JP3731020B2 - 2ビーム走査装置および2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法・マルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法 - Google Patents

2ビーム走査装置および2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法・マルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は2ビーム走査装置および2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法に関する。この発明はさらに、マルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像信号により強度変調させた光束を偏向させ、被走査面を画像形成のために走査する光走査装置は、デジタル複写機や各種光プリンタ等に関連して広く知られている。近来、走査の高速化を目して、一度に複数の走査線を同時走査するマルチビーム走査装置が提案され、中でも、2ビーム走査装置の実用化が活発に意図されている。
【0003】
2ビーム走査装置では、被走査面を2つの光スポットで同時に走査するのであるが、2つの光スポットは副走査方向に正確に並んでいるわけではない(正確に並ばせたとしても、装置の機械振動等の原因で光スポットの位置関係がずれることがあるし、意図的に2つの光スポットを主走査方向にずらす場合もある)ので、同時に走査される2走査線における画像書き出し位置を揃えるためには、同時に走査を行なう2光束を別個に検出して、光束ごとに画像書き出し開始の同期を取る必要がある。このための2光束検出を行なう方法は種々のものが知られている(例えば、特開平6−344592号公報、同7−72399号公報)。
【0004】
ところで、2ビーム走査装置に用いられる2つの光源は一般に半導体レーザであって、放射される光束は直線偏光状態にある。このような直線偏光状態にある光束を、光偏向器として一般的なポリゴンミラーにより偏向させると、偏向反射面による反射角の変動に応じて反射率が変動し、光スポットの像高により光スポットの強度が変動する(所謂シェーディング)問題があり、このようなシェーディングを補正する目的で、半導体レーザからの光束を1/4波長板に通して円偏光状態にすることが行なわれることが多い。
【0005】
上記特開平6−344592号公報開示の発明では、シェーディング補正が考慮されておらず、シェーディング補正を考慮するとこの発明では2光束を別個に検出することはできない。
【0006】
特開平7−72399号公報には、シェーディング補正を考慮した2光束の検出が開示されているが、2光束を別個に検出するのに、一方の光源のみを点灯させる状態と、2つの光源を同時に点灯させる状態とを必要とし、2ビーム検出が複雑である。
【0007】
光ビームを個別的に検出することは、被走査面を同時に3以上の光スポットで同時走査するマルチビーム走査装置においても必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、2ビーム走査装置において、2つの光源を同時に点灯させた状態で、走査領域へ向かう2光束を別個に検出できる新規な2ビーム検出方法の実現を課題とする。
【0009】
この発明の別の課題は、上記新規な2ビーム検出方法を実施した新規な2ビーム走査装置の実現にある。
【0010】
この発明はまた、マルチビーム走査装置において、複数の光源を同時に点灯させた状態で、走査領域へ向かう複数光束を別個に検出できる新規なマルチビーム検出方法の実現を課題とする。
【0011】
この発明のさらに他の課題は、上記新規なマルチビーム検出方法を実施した新規なマルチビーム走査装置の実現にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法は「独立した2つの光源からの光束を共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に2つの光スポットとして集光させ、2走査線を同時に走査する2ビーム走査装置において、走査領域へ向かう2光束を互いに分離して検出する方法」であり、以下の如き特徴を有する。
【0013】
即ち、走査領域へ向かう2光束の光強度を互いに異ならせて共通の受光素子に集光的に入射させるとともに、各光束が「受光素子の受光面を通過する時間」が異なるように受光素子の受光面形状を設定し、受光素子からの出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化し、その内の1つのスレッシュレベルにより矩形信号化された信号を一方の光束に対する検出信号とし、各スレッシュレベルで矩形信号化された複数の信号に対して所定の演算を行なって他方の光束に対する検出信号とする。
走査領域へ向かう2光束を共通の受光素子に「集光的に入射させる」とは、受光素子の受光面に入射する各光束が上記受光面近傍に集光することを意味する。
【0014】
この請求項1記載の発明において、走査領域へ向かう2光束の光強度を互いに異ならせる方法としては「各光源の発光強度を異ならせる方法」でもよいし(請求項2)、各光源を半導体レーザとし、各光源からの光束を第1の1/4波長板により(シェーディング補正のために)互いに逆回りの円偏光とし、走査領域へ向かう2光束を第2の1/4波長板で「偏光方向が互いに直交する直線偏光」に戻し、これら2光束を共通の偏光子に通過させることにより互いに光強度の異なる2光束とする方法でもよい(請求項3)。この場合、偏光子の方位(偏光光束を全て透過させる方位)は、上記直線偏光となった一方の光束の偏光方向に対して「非直角、且つ非平行で非45度」である。
【0015】
以上の説明から分かるように、請求項3記載の発明では光源が半導体レーザであることによる放射光束の直線偏光を利用しているが、請求項2記載の発明では2光束の偏光特性を利用していないので、請求項2記載の発明における光源は半導体レーザに限らず、例えば発光ダイオードを光源として用いることもできる。
【0016】
共通の受光素子からの出力は複数のスレッシュレベルで矩形信号化されるが、互いに異なる2つのスレッシュレベルで矩形信号化する場合には、高い方のスレッシュレベルにより矩形信号化された信号をT2、低い方のスレッシュレベルで矩形信号化された信号をT1、上記信号:T2の反転信号(信号:T2のハイ・ロウを反転させた信号)をT2’とするとき、信号:T2を一方の光束の検出信号とし、演算:T1・T2’の結果を他方の検出信号とすることができる(請求項4)。この請求項4記載の発明は、低い方のスレッシュレベルで矩形信号化された信号が、光束ごとに分離した信号と成る程度に、2つの光スポットが主走査方向へ分離している場合に有効である。
【0017】
上記受光素子からの出力を3つのスレッシュレベルで矩形信号化する場合には、高い方のスレッシュレベルにより矩形信号化された信号をT3、低い方のスレッシュレベルで矩形信号化された信号をT1、中間のスレッシュレベルで矩形信号化された信号をT2、上記信号:T2の反転信号をT2’とするとき、信号:T2を一方の光束の検出信号とし、演算:T1・T2’+T3の結果を他方の検出信号とすることができる(請求項5)。この方法は、2つの光スポットが主走査方向に近接していても離れていても有効である。
【0018】
以下に、参考例として説明する2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法は「独立した2つの半導体レーザからの光束を共通の1/4波長板により互いに逆回りの円偏光としたのち共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に2つの光スポットとして集光させ、2走査線を同時に走査する2ビーム走査装置において、走査領域へ向かう2光束を互いに分離して検出する方法」であって、以下の如き特徴を有する。
【0019】
即ち、走査領域へ向かう2光束を別の共通の1/4波長板を介して偏光ビームスプリッタに入射させて各光束を空間的に分離し、分離された各光束をそれぞれに対応する受光素子に入射させて検出する。
【0020】
請求項6記載の2ビーム走査装置は「独立した2つの半導体レーザからの光束を共通の1/4波長板により互いに逆回りの円偏光としたのち、光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に2つの光スポットとして集光させ、2走査線を同時に走査する2ビーム走査装置」であって、走査領域へ向かう2光束を独立に検出するために、受光素子と、光束集光手段と、光強度差別化手段と、信号化手段と、演算手段とを有する。
【0021】
「受光素子」は、走査領域へ向かう2光束を受光するために、2光束に共通に設けられ、その受光面の走査方向の幅が、走査直交方向へ直線的に増加する形状の受光面形状を有する。「走査方向」は、受光素子の受光面の位置に、理想的な偏向光束の主光線に直交する面を考えるとき、偏向光束の偏向に伴い偏向光束が上記面を横切る方向であり、上記面内において、走査方向に直交する方向が「走査直交方向」である。
【0022】
「光束集光手段」は、2光束を共通の受光素子に集光させる手段であり、専用の光学系(レンズや凹面鏡等)を用いても良いし、走査結像光学系の一部を兼用させてもよい。
「光強度差別化手段」は、受光素子に入射する2光束の光強度を互いに異ならせる手段である。
「信号化手段」は、受光素子の出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化する手段であり、各種コンパレータを利用することができる。
「演算手段」は、信号化手段から得られる各信号に対して所定の演算を行なう手段であり、例えばマイクロコンピュータを利用できる。
【0023】
上記請求項6記載の2ビーム走査装置において、「光強度差別化手段」を、2光束が走査領域へ向かうとき、各半導体レーザの発光強度を互いに異ならせるように、各半導体レーザを制御する光源制御手段として構成できる(請求項7)。
【0024】
あるいは上記「光強度差別化手段」を、走査領域へ向かう2光束に共通に設けられて2光束を互いに直交する直線偏光にする1/4波長板と、この1/4波長板と受光素子との間に配備され、各光束の透過強度を異ならせるような態位に配備された偏光子とを有するように構成してもよい(請求項8)。
【0025】
上記請求項6または7または8記載の2ビーム走査装置においては、「演算手段が、信号化手段から得られる信号により、2つの光スポットの走査直交方向のピッチを演算する機能を有する」ことができる(請求項9)。
【0026】
以下に、参考例として説明する2ビーム走査装置は「独立した2つの半導体レーザからの光束を共通の1/4波長板により互いに逆回りの円偏光としたのち共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に2つの光スポットとして集光させ、2走査線を同時に走査する2ビーム走査装置において、走査領域へ向かう2光束を透過させ、空間的に分離する別の共通の1/4波長板と、この1/4波長板を透過した2光束を空間的に分離するための偏光ビームスプリッタと、空間的に分離された各光束を対応的に受光して検出信号用の出力を出力する2つの受光素子とを有する」ことを特徴とする。
【0027】
なお、上記「走査結像光学系」としてはfθレンズを始めとして、従来からシングルビーム走査装置に関連して公知の任意の光学系を利用できる。
【0028】
以上は2ビーム走査の場合である。以下には「マルチビーム走査」の場合を説明する。
請求項10記載の発明の、マルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法は「独立したn(≧2)個の光源からの光束を、共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上にn個の光スポットとして集光させ、n本の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置において、走査領域へ向かうn光束を互いに分離して検出する方法」であって、以下の如き特徴を有する。
【0029】
即ち、走査領域へ向かうn光束の光強度を互いに異ならせて共通の受光素子に集光的に入射させるとともに、各光束が受光素子の受光面を通過する時間が異なるように受光素子の受光面形状を設定し、受光素子からの出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化し、その内の1つのスレッシュレベルにより矩形信号化された信号を1つの光束に対する検出信号とし、各スレッシュレベルで矩形信号化された複数の信号に対して所定の演算を行なって他の光束に対する検出信号とする。
【0030】
走査領域へ向かうn光束の光強度を互いに異ならせるには、n個の光源の発光強度を異ならせても良いし(請求項11)、各光源からの光束を半透鏡で合成し、光束ごとに、透過させる半透鏡の数を異ならせることにより行ってもよい。
【0031】
n個の光スポットを、共通の受光素子に一度に1つずつ受光されるように、主走査方向に分離し、共通の受光素子からの出力を互いに異なるn個のスレッシュレベルで矩形信号化し、スレッシュレベルの高い側から数えて第i番目のスレッシュレベルにより矩形信号化された信号をτi(i=1〜n)、信号:τiの反転信号をτi’とするとき、信号:τ1を最高光強度の光束の検出信号とし、演算:τi・τj’(i=2〜n,j=i−1)を、第i番目の光強度の光束の検出信号とすることができる(請求項12)。
【0032】
マルチビーム走査における独立したn個の光源は、nが2であるときには、請求項1〜9記載の発明と同様の光源を利用できる。nが3以上である場合にも、n個の光源として、n個のLEDやn個の半導体レーザ、あるいは半導体レーザとLEDとを組み合わせて使用することもでき、半導体レーザアレイとLEDとを組み合わせることもできる。
【0033】
さらに、マルチビーム走査装置の光源として「少なくとも一方は半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源」を用いることができる(請求項13)。半導体レーザアレイは、周知の如く、複数の半導体レーザ発光源をモノリシックに有する光源であり、各半導体レーザ光源から独立して光束を放射することができる。このような半導体レーザアレイと通常の単一発光部の半導体レーザとを総称して「半導体レーザ光源」と称する。
【0034】
少なくとも一方が半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源を用いると、光源から放射される光束数が最も少ないのは、一方の半導体レーザ光源が通常の単一発光部を有する半導体レーザで、他方の半導体レーザ光源が独立した発光部を2つ有する半導体レーザアレイの場合であり、この場合の光束の総数は3になる。
【0035】
請求項14記載の発明のマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法は、「少なくとも一方は半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源からの3以上の光束を、共通の1/4波長板により、半導体レーザ光源ごとに互いに逆回りの円偏光としたのち共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に3以上の光スポットとして集光させ、3以上の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置において、走査領域へ向かう各光束を互いに分離して検出する方法」であり、以下の如き特徴を有する。
【0036】
即ち、走査領域へ向かう各光束を、その光強度を互いに異ならせて別の共通の1/4波長板を介して偏光ビームスプリッタに入射させ、半導体レーザ光源ごとの光束を空間的に分離し、分離された各光束群を、それぞれに対応する受光素子に入射させる。この場合、分離された光束群の一方は1以上の光束を有し、他方は2以上の光束を有する。
【0037】
2以上の光束を受光する受光素子の受光面形状は、該受光素子に入射する光束が受光面を通過する時間が異なるように設定する。2以上の光束を受光する受光素子からの出力は、互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化され、その内の1つのスレッシュレベルにより矩形信号化された信号を1つの光束に対する検出信号とし、各スレッシュレベルで矩形信号化された複数の信号に対して所定の演算を行なって他の光束に対する検出信号とする。
【0038】
即ち、各光束は、2つの受光素子の何れにより受光されるかにより区別され、さらに、受光素子が2以上の光束を受光する場合には上記の如き方法で互いに区別されるのである。偏向光束の総数が3本で、一方の受光素子が1つの光束しか受光しない場合には、当該光束は受光素子の出力の検出のみで検出することができる。各受光素子が2以上の光束を受光する場合には、受光素子ごとに上記の如き方法で、各光束の区別を行うことができる。
【0039】
請求項15記載の発明のマルチビーム走査装置は「少なくとも一方は半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源からの3以上の光束を、共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に3以上の光スポットとして集光させ、3以上の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置」であって、受光素子と、光束集光手段と、光強度差別化手段と、信号化手段と、演算手段とを有する。
【0040】
「受光素子」は、走査領域へ向かう各光束を共通に受光し、受光面の走査方向の幅が、走査直交方向へ直線的に増加する形状の受光面形状を有する。
「光束集光手段」は、3以上の光束を共通の受光素子に集光させる。
「光強度差別化手段」は、受光素子に入射する各光束の光強度を互いに異ならせる。
「信号化手段」は、受光素子の出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化する。
「信号化手段」は、信号化手段から得られる各信号に対して所定の演算を行なう。
【0041】
請求項16記載のマルチビーム走査装置は「少なくとも一方は半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源からの3以上の光束を共通の1/4波長板により、半導体レーザ光源ごとに、互いに逆回りの円偏光としたのち共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に3以上の光スポットとして集光させ、3以上の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置」であって、第2の1/4波長板と、偏光ビームスプリッタと、2つの受光素子と、光強度差別化手段と、信号化手段と、演算手段とを有する。
【0042】
「第2の1/4波長板」は、走査領域へ向かう各光束を透過させるべく、各光束に共通である。この第2の1/4波長板を透過することにより、各光束は、その光束がどちらの半導体レーザ光源から放射されたかに従い、互いに偏光面が直交した光束となる。
「偏光ビームスプリッタ」は、第2の1/4波長板を透過した3以上の光束を、半導体レーザ光源ごとに空間的に分離する。
「2つの受光素子」は、空間的に分離された光束群を対応的に受光して、検出信号用の出力を出力する。2以上の光束を受光する受光素子の受光面形状は、該受光素子に入射する光束が受光面を通過する時間が異なるように設定される。
【0043】
「光強度差別化手段」は、2以上の光束を放射する半導体レーザ光源から放射される光束の光強度を互いに異ならせる。
「信号化手段」は、2以上の光束を受光する受光素子の出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化する。
「演算手段」は、信号化手段から得られる各信号に対し所定の演算を行なう。
【0044】
上記請求項15または16記載のマルチビーム走査装置において、2つの半導体レーザ光源をともに半導体レーザアレイとすることができ(請求項17)、この場合、同時に走査する走査線の本数は4以上になる。
【0045】
また、請求項15または16または17記載のマルチビーム走査装置において、「光強度差別化手段」は、各光束が走査領域へ向かうとき、各半導体レーザ光源の発光部の発光強度を互いに異ならせるように、各半導体レーザ光源を制御する光源制御手段であることができる(請求項18)。
【0046】
上記請求項15〜18の任意の1に記載の2ビーム走査装置において、演算手段が、信号化手段から得られる信号により、3以上の光スポットの走査直交方向のピッチを演算する機能を有することができる(請求項19)。
【0047】
【発明の実施の形態】
図1(a)において符号10で示す光源部からは、2ビーム走査用の2つの光束が、それぞれ平行光束として放射される。放射された2光束は光スポット整形用のアパーチュア板20の開口部を通過し、シリンダレンズ30に入射する。シリンダレンズ30は副走査対応方向(光源から被走査面に到る光路を直線的に展開した仮想的な光路上で副走査方向に平行的に対応する方向を言い、上記仮想的な光路上で主走査方向に平行的に対応する方向を主走査対応方向と言う)にのみ集光され、光偏向器であるポリゴンミラー40の偏向反射面41の近傍に、主走査対応方向に長い線像として結像する。
【0048】
ポリゴンミラー40が矢印方向へ等速回転すると、偏向反射面により反射された2光束は偏向光束となり、「走査結像光学系」であるfθレンズ32の作用により、被走査面50上に2つの光スポットとして集光し、被走査面50を走査する。被走査面位置には通常、光導電性の感光体が配備されるので、光スポットは実体的には感光体を走査する。
【0049】
光源部10は、ケーシング18内に2つの半導体レーザ11,12と、2つののコリメートレンズ13,14と、半導体レーザ11からの光束の偏光面を90度旋回させる1/2波長板15と、半導体レーザ11,12からの光束を合成するビーム合成プリズム16と、合成された2光束の偏光状態を円偏光状態にするための1/4波長板17とを有する。
【0050】
半導体レーザ11,12から放射された各光束は、対応するコリメートレンズ13,14で平行光束化されたのちビーム合成プリズム16に入射する。半導体レーザ11からの光束は、ビーム合成プリズム16における偏光ビームスプリッタ膜162を透過してビーム合成プリズム16から射出する。半導体レーザ12からの光束はビーム合成プリズム16の斜面161で内部反射し、偏光ビームスプリッタ膜162により反射されてビーム合成プリズム16から射出する。
【0051】
図1(a)の状態において、コリメートレンズ13,14は共に「主走査対応方向に平行な同一面内」にある。半導体レーザ11,12は、その内の少なくとも一方が、対応するコリメートレンズの光軸から、主・副走査対応方向に微小距離ずれている。図1(a)では、半導体レーザ12のコリメートレンズ14の光軸からの副走査対応方向へのずれが「誇張して」描かれている。即ち、半導体レーザ11,12の発光部を結ぶ直線は主走査対応方向と微少な角:θAをなし、角:θAの傾きにより、ビーム合成プリズム16から射出する2光束は互いに副走査対応方向に微少角傾いている。この微少角により、被走査面50上に集光する2つの光スポットの副走査方向の間隔:PSが定まる。
【0052】
また半導体レーザ11,12の、対応するコリメートレンズの光軸からの主走査対応方向の微少なずれにより、ビーム合成プリズム16から射出する光束は、主走査方向において、図に示すように互いに微少な角:θBをなす。この角:θBにより被走査面50上に集光する2つの光スポットの主走査方向の間隔:PMが定まる。
【0053】
図1(a)の状態において、光源部10をコリメートレンズ13の光軸の回りに回転させることにより、被走査面50上の2つの光スポットの間隔を一定に保ったまま、これらスポットを結ぶ方向を回転させることができ、このことを利用して、上記間隔:PM,PSを調整することが可能である。
【0054】
ビーム合成プリズム16を射出した2光束は、直線偏光の偏光面が互いに直交しており、このままでは前述の「シェーディング」が生じるので、1/4波長板17を透過させることにより、これらを互いに逆回りの円偏光状態にする(請求項3)。このようにして、合成され、シェーディング補正された2光束が光源部10から射出する。
【0055】
光源部10から射出し、ポリゴンミラー40により偏向された2光束は走査領域へ向かって偏向するが、走査領域へ向かう途上においてfθレンズ32を介してミラー61へ入射し、ミラー61により反射されると、1/4波長板62と偏光子63とを介して受光素子64に入射する。受光素子64は、ミラー61を介する光路上で被走査面50と等価な位置に配備され(図は作図の関係でそのように描かれていない)、2光束とも受光素子64の受光面上に光スポットとして集光する。従ってfθレンズ32は、請求項7記載の発明における、2光束を共通の受光素子64に集光させる「光束集光手段」を構成している。
【0056】
ミラー61により反射された2光束は、1/4波長板62に入射するときには図1(b)に示すように「互いに逆向きの円偏光状態」であり、1/4波長板62を透過することにより、同図に示すように「互いに直交する直線偏光状態」に変換される。このように互いに直交する偏光状態となった2光束は、偏光子63を透過する(請求項3)。
【0057】
図1(b)に示すように、偏光子63の方位(直線偏光光束を最大限透過させる方向)は、光束B1(半導体レーザ11からの光束)の偏光方向に対して角:θだけ傾いており、光束B1,B2が偏光子63を透過する割合は、cos2θ:sin2θになる。そこで、角:θを適当に選ぶことにより、受光素子64の受光面64上において、図1(b)に示すように、光束B1,B2の光強度に大小の差が出るようにするのである。
【0058】
即ち、図1の実施の形態において、走査領域へ向かう2光束に共通に設けられて2光束を互いに直交する直線偏光にする1/4波長板62と、この1/4波長板62と受光素子64との間に配備され、各光束の透過強度を異ならせるような態位に配備された偏光子63とは、受光素子64に入射する2光束の光強度を互いに異ならせる「光強度差別化手段」を構成している(請求項8)。
【0059】
かくして、偏向された2光束は走査領域へ到達するに先立って、光強度を互いに異ならせて共通の受光素子64に集光的に入射する(請求項1)。
受光素子64の受光面は、図1(c)に示すように、直角三角形形状をしており、直角を挾む2辺の一方は「走査方向(図の左右方向)に平行」であり、他方は「走査直交方向(図の上下方向)に平行」である。
従って、受光素子64は、その受光面64Aの走査方向の幅が「走査直交方向へ直線的に増加する形状」を有しており(請求項6)、このため各光束B1,B2が受光面64Aを(走査方向へ)通過する時間が異なる(請求項1)。
なお、図1(c)において、符号SP1,SP2は、光束B1,B2を集光させた光スポットを示す。
【0060】
光束B1,B2が受光面64Aを通過するとき、受光素子64からは受光信号が発せられ、この受光信号は信号化・演算手段65により矩形信号化され、さらに必要な演算を受ける。信号化・演算手段65は、請求項7記載の発明における信号化手段と演算手段とを合わせたものであり、例えばマイクロコンピュータである。受光素子64からの信号は信号化・演算手段65に入力すると、デジタル化され、次いで、2つもしくは3つのスレッシュレベルを用いて矩形信号化される。
【0061】
最初に、図1(c)に示すように、光束B1,B2の形成する光スポットSP1,SP2が走査方向に十分に離れている(図1(a)の間隔:PMが十分に大きい)場合に就き説明する。
【0062】
前述のように、光束B1の光スポットSP1の光強度を光スポットSP2の光スポットよりも大きくし、受光面64Aを横切る時間は、光スポットSP1の方が光スポットSP2よりも短いので、この場合、受光素子64から得られる信号は、図2(a)に示す如きものになる。
【0063】
そこで、この信号を2つのスレッシュレベルTH1,TH2で矩形信号化すると、低い方のスレッシュレベルTH1に応じて、矩形化された信号:T1、高い方のスレッシュレベルTH2に応じて矩形化された信号:T2がそれぞれ得られる(図2(b))。これらの信号:T1,T2のうち、信号:T2は光強度の大きい光束B1にのみ対応するから、信号:T2をもって、光束B1に対する検出信号:Beam1とすることができる(図2(c))。
【0064】
また、信号:T2の反転信号をT2’とし、この信号T2’と上記信号T1との積:T1・T2’を演算すると、光強度の小さい光束B2にのみ対応する矩形化された信号が得られるので、これを光束B2の対する検出信号:Beam2とすることができる。信号:T2の反転信号:T2’を得ることおよび演算:T1・T2’は勿論、信号化・演算手段65において行なわれる。
【0065】
光束B1,B2に対する画像書き出し位置の同期は、光束B1に対しては検出信号:Beam1の立ち上がりを、また光束B2に対しては検出信号:Beam2の立ち上がりを基準として制御すればよい。
【0066】
偏向光束B1,B2が受光素子64の受光面64Aを横切るときの速さ:vは、ポリゴンミラー40の回転速度に応じて一義的に定まる。
そこで、図2(c)に示すように検出信号:Beam1,Beam2の継続時間を、図のようにそれぞれt,tとし、図1(c)に示すように、受光面64の斜辺部が底辺部と成す角を角:αとすると「v・(t−t)tanα」は、光スポットSP1,SP2の副走査方向の間隔(図1(a)の間隔:P)に等しい。従って、信号化・演算手段65に、上記時間:t,tの計時機能と、演算:v・(t−t)tanαを行なう機能を持たせておけば、2つの光スポットの走査直交方向のピッチ:Pを計測することが可能になる(請求項9)。
【0067】
図3に示すように、2つの光スポットSP1,SP2の走査方向の間隔(図1(a)の間隔:PM)が小さくなると、上に説明した方法では光束ごとに分離した検出信号を得ることはできない。この場合には、受光素子64の出力を3つのスレッシュレベルで矩形信号化する。
【0068】
この場合を図4に示す。図4(a)に示すように、3つのスレッシュレベルを低い方から順にTH1,TH2,TH3、これらにより矩形信号化された信号をそれぞれT1,T2,T3、中間のスレッシュレベル:TH2で矩形化信号化された信号:T2の反転信号をT2’とすると、これら及び演算:T1・T2’の結果はそれぞれ図4(b)に示す如きものとなる。
【0069】
これらの信号のうち、信号:T2は、光強度の大きい光束B1にのみ対応するから、信号:T2をもって、光束B1に対する検出信号:Beam1とすることができる(図4(c))。
【0070】
また、演算:T1・T2’+T3の結果は、図4(c)に示すように、光強度の小さい光束B2にのみ対応するので、これを光束B2の対する検出信号:Beam2とすることができる(請求項5)。必要な演算は勿論、信号化・演算手段65において行なわれる。
【0071】
このようにして、光スポットSP2が、光スポットSP1より若干先行している場合(図4(4−1))、光スポットSP1,SP2が走査直交方向に完全に並んでいる場合(図4(4−2))、光スポットSP1が光スポットSP2に若干先行している場合(図4(4−3))、光スポットSP1,SP2が走査方向に十分に分離している場合(図4(4−4))の何れにおいても、各光束B1,B2を確実に分離して検出できる。
【0072】
なお、図1(a)の実施の形態において、シェーディング補正を行なわない場合には1/4波長板17は不要であり、この場合には1/4波長板62も不要であって、偏光子63のみで光束B1,B2の光強度を差別化することができ、上記と同様にして各光束の検出信号を得ることができる。
【0073】
また、図1(a)の実施の形態において、1/4波長板62により2光束の偏光状態を、互いに直交する直線偏光状態としたのち、これらを走査方向に並んだ2つの受光素子に相次いで入射させ、各受光素子の受光面に偏光子を設け、これら偏光子の偏光の方位を互いに直交させるようにすることも考えられる。
【0074】
図5は、請求項7記載の発明の実施の1形態を示している。図1の形態と同じ部分に就いては、図1(a)におけると同一の符号を付した。受光素子64は、図1(c)に示す如き受光面形状を有する。
【0075】
この実施の形態では、光強度差別化手段が、図示されない「光源制御手段」であり、2光束(図1に即して説明した2光束B1,B2)が走査領域へ向かうとき、半導体レーザ11,12の発光強度を互いに異ならせるように各半導体レーザを制御する(請求項2)。
【0076】
このとき、半導体レーザ11の発光強度が、半導体レーザ12の発光強度より大きくなるように制御を行なえば、図2,4に即して説明したのと全く同様にして、各光束B1,B2に対応する検出信号:Beam1,Beam2を得ることができる。
この場合にも、演算:v・(t2−t1)tanαにより、2つの光スポットの走査直交方向のピッチ:PSを計測することが可能である。
【0077】
図5の実施の形態では、図1の実施の形態に比較して、1/4波長板62や偏光子63が不要であるので、コストの低減化が可能である。
【0078】
図1,図5の実施の形態において、受光素子64の受光面の形状は図1(c)に示す形状の斜辺の側を、光束を迎え入れる側にしても良く、あるいは上下を逆にして用いても良い。また受光面の形状は、走査直交方向に頂点を向けた2等辺3角形等、種々の形状が可能である。
【0079】
図6は、前述の参考例の2ビーム走査装置の実施の1形態を示す図であり、参考例の2ビーム検出方法を実施する。
【0080】
図1の実施の形態と同じ部分は、図1(a)におけると同一の符号を付した。図1(a)に示す実施の形態と異なり、1/4波長板62を透過した2光束は偏光ビームスプリッタ70に入射する。図1(b)に即して説明したように、1/4波長板62を透過した2光束は、その偏光状態が互いに直交する直線偏光状態となっているので、半導体レーザー11からの光束(光束B1とする)は偏光ビームスプリッタ70を透過して受光素子71に集光的に入射する。従って、受光素子71の出力により光束B1の検出信号を得ることができる。
【0081】
半導体レーザ12からの光束(光束B2とする)は、偏光ビームスプリッタ70により反射されることにより光束B1と空間的に分離し、受光素子72に入射して対応する検出信号を発生させる。
【0082】
図7は請求項15記載のマルチビーム走査装置の実施の1形態を図1(a)に倣って示している。繁雑を避けるため、混同の虞れがないと思われるものに就いては図1(a)におけると同一の符号を用いた。
【0083】
光源部100は、図1(a)に即して説明したものと同様であるが、半導体レーザ光源として、半導体レーザアレイ110,120が用いられている(請求項17)。半導体レーザアレイ110,120は共に、2つの発光部をモノリシックに有する半導体レーザ光源で、半導体レーザアレイ110,120の各発光部の配列方向は互いに平行となっており、光源部100からは、隣接する光束間の方向が角:θだけ異なる4本の平行光束(繁雑を避けるため2本のみが示されている)が放射される。
【0084】
これら4本の光束は、シェーディング対策のため1/4波長板17により円偏光となって光源部100から放射され、光スポット整形用のアパーチュア板200の開口部を通過してシリンダレンズ30に入射し、シリンダレンズ30により副走査対応方向にのみ集光され、「共通の光偏向器」であるポリゴンミラー40の偏向反射面41の近傍に主走査対応方向に長い線像として結像する。ポリゴンミラー40の回転により偏向された偏向光束は「共通の走査結像光学系」であるfθレンズ32の作用により被走査面50上に4つの光スポットとして集光し、実体的には感光体の感光面である被走査面50を走査する。
【0085】
半導体レーザアレイ110,120と、これらに対応するコリメートレンズ13,14との位置関係と、図の角:θA,θBにより、被走査面50上における4つのスポットにおける隣接スポット間の主・副走査方向の間隔:PM,PSが定まる。また、光源部10を、コリメートレンズ13の光軸の回りに回転調整することで、PM,PSの調整が可能である。
【0086】
即ち、図7は、2つの「半導体レーザ光源」である半導体レーザアレイ110,120からの4光束を、共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面50上に4つの光スポットとして集光させ、4走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置の実施の形態を示している。
【0087】
この装置は、fθレンズ32を透過して走査領域へ向かう4光束を受光する共通の受光素子640と、受光素子640に向けて上記4光束を反射するミラー61を有する。受光素子640の受光面上に入射する4光束はいずれも「光束集光手段」であるfθレンズ32により光スポットとして受光面近傍に集光する。
【0088】
この実施の形態においては、半導体レーザ110,120の駆動手段(図7に図示されていない)である「光源制御手段」が「光強度差別化手段」を構成し、マルチビーム検出を行うときは4つの発光部のそれぞれの発光強度を異ならせ、受光素子640に入射する4光束の光強度を相互に異ならせる(請求項18)。
【0089】
図8(d)は、4光束に共通の受光素子640における受光面640Aの形状と、受光面640Aを順次に通過する4つの光スポットとの関係を説明図的に示している。図8(d)では、光スポットS1〜S4相互の、走査方向(図の左右方向)の間隔が実際よりも縮めて描かれているが、実際には、光スポットSP1〜SP4は図の左右方向にもっと離れており、受光面640Aは一度に1個の光スポットのみを受光するようになっている。
【0090】
各光スポットSP1〜SP4を形成する光束B1〜B4が、図の矢印のように受光面640Aを通過すると、各光束は光強度が互いに異なり、受光面640Aは走査方向(図の左右方向)の幅が走査直交方向(図の上下方向)へ直線的に変化しているので、受光素子640からは図8(a)に示すような出力が得られる。
【0091】
この出力を図8(a)に示すように互いに異なる4つのスレッシュレベル:TH1’〜TH4’で「矩形信号化」すると、スレッシュレベル:TH1’〜TH4’に応じて、図8(b)に示すような矩形信号:τ1〜τ4が得られる。スレッシュレベル:TH1’〜TH4’による矩形信号化は「矩形信号化手段」をなすマイクロコンピュータ等である信号化・演算手段650により行われる。
【0092】
信号化・演算手段650は「演算手段」を兼ね、矩形信号:τ1〜τ4に対して以下の演算を行う。即ち、矩形信号:τiのうち、i=1〜3に対する反転信号:τi’を生成し、矩形信号:τ2〜τ4との間で、演算:τ2・τ1’,τ3・τ2’,τ4・τ3’を行う。演算の結果と矩形信号:τ1とを図8(c)に示す。
【0093】
演算:τ2・τ1’,τ3・τ2’,τ4・τ3’の結果は矩形信号で互いに分離し、且つ、矩形信号:τ1とも分離している。これら矩形信号:τ1,τ2・τ1’,τ3・τ2’,τ4・τ3’は、それぞれ光束B1〜B4の光スポットSP1〜SP4に対応するから、光束B1〜B4の検出信号:Beam1〜Beam4として使用することができる。
【0094】
即ち、図7および図8に即して説明した実施の形態において、マルチビーム走査装置は、独立した4個の光源(半導体レーザアレイの発光部)からの光束を共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に4個の光スポットとして集光させ、4本の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置であり、走査領域へ向かう4光束の光強度を互いに異ならせて共通の受光素子640に集光的に入射させるとともに、各光束が受光素子640の受光面640Aを通過する時間が異なるように受光素子640の受光面640Aの形状が設定され、受光素子640からの出力を互いに異なる複数のスレッシュレベル:TH1’〜TH4’で矩形信号化し、その内の1つのスレッシュレベルにより矩形信号化された信号:τ1を1つの光束:B1に対する検出信号とし、各スレッシュレベルで矩形信号化された複数の信号に対して所定の演算を行なって他の光束B2〜B4に対する検出信号とすることにより4光束を互いに分離して検出するという「請求項10記載の発明」を実施する。
【0095】
そして上記実施の形態では、各光源の発光強度を異ならせることにより、走査領域へ向かう4光束の光強度が互いに異ならせられ(請求項11)、4つのスレッシュレベルで矩形信号化された信号をτiに対し反転信号をτi’を用いて、演算:τi・τj’を行い、光束の検出信号とする(請求項12)。また、光源部の発光部を構成するのは「2つの独立した半導体レーザアレイ」である(請求項13)。
【0096】
図7に示す信号化・演算手段650はまた、4本の光束B1〜B4の各々に対応する光スポットS1〜S4が受光面640Aを通過するときの通過速度:vと各通過時間:t〜t(図8(c)参照)と、受光面640Aの底角:αを用いて、演算:
S1=v・(t−t)・tanα,PS2=v・(t−t)・tanα,
S3=v・(t−t)・tanα
を行い、光スポットSP1〜SP4の走査直交方向のピッチ:PS1〜PS3(図8(c)参照)を演算する機能を有する(請求項19)。
【0097】
図7,図8に即して説明した実施の形態において、光源部10における半導体レーザ光源110,120の一方を「通常の単一の発光部を持つ半導体レーザ」とすれば3光束で3走査線を一度に走査する場合の実施の形態となり、また、半導体レーザ光源110,120の双方を2以上の発光部を持つものとすることにより、一度に4以上の走査線を走査するマルチビーム走査装置を実現でき、何れの場合も上記と同様にして、各光束を分離してマルチビーム検出を行うことができ、走査直交方向のピッチを算出することもできる。
【0098】
図9(a)は、請求項16記載の発明のマルチビーム走査装置の実施の1形態を示している。繁雑を避けるため、混同の虞れがないと思われるものについては図7におけると同一の符号を用いた。図9(a)から1/4波長板62と偏光ビームスプリッタ70、受光素子710,720を除く部分は、図7の実施の形態と同様であるので、図9では特徴部分のみ説明する。
【0099】
1/4波長板62を透過した4光束は偏光ビームスプリッタ70に入射する。1/4波長板62を透過した4光束は、その偏光状態が互いに直交する直線偏光状態に戻るので、半導体レーザーアレイ110からの光束(光束B1,B2とする)は偏光ビームスプリッタ70を透過して受光素子710に集光的に入射する。一方、半導体レーザ120からの光束(光束B3,B4とする)は、偏光ビームスプリッタ70により反射されることにより光束B1,B2と空間的に分離し、受光素子720に入射する。
【0100】
即ち、図9(a)に示す実施の形態において、半導体レーザアレイである2つの半導体レーザ光源110,120からの光束は、共通の1/4波長板17により「半導体レーザ光源ごとに互いに逆回りの円偏光」とされ、共通の光偏向器40の偏向反射面で反射されて偏向し、偏向された各偏向光束は共通の走査結像光学系32により被走査面50上に4つの光スポットとして集光し、4走査線を同時に走査する。
【0101】
走査領域へ向かう各光束は、別の共通の1/4波長板62を透過し、偏光ビームスプリッタ70により半導体レーザ光源110,120に応じ、空間的に分離する。空間的に分離された光束群は2つの受光素子710,720に受光され、検出信号用の出力を発生させる。図7の実施の形態と同様に、半導体レーザ110,120の駆動手段である図示されない「光源制御手段」が「光強度差別化手段」を構成し、マルチビーム検出を行うときは、4つの発光部のそれぞれの発光強度を異ならせ、受光素子640に入射する4光束の光強度を相互に異ならせる(請求項18)。
【0102】
受光素子710,720の受光面形状は、図9(b)に示すように、底角が直角と角:αとである直角三角形形状であり、受光面710Aは光束B1,B2による光スポットSP1,SP2を受光し、受光面720Aは光束B3,B4による光スポットSP3,SP4を受光する。
【0103】
従って、光スポットSP1とSP2、光スポットSP3とSP4とが走査方向に十分離れていて、各受光面710A,720Aが「一度に1個の光スポットを受光する場合」には、前述の図2に即して説明したのと同様の方法を各受光素子710,720の出力に対して行う(図されない信号化・演算手段により行われる)ことにより、また、光スポットSP1とSP2、光スポットSP3とSP4とが走査方向に近接している場合には、図4に即して説明したのと同様の方法を各受光素子710,720の出力に対して行う(図示しない信号化・演算手段により行われる)ことにより、4光束を互いに分離して検出することができる。
【0104】
即ち、図9の実施の形態のマルチビーム走査装置は請求項14記載の発明のマルチビーム検出方法を実施する。
【0105】
また、4本の光束B1〜B4の各々に対応する光スポットS1〜S4が、それぞれ受光面710A,720Aを通過するときの通過速度:および各通過時間:t1〜t4と、受光面710A,720Aの底角:αを用いて、演算:
S1=v・(t2−t1)・tanα,
S3=v・(t4−t3)・tanα
を行えば、光スポットSP1,SP2の走査直交方向のピッチ:PS1と光スポットSP1,SP2の走査直交方向のピッチ:PS3を演算できることは明らかである。光スポットSP2,SP3の走査直交方向のピッチ:PS3は、図9(b)に示す走査直交方向の距離:Dを用いると、演算:
S3=(D+v・t3・tanα)−v・t2・tanα
=D+(t3−t2)・v・tanα
を行うことにより知ることができる。
【0106】
複数の光源からの光束を合成する手段は、上に説明した例に限らず、図10の(a)に示すような反射面16A1と半透鏡面16A2,16A3,16A4を有するプリズム16Aを用いて行っても良いし、(b)に示すように、反射面16B1と半透鏡面16B2,16B3,16B4を有するプリズム16Bを用いて行っても良い。このようなプリズムを「光強度差別化手段」として用いると、互いに等しい光強度の光束を合成するのみで「各光束の強度を異ならせる」ことができる。
【0107】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な2ビーム走査装置および2ビーム検出方法を実現できる。
この発明の2ビーム検出方法によれば、2つの光源を点灯させた状態で、2光束を確実に検出できる。請求項2記載の2ビーム検出方法では、シェーディング補正を行なうか否かに拘らず2光束の検出が可能であり、請求項3記載の2ビーム検出方法ではシェーディング補正を行ないつつ2光束を確実に検出できる。
【0108】
また、この発明の2ビーム走査装置では、2光束を確実に分離して検出できるので、走査開始の同期を光束ごとに独立して行なうことができ、良好な2ビーム走査を行なうことができる。また請求項10記載の2ビーム走査装置では、同時に走査する2つの走査線の間隔を計測することが可能である。
【0109】
また、この発明によれば新規なマルチビーム走査装置およびマルチビーム検出方法を実現できる。
この発明のマルチビーム検出方法によれば、複数の発光部を点灯させた状態で、2以上の光束を確実に検出できる。請求項10〜12記載のマルチビーム検出方法では、シェーディング補正を行なうか否かに拘らず2以上の光束の検出が可能であり、請求項13,14記載のマルチビーム検出方法ではシェーディング補正を行ないつつ2以上の光束を確実に検出できる。
【0110】
また、この発明のマルチビーム走査装置では、3以上の光束を確実に分離して検出できるので、走査開始の同期を光束ごとに独立して行なうことができ、良好なマルチビーム走査を行なうことができる。また請求項19記載のマルチビーム走査装置では、同時に走査する2以上の走査線の間隔を計測することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項6記載の発明の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】 図1の実施の形態における検出信号の形成を説明するための図である。
【図3】 図1の実施の形態における2つの光スポットの位置関係と、受光素子の受光面との関係の例を示す図である。
【図4】 請求項5記載の発明を説明するための図である。
【図5】 請求項7記載の発明の実施の1形態を説明するための図である。
【図6】 参考例の実施の1形態を説明するための図である。
【図7】 請求項15記載の発明の実施の1形態を説明するための図である。
【図8】 図7の実施の形態における検出信号の形成を説明するための図である。
【図9】 請求項16記載の発明の実施の1形態を説明するための図である。
【図10】 複数光束を合成する別の例を2例示す図である。
【符号の説明】
10 光源部
11,12 光源(半導体レーザ)
30 シリンダレンズ
32 走査結像光学系(fθレンズ)
40 光偏向器
41 偏向反射面
50 被走査面
62 1/4波長板
63 偏光子
64 受光素子
64A 受光面
100 光源部
110,120 半導体レーザアレイである半導体レーザ光源
640 受光素子
640A 受光面

Claims (19)

  1. 独立した2つの光源からの光束を共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に2つの光スポットとして集光させ、2走査線を同時に走査する2ビーム走査装置において、
    走査領域へ向かう2光束を互いに分離して検出する方法であって、
    走査領域へ向かう2光束の光強度を互いに異ならせて共通の受光素子に集光的に入射させるとともに、各光束が上記受光素子の受光面を通過する時間が異なるように上記受光素子の受光面形状を設定し、
    上記受光素子からの出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化し、その内の1つのスレッシュレベルにより矩形信号化された信号を一方の光束に対する検出信号とし、
    各スレッシュレベルで矩形信号化された複数の信号に対して所定の演算を行なって他方の光束に対する検出信号とすることを特徴とする2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法。
  2. 請求項1記載の2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法において、
    各光源の発光強度を異ならせることにより、走査領域へ向かう2光束の光強度を互いに異ならせることを特徴とする2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法。
  3. 請求項1記載の2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法において、
    各光源は半導体レーザであり、各光源からの光束は第1の1/4波長板により互いに逆回りの円偏光とされており、
    走査領域へ向かう2光束を第2の1/4波長板で、偏光方向が互いに直交する直線偏光に戻し、これら2光束を共通の偏光子に通過させることにより互いに光強度の異なる2光束とすることを特徴とする2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法。
  4. 請求項1または2または3記載の2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法において、
    共通の受光素子からの出力を互いに異なる2つのスレッシュレベルで矩形信号化し、高い方のスレッシュレベルにより矩形信号化された信号をT2、低い方のスレッシュレベルで矩形信号化された信号をT1、上記信号:T2の反転信号をT2’とするとき、
    信号:T2を一方の光束の検出信号とし、
    演算:T1・T2’の結果を他方の検出信号とすることを特徴とする2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法。
  5. 請求項1または2または3記載の2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法において、
    共通の受光素子からの出力を互いに異なる3つのスレッシュレベルで矩形信号化し、高い方のスレッシュレベルにより矩形信号化された信号をT3、低い方のスレッシュレベルで矩形信号化された信号をT1、中間のスレッシュレベルで矩形信号化された信号をT2、上記信号:T2の反転信号をT2’とするとき、
    信号:T2を一方の光束の検出信号とし、
    演算:T1・T2’+T3の結果を他方の検出信号とすることを特徴とする2ビーム走査装置用の2ビーム検出方法。
  6. 独立した2つの半導体レーザからの光束を共通の1/4波長板により互いに逆回りの円偏光としたのち、光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に2つの光スポットとして集光させ、2走査線を同時に走査する2ビーム走査装置において、
    走査領域へ向かう2光束を受光する共通の受光素子と、
    上記2光束を上記共通の受光素子に集光させる光束集光手段と、
    上記受光素子に入射する2光束の光強度を互いに異ならせる光強度差別化手段と、
    上記受光素子の出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化する信号化手段と、
    この信号化手段から得られる各信号に対して所定の演算を行なう演算手段とを有し、
    上記受光素子は、その受光面の走査方向の幅が、走査直交方向へ直線的に増加する形状の受光面形状を有することを特徴とする2ビーム走査装置。
  7. 請求項6記載の2ビーム走査装置において、
    光強度差別化手段は、2光束が走査領域へ向かうとき、各半導体レーザの発光強度を互いに異ならせるように、各半導体レーザを制御する光源制御手段であることを特徴とする2ビーム走査装置。
  8. 請求項6記載の2ビーム走査装置において、
    光強度差別化手段は、走査領域へ向かう2光束に共通に設けられて2光束を互いに直交する直線偏光にする1/4波長板と、この1/4波長板と受光素子との間に配備され、各光束の透過強度を異ならせるような態位に配備された偏光子とを有することを特徴とする2ビーム走査装置。
  9. 請求項6または7または8記載の2ビーム走査装置において、
    演算手段が、信号化手段から得られる信号により、2つの光スポットの走査直交方向のピッチを演算する機能を有することを特徴とする2ビーム走査装置。
  10. 独立したn(≧2)個の光源からの光束を共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上にn個の光スポットとして集光させ、n本の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置において、
    走査領域へ向かうn光束を互いに分離して検出する方法であって、
    走査領域へ向かうn光束の光強度を互いに異ならせて共通の受光素子に集光的に入射させるとともに、各光束が上記受光素子の受光面を通過する時間が異なるように上記受光素子の受光面形状を設定し、
    上記受光素子からの出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化し、その内の1つのスレッシュレベルにより矩形信号化された信号を1つの光束に対する検出信号とし、
    各スレッシュレベルで矩形信号化された複数の信号に対して所定の演算を行なって他の光束に対する検出信号とすることを特徴とするマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法。
  11. 請求項10記載のマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法において、
    各光源の発光強度を異ならせることにより、走査領域へ向かうn光束の光強度を互いに異ならせることを特徴とするマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法。
  12. 請求項10または11記載のマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法において、
    n個の光スポットを、共通の受光素子に一度に1つずつ受光されるように、主走査方向に分離し、
    上記共通の受光素子からの出力を互いに異なるn個のスレッシュレベルで矩形信号化し、スレッシュレベルの高い側から数えて第i番目のスレッシュレベルにより矩形信号化された信号をτi(i=1〜n)、信号:τiの反転信号をτi’とするとき、
    信号:τ1を最高光強度の光束の検出信号とし、
    演算:τi・τj’(i=2〜n,j=i−1)を、第i番目の光強度の光束の検出信号とすることを特徴とするマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法。
  13. 請求項10または11または12記載のマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法において、
    光源が、少なくとも一方は半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源であることを特徴とするマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法。
  14. 少なくとも一方は半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源からの3以上の光束を、共通の1/4波長板により半導体レーザ光源ごとに互いに逆回りの円偏光としたのち共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に3以上の光スポットとして集光させ、3以上の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置において、
    走査領域へ向かう各光束を互いに分離して検出する方法であって、
    走査領域へ向かう各光束を、その光強度を互いに異ならせて別の共通の1/4波長板を介して偏光ビームスプリッタに入射させて、半導体レーザ光源ごとの光束を空間的に分離し、分離された各光束群を、それぞれに対応する受光素子に入射させるとともに、2以上の光束を受光する受光素子の受光面形状を、該受光素子に入射する光束が受光面を通過する時間が異なるように設定し、
    2以上の光束を受光する受光素子からの出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化し、その内の1つのスレッシュレベルにより矩形信号化された信号を1つの光束に対する検出信号とし、
    各スレッシュレベルで矩形信号化された複数の信号に対して所定の演算を行なって他の光束に対する検出信号とすることを特徴とするマルチビーム走査装置用のマルチビーム検出方法。
  15. 少なくとも一方は半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源からの3以上の光束を、共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に3以上の光スポットとして集光させ、3以上の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置において、
    走査領域へ向かう各光束を受光する共通の受光素子と、
    上記3以上の光束を上記共通の受光素子に集光させる光束集光手段と、
    上記受光素子に入射する各光束の光強度を互いに異ならせる光強度差別化手段と、
    上記受光素子の出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化する信号化手段と、
    この信号化手段から得られる各信号に対して所定の演算を行なう演算手段とを有し、
    上記受光素子は、その受光面の走査方向の幅が、走査直交方向へ直線的に増加する形状の受光面形状を有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  16. 少なくとも一方は半導体レーザアレイである、独立した2つの半導体レーザ光源からの3以上の光束を共通の1/4波長板により、半導体レーザ光源ごとに互いに逆回りの円偏光としたのち共通の光偏向器の偏向反射面で反射させて偏向させ、偏向された各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面上に3以上の光スポットとして集光させ、3以上の走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置において、
    走査領域へ向かう各光束を透過させる別の共通の1/4波長板と、
    この別の1/4波長板を透過した3以上の光束を、半導体レーザ光源ごとに空間的に分離する偏光ビームスプリッタと、
    空間的に分離された光束群を対応的に受光して、検出信号用の出力を出力する2つの受光素子とを有し、
    2以上の光束を放射する半導体レーザ光源から放射される光束の光強度を互いに異ならせる光強度差別化手段と、
    2以上の光束を受光する受光素子の出力を互いに異なる複数のスレッシュレベルで矩形信号化する信号化手段と、
    この信号化手段から得られる各信号に対して所定の演算を行なう演算手段とを有し、
    上記2以上の光束を受光する受光素子の受光面形状を、該受光素子に入射する光束が受光面を通過する時間が異なるように設定したことを特徴とするマルチビーム走査装置。
  17. 請求項15または16記載のマルチビーム走査装置において、
    2つの半導体レーザ光源がともに、半導体レーザアレイであることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  18. 請求項15または16または17記載のマルチビーム走査装置において、
    光強度差別化手段は、各光束が走査領域へ向かうとき、各半導体レーザ光源の発光部の発光強度を互いに異ならせるように、各半導体レーザ光源を制御する光源制御手段であることを特徴とするマルチビーム走査装置。
  19. 請求項15〜18の任意の1に記載のマルチビーム走査装置において、
    演算手段が、信号化手段から得られる信号により、3以上の光スポットの走査直交方向のピッチを演算する機能を有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
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