JP4031294B2 - テアニンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はテアニンの製造方法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、茶抽出液から合成吸着剤を用いて所望の成分を抽出する茶由来成分の製造方法が提案されてきた。例えば、特開平6―9607には合成吸着剤を用いたカフェイン、その他夾雑成分を除去することを特徴とする茶カテキン類の製造方法が開示されている。また、特開平8―109178号には抽出液を合成吸着剤へ通液し、次いでアルカリ性条件に調製した液を通液することによりカフェインを除去することを特徴とする低カフェイン茶ポリフェノールの製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、茶抽出液に含まれるカテキン、カフェイン等の除去は合成吸着剤の使用によって容易に行えるが、テアニンと夾雑成分等との分離には特別の配慮が必要であったために、分離工程の簡易・簡略化が求められていた。
本発明は前記課題を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決するためにテアニンの溶出挙動を検討した結果、水によるカラムの洗浄過程におけるテアニンと夾雑成分の溶出挙動に差があることを知見し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の記載事項に関する。
<1> 茶抽出液を吸着剤を充填した容器に容積比(茶抽出液/吸着剤)=1.5以下で通液し、前記抽出液中のテアニンを前記吸着剤に吸着させる吸着工程と;前記抽出液の通液終了後、溶出液としての水を前記容器に通液する通液工程と;前記茶抽出液及び/又は前記溶出液としての水を前記容器に通液することにより得られる初期排出画分を、前記吸着剤の容積の0.5〜2倍量で回収して夾雑成分群を除去する除去工程と;前記溶出液としての水の残り排出画分を回収してテアニン含有溶出液を得る回収工程と;を有するテアニンの製造方法。
<2> 前記吸着剤が芳香族重合体を母体とする合成吸着剤であることを特徴とする前記<1>に記載のテアニンの製造方法。
<3> 前記夾雑成分群がグルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、SO 2−、リンゴ酸、アルコール不溶性の高分子成分からなる群から選択される少なくとも1種以上の成分からなることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のテアニンの製造方法。
<4> 前記茶抽出液が茶由来の成分を含有している前記<1>〜<3>のいずれかに記載のテアニンの製造方法。
<5> 前記茶抽出液が、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、SO 2−、リンゴ酸、アルコール不溶性の高分子成分からなる群から選択される少なくとも1種以上の成分からなる夾雑成分群と共にテアニンが溶解している水溶液であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載のテアニンの製造方法。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれかに記載のテアニンの製造方法により得られるテアニンを添加してなるテアニンの強化飲食物。
以上のような構成を有することより、本発明によれば簡易にテアニンと夾雑成分の分離を効率よく行うことができる。また、本発明によれば前記効果に加えて、吸着剤やカラムの洗浄に用いる洗浄液とテアニンの溶出液とを使い分ける必要がなくなるため作業工程の簡略化が図られる。
【0005】
また、本発明は以下の記載事項にも関する。
<7> さらに、得られたテアニン含有溶出液を濃縮又は乾燥する工程を有することを特徴とする前記<1>に記載のテアニンの製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
茶抽出液を用いる本発明のテアニンの製造方法は、吸着工程と、供給工程と、除去工程と、回収工程と、さらに所望により濃縮・乾燥工程とを有する。以下に、本発明に用いられる茶抽出液及び本発明のテアニンの製造方法の各工程について詳しく説明する。
【0007】
(茶抽出液)
本発明における茶とは、発酵、不発酵の別を問わず、緑茶、紅茶、ウーロン茶、プアール茶等の茶を示しその種別は問わない。茶葉のテアニン含有量としては、乾燥茶葉100g中に玉露(上)では、2.47%、玉露(並)では2.01%、煎茶(上)では1.50%、煎茶(並)では0.65%、番茶では0.42%、ほうじ茶では0.02%と報告されている(茶葉研究報告No.40.65、1973)。また、茶抽出液とは、前記茶から抽出して得られた茶抽出物を含有する水溶液又はその濃縮液をさす。ここで、茶抽出物とは、例えば常法による茶の水抽出物、またはこれら抽出物の樹脂や吸着剤による処理物等が該当する。茶の水抽出とは冷水や熱水を用いて茶葉を浸漬、抽出する方法であり、十分にテアニンが抽出されるものであれば良く、使用する茶葉重量、液量及び抽出温度は特に限定されるものではない。
前記茶抽出液の例として、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、SO 2−、リンゴ酸、アルコール不溶性の高分子成分からなる群から選択される少なくとも1種以上の成分からなる夾雑成分群と共にテアニンが溶解している水溶液が挙げられる。
【0008】
(吸着工程)
前記茶抽出液を吸着剤を充填した容器に流し込み、前記茶抽出液中のテアニンを吸着剤に吸着させる。吸着剤としてはテアニンが吸着されるものであれば特に限定されることなく従来公知の合成吸着剤を用いることができる。合成吸着剤としては、その母体がスチレンジビニルベンゼン系、例えばSEPABEADS SP205(三菱化学(株)製)、SEPABEADS SP206(三菱化学(株)製)、SEPABEADS SP207(三菱化学(株)製)、XAD−2(ローム・アンド・ハース社製)、XAD−4(ローム・アンド・ハース社製)、XAD−2000(日本有機化学工業(株)製)、XAD−2010(日本有機化学工業(株)製)、XAD−2005(日本有機化学工業(株)製)、スチレン系、例えばSEPABEADS HP20(三菱化学(株)製)、SEPABEADS HP21(三菱化学(株)製)、SEPABEADS SP800(三菱化学(株)製)、SEPABEADS SP825(三菱化学(株)製)、SEPABEADS SP850(三菱化学(株)製)、SEPABEADS SP875(三菱化学(株)製)等が使用できその種類は問わない。
なかでも、テアニンと他のアミノ酸との分離が良好であり、また比重が大きいため濃縮液を流した場合も取扱いが容易である観点からSEPABEADS SP205、SEPABEADS SP206、SEPABEADS SP207(いずれも三菱化学(株)製)を用いることが好ましい。
前記茶抽出液の供給量は、容積比(茶抽出液/吸着剤)=1.5以下で、さらに好ましくは1以下で通液することが望ましい。吸着剤が充填される容器としては、特に限定されることなく従来公知の容器もしくは装置が用いられる。前記容器としては、例えばクロマトカラムが挙げられる。
前記茶抽出液の供給速度(線速度LV:m/h)はテアニンが吸着されるのであれば特に限定されることなく周知技術に基づいて定まる。LV=1.3程度で行うことが好ましい。
【0009】
(通液工程)
前記茶抽出液の通液終了後、溶出液としての水を前記容器に流し込む。その際、溶出液としての水を吸着剤に通液すると共に吸着剤を通液した溶出液を排出液として所定の画分毎に回収する。溶出液の供給量は、後に説明するように夾雑成分群が分離され、かつ吸着剤に吸着したテアニンが溶出されるに十分な量で供給されるのであれば特に限定されない。
テアニンの回収率を70%以上にするには、溶出液の供給量を好ましくは容積比(水/吸着剤)=6以上で供給することが望ましい。容積比が6よりも低いとテアニンの溶出が終了せず、テアニンの回収率低下につながり、さらに大量に流し続けるとテアニンの溶出が終了するため無駄な画分が増え、また濃縮工程において効率が悪くなるため好ましくない。
回収する排出液の画分の単位量は、夾雑成分群を好適に除去できるのであれば特に限定されない。後に説明する除去工程で得られる夾雑成分群を含有する排出溶液量により適宜定められるものである。
前記溶出液の供給速度(線速度LV:m/h)は後に説明するように夾雑成分群が分離され、かつ吸着剤に吸着したテアニンが溶出されるのであれば特に限定されることなく周知技術に基づいて定まる。LV=1.3を超えない程度で行うことが好ましい。
【0010】
(除去工程)
続いて、前記茶抽出液及び/又は前記溶出液としての水を前記容器に通液することにより得られる排出液のうち、初期排出画分を除去する。このように初期排出画分を除去することにより夾雑成分群が効率的に除去されることとなる。この場合、吸着剤の容積の0.5〜2倍量に当たる前記初期排出画分を回収することが好ましい。その排出画分が0.5倍より小さいと夾雑成分の分離が困難となり、また2倍よりも大きいとテアニンの回収率が低下することになるので好ましくない。
また、本発明において夾雑成分群とは、アミノ酸、無機イオン、有機酸、多糖類等を意味する。夾雑成分群としては、例えばグルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、SO 2−、リンゴ酸、アルコール不溶性の高分子成分からなる群から選択される少なくとも1種以上の成分からなる群が挙げられる。
尚、本除去工程は、前記吸着工程及び/又は前記通液工程と平行して行ってもよいことはいうまでもない。
【0011】
(回収工程)
前記通液工程で得られた排出液から前記初期排出液を除去して得られた残りの排出液を回収することで高純度でテアニンを含有するテアニン含有溶液が得られる。
尚、本回収工程は、前記吸着工程及び/又は前記通液工程と平行して行ってもよいことはいうまでもない。
【0012】
(濃縮・乾燥工程)
以上説明したようにして回収したテアニン含有溶液を従来公知の方法を用いてさらに濃縮や乾燥処理を行うことにより、濃縮液や乾燥粉末の形態で製品化することができる。濃縮法としては例えば、減圧濃縮法、逆浸透膜分離法、凍結濃縮等が挙げられ、また乾燥処理としては例えば、スプレードライ法、フリーズドライ法等が挙げられる。
本発明により得られる粗テアニン粉末中のテアニン含有量は、用いる茶抽出液のテアニン含有量等により異なってくるため一概にはいえないが、テアニン含有量0.3wt%の茶抽出液を用いて処理を行った場合、得られる粗テアニン粉末中のテアニン含有量は14.9〜26.1wt%となる。
【0013】
かくして得られるテアニンは、その活性を利用した食物、例えばテアニンの強化飲食物、具体的には健康維持食品、健康増進食品、健康回復食品などに有効に用いられる。その他にも本発明により得られるテアニンは、調味料、和菓子、洋菓子、氷菓子、シロップ類、果実加工品、野菜加工品、漬物類、畜肉製品、魚肉製品、珍味類、缶・ビン詰類、酒類、清涼飲料、即席飲食物などの食品類、タバコ、練り歯磨き、口紅、リップクリーム、内服薬、トローチ、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香錠、うがい薬など各種固形状、ペースト状、液状の嗜好品、化粧品、医薬品などに用いられる。
【0014】
ところで、一般的に茶抽出液からのテアニンの生成には陽イオン交換処理が用いられるが、テアニンの溶出液として塩溶液の通液が必要な上に、テアニンと他のアミノ酸との分離が困難であり、その後に脱塩工程が必要となり作業効率も悪かった。
ところが、本発明によれば吸着剤やカラムの洗浄に用いる洗浄液とテアニンの溶出液とを使い分ける必要がなくなるため、作業工程の簡略化が図られ、また、有機溶媒を用いないため、作業環境の向上や環境負荷軽減等の効果が得られる。
【0015】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施例1)
茶抽出物l.25g(カテキン28.7wt%、力フェイン7.1wt%、テアニン3wt%)をそれぞれ12.5、25,50,75,100mlの蒸留水に溶解して茶抽出液を得た。芳香族重合体(スチレン−ジビニルベンゼン)を母体とする合成吸着剤セパビーズSP207(SEPABEADS SP207/三菱化学(株)製)50mlをガラスカラム(20mmI.D.×165mm)に充填した。そして前記茶抽出液を前記合成吸着剤を備えるガラスカラムにLV=1.3で通液した。上記の茶抽出液の注入量は、合成吸着剤の充填容積に対して、即ち容積比(茶抽出液/合成吸着剤)=l/4、1/2、1、3/2、2倍量の水準に相当する。
次に、前記茶抽液を充填したガラスカラムにさらに蒸留水を通液すると共に、排出液を0.5bed毎に回収した。得られた各排出液中のアミノ酸含有量を表1に示される分析条件で高速液体クロマトグラフ(以下「HPLC」)により分折を行った。得られた分析結果を基に作成した溶出挙動を示すグラフを図1〜5に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0004031294
【0017】
図1〜5より、水によるカラムの洗浄過程においてテアニンと夾雑アミノ酸(グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン)の溶出挙動に差があることを確認し、最適処理容量の設定によってテアニンと夾雑アミノ酸を良好に分離できることが分かった。また、図3より、最適条件を超える容量の茶抽出液をクロマトカラムに通液した場合、テアニンと夾雑アミノ酸の分離が十分ではないことが確認された。このことからテアニンの回収率は低下し、純度に影響すると思われる。
【0018】
また、各容積比の溶出液を供給することにより得られた排出液を所定の画分で回収した。そして、夾雑アミノ酸を90%以上除去すべく、夾雑成分群を多く含有する夾雑成分群画分(表中「×」で示される画分。)を廃棄した。また、テアニンを高含有量で含有するテアニン溶出画分(表中「●」で示される画分。)を回収した。得られた結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
Figure 0004031294
【0020】
表中、テアニンの回収率は次式に基づき重量基準で算出し、また総合評価は以下の基準に基づいて行った。
―回収率―
{l―(廃棄画分のテアニン量/茶抽出液中の総テアニン量)}×100=テアニンの回収率(%)
【0021】
―評価基準―
生産性を考慮すると、テアニン回収率が高く廃棄画分が少ないことが好ましいため、下記の表3を評価基準とした。
【表3】
Figure 0004031294
【0022】
表2より、処理テアニン含有混合液の最適条件は使用合成吸着剤容積の1.5倍以下、好ましくは使用合成吸着剤容積の等倍以下であるといえる。
【0023】
次に、前記容積比=1/4の排出液の画分1〜10を各5mlずつ採取し、1:1の割合でエタノール5mを添加しよく混ぜた後、遠心分離機で15分間遠心分離を行った。得られた沈降物を目視によって確認した結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
Figure 0004031294
【0025】
表4より、排出液1、2では沈降物が確認されアルコール不溶の高分子成分が排出されていると考えられ、これはテアニン溶出画分とは異なるためこのことから本発明によればテアニンとアルコール不溶高分子成分の分離が可能であることが分かった。
また、容積比=1/4の前記排出液l〜l0を以下の表5に示される条件下でイオンクロマトグラフィーにて分析した結果を表6に示す。
【0026】
【表5】
Figure 0004031294
【0027】
【表6】
Figure 0004031294
【0028】
表6より、Na、K、Mg2+、Ca2+の大部分が排出液l、2に溶出され、テアニン溶出画分のNa、K、Mg2+、Ca2+が低減されることが分かった。
【0029】
(実施例2)
クロマトカラムのスケールを変更したことを除き、即ちガラスカラム(30mmI.D.×650mm)に充填した合成吸着剤SP207(三菱化学(株)製)500mlに茶抽出液を通液した(LV=1.3)ことを除いて、実施例1と同様にして実験及び分析を行った。
そして、溶出したテアニン溶出画分を回収し、それを減圧濃縮、凍結乾燥して粗テアニン粉末1.148gを得た。HPLCの分析結果を表7に示す。
【0030】
【表7】
Figure 0004031294
【0031】
得られたHPLCの分析結果からテアニン含有率が26.1%であることが分かった。尚、表7中カテキン類とはエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートの合計量で示されている。
【0032】
またテアニン溶出画分にカテキン及びカフェインの溶出は認められなかった(表)。初期テアニン含有率が3%から本発明処理後26.1%に向上した。
得られた粗テアニンと初期テアニン含有混合溶液に用いた茶抽出エキスを各1000ppmの濃度に調整し、陰イオンについて表8に示す条件でイオンクロマトグラフィーにて分析した。その結果を表9に示す。
【0033】
【表8】
Figure 0004031294
【0034】
【表9】
Figure 0004031294
【0035】
表9より、Cl、リンゴ酸、SO 2−硫酸の大部分が容積比=1/4の排出液の画分1、2に溶出され、テアニン含有画分のCl、リンゴ酸、SO 2−が低減されることが分かった。
【0036】
(比較例1)
茶抽出液を合成吸着剤としてのHP20(三菱化学(株)製)500mlに通液した(LV=1.3)ことを除いて、実施例2と同様に実験及び分析を行った。
そして、溶出したテアニン溶出画分を回収しこれを減圧濃縮、凍結乾燥することで、粗テアニン粉末1.92gが得られた。夾雑アミノ酸を90%以上除去する場合、フラクション3のみを回収すべきであるが、テアニンの回収率を上げるため、今回は2〜3を回収した。
図6に、テアニンの溶出挙動を示すグラフ(容積比=1/4)を示す。
このようにして得られたサンプルを実施例2と同様の方法で分析した結果、テアニン含有率は14.9%であった。HP20はSP207と比較して吸着能が弱く素通りする成分が多く、またテアニンも早く溶出してしまうためテアニン溶出画分に夾雑物が多く混入してしまうためと考えられる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成を有することより以下のような作用効果を奏する。
茶抽出液から夾雑成分群とテアニンが効率的に分離されることにより、テアニンが簡易かつ容易に製造される。また、洗浄液と溶出液とを兼ね備える溶液として「水」を用いたことで作業性の向上(工程の簡略化)が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、テアニンの溶出挙動を示すグラフである(容積比=l/4)。
【図2】図2は、テアニンの溶出挙動を示すグラフである(容積比=l/2)。
【図3】図3は、テアニンの溶出挙動を示すグラフである(容積比=l)。
【図4】図4は、テアニンの溶出挙動を示すグラフである(容積比=3/2)。
【図5】図5は、テアニンの溶出挙動を示すグラフである(容積比=2)。
【図6】図6は、比較例におけるテアニンの溶出挙動を示すグラフである(容積比=1/4)。

Claims (6)

  1. 茶抽出液を吸着剤を充填した容器に容積比(茶抽出液/吸着剤)=1.5以下で通液し、前記抽出液中のテアニンを前記吸着剤に吸着させる吸着工程と;前記抽出液の通液終了後、溶出液としての水を前記容器に通液する通液工程と;前記茶抽出液及び/又は前記溶出液としての水を前記容器に通液することにより得られる初期排出画分を、前記吸着剤の容積の0.5〜2倍量で回収して夾雑成分群を除去する除去工程と;前記溶出液としての水の残り排出画分を回収してテアニン含有溶出液を得る回収工程と;を有するテアニンの製造方法。
  2. 前記吸着剤が芳香族重合体を母体とする合成吸着剤であることを特徴とする請求項1に記載のテアニンの製造方法。
  3. 前記夾雑成分群がグルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、SO 2−、リンゴ酸、アルコール不溶性の高分子成分からなる群から選択される少なくとも1種以上の成分からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のテアニンの製造方法。
  4. 前記茶抽出液が茶由来の成分を含有している請求項1〜3のいずれかに記載のテアニンの製造方法。
  5. 前記茶抽出液が、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、SO 2−、リンゴ酸、アルコール不溶性の高分子成分からなる群から選択される少なくとも1種以上の成分からなる夾雑成分群と共にテアニンが溶解している水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテアニンの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のテアニンの製造方法により得られるテアニンを添加してなるテアニンの強化飲食物。
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