JP3899804B2 - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を出力するために行う処理、特に「禁複写」や「社外秘」といった可視ウォーターマーク、会社名やそのイメージマーク、用紙の地紋模様等といった画像の付加処理を行う画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般オフィスや家庭へのプリンタの普及が進み、またその性能の向上もめざましいが、それにつれて機密情報の漏洩といった問題が発生してきている。そこで、このような問題を防止するために、例えば特開平11−298717号公報に開示されているように、図12に示すような可視ウォーターマーク画像を、プリントするドキュメントの各ページに強制的に上書きする機能をプリントドライバに追加して、そのドキュメントが機密文書であることを示す方法が採ることがある。また、例えば特開昭54−74125号公報のように、複写時に特定の文字または絵柄等が浮かび上がって見える、目立たない地紋模様を印刷した用紙をプリンタの用紙トレイに格納しておき、その用紙にドキュメントをプリントアウトすることで、そのプリントアウト後のドキュメントの複写を防止する方法も知られている。
【0003】
ところが、これらの方法のうち、前者の方法においては、可視ウォーターマーク画像の上書きがドキュメントの内容とは無関係にユーザの設定等により行われるので、機密漏洩を適切に防止するが困難である。さらに、プリンタを複数のクライアント装置で共有するネットワークシステムにて用いる場合には、プリンタドライバも各クライアント装置にインストールされることから、可視ウォーターマーク画像の変更や更新等が容易でなくなってしまう。一方、後者の方法においては、複写防止のための地紋模様を印刷した用紙がプリンタの用紙トレイにセットされていなければ、何も機密情報漏洩策を講じていないのと同じになってしまう。
【0004】
これらのことから、本願発明の発明者らは、特願2000−136611号において、前述の可視ウォーターマークや地紋模様等を表わすページ記述言語(Page Description Language;以下「PDL」と略す)を、プリンタからプリントアウトするPDLに挿入して結合する情報処理装置を提案している。すなわち、その情報処理装置により、クライアント装置とプリンタとの間で、プリントアウトすべきPDLで記述されたデータに、前述の可視ウォーターマークや地紋模様等の付加を指示する描画コマンドを挿入し、その挿入後のPDLデータをプリンタに解析・出力させるようにする。したがって、このような情報処理装置を用いれば、クライアント装置のプリンタドライバおよびプリンタには特別な用意を必要とすることなく、前述の地紋模様等を印刷した用紙にプリントアウトするのと同等のプリント出力を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、地紋模様等を表わすPDLはそのデータ量が大きいことから、上述したようにプリントアウトすべきオリジナルドキュメントを表わすPDLに地紋模様等を表わすPDLを挿入すると、特にオリジナルドキュメントを表わすPDLのデータ量が大きい場合には、その解析に多大な処理負荷を要してしまうことになる。
【0006】
しかしながら、PDLの解析は通常CPU(Central Processing Unit)を用いて行うが、プリンタに搭載されたCPUは、要求される最大処理能力やコスト等の要因から、クライアント装置やネットワーク上に設けられたサーバ装置に搭載されたCPUに比べて、その処理能力が劣ることが一般的である。そのため、多大な処理負荷を要するPDLの解析を、処理能力が劣るプリンタにて行わせると、その解析に多くの時間を費やしてしまい、結果としてドキュメントのプリントアウトにおける生産性を落とす要因となってしまうことになる。また、データ量の大きいPDLを、ネットワークを通じてプリンタへ送信する場合には、そのネットワーク上におけるトラフィックの増加を招いてしまうことにもなる。
【0007】
そこで、本発明は、オリジナルドキュメントに画像の付加処理を行う場合であっても、効率的な処理の実現によって、そのオリジナルドキュメントのプリントアウト指示からプリントアウト出力までの処理を高速化することのできる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために案出された画像処理装置である。すなわち、出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための処理を行う画像処理装置であって、前記出力すべき画像についての出力画像データに対して前記付加画像重畳処理を行う画像重畳手段と、前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入手段と、前記出力すべき画像に前記付加画像を付加するのにあたって、前記画像重畳手段による重畳処理を行うか、あるいは前記コマンド挿入手段による描画コマンドの挿入を行うかを選択する決定手段とを備え、前記決定手段が、前記出力画像データによって出力が指示されるラスター画像データのデータ量を算出し、当該データ量が所定の閾値を超える場合は前記画像重畳手段による重畳処理を選択し、それ以外の場合には前記コマンド挿入手段によるコマンド挿入処理を選択することを特徴とするものである。
または、前記決定手段が、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含む場合には前記コマンド挿入手段によるコマンド挿入処理を選択し、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含まない場合は前記画像重畳手段による重畳処理を選択することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る画像処理方法は、出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための画像処理方法であって、前記出力すべき画像を特定する出力画像データに対して前記付加画像を重畳する画像重畳処理と、前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入処理とを、選択的に実行するとともに、前記画像重畳処理と前記コマンド挿入処理とを選択的に実行する際に、前記出力画像データによって出力が指示されるラスター画像データのデータ量を算出し、当該データ量が所定の閾値を超える場合は前記画像重畳処理を選択し、それ以外の場合には前記コマンド挿入処理を選択することを特徴とする。
または、前記画像重畳処理と前記コマンド挿入処理とを選択的に実行する際に、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含む場合には前記コマンド挿入処理を選択し、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含まない場合は前記画像重畳処理を選択することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像処理プログラムを記録した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラムを記録した記憶媒体であって、出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための画像処理を実行するのにあたって、前記出力すべき画像についての出力画像データに対して前記付加画像を重畳する画像重畳処理と、前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入処理とを、選択的に実行させるとともに、前記画像重畳処理と前記コマンド挿入処理とを選択的に実行する際に、前記出力画像データによって出力が指示されるラスター画像データのデータ量を算出し、当該データ量が所定の閾値を超える場合は前記画像重畳処理を選択し、それ以外の場合には前記コマンド挿入処理を選択することを特徴とする。
または、前記画像重畳処理と前記コマンド挿入処理とを選択的に実行する際に、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含む場合には前記コマンド挿入処理を選択し、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含まない場合は前記画像重畳処理を選択することを特徴とする。
【0011】
上記構成の画像処理装置、上記手順の画像処理方法、または上記手順の画像処理プログラムを記録した記憶媒体によれば、出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための画像処理を実行するのにあたって、画像重畳処理とコマンド挿入処理とのいずれか一方を選択的に実行する。ここで、画像重畳処理とは、例えば地紋模様等を表わす付加画像データを、例えばオリジナルドキュメントを表わす出力画像データに重畳する処理、さらに具体的には重畳に必要な描画コマンド(PDL等)の解析を含む処理をいう。また、コマンド挿入処理とは、例えば地紋模様等の付加を指示する描画コマンドを、単にオリジナルドキュメントを表わす出力画像データに挿入するだけの処理、さらに具体的にはこれらの重畳に必要な描画コマンドの解析を画像データの送出先に行わせる処理をいう。そして、画像重畳処理とコマンド挿入処理とのいずれか一方の選択は、出力が指示されるラスター画像データのデータ量が所定の閾値を超えるか否か、または、展開処理を必要とする描画コマンドを含むか否かに基づいて行う。したがって、例えば画像データのデータ量やその画像データの送出先の解析処理能力等に応じて、画像重畳処理とコマンド挿入処理とのいずれかを選択することができるので、多大な処理負荷を要する描画コマンドの解析を処理能力が劣る送出先にて行わせるといったことがなくなり、その解析処理を効率的に行えるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体について説明する。
【0013】
先ず、本発明に係る画像処理装置が用いられるシステム構成について説明する。図1は本発明に係る画像処理装置の概略構成の一例を示すブロック図であり、図2はその画像処理装置が用いられるシステム構成の一例を示す模式図である。
【0014】
図2に示すように、本実施形態で説明する画像処理装置は、複数のクライアント装置1a,1b…と、プリントサーバ装置2と、プリンタ装置3とが、互いにLAN(Local Area Network)等のネットワーク4を介して接続されたネットワークシステムにおいて用いられる。
【0015】
各クライアント装置1a,1b…は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションからなるもので、文書や画像等のドキュメントを電子的に作成するとともに、そのドキュメントをプリントアウトするための印刷出力ジョブを発行するものである。このとき、各クライアント装置1a,1b…では、プリントアウトすべきドキュメントの内容を、例えばPDL形式の出力画像データにより表わすようになっている。
【0016】
プリントサーバ装置2は、コンピュータ装置としての機能を備えたもので、各クライアント装置1a,1b…からの印刷出力ジョブを受け付けると、その実行順等の管理をしつつ、その印刷出力ジョブを順次プリンタ装置3に実行させるものである。
【0017】
プリンタ装置3は、周知の電子写真技術またはインクジェット方式の印刷技術を利用して、各クライアント装置1a,1b…が発行した印刷出力ジョブを順次実行するものである。その際に、プリンタ装置3では、印刷出力ジョブに係るPDLデータを解析して、これをラスター画像データに展開し、そのラスター画像データを用紙上に可視画像化するようになっている。
【0018】
本実施形態で説明する画像処理装置は、これらのうちのプリントサーバ装置2に搭載されている。ただし、クライアント装置1a,1b…がプリントサーバ装置2としての役割を兼ねている場合、画像処理装置は、各クライアント装置1a,1b…が搭載するプリンタドライバに組み込んでも構わない。つまり、画像処理装置は、クライアント装置1a,1b…によるPDLデータの出力から、プリンタ装置3におけるPDLデータのプリントアウト可能なラスター画像データへの展開までの間の、いずれかの箇所に存在していればよい。したがって、プリンタ装置3に本実施形態の画像処理装置を搭載することも考えられる。
【0019】
また、画像処理装置は、ソフトウェアでもハードウェアでも実現可能である。そのため、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された画像処理プログラムを、予めインストールしておいたり、あるいは必要に応じてその都度読み出したりすることによって実現されるものであってもよい。
【0020】
なお、本実施形態では、プリントサーバ装置2がクライアント装置1a,1b…からの印刷出力ジョブを一元管理する点や、プリントサーバ装置2が一般に高い処理能力のCPUを搭載している点等を考慮して、上述したようにプリントサーバ装置2が画像処理装置としての機能を備えている場合を例に挙げて、以下の説明を行う。
【0021】
続いて、以上のようなネットワークシステムにおいて用いられる画像処理装置の概略構成について説明する。ここで説明する画像処理装置は、ドキュメントをプリントアウトするためのPDLデータに対して、所定の画像処理を行うものである。所定の画像処理としては、「禁複写」や「社外秘」といった可視ウォーターマーク、会社名やそのイメージマーク、用紙の地紋模様等といった、予め設定された付加画像を付加する処理がある。
【0022】
このような画像付加処理を実行するために、画像処理装置では、図1に示すように、処理対象となるPDLデータを受け取る入力インタフェース(以下「入力端」という)Aと、画像付加後のPDLデータを出力する出力インタフェース(以下「出力端」という)Bとの他に、決定手段11、画像重畳手段12およびコマンド挿入手段13としての機能を備えている。
【0023】
決定手段11は、入力端AにPDLデータが入力されると、その入力されたPDLデータの内容を調べ、詳細を後述するように画像重畳手段12またはコマンド挿入手段13のいずれか一方に入力されたPDLデータを出力するものである。
【0024】
画像重畳手段12は、決定手段11から入力されたPDLデータに対して付加画像の重畳処理を施して出力端Bに出力するものである。重畳処理とは、入力されたPDLデータを解析して、そのPDLデータによって特定されるラスター画像に、地紋模様等の付加すべきラスター画像を重畳する処理をいう。ただし、重畳処理後は、ラスター画像データではなく、PDLで記述された重畳処理後のデータが、画像重畳手段12から出力端Bに出力される。
【0025】
コマンド挿入手段13は、決定手段11から入力されたPDLデータに対して描画コマンドの挿入処理を行って出力端Bに出力するものである。挿入処理とは、入力されたPDLデータに、地紋模様等の付加を指示するためのPDL形式に準拠した描画コマンドを挿入する処理をいう。
【0026】
次に、以上のような画像処理装置が処理対象とするPDLデータについて説明する。図3は画像処理装置が処理するPDLデータの具体例を示す説明図であり、図4はPDLデータ中に含まれる描画コマンドの意味を示す説明図であり、図5は図2に示したPDLデータをプリントアウトした結果得られる画像を示す説明図である。
【0027】
画像処理装置には、その入力端Aに、出力すべきドキュメントについての出力画像データとして、例えば図3(a)または(b)に示すようなPDLデータが入力される。図3(a)のPDLデータを構成する各描画コマンドの詳細は、図4(a)に示した通りである。また、図3(b)のPDLデータを構成する各描画コマンドの詳細は、図4(b)に示した通りである。なお、図4(b)においては、図4(a)と重複する描画コマンドの説明は省略している。
【0028】
ただし、図3および図4に示した描画コマンドは一例に過ぎず、コマンド名、意味、引数等は、いずれも図例に限定されるものではない。また、各コマンドは2つ以上のコマンドで構成するようにしてもよいし、あるいは2つ以上のコマンドを1つのコマンドと引数で表現してもよい。勿論、引数も図例に限定されないことは明らかであり、また引数の数値形式も上記例のように整数のみではなく、浮動小数点実数、固定小数点実数等、他の数値形式を用いてもよい。
【0029】
このようなPDLデータをそのまま出力端Bから出力し、プリンタ装置3にてプリントアウトさせると、図5に示すような出力画像が得られることになる。すなわち、図3(a)のPDLデータをプリントアウトさせると、図5(a)に示す出力画像が得られる。また、図3(b)のPDLデータをプリントアウトさせると、図5(b)に示す出力画像が得られる。
【0030】
ところで、図3(b)におけるDrawImageコマンドの引数には、ラスター画像データの画素値がそのまま記述されている。例えば、ラスター画像データが画素毎に全色成分の画素値を所定の順序で記述する点順次で記述され、ラスター画像データの色空間がB(青)・G(緑)・R(赤)の各色成分から構成され、各画素値の色成分値が濃度を表す(すなわち値が大きくなるほど印刷時の濃度が濃くなる)とし、各画素値の色成分値がそれぞれ8bitで表現されているとした場合、画素値をB・G・Rの順に記すと、白色画素は順に0・0・0、赤色画素は0・0・255と表現できる。したがって、図3(b)におけるDrawImageコマンドの引数には、このようなラスター画像描画のための画素値が所定の順序で列挙されていることになる。なお、ラスター画像データ内の画素の記述順序は、どのような順序でも構わないが、ここでは図5(c)に示すようにラスター画像の左上隅を先頭画素、ラスター画像の水平方向を主走査方向、垂直方向を副走査方向とした走査順序でラスター画像を走査した結果得られる画素列の順序とする。また、画素内の色成分値の順序もどのような順序でも構わないが、同じ画像中の画素内の色成分値の順序は同一である必要がある。また、上述に因らず、ライン毎、画像全体で1つの色成分について同様の形式で表現し、その直後に他の色成分を続けて同様の形式で表現してもよい。
【0031】
次いで、画像処理装置が画像付加処理によって付加する付加画像について説明する。図6は画像処理装置が付加する付加画像の具体例を示す説明図であり、図7は図6に示した付加画像の付加を指示するための描画コマンドの具体例を示す説明図である。
【0032】
画像処理装置では、ドキュメントの機密漏洩を目的とした複写防止のために、例えば図6(a)に示すような付加画像の付加を行う。このような付加画像が付加されたドキュメントを複写機等で複写すると、その複写の結果得られる複写物には、図6(a)に示すように「COPY」という文字が現れ、これによりドキュメントの複写防止が図れるようになる。なお、図6(c)は、図6(a)中の矩形部分を拡大して示した図である。
【0033】
このような付加画像の付加は、例えば特願2000−136611号において提案したように、付加対象となるドキュメントについてのPDLデータに対して、付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入することによって行うことができる。例えば、図6(a)の付加画像であれば、図7に示すようなPDL形式に準拠した描画コマンドを挿入することが考えられる。図例の描画コマンド列は、図6(a)の付加画像を描画するためのものであり、図7中のDrawImageコマンドの引数には図5(c)を用いて説明した順序と同様にして図6(a)の付加画像を走査した結果得られる画素列が記述されている。
【0034】
次に、以上のような画像処理装置が画像付加処理を実行する場合の処理動作例について説明する。
【0035】
例えば、画像処理装置の入力端AにPDLデータが入力された場合について考える。このとき、画像処理装置では、先ず、決定手段11がその入力されたPDLデータの内容を調べ、その入力されたPDLデータを画像重畳手段12とコマンド挿入手段13とのどちらに出力するかを決定する。
【0036】
ここで、この決定手段11による決定の判断基準について詳しく説明する。決定手段11は、入力されたPDLデータ中からImageResolution、ImageColorSpace、ImageSize、ImageDepth、DrawImageの各コマンドをページ単位で探索し、各コマンドの引数から描画されるラスター画像データのデータ量を算出する。そして、算出されたデータ量が所定の閾値を超えている場合には、決定手段11は、入力されたPDLを画像重畳手段12に出力することを決定する。一方、閾値以下である場合には、コマンド挿入手段13に出力することを決定する。
【0037】
なお、上述の各コマンドが検出できない場合、つまりラスター画像データを描画しない場合には、決定手段11は入力されたPDLをコマンド挿入手段13に出力することを決定する。また、ImageResolution、ImageColorSpace、ImageSize、ImageDepthの各コマンドが検出されてもDrawImageコマンドが同一ページ内に存在しない場合、つまり描画属性の指定のみでラスター画像データの描画を行わない場合も、決定手段11は入力されたPDLをコマンド挿入手段13に出力することを決定する。また、各コマンドが同一ページ内に複数存在する場合には、描画されるラスター画像データの合計のデータ量を閾値との比較対象として処理を行う。
【0038】
すなわち、決定手段11では、入力端Aに入力されたPDLデータの内容を調べ、その入力されたPDLデータによって出力が指示されるラスター画像データのデータ量が所定の閾値を超えていれば、その入力されたPDLデータを画像重畳手段12に出力し、それ以外の場合には入力されたPDLデータをコマンド挿入手段13に出力する。
【0039】
具体例を挙げると、例えば所定の閾値を50メガバイトとした場合に、入力端Aに図3(a)のPDLデータが入力されても、このPDLデータにはラスター画像を描画するDrawImageコマンドが存在しないため、決定手段11はそのPDLデータをコマンド挿入手段13に出力する。また、入力端Aに図3(b)のPDLデータが入力されると、そのPDLデータによって描画されるラスター画像データはこの閾値を超えるため、決定手段11はそのPDLデータを画像重畳手段12に出力する。
【0040】
次に、決定手段11がPDLデータを画像重畳手段12に出力した場合に、その画像重畳手段12において実施される画像の重畳処理について詳しく説明する。
【0041】
重畳処理の対象となるのは、決定手段11から出力されたPDLデータ中にDrawImageコマンドの引数として記述されているラスター画像データと、画像処理装置の図示せぬメモリ、すなわちプリントサーバ装置2が有するメモリ内に予め格納された、付加画像についてのラスター画像データである。
【0042】
例えば、入力端Aに図3(b)のPDLデータが入力され、決定手段11が画像の重畳処理を行うと決定し、画像重畳手段12がそのPDLデータに図6(a)の付加画像を重畳処理する場合について考える。このとき、画像重畳手段12は、入力されたPDLデータ中からDrawImageコマンドを探索し、そのコマンドを検出するとその引数、つまり図5(b)のラスター画像の各画素値が前述の順序で連続するデータ列を抽出する。
【0043】
そして、画像重畳手段12は、抽出したデータ列、すなわち画素値列と、図6(a)のラスター画像を重畳することになるが、DrawImageコマンドの直前にあるInsertModeコマンドの引数としてTransparentが指定されているため、重畳対象である両画像について、同一座標にある画素の値を色成分毎に比較して、大きい方の画素値を色成分毎に選択する。具体的には、図6(a)に示した付加画像は白色と黒色の2色の画素から構成されているが、図3(b)に示したPDLデータ中のラスター画像は色成分がY(イエロー),M(マゼンタ),C(サイアン),K(ブラック)の各色成分からなるため、図6(a)の付加画像中の白色画素と同一座標にある図3(b)のラスター画像中のK成分の画素および他の色成分の画素はそのまま出力され、図6(a)の付加画像中の黒色画素と同一座標にある図3(b)のラスター画像中のK成分の画素は選択されずに黒色画素が出力され、他の色成分の画素はそのまま出力されることになる。
【0044】
このような重畳処理の結果、DrawImageコマンドの引数として入力されたラスター画像データと、付加画像として予め設定されているラスター画像データとが、InsertModeコマンドの引数に指定された合成モードで合成されることになる。なお、合成にあたって、同一座標に両画像のどちらかの画素が存在しない場合には存在する画素値をそのまま出力し、両画像のいずれの画素も存在しない場合には、白色画素の画素値を出力するものとする。また、画像重畳手段12は、DrawImageコマンドを検出するまで、および画像の重畳処理が終了した後は、入力されたPDLデータをそのまま出力端Bに出力する。また、画像重畳手段12は、DrawImageコマンドの描画属性を指定するImageResolution、ImageColorSpace、ImageSize、mageDepthの各コマンドの引数も画像の重畳処理の結果に応じて変更する。
【0045】
これら一連の処理の結果、出力端Bからは、図3(b)のPDLデータに対して、図6(a)の付加画像を重畳処理した後のPDLデータが出力されることになる。
【0046】
図8は、上述した場合に画像処理装置の出力端Bから出力されるPDLデータの具体例を示す説明図であり、図9は図8に示したPDLデータをプリントアウトした結果得られる画像を示す説明図である。図例のように、画像重畳手段12が図3(b)のPDLデータに図6(a)の付加画像を重畳すると、出力端Bから図8のPDLデータが出力され、これをプリンタ装置3へ送出すると、そのプリンタ装置3でPDLの解析が行われた後、図9(a)のような付加画像が付加された状態のドキュメントが得られることになる。したがって、このような付加画像が付加されたドキュメントを複写機等で複写すると、その複写の結果得られる複写物には、図9(b)に示すように「COPY」という文字が現れ、これによりドキュメントの複写防止が図れるようになる。
【0047】
次に、決定手段11がPDLデータをコマンド挿入手段13に出力した場合に、そのコマンド挿入手段13において実施される描画コマンドの挿入処理について詳しく説明する。
【0048】
例えば、入力端Aに図3(b)のPDLデータが入力され、決定手段11が描画コマンドの挿入処理を行うと決定し、コマンド挿入手段13がそのPDLに図7に示した描画コマンドを挿入する場合について考える。このとき、コマンド挿入手段13は、入力されたPDLデータ中からEndPageコマンドを探索し、そのコマンドを検出すると、そのコマンドの前に図7の描画コマンドをそのまま挿入する。挿入する図7の描画コマンドは、画像処理装置の図示せぬメモリ、すなわちプリントサーバ装置2が有するメモリ内に予め格納されているか、あるいは当該メモリ内に格納されたデータ(ラスター画像データ等)から生成するようにしてもよい。なお、コマンド挿入手段13は、EndPageコマンドを検出するまで、およびコマンドの挿入処理後は、入力されたPDLをそのまま出力端Bに出力する。
【0049】
つまり、出力端Bからは、図3(a)に示したPDLデータのEndLogicalPageコマンドとEndPageコマンドの間に、図7に示した描画コマンドが挿入されて出力されることになる。
【0050】
図10は、上述した場合に画像処理装置の出力端Bから出力されるPDLデータの具体例を示す説明図であり、図11は図10に示したPDLデータをプリントアウトした結果得られる画像を示す説明図である。図例のように、コマンド挿入手段13が図3(a)のPDLデータに図7の描画コマンドを挿入すると、出力端Bから図10のPDLデータが出力され、これをプリンタ装置3へ送出すると、そのプリンタ装置3でPDLの解析が行われた後、図11(a)のような付加画像が付加された状態のドキュメントが得られることになる。したがって、このような付加画像が付加されたドキュメントを複写機等で複写すると、その複写の結果得られる複写物には、図11(b)に示すように「COPY」という文字が現れ、これによりドキュメントの複写防止が図れるようになる。
【0051】
以上のように、本実施形態の画像処理装置では、入力端Aに入力されたPDLデータが、決定手段11によって画像重畳手段12またはコマンド挿入手段13のいずれか一方に選択的に送られ、画像重畳手段12に送られた場合には画像の重畳処理が施され、コマンド挿入手段13に送られた場合にはコマンドの挿入処理が施されて、出力端Bから出力されるようになっている。ただし、出力端Bから出力されるPDLデータは、画像重畳手段12とコマンド挿入手段13とのどちらを経たかによって出力時の形式は異なっているが、どちらを経た場合であってもプリンタ装置3でプリントアウトした結果は同じとなる。
【0052】
したがって、本実施形態の画像処理装置またはその画像処理装置で実施される画像処理方法を用いれば、入力端Aに入力されたPDLデータのデータ量に応じて、そのPDLデータについて画像重畳手段12での重畳処理とコマンド挿入手段13でのコマンド挿入処理とのいずれかを選択することができるので、多大な処理負荷を要するPDLの解析を、ネットワークシステム内において比較的処理能力が劣るプリンタ装置3にて行わせ、その解析に多くの時間を費やしてしまうといったことが避けられるようになる。つまり、PDLデータのデータ量が大きい場合には、画像重畳手段12での重畳処理を選択することで、その解析を処理能力が比較的高いプリントサーバ装置2にて行うことが可能となるので、その解析処理を効率的に行えるようになる。
【0053】
このことから、本実施形態の画像処理装置またはその画像処理装置で実施される画像処理方法を用いれば、オリジナルドキュメントに画像の付加処理を行う場合であっても、プリントアウトされる内容を変えることなく、そのプリントアウトに必要な解析処理を効率的に行えるので、プリントアウト指示からプリントアウト出力までの処理を高速化することができ、プリントアウトにおける生産性を従来よりも高めることができる。しかも、ネットワークを通じてPDLデータをプリンタへ送信する場合であっても、画像の付加処理に伴うネットワーク上のトラフィック増加も避けられるようになる。
【0054】
なお、本実施形態では、入力端Aに入力されたPDLデータのページ内で描画されるラスター画像データのデータ量を基準に、そのデータ量が閾値を超えた場合には画像重畳手段12が重畳処理を行い、閾値以下の場合はコマンド挿入手段13が描画コマンドの挿入処理を行う場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の判断基準に基づいて重畳処理とコマンド挿入処理との選択の切り換えを行うようにしてもよい。
【0055】
ここで、他の判断基準の具体例について説明する。例えば、入力端Aに入力されたPDLデータに描画コマンドを挿入した場合には、出力端BからのPDLデータの送出先であるプリンタ装置3にて、PDLの解析処理、すなわち画像重畳手段12における画像の重畳処理と同様の処理がPDL展開時に行われることになる。つまり、入力されたPDデータLを画像重畳手段12に入力するか、あるいはコマンド挿入手段に入力するかは、画像の重畳処理をプリントサーバ装置2において行うか、あるいはプリンタ装置3で行うかを決定することになる。
【0056】
ところが、通常、プリンタ装置3に搭載されているPDL展開用のCPUと、プリントサーバ装置2に搭載されているCPUとを比べると、先にも述べたように、両者の処理能力はどちらか一方のほうが大きく、実行すべき処理量も異なっている。また、ネットワーク4のトラフィック状況も経時的に変化することが考えられるため、クライアント装置1a,1b…とプリントサーバ装置2との間、あるいはプリントサーバ装置2とプリンタ装置3との間のアクセス速度も経時的に変化する可能性がある。
【0057】
したがって、決定手段11は、これらのパフォーマンス限定要因を判断基準として、PDLデータを画像重畳手段12とコマンド挿入手段13のどちらかに出力するかを選択すること、すなわちPDLデータの送出先に応じて選択結果を切り換えることが考えられる。
【0058】
例えば、画像重畳手段12にてPDLデータに画像の重畳処理を行った場合と、コマンド挿入手段13にてPDLデータに描画コマンドの挿入処理をした場合について、プリントサーバ装置2での処理量、プリントサーバ装置2からプリンタ装置3へのデータ転送速度、処理されたPDLデータをプリンタ装置3で展開する際の処理量を、図3(a)および(b)に示したPDLデータを入力とし、画像重畳手段12で図6(a)に示した画像を重畳し、コマンド挿入手段で図7に示した描画コマンドを挿入する条件の下で比較する。
【0059】
先ず、図3(a)に示したPDLデータが入力端Aに入力されたとき、画像重畳手段12で画像の重畳処理を行った場合と、コマンド挿入手段13でコマンド挿入処理をした場合とを比較する。これらの場合、画像重畳手段12が画像の重畳処理を行うと、本来、プリンタ装置3で行われるはずの画像の重畳処理をプリントサーバ装置2で行う上に、入力されたPDLデータ内の文字の展開処理を行う必要があるため、プリントサーバ装置2での処理量は増加し、プリンタ装置3での展開時の処理量は低減する。一方、出力端Bから出力されるPDLデータのデータ量は、どちらの場合もほとんど差がない。すなわち、プリントサーバ装置2からプリンタ装置3へのデータ転送速度は、どちらの場合も略同じである。
【0060】
続いて、図3(b)に示したPDLデータが入力端Aに入力されたとき、画像重畳手段12で画像の重畳処理を行った場合と、コマンド挿入手段13でコマンド挿入処理をした場合と比較する。これらの場合も、画像重畳手段12が画像の重畳処理を行うと、本来プリンタ74で行われる画像の重畳処理をプリントサーバ装置2で行ううえ、入力されたPDLデータ内の文字の展開処理を行う必要があるため、プリントサーバ装置2での処理量は増加し、プリンタ装置3での展開時の処理量は低減する。一方、出力端Bから出力されるPDLデータのデータ量は、画像重畳手段12で重畳処理を行った場合には入力されたPDLデータと略同等であるのに対し、コマンド挿入手段13でコマンド挿入処理をした場合には入力されたPDLデータの約2倍となってしまう。つまり、プリントサーバ装置2からプリンタ装置3へのデータ転送速度は、前者の場合は後者の場合の約2倍となる。
【0061】
ところで、プリンタ装置3に搭載されているCPUは、プリントサーバ装置2に搭載されているCPUと比較して、要求される最高処理能力、コスト等の要因から、一般的に処理性能が劣る。したがって、プリントサーバ装置2で画像の重畳処理を行った方が、処理速度やデータ転送速度の面から有利であるといえる。ただし、文字や図形のように展開処理を行う必要がある描画コマンドを含むPDLデータに限っていえば、フォント形状等の展開ライブラリをプリントサーバ装置2とプリンタ装置3との間で整合させる必要があるが、両者に同じ展開ライブラリを持たせるのはメンテナンスや資源等が重複してしまうことから好ましくない。
【0062】
したがって、決定手段11においては、PDLデータの送出先の処理能力や転送能力等を考慮しつつ、入力されたPDLデータがラスター画像データのみの場合は画像重畳手段12に入力して画像の重畳処理を行い、文字や図形等展開処理が必要な描画コマンドを含む場合にはコマンド挿入手段13に入力して描画コマンドの重畳処理を行う、といった判断基準で選択結果を切り換えるように構成してもよい。
【0063】
また、さらに別の判断基準を設けることも考えられる。勿論、判断基準は、上述した内容に限定されないのはいうまでもなく、他の判断基準により入力されたPDLデータを画像重畳手段12とコマンド挿入手段13とのいずれかに入力するよう決定手段11を構成しても、本発明の趣旨は逸脱しない。
【0064】
このように、予め設定しておけば様々な判断基準が適用可能であることは、プリントアウトにおける生産性を高める上で、多様なPDLデータ、ひいては多様なドキュメントに柔軟に対応することが可能となり、結果としてネットワークシステムの汎用性向上に繋がる。
【0065】
また、本実施形態では、画像重畳手段12が画像の重畳処理を行うのにあたって、値が大きいほうの画素値を選択する場合を例に挙げたが、同一座標にある画素値間の論理演算あるいは算術演算を行うようにしてもよい。いずれにしても、同じPDLデータが入力端Aに入力された場合に、出力端Bから出力されるPDLデータをプリンタ装置3に転送し、その結果得られるプリントアウトが同じであれば、どのような画像の重畳処理方法を用いてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、コマンド挿入手段13がEndLogicalPage、EndPage両コマンドの間に図7の描画コマンドを挿入する場合を例に挙げたが、挿入する描画コマンドの内容によっては、例えばStartLogicalPageコマンドの直前でもよいし、EndLogicalPageコマンドの直前でもよい。すなわち、出力端Bから出力されるPDLデータをプリンタ装置3に転送し、その結果得られるプリントアウトが所望の結果となるよう最適な挿入個所を選べばよい。勿論、その際には、描画順序あるいは論理ページと物理ページの関係等を考慮することはいうまでもない。
【0067】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体によれば、ドキュメントに画像の付加処理を行う場合であっても、そのドキュメントについての出力画像データに対し、画像の重畳処理と描画コマンドの挿入処理とのいずれかを選択的に実行するので、出力される内容を変えることなく、ドキュメントの出力指示から出力完了までの処理を高速化することができ、結果としてその生産性が従来よりも向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】 画像処理装置が用いられるシステム構成の一例を示す模式図である。
【図3】 画像処理装置が処理するPDLデータを示す説明図であり、(a)および(b)はいずれもその一具体例を示す図である。
【図4】 PDLデータ中に含まれる描画コマンドの意味を示す説明図であり、(a)および(b)はいずれもその一具体例を示す図である。
【図5】 図3に示したPDLデータの描画結果を示す説明図であり、(a)は図3(a)に示したPDLデータの描画結果を示す図、(b)は図3(b)に示したPDLデータの描画結果を示す図、(c)は描画画像の座標軸を示す図である。
【図6】 画像処理装置が付加する付加画像の具体例を示す説明図であり、(a)はその一具体例を示す図、(b)は(a)の複写結果を示す図、(c)は(a)中の矩形部分を拡大して示した図である。
【図7】 図6に示した付加画像の付加を指示するための描画コマンドの具体例を示す説明図である。
【図8】 画像処理装置から出力されるPDLデータの具体例を示す説明図(その1)である。
【図9】 図8に示したPDLデータの描画結果を示す説明図であり、(a)はその一具体例を示す図、(b)は(a)の複写結果を示す図である。
【図10】 画像処理装置から出力されるPDLデータの具体例を示す説明図(その2)である。
【図11】 図10に示したPDLデータの描画結果を示す説明図であり、(a)はその一具体例を示す図、(b)は(a)の複写結果を示す図である。
【図12】 可視ウォーターマークの一具体例を示す説明図である。
【符号の説明】
1a,1b…クライアント装置、2…プリントサーバ装置、3…プリンタ装置、4…ネットワーク、11…決定手段、12…画像重畳手段、13…コマンド挿入手段
Claims (6)
- 出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための処理を行う画像処理装置であって、
前記出力すべき画像についての出力画像データに対して前記付加画像の重畳処理を行う画像重畳手段と、
前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入手段と、
前記出力すべき画像に前記付加画像を付加するのにあたって、前記画像重畳手段による重畳処理を行うか、あるいは前記コマンド挿入手段による描画コマンドの挿入を行うかを選択する決定手段とを備え、
前記決定手段は、前記出力画像データによって出力が指示されるラスター画像データのデータ量を算出し、当該データ量が所定の閾値を超える場合は前記画像重畳手段による重畳処理を選択し、それ以外の場合には前記コマンド挿入手段によるコマンド挿入処理を選択する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための処理を行う画像処理装置であって、
前記出力すべき画像についての出力画像データに対して前記付加画像の重畳処理を行う画像重畳手段と、
前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入手段と、
前記出力すべき画像に前記付加画像を付加するのにあたって、前記画像重畳手段による重畳処理を行うか、あるいは前記コマンド挿入手段による描画コマンドの挿入を行うかを選択する決定手段とを備え、
前記決定手段は、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含む場合には前記コマンド挿入手段によるコマンド挿入処理を選択し、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含まない場合は前記画像重畳手段による重畳処理を選択する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための画像処理方法であって、
前記出力すべき画像についての出力画像データに対して前記付加画像を重畳する画像重畳処理と、前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入処理とを、選択的に実行するとともに、
前記画像重畳処理と前記コマンド挿入処理とを選択的に実行する際に、前記出力画像データによって出力が指示されるラスター画像データのデータ量を算出し、当該データ量が所定の閾値を超える場合は前記画像重畳処理を選択し、それ以外の場合には前記コマンド挿入処理を選択する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための画像処理方法であって、
前記出力すべき画像についての出力画像データに対して前記付加画像を重畳する画像重畳処理と、前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入処理とを、選択的に実行するとともに、
前記画像重畳処理と前記コマンド挿入処理とを選択的に実行する際に、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含む場合には前記コマンド挿入処理を選択し、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含まない場合は前記画像重畳処理を選択する
ことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラムを記録した記憶媒体であって、
出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための画像処理を実行するのにあたって、前記出力すべき画像についての出力画像データに対して前記付加画像を重畳する画像重畳処理と、前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入処理とを、選択的に実行させるとともに、
前記画像重畳処理と前記コマンド挿入処理とを選択的に実行する際に、前記出力画像データによって出力が指示されるラスター画像データのデータ量を算出し、当該データ量が所定の閾値を超える場合は前記画像重畳処理を選択し、それ以外の場合には前記コマンド挿入処理を選択する
ことを特徴とする画像処理プログラムを記録した記憶媒体。 - コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラムを記録した記憶媒体であって、
出力すべき画像に所定の付加画像を付加するための画像処理を実行するのにあたって、前記出力すべき画像についての出力画像データに対して前記付加画像を重畳する画像重畳処理と、前記出力画像データに対して前記付加画像の付加を指示する描画コマンドを挿入するコマンド挿入処理とを、選択的に実行させるとともに、
前記画像重畳処理と前記コマンド挿入処理とを選択的に実行する際に、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含む場合には前記コマンド挿入処理を選択し、前記出力画像データが展開処理を必要とする描画コマンドを含まない場合は前記画像重畳処理を選択する
ことを特徴とする画像処理プログラムを記録した記憶媒体。
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