JP4031727B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に示すように、パチンコ機は、方形の外枠1mに囲まれ、この外枠1mの前面にほぼ外枠1mの前面を覆う前面枠2mがヒンジ10mにより開閉可能に取付けられている。この前面枠2mにパチンコ機の主要部品が取付けられている遊技盤20mが固定されている。遊技盤20mには、上部に遊技領域22mが形成され、この遊技領域22mの下方に球発射装置やこれに連続する発射レールなどが設けられている。さらにこれらの下方に下皿25m、発射ハンドル26m、灰皿27mなどがそれぞれ設けられている。
【0003】
ここで、前面枠2mの左側に設けたヒンジにより前扉3mが開閉可能に取付けられ、また、その下方に球受皿41mを備えた受皿扉4mが前面枠2mの左側枠にヒンジにより開閉可能に取付けられている。この二枚の前扉3mと受皿扉4mは、前扉3mの下端縁に沿って受皿扉4mの上端縁に重なる構成とされている。係る従来の多くのパチンコ機では、前扉3mの下端縁が横方向に直線的に形成されていて、この方形の前扉3mの範囲内で種々の装飾を施して、遊技者の趣味感を満足させている。
【0004】
最近では、特許文献1や特許文献2に示めされているように、意匠感を増す目的で、前扉3mの下端縁を、左側を高くして、斜めに構成したパチンコ機も現れている。
【0005】
遊技島に設置される現金型のパチンコ機では、図9に示すように、左側に球貸機101が隣接して設置され、球貸機本体102から延びる貸球供給ノズル103によって球受皿41m上へパチンコ球が供給される。この貸球供給ノズル103は、新たに交換したパチンコ機にも対応できるようにほぼ同じ高さに設けられていて、右方向に回転して、パチンコ機の前面に対してほぼ平行な配球位置に配置して、球貸機本体102から供給される貸球が貸球供給ノズル103の先端から球受皿41m上に流入するようにされている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−221323号公報
【特許文献2】
特開2001−198313号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパチンコ機では、遊技中に、遊技領域22mに打付けられた釘間に遊技球が挟まったりするなど遊技に支障を生じると、ホール係員は前扉3mを開いて、遊技球を遊技領域22mから取り除くなど、頻繁に開閉する必要がある。この場合、前扉3mを開放しようとすると、前扉3mが貸球供給ノズル103と衝突して、貸球供給ノズル103に損傷を与えることがある。特に、貸球供給ノズル103の先端が球受皿の上縁面より下方にまで侵入している場合には、貸球供給ノズル103は、前扉3mと球受皿41mとの間に挟まれて、破損するおそれがさらに高くなる。このような損傷を避けるためには、配球位置にある貸球供給ノズル103内にパチンコ球が残留していないことを確認した上で、貸球供給ノズル103を退避位置に移動するために水平または上方に回転してから前扉3mの開閉を行う必要があった。なお、特許文献1及び特許文献2に開示されているパチンコ機は、貸球供給ノズル103との関係を配慮しておらず、単に意匠感を増すための発明であるために、前扉の下端縁の左側をわずかに高くしたに過ぎず、これらの課題を解消するものではない。
【0008】
そこで、この発明では、貸球供給ノズルを配球位置に配置したままの状態で、前扉の開閉を行うことのできるパチンコ機とすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、受皿扉は、隣接して配置される貸球機から球受皿上に延びる貸球供給ノズルの背部に配置され、前扉を開放する際に前扉が該貸球供給ノズルにぶつからないで開放可能に前扉の下部に切欠部が形成されている。
【0010】
この構成によって、パチンコ機に隣接して配置される貸球機から球受皿上に延びる貸球供給ノズルを退避位置に移動しなくても前扉の開閉を行うことができる。なお、遊技球を発射する遊技球発射槌が遊技盤の右側に設けられているパチンコ機や左側に設けられているパチンコ機にも本発明を適用することができる。
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明では、受皿扉は、隣接して配置される貸球機から球受皿上に延びる貸球供給ノズルの背部に配置され、前扉を開放する際に前扉が該貸球供給ノズルにぶつからないで開放可能に前扉の下部に切欠部が形成されていることによって、貸球供給ノズルを配球位置に配置したままの状態で、前扉の開閉を可能としたパチンコ機とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例1を、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、パチンコ機の台間に設置される球貸機101は、遊技島100に取付けられていて、球貸機本体102から前面へ突出する貸球供給ノズル103が設けられている。この貸球供給ノズル103は、多くのパチンコ機にも対応できるようにほぼ同じ高さに設けられていて、球貸機本体102に対して、右方向及び上方向に回転可能に取付けられている。貸球供給ノズル103を右方向に回転して、パチンコ機の前面に対して平行に配置した配球位置と、上方に起立した退避位置とに移動することが可能になっている。
【0014】
図1は、貸球供給ノズル103を配球位置とした状態を示し、球貸機本体102から供給される貸球は、貸球供給ノズル103を流下してノズル先端104から吐出される。通常貸球供給ノズル103を配球位置に配置して遊技される。
【0015】
パチンコ機は、この球貸機101の右側に接して設置される。
【0016】
パチンコ機の外枠1は、図2に示すように、矩形の枠状とされていて、一般に釘により直接遊技島100に取付けられている。外枠1の上下二カ所で前面枠2が外枠ヒンジ10、10により開閉可能に取付けられている。前面枠2は、外枠1の下部11を露出し、左右と上部が外枠1の外形に倣って同形とされて外枠1の前面を覆っている。
【0017】
この前面枠2の内側に遊技盤20が固定されている。遊技盤20は、その裏面にパチンコ機の主要部品が取付けられ、また前面に略円形に固定された誘導レール21により区画される遊技領域22が設けられるもので、その上部は前面枠2に嵌合するように略方形に形成されている。
【0018】
図4に示すように、遊技盤20の下縁により略直線状に区画された下方には、遊技球発射槌23などが取付けられている矩形の腰板パネル24が前面枠2に固定されている。この腰板パネル24の左側には、遊技盤20の裏面に設けられた賞球排出通路43の賞球口44が開口されている(図4参照)。
【0019】
腰板パネル24の下方には、下皿25が中央に、発射ハンドル26が右側に、さらに灰皿27が左側にそれぞれ設けられている。
【0020】
遊技盤20の前面には、図2、図4に示すように、遊技盤20の前面を覆う略方形の前扉3が前面枠2の左側部に設けた前扉ヒンジ31、31により開閉可能に取付けられている。この前扉3は遊技領域22に対応する部位にガラスなどの透明板が嵌められている。
【0021】
遊技領域22を覆う前扉3は、正面から見て、略方形をなし、その下部左側の隅部に斜めに直線的に切欠された切欠部32が形成されている。この切欠部32により、前扉3は配球位置とした貸球供給ノズル103の後方位置を避けていて、貸球供給ノズル103が前扉3の前面へはみ出すことがないように形成されている。
【0022】
また、図2に示すように、前扉3の下方に、パチンコ球を貯留する球受皿41が前方に膨出して一体成形された受皿扉4が設けられている。この受皿扉4は、腰板パネル24を覆う略方形とされ、前面枠2の左側部に受皿扉ヒンジ40、40により開閉可能に取付けられている。
【0023】
この受皿扉4の上端縁は、前扉3の下端縁と重なって取付けられ、前扉3の下端縁に沿った形状とされている(図3参照)。これによって、前扉3を開放した上で受皿扉4を開放可能とされている。すなわち、前扉3には切欠部32が形成されていることに伴い、受皿扉4の左上部は、この切欠部32に対応して貸球供給ノズル103の背部となる部位をカバーしていて、前扉3を開放する際に前扉が貸球供給ノズルにぶつからないように、受皿扉ヒンジ40、40側では、従来のパチンコ機よりもその縦幅を広く形成されている。このようにこの実施例1では、前面枠2の左枠の二カ所に設ける受皿扉ヒンジ40、40は、従来のパチンコ機よりもその間隔を広くされていて、受皿扉4の取付強度が大きくなっている。なお、この実施例1では、受皿扉ヒンジ40を二カ所に設けた例を示しているが、中央に一カ所設けてもよく、この際にも、従来のパチンコ機よりも取付強度の大きな長い受皿扉ヒンジに取付けることが可能になる。この二枚の扉(受皿扉4および受皿扉4)により、前面枠2の遊技領域22と腰板パネル24が覆われている。
【0024】
以上詳述した実施例1のパチンコ機の作用について説明する。
図1に示すように、貸球供給ノズル103はパチンコ機の前面に対して平行位置とした配球位置にセットされ、ノズル先端104が球受皿41の上方位置とされている。遊技者は、球貸機101から貸球の供給を受けて、遊技を開始する。遊技領域22に打付けられた遊技釘などに遊技球が挟まるなど遊技に障害が発生すると、ホール従業員が前扉3を開放し、遊技盤20に対して、遊技領域22を露出して挟まった遊技球を取り除く。図2に示すように、ホール従業員がこの前扉3を開放するに際して、前扉3の下端縁は切欠部32が設けられており、貸球供給ノズル103は受皿扉4の前面に配置されているために、貸球供給ノズル103を配球位置にセットしたままの状態で、貸球供給ノズル103に衝突することなく前扉3を開放できる。
【0025】
特に、従来のパチンコ機では、貸球供給ノズル103を退避位置に移動してから前扉3を開放するために、待避位置に置かれた貸球供給ノズル103に衝突しない範囲でしか前扉3を開放することができなかった。これに対して、この実施例では、前扉3は貸球供給ノズル103に衝突することがないために、前扉3を図2に示すように大きく開放できる。
【0026】
また、前扉3を開放して行う点検作業の際に、図5に示すように、前扉3を設置面に対して、約180°近く開放した後に、貸球供給ノズル103の先端側を前扉3の内側に起立すれば、貸球供給ノズル103がストッパの機能を発揮して、前扉3が意に反して閉じることを防止して、容易に点検作業をすることができる。なお、図示しないが、前扉3を設置面に対して、約90°程度に開くなど、任意の角度に開放した後に、貸球供給ノズル103の先端側を前扉3の内側に起立して、意に反して前扉3が閉じることを防止することができる。
【0027】
また、遊技球発射槌の近傍でのトラブルを生じた際には、前扉3を開放するとともに、貸球供給ノズル103をパチンコ盤面に対して直角方向に移動した退避位置に移動してから受皿扉4も開放して、腰板パネル24を露出することによって受皿扉4の裏面などを点検する。この際、受皿扉4に多量のパチンコ球が貯留されていても、受皿扉ヒンジ40、40は、従来のパチンコ機よりもその間隔を広くされていて、取付強度が大きくなっているために、受皿扉4は従来のパチンコ機よりも、受皿扉4のがたつきが防止され、長期にわたって、円滑に受皿扉4の開閉を行うことができる。
【0028】
図6、図7は、実施例2を示し、遊技球発射槌23aが左側に設けられているパチンコ機に適用した例である。遊技球発射槌23aを左側に設けたことに伴い賞球口44aが右側に設けられている。この実施例2においても、遊技領域22aを覆う前扉3aは、前面枠2aの左側の枠に前扉ヒンジ31aにより開閉可能に取付けられている。そして、正面から見て、その下部左側に、配球位置とした貸球供給ノズル103の後方位置を避けて、斜めに直線的に切欠された切欠部32aが形成されて、貸球供給ノズル103が前扉3aの前方にはみ出すことがないように形成されている。
【0029】
また、前扉3aの下方に腰板パネル24aを覆う受皿扉4aが、前面枠2aの側部に設けた受皿扉ヒンジ(図示しない。)により開閉可能に取付けられている。この受皿扉4aは、腰板パネル24aのほぼ前面を覆うとともに、遊技球発射槌23aを駆動する遊技球発射機構を露出して点検可能なように下皿25aの左側から下方に延びて、灰皿27aをもこの受皿扉4aを設けていて、その縦幅が著しく広く形成されている。従って、実施例1のパチンコ機と同様に、貸球供給ノズル103を配球位置にセットしたままの状態で、前扉3aを貸球供給ノズル103に衝突することなく開放できる。
【0030】
なお、この実施例2の受皿扉4aの左側は著しく縦幅を大きく形成しているために、図示しない受皿ヒンジを実施例1のパチンコ機よりもその取付強度をさらに大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の遊技島に設置されたパチンコ機の正面図
【図2】前扉を開いた状態の正面図
【図3】図1におけるAーA線で切断した一部の断面図
【図4】受皿扉を開いた状態の正面図
【図5】貸球供給ノズルをストッパに利用している状態の正面図
【図6】実施例2を示す一部の正面図
【図7】実施例2の受皿扉を開いた状態の正面図
【図8】従来のパチンコ機を示す斜視図
【図9】従来のパチンコ機の問題点を示す模式図である。
【符号の説明】
2…前面枠
3…前扉
4…受皿扉
22…遊技領域
41…球受皿
100…遊技島
101…球貸機
102…球貸機本体
103…貸球供給ノズル
Claims (2)
- 前面を覆う前面枠の側部に、遊技領域を覆う前扉と該前扉の下端縁に重ねられる上端縁を有し、球受皿を設けた受皿扉、とをそれぞれ開閉可能に取付けられたパチンコ機において、
前記受皿扉は、隣接して配置される貸球機から前記球受皿上に延びる貸球供給ノズルの背部に配置され、前記前扉を開放する際に該前扉が該貸球供給ノズルにぶつからないで開放可能に該前扉の下部に切欠部が形成されていることを特徴とするパチンコ機。 - 遊技球を発射する遊技球発射槌が遊技盤の正面から見て左側に設けられていることを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
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