JP4029010B2 - サーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、フォトプリンタやサーマルプリンタ等に搭載されるサーマルヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
フォトプリンタやサーマルプリンタ等に搭載されるサーマルヘッドは、放熱性基板上に形成された保温層、この保温層上に形成され複数の発熱抵抗部を有する抵抗膜、この発熱抵抗部を通電するための電極層及び耐摩耗性保護層などからなる発熱部を備えている。この発熱部は、従来、例えば下記工程で形成される。先ず、保温層を有する放熱性基板上に抵抗膜を形成して該抵抗膜の面積抵抗値を測定する。次に、アニール処理を施して熱的負荷を加速的に加え、抵抗膜を安定化させる。続いて、抵抗膜上に電極層を全面形成した後、抵抗膜の発熱抵抗部となるエリア上の電極層を除去し、各発熱抵抗部及び電極層の形状を規制する。そして耐摩耗保護層を形成し、発熱部を完成させる。
【0003】
しかしながら、上記従来の製造工程では、抵抗膜成膜後に大気中で面積抵抗値を測定したり、アニール処理後に大気中に取り出したりするため、抵抗膜の表面に酸化層が生じてしまう。このように抵抗膜の表面に酸化層が生じていると、抵抗膜と電極膜との密着が悪くなり、この結果、各発熱抵抗部の抵抗値がばらついてしまう。これを解消するためには、抵抗膜表面の酸化層を逆スパッタやイオンビームエッチングにより除去し、酸化されていない抵抗膜上に電極膜を形成することが考えられる。しかし、逆スパッタやイオンビームエッチングでは酸化層を一様に除去すること(発熱抵抗部の初期膜厚を維持すること)が困難なため、この場合にも各発熱抵抗部の抵抗値がばらついてしまう。
【0004】
また、発熱抵抗部上の電極層を除去する工程ではウエットエッチング等を用いるが、エッチングのばらつきにより発熱抵抗部の抵抗長が変化してしまうため、これも各発熱抵抗部の抵抗値のばらつきを増大させる要因となっている。さらに、耐摩耗保護層を形成する際には、該耐摩耗保護層と電極膜及び抵抗膜との密着性が良くなるように逆スパッタを行なうが、この逆スパッタ工程も各発熱抵抗部の抵抗値のばらつきを増大させる要因になる。
【0005】
上記各発熱抵抗部の抵抗値のばらつきは、サーマルヘッドがプリンタに搭載されたとき、印字品位の劣化(印字濃度ムラ)として現れる。このため、特にカラープリンタやフォトプリンタに用いられるサーマルヘッドに対しては、ヘッド内での各発熱抵抗部の抵抗値のばらつきを厳密に抑える必要がある。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記の問題点に鑑み、各発熱抵抗部の抵抗値のばらつきを抑えることができるサーマルヘッドの製造方法を得ることを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
本発明によるサーマルヘッドの製造方法は、保温層を有する放熱性基板上に抵抗膜を形成する工程と;この抵抗膜上に、発熱抵抗部形成エリアに位置させて、発熱抵抗部の抵抗長を定める絶縁バリア層を抗酸化性を有する絶縁材料により形成する工程と;前記絶縁バリア層に覆われていない抵抗膜の表面を削る工程と;該削られた抵抗膜面上及び前記絶縁バリア層上に電極層を形成する工程と;前記絶縁バリア層上の電極層を除去する工程と;少なくとも前記電極層、前記絶縁バリア層及び該絶縁バリア層の下部の抵抗膜に、各発熱抵抗部及び電極層の幅寸法を定めるギャップ領域を形成する工程と;前記電極層及び前記絶縁バリア層の表面を削り、該削られた電極層及び絶縁バリア層上に耐摩耗保護層を形成する工程と;を有することを特徴としている。
【0012】
この製造方法によれば、絶縁バリア層で覆われた発熱抵抗部形成エリアがエッチングされず、各発熱抵抗部の抵抗長及び膜厚がほぼ一定に確保される。また抵抗膜と電極層との間に酸化層が介在せず、該抵抗膜と電極層の密着性が高まる。これにより、各発熱抵抗部の抵抗値ばらつきを良好に抑制することができる。
【0013】
絶縁バリア層は、反応性イオンエッチング又はリフトオフ法により形成することができる。反応性イオンエッチングで形成する場合は、絶縁バリア層を抵抗膜上に全面的に成膜した後、発熱抵抗部形成エリア以外の部分を反応性イオンエッチングにより除去する。一方、リフトオフ法で形成する場合は、抵抗膜上であって発熱抵抗部形成エリア以外の部分にレジスト層を形成した後、絶縁バリア層を成膜し、レジスト層及び該レジスト層上の絶縁バリア層をリフトオフで除去する。このリフトオフ法で絶縁バリア層を形成すれば、絶縁バリア層形成時に抵抗膜が削られることがなく、該絶縁バリア層にて発熱抵抗部の抵抗長をより正確に規制することができる。この絶縁バリア層は、絶縁性及び抗酸化性、さらに反応性イオンエッチングで形成する場合には反応性イオンエッチングに対する耐性を有する材料で形成されることが好ましい。具体的には、SiO2、Ta25、SiN、Si34、SiON、AlSiO、SIALON等で形成されることが好ましい。
【0014】
絶縁バリア層に覆われていない抵抗膜の表面を削る際は、例えばイオンビームエッチング法または逆スパッタ法等を用いることができる。耐摩耗保護層は、バイアススパッタ法により形成することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるサーマルヘッド1の発熱部構造を示す断面図であり、図2はサーマルヘッド1の発熱部(耐摩耗保護層7を除く)を示す平面図である。サーマルヘッド1は、放熱性の高いアルミナ基板2、このアルミナ基板2上に高断熱性のガラスから形成されたグレーズ保温層3、複数の発熱抵抗部4aを有する抵抗膜4、各発熱抵抗部4a上に形成された絶縁バリア層5、電極層6及び耐摩耗保護層7を有している。このサーマルヘッド1は、フォトプリンタやサーマルプリンタに搭載され、発熱抵抗部4aの発する熱を感熱紙またはインクリボンに与えることで印刷を行なう。なお、不図示であるが、サーマルヘッド1には、発熱抵抗部4aを通電するための駆動ICやPCB(Print Circuit Board)等も備えられている。
【0016】
抵抗膜4は、グレーズ保温層3上に全面的に形成されていて、複数の発熱抵抗部4aとこの発熱抵抗部4aよりも膜厚が薄い非発熱抵抗部4bとを有し、微視的に断面逆T字形状をなしている。この抵抗膜4は、高抵抗化しやすいTa−Si−O、Ti−Si−O、Cr−Si−O等の高融点金属のサーメット材料により形成されていることが好ましい。隣接する発熱抵抗部4a間には、図2に示すように、発熱抵抗部4aの抵抗幅(DOT幅)W及び電極層6の個別電極幅を規制するためのギャップ領域8が設けられている。ギャップ領域8は、発熱抵抗部4aの長手方向に平行な方向に細長く延びて形成された穴部であり、このギャップ領域8からはグレーズ保温層3(グレーズ保温層3を有するアルミナ基板2)が露出している。
【0017】
絶縁バリア層5は、発熱抵抗部4aの表面酸化を防止しつつ、エッチングによるダメージから発熱抵抗部4aを保護する保護層である。この絶縁バリア層5は、抗酸化性を有する絶縁材料であって反応性イオンエッチング(RIE)に適用可能な材料、具体的にはSiO2、Ta25、SiN、Si34またはSiON、AlSiO、SIALON等により形成されている。
【0018】
電極層6は、非発熱抵抗部4b及び絶縁バリア層5上に全面的に成膜された後に絶縁バリア層5を露出させる穴部(開放領域)9をあけて形成されたもので、絶縁バリア層5側の端部が該絶縁バリア層5上にオーバレイされている。この電極層6は、図2に示すように、全発熱抵抗部4aに接続された1つの共通電極6aと各発熱抵抗部4aに独立して電流を供給する複数の個別電極6bとを有しており、各個別電極6bの幅寸法がギャップ領域8により規制されている。この電極層6はAl導体膜により形成されている。
【0019】
耐摩耗保護層7は、ヘッド動作時に生じる摩擦から絶縁バリア層5及び電極層6を保護するための保護層であり、例えばSIALONやTa25等の耐摩耗性材料により形成されている。
【0020】
以上のような発熱部構造を有するサーマルヘッド1において、発熱抵抗部4aの平面的な大きさは、絶縁バリア層5によって規制されている。すなわち、抵抗膜4上の発熱抵抗部形成エリアに対応する範囲に絶縁バリア層5が形成されており、この絶縁バリア層5が形成すべき発熱抵抗部4aの抵抗長Lを規制している。このように絶縁バリア層5が発熱抵抗部形成エリア上に存在すれば、発熱抵抗部4aがエッチングによるダメージを受けることがない。これにより、電極層6を形成する前に非発熱抵抗部4b上の酸化膜を除去するためのエッチング(イオンビームエッチング(IBE)や逆スパッタ等)を行なっても、エッチングのばらつきに関係なく各発熱抵抗部4aの抵抗長L及び膜厚Dをほぼ一定に保つことができ、各発熱抵抗部4aの抵抗値のばらつきを良好に抑えることができる。一方、絶縁バリア層5が上に存在しない領域(非発熱抵抗部4b形成エリア)では、上記エッチング工程時に抵抗膜4の表面に生じた酸化層が除去されるため、抵抗膜4と電極層6との間に接触抵抗が介在することがない。これにより、抵抗膜4と電極層6の密着性が高まり、抵抗膜4と電極層6とのルーズコンタクトが原因で生じる発熱抵抗部4aの抵抗値のばらつきを抑えることができる。
【0021】
次に、図3〜図9を参照し、サーマルヘッド1の発熱部の製造工程について説明する。各図は、サーマルヘッド1の発熱部の製造工程を示す断面図である。本実施形態では、基板として、グレーズ保温層3を有するアルミナ基板(グレーズドアルミナ基板)2を用いる。
【0022】
先ず、図3に示すように、グレーズ保温層3上に形成すべき発熱抵抗部の膜厚Dで抵抗膜4を成膜し、該抵抗膜の面積抵抗率を測定する。成膜にはスパッタや蒸着法を用いることができる。この抵抗膜4は、高抵抗化しやすいTa−Si−O、Ti−Si−O、Cr−Si−O等の高融点金属のサーメット材料により形成されることが好ましい。
【0023】
続いて、図6に示すように、抵抗膜4上の発熱抵抗部形成エリアに対応する範囲に、酸化防止層としても機能する絶縁バリア層5を形成する。本実施形態では、絶縁バリア層5を600Å前後の膜厚で形成している。この絶縁バリア層5は、反応性イオンエッチング又はリフトオフ法により形成することができる。
【0024】
反応性イオンエッチングを用いて絶縁バリア層5を形成する場合は、以下の工程で行なう。すなわち、図4に示すように、抵抗膜4上に全面的に絶縁バリア層5をスパッタ等により成膜した後、発熱抵抗形成エリアに対応する絶縁バリア層5上にレジスト層Rを形成し、反応性イオンエッチングによりレジスト層Rに覆われていない絶縁バリア層5を除去する。このように絶縁バリア層5を反応性イオンエッチングにより形成すれば、該絶縁バリア層5を発熱抵抗部形成エリア上に精度良く形成することができる。
【0025】
一方、リフトオフ法を用いて絶縁バリア層5を形成する場合は、図5に示すように、抵抗膜4上であって発熱抵抗部形成エリア以外の部分にレジスト層Rを形成してから絶縁バリア層5を成膜し、レジスト層R及び該レジスト層R上の絶縁バリア層5をリフトオフで除去する。このリフトオフ法で絶縁バリア層5を形成すれば、絶縁バリア層形成時に抵抗膜4へエッチングダメージを与えることがない。
【0026】
絶縁バリア層5は、抗酸化性を有する絶縁材料であって反応性イオンエッチング(RIE)に適用可能な材料で形成されることが好ましく、具体的にはSiO2、Ta25、SiN、Si34、SiON、AlSiO、SIALON等が用いられるとよい。
【0027】
上述したように絶縁バリア層5の形成には、フォトリソグラフィー、エッチング、レジスト剥離、乾燥等の工程を用いているため、この形成過程において絶縁バリア層5に覆われていない抵抗膜4の表面には酸化層が生じてしまう。これに対し、発熱抵抗部4aの表面は、絶縁バリア層5に覆われているため酸化されることがない。
【0028】
絶縁バリア層5を形成したら、絶縁バリア層5まで形成された状態のアルミナ基板2をアニール真空槽へ移し、アニール処理を施す。このアニール処理は、ヘッド使用開始後の発熱抵抗部4aの抵抗変化率を抑制するために行なうもので、大きい熱的負荷を加えて抵抗膜4を安定化させる加速処理である。
【0029】
アニール処理を施したら、絶縁バリア層5まで形成された状態のアルミナ基板2をアニール真空槽からスパッタ装置に戻す。そして、後工程で形成する電極層と抵抗膜4との密着性を高めるため、図7に示すようにイオンビームエッチングまたは逆スパッタを行ない抵抗膜4の表面酸化層を除去する。このイオンビームエッチングまたは逆スパッタ工程によれば、絶縁バリア層5に覆われた抵抗膜4の発熱抵抗部形成エリアはエッチングを受けず、絶縁バリア層5に覆われていない抵抗膜4が削られて該表面に生じた酸化層が除去される。すなわち、抵抗膜4は、絶縁バリア層5により抵抗長Lが定められた発熱抵抗部4aと、表面酸化層が除去された非発熱抵抗部4bとを有する断面逆T字形状となる。このように発熱抵抗部4aが絶縁バリア層5によって保護されていれば、エッチングのばらつきに関係なく各発熱抵抗部4aの抵抗長L及び膜厚Dがほぼ一定に保たれ、各発熱抵抗部4aの抵抗値のばらつきは抑えられる。本実施形態では、発熱抵抗部4aの抵抗長Lを100μm程度としてある。
【0030】
続いて、図8に示すように、同一スパッタ装置内で(同一真空中で)、表面酸化層を除去した非発熱抵抗部4b上及び絶縁バリア層5上に電極層6を成膜する。成膜にはスパッタまたは蒸着法を用いることができる。このように非発熱抵抗部4bの表面酸化層が除去されていれば、非発熱抵抗部4bと電極層6の密着性が良くなり、電極層6のルーズコンタクトが原因で生じる発熱抵抗部4aの抵抗値のばらつきが抑えられる。電極層6はAlにより形成されることが好ましい。本実施形態では、電極層6を0.2〜3μm程度の膜厚で形成してある。
【0031】
電極層6を成膜したら、図7に示すように、該電極層6から絶縁バリア層5を露出させる開放領域(穴部)9をパターン形成する。すなわち、絶縁バリア層5上の電極層6を除去する。これにより、電極層6は共通電極6aと個別電極6bに分けられる。本実施形態では、電極層6の絶縁バリア層5側の端部を絶縁バリア層5上にオーバレイさせており、このオーバレイ量Δを5μm程度としてある。この開放領域9を形成する際にはエッチング処理を用いるが、発熱抵抗部4aは絶縁バリア層5で覆われていてエッチングを受けることがないため、この形成過程においても発熱抵抗部4aの抵抗値は変化しない。
【0032】
続いて、発熱抵抗部4a及び個別電極6bの幅寸法を規制するギャップ領域8をパターン形成する(図2参照)。すなわち、形成すべきギャップ領域8に位置する各層を除去し、該除去部分からアルミナ基板2を露出させる。これにより、発熱抵抗部4a及び個別電極6bが個々の発熱抵抗体及び電極に分けられ、発熱抵抗部4a及び電極層6が図1及び図2の完成状態となる。本実施形態では、発熱抵抗部4aの抵抗幅W及び個別電極6bの幅寸法を70μm程度、ギャップ領域の寸法Gを12.5μm程度としてある。なお、先にギャップ領域8を形成し、次に開放領域(穴部)9を形成してもよい。
【0033】
続いて、耐摩耗保護層7を成膜するが、この成膜前にイオンビームエッチング又は逆スパッタにより絶縁バリア層5及び電極層6を所定厚さだけ除去して該絶縁バリア層5及び電極層6の新たな膜面を露出させ、耐摩耗保護層7の密着性を高める。この工程においても、発熱抵抗部4aは絶縁バリア層5に覆われていてエッチングを受けることがないため、各発熱抵抗部4aの抵抗値は変化しない。
【0034】
そして、新たな膜面を露出させた絶縁バリア層5及び電極層6上に、同一真空中内でSiAlONやTa2等の耐摩耗材料からなる耐摩耗保護層7を形成する。この耐摩耗保護層7の形成にはバイアススパッタ法を用いることができる。本実施形態では、耐摩耗保護層7を約4μm程度の膜厚で形成している。以上により、図1及び図2に示すサーマルヘッド1の発熱部を得ることができる。
【0035】
以上の本実施形態によれば、各発熱抵抗部4a上に、該発熱抵抗部4aの平面的な大きさを定める絶縁バリア層5を設けたので、製造工程中に発熱抵抗部4aがエッチングを受けることがなく、製造過程において各発熱抵抗部4aの抵抗値は変化しない。すなわち、成膜段階における各発熱抵抗部4aの抵抗値のばらつきを製造工程中に増大させることがなく、完成状態において、各発熱抵抗部の抵抗値のばらつきを良好に抑制することができる。
【0036】
本実施形態では、グレーズ保温層3がアルミナ基板2上の全面に形成された全面グレーズタイプのサーマルヘッド1について説明したが、本発明は部分グレーズやリアルエッジ、ダブルグレーズ、DOS等の他タイプにも適用可能である。また本発明は、シリアルヘッドにもラインヘッドにも適用可能である。
【0037】
また本実施形態では、ヘッド基板としてアルミナ基板2を用いているが、アルミナ基板2に替えてシリコン基板を用いることも可能である。シリコン基板を用いる場合には、保温層として酸化物の蒸着膜やスパッタ膜からなる保温層を用いることが好ましい。
【0038】
【発明の効果】
本発明のサーマルヘッドの製造方法によれば、複数の発熱抵抗部上に、該発熱抵抗部の抵抗長を定め、且つ、抗酸化性を有する絶縁バリア層を設けたので、各発熱抵抗部の抵抗値のばらつきを良好に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるサーマルヘッドの発熱部構造を示す断面図である。
【図2】図1に示すサーマルヘッドの発熱部(耐摩耗保護層を形成する前の状態)を示す平面図である。
【図3】図1に示すサーマルヘッドの発熱部の製造方法の一工程図である。
【図4】図3に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図5】図4とは別態様で、図3に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図6】図4及び図5に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図7】図6に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図8】図7に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図9】図8に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【符号の説明】
1 サーマルヘッド
2 アルミナ基板
3 グレーズ保温層
4 抵抗膜
4a 発熱抵抗部
4b 非発熱抵抗部
5 絶縁バリア層
6 電極層
6a 共通電極
6b 個別電極
7 耐摩耗保護層
8 ギャップ領域(穴部)
9 開放領域(穴部)

Claims (6)

  1. 保温層を有する放熱性基板上に抵抗膜を形成する工程と;
    この抵抗膜上に、発熱抵抗部形成エリアに位置させて、発熱抵抗部の抵抗長を定める絶縁バリア層を抗酸化性を有する絶縁材料により形成する工程と;
    前記絶縁バリア層に覆われていない抵抗膜の表面を削る工程と;
    該削られた抵抗膜面上及び前記絶縁バリア層上に電極層を形成する工程と;
    前記絶縁バリア層上の電極層を除去する工程と;
    少なくとも前記電極層、前記絶縁バリア層及び該絶縁バリア層の下部の抵抗膜に、各発熱抵抗部及び電極層の幅寸法を定めるギャップ領域を形成する工程と;
    前記電極層及び前記絶縁バリア層の表面を削り、該削られた電極層及び絶縁バリア層上に耐摩耗保護層を形成する工程と;
    を有することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  2. 請求項1記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記絶縁バリア層は、前記抵抗膜上に全面的に成膜された後、前記発熱抵抗部形成エリア以外の部分が反応性イオンエッチングにより除去されてなるサーマルヘッドの製造方法。
  3. 請求項2記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記絶縁バリア層は、前記抵抗膜上であって前記発熱抵抗部形成エリア以外の部分にレジスト層を形成する工程と、前記抵抗膜及び前記レジスト層上に絶縁バリア層を成膜する工程と、前記レジスト層及び該レジスト層上の絶縁バリア層をリフトオフにより除去する工程とにより形成されるサーマルヘッドの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記絶縁バリア層をSiO2、Ta2O5、SiN、Si3N4、SiON、AlSiO、SIALONのいずれかによって形成するサーマルヘッドの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記絶縁バリア層に覆われていない抵抗膜の表面を、イオンビームエッチング法または逆スパッタ法で削るサーマルヘッドの製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記耐摩耗保護層をバイアススパッタ法により形成するサーマルヘッドの製造方法。
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