JP4227799B2 - サーマルヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、フォトプリンタやサーマルプリンタ等に搭載されるサーマルヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
フォトプリンタやサーマルプリンタ等に搭載されるサーマルヘッドでは、印字品位の向上を図るため、ヘッド内における複数の発熱抵抗体同士の抵抗ばらつきを抑制する対策が種々とられている。この対策の一つとして、抵抗膜上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜の平面的な大きさで発熱抵抗体の抵抗長及び/又は抵抗幅を正確に規定することが提案されている。このような絶縁膜を備えるサーマルヘッドは従来、次のように形成されている。すなわち、フォトリソグラフィ技術を用いて複数の発熱抵抗体上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜及び複数の発熱抵抗体上に導体を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術を用いて導体パターンを形成し、不要な導体を除去する。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁膜を露出させる開放部を導体に形成している。
【0003】
しかしながら、上記製造方法では、フォトリソグラフィ技術を用いて絶縁膜を形成するため、フォトリソグラフィ工程を合計3回行うことになり、製造工程が長くなってしまう欠点がある。また上記製造方法によれば、導体が絶縁膜を介し発熱抵抗体にオーバーレイして形成されるため、導体のオーバーレイによる熱損失が生じていた。
【0004】
【特許文献】
特開平7−29711号公報
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記問題点に鑑み、複数の発熱抵抗体上に形成された絶縁バリア膜を有するサーマルヘッドにおいて、より少ない工程数で形成でき、且つ、導体が発熱抵抗体上にオーバーレイしていないサーマルヘッド及びその製造方法を得ることを目的とする。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、発熱抵抗体の抵抗長を定めるレジストを用いて絶縁バリア膜の不要部分を除去した後、このレジストを用いてリフトオフにより導体を形成すれば、導体を発熱抵抗体上にオーバーレイさせることなく形成でき、且つ、フォトリソグラフィ工程を減らせることに着目してなされたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、複数の発熱抵抗体と、この各発熱抵抗体の平面的な大きさを定める絶縁バリア膜と、前記各発熱抵抗体の抵抗長方向の両端部それぞれに導通する導体とを備え、この導体の前記発熱抵抗体側の端部が、発熱抵抗体及び絶縁バリア膜上にオーバーレイすることなく発熱抵抗体に向かって膜厚が減少するように傾斜して形成されていることを特徴としている。
【0008】
絶縁バリア膜は、SiO2、SiON、AlSiO、Al23のいずれかによって形成されていることが好ましい。これらの絶縁無機酸化物材料を用いれば、絶縁バリア膜は、発熱抵抗体の表面酸化を防止する機能、発熱抵抗体をエッチングによるダメージから保護する機能、及び発熱抵抗体の抵抗値変化を抑制する機能を発揮する
【0009】
本発明の製造方法による態様では、抵抗膜と絶縁バリア膜を連続成膜する工程;前記絶縁バリア膜上に、前記抵抗膜の発熱抵抗体となる長さ方向の領域に位置させて、長さ方向に抵抗長Lを有する矩形状の第1レジストを形成する工程;この第1レジストから露出している絶縁バリア膜を除去し、該除去部分から前記抵抗膜を露出させる工程;前記第1レジストを残したまま、該第1レジスト及び前記露出させた抵抗膜を含む基板表面上に導体を形成する工程;前記第1レジスト及び該第1レジスト上の導体をリフトオフで除去する工程;前記導体及び前記絶縁バリア膜を含む基板表面上に、該導体の全長に渡って存在し、かつ、前記発熱抵抗体の抵抗幅及び前記導体のパターンの幅寸法を一定の幅寸法に規定する空間を有する第2レジストを形成する工程;及びこの第2レジストから露出している範囲の前記導体、前記絶縁バリア膜及び前記抵抗膜を除去し、さらにその後前記第2レジストを除去する工程;を有することを特徴としている。
【0010】
この製造方法によれば、導体の発熱抵抗体側の端部が、絶縁バリア膜及び発熱抵抗体上にオーバーレイすることなく発熱抵抗体に向かって膜厚が減少するように傾斜して形成される。この傾斜部分の長さは、第1レジストの膜厚を変化させることで、調整可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態によるサーマルヘッド1を示す断面図であり、図2はサーマルヘッド1の(保護膜7を除く)を示す平面図である。サーマルヘッド1は、抵抗膜4、抵抗膜4上に形成されて複数の発熱抵抗体4aの表面を覆う絶縁バリア膜5、複数の発熱抵抗体4aに導通する導体(電極)6及び保護膜7を備えている。
【0012】
抵抗膜4は、グレーズ保温層(ガラス)2を有するアルミナ基板3の上に全面的に形成されていて、複数の発熱抵抗体4aとこの発熱抵抗体4aよりも膜厚の薄い非発熱抵抗体4bとから微視的に断面逆T字形状をなしている。この抵抗膜4は、高抵抗化しやすいTa−Si−O、TaSiONb、Ti−Si−O、Cr−Si−O等の高融点金属のサーメット材料によって形成されていることが好ましい。隣接する発熱抵抗体4a間には、発熱抵抗体4aの抵抗長方向(図1及び図2の左右方向)に平行な方向に細長く延びるギャップ領域(穴部)8が設けられている。ギャップ領域8からはグレーズ保温層2が露出している。
【0013】
絶縁バリア膜5は、複数の発熱抵抗体4a上にのみ存在し、各発熱抵抗体4aの平面的な大きさ(抵抗長L及び抵抗幅W)を規定している。絶縁バリア膜5は、絶縁性を有する無機酸化物により形成されることが好ましく、具体的にはSiO2、SiON、AlSiO、Al23等により、約200Å以上2000Å以下程度の膜厚で形成されている。この範囲内の膜厚で絶縁バリア膜5が各発熱抵抗体4a上に存在すれば、サーマルヘッド1の動作中、各発熱抵抗体4aへの印加電力が増大したときに該印加電力によるアニール効果(発熱抵抗体4aを構成する元素の結晶化)が遅れ、印加電力に対するサーマルヘッドの抵抗値変化が抑制されるという効果が得られる。また絶縁バリア膜5は、発熱抵抗体4aの表面酸化を防止する酸化防止層、製造時のエッチング工程によるダメージから発熱抵抗体4aを保護する保護層としても機能する。
【0014】
導体6は、全ての発熱抵抗体4aに導通する1つのコモン電極6aと各発熱抵抗体4aに独立して導通する複数の個別電極6bとに分けられ、発熱抵抗体4aの抵抗長方向の両端部それぞれに導通している。各個別電極6bの電極幅は、ギャップ領域8により規制されている。この導体6は、例えばAl導体膜により形成されることが好ましい。
【0015】
保護膜7は、ヘッド動作時に生じる摩擦から絶縁バリア膜5及び導体6を保護する耐磨耗性保護膜であり、例えばSiAlONやTa25等の耐摩耗性材料により形成されている。不図示であるが、サーマルヘッド1にはさらに、発熱抵抗体4aを通電制御するための駆動ICやPCB(Print Circuit Board)等も備えられている。このサーマルヘッド1は、フォトプリンタやサーマルプリンタ等に搭載され、発熱抵抗体4aの発する熱を感熱紙またはインクリボンに与えることで印刷を行なう。
【0016】
以上のような全体構造を有するサーマルヘッド1において、導体6は、発熱抵抗体4a側の端部が該発熱抵抗体4aに向かって膜厚が減少するように傾斜した先細形状をなしており、発熱抵抗体4a及び絶縁バリア膜5の上にオーバーレイすることなく形成されている。別言すれば、発熱抵抗体4aの抵抗長方向における導体6の間隔(コモン電極6aと個別電極6bの間の長さ)が絶縁バリア膜5で規定された抵抗長Lに一致している。このように導体6が絶縁バリア膜5上に形成されていなければ、導体6をオーバーレイさせた場合に生じていた発熱抵抗体4aの熱損失がなくなり、サーマルヘッド1の熱効率が上昇する。さらに本実施形態のように導体6の発熱抵抗体4a側の端部が先細形状をなしていれば、導体6での放熱が減少するので、サーマルヘッド1全体としての熱効率をより上昇させることができる。また、絶縁バリア膜5と導体6間の段差が小さくなるので、絶縁バリア膜5及び導体6と保護膜7とを良好に密着させることができ、且つ、プラテンとの接触効率が上がって印字効率を向上させることができる。
【0017】
次に、図1に示すサーマルヘッドの製造方法の一実施形態について説明する。図3〜図9は、サーマルヘッド1の製造工程を示す(a)断面図、(b)平面図である。
【0018】
先ず、図3(a)(b)に示すように、アルミナ基板3のグレーズ保温層2上に全面的に、抵抗膜4と絶縁バリア膜5を同一真空中で連続成膜する。成膜にはスパッタや蒸着法を用いることができる。抵抗膜4は、高抵抗化しやすいTa−Si−O、TaSiONb、Ti−Si−O、Cr−Si−O等の高融点金属のサーメット材料で形成することが好ましい。絶縁バリア膜5は、絶縁性を有する無機酸化物により形成されることが好ましく、具体的にはSiO2、SiON、AlSiO、Al23等により形成するのがよい。この絶縁バリア膜5は、約200Å以上2000Å以下程度の膜厚で形成する。この膜厚範囲内であれば、絶縁バリア膜5が、複数の発熱抵抗体4aの表面酸化を防止する機能、複数の発熱抵抗体4aをエッチングダメージから保護する機能、及びヘッド動作時に、印加電力による発熱抵抗体4aの抵抗値変化を抑制する機能を十分に発揮することができる。
【0019】
抵抗膜4と絶縁バリア膜5を形成したら、アニール処理を施す。このアニール処理は、ヘッド使用開始後の発熱抵抗体4aの抵抗変化を減少させるため、予め大きい熱的負荷を加えて抵抗膜4の抵抗値を安定させる加速処理である。
【0020】
続いて、フォトリソグラフィ技術を用い、図4(a)(b)に示すように形成すべき発熱抵抗体の抵抗長Lを定める第1レジストR1を絶縁バリア膜5に形成し、第1レジストR1に覆われていない部分の絶縁バリア膜5をRIE(反応性イオンエッチング)またはウエットエッチングにより除去する(図5(a)(b))。第1レジストR1はリフトオフ用レジストで形成する。
【0021】
例えば絶縁バリア膜5がSiO2で形成されている場合は、CF4を用いたRIEによって絶縁バリア膜5を除去することが可能である。このとき、抵抗膜4がTaSiO又はTaSiONbで形成されていれば、第1レジストR1から露出している絶縁バリア膜5と共に、該絶縁バリア膜5の直下位置にある抵抗膜4も所定厚さだけ除去される。この工程により、抵抗膜4は図5(a)に示されるような断面逆T字形状となる。一方、抵抗膜4がCr−Si−Oで形成されている場合は、CF4を用いたRIEを行なうと、抵抗膜4が絶縁バリア膜5のエッチングストッパーとして機能する。この場合、抵抗膜4は成膜段階とほぼ同じ平坦な状態で保たれ、図5(a)に示すような断面逆T字形状にはならない。
【0022】
上記RIEまたはウエットエッチング工程が終了したら、図6(a)(b)に示すように第1レジストR1を残したまま、導体成膜前にプリクリーニングを行なう。そして、真空を破らずに同一真空中で、露出している抵抗膜4を含む基板表面上に導体6を成膜する。成膜にはスパッタや蒸着法を用いることができる。導体6を成膜したら、図7(a)(b)に示すように、第1レジストR1及び第1レジストR1上の導体6をリフトオフにより除去する。このようにリフトオフを用いれば、導体6は、絶縁バリア膜5及び発熱抵抗体4aの抵抗長方向の両端部それぞれにオーバーレイすることなく形成され、発熱抵抗体4a側の端部が該発熱抵抗体4aに向かって膜厚が減少するように傾斜した先細形状となる。導体6の先細端部(傾斜部分)の長さxは、第1レジストR1の膜厚を変化させることで、調整することができる。
【0023】
続いて、フォトリソグラフィ技術を用いて、図8(a)(b)に示すように形成すべき発熱抵抗体の抵抗幅W及び導体パターンを定める第2レジストR2を導体6上に形成し、この第2レジストR2に覆われていない部分の導体6、絶縁バリア膜5及び抵抗膜4を除去して該除去部分からグレーズ保温層2を露出させた後、図9(a)(b)に示すように第2レジストR2を剥離する。絶縁バリア膜5及び導体6を除去する際にはウエットエッチングまたはRIE(反応性イオンエッチング)を用いることができ、抵抗膜4を除去する際にはRIEを用いることができる。上記グレーズ保温層2の露出する範囲がギャップ領域8である。このギャップ領域8により、つながっていた発熱抵抗体4aが個々の(複数の)発熱抵抗体4aに切り離され、絶縁バリア膜5は各発熱抵抗体4aの上にのみ存在することとなる。すなわち、各発熱抵抗体4aの平面的な大きさ(抵抗長L及び抵抗幅)は、該各発熱抵抗体4aの表面を覆う絶縁バリア膜5によって規定される。
【0024】
第2レジストR2を除去したら、後工程で形成する保護膜との密着性を高めるため、逆スパッタ等により絶縁バリア膜5及び導体6を所定厚さだけ除去し、該絶縁バリア膜5及び導体6の新たな膜面を露出させる。この逆スパッタ工程では、絶縁バリア膜5により複数の発熱抵抗体4aが覆われているので、複数の発熱抵抗体4aがエッチングダメージを受けることがなく、複数の発熱抵抗体4aの抵抗値にばらつきが生じることはない。
【0025】
本実施形態では、この工程で絶縁バリア膜5及び導体6を100Å程度除去し、最終的に、絶縁バリア膜5の膜厚を200Å以上2000Å以下の範囲内に調整する。この範囲内であれば、絶縁バリア膜5が、複数の発熱抵抗体4aの表面酸化を防止する機能、複数の発熱抵抗体4aをエッチングダメージから保護する機能、及びヘッド動作時に、印加電力による発熱抵抗体4aの抵抗値変化を抑制する機能を十分に発揮することができる。
【0026】
そして、露出させた絶縁バリア膜5及び導体6の新たな膜面上に、SiAlONやTa25等の耐摩耗性材料からなる保護膜8を形成する。この保護膜8の形成にはバイアススパッタ法を用いることができる。以上により、図1に示すサーマルヘッド1を得ることができる。
【0027】
以上の実施形態では、発熱抵抗体4aの抵抗長を定める第1レジストR1を用いて絶縁バリア膜5の不要部分を除去し、この第1レジストR1を残したまま導体6を成膜した後に、第1レジストR1をリフトオフにより除去しているので、導体6が発熱抵抗体4a及び絶縁バリア膜5の上にオーバーレイすることなく形成される。すなわち、導体6は、絶縁バリア膜5上には形成されず、発熱抵抗体4a及び絶縁バリア膜5の両端部にのみ形成される。このように導体6が絶縁バリア膜5上に形成されていなければ、導体6が発熱抵抗体4a上にオーバーレイしている場合に生じる発熱抵抗体4aの熱損失がなくなり、サーマルヘッド1の熱効率が向上する。また、絶縁バリア膜5を露出させるための開放部を導体6に形成する必要がなくなり、該開放部を形成するためのフォトリソグラフィ工程を行なわずに済む。よって、本実施形態で行なうフォトリソグラフィ工程は2回で済み、フォトリソグラフィ工程を3回必要とする製造方法よりも製造工程が短くなる。
【0028】
また本実施形態では、導体6の発熱抵抗体4a側の端部が該発熱抵抗体4aに向かって膜厚が減少した先細形状に形成されているので、導体6での放熱を減少させることができ、サーマルヘッド1全体としての熱効率をより向上させることができる。また導体6の発熱抵抗体4a側の端部が先細形状であれば、絶縁バリア膜5と導体6間の段差が小さくなるので、絶縁バリア膜5及び導体6と保護膜8とを良好に密着させることができ、且つ、プラテンとの接触効率が向上し、この結果、印字効率も向上する。
【0029】
また本実施形態では、各発熱抵抗体4aの表面が絶縁バリア膜5で覆われるため、この絶縁バリア膜5によって、複数の発熱抵抗体4aの表面酸化を防止することができると共に、製造工程中のエッチングまたはスパッタによるダメージから複数の発熱抵抗体4aを保護することができる。すなわち、表面酸化やエッチングダメージによる、複数の発熱抵抗体4a同士の抵抗値のばらつきを十分に抑えることができる。また各発熱抵抗体4aの表面に絶縁バリア膜5が存在していれば、発熱抵抗体4aへの印加電力が増大したときに該印加電力によるアニール効果(発熱抵抗体4aを構成する元素の結晶化)が遅れることから、印加電力に対するサーマルヘッドの抵抗値変化を抑制することができる。
【0030】
以上の実施形態において、抵抗膜4は非発熱抵抗体4bが発熱抵抗体4aよりも薄い膜厚で形成された断面逆T字形状を微視的になしているが、抵抗膜4は均一な膜厚で形成されていてもよいのは勿論である。抵抗膜4の非発熱抵抗体4bが発熱抵抗体4aよりも削られるか否かは、絶縁バリア膜5を除去するためのRIE又はウエットエッチング工程時に用いるエッチャント及び抵抗膜4の形成材料によって決まる。
【0031】
また本実施形態では、グレーズ保温層2がアルミナ基板3上の全面に形成された全面グレーズタイプのサーマルヘッド1について説明したが、本発明は部分グレーズやリアルエッジ、ダブルグレーズ、DOS等の他タイプにも適用可能である。また本発明は、シリアルヘッドにもラインヘッドにも適用可能である。
【0032】
また本実施形態では、ヘッド基板としてアルミナ基板3を用いているが、アルミナ基板3に替えてシリコン基板を用いることも可能である。シリコン基板を用いる場合には、保温層として酸化物の蒸着膜やスパッタ膜からなる保温層を用いることが好ましい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、導体の発熱抵抗体側の端部が、発熱抵抗体及び絶縁バリア膜上にオーバーレイすることなく形成されるので、導体が発熱抵抗体上にオーバーレイしている場合に生じる発熱抵抗体の熱損失がなくなり、サーマルヘッドの熱効率が向上する。また、絶縁バリア膜を露出させるための開放部を導体に形成する必要がなくなり、該開放部を形成するためのフォトリソグラフィ工程を行なわずに済むので、従来よりも製造工程が短くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるサーマルヘッドを示す断面図である。
【図2】図1のサーマルヘッド(保護層を形成する前の状態)を示す平面図である。
【図3】図1に示すサーマルヘッドの製造方法の一工程を示す(a)断面図、(b)平面図である。
【図4】図3に示す工程の次に行なわれる一工程の(a)断面図、(b)平面図である。
【図5】図4に示す工程の次に行なわれる一工程の(a)断面図、(b)平面図である。
【図6】図5に示す工程の次に行なわれる一工程の(a)断面図、(b)平面図である。
【図7】図6に示す工程の次に行なわれる一工程の(a)断面図、(b)平面図である。
【図8】図7に示す工程の次に行なわれる一工程の(a)断面図、(b)平面図である。
【図9】図8に示す工程の次に行なわれる一工程の(a)断面図、(b)平面図である。
【符号の説明】
1 サーマルヘッド
2 グレーズ保温層
3 アルミナ基板
4 抵抗膜
4a 発熱抵抗体
4b 非発熱抵抗体
5 絶縁バリア膜
6 導体
6a コモン電極
6b 個別電極
7 保護膜
8 ギャップ領域(穴部)
R1 第1レジスト
R2 第2レジスト

Claims (5)

  1. 複数の発熱抵抗体と、この各発熱抵抗体の平面的な大きさを定める絶縁バリア膜と、前記各発熱抵抗体の抵抗長方向の両端部それぞれに導通する導体とを備え、
    この導体の前記発熱抵抗体側の端部が、前記発熱抵抗体及び前記絶縁バリア膜上にオーバーレイすることなく前記発熱抵抗体に向かって膜厚が減少するように傾斜して形成されていることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 請求項1記載のサーマルヘッドにおいて、前記絶縁バリア膜がSiO2、SiON、AlSiO、Al23のいずれかによって形成されているサーマルヘッド。
  3. 抵抗膜と絶縁バリア膜を連続成膜する工程;
    前記絶縁バリア膜上に、前記抵抗膜の発熱抵抗体となる長さ方向の領域に位置させて、長さ方向に抵抗長Lを有する矩形状の第1レジストを形成する工程;
    この第1レジストから露出している絶縁バリア膜を除去し、該除去部分から前記抵抗膜を露出させる工程;
    前記第1レジストを残したまま、該第1レジスト及び前記露出させた抵抗膜を含む基板表面上に導体を形成する工程;
    前記第1レジスト及び該第1レジスト上の導体をリフトオフで除去する工程;
    前記導体及び前記絶縁バリア膜を含む基板表面上に、該導体の全長に渡って存在し、かつ、前記発熱抵抗体の抵抗幅及び前記導体のパターンの幅寸法を一定の幅寸法に規定する空間を有する第2レジストを形成する工程;及び
    この第2レジストから露出している範囲の前記導体、前記絶縁バリア膜及び前記抵抗膜を除去し、さらにその後に前記第2レジストを除去する工程;
    を有することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  4. 請求項記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記第1レジストの膜厚によって、前記絶縁バリア膜に向かって傾斜して形成される前記導体の傾斜部分の長さを調整するサーマルヘッドの製造方法。
  5. 請求項3または4記載のサーマルヘッドの製造方法において、SiO2、SiON、AlSiO、Al23のいずれかによって前記絶縁バリア膜を形成するサーマルヘッドの製造方法。
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