体上での存在量の上限値は、様々な要因
によって変わってくるために一概にはいえないが、本発
明では、現像剤の有する導電性微粉末が潤滑剤による表
面処理を施したものであり、かつ上述した本発明の現像
剤の粒度分布規定を満足させる粒度分布を有すること
で、導電性微粉末の像担持体及び接触帯電部材への付着
性が高く、像担持体上での導電性微粉末の存在量が10
6個/mm2程度までは、導電性微粉末の飛散を生じず、
像担持体上での導電性微粉末の存在量の許容範囲がより
広く、装置内汚染や露光阻害による画像欠陥のないより
安定した直接注入帯電及び現像兼クリーニングを可能と
している。
【0234】前述した介在量については、導電性微粉末
の像担持体と接触帯電部材とのニップ部への供給量、導
電性微粉末の像担持体及び接触帯電部材への付着性(導
電性微粉末の粒径、形状、表面特性等に関係)、接触帯
電部材の導電性微粉末に対する保持性、像担持体上の導
電性微粉末に対する保持性等の要因があるため、一概に
は決定されないが、一例を挙げると、像担持体と接触帯
電部材とのニップ部における導電性微粉末の介在量が1
3〜106個/mm2の範囲において、像担持体上に脱
落した粒子の存在量(潜像形成工程での像担持体上の導
電性微粉末の存在量)を測ると102〜105個/mm2
であった実験結果が得られており、このような実験結果
に基づき種々の要因に適合した導電性微粉末の供給制御
を行うことが可能である。導電性微粉末の像担持体上で
の存在量の上限値は、上述のように様々な要因によって
変わってくるために、一概には言えないが、像担持体上
での導電性微粉末の存在量が105個/mm2程度で、帯
電部材又は像担持体上からの導電性微粉末の飛散が始ま
り、装置内汚染を生じ易くなる場合もある。
【0235】更に、現像兼クリーニング工程において、
像担持体上での導電性微粉末の存在量による、転写残ト
ナー粒子の回収性の向上効果についても実験を行ったと
ころ、帯電後現像前の像担持体上での導電性微粉末の存
在量が102個/mm2を超えると、像担持体上に導電性
微粉末が存在しない場合と比較して明らかに転写残トナ
ー粒子の回収性が向上し、導電性微粉末が像担持体上に
一層均一に塗布される程度まで画像欠陥のない現像兼ク
リーニングによる画像が得られた。
【0236】すなわち、帯電ニップ部における導電性微
粉末の介在量を103個/mm2以上に設定し、かつ像担
持体上の導電性微粉末の存在量を102個/mm2以上に
設定することで、像担持体の帯電性を良好にし、転写残
トナー粒子の回収性を良好にすることができる。また、
像担持体と接触帯電部材とのニップ部における導電性微
粉末の介在量は104個/mm2以上に設定することがよ
り好ましい。
【0237】帯電ニップ部での導電性微粉末の介在量及
び潜像形成工程での(帯電後現像前の)像担持体上の導
電性微粉末の存在量の測定方法について述べる。帯電ニ
ップ部での導電性微粉末の介在量は接触帯電部材と像担
持体の接触面部における値を直接測ることが望ましい
が、帯電ニップ部を形成する接触帯電部材の表面移動速
度と帯電部材に対向する像担持体の表面の移動速度との
間に相対的速度差を設けている場合、接触帯電部材に接
触する前に像担持体上に存在した粒子の多くは逆方向に
移動しながら接触する帯電部材に剥ぎ取られることか
ら、本発明では接触面部に到達する直前の接触帯電部材
表面の粒子量をもって介在量とする。
【0238】具体的な測定例を挙げると、帯電バイアス
を印加しない状態で像担持体及び接触帯電部材の移動を
停止し、像担持体及び接触帯電部材の表面をビデオマイ
クロスコープ(OLYMPUS製OVM1000N)及
びデジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR−31
00)で撮影し、接触帯電部材については、接触帯電部
材を像担持体に当接するのと同じ条件でスライドガラス
に当接し、スライドガラスの背面からビデオマイクロス
コープにて接触面を1000倍の対物レンズで10箇所
以上撮影し、得られたデジタル画像から個々の粒子を領
域分離するため、ある閾値を持って二値化処理し、粒子
の存在する領域の数を所望の画像処理ソフトを用いて計
測する。また、像担持体上の存在量についても像担持体
上を同様のビデオマイクロスコープにて撮影し、同様の
処理を行い計測する。像担持体上の導電性微粉末の存在
量は、上記と同様の手段で転写後帯電前及び帯電後現像
前の像担持体上を撮影して画像処理ソフトを用いて計測
する。
【0239】また本発明では、接触帯電工程において、
帯電部材の表面における移動速度と像担持体の表面にお
ける移動速度との間に、相対的速度差を設けることが好
ましい。帯電部材の表面における移動速度と像担持体の
表面における移動速度との間に相対的速度差を設ける場
合、接触帯電部材と像担持体との間に大幅なトルクの増
大、接触帯電部材及び像担持体表面の顕著な削れ等を生
じるが、接触帯電部材と像担持体との接触部に、少なく
とも導電性微粉末を含む現像剤成分が介在することによ
り潤滑効果(摩擦低減効果)が得られ、大幅なトルクの
増大や顕著な削れを伴うことなく速度差を設け、像担持
体と帯電部材との接触性をより高めることが可能とな
る。
【0240】本発明では、接触帯電工程においてより詳
しくは、像担持体表面の移動速度とそれに対向する帯電
部材表面の移動速度との比(相対移動速度比)は、10
〜500%であることが好ましく、20〜400%であ
ることがより好ましく、40〜200%であることが特
に好ましい。
【0241】相対移動速度比が、上記範囲よりも小さす
ぎる場合には、接触帯電部材と像担持体との接触確率を
増加させることが十分にはできず、直接注入帯電による
像担持体の帯電性を維持することが難しい。更に、上述
の像担持体と接触帯電部材との接触部であるニップ部に
介在する現像剤成分全体の量を接触帯電部材と像担持体
との摺擦によって制限することにより像担持体の帯電阻
害を抑制する効果、及び転写残トナーのパターンを均
し、現像兼クリーニングでの現像剤の回収性を高める効
果が十分には得られない。
【0242】相対移動速度比が、上記範囲よりも大きす
ぎる場合には、帯電部材表面の移動速度を著しく高める
こととなるために、像担持体と接触帯電部材とのニップ
部に持ち運ばれた現像剤成分が飛散することによる装置
内の汚染を生じ易く、像担持体及び接触帯電部材が摩耗
し易くなり、又は傷の発生を生じ易くなり短寿命化す
る。
【0243】ここで記述した相対的速度差を示す相対移
動速度比は次式で表すことができる。なお、次式では帯
電部材の移動速度をVc、像担持体の移動速度をVpと
し、帯電部材表面の移動速度はニップ部において帯電部
材表面が像担持体表面と同じ方向に移動するときを正の
値としている。 相対移動速度比(%)=|(Vc−Vp)|/Vp×1
00
【0244】また本発明では、接触帯電工程において、
帯電部材表面をそれに対向する像担持体表面の移動方向
と同じ方向に移動させて相対的速度差をもたせることも
可能である。しかし、直接注入帯電の帯電性は像担持体
の移動速度と帯電部材の移動速度の比に依存するため、
逆方向と同じ相対移動速度比を得るには順方向では帯電
部材の移動速度が逆方向の時に比べて大きくなるので、
帯電部材を逆方向に移動させる方が移動速度の点で有利
である。また、転写残トナーのパターンを均す効果にお
いても、帯電部材表面を、それに対向する像担持体表面
の移動方向と逆方向に移動させる方が有利である。
【0245】本発明では、接触帯電部材に持ち運ばれる
像担持体上の転写残トナー粒子を接触帯電部材に一時的
に回収し均す効果を高めるために、帯電部材と像担持体
とはそれらの対向する表面において互いに逆方向に移動
すること、例えば、接触帯電部材を回転駆動し、さら
に、その回転方向は、対向する接触帯電部材表面と像担
持体表面の移動方向が逆方向になるように構成すること
が好ましい。
【0246】表面が逆方向に移動することで、像担持体
上の転写残トナー粒子を一旦像担持体から引き離して像
担持体の帯電を行うことにより、優位に直接注入帯電を
行うこと、及び潜像形成の阻害をより確実に抑制するこ
とが可能である。さらには、転写残トナーのパターンを
均す効果を高めることで、現像兼クリーニングでの転写
残トナーの回収性を高め、回収不良によるパターンゴー
ストの発生をより確実に防止することが可能となる。
【0247】本発明においては、像担持体上の転写残ト
ナー粒子を一時的に帯電部材に回収するとともに、導電
性微粉末を帯電部材に担持し、像担持体と帯電部材との
接触部であるニップ部を設けて直接注入帯電を優位に実
行するために、接触帯電部材が弾性を有することが好ま
しい。また、接触帯電部材によって転写残トナーのパタ
ーンを均すことで現像兼クリーニングでの転写残トナー
粒子の回収性を高める上でも、接触帯電部材が弾性を有
することが好ましい。
【0248】また本発明では、接触帯電工程において、
前述したように種々の帯電部材を用いることができる
が、このような帯電部材で本発明に好ましい帯電部材と
しては、例えば少なくとも表層が発泡体からなるローラ
ー部材や、導電性を有するブラシ部材を挙げることがで
きる。
【0249】本発明に用いられるローラー部材は、アス
カーC硬度が25〜50度の範囲であることが好まし
く、25〜40度の範囲であることがさらに好ましい。
硬度が低すぎると形状が安定しないために像担持体との
接触性が悪くなり、更に、帯電ニップ部に介在する現像
剤成分がローラー部材表層を削り、又は傷つけてしまう
ため、像担持体の安定した帯電性を得にくい。また、硬
度が高すぎると像担持体との間に帯電ニップ部を十分に
は確保できないだけでなく、像担持体表面へのミクロな
接触性が悪くなるので、均一な直接注入帯電性を得にく
い。さらには、転写残トナーのパターンを均す効果が低
下して転写残トナーの回収性を高めることが困難にな
る。ローラー部材の特定の硬度は、材料の選択及び公知
の方法による硬度の調整により得ることができる。
【0250】上記ローラー部材のアスカーC硬度は、J
ISK6301で規定されるスプリング式硬度計アスカ
ーC(高分子計器株式会社製)を用いて測定することが
できる。本発明においては、荷重を9.8Nとし、ロー
ラーの形態において測定を行う。
【0251】またローラー部材は、弾性を持たせて像担
持体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する像担
持体を充電するために十分低い抵抗を有する電極として
機能することが重要である。一方では、像担持体にピン
ホールなどの欠陥部位が存在した場合にも帯電バイアス
のリークを防止する必要がある。像担持体の十分な帯電
性と耐リークを得るには、ローラー部材の体積固有抵抗
が103〜108Ω・cmであることが好ましく、104
〜107Ω・cmであることがより好ましい。体積固有
抵抗が上記範囲よりも小さいと耐リーク性が不十分とな
ることがあり、上記範囲よりも大きいと電極としての導
電性が不十分となることがある。
【0252】ローラー部材の体積固有抵抗は、直径30
mmの円筒状アルミドラムにローラー部材を圧着し、ロ
ーラー部材の像担持体に対する長手方向での接触圧であ
る、接触長さ1m当たり39.2Nの加重を前記アルミ
ドラムに向けてローラー部材の芯金に行い、この状態で
芯金とアルミドラムとの間に100Vの電圧を印加し、
計測することができる。
【0253】またローラー部材は、導電性微粉末の保持
性を高めるために、表面に微小なセル又は凹凸を有して
いることが好ましい。ローラー部材表面が微小なセル又
は凹凸を有していることで、像担持体へのローラー部材
の接触圧をより低くして、像担持体を良好に注入帯電す
るのに十分な帯電ニップ部を設けることができ、ローラ
ー部材及び像担持体の削れ、傷等の発生を抑制すること
ができる。また転写残トナーのパターンを均す効果が高
まるため、転写残トナーの回収性をより向上させること
ができる。微小なセル又は凹凸を有するローラー部材表
面は、公知の方法によって形成することができるが、ロ
ーラー部材の少なくとも表層に発泡体を用いることも好
ましい形態の一つである。
【0254】ローラー部材は、例えば芯金上に可撓性部
材としてのゴム又は発泡体の中抵抗層を形成することに
より作製される。中抵抗層は樹脂(例えばウレタン)、
導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡
剤等により処方され、芯金の上にローラー状に形成す
る。その後必要に応じて切削、表面を研磨して形状を整
えローラー部材を作製することができる。
【0255】ローラー部材の材質としては、弾性発泡体
に限定するものではなく、弾性体の材料として、エチレ
ン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ウ
レタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、
シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に、抵抗調整のた
めにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分
散したゴム材や、またこれらを発泡させたものが挙げら
れる。また、導電性物質を分散せずに、又は導電性物質
と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をする
ことも可能である。
【0256】ローラー部材は像担持体に対して、弾性に
抗して所定の押圧力で圧接させて配設され、ローラー部
材と像担持体のニップ部である帯電ニップ部が形成され
る。この帯電ニップ部の幅は特に制限されるものではな
いが、ローラー部材の像担持体への安定して密な密着性
を得るため1mm以上、より好ましくは2mm以上が良
い。この帯電ニップ部の幅は、ローラー部材の弾性、ロ
ーラー部材の像担持体への押圧力、ローラー部材及び像
担持体の径又は接触部での曲率等によって適宜設定する
ことができる。
【0257】また、前述したブラシ部材としては、例え
ば一般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵抗
調整されたものを用いることができる。繊維としては、
一般に知られている繊維が使用可能であり、例えば、ナ
イロン、アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポリ
エステル等の繊維が挙げられる。導電材としては、一般
に知られている導電材が使用可能であり、例えば、ニッ
ケル、鉄、アルミニウム、金、銀等の導電性金属或いは
酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チ
タン等の導電性の金属酸化物、さらにはカーボンブラッ
ク等の導電粉が挙げられる。これら導電材は必要に応じ
疎水化、抵抗調整の目的で表面処理が施されていてもよ
い。上記導電材の使用に際しては、繊維への分散性や生
産性を考慮して適宜選択して用いる。
【0258】またブラシ部材には、一般に固定型と回動
可能なロール状のものがある。ロール状のブラシ部材と
しては、例えば導電性繊維をパイル地にしたテープを金
属製の芯金にスパイラル状に巻き付けてロールブラシと
したものがある。導電性繊維としては、繊維の太さが1
〜20デニール(繊維径10〜500μm程度)、ブラ
シの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方メ
ートル当たり1.5×107〜4.5×108本程度(1
平方インチ当たり1万〜30万本)のものが好ましく用
いられる。
【0259】ブラシ部材は、ブラシ密度の高い物を極力
使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の
微細な繊維から作ることも好ましい。例えば、300デ
ニール/50フィラメントのように300デニールの微
細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛すること
も可能である。しかしながら、本発明においては、直接
注入帯電の帯電ポイント数を決定しているのは、主には
帯電部材と像担持体との帯電ニップ部及びその近傍の導
電性微粉末の介在密度であるため、帯電部材の選択の範
囲は広められている。
【0260】ブラシ部材の抵抗値は、ローラー部材の場
合と同様に、像担持体の十分な帯電性と耐リークを得る
ために103〜108Ω・cmの抵抗であることが好まし
く、104〜107Ω・cmであることがより好ましい。
ブラシ部材の抵抗は上述のローラー部材の場合と同様に
して測定することができる。
【0261】ブラシ部材の材料としては、ユニチカ
(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−
C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)
製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネ
ボウ製のベルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レ
ーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)
製のローバル等があるが、環境安定性の点でREC−
B、REC−C、REC−M1、REC−M10が特に
好ましい。
【0262】また、接触帯電部材が可撓性を有している
ことが帯電ニップ部において導電性微粉末が像担持体に
接触する機会を増加させ、高い接触性を得ることがで
き、直接注入帯電性を向上させる点で好ましい。つま
り、接触帯電部材が導電性微粉末を介して密に像担持体
に接触して、帯電ニップ部に存在する導電性微粉末が像
担持体表面を隙間なく摺擦することで、接触帯電部材に
よる像担持体の帯電は放電現象を生じない、導電性微粉
末を介しての安定かつ安全な直接注入帯電が支配的とな
る。したがって、直接注入帯電を本発明の画像形成方法
に適用することにより、従来の放電帯電によるローラー
帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、接触
帯電部材に印加した電圧とほぼ同等の電位を像担持体に
与えることができる。
【0263】更に、接触帯電部材が可撓性を有している
ことで、多量の転写残トナーが接触帯電部材に供給され
た場合に、一時的に転写残トナーを堰き止める効果及び
転写残トナーのパターンを均す効果が高まることで、潜
像形成阻害及び転写残トナー粒子の回収不良による画像
不良の発生をより確実に防止することができる。
【0264】本発明では、接触帯電工程において、前述
した帯電部材に帯電バイアスを印加することにより像担
持体を帯電させる。帯電部材に対する印加帯電バイアス
は、直流電圧のみでも像担持体の良好な帯電性を得るこ
とが可能であるが、直流電圧に交番電圧(交流電圧)を
重畳してもよい。このような交番電圧の波形としては、
正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、
交番電圧は、直流電源を周期的にオン/オフすることに
よって形成されたパルス波の電圧であっても良い。この
ように、交番電圧としては、周期的にその電圧値が変化
するような波形を有するバイアスが使用できる。
【0265】帯電部材に対する印加帯電バイアスの最大
電圧は、帯電部材と像担持体との間の放電開始電圧より
も低いことが好ましい。印加帯電バイアスが放電開始電
圧よりも高いと、放電により生成するオゾンやNOx等
の放電生成物が像担持体に付着又は侵食し、像担持体の
性能が低下、劣化する傾向にある。したがって接触帯電
工程では、放電開始電圧よりも低く、かつ帯電性能が得
られる印加帯電バイアスによって、直接注入帯電機構が
支配的である帯電を行うことが好ましい。
【0266】現像兼クリーニング方法では、像担持体上
に残余する絶縁性の転写残トナー粒子が接触帯電部材と
接触し、付着或いは混入することで像担持体の帯電性が
低下するが、放電帯電機構が支配的である帯電方法の場
合には、この帯電性低下が接触帯電部材表面に付着した
トナー層が放電を阻害する抵抗となるあたりから急激に
起こる。これに対し、直接注入帯電機構が支配的である
帯電方法の場合には、付着或いは混入した転写残トナー
粒子が接触帯電部材表面と像担持体との接触確率を低下
させることにより像担持体の一様帯電性が低下し、静電
潜像のコントラスト及び均一性の低下となり、画像濃度
を低下させる或いはカブリを増大させることがある。
【0267】放電帯電機構と直接注入帯電機構との、帯
電性低下のメカニズムの相違に起因して、像担持体と像
担持体に接触する帯電部材との接触部に少なくとも導電
性微粉末を介在させることによる像担持体の帯電性低下
の防止効果及び帯電促進効果は、直接注入帯電機構にお
いてより顕著であり、直接注入帯電機構に本発明の現像
剤を適用することが好ましい。
【0268】すなわち、放電帯電機構においては、像担
持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部に少なく
とも導電性微粉末を介在させることによって、接触帯電
部材に付着或いは混入したトナー層が放電を阻害する抵
抗とならないようにするためには、像担持体と像担持体
に接触する帯電部材との接触部であるニップ部に介在す
る現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率をよ
り大きくしなければならない。したがって、多量の転写
残トナーが接触帯電部材に付着或いは混入する場合に
は、接触帯電部材に付着或いは混入したトナー層が放電
を阻害する抵抗とならないように付着或いは混入するト
ナー量を制限するために、接触帯電部材から像担持体上
に多くの転写残トナーを吐き出さねばならず、潜像形成
を阻害し易くなる。
【0269】これに対し、直接注入帯電機構において像
担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部に少な
くとも導電性微粉末を介在させることによって、容易に
導電性微粉末を介して接触帯電部材と像担持体との接触
点を確保でき、接触帯電部材に付着或いは混入した転写
残トナーが接触帯電部材と像担持体との接触確率を低下
させることを防止し、像担持体の帯電性の低下を抑制す
ることができる。
【0270】特に、接触帯電部材の表面における移動速
度と像担持体の表面における移動速度との間に相対的速
度差を設ける場合、接触帯電部材と像担持体との摺擦に
よって、像担持体と接触帯電部材との接触部であるニッ
プ部に介在する現像剤成分全体の量が制限されることで
像担持体の帯電阻害がより確実に抑制され、かつそのニ
ップ部において導電性微粉末が像担持体に接触する機会
を格段に増加することで、接触帯電部材と像担持体との
より高い接触性を得ることができ、導電性微粉末を介し
ての直接注入帯電をより促進することができる。
【0271】これに対して放電帯電は、上記ニップ部で
はなく、像担持体と接触帯電部材とが非接触で微小間隙
を有する領域で放電が行われるため、ニップ部に介在す
る現像剤成分全体の量が制限されることによる帯電阻害
の抑制が期待できない。この観点からも本発明において
は、直接注入帯電機構が支配的である帯電方法であるこ
とが好ましく、放電帯電機構に頼らない直接注入帯電機
構が支配的である帯電方法を実現するために、接触帯電
部材に対する印加帯電バイアスの最大電圧は、接触帯電
部材と像担持体との間の放電開始電圧よりも低いことが
好ましい。
【0272】接触帯電部材の表面における移動速度と像
担持体の表面における移動速度との間に相対的速度差を
設ける構成としては、接触帯電部材を回転駆動すること
によって速度差を設けることが好ましい。
【0273】本発明に用いられる像担持体としては、従
来より知られている種々の像担持体を用いることがで
き、例えばアモルファスセレン、CdS、ZnO2、ア
モルファスシリコン又は有機系感光物質のような光導電
絶縁物質層を持つ感光ドラム若しくは感光ベルトである
ことが好ましく、アモルファスシリコン感光層、又は有
機感光層を有する感光体が特に好ましく用いられる。
【0274】本発明に用いられる像担持体の構成として
は、従来より知られている種々の構成を採用することが
でき、例えば導電性基体と、この導電性基体上に形成さ
れる感光層とを有する一般的な構成を採用することがで
きる。感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷
輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でも
よく、又は電荷輸送層と電荷発生層とを有する機能分離
型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、
次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感
光層は好ましい例の一つである。
【0275】像担持体の表面抵抗を調整することで、更
に安定して像担持体に均一な帯電を行うことができる。
【0276】像担持体の最表面層は像担持体の構成によ
って異なるが、本発明に用いられる像担持体は、最表面
層における体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cm
であることが、プロセススピードに関わらず像担持体を
十分に帯電させる上で好ましく、1×1010〜1×10
14Ω・cmであることがより好ましい。体積抵抗が上記
範囲よりも小さいと、像担持体に形成される静電潜像を
一定時間以上保持できないことがあり、体積抵抗が上記
範囲よりも大きいと、接触帯電工程において効率の良い
帯電に支障を来すことがある。また最表面層の体積抵抗
が1×1010Ω・cm以上であると、高湿環境下におい
ても微小な潜像まで乱されることなく静電潜像を保持す
る上で好ましい。
【0277】更に、像担持体が電子写真感光体であり、
該電子写真感光体の最表面層の体積抵抗が1×109Ω
・cm以上1×1014Ω・cm以下であることにより、
プロセススピードの速い装置においても、像担持体に十
分な帯電を与えることができ、より好ましい。
【0278】なお、像担持体の最表面層の体積抵抗は、
表面に金を蒸着させたポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム上に、像担持体の最表面層と同様の組成
からなる層を作製し、これを体積抵抗測定装置(ヒュー
レットパッカード社製4140BpAMATER)に
て、温度23℃,湿度65%の環境で100Vの電圧を
印加することにより測定することができる。
【0279】また本発明で用いられる像担持体の最表面
層は、少なくとも金属酸化物からなる導電性微粒子が少
なくとも分散された樹脂層であることが好ましい。すな
わち、像担持体の最表面層をこのような構成にすること
により、像担持体の表面の抵抗を下げることによってよ
り効率良く電荷の授受を行うことができ、かつ表面の抵
抗を下げたことで像担持体が静電潜像を保持している間
に潜像電荷が拡散することによる潜像のボケ及び流れを
より一層抑制することができる。
【0280】上記金属酸化物導電性微粒子が分散された
樹脂層の場合、分散された粒子による入射光の散乱を防
ぐために、入射光の波長よりも金属酸化物導電性微粒子
の粒径の方が小さいことが必要である。したがって、分
散される金属酸化物導電性微粒子の粒径としては0.5
μm以下であることが好ましい。金属酸化物導電性微粒
子の含有量は、最表面層の総質量に対して2〜90質量
%であることが好ましく、5〜70質量%であることが
より好ましい。
【0281】金属酸化物導電性微粒子の含有量が上記範
囲よりも少なすぎる場合には、所望の体積抵抗値を得に
くくなる。また、含有量が上記範囲よりも多すぎる場合
には、膜強度が低下しやすく、電荷注入層が削り取られ
て感光体の寿命が短くなる傾向があり、また抵抗が低く
なりすぎてしまうことによって潜像電位が流れることに
よる画像不良を生じやすくなる。
【0282】上記金属酸化物導電性微粒子としては、好
ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アン
チモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜
酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜
酸化スズ又は酸化ジルコニウム等の超微粒子が挙げられ
る。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用い
ても良い。
【0283】また本発明に用いられる像担持体は、像担
持体表面の水に対する接触角は85度以上であることが
好ましく、上記接触角が90度以上であることがより好
ましい。上記接触角が大きいということは、像担持体表
面がトナー粒子に対して高い離型性を有することを示
す。この効果により、現像兼クリーニング工程において
転写残トナー粒子の回収効率が大きく向上する。また、
転写残トナー粒子を著しく減少させることができため、
転写残トナー粒子による像担持体の帯電性低下をさらに
抑制することができる。
【0284】上記接触角を実現するための手段としては
種々の方法が考えられるが、例えば、樹脂の構造中にフ
ッ素含有基又はシリコーン含有基を導入すること等によ
り膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを
用いること、界面活性剤を添加剤として添加すること
等、撥水、親油性を付与するような添加剤を加えるこ
と、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン及び
フッ化カーボンの如きフッ素原子を含む化合物、シリコ
ーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂等、高い離型性を
有する材料を粉体状にして分散すること、などが挙げら
れる。これらの手段によって像担持体表面の水に対する
接触角を85度以上とすることが可能である。
【0285】これらの中でも像担持体の最表面層が、少
なくともフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂及びポリオレ
フィン系樹脂から選ばれる少なくとも一種以上の材料か
らなる滑剤微粒子が分散された層であることが好まし
い。特にポリ四フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデン
の如き含フッ素樹脂を用いることが好適である。上記離
型性を有する粉体として含フッ素樹脂を用いた場合に
は、最表面層への分散が好適である。
【0286】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体
最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構
成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設け
なくても、最表面層に該粉体を分散させれば良い。
【0287】上記滑剤微粒子の像担持体表面層への添加
量は、表面層総質量に対して、1〜60質量%とするこ
とが好ましく、さらには2〜50質量%とすることがよ
り好ましい。添加量が上記範囲よりも少なすぎると、転
写残トナー粒子が十分に減少せず、現像兼クリーニング
工程での転写残トナー粒子の回収効率を高める効果が十
分でなく、添加量が上記範囲よりも大きすぎると、膜の
強度が低下したり、感光体への入射光量が著しく低下し
て像担持体の帯電性を損ねたりするため好ましくない。
滑剤微粒子の粒径については、画質の面から1μm以下
であることが好ましく、0.5μm以下であることがよ
り好ましい。滑剤微粒子の粒径が上記範囲よりも大きす
ぎると、入射光の散乱によりラインの切れが悪くなり実
用に耐えないことがある。
【0288】なお本発明において上記接触角の測定は、
純水を用い、装置は協和界面科学(株)製接触角計CA
−DS型を用いて行うことができる。
【0289】本発明に用いられる像担持体の好ましい様
態のひとつを以下に説明する。
【0290】図5は、表面層として電荷注入層を設けた
像担持体の層構成模型図である。この像担持体は、導電
性基体(アルミニウムドラム基体)11上に導電層1
2、正電荷注入防止層13、電荷発生層14、電荷輸送
層15の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体ドラ
ムに電荷注入層16を塗布することにより、電荷注入に
よる帯電性能を向上させたものである。電荷注入層16
には金属酸化物導電性微粒子が分散されている。
【0291】像担持体の最表層に形成される電荷注入層
16として重要な点は、表層の体積抵抗値が1×109
〜1×1014Ω・cmの範囲にあることである。本構成
のように電荷注入層16を設けない場合でも、例えば像
担持体の最表層となる電荷輸送層15が上記抵抗範囲に
ある場合は同等の効果が得られる。例えば、表層の体積
抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感
光体等を用いても同様に電荷注入による良好な帯電性が
得られる。
【0292】導電性基体としては、アルミニウム又はス
テンレスの如き金属;アルミニウム合金又は酸化インジ
ウム−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチック;
導電性粒子を含侵させた紙又はプラスチック;導電性ポ
リマーを有するプラスチック;の円筒状シリンダー及び
フィルムが用いられる。
【0293】上記導電性基体上には、感光層の接着性向
上、塗工性改良、基体の保護、基体上の欠陥の被覆、基
体からの電荷注入性改良又は感光層の電気的破壊に対す
る保護を目的として下引き層(導電層)を設けても良
い。
【0294】下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ
−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エ
チルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロー
ス、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチ
ラール、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重
合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン又は酸化
アルミニウム等の材料によって形成される。下引き層の
膜厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μ
mが良い。
【0295】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素又はセレン
や非晶質シリコンの如き無機物質等の電荷発生物質を適
当な結着剤に分散し塗工することにより、あるいは蒸着
により形成する。なかでもフタロシアニン系顔料が感光
体感度を本発明に適合する感度に調整する上で好まし
い。
【0296】結着剤としては、広範囲な結着性樹脂から
選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、
シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙
げられる。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80
質量%以下であることが好ましく、0〜40質量%であ
ることがより好ましい。電荷発生層の膜厚は5μm以下
であることが好ましく、特には0.05〜2μmである
ことがより好ましい。
【0297】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖又は側鎖にビフェニレン、ア
ントラセン、ピレン及びフェナントレンの如き多環芳香
族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾー
ル及びピラゾリンの如き含窒素環式化合物;ヒドラゾン
化合物;スチリル化合物;セレン;セレン−テルル;非
晶質シリコン;硫化カドニウム等が挙げられる。
【0298】これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂及びポリアミド樹脂の如き樹脂;ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール及びポリビニルアントラセンの如き有機
光導電性ポリマー等が挙げられる。
【0299】電荷注入層は、電荷注入をより効率化或い
は促進する目的で、像担持体の表面に設けることが好ま
しい。電荷注入層は、樹脂中に金属酸化物導電性微粒子
を分散させた形態が好ましい。
【0300】電荷注入層を設ける形態としては、例え
ば、 (i)セレン、アモルファスシリコンの如き無機感光体
又は単一層型有機感光体の上に、電荷注入層を設ける (ii)機能分離型有機感光体の電荷輸送層として、電
荷輸送剤と樹脂を有する表面層を持つものに電荷注入層
としての機能を兼ねさせる(例えば、電荷輸送層として
樹脂中に電荷輸送剤と導電性粒子を分散させる、あるい
は電荷輸送剤自体若しくはその存在状態によって、電荷
輸送層に電荷注入層としての機能を持たせる) (iii)機能分離型有機感光体上にさらに最表面層と
して電荷注入層を設ける等がある。
【0301】電荷注入層としては、例えば、金属蒸着膜
等の無機材料の層、あるいは導電性微粒子を結着樹脂中
に分散させた導電粉分散樹脂層等によって構成され、蒸
着膜は蒸着、導電粉分散樹脂層はディッピング塗工法、
スプレー塗工法、ロールコート塗工法及びビーム塗工法
等の適当な塗工法にて塗工することによって形成され
る。また、絶縁性のバインダーに光透過性の高いイオン
導電性を持つ樹脂を混合若しくは共重合させて構成する
もの、又は中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成する
ものでもよい。
【0302】また、電荷注入層の層厚は、0.1〜10
μmであることが好ましく、潜像の輪郭のシャープさを
得る上では5μm以下であることがより好ましく、電荷
注入層の耐久性の点からは1μm以上であることがより
好ましい。
【0303】電荷注入層のバインダーは下層のバインダ
ーと同じとすることも可能であるが、この場合には電荷
注入層の塗工時に下層(例えば電荷輸送層)の塗工面を
乱してしまう可能性があるため、形成方法を特に選択す
る必要がある。
【0304】本発明に用いられる像担持体には、表面層
として、電荷注入をより効率化或いは促進するために樹
脂中に導電性微粒子を分散させた層を設けてもよい。表
面層の樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、あ
るいはこれらの樹脂の硬化剤が単独あるいは二種以上組
み合わされて用いられる。
【0305】本発明においては、像担持体の帯電面に静
電潜像を形成する潜像形成工程が、像担持体表面に静電
潜像としての画像情報を像露光により書き込む像露光工
程であることが好ましい。静電潜像形成のための画像露
光手段としては、デジタル的な潜像を形成するレーザー
走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナロ
グ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子による露光
でも構わないし、蛍光灯等の発光素子と液晶シャッター
等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静
電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0306】像担持体は静電記録誘電体等であっても良
い。この場合は、像担持面としての誘電体面を所定の極
性及び電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電
子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を
書き込み形成する。
【0307】本発明の画像形成方法では、良好な画像を
安定して形成する観点から、現像兼クリーニング工程及
び通常の現像工程のいずれに関わらず、現像工程におい
て非接触現像方法を採用することが好ましい。本発明で
は、現像工程は、像担持体に対して100〜1000μ
mの離間距離で対向して設置され、現像剤を担持する現
像剤担持体から、現像剤を像担持体に転移させることに
より静電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0308】現像剤担持体の像担持体に対する離間距離
が上記範囲よりも小さすぎると、離間距離の振れに対す
る現像剤の現像特性の変化が大きくなるため、安定した
画像性を満足する画像形成装置を量産することが困難と
なることがある。現像剤担持体の像担持体に対する離間
距離が上記範囲よりも大きすぎると、像担持体上の潜像
に対するトナー粒子の追従性が低下するために、解像性
の低下、画像濃度の低下等の画質低下を招くことがあ
る。また、像担持体上への導電性微粉末の供給性が低下
し易く、像担持体の帯電性が低下し易くなる。
【0309】より好ましくは現像剤担持体は像担持体に
対して100〜600μmの離間距離を有して対向して
設置されることである。現像剤担持体の像担持体に対す
る離間距離が100〜600μmであることで、現像兼
クリーニング工程における転写残トナー粒子の回収がよ
り優位に行える。離間距離が上記範囲よりも大きすぎる
と、現像兼クリーニング工程での転写残トナー粒子の回
収性が低下し、回収不良によるカブリを生じ易くなる。
これらの観点から、現像剤担持体の像担持体に対する離
間距離が150〜400μmであることが特に好まし
い。
【0310】また、本発明では、現像工程は現像剤担持
体上に現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させるこ
とにより現像剤層を形成し、この現像剤層から現像剤を
像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工
程であることが好ましい。上記範囲の現像剤層を形成す
ることで、現像剤担持体上の現像剤への摩擦帯電付与が
より均一に行われ易く、回収した転写残トナー粒子が現
像剤担持体近傍のトナー粒子の摩擦帯電に与える影響を
軽減し、より安定した現像兼クリーニング性が得られ
る。
【0311】現像剤量が上記範囲よりも少なすぎる場合
には、回収した転写残トナー粒子が現像担持体近傍のト
ナー粒子の摩擦帯電に影響を与え易く、一部のトナー粒
子の摩擦帯電が過剰になることによる現像剤層のムラを
生じ、転写残トナー粒子の回収性が不均一となることが
ある。現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲よりも多す
ぎる場合には、回収した転写残トナー粒子が再度の摩擦
帯電を十分には付与されることなく再び現像部に搬送さ
れ、現像に供されることでカブリをより生じ易くなる。
【0312】また、本発明においては、現像剤担持体上
の現像剤量を規制する部材が現像剤を介して現像剤担持
体に当接されていることによって、現像剤担持体上での
現像剤担持量又は現像剤層の厚さが規制されることが、
転写残トナー粒子の回収による現像性の変動を抑制で
き、現像剤が温湿度環境の影響を受けにくく均一な摩擦
帯電を得ることができ、転写性が良好となり特に好まし
い。
【0313】本発明において、現像剤担持体上の現像剤
量は、金属円筒管により現像剤担持体上の現像剤を円筒
フィルターに吸引捕集し、吸引捕集した現像剤担持体上
の部位の面積S、及び捕集された現像剤質量Mを計測
し、単位面積あたりの現像剤量M/S(g/m2)を算
出することで求めることができる。
【0314】本発明において、非接触型現像方法を適用
するために、現像工程は、像担持体に対向して設置され
た現像剤担持体の像担持体に対する所定の離間距離より
も、現像剤担持体上の現像剤層を薄く形成し、この現像
剤層から現像剤を電気的に像担持体表面に転移させるこ
とにより静電潜像を現像する工程であることが好まし
い。なお本明細書において離間距離は現像剤担持体表面
と像担持体表面との間の最短距離を意味する。本発明に
よって、従来は困難であった非接触型現像方法を用いた
現像兼クリーニング画像形成を高い画像品位で実現する
ことが可能となる。
【0315】現像工程において、像担持体に対して現像
剤層を非接触とし、像担持体の静電潜像をトナー画像と
して可視化する非接触型現像方法を適用することで、電
気抵抗値が低い導電性微粉末を現像剤中に多量に添加し
ても、現像バイアスが像担持体へ注入することによる現
像カブリが発生しにくく、良好な画像を得ることができ
る。
【0316】本発明では、現像剤担持体と像担持体との
間に交番電界(交流電界)を形成して現像を行う現像工
程で現像されることが好ましい。非接触型現像方法を適
用する場合、現像剤担持体と像担持体との間に交番電界
を形成することで像担持体上(特に非画像部)への導電
性微粉末の供給性が向上し、像担持体の一様帯電性をよ
り向上させ、転写残トナー粒子の回収性をより安定化す
ることができる。
【0317】交番電界を形成しないと、画像部にはトナ
ー粒子の現像とともに導電性微粉末を像担持体上に転移
させることができるが、非画像部での導電性微粉末の供
給性が不足する傾向にある。例えば、画像比率の少ない
(現像されるトナー量の少ない)画像形成を繰り返し行
うことで、像担持体と接触帯電部材との接触部であるニ
ップ部の介在する導電性微粉末の量が減少し、像担持体
の帯電促進効果が低下し、現像兼クリーニングにおいて
も像担持体上の導電性微粉末の存在量が減少し、転写残
トナー粒子の回収を促進する効果が低下する。
【0318】交番電界は現像剤担持体と像担持体との間
に交番電圧を印加することにより形成することができ
る。印加する現像バイアスは直流電圧に交番電圧(交流
電圧)を重畳したものであってもよい。
【0319】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等が適宜使用可能である。また、直流電源を
周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス
波であっても良い。このように交番電圧の波形としては
周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用で
きる。
【0320】現像剤を担持をする現像剤担持体と像担持
体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度
で3×106〜10×106V/m、周波数100〜50
00Hzの交流電界(交番電界)を、現像バイアスの印
加により形成することが好ましい。上記範囲の交流電界
を現像バイアスの印加により形成することで、現像剤中
に添加された導電性微粉末が均等に像担持体側に移行さ
れやすく、転写工程後の像担持体上に均一に導電性微粉
末を供給することができ、帯電部で導電性微粉末を介し
ての接触帯電部材と像担持体との均一かつ緻密な接触を
得ることで、像担持体の一様帯電(特に直接注入帯電)
を顕著に促進することができる。
【0321】また、交番電界を現像バイアスの印加によ
り形成することで、現像剤担持体と像担持体との間に高
電位差がある場合でも、現像部における像担持体への電
荷注入が生じないため、導電性微粉末を現像剤中に多量
に添加しても、現像バイアスが像担持体へ電荷を注入す
ることによる現像カブリが発生せず、良好な画像を得る
ことができる。
【0322】現像剤担持体と像担持体との間に現像バイ
アスの印加より形成される交番電界の強度が上記範囲よ
りも小さすぎると、像担持体に供給される導電性微粉末
の量が不足しやすく、像担持体の一様帯電性が低下し易
い。また、現像力が小さいために画像濃度の低い画像と
なり易い。一方、現像バイアスの印加による交番電界の
強度が上記範囲よりも大きすぎると、現像力が大き過ぎ
るために細線の潰れによる解像性の低下、カブリの増大
による画質低下及び像担持体の帯電性の低下を生じ易
く、現像バイアスの像担持体へのリークによる画像欠陥
を生じ易くなる。
【0323】また、現像剤担持体と像担持体との間に現
像バイアスの印加により形成される電界の交流成分の周
波数が上記範囲よりも小さすぎると、像担持体に均一に
導電性微粉末が供給されにくく、像担持体の一様帯電の
むらを生じ易くなる。上記交流成分の周波数が上記範囲
よりも大きすぎると、像担持体に供給される導電性微粉
末の量が不足しやすく、像担持体の一様帯電性が低下し
易い。
【0324】さらに、現像剤を担持をする現像剤担持体
と像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの
電界強度で4×106〜10×106V/m、周波数50
0〜4000Hzの交流電界(交番電界)を、現像バイ
アスの印加により形成することがより好ましい。上記範
囲の交流電界を現像バイアスの印加により形成すること
で、現像剤中に添加された導電性微粉末が均等に像担持
体側に移行されやすく、帯電工程後の像担持体にも均一
に導電性微粉末を供給することができ、現像兼クリーニ
ング画像形成に非接触型現像方法を適用した場合におい
ても高い転写残トナー粒子の回収性が維持できる。
【0325】現像剤担持体と像担持体との間に現像バイ
アスの印加により形成される交番電界の強度が上記範囲
よりも小さすぎると、現像兼クリーニング工程での転写
残トナー粒子の回収性が低下し、回収不良によるカブリ
を生じ易くなる。また、現像剤担持体と像担持体との間
に現像バイアスの印加より形成される電界の交流成分の
周波数が上記範囲よりも小さすぎると、像担持体からの
転写残トナー粒子の脱着頻度が少なくなり、現像兼クリ
ーニング工程での転写残トナー粒子の回収性が低下しや
すく、画像品質も低下し易い。上記交流成分の周波数が
上記範囲よりも大きすぎると、電界の変化に追従できる
転写残トナー粒子が少なくなるために、転写残トナー粒
子の回収性が低下し易い。
【0326】また、本発明においては、現像剤を担持す
る現像剤担持体表面は、像担持体表面と対向する部分に
おいて像担持体表面の移動方向と同方向に移動していて
もよいし、逆方向に移動していてもよい。その移動方向
が同方向である場合、像担持体表面の移動速度に対し
て、現像剤担持体表面の移動速度は比で100%以上で
あることが望ましい。
【0327】100%未満であると、画像品質が悪くな
る傾向がある。上記移動速度比が100%以上(現像部
において現像剤担持体表面の移動速度が像担持体表面の
移動速度よりも大きい又は同じ)であれば、現像剤担持
体側から像担持体側へのトナー粒子の供給が十分に行わ
れるため、十分な画像濃度を得やすく、導電性微粉末の
供給も十分に行われるため、像担持体の良好な帯電性を
得ることができる。
【0328】更に、現像剤担持体表面の移動速度が像担
持体表面の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度
であることがより好ましい。移動速度比が高まるほど現
像部位に供給されるトナー粒子の量は多く、潜像に対す
るトナー粒子の脱着頻度が多くなり、不要な部分は掻き
落とされ必要な部分には付与されるという繰り返しによ
り、転写残トナー粒子の回収性が向上し、回収不良によ
るパターンゴーストの発生をより確実に抑制することが
できる。さらには、潜像に忠実な画像が得られる。
【0329】また、接触現像プロセスにおいては、移動
速度比が高まるほど像担持体と現像剤担持体との摺擦に
より転写残トナー粒子の回収性がより向上する。しか
し、移動速度比が上記範囲を大きく超えると、現像剤担
持体上からの現像剤の飛散によるカブリ、画像汚れを生
じ易くなり、接触現像プロセスでは像担持体あるいは現
像剤担持体が摺擦による摩耗や削れのために短寿命化し
易く、現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤層厚
規制部材が現像剤を介して現像剤担持体に当接されてい
る場合には現像剤層厚規制部材あるいは現像剤担持体が
摺擦による摩耗や削れのために短寿命化し易い。上記観
点から、現像剤担持体表面の移動速度が像担持体表面の
移動速度に対し、1.1〜2.5倍の速度であることが
さらに好ましい。
【0330】本発明に用いられる現像剤担持体として
は、アルミニウム、ステンレススチールの如き金属又は
合金で形成された導電性円筒(現像ローラー)が好まし
く使用される。十分な機械的強度及び導電性を有する樹
脂組成物で導電性円筒が形成されていても良く、導電性
のゴムローラーを用いても良い。また、上記のような円
筒状に限られず、回転駆動する無端ベルトの形態をして
も良い。
【0331】また、本発明に使用される現像剤担持体の
表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜
3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが上記範
囲よりも小さすぎると、現像剤担持体上の現像剤担持量
が減少するために、或いは現像剤担持体上の現像剤の摩
擦帯電量が高くなりすぎる傾向があるために現像性が不
十分となり易い。また、Raが上記範囲よりも大きすぎ
ると、現像剤担持体上の現像剤層にむらが生じ、画像上
で濃度むらとなり易い。Raの範囲は、さらに好ましく
は、0.5〜3.0μmである。
【0332】さらに、本発明に使用される現像剤担持体
は、現像剤担持体表面に導電性の微粒子及び/又は滑剤
が分散されている樹脂組成物で形成されている被覆層を
有していることが現像剤担持体上での現像剤の総摩擦帯
電量をコントロールする上で好ましい。
【0333】現像剤担持体の被覆層において、樹脂材料
に含まれる導電性の微粒子は、1.2×107Paで加
圧した後の抵抗値が0.5Ω・cm以下であるものが好
ましい。
【0334】導電性の微粒子としては、カーボン微粒
子、カーボン微粒子と結晶性グラファイトとの混合物、
又は結晶性グラファイトが好ましい。導電性の微粒子
は、0.005〜10μmの粒径を有するものが好まし
い。
【0335】樹脂材料としては、例えば、スチレン系樹
脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリ
アミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹
脂の如き熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイ
ミド樹脂の如き熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂を使
用することができる。
【0336】中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のよう
な離型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、
ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリア
ミド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、
スチレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより
好ましい。特に、フェノール樹脂が好ましい。
【0337】導電性の微粒子は、樹脂成分10質量部当
たり、3〜20質量部使用することが好ましい。また、
導電性の微粒子として、カーボン微粒子とグラファイト
粒子を組み合わせて使用する場合は、グラファイト10
質量部当たり、カーボン微粒子1〜50質量部を使用す
ることが好ましい。導電性の微粒子が分散されてる現像
剤担持体の被覆層の体積抵抗率は10-6〜106Ω・c
mであることが好ましい。
【0338】本発明において、現像剤担持体上に1m2
当たり3〜30gの割合で現像剤を担持させた現像剤層
を形成することが好ましい。現像剤担持体上の現像剤量
が上記範囲の現像剤層を形成することで、均一な現像剤
層を形成し易く、導電性微粉末が像担持体上に均一に供
給されることで、像担持体の均一な帯電が得られ易い。
【0339】現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲より
も少なすぎる場合には、十分な画像濃度が得られにく
く、現像剤担持体上の現像剤層の微小なむらが生じ易
い。現像剤担持体上の現像剤層で微小なむらを生ずる
と、画像濃度むら及び導電性微粉末の供給むらとなり、
像担持体の帯電むらとして現れる。また、現像剤担持体
上の現像剤量が上記範囲よりも多すぎる場合には、トナ
ー粒子への摩擦帯電の付与が不十分となり易く、トナー
飛散を生じ易くなり、カブリの増大、転写性の低下によ
り像担持体の帯電を阻害し易くなる。
【0340】電界に対するトナー粒子の追従性は、上述
した電界の強度及び周波数の他に、トナー粒子の質量
(粒径と比重が関係)及び帯電量(トナー粒子の比電
荷)にも大きく影響される。トナー粒子の径が大きい又
は帯電量が低い場合、現像電界の変化に対するトナー粒
子の追従性が低下し、トナー粒子の現像量が低下する。
【0341】したがって、現像剤が導電性微粉末を有す
ることが必要であるために、現像剤の帯電量が低くなり
易い本発明の現像剤を、非接触現像に適用し、現像バイ
アスとして交流電界を印加する場合には、トナー粒子の
現像電界に応じた追従性を維持し、良好な画像を得るた
めに必要なトナー粒子の現像量を確保するために、現像
剤が0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲
の個数基準の粒度分布において、3.00μm以上8.
96μm未満の粒径範囲の粒子を15〜70個数%含有
することが必要である。
【0342】また、現像剤の100メッシュパス−20
0メッシュオンの球形鉄粉に対する摩擦帯電量が絶対値
で、20〜100mC/kgであることが好ましい。ま
た現像剤が、現像電界によるトナー粒子の追従性が低
い、粒子径の大きなトナー粒子を多く含まないために、
現像剤の0.60μm以上159.21μm未満の粒径
範囲の個数基準の粒度分布において、8.96μm以上
の粒子が0〜20個数%であることが好ましい。
【0343】現像電界による導電性微粉末の挙動は、ト
ナー粒子の現像電界に対する追従性の影響を大きく受け
る。導電性微粉末は、導電性であるが故に高い帯電量
(粒子の比電荷)を保持しにくいため、導電性微粉末単
独での現像電界への追従性は低い。導電性微粉末の挙動
は、主に現像電界に追従して挙動するトナー粒子の運動
によって誘起される。例えば、非接触現像プロセスで
は、現像電界により現像剤担持体上の現像剤層から像担
持体上の潜像へ転移するトナー粒子に、押されてあるい
は引き連れられて導電性微粉末も現像剤層から潜像上へ
転移する。
【0344】また、磁性トナー粒子を有する磁性現像剤
を用い、この磁性現像剤を磁界下において現像剤担持体
上に担持させ、現像部へ搬送する画像形成プロセスで
は、磁性現像剤は磁気的凝集力及び反発力により、現像
剤担持体上でいわゆる「穂」と称されるトナー粒子の
(導電性微粉末の粒子を含む)集合体を形成する。磁性
現像剤が、この「穂」の状態で現像電界により現像剤担
持体上から像担持体上へ転移し、像担持体上で「穂」が
個々の粒子にばらされることで、「穂」に含まれる導電
性微粉末が像担持体上へ転移する。上述のように、現像
電界により磁性現像剤がトナー粒子及び導電性微粉末の
粒子の集合体である「穂」として現像剤担持体上から像
担持体上へ転移するため、磁性現像剤を用いることで導
電性微粉末をより高効率に像担持体上へ供給することが
できる。
【0345】現像剤担持体と像担持体との間に、現像バ
イアスの印加により交流電界(交番電界)を形成して現
像を行う場合には、像担持体へのトナー粒子の脱着頻度
が高くなる交番電界ほど、又は交番電界への追従性の高
いトナー粒子を多く含む現像剤を用いるほど、像担持体
上への導電性微粉末の供給を優位に行うことができる。
【0346】また、像担持体上への導電性微粉末の供給
性は、導電性微粉末の像担持体上及びトナー粒子表面へ
の付着し易さ又は保持性にもよる。本発明においては、
現像剤が有する導電性微粉末は、含窒素化合物によって
表面処理を施した形態であることにより、像担持体上に
付着及び保持され易く、さらに転写材に付着、転移して
排出されることが少ないため、像担持体上への導電性微
粉末の供給をより優位に行うことができる。
【0347】本発明において、転写工程は、現像工程に
よって形成されたトナー像を中間転写体に転写した後
に、転写材に再転写する工程であっても良い。すなわ
ち、像担持体からトナー像の転写を直接受ける転写材は
転写ドラム等の中間転写体であってもよい。中間転写体
を用いる場合、中間転写体から紙などの転写材に再度転
写することでトナー画像が得られる。中間転写体を適用
することで厚紙等の種々の記録媒体によらず像担持体上
の転写残トナー量を低減できる。
【0348】また、本発明において、転写時に転写部材
が転写材(記録媒体)を介して像担持体に当接している
ことが好ましい。
【0349】像担持体に転写材を介して転写部材を当接
しながら像担持体上のトナー像を転写材に転写する接触
転写工程では、転写部材の像担持体との長手方向での接
触長1m当たり2.94〜980Nの加重を行って転写
部材を像担持体に当接させることが好ましく、19.6
〜490Nの加重を行うことがより好ましい。
【0350】転写部材の当接圧力が上記範囲よりも小さ
すぎると、転写残トナーが増加し像担持体の帯電性を阻
害し易くなる。当接圧力が上記範囲よりも大きすぎる
と、押圧力により導電性微粉末が転写材に転写され易く
なり、導電性微粉末の像担持体及び接触帯電部材への供
給量が減少し、像担持体の帯電促進効果が低下し易く、
現像兼クリーニングでの転写残トナー粒子の回収性が低
下し易い。また、画像上でのトナーの飛び散りが増加す
ることがある。
【0351】また、接触転写工程における転写手段とし
て、転写ローラーあるいは転写ベルトを有する装置が好
ましく使用される。転写ローラーは少なくとも芯金と芯
金を被覆する導電性弾性層を有し、導電性弾性層はポリ
ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチ
レン(EPDM)の如き弾性材料に、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素のごとき導電性付
与剤を配合分散し、電気抵抗値(体積抵抗率)を106
〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるい
は発泡肉質の層等による弾性体であることが好ましい。
【0352】転写ローラーでの好ましい転写プロセス条
件としては、転写ローラーを像担持体に2.94〜98
0N/mの線圧で(転写ローラーの像担持体との長手方
向での接触長1m当たり2.94〜980Nの加重を行
って)圧接させて転写ニップ部を形成させることが好ま
しく、線圧を19.6〜490N/mに設定することが
より好ましい。当接圧力としての線圧が上記範囲よりも
小さすぎる場合には、転写材の搬送ずれや転写不良の発
生が起こりやすくなるため好ましくない。当接圧力が上
記範囲よりも大きすぎる場合には、像担持体表面の摩耗
やトナー粒子の付着を招き、結果として像担持体表面へ
のトナー融着を生じる傾向がある。
【0353】転写材を介して像担持体に転写手段を当接
させながらトナー画像を転写材に静電転写する接触転写
工程では、印加される直流電圧は±0.2〜±10kV
であることが好ましい。
【0354】また、本発明は、像担持体として周囲長が
100mm以下の小径の感光体(例えば直径が30mm
の小径ドラム感光体)を有する画像形成装置に対し特に
有効に用いられる。転写材としてA4サイズ紙を用いる
場合は、像担持体の周囲長が約210mm以下で、A3
サイズ紙を用いる場合は像担持体の周囲長が約420m
m以下で、1回の画像形成において像担持体上に繰り返
し作像される部分ができるが、像担持体の周囲長が10
0mm以下の場合は、1回の画像形成において像担持体
上に3回以上繰り返し作像される部分ができ、転写残ト
ナー粒子の回収性に優れ、像担持体の帯電均一性に優れ
る本発明の効果がより際立ってみられる。
【0355】また、転写工程後かつ帯電工程前に独立し
たクリーニング工程を有さないことで、帯電、露光、現
像、転写各工程の配置の自由度が高まり、周囲長が10
0mm以下の小径の感光体と組み合わせて、画像形成装
置の小型化、省スペース化を達成できる。ベルト状感光
体を用いる場合には周囲長が100mm以下の感光体ベ
ルトを用いることで、ドラム状感光体を用いる場合には
直径が30mm以下の感光体ドラムを用いることで、各
工程の配置の自由度が高まり、画像形成装置の小型化、
省スペース化を達成でき、本発明の効果をより有効に生
かすことが可能な画像形成装置を得ることができる。
【0356】次に本発明のプロセスカートリッジについ
て説明する。このプロセスカートリッジは、前述した像
担持体と、前述した現像手段とを有し、この現像手段が
前述した現像兼クリーニング工程を実現する現像兼クリ
ーニング手段である構成、及び前述した接触帯電工程を
実現する接触帯電手段をさらに有する構成、の少なくと
もいずれか一方の構成とされている。本発明のプロセス
カートリッジに用いられる現像手段や接触帯電手段につ
いては、前述した画像形成方法における各工程を実現で
きる公知の構成を利用することができ、採用する工程や
現像剤の種類等によって適宜選択することができる。本
発明のプロセスカートリッジにおける実施の形態につい
て、画像形成装置に装着された状態を図示しつつ説明す
る。
【0357】前述した画像形成装置の一態様を図1を参
照して説明する。
【0358】この画像形成装置は、転写式電子写真プロ
セスを利用した現像兼クリーニングプロセス(クリーナ
ーレスシステム)のレーザープリンター(記録装置)で
ある。クリーニングブレードなどのクリーニング部材を
有するクリーニングユニットを除去したプロセスカート
リッジを有し、現像剤としては磁性一成分系現像剤を使
用し、現像剤担持体上の現像剤層と像担持体が非接触と
なるよう配置される、非接触現像の画像形成装置の例で
ある。
【0359】1は像担持体としての、回転ドラム型OP
C感光体であり、時計方向(矢印の方向)に120mm
/secの周速度(プロセススピード)をもって回転駆
動される。2は接触帯電部材としての帯電ローラーであ
る。
【0360】帯電ローラー2は感光体1に対して弾性に
抗して所定の押圧力で圧接させて配設してある。nは感
光体1と帯電ローラー2のニップ部である帯電ニップ部
である。本態様では、帯電ローラー2は、感光体1との
接触面である帯電ニップ部nにおいて対向方向(感光体
表面の移動方向と逆方向)に120mm/secの周速
度(相対移動速度比200%)で回転駆動されている。
即ち接触帯電部材としての帯電ローラー2の表面は感光
体1の表面に対して速度差を有している。また、帯電ロ
ーラー2の表面には、塗布量がおよそ一層で均一になる
ように導電性微粉末が塗布される。
【0361】また帯電ローラー2の芯金には、帯電バイ
アス印加電源から−700Vの直流電圧を帯電バイアス
として印加する。本態様では感光体1の表面は、帯電ロ
ーラー2に対する印加電圧とほぼ等しい電位(−680
V)に直接注入帯電方式によって一様に帯電処理され
る。これについては後述する。
【0362】3はレーザーダイオード及びポリゴンミラ
ー等を含むレーザービームスキャナ(露光器)である。
このレーザービームスキャナは、目的の画像情報の時系
列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレ
ーザー光を出力し、該レーザー光で感光体1の一様帯電
面を走査露光する。この走査露光により回転感光体1に
目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0363】4は現像装置である。感光体1の表面の静
電潜像がこの現像装置によりトナー画像として現像され
る。現像装置4には、用いられる現像剤の種類や採用す
る現像方式に応じて、従来より知られている種々の現像
装置(現像手段)を利用することができる。
【0364】本態様の現像装置4は、現像剤として負帯
電性磁性一成分絶縁現像剤を用いた、非接触型の反転現
像装置である。現像剤にはトナー粒子及び導電性微粉末
が含有されている。
【0365】4aは現像剤担持搬送部材としての、マグ
ネットロール4bを内包させた直径16mmの非磁性現
像スリーブである。この現像スリーブ4aは感光体に対
して320μmの離間距離をあけて対向配設し、感光体
1との対向部である現像部(現像領域部)aにて感光体
1の表面の移動方向と現像スリーブ4aの表面の移動方
向とが順方向になるように感光体1の周速の110%の
周速比で回転させる。
【0366】この現像スリーブ4a上に弾性ブレード4
cによって現像剤が薄層にコートされる。現像剤は弾性
ブレード4cによって現像スリーブ4a上での層厚が規
制されるとともに電荷が付与される。
【0367】現像スリーブ4aにコートされた現像剤
は、現像スリーブ4aが回転することによって、感光体
1と該現像スリーブ4aの対向部である現像部aに搬送
される。
【0368】また、現像スリーブ4aには現像バイアス
印加電源より現像バイアス電圧が印加される。現像バイ
アス電圧は、−420VのDC電圧と、周波数1500
Hz、ピーク間電圧1600V(電界強度5×106
/m)の矩形の交流電圧を重畳したものを用いて、現像
スリーブ4aと感光体1の間で一成分ジャンピング現像
を行わせる。
【0369】5は接触転写手段としての中抵抗の転写ロ
ーラーであり、感光体1に長手方向の接触長1m当たり
98Nの線圧で圧接させて転写ニップ部bを形成してい
る。この転写ニップ部bに図示せぬ給紙部から所定のタ
イミングで記録媒体としての転写材Pが給紙され、かつ
転写ローラー5に転写バイアス印加電源より所定の転写
バイアス電圧が印加されることで、感光体1側のトナー
像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に
転写されていく。
【0370】本様態では、転写ローラー5は抵抗が5×
108Ωcmのものを用い、+2000Vの直流電圧を
印加して転写を行う。即ち、転写ニップ部bに導入され
た転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、そ
の表面側に感光体1の表面に形成担持されているトナー
画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0371】6は熱定着方式等の定着装置である。定着
装置6は、トナーを定着させる熱源であるヒーター6a
と、ヒーター6a及び転写材Pの間に介在する耐熱フィ
ルム6bと、ヒーター6aに向けて付勢されて配置され
ている加圧ローラー6cとを有する。転写ニップ部bに
給紙されて感光体1側のトナー像の転写を受けた転写材
Pは、感光体1の表面から分離されてこの定着装置6に
導入され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリン
ト、コピー)として装置外へ排出される。
【0372】本様態の画像形成装置はクリーニングユニ
ットを除去しており、転写材Pに対するトナー像転写後
の感光体1の表面に残留の転写残りの現像剤(転写残ト
ナー粒子)はクリーナーで除去されることなく、感光体
1の回転に伴い帯電ニップ部nを経由して現像部aに至
り、現像装置4において現像兼クリーニング(回収)さ
れる。
【0373】上記画像形成装置は、感光体1、帯電ロー
ラー2、現像装置4の3つのプロセス機器を一括してプ
リンター本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ
7を有する。このプロセスカートリッジ7は、上記プロ
セス機器が支持部材によって一括して所定の位置に支持
される構成とされており、一方でプリンター本体には上
記支持部材を案内するレール等の案内部材8が設けられ
ている。上記支持部材が案内部材によってプロセス位置
に案内、固定されることにより、プロセスカートリッジ
7がプリンター本体に装着されるように構成されてい
る。なおプロセスカートリッジ化するプロセス機器の組
み合わせ等は上記に限られるものではなく任意である。
【0374】現像装置4の現像剤に混入させた導電性微
粉末は、感光体1側の静電潜像の現像装置4による現像
時に、トナー粒子とともに適当量が感光体1側に移行す
る。
【0375】感光体1上のトナー画像、すなわちトナー
粒子は、転写部bにおいて転写バイアスの影響で記録媒
体である転写材P側に引かれて積極的に転移する。しか
し、感光体1上の導電性微粉末は導電性であるため転写
材P側には積極的には転移せず、感光体1上に実質的に
付着保持されて残留する。
【0376】本発明においては、画像形成装置はクリー
ニング工程を有さないため、転写後の感光体1の表面に
残存した転写残トナー粒子及び導電性微粉末は、感光体
1の回転に伴って感光体1と接触帯電部材である帯電ロ
ーラー2のニップ部である帯電ニップ部nに持ち運ばれ
て、帯電ローラー2に付着或いは混入する。したがっ
て、帯電ニップ部nにこの導電性微粉末が存在した状態
で感光体1の直接注入帯電が行われる。
【0377】この導電性微粉末の存在により、帯電ロー
ラー2にトナー粒子が付着・混入した場合でも、帯電ロ
ーラー2の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持
できるため、該帯電ローラー2による感光体1の直接注
入帯電を行わせることができる。
【0378】つまり、帯電ローラー2が導電性微粉末を
介して密に感光体1に接触し、導電性微粉末が感光体1
表面を隙間なく摺擦する。これにより帯電ローラー2に
よる感光体1の帯電において、放電現象を用いない安定
かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、従来のローラ
ー帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られる。
したがって、帯電ローラー2に印加した電圧とほぼ同等
の電位を感光体1に与えることができる。
【0379】また帯電ローラー2に付着或いは混入した
転写残トナー粒子は、帯電ローラー2から徐々に感光体
1上に吐き出されて感光体1表面の移動に伴って現像部
aに至り、現像装置4において現像兼クリーニング(回
収)される。
【0380】現像兼クリーニングは、転写後に感光体1
上に残留したトナー粒子を、画像形成工程の次回以降の
現像時(現像後、再度帯電工程、露光工程を介した後の
潜像の現像時)において、現像装置のカブリ取りバイア
ス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間
の電位差であるカブリ取り電位差Vback)によって
回収するものである。本態様における画像形成装置のよ
うに反転現像の場合、この現像兼クリーニングは、現像
バイアスによる感光体の暗部電位から現像スリーブにト
ナー粒子を回収する電界と、現像スリーブから感光体の
明部電位へトナー粒子を付着させる(現像する)電界の
作用でなされる。
【0381】また、画像形成装置が稼働されることで、
現像装置4の現像剤に含有された導電性微粉末が現像部
aで感光体1表面に移行し、感光体1表面の移動に伴っ
て転写部bを経て帯電ニップ部nに持ち運ばれることに
よって、帯電部nに新しい導電性微粉末が逐次に供給さ
れ続けるため、帯電部nにおいて導電性微粉末が脱落等
で減少したり、帯電部nの導電性微粉末が劣化するなど
しても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な
帯電性が安定して維持される。
【0382】かくして、接触帯電方式、転写方式、トナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯
電部材として簡易な帯電ローラー2を用いて均一な帯電
性を低印加電圧で与えることができる。しかも帯電ロー
ラー2の転写残トナー粒子により汚染されるにも関わら
ず、オゾンレスの直接注入帯電を長期に渡り安定に維持
させることができ、均一な帯電性を与えることができ
る。よって、オゾン生成物による障害、帯電不良による
障害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を
得ることができる。
【0383】また、前述のように導電性微粉末は帯電性
を損なわないために、抵抗値が1×109Ω・cm以下
であることが好ましい。導電性微粉末の抵抗値が1×1
9Ω・cmよりも大きいと、現像部aにおいて現像剤
が直接感光体1に接触する接触現像装置を用いた場合に
は、現像像剤中の導電性微粉末を通じて、現像バイアス
により感光体1に電荷注入され、画像カブリが発生して
しまう。
【0384】しかし、本実施の形態では現像装置は非接
触型現像装置であるので、現像バイアスが感光体1に注
入されることがなく、良好な画像を得ることができる。
また、現像部aにおいて感光体1への電荷注入が生じな
いため、交流バイアスなど現像スリーブ4aと感光体1
間に高電位差を持たせることが可能である。これにより
導電性微粉末が均等に現像されやすくなるため、均一に
導電性微粉末を感光体1表面に塗布し、帯電部で均一な
接触を行い、良好な帯電性を得ることができ、良好な画
像を得ることが可能となる。
【0385】帯電ローラー2と感光体1との接触面nに
導電性微粉末の潤滑効果(摩擦低減効果)により、帯電
ローラー2と感光体1との間に容易に効果的に速度差を
設けることが可能となる。この潤滑効果により帯電ロー
ラー2と感光ドラム1との摩擦を低減し、駆動トルクが
低減し、帯電ローラー2や感光ドラム1の表面の削れ或
いは傷を防止できる。また、この速度差を設けることに
より、帯電ローラー2と感光体1の相互接触面部(ニッ
プ部)nにおいて導電性微粉末が感光体1に接触する機
会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができる。
よって、良好な直接注入帯電が得られ、良好な画像を安
定して得ることが可能となる。
【0386】本実施の形態では、帯電ローラー2を回転
駆動し、その回転方向は感光体1表面の移動方向とは逆
方向に回転するように構成することで、帯電部nに持ち
運ばれる感光体1上の転写残トナー粒子を、帯電ローラ
ー2に一時的に回収し、帯電部nに介在する転写残トナ
ー粒子の存在量を均す効果を得ている。このため、転写
残トナー粒子の帯電ニップ部での偏在による帯電不良の
発生が防止され、より安定した帯電性が得られる。
【0387】さらに、帯電ローラー2を逆方向に回転す
ることによって、感光体1上の転写残トナー粒子を感光
体1から一旦引き離し帯電を行うことにより、優位に直
接注入帯電を行うことが可能である。また、導電性微粉
末の帯電ローラー2からの脱落を低減する効果が得ら
れ、導電性微粉末の帯電ローラー2からの過度の脱落よ
る像担持体の帯電性の低下を起こさない。
【0388】本発明のプロセスカートリッジにおける別
の態様を図2を参照して説明する。図2に示す画像形成
装置は、転写式電子写真プロセスを利用した現像兼クリ
ーニングプロセスを利用したレーザープリンター(記録
装置)である。クリーニングユニットを有さず、小径ド
ラム状感光体の採用により小型化された、画像形成装置
に対して着脱自在のプロセスカードリッジを有する。現
像剤としては、例えば後述する実施例における現像剤の
ような非磁性一成分系現像剤を使用し、現像剤担持体上
の現像剤層と像担持体が非接触に配置される非接触現像
の例である。
【0389】21は像担持体としての直径24mmの回
転ドラム型のOPC感光体であり、矢印の時計方向に6
0mm/secの周速度(プロセススピードは60〜1
50mm/secの範囲で変速可能としてある)をもっ
て回転駆動される。
【0390】22は接触帯電部材としての導電性ブラシ
ローラー(以下、帯電ブラシと記す)である。帯電ブラ
シ22は、帯電ブラシ22と感光体21との帯電ニップ
部nにおいて、帯電ブラシ22の表面の移動方向と感光
体21の表面の移動方向とが逆方向となるように、感光
体の周速に対して相対周速比150%で回転駆動され
る。また、帯電ニップ部nに導電性微粉末(例えば実施
例中の現像剤7に含有される導電性微粉末B−3)が介
在した状態で、帯電ブラシ22の芯金に帯電バイアス印
加電源より−700Vの直流電圧が帯電バイアスとして
印加され、感光体21の表面を直接注入帯電方式にて一
様に帯電処理する。
【0391】23は潜像形成手段としてのレーザービー
ムスキャナーである。このレーザービームスキャナー
は、目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に
対応して強度変調されたレーザー光を出力し、該レーザ
ー光で感光体21の一様帯電面を走査露光する。この走
査露光により感光体21の面に目的の画像情報に対応し
た静電潜像が形成される。
【0392】24は現像装置である。感光体21の表面
の静電潜像が、この現像装置によりトナー画像として現
像される。
【0393】現像装置24は、現像剤としてトナー粒子
に無機微粉末及び導電性微粉末を外添添加して得られた
現像剤を用いた負帯電性非磁性一成分系絶縁性現像剤を
用いた非接触型の反転現像装置である。
【0394】24aは現像剤担持部材としての、カーボ
ンブラックを分散して抵抗を調整したシリコーンゴムか
らなる直径16mmの中抵抗ゴムローラーからなる現像
ローラーである。この現像剤担持体24aは、感光体2
1に対して300μmの離間距離を設定して配置した。
【0395】この現像剤担持体24aは、感光体21と
の対向部において、感光体21の表面の移動方向と現像
剤担持体24aの表面の移動方向とが順方向になるよう
に、感光体21の回転周速に対し150%の相対周速比
で回転させる。すなわち、現像剤担持体24aの表面に
おける移動速度は90mm/sであり、感光体21表面
に対する相対速度は30mm/sである。
【0396】現像剤担持体24aに現像剤を塗布する手
段として、現像部分に塗布ローラー24bを設け、該現
像剤担持体24aに当接させる。現像剤担持体24aと
塗布ローラー24bとの接触部において、塗布ローラー
24bの表面が移動する方向は、現像剤担持体24aの
表面が移動する方向(回転方向)に対して、カウンター
方向に移動する方向(回転方向は同方向)に回転させる
ことにより、現像剤を現像剤担持体上24aに供給及び
塗布する。
【0397】塗布ローラー24bは、バイアスが印加さ
れている芯金と芯金上に高抵抗層或いは中抵抗層を形成
する構成となっている。塗布ローラー24bにバイアス
を印加する構成により、塗布ローラー24b表面の電位
が制御されることも、現像剤の供給及びはぎ取りを制御
する上で好ましい。また、芯金上に弾性層を有する構成
も可能である。
【0398】更に、該現像剤担持体24a上現像剤のコ
ート層制御のために、現像剤規制部材24cとしてのS
US316をL字形に曲げ加工した非磁性ブレードを現
像剤担持体24aに当接させる。
【0399】現像装置24に収納されている現像剤は、
現像剤塗布ローラー24b及び塗布ブレード24cによ
り、現像剤担持体である現像ローラー24a上に塗布さ
れるとともに電荷を付与される。
【0400】現像ローラー24aにコートされた現像剤
は、現像ローラー24aが回転することにより、感光体
21と現像ローラー24aの対向部である現像部に搬送
される。また、現像ローラー24aには、現像バイアス
印加電源より現像バイアス電圧が印加される。現像バイ
アス電圧としては、−400Vの直流電圧と、周波数2
000Hz、ピーク間電圧1800V(電界強度6.0
×106V/m)の矩形の交流電圧を重畳したものを用
い、現像ローラー24aと感光体21の間で非磁性一成
分ジャンピング現像を行わせる。
【0401】25は接触転写手段としての中抵抗の転写
ローラー(ローラー抵抗値は5×108Ωcm)であ
り、感光体21に98N/mの線圧で圧接させて転写ニ
ップ部を形成させる。この転写ニップ部に記録媒体とし
ての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラー25に転写
バイアス印加電源から+2800VのDC電圧を転写バ
イアスとして印加することで、感光体21側のトナー像
を転写ニップ部に給紙された転写材Pの面に順次に転写
していく。即ち、転写ニップ部に導入された転写材Pは
この転写ニップ部を挟持搬送されて、その表面側に感光
体21の表面に形成担持されているトナー画像を順次に
静電気力と押圧力にて転写していく。
【0402】26は熱定着方式等の定着装置である。面
状発熱体26aから耐熱性無端ベルト26bを介して加
熱されると同時に、加圧ローラー26cによる加圧によ
り加熱加圧定着を行う定着装置の例である。転写ニップ
部に給紙されて感光体21側のトナー像の転写を受けた
転写材Pは、感光体21の表面から分離されてこの定着
装置26に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成
物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0403】上記画像形成装置では、転写材Pに対する
トナー像転写後の感光体21の表面に残留の転写残トナ
ー粒子は、クリーナーで除去されることなく感光体21
の回転に伴い帯電部を経由して現像部に至り、現像装置
24において現像兼クリーニング(回収)される。
【0404】27はプリンター本体に対して着脱自在の
プロセスカートリッジである。本実施の形態に示すプリ
ンターは、感光体21(像担持体)、帯電ブラシ22
(接触帯電部材)、現像装置24の3つのプロセス機器
を一括してプリンター本体に対して着脱自在のプロセス
カートリッジとして構成してある。プロセスカートリッ
ジ化するプロセス機器の組み合わせは、上記に限られる
ものではなく任意である。なお、28はプロセスカート
リッジの着脱案内・保持部材である。
【0405】現像装置24の現像剤が有する導電性微粉
末は、感光体21上の静電潜像の現像装置24による現
像時に、トナー粒子とともに適当量が感光体21側に移
行する。
【0406】感光体21上のトナー画像、すなわちトナ
ー粒子は、転写部bにおいて転写バイアスの影響で記録
媒体である転写材P側に引かれて容易に転移する。しか
し、感光体21上の導電性微粉末は導電性であるため転
写材P側には容易には転移せず、感光体21上に実質的
に付着保持されて残留する。
【0407】本発明においては、画像形成装置はクリー
ニング工程を有さないため、転写後の感光体21の表面
に残存した転写残トナー粒子及び導電性微粉末は、感光
体21の回転に伴って感光体21と接触帯電部材である
帯電ブラシ22とのニップ部である帯電部nに持ち運ば
れて、帯電ブラシ22に付着或いは混入する。したがっ
て、感光体21と帯電ブラシ22とのニップ部nにこの
導電性微粉末が存在した状態で感光体21の帯電が行わ
れる。
【0408】この導電性微粉末の存在により、帯電ブラ
シ22にトナー粒子が付着・混入した場合でも、帯電ブ
ラシ22の感光体21への緻密な接触性或いは接触抵抗
を維持できるため、帯電ブラシ22により感光体21の
高い帯電効率での帯電を行わせることができる。
【0409】帯電ブラシ22が導電性微粉末を介して密
に感光体21に接触し、導電性微粉末が感光体21表面
を隙間なく摺擦する。これにより帯電ブラシ22による
感光体21の帯電が、放電現象を用いない安定かつ安全
な直接注入帯電が可能となり、従来のローラー帯電等で
は得られなかった高い帯電効率が得られる。したがっ
て、帯電ブラシ22に印加した電圧とほぼ同等の電位を
感光体21に与えることができる。
【0410】また帯電ブラシ22に付着或いは混入した
転写残トナー粒子は、帯電ブラシ22から徐々に感光体
21上に吐き出されて感光体21表面の移動に伴って現
像部aに至り、現像装置24において現像兼クリーニン
グ(回収)される。
【0411】現像兼クリーニングは、転写後に感光体2
1上に残留したトナー粒子を、画像形成工程の次回以降
の現像時(現像後、再度帯電工程、露光工程を介した後
の潜像の現像時)において、現像装置のカブリ取りバイ
アス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位
間の電位差であるカブリ取り電位差Vback)によっ
て回収するものである。本実施の形態で示す画像形成装
置のように反転現像の場合、この現像兼クリーニング
は、現像バイアスによる感光体の暗部電位から現像スリ
ーブにトナー粒子を回収する電界と、現像スリーブから
感光体の明部電位へトナー粒子を付着させる(現像す
る)電界の作用でなされる。
【0412】また、画像形成装置が稼働されることで、
現像装置24の現像剤に含有された導電性微粉末が現像
部aで感光体21表面に移行し、感光体21表面の移動
に伴って転写部bを経て帯電部nに持ち運ばれることに
よって、帯電部nに新しい導電性微粉末が逐次に供給さ
れ続けるため、帯電部nにおいて導電性微粉末が脱落等
で減少したり、帯電部nの導電性微粉末が劣化したりし
ても、像担持体の帯電性の低下が生じることが防止され
て良好な帯電性が安定して維持される。
【0413】かくして、接触帯電方式、転写方式、トナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯
電部材として帯電ブラシ22を用いて均一な帯電性を低
印加電圧で与えることができる。しかも帯電ブラシ22
の転写残トナー粒子により汚染されるにも関わらず、オ
ゾンレスの直接注入帯電をも長期に渡り安定に維持させ
ることができ、均一な帯電性を与えることができる。よ
って、オゾン生成物による障害、帯電不良による障害等
のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を得るこ
とができる。
【0414】本実施の形態では現像装置は非接触型現像
装置であるので、現像バイアスにより感光体21に電荷
が注入されることがなく、良好な画像を得ることができ
る。また、現像部aにおいて感光体21への電荷注入が
生じない範囲で、交流バイアスを印加するなどの手段に
より現像スリーブ24aと感光体21間に高電位差を持
たせることが可能である。
【0415】これにより導電性微粉末が均等に現像され
やすくなるため、均一に導電性微粉末を感光体21表面
に塗布し、帯電部で均一な接触を行い、良好な帯電性を
得ることができき、良好な画像を得ることが可能とな
る。
【0416】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるもの
ではない。まず、本発明の実施例に用いる像担持体とし
ての感光体の製造例について述べる。
【0417】<感光体製造例1>負帯電用の有機光導電
性物質を用いた感光体(以下「OPC感光体」と表記す
る)を製造した。感光体の基体には、直径30mmのア
ルミニウム製のシリンダーを用いた。このシリンダー上
に下記の各層を浸漬塗布により順次積層して、図5に示
すような構成の感光体を作製した。
【0418】第1層は導電層12であり、アルミニウム
基体11の欠陥等をならすため、また露光光としてのレ
ーザー光の反射によるモアレの発生を防止するために設
けられている厚さ約20μmの導電性粒子分散樹脂層
(酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散
したものを主体とする)である。
【0419】第2層は正電荷注入防止層13であり、ア
ルミニウム基体11から注入された正電荷が感光体表面
に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果た
し、メトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm
程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0420】第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ
系の顔料をブチラール樹脂に分散した厚さ約0.3μm
の層であり、レーザー露光を受けることによって正負の
電荷対を発生する。
【0421】第4層は電荷輸送層15であり、ポリカー
ボネート樹脂にヒドラゾン化合物を分散した厚さ約25
μmの層であり、P型半導体である。したがって、感光
体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはで
きず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に
輸送することができる。
【0422】第5層は電荷注入層16であり、光硬化性
のアクリル樹脂100質量部に対して、粒径約0.03
μmの導電性酸化スズ超微粒子200質量部、及び粒径
約0.25μmの四フッ化エチレン樹脂粒子100質量
部を分散したものである。調製した塗工液をスプレー塗
工法にて厚さ約4μmに塗工して電荷注入層16とし
た。
【0423】このようにして得られた感光体の最表面層
について、体積抵抗及び水に対する接触角を測定した。
最表面層の体積抵抗は、表面に金を蒸着させたポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルム上に感光体の最
表面層と同様の組成からなる層を作製し、これを体積抵
抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140Bp
AMATER)にて、温度23℃,湿度65%の環境で
100Vの電圧を印加して測定した。また、感光体表面
の水に対する接触角は、純水を用い、装置は協和界面科
学(株)製接触角計CA−DS型を用いて測定した。上
記感光体の最表面層における体積抵抗は8×1012Ω・
cm、感光体表面の水に対する接触角は97度であっ
た。
【0424】<感光体製造例2>感光体製造例1の第5
層(電荷注入層16)を、光硬化性のアクリル樹脂10
0質量部に対して、粒径約0.03μmの導電性酸化ス
ズ超微粒子300質量部を分散したものとし、四フッ化
エチレン樹脂粒子を分散せずに膜厚約2μmに塗工した
こと以外は、感光体製造例1と同様にして感光体を作製
した。このようにして得られた感光体の最表面層におけ
る体積抵抗は7×109Ω・cm、感光体表面の水に対
する接触角は78度であった。
【0425】<感光体製造例3>感光体製造例1の第5
層(電荷注入層16)を設けず、電荷輸送層を最外層と
する4層構成の感光体とすること以外は、感光体製造例
1と同様にして感光体を作製した。得られた感光体の最
表面層の体積抵抗は1×1015Ω・cm、感光体表面の
水に対する接触角は73度であった。
【0426】次に、本発明の実施例に用いる帯電部材の
製造例について述べる。
【0427】<帯電部材の製造例1>直径6mm,長さ
264mmのSUSローラーを芯金とし、芯金上にウレ
タン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化
剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をロー
ラー状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整
えた。このようにして、直径12mm,長さ234mm
の、発泡ウレタンローラーを有する可撓性の帯電ローラ
ーを作製した。
【0428】このようにして作製された帯電ローラーの
導電性弾性層である発泡ウレタンローラー部の抵抗、及
び帯電ローラーのアスカーC硬度を測定した。ローラー
の抵抗は、直径30mmの円筒状アルミドラムにローラ
ーを圧着し、ローラーの芯金に当接圧力としての線圧が
39.2N/m(ローラーの像担持体との長手方向での
接触長1mあたり39.2Nの加重、例えば、長さ23
4mmのローラーに総圧9.2Nの加重)となるように
加重を行った状態で、芯金とアルミドラムとの間に10
0Vの電圧を印加して計測した。上記帯電ローラーは、
発泡ウレタンローラー部の抵抗が105Ω・cmであ
り、アスカーC硬度は30度であった。
【0429】<帯電部材の製造例2>直径6mm,長さ
264mmのSUSローラーを芯金とし、芯金上にEP
DMゴム、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化
剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡EPDM層をロー
ラー状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整
えた。このようにして、直径12mm,長さ234mm
の、発泡EPDMローラーを有する可撓性の帯電ローラ
ーを作製した。得られた帯電ローラーは、発泡EPDM
ローラー部の抵抗が106Ω・cmであり、アスカーC
硬度は45度であった。
【0430】<帯電部材の製造例3>帯電部材の製造例
2において、中抵抗の非発泡のEPDM層をローラー状
に形成した以外は、帯電部材の製造例2と同様にして直
径12mm,長さ234mmのEPDMローラーを有す
る帯電ローラーを作製した。得られた帯電ローラーは、
EPDMローラー部の抵抗が105Ω・cmであり、ア
スカーC硬度は60度であった。
【0431】次に、現像剤に含有されるトナー粒子の製
造例、無機微粉末及び導電性微粉末の例について述べ、
本発明の実施例に用いる現像剤の製造例について述べ
る。
【0432】<無機微粉末A−1>ヘキサメチルジシラ
ザンで処理した後にジメチルシリコーンオイル(粘度1
00cPs、シリカ100質量部に対して20質量部)
で処理された疎水性乾式シリカ微粉体を無機微粉末A−
1とした。この無機微粉末A−1の一次粒子の個数平均
粒径は12nm、BET比表面積は115m2/gであ
った。
【0433】なお無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径
は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写真
と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイクロア
ナライザー(XMA)等の元素分析手段によって無機微
粉末の含有する元素でマッピングされた現像剤の写真と
を対照し、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存在し
ている無機微粉末の一次粒子を100個以上測定し、個
数平均粒径を算出することにより求めた。
【0434】また無機微粉末の比表面積は、BET法に
従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオ
ニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、
BET多点法を用いて算出した。
【0435】<無機微粉末A−2〜A−7>無機微粉末
A−1と同様に材質及び表面処理を変更し、表1に示す
無機微粉末A−2〜A−7を得た。その代表的物性値及
び表面処理を表1に示す。
【0436】
【表1】
【0437】<導電性微粉末B−1の製造例>酸素欠損
型酸化スズ微粉末(一次粒子の個数平均粒径が40nm
であり、一次粒子が凝集した粒子径がD50 1.3μm
の凝集体からなる)をiso−ブチルトリメトキシシラ
ンカップリング剤2質量%で表面処理した。
【0438】表面処理方法としては、加熱型混合機に酸
化亜鉛微粉末99質量部とトルエンで希釈したビニルト
リメトキシシランカップリング剤2質量部とを加え、8
0℃で攪拌混合しながら溶媒を除去した。その後混合を
続けながら120℃で30分間加熱処理を行った。室温
に戻した後に解砕処理を行った。次いで疎水化処理導電
性微粉末100質量部に対して無機微粉末A−1を2質
量部をヘンシェルミキサーを用い混合し、導電性微粉末
表面を無機微粉末で被覆した導電性微粉末B−1を得
た。この導電性微粒子の体積抵抗は、8.0×102Ω
・cmであった。
【0439】この導電性微粉末B−1は、一次粒子の個
数平均粒径が40nmであり、一次粒子が凝集した粒子
径が0.2〜3.5μmの凝集体からなっていた。この
導電性微粉末B−1は白色であり、画像形成装置で画像
露光に多用されるレーザービームスキャナーの露光光波
長740nmにあわせて、波長740nmの光源及びX
−Rite社製310T透過型濃度計を用いて、上記波
長域における透過率を測定したところ、透過率は40%
であった。
【0440】導電性微粉末の抵抗は、底面積2.26c
2の円筒内に約0.5gの粉体試料を入れ、粉体試料
の上下に配置された上下電極間に147N(15kg)
の加重を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を
計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0441】導電性微粉末の粒度分布は、純水10ml
に微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微粉末の試
料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザ
ー)にて10分間分散した後、リキッドモジュールを取
り付けたコールター社製、LS−230型レーザー回折
式粒度分布測定装置を用いて、0.04〜2000μm
を粒子径の測定範囲とし、測定時間90秒,測定回数1
回で測定し、得られる体積基準の粒度分布から10%体
積径D10、50%体積径D50及び90%体積径D90を算
出した。
【0442】また、導電性微粉末は、例えば走査型電子
顕微鏡にて5万倍或いは10万倍で、一次粒子及び凝集
体の状態を観察可能である。
【0443】<導電性微粉末B−2〜B−8の製造例>
導電性微粉末B−1と同様に材質及び表面処理を変更
し、表2に示すB−2〜B−8を得た。その代表的物性
値及び表面処理を表2に示す。
【0444】
【表2】
【0445】<トナーの製造例1>結着樹脂としてスチ
レン−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体(ピー
ク分子量:2.1万、ガラス転移点温度:60℃)10
0質量部、磁性粉としてのマグネタイト(磁場795.
8kA/m下で飽和磁化が85Am2/kg、残留磁化
が8Am2/kg、抗磁力が7kA/m)95質量部、
モノアゾ鉄化合物(負帯電性制御剤)2質量部、及びポ
リエチレンワックス(融点106℃)(離型剤)4質量
部をブレンダーにて混合し、混合物を150℃に加熱し
たエクストルーダーにより溶融混練し、得られた混練物
を冷却した後に、粗粉砕し、機械式微粉砕機を用いて微
粉砕した。さらに、得られた微粉砕品をコアンダ効果を
利用した多分割分級装置で厳密に分級して、体積平均粒
径6.9μmのトナー粒子1を得た。
【0446】トナー粒子の製造例1で得られた磁性トナ
ー粒子1を100質量部に対し、無機微粉末A−1を
1.2質量部及び導電性微粉末B−3を0.8質量部添
加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合してトナー1
(磁性現像剤1)を得た。
【0447】さらに、磁性現像剤1の磁化の強さを振動
型磁力計VSMP−1−10(東英工業社製)を用い
て、25℃,外部磁場79.8kA/mで測定したとこ
ろ、32Am2/kgであった。
【0448】<トナーの製造例2〜9>トナーの製造例
1と同様に表3に示す構成で実施例用トナー2〜7、比
較例用トナー8、9を得た。
【0449】
【表3】
【0450】<実施例1>本実施例では図1に示す画像
形成装置を用いた。
【0451】感光体には感光体製造例1で作製した感光
体を用いた。感光体は141mm/secの周速度(プ
ロセススピード)で回転駆動させた。
【0452】帯電部材には帯電部材製造例1で作製した
帯電ローラーを用いた。この帯電ローラーは帯電ニップ
部nにおいて感光体に対して対向方向(感光体表面の移
動方向と逆方向)に180mm/secの周速度(相対
移動速度比250%)で回転駆動させた。またこの帯電
ローラーの表面には塗布量がおよそ一層で均一になるよ
うに導電性微粉末B−3を塗布した。帯電バイアスは−
700Vの直流電圧とした。
【0453】現像剤には現像剤製造例1で製造した現像
剤1を用いた。現像剤担持体には直径20mmの非磁性
現像スリーブを用い、これを感光体に対して280μm
の離間距離を開けて対向配設し、現像部aにおいて感光
体に対して順方向に、そして感光体周速の110%の周
速で回転させた。なお現像スリーブにコートされた現像
剤量は16g/m2であった。また現像バイアスは−4
20VのDC電圧と、周波数1800Hz,ピーク間電
圧1500V(電界強度5×106V/m)の矩形の交
流電圧とを重畳したものを用いた。
【0454】転写手段には抵抗が5×108Ωcmの転
写ローラーを用いた。転写バイアスは+2000Vの直
流電圧とした。
【0455】本実施例では、トナー1を用いている。
【0456】ここで、トナーカートリッジ内に260g
のトナー1を充填して、高温高湿環境下(30℃,75
%)、2ドットラインの格子パターンからなる4%カバ
レッジの出力パターンを4000枚連続プリントするこ
とにより、耐久性能、感光体の摩耗等を評価した。な
お、転写材としては75g/m2のA4コピー紙を用い
た。この結果、現像性の低下は見られなかった。
【0457】また、初期より4000枚の連続プリント
後まで帯電不良に起因する画像欠陥を生じなかった。
【0458】また、4000枚の連続プリント後の直接
注入帯電後における感光体帯電電位は、印加帯電バイア
ス−700Vに対して−680Vであり、初期からの帯
電電位(−690V)からの帯電電位低下は10Vと軽
微であり、帯電性の低下による画像品質の低下は認めら
れなかった。像担持体として、最表面層の体積抵抗が8
×1012Ω・cmの、感光体製造例1の感光体を用いた
ことにより、4000枚の連続プリント後も十分な帯電
性が得られ、静電潜像を維持することでシャープな輪郭
の文字画像が得られる直接注入帯電を実現できたものと
考えられる。
【0459】4000枚の連続プリント後、帯電ローラ
ー上で感光体とのニップ部nに対応する部分を観察した
ところ、微量の転写残トナーが確認されるものの、ほぼ
白色の導電性微粉末B−1で覆われており、介在量はお
よそ2×105個/mm2であった。導電性微粉末B−1
の抵抗が十分に低く、感光体と帯電ローラーとの帯電ニ
ップ部に導電性微粉末B−1が介在した状態で、良好な
直接注入帯電性が得られた。
【0460】転写効率は初期及び4000枚の連続プリ
ント後も非常に優れていた。転写後の感光体上に転写残
トナー量が少ないことを勘案しても、4000枚の連続
プリント後の帯電ローラー上での転写残トナーが微量で
あったことと、非画像部のカブリが少ないことにより、
現像での転写残トナーの回収性が良好であったことがわ
かる。これは、像担持体の表面の水に対する接触角が9
7度である、感光体製造例1の感光体を用いたことも寄
与していると考えられる。
【0461】さらに、4000枚の連続プリント後の感
光体上には、出力パターンの格子パターンの縦線に対応
して、周方向の摩耗跡(パターン摩耗)は見られず、画
像への影響は無かった。
【0462】感光体の最表層である電荷注入層の摩耗量
は、4000枚の連続プリント後で0.4μmであっ
た。感光体の電荷注入層の摩耗による画像性の変化は認
められなかった。
【0463】以下プリント画像の評価法について述べ
る。
【0464】(a)画像濃度 初期(40〜50枚目)、及び4000枚の連続プリン
トアウトを終了した後、2日放置して再び電源を入れ、
プリントアウトした1枚目、の画像濃度により評価し
た。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス
社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリ
ントアウト画像に対するベタ画像部の相対濃度を測定し
た。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各記号は、
それぞれ以下の評価を意味する。 A:非常に良好で、グラフィックな画像まで高品位に表
現するために十分な画像濃度(1.40以上) B:良好で、ノングラフィックで高品位な画質を得るた
めに十分な画像濃度(1.35以上1.40未満) C:普通で、文字を認識する上では十分として許容され
る画像濃度(1.20以上1.35未満) D:悪い。濃度が薄いとして許容されない画像濃度
(1.20未満)
【0465】(b)画像カブリ 初期及び1万枚の連続プリントアウトを終了した後に、
プリントアウト画像をサンプリングし、プリントアウト
画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カ
ブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。白色
度は「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定
した。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各記号
は、それぞれ以下の評価を意味する。 A:非常に良好で、肉眼では一般に認識されないカブリ
(1.5%未満) B:良好で、注意して見ないと認識できないカブリ
(1.5%以上2.5%未満) C:普通。カブリを認識することは容易であるが、許容
されるカブリ(2.5%以上4.0%未満) D:悪い。画像汚れとして認識され許容できないカブリ
(4.0%以上)
【0466】(c)転写効率 初期及び1万枚の連続プリントアウトを終了した後に、
転写効率の評価を行った。転写効率はベタ黒画像形成時
の感光体上の転写残トナーを、マイラーテープによりテ
ーピングしてはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙
上に貼ったもののマクベス濃度から、マイラーテープの
みを紙上に貼ったもののマクベス濃度を差し引いた数値
で評価した。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各
記号は、それぞれ以下の評価を意味する。 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上0.1未満) C:普通(0.1以上0.2未満) D:悪い(0.2以上)
【0467】(d)像担持体の帯電性 初期及び1万枚の連続プリントアウトを終了した後、現
像器位置にセンサーを配置することにより、一様帯電後
の感光体表面電位を測定し、その差分により像担持体の
帯電性を評価した。評価結果を表4に示す。差分がマイ
ナスに大きくなるほど像担持体の帯電性の低下が大きい
ことを示す。
【0468】(e)パターン回収不良 縦線の同一パターン(4ドット98スペースの縦線繰り
返し)を連続プリントアウト後、ハーフトーン画像(2
ドット3スペースの横線繰り返し)のプリントアウト試
験を行い、ハーフトーン画像上に縦線のパターンに対応
した濃淡が生じるかどうかを目視で評価した。評価結果
を表4に示す。なお、表4中の各記号は、それぞれ以下
の評価を意味する。 A:非常に良好(未発生) B:良好(わずかに濃淡の発生が見られるが、画像への
影響はない) C:普通(濃淡むらを生じるが、実用上許容レベルの範
囲である) D:悪い(濃淡むらが顕著で許容できない)
【0469】(f)感光体表層の摩耗 感光体表層の摩耗量の評価は、初期及び1万枚の連続プ
リントアウトを終了した後の感光体最表層の膜厚を測定
し、その差分から算出した。感光体最表層の膜厚測定
は、干渉膜厚計(大塚電子社製:瞬間マルチ測光システ
ムMCPD−2000)を用い、感光体上の画像形成可
能な領域内で感光体の長手方向に5点、周方向に4点の
計20点の膜厚を測定し、その平均値を感光体表層の膜
厚として算出した。
【0470】感光体表層を電荷注入層とした場合には、
電荷注入層の膜厚が摩耗により薄くなり過ぎると、感光
体への注入帯電を促進する電荷注入層の役割を果たせな
くなり、注入帯電性が大幅に低下する場合がある。この
ため、摩耗による電荷注入層の残膜厚が0.5μm以上
であることが好ましい。電荷注入層の摩耗が不均一であ
る場合には、最も摩耗の激しい部分で電荷注入層の残膜
厚が0.5μm以上であることが好ましいため、平均残
膜厚がより大きいことが好ましい。感光体表層を電荷注
入層等の感光層とする場合は、感光層の摩耗による帯電
特性が大きく変化しないことが必要である。
【0471】また感光体をより長寿命にわたり使用でき
る点で、より感光体表層の摩耗量が少ないことがより優
れているといえる。
【0472】また、感光体表層の周方向のパターン摩耗
に画像上で対応する縦筋状のパターン摩耗跡をハーフト
ーン画像(2ドット3スペースの横線繰り返し)上で以
下の評価基準に基づいて評価を行った。評価結果を表4
に示す。 A:未発生。 B:かすかに発生。画像への影響は極めて軽微である。 C:ある程度発生。実用上許容レベルである。 D:画像汚れが著しく、許容できない。
【0473】<実施例2〜11、比較例1〜2>表4に
示すトナー、感光体、接触帯電部材の組み合わせで、実
施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
【0474】比較例2に関しては、500枚で帯電不良
を生じ、画像評価の許容範囲を超え耐久を中断した。
【0475】
【表4】
【0476】
【発明の効果】結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
るトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なく
とも有する現像剤において、該導電性微粉末がその表面
に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは
固着した状態で有することを特徴とする現像剤を接触帯
電工程及び現像兼クリーニング工程の少なくともいずれ
か一方の工程を含む画像形成方法や、接触帯電手段及び
現像兼クリーニング手段の少なくともいずれか一方の手
段を有するプロセスカートリッジに適用することによ
り、画像形成に際してオゾンなどの放電生成物の生成が
実質的になく、低い印加電圧で均一な帯電が得られる直
接注入帯電機構による簡易で安定した一様帯電を可能と
し、転写残トナーの回収性に優れた良好な現像兼クリー
ニング画像形成を可能とし、像担持体表面の摩耗を低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す概略構成図であ
る。
【図3】空間周波数による人の視覚特性を示すグラフで
ある。
【図4】本発明において用いられる現像剤の帯電量測定
装置の概略を示す模式図である。
【図5】本発明に用いられる像担持体の層構成における
一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、21 感光体 2 帯電ローラー 3、23 レーザービームスキャナ 4、24 現像装置 4a 現像スリーブ 4b マグネットロール 4c 弾性ブレード 5、25 転写ローラー 6、26 定着装置 6a、26a 面状発熱体(ヒーター) 6b、26b 耐熱性無端ベルト(耐熱フィルム) 6c、26c 加圧ローラー 7、27 プロセスカートリッジ 8、28 着脱案内・保持部材(案内部材) 22 帯電ブラシ 24a 現像ローラー 24b 塗布ローラー 24c 非磁性ブレード 81 吸引機 82 測定容器 83 スクリーン 84 フタ 85 真空計 86 風量調節弁 87 吸引口 88 コンデンサー 89 電位計 a 現像部 b 転写ニップ部 n 帯電ニップ部 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/18 G03G 15/00 556 (72)発明者 山崎 克久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 平塚 香織 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉田 雅弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CA12 CA25 CA26 CB07 CB13 DA09 EA01 EA02 EA05 EA07 FA06 2H077 AA37 AC04 AC16 AD06 AD13 AD17 AD23 AD31 AD36 EA12 EA13 EA16 GA01 2H134 GA01 GB02 HF13 KG01 KG03 KG07 KG08 KH06 KH15 2H171 FA02 FA11 FA13 GA18 GA25 JA02 JA04 JA06 JA10 JA23 JA38 JA40 QA02 QA08 QA11 QA16 QB03 QB04 QB07 QB09 QB15 QB33 QC23 TA08 TB02 TB04 TB12 TB13 UA03 UA08 UA10 UA12 UA22 UA27 2H200 FA02 FA07 FA17 FA18 FA20 GA23 GA34 GA46 GA54 GA59 GB37 HA03 HA28 HA29 HB07 HB12 HB17 HB22 HB45 HB46 HB47 HB48 MA02 MA05 MA08 MA14 MA17 MA20 MB01 MB04 MB06 MC01 MC02 MC06 MC15 NA03 NA06 NA09 NA10 PA11

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
    るトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なく
    とも有する現像剤において、 該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の
    小さな微粒子を付着或いは固着した状態で有することを
    特徴とする現像剤。
  2. 【請求項2】 該導電性微粉末がその表面に酸化ケイ
    素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一
    種類の金属酸化物微粒子を被覆してなる導電性微粉末で
    あることを特徴とする請求項1に記載の現像剤。
  3. 【請求項3】 該導電性微粉末は凝集体として存在し、
    かつその平均粒子径が0.1〜4μmであることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の現像剤。
  4. 【請求項4】 該導電性微粉末粒径Daと導電性微粉末
    より粒径の小さな微粒子の粒径Dbが次の関係を満足す
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    現像剤。Da≧10Db
  5. 【請求項5】 該導電性微粉末表面がシランカップリン
    グ剤、チタニウムカップリング剤、アルミニウムカップ
    リング剤、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニ
    ス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シ
    ラン化合物から選ばれる少なくとも一種類の表面処理剤
    で疎水化処理された後、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化
    チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒
    子で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の現像剤。
  6. 【請求項6】 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ
    素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる金属酸化物微
    粒子がシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、
    シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン
    化合物、シランカップリング剤から選ばれる少なくとも
    一種類の疎水化処理剤で疎水化処理されていることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の現像剤。
  7. 【請求項7】 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ
    素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一
    種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン処理
    されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
    に記載の現像剤。
  8. 【請求項8】 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ
    素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一
    種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザンとシ
    リコーンオイルにより疎水化処理されていることを特徴
    とする請求項1乃至7のいずれかに記載の現像剤。
  9. 【請求項9】 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ
    素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一
    種類の金属酸化物微粒子は、導電性微粉末100質量部
    に対して0.1〜5質量部で処理することを特徴とする
    請求項1乃至8のいずれかに記載の現像剤。
  10. 【請求項10】 前記導電性微粉末の含有量が現像剤全
    体の0.1〜5.0質量%であることを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれかに記載の現像剤。
  11. 【請求項11】 前記導電性微粉末は、抵抗が109Ω
    ・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至10の
    いずれかに記載の現像剤。
  12. 【請求項12】 前記導電性微粉末は、抵抗が106Ω
    ・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至10の
    いずれかに記載の現像剤。
  13. 【請求項13】 前記導電性微粉末は非磁性であること
    を特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の現像
    剤。
  14. 【請求項14】 前記導電性微粉末は、酸化亜鉛、酸化
    スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物
    を含有していることを特徴とする請求項1乃至13のい
    ずれかに記載の現像剤。
  15. 【請求項15】 前記無機微粉末は、含有量が現像剤全
    体の0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求
    項1乃至14のいずれかに記載の現像剤。
  16. 【請求項16】 前記無機微粉末は、少なくともシリコ
    ーンオイルで処理されたものであることを特徴とする請
    求項1乃至15のいずれかに記載の現像剤。
  17. 【請求項17】 前記無機微粉末は、少なくともシラン
    化合物で処理されると同時に、又はその後にシリコーン
    オイルで処理されたものであることを特徴とする請求項
    16に記載の現像剤。
  18. 【請求項18】 前記無機微粉末は、シリカ、酸化チタ
    ン及びアルミナから選ばれる少なくとも一種を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の
    現像剤。
  19. 【請求項19】 磁場79.6kA/mにおける磁化の
    強さが10〜40Am2/kgである磁性現像剤である
    ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の
    現像剤。
  20. 【請求項20】 像担持体を帯電させる帯電工程と、該
    帯電工程によって帯電した像担持体の帯電面に画像情報
    を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、該静電潜像
    を現像剤によりトナー画像として可視化する現像工程
    と、前記トナー画像を転写材に転写する転写工程とを含
    み、これら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成
    方法において、 該現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する
    トナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくと
    も有する現像剤であり、 該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の
    小さな微粒子を付着或いは固着した状態で有し、かつ下
    記工程(1)及び(2)の少なくともいずれか一方の工
    程を含むことを特徴とする画像形成方法。 (1)前記帯電工程として、像担持体と像担持体に接触
    する帯電部材との接触部であるニップ部に、少なくとも
    前記導電性微粉末が介在した状態で、前記帯電部材に電
    圧を印加することにより像担持体を帯電させる接触帯電
    工程 (2)前記現像工程として、前記静電潜像を可視化し、
    前記トナー画像を前記転写材に転写した後の前記像担持
    体表面に残留している現像剤を回収する現像兼クリーニ
    ング工程
  21. 【請求項21】 前記接触帯電工程において、前記ニッ
    プ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の
    含有比率が、前記現像剤に含有される前記導電性微粉末
    の含有比率よりも高いことを特徴とする請求項20に記
    載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 前記接触帯電工程において、前記帯電
    部材の表面における移動速度と前記像担持体の表面にお
    ける移動速度との間に相対的速度差を設けることを特徴
    とする請求項20又は21に記載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 前記接触帯電工程において、前記帯電
    部材と前記像担持体とが、それらの対向する表面におい
    て互いに逆方向に移動することを特徴とする請求項20
    乃至22のいずれかに記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 前記接触帯電工程は、少なくとも表層
    が発泡体からなるローラー部材に電圧を印加することに
    より、前記像担持体を帯電させる工程であることを特徴
    とする請求項20乃至23のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  25. 【請求項25】 前記接触帯電工程は、アスカーC硬度
    が25〜50度のローラー部材に電圧を印加することに
    より、前記像担持体を帯電させる工程であることを特徴
    とする請求項20乃至24のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  26. 【請求項26】 前記接触帯電工程は、体積固有抵抗が
    103〜108Ω・cmのローラー部材に電圧を印加する
    ことにより、前記像担持体を帯電させる工程であること
    を特徴とする請求項20乃至25のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  27. 【請求項27】 前記接触帯電工程は、導電性を有する
    ブラシ部材に電圧を印加することにより、前記像担持体
    を帯電させる工程であることを特徴とする請求項20乃
    至26のいずれかに記載の画像形成方法。
  28. 【請求項28】 前記像担持体の最表面層における体積
    抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであることを特
    徴とする請求項20乃至27のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  29. 【請求項29】 前記像担持体の最表面層は、金属酸化
    物導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層であるこ
    とを特徴とする請求項20乃至28のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  30. 【請求項30】 前記像担持体の表面の水に対する接触
    角が85度以上であることを特徴とする請求項20乃至
    29のいずれかに記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 前記像担持体の最表面層は、フッ素系
    樹脂、シリコーン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から
    選ばれる一種以上の材料からなる滑剤微粒子が少なくと
    も分散された層であることを特徴とする請求項20乃至
    30のいずれかに記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 前記現像工程は、前記像担持体に対し
    て100〜1000μmの離間距離で対向して設置さ
    れ、前記現像剤を担持する現像剤担持体から、前記現像
    剤を前記像担持体に転移させることにより静電潜像を現
    像する工程であることを特徴とする請求項20乃至31
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 前記現像工程は、前記像担持体に対し
    て所定の離間距離で対向して設置され、前記現像剤を担
    持する現像剤担持体上に、前記離間距離よりも薄い現像
    剤層を前記現像剤により形成し、前記現像剤層から現像
    剤を電気的に前記像担持体表面に転移させることにより
    静電潜像を現像する工程であることを特徴とする請求項
    20乃至32のいずれかに記載の画像形成方法。
  34. 【請求項34】 前記現像工程は、前記現像剤を担持す
    る現像剤担持体と前記像担持体との間に、少なくともピ
    ークトゥーピークの電界強度が3×106〜10×106
    V/mであり、周波数が100〜5000Hzの交流電
    界を現像バイアスの印加により形成し、前記像担持体の
    静電潜像を前記現像剤によって現像する工程であること
    を特徴とする請求項20乃至33のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  35. 【請求項35】 前記転写工程は、前記転写材を介して
    前記像担持体に当接する転写部材によって、前記現像工
    程によって形成されたトナー画像を前記転写材に転写す
    る工程であることを特徴とする請求項20乃至34のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  36. 【請求項36】 前記現像剤が請求項2乃至19に記載
    の現像剤であることを特徴とする請求項20乃至35の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  37. 【請求項37】 像担持体上に形成された静電潜像を現
    像剤によって可視化し、この可視化されたトナー画像を
    転写材に転写することにより画像を形成するための画像
    形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリ
    ッジにおいて、 静電潜像を担持するための像担持体と、 該像担持体に対向して配置される現像剤担持体及びこの
    現像剤担持体上に薄層の現像剤層を形成する現像剤層規
    制部材を少なくとも有し、該現像剤担持体上の現像剤層
    から該像担持体へ該現像剤を転移させることにより前記
    トナー画像を形成する現像手段とを有し、 該現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する
    トナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくと
    も有し、かつ該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉
    末より粒径の小さな微粒子を付着或いは固着した状態で
    有することを特徴とする現像剤を有するプロセスカート
    リッジであって、下記構成(I)及び(II)の少なく
    ともいずれか一方の構成を備えるプロセスカートリッ
    ジ。 (I)該現像手段として、前記トナー画像を形成し、前
    記トナー画像が前記転写材に転写された後に前記像担持
    体に残留した現像剤を回収する現像兼クリーニング手段
    を前記現像手段として有する構成 (II)該像担持体に接触する帯電部材を有し、像担持
    体と前記帯電部材との接触部であるニップ部に前記導電
    性微粉末が介在した状態で前記帯電部材に電圧を印加す
    ることにより前記像担持体を帯電させる接触帯電手段を
    さらに有する構成
  38. 【請求項38】 前記接触帯電手段において、前記ニッ
    プ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の
    含有比率が、前記現像剤に含有される導電性微粉末の含
    有比率よりも高いことを特徴とする請求項37に記載の
    プロセスカートリッジ。
  39. 【請求項39】 前記接触帯電手段において、前記帯電
    部材の表面における移動速度と前記像担持体の表面にお
    ける移動速度との間に、相対的速度差を設けることを特
    徴とする請求項37又は38に記載のプロセスカートリ
    ッジ。
  40. 【請求項40】 前記接触帯電手段において、前記帯電
    部材と前記像担持体とが、それらが対向する表面におい
    て互いに逆方向に移動することを特徴とする請求項37
    乃至39のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  41. 【請求項41】 前記接触帯電手段において、前記帯電
    部材は少なくとも表層が発泡体からなるローラー部材で
    あることを特徴とする請求項37乃至40のいずれかに
    記載のプロセスカートリッジ。
  42. 【請求項42】 前記接触帯電手段において、前記帯電
    部材はアスカーC硬度が25〜50度のローラー部材で
    あることを特徴とする請求項37乃至41のいずれかに
    記載のプロセスカートリッジ。
  43. 【請求項43】 前記接触帯電手段において、前記帯電
    部材は体積固有抵抗が103〜108Ω・cmのローラー
    部材であることを特徴とする請求項37乃至42のいず
    れかに記載のプロセスカートリッジ。
  44. 【請求項44】 前記接触帯電手段において、前記帯電
    部材は導電性を有するブラシ部材であることを特徴とす
    る請求項37乃至43のいずれかに記載のプロセスカー
    トリッジ。
  45. 【請求項45】 前記像担持体の最表面層における体積
    抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであることを特
    徴とする請求項37乃至44のいずれかに記載のプロセ
    スカートリッジ。
  46. 【請求項46】 前記像担持体の最表面層は、金属酸化
    物導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層であるこ
    とを特徴とする請求項37乃至45のいずれかに記載の
    プロセスカートリッジ。
  47. 【請求項47】 前記像担持体の表面の水に対する接触
    角が85度以上であることを特徴とする請求項37乃至
    46のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  48. 【請求項48】 前記像担持体の最表面層は、フッ素系
    樹脂、シリコーン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から
    選ばれる一種以上の材料からなる滑剤微粒子が少なくと
    も分散された層であることを特徴とする請求項37乃至
    47のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  49. 【請求項49】 前記現像剤担持体が像担持体に対して
    100〜1000μmの離間距離で対向するように設置
    されることを特徴とする請求項37乃至48のいずれか
    に記載のプロセスカートリッジ。
  50. 【請求項50】 前記現像手段は、現像剤担持体上に現
    像剤を5〜30g/m2の密度で担持させた現像剤層を
    形成する現像剤層規制手段を有することを特徴とする請
    求項37乃至49のいずれかに記載のプロセスカートリ
    ッジ。
  51. 【請求項51】 前記現像剤担持体は像担持体に対して
    所定の離間距離で対向するように設置され、前記現像手
    段は、前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤担
    持体上に形成する現像剤層規制手段を有することを特徴
    とする請求項37乃至50のいずれかに記載のプロセス
    カートリッジ。
  52. 【請求項52】 前記現像剤担持体と前記像担持体との
    間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3×
    106〜10×106V/mであり、周波数が100〜5
    000Hzの交流電界が、現像バイアスの印加により形
    成されることを特徴とする請求項37乃至51のいずれ
    かに記載のプロセスカートリッジ。
  53. 【請求項53】 前記現像剤は請求項2〜19のいずれ
    かに記載の現像剤であることを特徴とする請求項37乃
    至52のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  54. 【請求項54】 酸化亜鉛、酸化スズから選ばれる少な
    くとも一種の酸化物を含有している導電性粒子において
    表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或
    いは固着した状態で有することを特徴とする静電荷像現
    像剤用導電性微粉末。
  55. 【請求項55】 表面に酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化
    チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒
    子を被覆してなることを特徴とする請求項54に記載の
    静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  56. 【請求項56】 シランカップリング剤、チタニウムカ
    ップリング剤、アルミニウムカップリング剤、シリコー
    ンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
    ル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物から選ば
    れる表面処理剤で疎水化処理された後、酸化ケイ素、酸
    化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の
    金属酸化物微粒子で被覆されていることを特徴とする請
    求項54又は55に記載の静電荷像現像剤用導電性微粉
    末。
  57. 【請求項57】該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ
    素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一
    種類の金属酸化物微粒子がシリコーンワニス、各種変性
    シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコ
    ーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤から
    選ばれる少なくとも一種類の疎水化処理剤で疎水化処理
    されていることを特徴とする請求項54乃至56のいず
    れかに記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  58. 【請求項58】該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ
    素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一
    種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン処理
    されていることを特徴とする請求項54乃至57のいず
    れかに記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  59. 【請求項59】該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ
    素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一
    種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザンとシ
    リコーンオイルにより疎水化処理されていることを特徴
    とする請求項54乃至58のいずれかに記載の静電荷像
    現像剤用導電性微粉末。
  60. 【請求項60】 該導電性微粉末は、該導電性微粉末1
    00質量部に対して0.1〜5質量部の酸化ケイ素、酸
    化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の
    金属酸化物微粒子により被覆処理されていることを特徴
    とする請求項54乃至59のいずれかに記載の静電荷像
    現像剤用導電性微粉末。
  61. 【請求項61】 該導電性微粉末は、抵抗が109Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項54乃至60の
    いずれかに記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  62. 【請求項62】 該導電性微粉末は、抵抗が106Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項61に記載の静
    電荷像現像剤用導電性微粉末。
  63. 【請求項63】 該導電性微粉末は非磁性であることを
    特徴とする請求項54乃至62のいずれかに記載の静電
    荷像現像剤用導電性微粉末。
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JP2006243166A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Ricoh Printing Systems Ltd 画像形成装置及び感光体ユニット
JP2007199623A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Canon Inc 画像形成装置
JP2012189805A (ja) * 2011-03-10 2012-10-04 Sakata Corp 非磁性静電荷像現像用トナー

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