JP4036911B2 - マルチビーム走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はマルチビーム走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
個別に発光制御される複数の発光源を有する光源装置からの複数の光ビームを同一の偏向手段により偏向させ、同一の走査結像光学系により被走査面に複数の光スポットとして集光させ、上記複数の光スポットにより被走査面を同時走査するマルチビーム走査装置が提案されている(特開昭56−42248号公報)。
【0003】
マルチビーム走査装置において良好な走査を実現するには、同時走査される隣接走査線間の距離、即ち走査線ピッチが精度良く設定される必要がある。走査ピッチに狂いがあると、走査により書き込まれる画像の濃度が副走査方向に周期的に変動する濃度むらを生じ、記録画像の像質を劣化させる。
【0004】
走査線ピッチは、例えば、マルチビーム走査装置を組み込んだ画像形成装置の出荷時に適正なピッチに調整する必要があるし、出荷された後においても、画像形成装置の機械的振動等により経時的に変化する可能性があり、そのように走査線ピッチに狂いを生じた場合には、随時の設定調整が必要となる。
【0005】
また、近来、走査線ピッチを変更することにより、記録密度の切り換えを行なうことも意図されており、このような場合には、記録密度の切り換えに応じて走査線ピッチを精度良く設定しなおす必要がある。
【0006】
走査線ピッチを調整するにせよ設定するにせよ、これを正確に行なうには、走査線ピッチの正確な検出が必要である。走査線ピッチを検出する方法は、例えば、特開平7−72399号公報に記載された方法等、種々の方法が知られているが、精度や能率の面で問題なしとしない。
【0007】
また、走査線ピッチの調整・制御に関しては、特開昭61−245174号公報や、The 9th international congress on advances in non−inpact printinng technologies/Japan hardcopy 793 P222に掲載の論文:Dual beam diode laser scanning system for high speed laser beam printer等に記載された方法が知られているが、精度等に関して種々の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、走査線ピッチ検出手段を持つ新規なマルチビーム走査装置の実現を課題とする。
【0009】
この発明はまた、走査線ピッチ検出手段とピッチ調整手段とを有するマルチビーム走査装置の実現を課題とする。
【0010】
この発明はさらに、走査線ピッチ検出手段とピッチ調整手段とピッチ調整制御手段とを有するマルチビーム走査装置の実現を課題とする。
【0011】
また、この発明は、専用の同期光検出手段を用いること無く同期検知信号を得られるようにすることによりマルチビーム走査装置のコンパクト化を実現することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明のマルチビーム走査装置は「個別に発光制御される複数の発光源を有する光源装置からの複数の光ビームを同一の偏向手段により偏向させ、同一の走査結像光学系により被走査面に複数の光スポットとして集光させ、上記複数の光スポットにより被走査面を同時走査するマルチビーム走査装置であって、上記光源装置から射出される上記光ビームは、進行方向に互いに角度が異なり、上記複数の発光源の一つから射出される光ビームを上記光源装置の光軸とし、上記光ビームの少なくとも一つを上記光軸から主走査方向にずらすことにより、被走査面を同時走査する上記複数の光スポットのうち少なくとも二つの光スポットを主走査方向に互いに離隔させるとともに、上記互いに離隔された光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして、上記偏向手段における同一の偏向反射面で走査された同一走査内で検出する走査線ピッチ検出手段を有し、上記走査線ピッチ検出手段 が、被走査面と等価な検出領域に、長手方向を副走査方向に対応させて設けられた細帯状の第1の光センサと、上記検出領域における走査方向下流側に、上記第1の光センサに対して長手方向を所定角傾けて設けられた細帯状の第2の光センサとを有する、光ビーム検出部と、これら第1および第2の光センサから出力される光ビーム検出信号に基づき、各光スポットが第1および第2の光センサ間の距離を通過する通過時間を検出し、上記第2の光センサの第1の光センサに対する傾き角と、上記検出された通過時間とに基づき、隣合った2つの光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして演算する制御部とを有し、上記光源装置を、上記光軸のまわりに回転させることにより、走査線ピッチを調整するピッチ調整手段を有することを特徴とするマルチビーム走査装置」である。
【0013】
「光源装置」としては、複数の半導体レーザ発光源をモノリシックにアレイ配列させた半導体レーザアレイや、後述する2個の半導体レーザを組み合わせたものを有効に利用できる。
【0014】
「同一の偏向手段」は、光源装置から放射される複数の光ビームを一括して偏向させる。この偏向手段としては、ポリゴンミラーや、回転単面鏡、回転2面鏡を用いるもの等を利用できる。
【0015】
「同一の走査結像光学系」は、一括して偏向された複数の光ビームを被走査面上に複数の光スポットとして集光させる。このような走査結像光学系としては、fθレンズを始め、fθレンズと像面湾曲補正用あるいは面倒れ補正用の長尺レンズ(シリンダレンズやトロイダルレンズあるいは特殊な面形状の特殊トロイダルレンズ等)の組合せとして実現できる。また、光源装置から偏向手段に向かう複数の光ビームを偏向手段の偏向反射面位置に「線像」として結像させ、走査結像光学系をアナモフィックに構成して、偏向反射面位置と被走査面位置とを副走査方向において共役な関係としてもよい。
【0016】
マルチビーム走査装置の光学系には、光学系のレイアウトに応じて、光ビームの光路を屈曲させる「光路屈曲用のミラー」を適宜に配備することができる。
要するに光源装置を除く光学系の構成としては、従来から知られたシングルビーム走査装置の光学系に類似のものを適宜利用できる。なお、被走査面位置には通常、光導電性の感光体の感光面が配備されるので、光スポットは実態的には感光体の感光面を走査することになる。
【0017】
ここで、以下の説明のために「主走査方向」および「副走査方向」の意味に就き説明する。
周知の如く、「主走査方向」は、被走査面上において光スポットが走査を行なう方向であり、副走査方向は光スポットの走査に相対的に感光体の感光面が移動する方向である。この明細書においては、これらの方向をさらに一般化する。
即ち、偏向手段により理想的に偏向された光ビームを考え、この光ビームに直交する任意の平面内で光ビームの移動により走査される方向を、一般的に主走査方向とよび、上記面内で、被走査面上の副走査方向と平行的に対応する方向を一般的に副走査方向と称する。
【0018】
また、光源装置の発光源から偏向手段に至る光路上においても上記主走査方向に対応する方向を「主走査方向」と呼び、上記副走査方向と対応する方向を「副走査方向」と称する。上述の「線像」は主走査方向に長く結像する。
【0019】
請求項1記載のマルチビーム走査装置は「被走査面上において隣接する光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして検出する走査線ピッチ検出手段」を有する。
「走査線ピッチ検出手段」は、光ビーム検出部と、制御部とによって構成することができる。
「光ビーム検出部」は、被走査面と等価な検出領域(走査結像光学系の作用により、被走査面上に於けると同様に複数の光スポットが集光形成される)に、長手方向を副走査方向に対応させて設けられた「細帯状の第1の光センサ」と、検出領域における走査方向下流側に、第1の光センサに対して長手方向を所定角傾けて設けられた「細帯状の第2の光センサ」とを有する。
【0020】
「細帯状の光センサ」は、細幅の長い受光部を有する光センサで、第1の光センサはその長手方向を副走査方向に平行させて配備され、第2の光センサは、その長さ方向を副走査方向から傾けることにより、第1の光センサと所定の角をなすようにする。光センサとしては、他にCCDリニアセンサを用いることも可能である。
【0021】
「制御部」は、第1および第2の光センサから出力される光ビーム検出信号に基づき、各光スポットが第1および第2の光センサ間の距離を通過する通過時間を検出し、第2の光センサの第1の光センサに対する傾き角と、上記検出された通過時間とに基づき、隣合った2つの光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして演算する。
【0022】
上記制御部は、より具体的には、基準クロック発生回路と、遅延クロック発生回路と、ビーム間隔計測回路と、信号位相検出回路と、副走査ピッチ演算回路とを有することができる(請求項2)。
【0023】
「基準クロック発生回路」は、基準クロックを発生する。基準クロックは計時の基準となるクロックである。
「遅延クロック発生回路」は、基準クロックに対して所定の微少時間ずつ遅延した1連の遅延クロック(基準クロックと同周波数である)を発生させる。
「ビーム間隔計測回路」は、各光スポットが光ビーム検出部の第1および第2の光センサにより発生する光ビーム検出信号に基づき、各光スポットが第1および第2の光センサ間の距離を通過する通過時間間隔を上記基準クロックを基準として計測する。
【0024】
「位置信号位相検出回路」は、各光スポットによる光ビーム検出信号と同位相の遅延クロックを検出する。
「副走査ピッチ演算回路」は、光ビーム検出信号と同位相の遅延クロックと基準クロックとの位相のずれを時間差として演算し、演算された各時間差により光スポットごとの通過時間間隔を補正して、各光スポットごとの通過時間を得、この通過時間と、第2の光センサの第1の光センサに対する傾き角とにより、隣合った2つの光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして演算する。
【0025】
請求項2記載のマルチビーム走査装置において、複数の遅延クロック中で「第1の光センサからの光ビーム検出信号と同位相の遅延クロック」を選択して、各光スポットに対する書込みクロック信号とすることができる(請求項3)。この書込みクロック信号を用いることにより、各光ビームによる書き出し位置を正確に調整することができる。
【0026】
上記請求項1または2または3に記載されたマルチビーム走査装置は、光源装置を光軸に平行な軸のまわりに回転させることにより、走査線ピッチを調整する「ピッチ調整手段」を有することができる。
【0027】
請求項4記載のマルチビーム走査装置は、上記請求項1記載のマルチビーム走査装置において、走査線ピッチ検出手段が、受光手段と、演算手段を有する。
「受光手段」は、被走査面の近傍(走査を妨げない程度の近傍)に配備されるが、「主走査方向の受光面幅が副走査方向にリニアに変化」する。
「演算手段」は、各光ビームが受光手段の受光面を主走査方向に通過する通過時間を検出し、光スポットの走査速度と、検出された通過時間と、受光面の形状とに応じて走査線ピッチを演算する。
【0028】
請求項4記載のマルチビーム走査装置における演算手段は、より具体的には、前処理回路と、カウンタ手段と、ラッチ手段と、遅延回路と、ビットコンパレータ手段とを有することができる(請求項5)。
「前処理回路」は、受光手段の出力を増幅し、2値化する。
「カウンタ手段」は、前処理回路により前処理されたデジタル信号を、所定のクロック信号により計数する。
「ラッチ手段」は、カウンタ手段が計数した各光スポットの通過時間をラッチする。
「遅延回路」は、前処理回路の出力を入力され、その立ち下がり時間を基準とした所定の遅延時間で、ラッチ手段へのカウンタ手段の出力をラッチするトリガ信号とカウンタ手段をクリアするクリア信号とを発する。
「ビットコンパレータ手段」は、ラッチ手段の出力に基づき、隣接する光スポットの通過時間の差を演算する。
【0029】
請求項6記載のマルチビーム走査装置は、請求項1記載のマルチビーム走査装置において、走査線ピッチ検出手段が、以下の如き遮光部材と、受光手段と、演算手段を有することを特徴とする。
「受光手段」は遮光部材と受光素子とを有し、被走査面の近傍に配備される。
【0030】
「遮光部材」は、互いに非平行に主走査方向に併設された第1および第2のスリットを有する。
【0031】
「受光素子」は、遮光部材の第1および第2のスリットを通過した光ビームを受光する。
「演算手段」は、各光ビームが第1および第2のスリットの間を主走査方向に通過する通過時間を検出し、光スポットの走査速度と、検出された通過時間と、遮光部材における第1および第2のスリットの態位とに応じて、走査線ピッチを演算する。
【0032】
請求項6記載のマルチビーム走査装置における演算手段は、前処理回路と、カウンタ手段と、ラッチ手段と、遅延回路と、ビットコンパレータ手段とを有することができる。
「前処理手段」は、受光手段の出力を増幅したのち微分し、微分信号の0交叉点を検出する。
【0033】
上記カウンタ手段、ラッチ手段、遅延回路、ビットコンパレータ手段は請求項5記載のマルチビーム走査装置におけると同様のものであり、前処理回路により前処理されたデジタル信号に対し、請求項5記載のものと同様の処理を行なう。
請求項8記載のマルチビーム走査装置は、請求項1記載のマルチビーム走査装置において、走査線ピッチ検出手段が、以下の如き受光手段と演算手段とを有する点を特徴とする。
【0034】
「受光手段」は、被走査面の近傍に配備され、分割ラインが互いに非平行になるように主走査方向に併設された第1および第2の2分割光センサにより構成される。「2分割光センサ」は、細帯状の受光面が長手方向の分割線により縦割りに2分割されたものであり、分割された各受光部(細長い形状である)から独立して出力信号が発せられる。
【0035】
「演算手段」は、各光ビームが第1および第2の2分割光センサの間を主走査方向に通過する通過時間を検出し、光スポットの走査速度と、検出された通過時間と、第1および第2の2分割光センサの分割ラインの態位とに応じて、走査線ピッチを演算する。
【0036】
この場合の「演算手段」は、以下の如き前処理回路と、カウンタ手段と、ラッチ手段と、遅延回路と、ビットコンパレータ手段とを有することができる(請求項9)。
「前処理回路」は、受光手段における各2分割光センサの各受光部からの出力の差を増幅し、増幅された出力差の0交叉点を検出し、各2分割光センサに対応する0交差点の信号に対しイクスクルーシブオア論理処理を行なう。
【0037】
カウンタ手段、ラッチ手段、遅延回路、ビットコンパレータ手段は請求項5記載のマルチビーム走査装置におけると同様のものであり、前処理回路により前処理されたデジタル信号に対し請求項5記載のものと同様の処理を行なう。
【0038】
請求項10記載のマルチビーム走査装置は以下の如き特徴を有する。即ち、請求項1記載のマルチビーム走査装置において、光源装置からは「偏光状態が互いに異なる2本の光ビーム」が放射される。そして、走査線ピッチ検出手段は、光ビーム分離手段と、2つの受光手段と、演算手段とを有する。
「光ビーム分離手段」は、上記2本の光ビームを、偏光状態に従って互いに分離する。
「2つの受光手段」は、分離された各ビームを受光する。
「演算手段」は、各受光手段の出力に基づき走査線ピッチを演算する。
【0039】
上記2つの受光手段は、請求項4または6または8記載の受光手段であり、演算手段は、請求項4または6または8記載の演算手段に、上記2つの受光手段の出力を時間的に前後して入力するように構成されたものである。
【0040】
上記請求項4〜10の任意の1に記載のマルチビーム走査装置において、受光手段の受光信号により同期検知信号を得るようにでき(請求項11)、請求項4〜11の任意の1に記載のマルチビーム走査装置は「光源装置を光軸に平行な軸のまわりに回転させることにより、走査線ピッチを調整するピッチ調整手段」を有することができる。
【0041】
請求項12記載のマルチビーム走査装置は、請求項1記載のマルチビーム走査装置において、走査線ピッチ検出手段が、以下の如き、リニアセンサと重心位置演算手段とを有する。
「リニアセンサ」は、長手方向を副走査方向に対応させて検出領域に設けられる。
「重心位置演算手段」は、リニアセンサの出力に基づき、リニアセンサが受光した光スポットの重心位置を演算する。
【0042】
そして、重心位置演算手段で演算された重心位置のデータが、走査線ピッチ検出のための「光スポット位置データ」とされる。
請求項12記載のマルチビーム走査装置は、走査線ピッチ調整のために光源装置を光軸の周りに回転調整可能とし、光スポット位置データに基づき走査線ピッチを算出するピッチ算出部を有することが出来る(請求項26)。
【0043】
請求項13記載のマルチビーム走査装置は、走査線ピッチ検出手段と、ピッチ調整手段と、ピッチ調整制御手段とを有する。
「走査線ピッチ検出手段」は、被走査面上において隣接する光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして検出する。
「ピッチ調整手段」は、走査線ピッチを、光源装置の光軸まわりの回転により調整する。
「ピッチ調整制御手段」は、走査線ピッチ検出手段による検出結果に基づきピッチ調整手段を制御して所望の走査線ピッチを実現する。
走査線ピッチ検出手段としては、上に説明した種々のものを用いることができる。
【0044】
請求項13記載のマルチビーム走査装置における「走査線ピッチ検出手段」として、請求項12記載のものを用い、ピッチ調整制御手段が「光源装置の各発光源を時系列に順次発光させて、各ビームごとに光スポット位置検出を走査線ピッチ検出手段により検出し、検出された位置データに基づき、走査線ピッチを算出する機能」を有するように構成することができる(請求項14)。
【0045】
上記請求項13または14記載のマルチビーム走査装置において、ピッチ調整制御手段は「検出される走査線ピッチと光源装置の回転角度との換算式に基づき、光源装置の回転角度量を決定するピッチ・回転角度変換手段」を有することができる(請求項15)。
【0046】
請求項13または14または15記載のマルチビーム走査装置において、偏向手段として「ポリゴンミラーを用いるもの」を用いる場合には、ピッチ調整制御手段が「光源装置の各発光源を時系列に順次発光させて得られる各光ビームの偏向を、同一の偏向反射面で行なわせるタイミング制御手段」を有するようにすることができる(請求項16)。
【0047】
上記請求項14記載のマルチビーム走査装置においては、ピッチ調整制御手段が、主走査ピッチ算出手段と、回転角度量算出手段を有することができる(請求項17)。
「主走査ピッチ算出手段」は、ピッチ検出手段のリニアセンサを各光スポットが通過するときの出力間隔から「主走査ピッチ」を算出する。
「回転角度量算出手段」は、算出された主走査ピッチと、ピッチ検出手段により検出された走査線ピッチとに基づき、光源装置の回転角度量を算出する。
【0048】
上記請求項12または14または15または16または17記載のマルチビーム走査装置において、走査線ピッチ検出手段のリニアセンサの出力信号により同期検知信号を得るようにできる(請求項18)。
【0049】
請求項19記載のマルチビーム走査装置は、請求項1記載のマルチビーム走査装置において、走査線ピッチ検出手段が、ビーム位置検出手段と、位置検出用結像光学素子とを有する。
「ビーム位置検出手段」は、走査領域外に配備され、偏向された各光ビームの副走査方向の位置を検出する手段であり、リニアセンサや位置センサを利用できる。
「位置検出用結像光学素子」は、複数の光ビームをビーム位置検出手段に結像させる光学素子であり、その副走査方向における結像倍率が、被走査面に対する走査結像光学系の副走査方向の結像倍率よりも大きく設定されている。
【0050】
この場合、偏向された複数の光ビームを被走査面上に集光させる同一の走査結像光学系の主走査方向の所定の側の端部近傍に、他の部分に比して正のパワーの小さい部分を設け、この部分を通過した各光ビームがビーム位置検出手段に結像するように「位置検出用結像光学系を上記走査結像光学系の一部として構成」することができる(請求項20)。
【0051】
あるいはまた、請求項19記載のマルチビーム走査装置において、偏向された複数の光ビームを被走査面上に集光させる同一の走査結像光学系を、複数枚のレンズを有するように構成し、これら複数枚のレンズの一部のレンズであって「偏向手段側にあるもの」の副走査方向のパワーが、走査結像光学系全体としての副走査方向の正のパワーよりも弱くなるようにすることにより、上記一部のレンズを位置検出用結像光学系となし、この位置検出用結像光学系を通過した各光ビームを、走査結像光学系における残りのレンズを透過させることなくビーム位置検出手段に導いて結像させるようにしても良い(請求項21)。
この場合において、走査結像光学系がfθレンズと、面倒れ補正用の長尺レンズとを有するようにし、「fθレンズを位置検出用結像光学系とする」ことができる(請求項22)。
【0052】
請求項19〜22の任意の1に記載のマルチビーム走査装置は、光源装置回転機構と、駆動手段と、演算手段と、回転制御手段とを有することができる(請求項23)。
「光源装置回転機構」は、光源装置を光軸のまわりに回転させる。
「駆動手段」は、光源装置回転機構を回転駆動する。
「演算手段」は、ビーム位置検出手段の出力に基づき、走査線ピッチを算出する。
「回転制御手段」は、演算手段の算出結果に基づき駆動手段を制御する。
【0053】
これら請求項1〜23の任意の1に記載のマルチビーム走査装置において、光源装置が「第1および第2の半導体レーザと、第1および第2のコリメートレンズと、第1および第2のアパーチュアと、一方の半導体レーザからの光ビームの偏光面を90度旋回させる1/2波長板と、上記第1および第2の半導体レーザからの光ビームを、両光ビームの偏光状態を利用して合成するビーム合成プリズムとを有し、第1または第2の半導体レーザを、対応するコリメートレンズの光軸から微少距離ずらすことにより、2つの光ビームの射出方向を互いに微小角異ならせる」ように構成することができる(請求項24)。
【0054】
また、上記請求項19〜24記載のマルチビーム走査装置において、ビーム位置検出手段の出力信号により同期検知信号を得るようにすることができる(請求項25)。
【0055】
請求項3、請求項11、請求項18、請求項25記載の発明のように、走査線ピッチ検出手段を利用して光スポットによる書き出し位置を揃える場合には、光ビーム検出部や受光手段、ビーム位置検出手段等を、走査領域の書き出し側に配備して、走査領域へ向かう光ビームを検出する必要があるが、走査線ピッチ検出のみを目的とするのであれば、走査終了後のビームを検出して走査線ピッチ検出を行なってもよい。
【0056】
【発明の実施の形態】
図1において、個別に発光制御される複数の発光源を有する光源装置1からの複数の光ビームは、「同一の偏向手段」を構成するポリゴンミラー3(ポリゴンミラー3を駆動するモータは図示を省略されている。以下の図においても同様である)により偏向され、「同一の走査結像光学系」をなすアナモフィックなfθレンズ4により光導電性の感光体5の感光面上に複数の光スポットとして集光され、実体的な被走査面をなす感光体周面を同時走査する。
【0057】
図1において、符号2は副走査方向にのみ正のパワーを持つシリンダレンズを示す。光源装置1からの複数の光ビームはシリンダレンズ2により、それぞれ副走査方向へのみ集光され、偏向手段3の偏向反射面の近傍に主走査方向に長い線像として結像される。
fθレンズ4は上記偏向反射面と被走査面との間を副走査方向に関して共役な関係とする(それ故アナモフィックである)。従って、図1のマルチビーム走査装置はポリゴンミラー3における「面倒れ」を補正する機能を持つ。
【0058】
光源装置1から放射される複数の光ビームはそれぞれ平行ビームとしてもよく、弱い発散性もしくは弱い収束性の光ビームとしてもよい。以下では説明の具体性のため、光源装置1から放射される光ビームは平行光束であるとし、放射される光ビーム数は2本であるとする。光源装置1の具体的な構成の例は後述するが、さしあたっては2個の半導体レーザを発光源として有し、これら発光源からの光をコリメートして合成する機能を持ち、光源装置の光軸まわりの回転により走査線ピッチを調整・変更できるものであるとする。
【0059】
図1において、符号8は偏向された光ビームの光路を被走査面側へ屈曲させる光路屈曲用のミラーを示し、符号9は、マルチビーム走査光学系を収納するハウジング(図示されず)から、光ビームを感光体5側へ射出させるための窓を密閉するカバーガラスを示している。
【0060】
ポリゴンミラー3により一括偏向された2本の光ビームは、fθレンズ4に入射し、走査領域の走査に先立ち、ミラー61に反射され、「光ビーム検出部」をなす光ビーム検出装置6に入射する。
光ビーム検出装置6は図3に示すように、2つの光センサPD1,PD2および増幅器AMP1,AMP2を有する。光センサPD1,PD2は、図に示されたように「細帯状の受光部」を持つ。
第1の光センサPD1は、受光部の長手方向を副走査方向(図の上下方向)に対応させて配備され、第2の光センサPD2は受光部の長手方向を第1の光センサPD1に対して所定角傾けて設けられる。
第1の光センサPD1と第2の光センサPD2とは「被走査面と等価な検出領域」に受光面が位置するように配備され、光センサPD2の配備位置は光センサPD1の「走査方向下流側(図3の右方)」である。検出領域は被走査面と等価であるので、2本の光ビームは被走査面に集光するのと同様に検出領域に集光してそれぞれ光スポットを形成する。
【0061】
図4に示すように、2つの光スポットSP1,SP2は主走査方向へ移動しつつ第1および第2の光センサPD1,PD2を横切る。これに伴い、図3に示すように、光センサPD1,PD2からの出力は増幅器AMP1,AMP2でそれぞれ増幅されて「光ビーム検出信号」となる。
【0062】
図1において、光ビーム検出装置6から発せられる各光ビーム検出信号は制御部7に入力される。制御部7は、図2に示すように、基準クロック発生回路71と、遅延クロック発生回路72と、ビーム間隔計測回路74,75と、位置信号位相検出回路73と、副走査ピッチ演算回路76とを有する。
【0063】
基準クロック発生回路71は、書き込むべき記録データの送出タイミングの基準となる基準クロックを発生する。この基準クロックの周期は走査線ピッチ検出における計時の時間単位となる。
遅延クロック発生回路72は、基準クロック発生回路71で発生された基準クロックの入力を受け、基準クロックに対して所定の微少時間(基準クロックの周期の1/n)ずつ遅延した1連の遅延クロックを発生させる。
【0064】
図5に、上記基準クロックと遅延クロックCKd0,...CKd4,..CKd7,CKd8,CKd9,CKdn−1を示す。これら遅延クロックは、位置信号位相検出回路73に向けて出力される。各遅延クロックは基準クロックと同周期である。
位置信号位相検出回路73には光ビーム検出装置6の各光センサからの光ビーム検出信号が入力され、位置信号位相検出回路73は入力される2系列の光ビーム検出信号(光センサPD1,PD2からの出力)と同位相の遅延クロックを検出し、検出された遅延クロックを副走査ピッチ演算回路76に向けて出力する。
因みに図5に示す例では、光センサPD1からの光ビーム検出信号の立ち上がりタイミングと同位相の遅延クロックとして遅延クロックCKd4が検出され、光センサPD2からの光ビーム検出信号の立ち上がりタイミングと同位相の遅延クロックとして遅延クロックCKd9が検出されている。以下の説明は図5に示す場合に準拠して行なう。
【0065】
光ビーム検出装置6からの各光ビーム検出信号はそれぞれビーム間隔計測回路74,75に入力される。ビーム間隔計測回路74,75には基準クロック発生回路71からの基準クロックが入力される。
ビーム間隔計測回路74は光センサPD1からの光ビーム検出信号に基づき、2つの光スポットSP1,SP2が順次に光センサPD1を通過するのに要する「通過時間間隔(図5:TC1)」を基準クロックに基づいて計測する。同様に、ビーム間隔計測回路75は光センサPD2からの光ビーム検出信号に基づき、2つの光スポットSP1,SP2が順次に光センサPD2を通過する「通過時間間隔(図5:TC2)」を基準クロックに基づいて計測する。これら計測された通過時間間隔:TC1,TC2は副走査ピッチ演算回路76に入力される。
【0066】
副走査ピッチ演算回路76は位置信号位相検出回路73から入力される2種の遅延クロックCKd4,CKd9と基準クロックとの位相のずれによる時間差:Td11,Td12,Td21,Td22を演算し、演算された各時間差:Td11等により、光スポットごとの通過時間間隔:TC1,TC2を補正し、各光スポットごとの通過時間:TPD1,TPD2を演算により得、通過時間:TPD1,TPD2と、第2の光センサPD2の第1の光センサPD1に対する傾き角:θ(図4)と、光スポットSP1,SP2の走査速度:Vとにより、2つの光スポットSP1,SP2の副走査方向の間隔を走査線ピッチとして演算する。
【0067】
図4を参照すると、第2の光センサPD2の第1の光センサPD1に対する傾き角:θは、光センサPD1,PD2の中心線が互いに交叉する交叉角である。
上記各中心線と光スポットSP1,SP2の中心軌跡との交点を図の如くA1,A2,B1,B2とすると、時間差:TPD2−TPD1(=THとする)に走査速度:V(2本の光ビームは一括偏向されるから、光ビームSP1,SP2に共通である)を乗じたものは「A2〜B2の距離−A1〜B1の距離」に等しい。
【0068】
光スポットSP1の受光面の長さ方向は副走査方向に設定されているから、走査線ピッチをPVとすると関係「PV=TH・V・tanθ」が成立つ。
また、図5から明らかなように、
PD2=TC2+Td21−Td22、TPD1=TC1+Td11−Td12
であるから、上記関係は
PV={(TC2+Td21−Td22)−(TC1+Td11−Td12)}・V・tanθ
と書くことができる。ここで、上記走査線ピッチ:PVをPV=TV・Vと書くと、TVは、走査線ピッチ:PVを走査速度:Vを単位として時間に換算したものであり、このTVを用いると、上記関係は、
TV={(TC2+Td21−Td22)−(TC1+Td11−Td12)}・tanθ
と書くことができる。
【0069】
そこで時間:TVを上記式の右辺により演算すると、走査線ピッチ:PVは上記の如く演算された時間:TVと、基準クロックの周波数:f(Hz)、記録密度:D(dpi)を用いて、演算:PV=(24.5)・f・TV/Dにより算出することができる(上記演算における因子:(24.5)・f/Dは走査速度:Vを与える)。この演算は、前述の如く副走査ピッチ演算回路76により行なわれる。
【0070】
さて、説明中の実施の形態においては、図2に示すように、制御部7は書込クロック選択回路78を有する。書込クロック選択回路78は、複数の遅延クロックから「第1の光センサPD1からの光ビーム検出信号と同位相の遅延クロック(図5における遅延クロックCKd4,CKd9)」を選択して各光スポットに対する書込みクロック信号とする(請求項3)。このようにして、各光スポットの書込み開始のタイミングを互いに揃えることが可能になる。
【0071】
制御部7はまた、ピッチ間隔制御部77を有する。即ち、光源装置1は、これを光軸を中心として回転させることができるようになっている。被走査面上における2つの光スポットSP1,SP2間の距離が所定の大きさとなるように光源装置1が設定されている。
そこで、光スポットSP1を形成するための光源(半導体レーザ)が光軸上にあるものとすると、光源装置1を光軸のまわりに回転させることにより、図6に示すように、被走査面上の光スポットSP2の位置を「光スポットSP1を中心として回転」させることができる。従って、光スポットSP1,SP2を結ぶ方向が主走査方向となす角:η,ηを調整することにより、走査線ピッチ:PVを調整することができる。図6に示されたのは、上記角:η,ηに応じて走査線ピッチ:PVがピッチ1,ピッチ2に設定される状態を示している。
【0072】
光源装置1の上記回転は「図示されない光源装置回転機構」で行なわれ、この光源装置回転機構と、図2のピッチ間隔制御部77とが「光源装置を、光軸に平行な軸のまわりに回転させることにより、走査線ピッチを調整するピッチ調整手段」を構成している(請求項1)。
【0073】
ピッチ調整に当っては、先ず、前述の如くして走査線ピッチ:PVを検出し、調整すべき走査線ピッチと検出されたピッチ:PVとの差に応じて、光源装置1の回転角を定めて光源装置1の回転を行なえば良い。光源装置を回転させる光源装置回転機構の具体的な例に就いては後述する。
【0074】
上には、光源装置として発光源が2つの場合を説明したが、光源装置はこれに限らず、半導体レーザアレイ等のように3以上の発光源を持つものでもこの発明を実施できる。例えば、発光源が3つ以上ある場合、それら発光部の内で隣合う2つの発光部による2つの光スポットに就いて、上記の如くして走査線ピッチを検出すれば、他の発光源も同じピッチで設けられているから、全ての光スポットに就き、走査線ピッチを調整することが可能である。
【0075】
上に説明した実施の形態では、位相のずれ:Td11,Td12,Td21,Td22を副走査ピッチ演算回路76で演算したが、位置信号位相検出回路73で演算するようにしてもよい。
【0076】
図7は、請求項4記載のマルチビーム走査装置の実施の形態を要部のみ示している。
光源装置1Aから放射される複数の光ビームは、同一の偏向手段であるポリゴンミラー3により一括して偏向され、同一の走査結像光学系であるfθレンズ4Aを透過して、光路屈曲用のミラー8を介して被走査面5A上に入射し、fθレンズ4Aの作用により複数の光スポットとして被走査面5A上に集光される。
【0077】
被走査面5Aの位置には図示されない感光体が配備され、光スポットが実体的には感光体を走査することは図1の実施の形態と同様である。複数の光ビームは画像信号に応じて変調され、画像信号に従う静電潜像を書き込む。
【0078】
被走査面5Aの近傍に受光手段6Aが配備されている。
受光手段6Aはフォトダイオード等の受光素子で、図8に示すように三角形状の受光面61を有する。受光面61は、その底辺を主走査方向(図の左右方向)と平行にし、上記底辺から頂点Aに向かう方向が副走査方向となるように「被走査面と等価な位置(光スポットが集光する位置)」に配備されている。このような受光面形状により、受光面6Aの「主走査方向の受光面幅」は副走査方向にリニアに変化することになる。
【0079】
受光面形状としては上記三角形状の他「底辺と上辺とが主走査方向に平行な台形形状」としてもよい。受光手段における「主走査方向の受光面幅を副走査方向にリニアに変化させる」ためには、図8に示す例のように、受光素子の受光面自体を三角形もしくは台形形状に形成しても良いが、図9に示す例のように、例えば長方形形状の受光面61Aを有する受光素子6Bの受光面に、台形形状(三角形状でもよい)の開口部63Aを有する遮光部材63を設けることによって実現してもよい。
【0080】
実施の形態として、一括して偏向される光ビームが3本であり、これら光ビームが、図8に示すように、主・副走査方向に分離した3つの光スポットSP1,SP2,SP3のように集光して同時の走査を行なう場合を説明する。
【0081】
三角形状の受光面61の頂点Aで交わる2辺が副走査方向(図の上下方向)となす角を図の如くθ1,θ2とし、頂点Aから計って光スポットSP1,SP2,SP3が受光面61を横切る高さを、それぞれy,y,y、光スポットSP1,SP2,SP3が受光面61を横切る距離をそれぞれ、x,x,xとすると、これらの間に以下の関係が成り立つ。
【0082】
=x/(tanθ+tanθ
=x/(tanθ+tanθ
=x/(tanθ+tanθ) 。
【0083】
図8に示すように、光スポットSP1とSP2の副走査方向の間隔(走査線ピッチ)をPV1、光スポットSP2,SP3の副走査方向の間隔をPV2とすると、これらは以下のように与えられる。
PV1=y−y=(x−x)/(tanθ+tanθ
PV2=y−y=(x−x)/(tanθ+tanθ) 。
【0084】
一括して偏向される複数の光ビームの偏向速度は同一であり、これらは同一の走査光学系であるfθレンズ4Aにより集光されるから、光スポットSP1,SP2,SP3は同一の走査速度:vbを有する。
光スポットSP1,SP2,SP3が受光手段6Aの受光面を走査すると、受光手段6Aから、図10に示すように、互いに異なる時間:t1,t2,t3の受光パルス(周知の処理で2値化されている)が発せられる。時間:t1は光スポットSP1が受光面61を横切る「通過時間」であり、時間:t2,t3はそれぞれ光スポットSP2,SP3が受光面61を横切る「通過時間」である。
【0085】
走査速度:vbを用いると、図8の受光面幅:x,x,xは、x=t1・vb,x=t2・vb,x=t3・vbであるから、走査線ピッチ:PV1,PV2は上記通過時間:t1,t2,t3を用いて以下のように表される。
PV1=(t1−t2)・vb/(tanθ+tanθ) (6A)
PV2=(t2−t3)・vb/(tanθ+tanθ) (6B)。
【0086】
走査速度:vbは、走査結像光学系(fθレンズ4A)の焦点距離(走査結像光学系がアナモフィックであるときは主走査方向の焦点距離):F(mm)、ポリゴンミラー3による偏向光ビームの最大ふれ角(4π/偏向反射面数):θPL、被走査面5Aに位置する感光体の感光面の移動速度(副走査方向):v(m/s)、記録密度:RD(dpi)、一括偏向される光ビームの数:nbを用いて、一般に、
vb(m/s)=F・θPL・v・RD/nb/24.5 (6C)
で与えられる。F,θPL,v,RD,nbはマルチビーム走査装置の設計条件として定まるから、結局、上記通過時間:t1,t2,t3が検出されれば、走査線ピッチ:PV1,PV2を上記式(6A),(6B),(6C)によって演算算出できることになる。この演算は「演算手段」により行なわれる。図7に示す実施の形態においては演算部7Aが演算手段である。
【0087】
図11は演算部7Aの要部を示すブロック図である。
受光手段6Aからの出力は増幅器110により増幅されたのち2値化回路120によりデジタル信号に変換されて出力信号Vsとなる。増幅器110と2値化回路120は「前処理回路」を構成する(請求項5)。
【0088】
デジタル化された出力信号Vsはデジタルカウンタ130のイネーブル入力端子131に入力されるとともに遅延回路140に入力される一方、同期検知信号として用いられ(請求項11)、位相同期回路1000を経て「書込クロック信号」となる。
【0089】
デジタルカウンタ130のクロック入力端子132にはクロック信号CKが入力される。デジタルカウンタ130とクロック信号CKを発生するクロック発生器(図示されず)は「カウンタ手段」を構成する。
【0090】
出力信号Vsはデジタルカウンタ130をイネーブルにし、デジタルカウンタ130はクロック信号CKのパルスを計数してカウント信号CTを出力する。遅延回路140はデジタルカウンタ130の出力をラッチするトリガ信号TR1,TR2,TR3と、デジタルカウンタ130をクリアするクリア信号CRを発生する。トリガ信号TR1,TR2,TR3とクリア信号CRは、信号Vsの立ち下がりを基準に発生される。
【0091】
カウント信号CTは「カウンタ手段が計数した各光スポットの通過時間をラッチするラッチ手段」を構成するラッチ回路151,152,153に、それぞれトリガ信号TR1,TR2,TR3の各立ち上がりによりラッチされ、ラッチ出力:D1,D2,D3は「ビットコンパレータ手段」を構成するビットコンパレータ161,162に入力される。
【0092】
以下、図12に示すタイミングチャートに基づいて説明する。受光手段6Aは光スポットSP1,SP2,SP3を順次に受光して受光信号を発し、これが前述の前処理回路(増幅器110と2値化回路120)により前処理されると、図12の一番上に示す出力信号Vとなる。出力信号Vは「光スポットSP1,SP2,SP3が受光手段6Aの受光部を通過する通過時間」である受光時間:t1,t2,t3を「信号持続時間」として有する。
【0093】
2値化回路120から最初に出力される出力信号Vs(信号継続時間:t1)は、光スポットSP1の受光信号を前処理した信号で、光スポットSP1による書込みの同期検知信号として用いられる。
【0094】
デジタルカウンタ130は、受光信号の信号継続時間:t1をクロック信号を単位としてカウントする(図12のカウント数:Nc1)。デジタルカウンタ130の出力であるカウント信号CTは、ラッチ回路151,152,153に入力する。
【0095】
遅延回路14は、信号継続時間:t1の出力信号Vsが立ち下がると、その立ち下がりから遅延時間:td1後にトリガ信号TR1を発生し、さらに遅延時間:Td2だけ遅れてクリア信号CRを発生する。トリガ信号TR1は、その立ち上がりでラッチ回路151をラッチする。これにより上記受光時間:t1に応じたカウント値:Nc1がラッチ回路151にラッチされる。クリア信号CRはデジタルカウンタ130をクリアする。
【0096】
続いて、光スポットSP2の受光信号に応じて信号継続時間:t2を持つ出力信号Vs(光スポットによる書込みの同期検知信号として用いられる)に対して上記と同様の処理が行なわれるが、このときデジタルカウンタ130のカウント信号CTはトリガ信号TR2の立ち上がりによりラッチ回路152にラッチされる。その後、デジタルカウンタ130はクリアされ、光スポットSP3の受光時間に応じた信号継続時間:T3を持つ出力信号Vs(光スポットSP3による書込みの同期検知信号として用いられる)のカウントとラッチが同様に行なわれる。このときカウント信号CTは、トリガ信号TR3の立ち上がりによりラッチ回路153にラッチされる。デジタルカウンタ130はその後クリア信号CRによりクリアされる。
【0097】
かくて、ラッチ回路151,152,153には受光時間:t1,t2,t3をクロック信号CKによりカウントしたカウント値:Nc1,Nc2,Nc3がラッチされ、各ラッチ回路はラッチしたカウント値に応じたラッチ出力信号:D1,D2,D3を出力する。
ラッチ回路151〜153は「カウンタ手段が計数した各光スポットの通過時間をラッチするラッチ手段」を構成する。
【0098】
ラッチ出力:D1,D2はビットコンパレータ161に入力し、ラッチ出力:D2,D3はビットコンパレータ162に入力する。
ビットコンパレータ161はラッチ出力:D1,D2の差:D1−D2を出力し、ビットコンパレータ162はラッチ出力:D2,D3の差:D2−D3を出力する。「D1−D2」は光スポットSP1,SP2が受光手段6Aの受光面を横切った通過時間:t1,t2の差に相当し、「D2−D3」は光スポットSP2,SP3が受光手段6Aの受光面を横切った通過時間:t2,t3の差に当るから、ビットコンパレータ手段の出力を用い、前述の(6A)〜(6C)式による演算(図示されない演算機構:コンピュータ等により行なう)により走査線ピッチ:PV1,PV2を算出することにより走査線ピッチの検出が可能である。
【0099】
図13は、請求項6記載のマルチビーム走査装置の実施に用いる「受光部」を説明するための図である。受光手段6Cは、矩形形状の受光面を有する受光素子6B1と、その受光面を覆うように設けられ「非平行に主走査方向に併設された第1,第2のスリットSL1,SL2」を有する遮光部材64とにより構成され、被走査面近傍(例えば、図7における受光手段6Aの位置)に配備される。
【0100】
スリットSL1,SL2が副走査方向となす角:θ,θ、距離:x〜x,y〜yを図8に倣って図13のように定めれば、走査線ピッチ:PV1,PV2は前記と同様、次のように表される。
PV1=y−y=(x−x)/(tanθ+tanθ
PV2=y−y=(x−x)/(tanθ+tanθ) 。
【0101】
一括して走査される光ビームに共通の走査速度:vb(前述の(6C)式で与えられる)を用いれば、PV1,PV2は以下の式で与えられる。
【0102】
PV1=(t1−t2)・vb/(tanθ+tanθ) (6A’)
PV2=(t1−t2)・vb/(tanθ+tanθ) (6B’)。
【0103】
ここに、時間:t1,t2,t3はそれぞれ、光スポットSP1,SP2,SP3がスリットSL1,SL2間を通過する通過時間である。即ち、光スポットSP1,SP2,SP3が、受光手段6C上を通過すると、各光スポットがスリットSL1,SL2を通過するとき、受光素子6B1は図14に示すごときパルス(適宜の方法で2値化されている)を出力する。これらパルスの図に示す時間間隔が上記通過時間:t1〜t3である。
【0104】
演算式(6A’),(6B’)の演算に必要な通過時間の時間差:t1−t2,t2−t3を得るには演算手段として図15に示す如き回路を用いて行なう。図16は図15の回路の動作に対応するタイミングチャートである。
【0105】
図13に示す如き受光手段6Cを光スポットSP1,SP2,SP3が順次に走査するとき、受光手段6Cからの出力は図15に示す増幅器110により増幅されたのち、微分回路210により微分され、さらに0交叉検出回路220で0交叉点が検出されてデジタル化された信号になる。
【0106】
即ち、図16に示すように、増幅回路110により増幅された信号SG1は微分回路210により微分されて信号SG2になる。信号SG2の0交叉(各光スポットがスリットの中央部分に位置する時刻)検出により、3連のデジタル信号Vs(出力信号)が得られる。3つの出力信号Vsは順次に時間:t1,t2,t3を信号継続時間(各光スポットがスリットSL1,SL2間を通過する通過時間)として有する。図15に示す増幅回路110、微分回路210、0交叉検出回路220は「前処理回路」を構成する。
【0107】
前処理回路により処理された出力信号Vsを処理する部分、即ち、デジタルカウンタ130および図示されないクロック発生器(カウンタ手段を構成)、遅延回路140、ラッチ回路151,152,153(ラッチ手段を構成)、ビットコンパレータ161,162(ビットコンパレータ手段を構成)により要部を構成される部分は、先に図11に即して説明した例と全く同様であり、その働きも図11の場合と全く同様である(図16参照)。出力信号Vsは、図11におけると同様にして書込クロック信号となる。
【0108】
即ち、0交叉検出回路220から順次得られる「信号継続時間:t1,t2,t3」を持つ信号Vsは、デジタルカウンタ130によりクロック信号でカウントされ、ラッチ回路151,152,153にラッチされ、ラッチ出力D1〜D3に基づき、ビットコンパレータ手段により時間差:t1−t2,t2−t3に対応する出力:D1−D2,D2−D3が得られる。
【0109】
従って、ビットコンパレータ手段の出力を用いて(6A’),(6B’)式および(6C)式による演算(図示されない演算機構:コンピュータ等)により走査線ピッチ:PV1,PV2を算出することにより走査線ピッチの検出が可能である。
【0110】
なお、図13に示す受光手段6Cに代えて、スリットSL1,SL2と等価なライン状の受光部を持つ図3に示した如き光センサを用いる受光手段を用いても上記と同様の結果が得られることは自明であろう。
【0111】
図17は請求項8記載のマルチビーム走査装置の走査線ピッチ検出手段に用いる受光手段を説明するための図である。
受光手段6Dは、第1の2分割光センサ91と第2の2分割光センサ92とを有する。 2分割光センサ91,92は同一構造のもので「細帯状の受光面が分割ラインにより長手方向に縦割り」されて2分割され、2分割された各受光部から受光信号が発生するようになっており、各分割ラインが「互いに非平行」になるように主走査方向に併設されて被走査面の近傍に配備される。
【0112】
2分割光センサ91,92の各分割線が副走査方向(図の上下方向)となす角:θ,θ、距離:x〜x,y〜yを、図8に倣って図17のように定めれば、走査線ピッチ:PV1,PV2は前記と同様、次のように表される。
PV1=y−y=(x−x)/(tanθ+tanθ
PV2=y−y=(x−x)/(tanθ+tanθ) 。
【0113】
一括して走査される光ビームに共通の走査速度:vb(前述の(6C)式で与えられる)を用いれば、PV1,PV2は以下の式で与えられる。
【0114】
PV1=(t1−t2)・vb/(tanθ+tanθ) (6A’’)
PV2=(t1−t2)・vb/(tanθ+tanθ) (6B’’)。
【0115】
ここに、時間:t1,t2,t3はそれぞれ、光スポットSP1,SP2,SP3が2分割光センサ91,92間を通過する通過時間、換言すれば、光スポットSP1が距離:xを、光スポットSP2が距離:xを、光スポットSP3が距離:xを通過する通過時間である。
光スポットSP1,SP2,SP3が受光手段6Dの領域を通過すると、2分割光センサ91,92は図18に示すごときパルス(適宜の方法で2値化されている)を出力する。これらのパルスの図に示す時間間隔が上記通過時間:t1〜t3である。
【0116】
演算式(6A’’),(6B’’)の演算に必要な通過時間の時間差:t1−t2,t2−t3を得るには、演算手段として図19に示す如き回路を用いて行なう。図20は図19の回路の動作に対応するタイミングチャートである。
【0117】
図17に示す如き受光手段6Dを光スポットSP1,SP2,SP3が順次に走査するとき、2分割光センサ91,92の各受光部からの出力は差動増幅器311,312により出力差が増幅されて信号SG3,SG4となる。
【0118】
増幅された出力差である信号SG3,SG4は、0交叉検出回路321,322によりそれぞれ0交叉点を検出されて信号SG5,SG6となる。上記0交叉が起きるとき、光スポットは2分割光センサの分割線上にその中心がある。信号SG5,SG6は、信号SG3,SG4に従ってレベルが順次切り替わる2値信号である。
【0119】
2値化されたデジタルの信号SG5,SG6は、イクスクルーシブオア回路330により「イクスクルーシブオア論理処理」されて出力信号Vsとなる。図20に見られるように、出力信号Vsは3連で、それぞれ信号継続時間:t1,t2,t3を有する。差動増幅器311,312、0交叉検出回路321,322、イクスクルーシブオア回路330は「前処理回路」を構成する。
【0120】
前処理回路により処理された信号Vsを処理する部分、即ち、要部をデジタルカウンタ130および図示されないクロック発生器(カウンタ手段を構成)、遅延回路140、ラッチ回路151,152,153(ラッチ手段を構成)、ビットコンパレータ161,162(ビットコンパレータ手段を構成)により構成される部分は、先に図11に即して説明した例と全く同様であり、その働きも図11の場合と同様である(図20参照)。出力信号Vsは、図11におけると同様にして書込クロック信号となる。
【0121】
即ち、信号継続時間:t1,t2,t3を持つ信号Vsは、デジタルカウンタ13によりクロック信号でカウントされ、ラッチ回路151,152,153にラッチされ、そのラッチ出力D1〜D3に基づき、ビットコンパレータ手段により、時間差:t1−t2,t2−t3に対応する出力:D1−D2,D2−D3が得られる。従ってビットコンパレータ手段の出力を用い、(6A’’),(6B’’)式および(6C)式による演算(図示されない演算機構:コンピュータ等)により走査線ピッチ:PV1,PV2を算出することにより、走査線ピッチの検出が可能である。
【0122】
上に説明した2分割光センサを用いる実施の形態では、2分割光センサの使用により、光スポットの大きさや光強度のばらつき・変動による受光信号への影響を軽減させて、精度の良い走査線ピッチ検出が可能である。
【0123】
これまで説明してきた実施の各形態において「検出された走査線ピッチ」は、走査線ピッチの初期調整に利用でき、走査線ピッチ調整手段と共に用いることにより、走査線ピッチの自動切り換え設定や自動調整に供することができる。
【0124】
これまで説明してきた実施の形態においては、受光手段を走査する複数の光スポットSP1,SP2等は互いに主走査方向に十分に分離しており、従って、受光手段により各光スポットを独立して検出することができた。
【0125】
複数の光スポットの主走査方向における分離が小さい場合(複数の光スポットを連ねた線が副走査方向となす角が小さい場合)には、受光手段を同時に2以上の光スポットが走査するようになると、上に説明した実施の各形態においては各光スポットが受光手段を通過する通過時間を精度良く得ることが難しくなる。
【0126】
このような場合、上記の実施の形態を利用して精度の良い走査線ピッチ検出を行なうには、光ビーム検出部や受光手段を複数の光スポットで同時に走査せず、一度に一つの光スポットによる走査を行なって当該光スポットの位置を検出するプロセスを繰返し、各光スポットの位置から走査線ピッチを得るようにすれば良い。この場合、偏向手段がポリゴンミラーを用いるものである場合には、各光スポットを形成する異なる光ビームが同一の偏向反射面で偏向されるように偏向のタイミングを調整すれば、ポリゴンミラーの面倒れが走査線ピッチ検出に影響するのを防ぐことができる。
【0127】
請求項10記載のマルチビーム走査装置は、光源装置から放射される光ビームが2本である場合に、上記のような場合にも、各光スポットを同時且つ独立に検出して走査線ピッチを検出することができる。以下請求項10記載の発明の実施の形態を説明する。
【0128】
マルチビーム走査装置における光学的な配置は図7におけるのと同様である。
図21は光源装置の光源部1A1を略示している。発光源である2つの半導体レーザ11,12からの光束は、それぞれコリメートレンズ13,14により実質的な平行光束にされ、偏光ビームスプリッタ16に向かう。半導体レーザ11,12から放射された光束は偏光ビームスプリッタ16に対してS偏光であり、半導体レーザ11から放射された光束は1/2波長板15により偏光面を90度旋回されて偏向ビームスプリッタ16に対してP偏光になる。
【0129】
従って、半導体レーザ11からの光は偏光ビームスプリッタ16を略100%透過し、半導体レーザ12からの光は偏光ビームスプリッタ16により略100%反射されて互いに合流し、さらに1/4波長板17を透過することにより、互いに旋回方向が逆向きの異なる円偏光とされる。半導体レーザ11,12から放射された各光ビームBM1,BM2は円偏光となることにより、同一の偏向手段や同一の走査結像光学系における反射率・透過率に差がなくなり、光スポットに光量差が生じにくくなる。
【0130】
図22は受光部6Eの形態を示している。同一の偏向手段により偏向された複数の光ビームBM1,BM2は上記の如く「円偏光の旋回方向が互いに逆」であるから、偏光状態が互いに異なる2本の光ビームであり、1/4波長板21により偏光方向が互いに直交する2光束に戻され、偏光ビームスプリッタ22に入射する。光ビームBM1は偏光ビームスプリッタ22を透過すると受光手段23に入射し、光ビームBM2は偏光ビームスプリッタ22に反射されて受光手段24に入射する。即ち、1/4波長板21と偏光ビームスプリッタ22とは「2本の光ビームBM1,BM2を偏光状態に従って互いに分離する光ビーム分離手段」を構成する。
図23(a),(b)に、光源部1A1と受光部6Eにおける光ビームBM1,BM2の偏光状態を説明図として示している。光源部1A1における1/4波長板15(図21)と、受光部6Eにおける1/4波長板21(図22)とは省略することもできる。また、偏光ビームスプリッタ16,22に代えて、ウォラストンプリズム、トムソンプリズム等の偏光素子の使用が可能である。
【0131】
2つの受光手段23,24は、図18に示すように三角形状の受光面を有し、頂点A,Aに対する辺を主走査方向に平行にして配備される。頂点A,Aに対する頂角は一般的にθ+θとするが図24においてはθ=0である。
【0132】
距離:y,y,x,xを図の如くに定め、頂点A,Aの副走査方向のずれをΔyとする。vbは光スポットSP1,SP2に共通の走査速度である。
【0133】
頂点A,Aに副走査方向のずれが無く、Δy=0の場合であると、受光素子23,24の出力:Vs1,Vs2の信号継続時間:t1,t2を用いて、走査線ピッチ:PVは一般に、
PV=(t2−t1)・vb/(tanθ+tanθ
で算出される。但し、説明中の例では前述のようにθ=0である。
【0134】
上記ずれ:Δyが0でない場合には、走査線ピッチ:PVは、演算:
PV=(t2−t1)・vb/(tanθ+tanθ)+Δy
で算出しなければならない。Δyは以下のように特定できる。即ち、光源装置および受光部に配備されている1/4波長板の一方を仮に取りはすすと光スポットSP1,SP2は、2つの受光手段23,24をいずれも走査するようになるから、発光源の半導レーザの一方のみを点灯して、光スポットSP1のみにより受光手段24を走査して、その時の受光信号Vs1’の信号継続時間:t1’を測定する。
すると、このとき、Δyは、Δt=t1’−t1として、
Δy=Δt・vb/(tanθ+tanθ
となる。従って、このΔyを用いて走査線ピッチ:PVを知ることができる。
【0135】
受光手段23,24の出力信号Vs1,Vs2の立上り部は、光スポットSP1,SP2よる書込み用の同期検知信号として利用できるが、受光手段32,24は別体であるので、これらは光スポットSP1,SP2との関係で主走査方向に互いに等価な位置になければならない。即ち、仮に光スポットSP1が受光手段23,24を共に走査すると考えた場合、光スポットSP1は、受光手段23,24を同時に走査しなければならない。この走査にずれがあると光スポットSP1,SP2による書込み開始位置にずれを生じてしまう。
【0136】
これを避けるには、前記一方の1/4波長板を外した状態で光スポットSP1により受光手段23,24を同時走査し、受光手段23,24の出力信号Vs1,Vs2の立ち上がりの時間差:δtを測定し、この時間差を補正するような回路を同期検知回路に組み込んでおけば良い。このようにして、主走査方向のスポット間隔が小さい場合にも、走査線ピッチ:PVを正確に検出可能であり、光ビーム毎に独立に正確な同期検知信号を得ることができる。
【0137】
また、上記の如くして検出された「走査線ピッチ」は走査線ピッチの初期調整に利用でき、またピッチ調整手段と共に用いることにより走査線ピッチの「自動切り換え設定や自動調整」に供することができる。
図7〜図24に即して説明した上記発明の形態は、図1に示す如き光学系配置の場合にも勿論、適用可能である。
【0138】
図25は請求項12〜18記載のマルチビーム走査装置の実施の形態を説明するための図である。繁雑を避けるため、混同の虞れがないと思われるものに就いては図1,21におけると同じ符号を用いた。
【0139】
図25において、個別に発光制御される複数の発光源を有する光源装置1Bからの複数の光ビームはシリンダレンズ2により副走査方向に収束され、「同一の偏向手段」を構成する正6角柱形状のポリゴンミラー3の偏向反射面3Aの近傍に主走査方向に長い潜像として結像する。偏向反射面3Aによる反射ビームは、図示されないモータにより駆動されるポリゴンミラー3により偏向される。
【0140】
ポリゴンミラー3により一括して偏向された複数の光ビームは「同一の走査結像光学系」をなすアナモフィックなfθレンズ4Aと(補正用の)長尺トロイダルレンズ4Cとにより、光導電性の感光体5の感光面上に複数の光スポットとして集光され、実体的な被走査面をなす感光体周面を同時走査する。符号8は図1に於けると同様、光路屈曲用のミラーを示す。
【0141】
走査結像光学系はポリゴンミラー3の偏向反射面3Aによる偏向の起点と被走査面位置とを副走査方向に関して共役な関係としており、従って図25のマルチビーム走査装置はポリゴンミラー3の面倒れを補正する機能を持つ。
【0142】
ポリゴンミラー3により一括偏向された複数の光ビームは、走査領域の走査に先立ち、ミラー8により反射され同期検知センサ10に入射して同期検知信号を発生させる。光源装置1Bから放射される複数の光ビームは、それぞれ平行光束としてもよいし、弱い発散性もしくは弱い収束性の光束としてもよいが、説明中の実施の形態において、光源装置1Bからは2本の光ビームがそれぞれ平行ビームとして放射される。
【0143】
即ち、図25において光源装置1Bは発光源として2個の半導体レーザ11,12を有する。半導体レーザ11,12を半導体レーザ制御部37で点灯させると、光源装置1Bからは、進行方向が互いに微小角異なる2つの光ビームBM1,BM2が放射される。
【0144】
以下、光源装置1Bを詳細に説明する。
図26に示すように、光源装置1Bは、第1,第2の半導体レーザ11,12と、第1,第2のコリメートレンズ13,14と、第1,第2のアパーチュアAP1,AP2と、半導体レーザ12からの光ビームの偏光面を90度旋回させる1/2波長板15と、第1,第2の半導体レーザ11,12からの光ビームを、射出方向が互いに微小角:αだけ異なる2つの近接した光ビームに合成するビーム合成プリズム170とを有する(請求項24)。
【0145】
半導体レーザ11,12は、そのp−n接合面を図26における軸X,Xに直交するように配備される。図26に示す形態においては軸X,Xは同一面内にあり、従って、半導体レーザ11,12の発光部は共に同一面内にある。
【0146】
半導体レーザ11から放射された光ビームはコリメートレンズ14で平行ビーム化されたのち、光スポット形状成形用のアパーチュアAP1により光束周辺部を遮断され、合成プリズム170における偏光ビームスプリッタ膜171を透過して光ビームBM1となって合成プリズム170から射出する。
【0147】
半導体レーザ12から放射された光ビームは、コリメートレンズ13で平行ビーム化されたのちアパーチュアAP2により光束周辺部を遮断され、1/2波長板15により偏光面を90度旋回されてビーム合成プリズム170に入射し、同プリズム170の斜面172で内部反射し、偏光ビームスプリッタ膜171により反射され、光ビームBM2となって合成プリズム170から射出する。
【0148】
図26の形態において、半導体レーザ11の発光部はコリメートレンズ13の光軸上にあり、従って、光ビームBM1は主光線をコリメートレンズ13の光軸に合致させて射出される。これに対し、半導体レーザ12は、コリメートレンズ14の光軸に対し、図26における軸Xの方向へ微少距離「ずらされ」ており、このためビーム合成プリズム170から射出する光ビームBM2は、上記軸Xとコリメートレンズ12の光軸とで形成される平面内において、光ビームBM1に対して微小角:α(半導体レーザ12の、コリメートレンズ14の光軸からのずれ量により調整可能である)だけ傾いている(請求項24)。
【0149】
従って、図26におけるX軸,X軸を主走査方向に設定すれば、図25に即して説明した光学系により、被走査面上に「互いに主走査方向にずれた2つの光スポット」を得ることができ、この状態から光源装置1をシリンダレンズ13の光軸の回りに回転させると、図27に示すように、光スポットSP1(光ビームBM1による光スポット)と光スポットSP2(光ビームBM2による光スポット)とを互いに副走査方向(図の上下方向)に分離することができ、上記回転の角を調整することにより走査線ピッチ:PVを可変調整できる。即ち、図26の光源装置1Bでは、コリメートレンズ13の光軸が「光源装置の光軸」であり、光源装置1Bの光軸まわりの回転により走査線ピッチの調整が可能な訳である。
【0150】
勿論、半導体レーザ12をコリメートレンズ14の光軸に合致させ、半導体レーザ11のコリメートレンズ13の光軸からずらすことにより、光ビームBM2の主光線が光源装置1Bの光軸に合致するようにしてもよい。
【0151】
図28は「光源装置1Bの具体的な構造」と、光源装置1Bを光軸まわりに回転調整する「光源装置回転機構」と、これを回転駆動する「駆動手段」とを説明するための図である。符号23Aで示す基板は嵌合孔23a,23bを有し、嵌合孔23aには鏡筒に保持されたコリメートレンズ13が、嵌合孔23bには鏡筒に保持されたコリメートレンズ14がそれぞれ嵌合保持される。
アパーチュアAP1,AP2の開口部は同一の遮光板240に穿設され、遮光板240のアパーチュアAP2側の位置に形成された凹みには1/2波長板15が嵌め込まれる。
【0152】
フランジ部材25は合成プリズム170を光ビーム入射側で固定的に保持し、合成プリズム170により合成された2つの光ビームは、フランジ部材25の中空シリンダ状の射出口25bから射出するようになっている。
フランジ部材25と基板23Aとで遮光板240と1/2波長板15とを挾み、半導体レーザ11を保持した保持体21Aをコリメートレンズ13に光軸合わせし、半導体レーザ12を保持した保持体22Aをコリメートレンズ14に光軸合わせして、フランジ部材25と基板23Aと保持体21A,22Aを螺子24a,24b,24c,24dで接合一体化し、これらを半導体レーザ11,12を点滅制御する半導体レーザ制御部37に組付け固定している。
【0153】
フランジ部材25は、射出口25bの中心軸(コリメートレンズ13の光軸に合致し、光源装置の光軸となっている)の回りに正逆回転可能となっている。フランジ部材25に一体化されたレバー25aには、下方から中空円筒状のアクチュエータ28の上端部が当接している。アクチュエータ28は、図示されない保持手段により保持されて軸心の回りに回転可能で且つ軸心方向に移動自在であり、内周に形成された螺子溝には、ステッピングモータ26の回転軸に圧入された円筒部材27の外周に形成された螺子が螺合している。
【0154】
レバー25aにはバネ等の弾性力手段(図示されず)が、図の上方から押圧力を作用させており、ステッピングモータ26の回転によりアクチュエータ28を上下させることによりフランジ部材25を前記射出口25bの中心軸の回り、即ち光源装置1Bの光軸まわりに正逆方向に回転させることができる。
【0155】
即ち、レバー25a、図示されない弾性力手段、アクチュエータ28および円筒部材27は光源装置1Bを光軸まわりに回転させる「光源装置回転機構」を構成し、ステッピングモータ26は光源装置回転機構を回転駆動する「駆動手段」を構成する。そしてこれらはピッチ調整手段29を構成する。
【0156】
図25に戻ると、感光体5の周面近傍にリニアセンサ31が設けられている。
リニアセンサ31はCCDリニアセンサであり、受光エレメントの配列方向、即ちライン方向を副走査方向に向けている。光源装置1Bからの2本の光ビームは、同期検知センサ10に入射した直後にリニアセンサ31を走査するようになっている。リニアセンサ31には「重心位置演算手段」である重心位置演算部32が接続され、リニアセンサ31と重心位置演算部32とにより位置検出手段33が構成されている。
【0157】
即ち、図25の実施の形態において「走査線ピッチ検出手段」は、長手方向を副走査方向に対応させて検出領域に設けられたリニアセンサ31と、リニアセンサ31の出力に基づき光スポットの重心位置を演算する重心位置演算手段32とを有し、リニアセンサ31の出力に基づき重心位置演算手段32で演算された重心位置のデータを「光スポット位置データ」とする(請求項12)。
【0158】
重心位置演算部32から出力される各光スポットSP1,SP2の「光スポット位置データ」はピッチ算出部34に入力される。ピッチ算出部34は、入力する光スポット位置データに基づき走査線ピッチを算出し、その結果をピッチ・回転角度変換部35に向けて出力する。ピッチ・回転角度変換部35は入力された情報に基づき所望の走査線ピッチを得るために、光源装置1Bを回転させるべき「回転角度」を算出し、その結果に基づきモータ制御部36を介してステッピングモータ26を駆動制御する。
【0159】
即ち、図26のマルチビーム走査装置は、個別に発光制御される複数の発光源を有する光源装置1Bからの複数の光ビームを同一の偏向手段3により偏向させ、同一の走査結像光学系4B,4Cにより被走査面に複数の光スポットとして集光させ、複数の光スポットにより被走査面を同時走査するマルチビーム走査装置であって、被走査面上において隣接する光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして検出する走査線ピッチ検出手段33,34と、走査線ピッチを「光源装置1Bの光軸まわりの回転」により調整するピッチ調整手段29と、走査線ピッチ検出手段33,34による検出結果に基づき、ピッチ調整手段29を制御して所望の走査線ピッチを実現するピッチ調整制御手段35,36を有し(請求項13)、走査線ピッチ検出手段は請求項12記載のものである。
【0160】
図25に示された半導体レーザ制御部37は、画像情報を書き込むときには、2ライン分の画像情報に応じて半導体レーザ11,12の発光を「同時且つ個別的」に制御するが、走査線ピッチ検出およびピッチ調整を行なうときは、半導体レーザ11,12を同時に発光させず、時系列に順次に発光させるように制御する(請求項14)。
【0161】
図25の実施の形態においては、単一のリニアセンサ31で2つの光スポットSP1,SP2を検出するので、走査線ピッチ検出時に半導体レーザ11,12を同時に発光させた場合、2つの光スポットSP1,SP2の主走査方向の間隔(図27の間隔:L)が小さくなり、リニアセンサ31が2つの光スポットを同時に受光するようになると、リニアセンサ31の出力は図33(a)のように、光スポットSP1,SP2に対しての出力波形A1,A2が合成されたもの(破線で示す)になり、合成出力の極大部分の間隔は実際の走査線ピッチPVに対して若干小さくなるので、検出される走査線ピッチの誤差になる。また走査線ピッチが小さくなって、図33(b)のΔの程度になると、2つの光スポットの同時検出では走査線ピッチを検出できない。
【0162】
そこで図15のマルチビーム走査装置では、走査線ピッチ検出およびピッチ調整を行なうときは、半導体レーザ11,12を同時に発光させず、時系列に順次に発光させるのである。このようにして、光スポットSP1,SP2が互いに近接しているような場合にも、各光スポットを個別に検出できるので精度の良い走査線ピッチ検出が可能になる。
【0163】
上記マルチビーム走査装置は、前述の如く、ポリゴンミラー3の面倒れを補正するようになっているが、リニアセンサ31の受光エレメントの配列ピッチ(数μmオーダー)で見ると、面倒れの影響を完全に除くことは難しく、光ビームがどの偏向反射面により偏向されるかに応じて、リニアセンサ31が検出する光スポット位置データは変動し、正確な走査線ピッチ検出を面倒にする。
【0164】
説明中の実施の形態においては、光源装置1Bの各発光源11,12を時系列に順次発光させて得られる各光ビームの偏向を、同一の偏向反射面で行なわせるタイミング制御手段を有する(請求項16)。例えば、6面ある偏向反射面のうちで第1番目のものでのみ光ビーム偏向を行なう用にするのであれば、図29に示すように、第1の偏向反射面が偏向態位にあるときにのみ半導体レーザの点灯をオンにするのである。図示されない「タイミング制御手段」は「ピッチ調整制御手段」の一部を構成し、半導体レーザ制御部37に向けてタイミング信号を出力する。
【0165】
従って、例えば、各光スポットの光スポット位置データとしてn個のデータをサンプリングする場合であれば、常に同一の偏向反射面が使用されるように半導体レーザ11,12の発光を制御して、ポリゴンミラー3の1〜n回転で光スポットSP1に対する光スポット位置データを得、ポリゴンミラー3のn+1〜2n回転で光スポットSP2に関する光スポット位置データを得る。このようにして、走査線ピッチ検出におけるポリゴンミラー3の面倒れの影響を除去することができる。
【0166】
「光スポット位置データ」は以下のようにして得られる。
リニアセンサ31から出力が重心位置演算部32に入力すると、同演算部32は「リニアセンサ31の全長:D(ビット数:N×受光エレメント幅:7μm)にわたる出力」を図30(a)に示すように「積分」し、積分値の1/2となる「0ビットからの距離」であるビット位置:d(ビット位置:dの両側における光強度の和が等しい)を「光スポットの重心位置」として演算する(図30(b)参照)。
【0167】
演算されたデータは、受光した光スポットがSP1,SP2であるかに応じて、SP1もしくはSP2の「光スポット位置データ」としてピッチ算出部34に入力する。ピッチ算出部34は、SP1位置データ:dおよびSP2位置データ:dに基づき、演算:|d−d|を行なって走査線ピッチ:PVを算出する。
【0168】
このように光スポットSP1,SP2の光スポット位置データとして重心位置を用いるので、光スポット形状が崩れていてピーク位置がスポット中央部に無いような場合であっても確実に光スポットの重心位置により適正な光スポット位置データを得ることができる。この重心位置検出はリニアセンサ31における分解能(説明中の例では7μm)以上の精度で可能であり検出精度が高い。
【0169】
再び図25に戻ると、上記の如くピッチ算出部34において算出された走査線ピッチ:PVはピッチ・回転角度変換部35に入力し、ピッチ・回転角度変換部35は、入力された走査線ピッチ:PVに基づき所望の走査線ピッチを実現するために光源装置1Bを光軸まわりに回転させるべき「回転角度量」を決定する。即ち、入力される走査線ピッチ:PVを光源装置1Bの光軸まわりの回転角度量に変換する。
【0170】
図25に示す実施の形態においては、検出された走査線ピッチ:PVと、回転角度量:ΔΘとの関係(1例を図31に示す)が「換算式」としてピッチ・回転角度変換部35内のメモリに、マルチビーム走査装置の工場出荷時に予め記憶されており、ピッチ・回転角度変換部35は、入力される走査線ピッチ:PVと所望の走査線ピッチとの差:ΔPVを求め、ΔPVに対応する回転角度量:ΔΘを上記換算式に基づき決定する。即ちピッチ・回転角度変換部35は「検出される走査線ピッチ:PVと光源装置1Bの回転角度との換算式に基づき光源装置の回転角度量:ΔΘを決定するピッチ・回転角度変換手段」である(請求項15)。
【0171】
このように決定された回転角度量:ΔΘはモータ制御部36に送られ、同制御部36はステッピングモータ26を駆動して、光源装置1BをΔΘだけ回転させる。このようにして所望の走査線ピッチが実現される。
【0172】
上記の換算式で回転角度量を決定するようにすると、一度の回転動作で所望の走査線ピッチを実現でき、所望の走査線ピッチを実現するまでフィードバックループによる調整を何度も繰り返す必要がなく、短時間内に所望の走査線ピッチを実現できる。
【0173】
上記の走査線ピッチ調整においては、被走査面上の2つの光スポットSP1,SP2の間隔(ξとする)が一義的に定まっていることを前提としている。このとき、光スポットSP1,SP2の重心を結ぶ直線が主走査方向となす角をγとすれば、走査線ピッチは「ξ・sinγ」で与えられるので、回転角度量:ΔΘによる回転で上記角:γを設定することにより走査線ピッチを所望の値に設定するのである。
【0174】
先に説明したように「ξ」は、半導体レーザ12のコリメートレンズ14の光軸からの「ずらし量」により決定されるほか、光源装置から被走査面に至る光学系の特性にも依存する。従って上記「ずらし量」に誤差があったり、光学系に加工誤差や組付け誤差による狂いがあったりすると「ξ」に誤差が含まれ、調整される走査線ピッチにも誤差が生じることになる。
【0175】
このような誤差を除去するには、走査線ピッチ:PVの検出に加えて、距離:ξの検出をも行なえば良い。
【0176】
図25に示した実施の形態の場合、走査線ピッチ:PVは上に説明した方法によりピッチ算出部34で算出することができる。
一方、図32に示す、光スポットSP1,SP2の主走査方向の間隔:Lは、半導体レーザ11,12を同時に発光させておいて、リニアセンサ31を走査速度:vbで走査したときのリニアセンサ31において生じる光スポットSP1の受光信号と光スポットSP2の受光信号の時間差:τを検出すれば、演算:L=vb×τで求めることができる。なお、時間差:τを検出するのにリニアセンサ31の出力を用いず、同期検知センサ10の出力を用いてもよい。
【0177】
すると、光スポットSP1,SP2の間隔:ξは演算:√{L+(PV)}で得ることができ、図33に示すように、走査線ピッチの検出値をPV、実現すべき所望の走査線ピッチをPV、これらの差:PV−PV=ΔPVとすれば、光源装置1Bの回転角度量:ΔΘは、演算:ΔΘ=sin~ {ΔPV/ξ}により得ることができる。
【0178】
上記:L,ξ,ΔPVの算出に必要な演算は、図示されない演算手段を付加して行なっても良いし、ピッチ算出部34にこの演算機能を付加しても良い。ΔΘの算出演算は、算出された「ξとΔPV」をピッチ・回転角度変換部35に与えて行なうことができる。
【0179】
このようにすると、検出された走査線ピッチと回転角度量との換算式を工場出荷時に各ロットごとに予め入力する煩わしさがなく、適正に光源装置1Bの回転角度量:ΔΘを決定できる。
【0180】
図1〜図24に即して説明した実施の形態において、光源装置1,1Aに就いては「その具体的な構成」を説明しなかったが、図25,26に即して説明した光源装置1Bは、図1に示す光源装置1として、あるいは図7に示す光源装置1Aとして利用できる。また、図1〜図24に即して説明した実施の形態において、図25〜図32に即して説明した「光源装置回転機構」と、これを回転駆動する「駆動手段」を、図1,図7のマルチビーム走査装置に利用できること勿論であり、図1〜図6に即して説明した実施の形態あるいは図7〜図24に即して説明した実施の形態により検出された走査線ピッチに基づき、上記光源装置回転機構と駆動手段とを用いて走査線ピッチ調整を行なうことができる。
【0181】
また、図25に示すマルチビーム走査装置では、複数の光ビームの書き出しの同期は、同期貢献値センサ10の出力を用いて行なうが、専用の同期光検知センサ10を用いること無く、リニアセンサ31の出力を利用して同期検知信号を得ることもできる(請求項18)。
【0182】
図34は、請求項19,20,23〜25記載のマルチビーム走査装置の実施の形態を示している。繁雑を避けるため、混同の虞れがないものに就いては図25におけると同一の符号を用いた。
光源装置1B、シリンダレンズ2、ポリゴンミラー3を用いる偏向手段、光路屈曲用ミラー8、被走査面に主面を合致させて配備された光導電性の感光体5、光源装置1Bを光軸まわりに回転させるためのステッピングモータ26、ステッピングモータ26を制御するモータ制御部36、モータ制御部36に光源装置1Bを回転させるための回転角度量を得るピッチ・回転角度変換部37、光源装置1Bの半導体レーザ11,12の点滅を制御する半導体レーザ制御部37は図25に示されたものと同様のものである。
【0183】
従って図34に示す実施の形態においても、光源装置1Bは図26に示すごとき光学構成、具体的には図28に示すごとき構成であって、図28に示すごときピッチ可変手段29により光軸まわりに回転されてピッチ調整を行なう。
【0184】
図34(a)において、光源装置1Bは発光源である半導体レーザ11,12が半導体レーザ制御部37により点灯されると、進行方向が互いに微小角異なる2つの光ビームBM1,BM2(共に平行ビームである)を放射する。光ビームBM1,BM2は、副走査方向にのみ正のパワーを持つシリンダレンズ2を介して同一の偏向手段のポリゴンミラー3の偏向反射面に入射する。このときシリンダレンズ2の作用により、光ビームBM1,BM2とも偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0185】
ポリゴンミラー3の回転に依り、一括して等角速度的に偏向された両光ビームは共通の「走査結像光学系」に入射する。走査結像光学系は、この実施の形態においてfθレンズ4Bと「補正用の長尺レンズ」である長尺トロイダルレンズ4Cとにより構成されている。走査結像光学系を透過した光ビームBM1,BM2は、光路屈曲用のミラー8により光路を折り曲げられ、被走査面(実体的には感光体5の周面)上に副走査方向に走査線ピッチ:PVだけ分離した2つの光スポットとして集光し、2つの隣接する走査線を同時に走査する。
【0186】
走査結像光学系をなすfθレンズ4Bと長尺トロイダルレンズ4Cとは、副走査方向に関して「偏向反射面位置近傍(前記線像の結像位置)と被走査面位置とを幾何光学的に略共役な関係としており(共軸レンズであるfθレンズ4Bと長尺トロイダルレンズ4Cとを組み合わせることにより、このようなアナモフィックな性質を実現している)、従って図34のマルチビーム走査装置はポリゴンミラー3における「面倒れ」を補正する機能を有している。
【0187】
「ビーム位置検出手段」であるリニアセンサ31Aは、受光エレメントの配列方向を副走査方向に向けて走査開始側における走査領域外に配備されている。走査結像光学系における「主走査方向の走査開始側端部」を通った光ビームBM1,BM2は、光路屈曲用のミラー8に反射されることなくリニアセンサ31Aに入射する。
【0188】
走査結像光学系を構成するfθレンズ4Bと長尺トロイダルレンズ4Cのうち、fθレンズ4Bをなす2枚のレンズ41,42の中で,ポリゴンミラー3から離れた側にあるレンズ42の主走査方向の光走査開始側の端部(図34(a)に符号bで示す部分)には、長尺トロイダルレンズ4C側の面に、図34(b)示すように「副走査方向に負のパワー」を持つ樹脂成形レンズ700を貼付けてある。
【0189】
樹脂成形レンズ700の貼着により、この部分におけるレンズ42の屈折面の正のパワーが減少し、結果的に樹脂成形レンズ700を通る光ビームに対する走査結像光学系の副走査方向の結像倍率は他の部分よりも相対的に大きくなる(請求項21)。その結果「ビーム位置検出手段」である1次元のリニアセンサ31Aが検出する光ビームBM1,BM2の副走査方向の間隔:PV’は、被走査面上の走査線ピッチ:PVより大きくなる。なお、図では明確でないが「位置検出用結像光学系(前記走査結像光学系と樹脂成形レンズ700で構成される)」の副走査対応方向の結像倍率が、走査光学系の結像倍率より大きいことから、リニアセンサ31Aの配備位置は「走査結像レンズから被走査面に到る距離よりも遠方」に設定されている。
【0190】
このように、間隔:PV’は大きいので精度良く検出できる。
リニアセンサ31Aの出力が「演算手段」であるピッチ算出部34Aに入力すると、ピッチ算出部34Aは入力情報に基づき(例えば、図25の実施の形態の場合と同様にして)間隔:PV’を決定し、さらに間隔:PV’と走査線ピッチ:PVとの比(走査結像光学系と位置検出用結像光学系の、副走査対応方向における結像倍率の比):k(マルチビーム走査装置における設計条件により定まる定数)により演算:PV’/kを行なって走査線ピッチ:PVを求める。
【0191】
得られた走査線ピッチ:PVはピッチ・回転角度変換部35に入力し、ピッチ回転角変換部35は、達成するべき走査線ピッチの目標値:PV(走査線ピッチを切り換える場合であれば切り換えに依って新たに設定された走査線ピッチ、走査線ピッチの補正の場合であれば予め定められた走査線ピッチ)を実現するために光源装置1を回転させるべき回転角度量:ΔΘを図25の実施の形態緒場合と同様にして決定する。
【0192】
そして、決定された回転角度量:ΔΘを実現するようにモータ制御部36を介してステッピングモータ26を制御する。従って、ピッチ・回転角度変換部32とモータ制御部34とは「駆動手段を制御する回転制御手段」を構成する。このようにして目標とする走査線ピッチ:PVを確実に実現できる。
【0193】
図35は請求項19,21,22〜25記載のマルチビーム走査装置の実施の形態を示している。混同の虞れが無いと思われるものに就いては図34(a)におけると同一の符号を用いた。
図34に示す実施の形態との差異は以下の点にある。即ち、図35の実施の形態では、fθレンズ4Bの、主走査方向における光走査開始側端部を通った光ビームは長尺トロイダルレンズ4Cに入射することなくミラーm1により反射されて「ビーム位置検出手段」であるリニアセンサ31Aに入射する。
走査結像光学系を構成するfθレンズ4Bと長尺トロイダルレンズ4Cは、いずれも副走査方向に正のパワーを持つのでfθレンズ4Bのみによる副走査方向の正のパワーは、走査結像光学系における副走査方向の「合成の正のパワー」よりも小さい。
【0194】
このようにfθレンズ4Bを「位置検出用結像光学系」として用いることにより(請求項21,22)、リニアセンサ31A上には光ビームBM1,BM2を、被走査面上におけるよりも副走査方向に大きい結像倍率で結像させることができる。換言すれば、リニアセンサ31Aが検出する光ビームBM1,BM2の副走査方向の間隔:PV’は、被走査面上における走査線ピッチ:PVよりも大きくなり、間隔:PV’を精度良く検出できる。検出された間隔:PV’に応じて目標とする走査線ピッチ:PVを実現する方法は、図34の実施の形態の場合
と全く同様である。
【0195】
図35の実施の形態においては、変形例としてミラーm1に代えて「副走査方向にのみ正のパワーを持つ凹シリンダミラー」を用い、fθレンズ4Bと、この凹シリンダミラーとで「位置検出用結像光学系」を構成することもできる。このようにすると、位置検出用結像光学系の副走査方向における結像倍率を図35の実施の形態における場合よりも更に大きくすることができる。
【0196】
上の説明では、間隔:PV’の検出から走査線ピッチ:Pの目標値:PVの実現までを自動的に行なったが、間隔:PV’の検出に基づき、走査線ピッチ:PVの設定や補正は手動で行なうようにしてもよい。
【0197】
また、光源装置1Bから被走査面に到る光路上に配備される光学素子は、上に説明した実施の形態におけるものに限らず、従来から知られた種々のものを適宜利用できる。また、リニアセンサ31Aの出力信号により同期検知信号を得るようにすることができる(請求項25)。
【0198】
以上説明した全ての実施の形態において、光源装置として特開昭56−42248号公報に記載されたような半導体レーザアレイを用いることができることも言うまでもない。
【0199】
【発明の効果】
この発明によれば新規なマルチビーム走査装置を実現できる。
請求項1記載の発明のマルチビーム走査装置は、走査線ピッチを検出する機能を有するので走査線ピッチを視度良く検出でき、走査線ピッチの調整に供することにより走査線ピッチの精度良い調整が可能である。
【0200】
請求項1,2記載の発明では2つの光センサを用い、複数光ビームを同時に走査して走査線ピッチ検出を行なうので、偏向手段に「面倒れ」があっても、その影響を受けずに走査線ピッチを短時間で精度良く検出できる。
【0201】
請求項3,4〜10,18,25記載の発明では、走査線ピッチ検出手段の光センサの出力に基づき書込み用の同期検知信号を得るので各光ビームの書込み開始位置を正確に調整でき、専用の同期光検知手段を必要としないのでマルチビーム走査装置のコンパクト化が可能である。
【0202】
請求項1,11,23記載の発明のマルチビーム走査装置はピッチ調整手段を有するので、検出された走査線ピッチに応じて走査線ピッチを良好に調整できる。
請求項10記載の発明のマルチビーム走査装置は2つの受光手段により2本の光ビームを別個に検出するので、2つの光スポットが主・副走査方向に近接する場合でも、良好な走査線ピッチの検出が可能である。
【0203】
請求項12記載の発明のマルチビーム走査装置は光スポットの重心位置を検出して走査線ピッチ検出を行なうので光スポットの形状が崩れているような場合にも、適正な走査線ピッチ検出が可能である。
【0204】
請求項13〜17記載の発明のマルチビーム走査装置は単一のリニアセンサにより走査線ピッチを検出し、検出された走査線ピッチに基づきピッチ調整を行なって所望の走査線ピッチを実現できる。
【0205】
請求項16記載の発明のマルチビーム走査装置は、ポリゴンミラーの面倒れの影響を除去して単一のリニアセンサにより走査線ピッチを検出できる。
【0206】
請求項19〜23記載の発明のマルチビーム走査装置では、位置検出用結像光学系における副走査方向における結像倍率が被走査面に対する走査結像光学系の副走査方向の結像倍率よりも大きく設定されているので、走査線ピッチが細かい場合にも精度の良い走査戦費値検出が可能である。
【0207】
請求項24記載の発明によれば請求項1〜23記載の発明のマルチビーム走査装置に適した2ビーム用の光源装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1記載の発明の実施の1形態を示す図である。
【図2】 図1における制御部7の構成を示すブロック図である。
【図3】 図1における受光部6の構成を説明するための図である。
【図4】 図3における受光部6と、これを走査する光スポットSP1,SP2の関係を示す図である。
【図5】 図2の制御部7における信号処理を説明するタイミング図である。
【図6】 光スポットSP1,SP2と走査線ピッチの関係を説明するための図である。
【図7】 請求項4記載の発明の実施の1形態を示す図である。
【図8】 図7における受光手段6Aを説明するための図である。
【図9】 図7における受光手段の別例を示す図である。
【図10】 図7における受光手段6Aから得られる受光信号を示す図である。
【図11】 図7の制御部7Aの要部を説明するための図である。
【図12】 図7の制御部7Aにおける信号処理を説明するためのタイミング図である。
【図13】 請求項6の受光手段を説明するための図である。
【図14】 図13の受光手段から得られる受光信号を示す図である。
【図15】 図13の受光手段から得られる受光信号の処理を行なう制御部を説明するための図である。
【図16】 図15の制御部における信号処理を説明するためのタイミング図である。
【図17】 請求項8の受光手段を説明するための図である。
【図18】 図17の受光手段から得られる受光信号を示す図である。
【図19】 図17の受光手段から得られる受光信号の処理を行なう制御部を説明するための図である。
【図20】 図19の制御部における信号処理を説明するためのタイミング図である。
【図21】 請求項10における光源部の構成を説明するための図である。
【図22】 請求項10における受光部の構成を説明するための図である。
【図23】 図22,23の光源部、受光部における光ビームBM1,BM2の偏光状態を示す図である。
【図24】 請求項10における走査線ピッチ検出を説明するための図である。
【図25】 請求項13記載のマルチビーム走査装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図26】 図25における光源装置1Bを説明するための図である。
【図27】 図25の光源装置1Bによる被走査面上の光スポットの状態を説明するための図である。
【図28】 図25の光源装置1Bの機械的構成と、光源装置1Bを回転させる光源装置回転機構を説明するための図である。
【図29】 請求項16記載の発明を説明する図である。
【図30】 請求項12,14記載の発明における重心検出を説明するための図である。
【図31】 走査線ピッチと光源装置の光軸まわりの回転角度との関係を説明するための図である。
【図32】 請求項17記載の発明を説明するための図である。
【図33】 図25のリニアセンサ31からの受光信号が重なる場合を説明する図である。
【図34】 請求項19,20記載の発明のマルチビーム走査装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図35】 請求項19,21,22記載の発明のマルチビーム走査装置の実施の1形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光源装置
2 シリンダレンズ
3 ポリゴンミラー
4 走査結像光学系
5 感光体
6 受光手段

Claims (26)

  1. 個別に発光制御される複数の発光源を有する光源装置からの複数の光ビームを同一の偏向手段により偏向させ、同一の走査結像光学系により被走査面に複数の光スポットとして集光させ、上記複数の光スポットにより被走査面を同時走査するマルチビーム走査装置であって、
    上記光源装置から射出される上記光ビームは、進行方向に互いに角度が異なり、上記複数の発光源の一つから射出される光ビームを上記光源装置の光軸とし、上記光ビームの少なくとも一つを上記光軸から主走査方向にずらすことにより、被走査面を同時走査する上記複数の光スポットのうち少なくとも二つの光スポットを主走査方向に互いに離隔させるとともに、上記互いに離隔された光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして、上記偏向手段における同一の偏向反射面で走査された同一走査内で検出する走査線ピッチ検出手段を有し、
    上記走査線ピッチ検出手段が、
    被走査面と等価な検出領域に、長手方向を副走査方向に対応させて設けられた細帯状の第1の光センサと、上記検出領域における走査方向下流側に、上記第1の光センサに対して長手方向を所定角傾けて設けられた細帯状の第2の光センサとを有する、光ビーム検出部と、
    これら第1および第2の光センサから出力される光ビーム検出信号に基づき、各光スポットが第1および第2の光センサ間の距離を通過する通過時間を検出し、上記第2の光センサの第1の光センサに対する傾き角と、上記検出された通過時間とに基づき、隣合った2つの光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして演算する制御部とを有し、
    上記光源装置を、上記光軸のまわりに回転させることにより、走査線ピッチを調整するピッチ調整手段を有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  2. 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ検出手段における制御部が、
    基準クロック発生回路と、
    基準クロックに対して所定の微少時間ずつ遅延した1連の遅延クロックを発生させる遅延クロック発生回路と、
    各光スポットが光ビーム検出部の第1および第2の光センサにより発生する光ビーム検出信号に基づき、各光スポットが第1および第2の光センサ間の距離を通過する通過時間間隔を上記基準クロックを基準として計測するビーム間隔計測回路と、
    各光スポットによる光ビーム検出信号と同位相の遅延クロックを検出する位置信号位相検出回路と、
    上記同位相の遅延クロックと上記基準クロックとの位相のずれを時間差として演算し、演算された各時間差により上記光スポットごとの通過時間間隔を補正して、各光スポットごとの通過時間を得、この通過時間と、上記第2の光センサの第1の光センサに対する傾き角とにより、隣合った2つの光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして演算する副走査ピッチ演算回路とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  3. 請求項2記載のマルチビーム走査装置において、
    複数の遅延クロック中で、第1の光センサからの光ビーム検出信号と同位相の遅延クロックを選択して各光スポットに対する書込みクロック信号とすることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  4. 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ検出手段が、
    被走査面の近傍に配備され、主走査方向の受光面幅が副走査方向にリニアに変化する受光手段と、
    各光ビームが上記受光手段の受光面を主走査方向に通過する通過時間を検出し、光スポットの走査速度と、上記検出された通過時間と、上記受光面の形状とに応じて、走査線ピッチを演算する演算手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  5. 請求項4記載のマルチビーム走査装置において、
    演算手段が、
    受光手段の出力を増幅し2値化する前処理回路と、
    この前処理回路により前処理されたデジタル信号を、所定のクロック信号により計数するカウンタ手段と、
    このカウンタ手段が計数した各光スポットの通過時間をラッチするラッチ手段と、
    上記前処理回路の出力を入力され、その立ち下がり時間を基準とした所定の遅延時間で、上記ラッチ手段への上記カウンタ手段の出力をラッチするトリガ信号と上記カウンタ手段をクリアするクリア信号とを発する遅延回路と、
    上記ラッチ手段の出力に基づき、隣接する光スポットの通過時間の差を演算するビットコンパレータ手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  6. 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ検出手段が、
    被走査面の近傍に配備され、互いに非平行に主走査方向に併設された第1および第2のスリットを有する遮光部材と、この遮光部材の上記第1および第2のスリットを通過した光ビームを受光する受光素子とにより構成される受光手段と、
    各光ビームが上記第1および第2のスリットの間を主走査方向に通過する通過時間を検出し、光スポットの走査速度と、上記検出された通過時間と、上記第1および第2のスリットの態位とに応じて、走査線ピッチを演算する演算手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  7. 請求項6記載のマルチビーム走査装置において、
    演算手段が、
    受光手段の出力を増幅したのち微分し、微分信号の0交叉点を検出する前処理回路と、
    この前処理回路により前処理されたデジタル信号を、所定のクロック信号により計数するカウンタ手段と、
    このカウンタ手段が計数した各光スポットの通過時間をラッチするラッチ手段と、
    上記前処理回路の出力を入力され、その立ち下がり時間を基準とした所定の遅延時間で、上記ラッチ手段への上記カウンタ手段の出力をラッチするトリガ信号と上記カウンタ手段をクリアするクリア信号とを発する遅延回路と、
    上記ラッチ手段の出力に基づき、隣接する光スポットの通過時間の差を演算するビットコンパレータ手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  8. 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ検出手段が、
    被走査面の近傍に配備され、細帯状の受光面を長手方向に縦割りする分割ラインが互いに非平行になるように、主走査方向に併設された第1および第2の2分割光センサによる受光手段と、
    各光ビームが上記第1および第2の2分割光センサの間を主走査方向に通過する通過時間を検出し、光スポットの走査速度と、上記検出された通過時間と、上記遮光部材における第1および第2の2分割光センサの分割ラインの態位とに応じて、走査線ピッチを演算する演算手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  9. 請求項8記載のマルチビーム走査装置において、
    演算手段が、
    受光手段における各2分割光センサの各受光部からの出力の差を増幅し、増幅された出力差の0交叉点を検出し、各2分割光センサに対応する0交差点の信号に対しイクスクルーシブオア論理処理する前処理回路と、
    この前処理回路により前処理されたデジタル信号を、所定のクロック信号により計数するカウンタ手段と、
    このカウンタ手段が計数した各光スポットの通過時間をラッチするラッチ手段と、
    上記前処理回路の出力を入力され、その立ち下がり時間を基準とした所定の遅延時間で、上記ラッチ手段への上記カウンタ手段の出力をラッチするトリガ信号と上記カウンタ手段をクリアするクリア信号とを発する遅延回路と、
    上記ラッチ手段の出力に基づき、隣接する光スポットの通過時間の差を演算するビットコンパレータ手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  10. 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
    同一の偏向手段により偏向される複数の光ビームは、偏光状態が互いに異なる2本の光ビームであり、
    走査線ピッチ検出手段が、
    上記2本の光ビームを偏光状態に従って互いに分離する光ビーム分離手段と、
    分離された各ビームを受光する2つの受光手段と、
    各受光手段の出力に基づき、走査線ピッチを演算する演算手段とを有し、
    上記2つの受光手段は、請求項4または6または8記載の受光手段であり、
    演算手段が、請求項4または6または8記載の演算手段に上記2つの受光手段の出力を時間的に前後して入力するように構成されたものであることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  11. 請求項4ないし10の何れか1に記載のマルチビーム走査装置において、
    受光手段の受光信号により同期検知信号を得ることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  12. 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ検出手段が、長手方向を副走査方向に対応させて検出領域に設けられたリニアセンサと、
    このリニアセンサの出力に基づき、光スポットの重心位置を演算する重心位置演算手段とを有し、
    上記リニアセンサの出力に基づき重心位置演算手段で演算された重心位置のデータを、光スポット位置データとすることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  13. 個別に発光制御される複数の発光源を有する光源装置からの複数の光ビームを同一の偏向手段により偏向させ、同一の走査結像光学系により被走査面に複数の光スポットとして集光させ、上記複数の光スポットにより被走査面を同時走査するマルチビーム走査装置であって、
    上記光源装置から射出される上記光ビームは、進行方向に互いに角度が異なり、上記複数の発光源の一つから射出される光ビームを上記光源装置の光軸とし、上記光ビームの少なくとも一つを上記光軸から主走査方向にずらすことにより、被走査面を同時走査する上記複数の光スポットのうち少なくとも二つの光スポットを主走査方向に互いに離隔させるとともに、上記互いに離隔された光スポットの副走査方向の間隔を走査線ピッチとして、上記偏向手段における同一の偏向反射面で走査された同一走査内で検出する走査線ピッチ検出手段と、
    走査線ピッチを、上記光源装置を上記光軸まわり回転させることにより調整するピッチ調整手段と、
    上記走査線ピッチ検出手段による検出結果に基づき、上記ピッチ調整手段を制御して所望の走査線ピッチを実現するピッチ調整制御手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  14. 請求項13記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ検出手段が、請求項12記載のものであり、
    ピッチ調整制御手段は、光源装置の各発光源を時系列に順次発光させて、各ビームごとに光スポット位置を上記走査線ピッチ検出手段により検出し、検出された位置データに基づき、走査線ピッチを算出する機能を有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  15. 請求項13または14記載のマルチビーム走査装置において、
    ピッチ調整制御手段は、検出される走査線ピッチと光源装置の回転角度との換算式に基づき、上記光源装置の回転角度量を決定するピッチ・回転角度変換手段を有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  16. 請求項13ないし15の何れか1に記載のマルチビーム走査装置において、
    偏向手段が、ポリゴンミラーを用いるものであり、
    ピッチ調整制御手段が、光源装置の各発光源を時系列に順次発光させて得られる各光ビームの偏向を、同一の偏向反射面で行なわせるタイミング制御手段を有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  17. 請求項14記載のマルチビーム走査装置において、
    ピッチ調整制御手段が、
    ピッチ検出手段のリニアセンサを各光スポットが通過するときの出力間隔から主走査ピッチを算出する主走査ピッチ算出手段と、
    この主走査ピッチ算出手段により算出された主走査ピッチと、ピッチ検出手段により検出された走査線ピッチとに基づき、光源装置の回転角度量を算出する回転角度量算出手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  18. 請求項12または14または15または16または17記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ検出手段のリニアセンサの出力信号により同期検知信号を得ることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  19. 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ検出手段が、
    走査領域外に配備され、偏向された各光ビームの副走査方向の位置を検出するビーム位置検出手段と、
    上記複数の光ビームを上記ビーム位置検出手段に結像させる位置検出用結像光学素子とを有し、
    上記位置検出用結像光学系における副走査方向における結像倍率が、被走査面に対する走査結像光学系の副走査方向の結像倍率よりも大きく設定されていることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  20. 請求項19記載のマルチビーム走査装置において、
    偏向された複数の光ビームを被走査面上に集光させる同一の走査結像光学系の主走査方向の所定の側の端部近傍に、他の部分に比して正のパワーの小さい部分を設け、この部分を通過した各光ビームが、ビーム位置検出手段に結像するように、位置検出用結像光学系を上記走査結像光学系の一部として構成したことを特徴とするマルチビーム走査装置。
  21. 請求項19記載のマルチビーム走査装置において、
    偏向された複数の光ビームを被走査面上に集光させる同一の走査結像光学系が複数枚のレンズを有して構成され、
    これら複数枚のレンズの一部のレンズであって、偏向手段側にあるものの副走査方向のパワーが、走査結像光学系全体としての副走査方向の正のパワーよりも弱くなるようにすることにより、上記一部のレンズを位置検出用結像光学系となし、この位置検出用結像光学系を通過した各光ビームを、走査結像光学系における残りのレンズを透過させることなしにビーム位置検出手段に導いて結像させることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  22. 請求項21記載のマルチビーム走査装置において、
    走査結像光学系が、fθレンズと、面倒れ補正用の長尺レンズとを有し、上記fθレンズを位置検出用結像光学系としたことを特徴とするマルチビーム走査装置。
  23. 請求項19ないし22の何れか1に記載のマルチビーム走査装置において、光源装置を光軸のまわりに回転させる光源装置回転機構と、
    この光源装置回転機構を回転駆動する駆動手段と、
    ビーム位置検出手段の出力に基づき、走査線ピッチを算出する演算手段と、
    この演算手段の算出結果に基づき、上記駆動手段を制御する回転制御手段とを有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  24. 請求項1ないし23の何れか1に記載のマルチビーム走査装置において、
    光源装置が、第1および第2の半導体レーザと、第1および第2のコリメートレンズと、第1および第2のアパーチュアと、一方の半導体レーザからの光ビームの偏光面を90度旋回させる1/2波長板と、上記第1および第2の半導体レーザからの光ビームを、両光ビームの偏光状態を利用して合成するビーム合成プリズムとを有し、
    第1または第2の半導体レーザを、対応するコリメートレンズの光軸から微少距離ずらすことにより、2つの光ビームの射出方向を互いに微小角異ならせるように構成されていることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  25. 請求項19ないし24の何れか1に記載のマルチビーム走査装置において、
    ビーム位置検出手段の出力信号により同期検知信号を得ることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  26. 請求項12記載のマルチビーム走査装置において、
    走査線ピッチ調整のために光源装置が光軸の回りに回転調整可能であり、
    光スポット位置データに基づき走査線ピッチを算出するピッチ算出部を有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
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