JP4032637B2 - トラッピング処理装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の色成分の重ね合わせで画像を印刷する際の版ずれに起因する白抜けの発生を抑制するトラッピング処理を行う装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像の印刷は、複数の色成分(通常はC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)およびK(ブラック)の4色)の重ね合わせで行われるのが一般的である。例えば、ゼログラフィ技術に基づくカラー画像印刷では、CMYKのうちの何れかの第1の色成分のトナーを用いて出力用紙上に印刷し、続いて第2の色成分のトナーを用いて重ねて該出力用紙上に印刷し、以下同様に第3,第4の色成分のトナーを用いて更に重ねて該出力用紙上に印刷する。インクジェット技術に基づくカラー画像印刷でも、CMYKの4つの色成分を重ね合わせ用紙上に印刷する。このような複数の色成分の重ね合わせでカラー画像を印刷する場合には、1枚の出力用紙上に複数の色成分それぞれで印刷される画像の位置がずれる場合がある。この現象を版ずれと言う。
【0003】
版ずれが起きると白抜けが生じる場合がある。図5は、版ずれに因る白抜けを説明する図である。同図(a)に示すように、本来は境界Zで接している2つの領域A,Bを考える。各画素におけるCMYKの網点面積率を(C(%),M(%),Y(%),K(%))で表して、一方の領域Aの色が(100,0,0,0)であるとし、他方の領域Bの色が(0,0,60,0)であるとする。そして、シアン画像とイエロー画像との間で版ずれが起きると、同図(b)に示すように、領域Aおよび領域Bそれぞれの色が重なって色が(100,0,60,0)である領域Cが生じる他、色が(0,0,0,0)である白色領域Dが生じる。この白色領域Dが生じる現象を白抜けと言う。このような版ずれに因る白抜けが生じると、出力用紙上に印刷されたカラー画像の品質が劣悪なものとなる。
【0004】
そこで、版ずれに起因する白抜けの発生を抑制する為にトラッピング処理を行うことが提案されている(例えば、特開平11−34406号公報、特開2000−106628号公報および特開2000−165693号公報を参照)。図6および図7は、従来のトラッピング技術を説明する図である。
【0005】
図6(a)では、本来は境界Zで接している2つの領域A,Bのうち前景オブジェクトに相当する領域Bの周囲(境界Zの外側の領域Aの部分)にトラップ領域A1を指定して、このトラップ領域A1の色を、元の領域Aおよび領域Bそれぞれの色を重ねた色(100,0,60,0)とする。この技術をスプレッドと言う。このとき、シアン画像とイエロー画像との間で版ずれが起きると、図6(b)に示すように、トラップ領域A1の形状が変化するものの、白抜けが生じない。
【0006】
一方、図7(a)では、本来は境界Zで接している2つの領域A,Bのうち背景に相当する領域Aの周囲(境界Zの内側の領域Bの部分)にトラップ領域B1を指定して、このトラップ領域B1の色を、元の領域Aおよび領域Bそれぞれの色を重ねた色(100,0,60,0)とする。この技術をチョークと言う。このとき、シアン画像とイエロー画像との間で版ずれが起きると、図7(b)に示すように、トラップ領域B1の形状が変化するものの、白抜けが生じない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトラッピング処理技術では、版ずれが生じたときのオブジェクトが実際より拡大または縮小して見える場合があり、画質が低下する場合がある。例えば、スプレッド技術を採用した図6(a)において、背景に相当する領域Aの色を(100,0,0,0)とし、前景オブジェクトに相当する領域Bの色を(0,0,60,0)とすると、版ずれが生じたときの前景オブジェクトは実際より拡大して見える。一方、チョーク技術を採用した図7(a)において、背景に相当する領域Aの色を(100,0,0,0)とし、前景オブジェクトに相当する領域Bの色を(0,0,60,0)とすると、版ずれが生じたときの前景オブジェクトは実際より縮小して見える。
【0008】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、版ずれが生じてもオブジェクトが実際のものと同程度の大きさに見えるトラッピング処理を行う装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るトラッピング処理装置は、複数の色成分の重ね合わせでカラー画像を印刷する際の版ずれに起因する白抜けの発生を抑制するトラッピング処理を行う装置であって、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界を抽出する境界抽出手段と、境界抽出手段により抽出された境界の両側それぞれに対してトラッピング処理を行うべきトラップ領域を指定する領域指定手段と、領域指定手段により指定される各トラップ領域に対してトラップ色を指定する色指定手段と、を備えることを特徴とする。更に、領域指定手段は、境界の両側それぞれに対して互いに異なる1以上の数のトラップ領域を指定することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るトラッピング処理方法は、複数の色成分の重ね合わせでカラー画像を印刷する際の版ずれに起因する白抜けの発生を抑制するトラッピング処理を行う方法であって、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界を抽出する境界抽出ステップと、境界抽出ステップで抽出された境界の両側それぞれに対してトラッピング処理を行うべきトラップ領域を指定する領域指定ステップと、領域指定ステップで指定される各トラップ領域に対してトラップ色を指定する色指定ステップと、を備えることを特徴とする。更に、領域指定ステップにおいて、境界の両側それぞれに対して互いに異なる1以上の数のトラップ領域を指定することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るトラッピング処理装置(トラッピング処理方法)によれば、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界が、境界抽出手段により(境界抽出ステップにおいて)抽出される。そして、この境界抽出手段により(境界抽出ステップにおいて)抽出された境界の両側それぞれに対してトラッピング処理を行うべきトラップ領域が、領域指定手段により(領域指定ステップにおいて)指定される。このとき、境界の両側それぞれに対して互いに異なる1以上の数のトラップ領域が指定される。また、この領域指定手段により(領域指定ステップにおいて)指定される各トラップ領域に対してトラップ色が、色指定手段により(色指定ステップにおいて)指定される。このように、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界の両側それぞれに対して互いに異なる1以上の数のトラップ領域とトラップ色とが指定されるので、カラー画像の印刷の際に版ずれが生じても、色抜けの発生が抑制され、また、オブジェクトが実際のものと同程度の大きさに見える。
【0012】
本発明に係るトラッピング処理装置では、領域指定手段は、境界の両側の領域それぞれの明度の差に応じて、境界の両側それぞれに対して互いに異なる数のトラップ領域を指定するのが好ましい。また、本発明に係るトラッピング処理方法では、領域指定ステップにおいて、境界の両側の領域それぞれの明度の差に応じて、境界の両側それぞれに対して互いに異なる数のトラップ領域を指定するのが好ましい。
【0013】
本発明に係るトラッピング処理装置では、色指定手段は、境界から離れたトラップ領域ほどトラップ処理に付加される色成分の値を小さくするのが好ましい。また、本発明に係るトラッピング処理方法では、色指定ステップにおいて、境界から離れたトラップ領域ほどトラップ処理に付加される色成分の値を小さくするのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態に係るトラッピング処理装置1の概略構成図である。このトラッピング処理装置1は、CMYKの4色の色成分の重ね合わせでカラー画像を印刷する際の版ずれに起因する白抜けの発生を抑制するトラッピング処理を行う装置であり、例えば、カラー画像を印刷する印刷装置に含まれ、或いは、カラー画像を印刷する印刷装置へ当該画像データを送信するクライアント装置に含まれる。このトラッピング処理装置1は、境界抽出手段10、領域指定手段20および色指定手段30を備える。
【0016】
図2は、本実施形態に係るトラッピング処理方法を説明するフローチャートである。このトラッピング処理方法は、CMYKの4色の色成分の重ね合わせでカラー画像を印刷する際の版ずれに起因する白抜けの発生を抑制するトラッピング処理を行う方法であり、例えば、カラー画像を印刷する印刷装置において実行され、或いは、カラー画像を印刷する印刷装置へ当該画像データを送信するクライアント装置において実行される。このトラッピング処理方法は、境界抽出ステップS1、領域指定ステップS2および色指定ステップS3を備える。境界抽出ステップS1は、トラッピング処理装置1の境界抽出手段10により行われる処理である。領域指定ステップS2は、トラッピング処理装置1の領域指定手段20により行われる処理である。また、色指定ステップS3は、トラッピング処理装置1の色指定手段30により行われる処理である。なお、領域指定ステップS2および色指定ステップS3は、順次に行われてもよいが、並列的に行われてもよい。
【0017】
境界抽出手段10は(境界抽出ステップS1では)、印刷すべきカラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界を抽出する。具体的には、境界抽出手段10は、カラー画像における全ての隣接(縦および横だけでなく斜めにも隣接する場合も含む。)する2つ画素の組み合わせについて、一方の第1の画素の色(C1,M1,Y1,K1)と他方の第2の画素の色(C2,M2,Y2,K2)とを比較する。そして、第1の画素のCMYKの4色の色成分のうち0でない何れかの色成分が第2の画素で0であり、且つ、第2の画素のCMYKの4色の色成分のうち0でない何れかの色成分が第1の画素で0であるときに、境界抽出手段10は、第1の画素と第2の画素との間にトラッピング処理を行うべき境界が存在すると判断する。境界抽出手段10は、カラー画像における全ての隣接する2つ画素の組み合わせについてこのような判断を行って、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界を抽出する。なお、第1の画素の色と第2の画素の色とが上記条件を満たす場合であっても、何れかの画素の明度が所定の閾値より大きいときには、境界抽出手段10は、第1の画素と第2の画素との間にトラッピング処理を行うべき境界が存在しないと判断するのが好適である(詳細については後述する。)。
【0018】
図3は、本実施形態に係るトラッピング処理装置1の境界抽出手段10による処理内容を説明する図である。この図において、2次元配列された多数の矩形枠それぞれは画素を表しており、太線は或る一定色の領域Aと他の一定色の領域Bとの境界を表している。図3(a)に示すように、領域A内の第1の画素の色が(80,0,0,0)であり、領域B内の第2の画素の色が(80,20,0,0)であれば、C1≠0,C2≠0 であるので、版ずれが起きても白抜けが生じないから、境界抽出手段10は、これら第1の画素と第2の画素との間にはトラッピング処理を行うべき境界が存在しないと判断する。一方、図3(b)に示すように、領域A内の第1の画素の色が(80,0,0,0)であり、領域B内の第2の画素の色が(0,20,0,0)であれば、C1≠0,C2=0,M1=0,M2≠0 であるので、版ずれが起きると白抜けが生じる可能性があるから、境界抽出手段10は、これら第1の画素と第2の画素との間にトラッピング処理を行うべき境界Zが存在すると判断する。
【0019】
領域指定手段20は(領域指定ステップS2では)、境界抽出手段10により抽出された境界Zの両側それぞれに対してトラッピング処理を行うべきトラップ領域を指定する。図4は、本実施形態に係るトラッピング処理装置1の領域指定手段20による処理内容を説明する図である。図4(a)は、トラップ領域指定前の元のカラー画像を示しており、この元のカラー画像では、色が(80,0,0,0)である領域Aと、色が(0,20,0,0)である領域Bとが、境界Zで接している。この境界Zは、トラッピング処理を行うべき境界であると境界抽出手段10により判断されたものである。図4(b)には、領域指定手段20により指定されたトラップ領域A1およびB1が示されている。この図に示すように、トラップ領域A1は境界Zに接して領域Aの側に設けられており、トラップ領域B1は境界Zに接して領域Bの側に設けられている。トラップ領域A1の幅dA1とトラップ領域B1の幅dB1との和(dA1+dB1)は、CMYKそれぞれの色成分の印刷の際の版ずれの程度を考慮して、版ずれが起きても白抜けが生じないように決定される。そして、色指定手段30は(色指定ステップS3では)、領域指定手段20により指定されるトラップ領域A1およびB1それぞれに対してトラップ色を指定する。各トラップ色は、印刷装置やトナーまたはインクなどの性質に応じて、版ずれが生じたときにオブジェクトの形状が出来るだけ崩れないように決定される。
【0020】
また、領域指定手段20は、境界抽出手段10により抽出された境界Zの両側それぞれの色の組み合わせに応じて、境界抽出手段10により抽出された境界Zの両側または一方の側に対して複数のトラップ領域を指定するのも好適である。例えば、図4(c)には、境界Zに接して領域Bの側に対して1つのトラップ領域B1を指定する一方で、境界Zに接して領域Aの側に対して2つのトラップ領域A1,A2を指定する場合が示されている。この場合、トラップ領域A1は境界Zに接して領域Aの側に設けられ、トラップ領域A2はトラップ領域A1に接して領域Aの側に設けられる。また、例えば、図4(d)には、境界Zに接して領域Aの側に対して2つのトラップ領域A1,A2を指定するとともに、境界Zに接して領域Bの側に対しても2つのトラップ領域B1,B2を指定する場合が示されている。この場合、トラップ領域B1は境界Zに接して領域Bの側に設けられ、トラップ領域B2はトラップ領域B1に接して領域Bの側に設けられる。これらの場合も、各トラップ領域の幅の和は、CMYKそれぞれの色成分の印刷の際の版ずれの程度を考慮して、版ずれが起きても白抜けが生じないように決定される。そして、色指定手段30は、領域指定手段20により指定されるトラップ領域A1,A2,B1(およびB2)それぞれに対してトラップ色を指定する。このときも、各トラップ色は、版ずれが生じたときにオブジェクトの形状が出来るだけ崩れないように決定される。
【0021】
なお、領域指定手段20は、境界抽出手段10により抽出された境界Zの両側それぞれの色の組み合わせによっては、境界抽出手段10により抽出された境界Zの一方の側に対して1つトラップ領域を指定してもよい。すなわち、図4(e)に示すように境界Zに接して領域Aの側にトラップ領域A1を指定するのみでもよいし、また、図4(f)に示すように境界Zに接して領域Bの側にトラップ領域B1を指定するのみでもよい。これらの場合も、トラップ領域の幅は、CMYKそれぞれの色成分の印刷の際の版ずれの程度を考慮して、版ずれが起きても白抜けが生じないように決定される。そして、色指定手段30は、領域指定手段20により指定されるトラップ領域A1またはB1に対してトラップ色を指定する。このときも、トラップ色は、版ずれが生じたときにオブジェクトの形状が出来るだけ崩れないように決定される。
【0022】
次に、境界抽出手段10による境界Zの抽出、領域指定手段20によるトラップ領域の指定、および、色指定手段30によるトラップ色の指定について、更に詳細に説明する。トラップ領域の指定に際しては、境界Zの両側にある領域AおよびBそれぞれの色をCIE-L*a*b*表色系で表現した明度L*を用いる。領域Aの明度をL*Aとし、領域Bの明度をL*Bとする。明度L*A,L*Bそれぞれは0以上100以下の値を取り得る。
【0023】
L*A>90 且つ L*B>90 であれば、領域AおよびBそれぞれの明度が大きく、版ずれが起きて白抜けが生じてもその白抜けが目立たないので、境界抽出手段10は、領域Aと領域Bとの境界はトラッピング処理の必要がないと判断する。一方、L*A≦90 または L*B≦90 であって、領域AのCMYKの4色の色成分のうち0でない何れかの色成分が領域Bで0であり、且つ、領域BのCMYKの4色の色成分のうち0でない何れかの色成分が領域Aで0であるときに、境界抽出手段10は、領域Aと領域Bとの境界Zはトラッピング処理の必要があると判断する。
【0024】
そして、領域Aの明度L*Aと領域Bの明度L*Bとの差の絶対値が0以上10未満であれば、領域AおよびBそれぞれの明度の差が小さく、版ずれが生じたときにオブジェクトの形状の崩れが小さいので、領域指定手段20は、境界抽出手段10により抽出された境界Zの何れか一方の側に対して1つのトラップ領域を指定する(図4(e)または(f))。
【0025】
また、領域Aの明度L*Aと領域Bの明度L*Bとの差の絶対値が10以上60未満であれば、領域指定手段20は、境界抽出手段10により抽出された境界Zの両側それぞれに対して1つのトラップ領域を指定する。すなわち、領域指定手段20は、境界Zに接して領域Aの側にトラップ領域A1を指定し、境界Zに接して領域Bの側にトラップ領域B1を指定する(図4(b))。そして、色指定手段30は、領域AのCMYKの4色の色成分のうち0でない何れかの色成分が領域Bで0であるときに、領域Aの該色成分の10%の値を領域Bの色に加えたものをトラップ領域B1の色とする。また、色指定手段30は、領域BのCMYKの4色の色成分のうち0でない何れかの色成分が領域Aで0であるときに、領域Bの該色成分の10%の値を領域Aの色に加えたものをトラップ領域A1の色とする。例えば、領域Aの色が(100,0,0,0)であり、領域Bの色が(0,0,80,0)であれば、トラップ領域A1の色は、領域BのY色成分の10%の値8を領域Aの色に加えた色(100,0,8,0)となり、トラップ領域B1の色は、領域AのC色成分の10%の値10を領域Bの色に加えた色(10,0,80,0)となる。
【0026】
また、領域Aの明度L*Aと領域Bの明度L*Bとの差の絶対値が60以上90未満であれば、領域指定手段20は、境界抽出手段10により抽出された境界Zの両側それぞれに対して2つのトラップ領域を指定する。すなわち、領域指定手段20は、境界Zに接して領域Aの側にトラップ領域A1およびA2を順に指定し、境界Zに接して領域Bの側にトラップ領域B1およびB2を順に指定する(図4(d))。そして、色指定手段30は、領域AのCMYKの4色の色成分のうち0でない何れかの色成分が領域Bで0であるときに、領域Aの該色成分の10%の値を領域Bの色に加えたものをトラップ領域B1の色とし、領域Aの該色成分の5%の値を領域Bの色に加えたものをトラップ領域B2の色とする。また、色指定手段30は、領域BのCMYKの4色の色成分のうち0でない何れかの色成分が領域Aで0であるときに、領域Bの該色成分の10%の値を領域Aの色に加えたものをトラップ領域A1の色とし、領域Bの該色成分の5%の値を領域Aの色に加えたものをトラップ領域A2の色とする。例えば、領域Aの色が(100,0,0,0)であり、領域Bの色が(0,0,80,0)であれば、トラップ領域A1の色は、領域BのY色成分の10%の値8を領域Aの色に加えた色(100,0,8,0)となり、トラップ領域A2の色は、領域BのY色成分の5%の値4を領域Aの色に加えた色(100,0,4,0)となり、トラップ領域B1の色は、領域AのC色成分の10%の値10を領域Bの色に加えた色(10,0,80,0)となり、また、トラップ領域B2の色は、領域AのC色成分の5%の値5を領域Bの色に加えた色(5,0,80,0)となる。
【0027】
なお、領域Aの明度L*Aと領域Bの明度L*Bとの差の絶対値が60以上90未満であるときには、領域指定手段20は、その差の値に応じた数のトラップ領域を指定するのが好適である。例えば、L*A−L*Bの値が60以上70未満であれば、領域指定手段20は、境界Zに接して領域Aの側に3つのトラップ領域A1〜A3を順に指定し、境界Zに接して領域Bの側にも3つのトラップ領域B1〜B3を順に指定する。L*A−L*Bの値が70以上80未満であれば、領域指定手段20は、境界Zに接して領域Aの側に2つのトラップ領域A1,A2を順に指定し、境界Zに接して領域Bの側に4つのトラップ領域B1〜B4を順に指定する。また、L*A−L*Bの値が80以上90未満であれば、領域指定手段20は、境界Zに接して領域Aの側に1つのトラップ領域A1を指定し、境界Zに接して領域Bの側に6つのトラップ領域B1〜B6を順に指定する。そして、領域Aおよび領域Bの何れかの側に3以上のトラップ領域を指定する場合には、色指定手段30は、境界Zから離れたトラップ領域ほど、トラップ色に付加される色成分の値を小さくして、元の領域の色に近づけていく。
【0028】
本実施形態では、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界Zの両側それぞれに対してトラップ領域A1,B1とトラップ色が指定されるので、カラー画像の印刷の際に版ずれが生じても、色抜けの発生が抑制され、また、オブジェクトが実際のものと同程度の大きさに見える。また、境界Zの両側または一方の側に対して複数のトラップ領域を指定することにより、カラー画像の印刷の際の版ずれに因るオブジェクトの見かけ上の拡大または縮小が更に抑制される。また、境界Zの一方の側に対して1つのトラップ領域を指定する場合を含むことにより、トラッピング処理が容易になる。
【0029】
なお、本実施形態に係るトラッピング処理装置1が印刷装置に含まれる場合には、トラッピング処理を行うべき境界の抽出、トラップ領域の指定およびトラップ色の指定の各処理は、クライアント装置から印刷装置へ送られてきたカラー画像データに基づいて作成されたラスタデータに基づいて行われるのが好適である。また、本実施形態に係るトラッピング処理装置1がクライアント装置に含まれる場合には、各処理は、そのクライアント装置上のアプリケーションソフトまたはプリンタドライバにより行われる。
【0030】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界が抽出され、この境界の両側それぞれに対してトラッピング処理を行うべきトラップ領域が指定され、また、各トラップ領域に対してトラップ色が指定される。このように、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界の両側それぞれに対してトラップ領域とトラップ色とが指定されるので、カラー画像の印刷の際に版ずれが生じても、色抜けの発生が抑制され、また、オブジェクトが実際のものと同程度の大きさに見える。また、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界の両側または一方の側に対して複数のトラップ領域を指定する場合には、カラー画像の印刷の際の版ずれに因るオブジェクトの見かけ上の拡大または縮小が更に抑制される。また、カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界の一方の側に対して1つのトラップ領域を指定する場合を含む場合には、トラッピング処理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るトラッピング処理装置1の概略構成図である。
【図2】本実施形態に係るトラッピング処理方法を説明するフローチャートである。
【図3】本実施形態に係るトラッピング処理装置1の境界抽出手段10による処理内容を説明する図である。
【図4】本実施形態に係るトラッピング処理装置1の領域指定手段20による処理内容を説明する図である。
【図5】版ずれに因る白抜けを説明する図である。
【図6】従来のトラッピング技術を説明する図である。
【図7】従来のトラッピング技術を説明する図である。
【符号の説明】
1…トラッピング処理装置、10…境界抽出手段、20…領域指定手段、30…色指定手段。
Claims (6)
- 複数の色成分の重ね合わせでカラー画像を印刷する際の版ずれに起因する白抜けの発生を抑制するトラッピング処理を行う装置であって、
前記カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界を抽出する境界抽出手段と、
前記境界抽出手段により抽出された境界の両側それぞれに対してトラッピング処理を行うべきトラップ領域を指定する領域指定手段と、
前記領域指定手段により指定される各トラップ領域に対してトラップ色を指定する色指定手段と、
を備え、
前記領域指定手段は、前記境界の両側それぞれに対して互いに異なる1以上の数のトラップ領域を指定する
ことを特徴とするトラッピング処理装置。 - 前記領域指定手段は、前記境界の両側の領域それぞれの明度の差に応じて、前記境界の両側それぞれに対して互いに異なる数のトラップ領域を指定することを特徴とする請求項1記載のトラッピング処理装置。
- 前記色指定手段は、前記境界から離れたトラップ領域ほどトラップ処理に付加される色成分の値を小さくすることを特徴とする請求項2記載のトラッピング処理装置。
- 複数の色成分の重ね合わせでカラー画像を印刷する際の版ずれに起因する白抜けの発生を抑制するトラッピング処理を行う方法であって、
前記カラー画像においてトラッピング処理を行うべき境界を抽出する境界抽出ステップと、
前記境界抽出ステップで抽出された境界の両側それぞれに対してトラッピング処理を行うべきトラップ領域を指定する領域指定ステップと、
前記領域指定ステップで指定される各トラップ領域に対してトラップ色を指定する色指定ステップと、
を備え、
前記領域指定ステップにおいて、前記境界の両側それぞれに対して互いに異なる1以上の数のトラップ領域を指定する
ことを特徴とするトラッピング処理方法。 - 前記領域指定ステップにおいて、前記境界の両側の領域それぞれの明度の差に応じて、前記境界の両側それぞれに対して互いに異なる数のトラップ領域を指定することを特徴とする請求項4記載のトラッピング処理方法。
- 前記色指定ステップにおいて、前記境界から離れたトラップ領域ほどトラップ処理に付加される色成分の値を小さくすることを特徴とする請求項5記載のトラッピング処理方法。
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