JP6431727B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本明細書に記載の実施形態は、カラー画像を形成する際に生じる版ずれを許容しつつ良質なカラー画像を形成する技術に関する。
従来、カラー写真あるいはグラフィックスの画像に文字などのテキスト画像を貼り付けたプリントデータをプリンター、あるいは複合機(MFP)等の画像形成装置において印刷する場合、写真あるいはグラフィックスの画像とテキストの画像がずれる版ずれを生じる場合がある。このような版ずれが生じると、下地のシートの色(通常は白色)が目立ち、印刷品質を劣化させる。
このような、版ずれを補正するために、一般にトラッピング処理を行っている(特許文献1)。
しかし、従来のトラッピング処理では、位置ずれ等を検出するセンサー等の部品のバラつき、補正時のプロセスエンジンの状態により、補正位置に100μm程度の誤差が生じる場合がある。このため、トラッピング処理を実行しても、位置補正に限界があり、高品位の印刷が得られないおそれがある。
特開2006−50547号公報
この明細書に記載の実施形態は、版ずれが生じていても高品位の画質を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
課題を解決する画像形成装置の構成は、プリントデータに含まれる画像データと対となるオブジェクトデータに基づいて、種別の異なる第1のオブジェクト第2のオブジェクトの境界位置を判別する第1の境界判別処理部と、前記第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの明度を比較し、明度の高いいずれか一方のオブジェクトの画像データを拡張する補正を行う明度判定条件生成部と、前記明度判定条件生成部で生成された補正画像データに基づいて複数の印刷色により用紙に画像を印刷する画像形成部と、を有する。
実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図。 図1の画像処理部の構成を示すブロック図。 図2のマトリックス形成部の説明図。 図2の判定条件群生成部の説明図。 図2の判定条件群生成部で行う境界画素抽出処理の説明図。 境界画素の明度を求めるためのルックアップテーブルを示す図。 注目画素の明度を求めるためのルックアップテーブルを示す図。
以下、実施形態の画像形成装置を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図で、複合機(MFP)の装置構成を示す。
画像形成装置(MFP)10は、画像を読み取る画像読取部(スキャナー)1、画像処理部2、カラー画像を印刷する画像形成部3、外部インターフェイス4、MFP10の全体をコントロールする制御部5を有する。
画像読取部1は、CCDセンサー等の読み取りデバイスにより原稿画像を読み取り、画像データに変換処理する。外部インターフェイス4は、パーソナルコンピューター等の外部装置からデータを受け取る。外部インターフェイス4からのデータは画像処理部2に送信される。
画像処理部2において、画像読取部1または外部インターフェイス4から取得したデータは、所定処理が施された後、画像形成部3において所定用紙に印字し出力する。
画像処理部2においては、コピー機能動作時に、画像読取部1から出力された画像データに対して色変換、像域識別、変倍処理、階調補正、中間調処理等の画像処理を施す。また画像処理部2は、プリンター機能動作時には、外部インターフェイス4からのデータに対して、色変換、オートトラッピング(Auto Trapping)処理、階調補正、中間調処理等の画像処理を施す。
電子写真方式の画像形成部3では、画像処理部2から出力される画像データをもとに用紙上に画像を形成する。具体的には電光変換後の光信号を基に、露光、印刷色材であるトナー(Y:イエロートナー、M:マゼンタトナー、C:シアントナー、K:ブラックトナー)による現像、トナー画像の転写、定着等の作像プロセスを施し、像担持体及び用紙上に原稿画像を再現形成する。
次に、画像処理部2について、図2から図5を参照して説明する。
画像処理部2は、マトリックス形成部21、判定条件群生成部22、オーバーラップ画素生成部23で構成し、オートトラッピング(Auto Trapping)処理を行う。
画像処理部2は、取得したプリントデータに含まれる画像データ(Y,M,C,Kの各色の画像情報(信号))と、この画像データと対となるオブジェクト種別情報(イメージ,グラフィックス,テキスト)であるタグビット(Tagbit)信号の入力信号をもとに、オブジェクト種別の切り替わり位置や画像データの切り替わり位置を検出し、注目画素周辺における注目画素が含まれる領域とは異なる境界画像領域を抽出する。
また、画像処理部2は、注目画素の画像データ値と境界画素における画像データ値をもとに両者の明度を算出し、注目画素の明度が境界画素の明度と比べて低い場合に注目画素の画像データ値を補正する。この補正では、予め設定するCMYK総画素値の上限を超えないように境界画素の画像データ値を補正し、注目画素の画像データ値に加算し補正する。
画像処理部2は、具体的には、図2に示すように、マトリックス形成部21により、Y,M,C,Kの各色の画像信号および、オブジェクトの種別情報(Tagbit)信号の入力信号をもとにマトリックスを形成する。さらに、判定条件群生成部22において、境界画素を抽出し、この境界画素情報をもとに、オーバーラップ画素生成部23において注目画素の画像信号値を補正する。
マトリックス形成部21においては、図3に示すように、Y,M,C,K各色の画像信号、およびTagbit信号それぞれについて、注目画素を中心とした7x7のウインドウ211〜215を形成する。例えば文字などのテキスト画像がグラフィックス画像に重なる場合、Tagbit信号は各画素がテキスト画像であるかグラフィックス画像であるかを示す。
判定条件群生成部22においては、図4に示す注目画素(●部分)の周囲の8つの(×)印で示す近傍画素それぞれと、注目画素のTagbit信号値を比較し、Tagbit信号値が不一致となる注目画素周辺の境界画素の位置を探索する。例えば、注目画素のTagbit信号値がテキストを表し、近傍画素のTagbit信号値がグラフィックスを表す場合には、注目画素のTagbit信号値と近傍画素のTagbit信号値が不一致となる。
この探索の起点は、図4(a)(b)に示す通り、注目画素の左上の近傍画素である。そして、図4(a)では、注目画素を中心に探索起点から時計回りに注目画素と近傍画素のTagbit値比較を行い、初めて値が異なる近傍画素を境界画素候補1とする。
また、図4(b)では、反時計周りでも同様の処理を行い、初めて値が異なる近傍画素を境界画素候補2とする。
次に、境界画素候補1と境界画素候補2のY,M,C,K画素値、およびTagbit値をすべて比較し、すべて一致する場合に境界画素候補が存在すると判定する。図4で説明したTagbit信号値に基づく境界画素抽出処理では、Tagbit値を利用して、例えば文字と、グラフィックスとの境界画素を求めた。
次に、図5を参照して、画像データ値(画素値)に基づく境界画素抽出処理を説明する。
画素値に基づく境界画素抽出処理では、前述した8つの近傍画素と、前記境界画素の値を比較して境界画素を求める。具体的には、図5(a)に示すように、時計回りに8つの近傍画素と、注目画素のY,M,C,K値すべてを比較し、起点から順にY,M,C,K値(256階調の階調値)のすべてが一致するか否かを判定し、初めてこの条件を満たさない画素となる近傍画素を境界画素候補1とする。
また、図5(b)に示すように、反時計回りに8近傍画素と注目画素についても同様に判定し、初めてこの条件を満たさない画素となる近傍画素を、境界画素候補2とする。次に境界画素候補1と境界画素候補2のY,M,C,K画素値およびTagbit値をすべて比較し、すべて一致する場合に境界画素候補が存在すると判定する。
図4で説明したTagbit値に基づく境界画素抽出処理、および図5で説明した画素値に基づく境界画素抽出処理のそれぞれにおいて、境界画素候補が抽出される。
次に、これら2種類の境界画素候補を1つの境界画素候補に絞り込む。具体的には、Tagbit値に基づく境界画素抽出処理で抽出される境界画素候補があれば、その画素を優先的に境界画素候補として選択する。存在しなければ、画素値に基づく境界画素抽出処理で境界画素候補が存在するか判定し、存在すれば、その画素候補を境界画素候補として選択する。
図4(a)(b)と、図5(a)(b)において、時計回り方向と反時計回り方向の両方向において、注目画素とTagbit信号値とを比較しているのは、信頼度を高めるためである。画素単位で見た場合、テキスト画素とグラフィックス画素は大きな範囲にまとまって存在し、点在することは通常あり得ない。図4(a)において斜線で示す大きな領域Gがグラフィックス画像の領域とし、二重斜線で示す領域Tをテキスト領域とし、1画素分の斜線で示す領域G1にグラフィックス画像がノイズとして存在し、それ以外は画像が無いとものと仮定する。
図4(a)において、時計回り方向の近傍画素は、起点からT→T→G1→無→無→G→G→Tとなる。そうすると、境界画素候補1はノイズのグラフィック画素G1となる。この場合、境界画素候補1を誤検出することになる。しかし、図4(b)のように、反時計回り方向における近傍画素のTagbit信号値は、起点からT→T→G→G→無→無→G1→Tとなり、正規のグラフィック画素Gを境界画素候補2とする。したがって、境界画素候補1と境界画素候補2が不一致と判定できることになる。
次に、判定条件群生成部22における図示しない明度判定処理では、境界画素候補と注目画素の明度を比較し、明度が低いと判定される注目画素を識別する。この識別結果を、後段のオーバーラップ画素生成部23に出力し、オーバーラップ画素を生成するか否かを切り替える。例えば注目画素のプリント画像がテキスト画像で、その周囲の画像がグラフィックス画像で、テキスト画像の明度がグラフィックス画像の明度よりも低いとする。テキスト画像とグラフィックス画像との境界に版ずれが生じている場合、両画像のずれた部分に、グラフィック画像を拡張してオーバーラップする。このため、版ずれにより生じる用紙の下地色が目立たなくなり、高品位の画像を得ることができる。例えば黄色の画像に対してシアン色の画像は明度が低い。用紙の下地色が白色とした場合、シアン色の画像を正規の画像よりも拡張すると人間の目には拡張したことが逆に目立つが、黄色の画像を拡張して版ずれ部分をオーバーラップしても人間の目には目立たない。したがって、版ずれが生じていても、高品位の画質を得ることができる。
[明度判定]
明度の判定を行う判定条件群生成部22は、マトリックス形成部21で求めた境界画素と注目画素の明度を比較し、注目画素の明度が低い場合に、注目画素の値を後段のオーバーラップ画素生成部23において補正する。また、注目画素の明度が境界画素の明度よりも高い場合は、下記の補正をしないと判定する。明度については、図6および図7に示すようなルックアップテーブルにより求める。
図6に示すルックアップテーブルには、(C,M,Y,K)値の組み合わせ毎に予め境界画素の明度値Lが保存されている。
図7のルックアップテーブルも同様に(C,M,Y,K)値の組み合わせ毎に予め注目画素の明度値Lがルックアップテーブルに保存されている。
(1)境界画素候補の明度
0〜255の256階調の境界画素の画素値(C,M,Y,K)=(Ci,Mi,Yi,Ki)を基に、図6に示すルックアップテーブルL(Ci,Mi,Yi,Ki)により、境界画素の明度brtedgを求める。
brtedg = L(Ci,Mi,Yi,Ki)である。
(2)注目画素の明度
0〜255の256階調の注目画素の画素値(C,M,Y,K)=(Cj,Mj,Yj,Kj)を基に、図7に示すルックアップテーブルL(Cj,Mj,Yj,Kj)により注目画素の明度brtctrを求める。
brtctr = L(Cj,Mj,Yj,Kj)である。
境界画素の明度brtedgと、注目画素の明度brtctrを基に、判定条件dsc4を求める。下記dsc4が成り立つ場合(値が1)は注目画素の明度が低いことを示し、注目画素の値を補正すると判定する。
一方、下記dsc4が成り立たない場合は、注目画素の明度が高いことを示し、注目画素の値を補正しないと判定する。
dsc4=brtctr<brtedg
次に、オーバーラップ画素生成部23においては、注目画素の値を補正すると判定した画素dsc4=1について、境界画素YEDGE〜KEDGEのY,M,C,Kの各画像データ値の総量を、下記式1に基づいてオーバーラップ画素値の上限を制限する制限補正をした後におけるY,M,C,Kの信号値YTLOUT〜KTLOUTを、式2のように補正前の注目画素の画像信号YIN〜KINに加算する。
注目画素の値を補正すると判定しなかった画素については、注目画素のY,M,C,K各画像信号YIN〜KINを出力する。
(式1)
iall=YEDGE+MEDGE+CEDGE+KEDGE
sa=iall−limit
但し、sa<0の場合は、sa=0
YTLOUT=YEDGE−(sa * YEDGE / iall)
MTLOUT=MEDGE−(sa * MEDGE / iall)
CTLOUT=CEDGE−(sa * CEDGE / iall)
KTLOUT=KEDGE−(sa * KEDGE / iall)
なお、YEDGE〜KEDGEは境界画素のY,M,C,Kの画素値、limitはトナーリミット値、YTLOUT〜KTLOUTは、オーバーラップ画素値制限補正後のY,M,C,Kの画素値である。
(式2)
Yover=YIN+YTLOUT
Mover=MIN+MTLOUT
Cover=CIN+CTLOUT
Kover=KIN+KTLOUT
但し、
Yover>255の場合は、Yover=255とする。
Mover>255の場合は、Mover=255とする。
Cover>255の場合は、Cover=255とする。
Kover>255の場合は、Kover=255とする。
なお、YIN〜KINは注目画素のY,M,C,Kの画素値、Yover〜KoverはAuto Trapping処理後のY,M,C,Kの画素値である。
本実施形態によれば、Y,M,C,K版の印字位置補正処理の誤差が大きいプリントエンジンで発生する版ずれに起因する下地色(通常、白色)が目立つ現象が低減し、画質劣化を防ぐことができる。
1 画像読取部
2 画像処理部
21 マトリックス形成部 22 判定条件群生成部 23 オーバーラップ画素生成部
3 画像形成部
4 外部インターフェイス
5 制御部
10 画像形成装置


Claims (5)

  1. プリントデータに含まれる画像データであって各画素における複数の色毎の画素値を含む画像データと対となり各画素のオブジェクトの種別を含むオブジェクトデータから、注目画素の周囲の画素に前記注目画素とオブジェクトの種別が不一致となる第1境界画素であって前記注目画素のオブジェクトと前記第1境界画素のオブジェクトとの境界に位置することとなる前記第1境界画素がある前記注目画素を探索し、前記画像データにおいて、前記第1境界画素よりも明度が低い前記注目画素の各画素値に、前記第1境界画素の各画素値を用いて、前記注目画素に前記第1境界画素のオブジェクトの画像を拡張する補正を行う画像処理部と、
    前記画像処理部による補正後の前記画像データに基づいて複数の印刷色により用紙に画像を印刷する画像形成部と、を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記画像処理部は、
    前記画像データにおける注目画素の周囲の画素に、前記第1境界画素が無く、かつ、前記注目画素と各画素値が不一致となる第2境界画素であって前記注目画素のオブジェクトと前記第2境界画素のオブジェクトとの境界に位置することとなる前記第2境界画素がある前記注目画素を探索し、前記画像データにおいて、前記第2境界画素よりも明度が低い前記注目画素の各画素値に、前記第2境界画素の各画素値を用いて、前記注目画素に前記第2境界画素のオブジェクトの画像を拡張する補正を行うことを特徴とする画像形成装置
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記画像処理部は、格子状に配置される画素群における注目画素に隣接する8つの画素を前記周囲の画素とすることを特徴とする画像形成装置
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記画像処理部は、注目画素の周囲の8つの画素のうち、特定の画素から時計回り方向に順に該画素が、注目画素とオブジェクトの種別が不一致か否かを判定し、最初に不一致と判定する画素を第1の第1境界画素候補とし、前記特定の画素から反時計回り方向に順に該画素が、注目画素とオブジェクトの種別が不一致か否かを判定し、最初に不一致と判定する画素を第2の第1境界画素候補とし、前記第1、第2の第1境界画素候補が一致する場合、前記第1、第2の第1境界画素候補を前記第1境界画素と判定することを特徴とする画像形成装置
  5. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記画像処理部は、格子状に配置される画素群における注目画素に隣接する8つの画素を前記周囲の画素とし、注目画素の周囲の8つの画素のうち、特定の画素から時計回り方向に順に該画素が、注目画素と各画素値が不一致か否かを判定し、最初に不一致と判定する画素を第1の第2境界画素候補とし、前記特定の画素から反時計回り方向に順に該画素が、注目画素と各画素値が不一致か否かを判定し、最初に不一致と判定する画素を第2の第2境界画素候補とし、前記第1、第2の第2境界画素候補が一致する場合、前記第1、第2の第2境界画素候補を前記第2境界画素と判定することを特徴とする画像形成装置
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