JPH0890812A - サーマルヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
サーマルヘッドおよびその製造方法Info
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- JPH0890812A JPH0890812A JP19157495A JP19157495A JPH0890812A JP H0890812 A JPH0890812 A JP H0890812A JP 19157495 A JP19157495 A JP 19157495A JP 19157495 A JP19157495 A JP 19157495A JP H0890812 A JPH0890812 A JP H0890812A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 下部電極とグレーズ層との密着性を高め、ヘ
ッド品質を著しく向上させること。 【解決手段】 電気絶縁性基板1上にグレーズ層2上に
複数の発熱抵抗体3を形成し、対応する発熱抵抗体3に
接続される複数の個別電極および前記各発熱抵抗体3に
それぞれ接続される共通電極を、前記グレーズ層2と発
熱抵抗体3との間に位置する下部電極8と、前記発熱抵
抗体3上に位置する上部電極9とにより形成し、前記下
部電極8と前記グレーズ層2との間に接着層10を形成
したことを特徴とする。
ッド品質を著しく向上させること。 【解決手段】 電気絶縁性基板1上にグレーズ層2上に
複数の発熱抵抗体3を形成し、対応する発熱抵抗体3に
接続される複数の個別電極および前記各発熱抵抗体3に
それぞれ接続される共通電極を、前記グレーズ層2と発
熱抵抗体3との間に位置する下部電極8と、前記発熱抵
抗体3上に位置する上部電極9とにより形成し、前記下
部電極8と前記グレーズ層2との間に接着層10を形成
したことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーマルヘッドおよ
びその製造方法に係り、特に、発熱抵抗体の上面側およ
び下面側に電極を形成するようにしたサーマルヘッドお
よびその製造方法に関する。
びその製造方法に係り、特に、発熱抵抗体の上面側およ
び下面側に電極を形成するようにしたサーマルヘッドお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、感熱プリンタ、熱転写プリンタ
等のサーマルプリンタに搭載されるサーマルヘッドは、
例えば、複数の発熱抵抗体を絶縁性基板上に直線的に整
列配置し、印字情報に基づいて前記各発熱抵抗体を選択
的に通電加熱させて、感熱プリンタにおいてはサーマル
紙といわれる感熱記録紙に発色記録させるか、また、熱
転写プリンタにおいては、インクリボンのインクを溶融
して普通紙に転写記録させるようになっている。
等のサーマルプリンタに搭載されるサーマルヘッドは、
例えば、複数の発熱抵抗体を絶縁性基板上に直線的に整
列配置し、印字情報に基づいて前記各発熱抵抗体を選択
的に通電加熱させて、感熱プリンタにおいてはサーマル
紙といわれる感熱記録紙に発色記録させるか、また、熱
転写プリンタにおいては、インクリボンのインクを溶融
して普通紙に転写記録させるようになっている。
【0003】図3はこのような従来のサーマルヘッドを
示したものであり、アルミナ等の絶縁性材料からなる基
板1の上面には、耐熱ガラスやSiO2 等の熱伝導性の
低い材料からなり保温層として機能するグレーズ層2が
その一部が上方に突出するように前記基板1のほぼ全面
にわたって積層されており、このグレーズ層2の前記突
出部分の上面には、Ta2 N、Ta−SiO2 等の材料
からなる複数の発熱抵抗体3が、蒸着、スパッタリング
等により積層後にフォトリソグラフィ技術により所定パ
ターンにエッチングを行なうことにより直線状に整列す
るように形成されている。また、前記各発熱抵抗体3の
両側の上面には、各発熱抵抗体3に対してそれぞれ個別
に接続される個別電極4aおよび前記各発熱抵抗体3の
すべてに接続される共通電極4bがそれぞれ形成されて
おり、これら各電極4a,4bは、例えば、Al、C
u、Au等の軟質金属からなり、蒸着、スパッタリング
等により積層された後にフォトリソグラフィ技術により
エッチングを行なうことにより所望の形状のパターンに
形成されている。そして、前記各発熱抵抗体3は、前記
共通電極4bおよび個別電極4aの間に、最小印字単位
たる1ドットに相当分の発熱部3aを露出するようにし
て各個独立に形成されるようになっている。
示したものであり、アルミナ等の絶縁性材料からなる基
板1の上面には、耐熱ガラスやSiO2 等の熱伝導性の
低い材料からなり保温層として機能するグレーズ層2が
その一部が上方に突出するように前記基板1のほぼ全面
にわたって積層されており、このグレーズ層2の前記突
出部分の上面には、Ta2 N、Ta−SiO2 等の材料
からなる複数の発熱抵抗体3が、蒸着、スパッタリング
等により積層後にフォトリソグラフィ技術により所定パ
ターンにエッチングを行なうことにより直線状に整列す
るように形成されている。また、前記各発熱抵抗体3の
両側の上面には、各発熱抵抗体3に対してそれぞれ個別
に接続される個別電極4aおよび前記各発熱抵抗体3の
すべてに接続される共通電極4bがそれぞれ形成されて
おり、これら各電極4a,4bは、例えば、Al、C
u、Au等の軟質金属からなり、蒸着、スパッタリング
等により積層された後にフォトリソグラフィ技術により
エッチングを行なうことにより所望の形状のパターンに
形成されている。そして、前記各発熱抵抗体3は、前記
共通電極4bおよび個別電極4aの間に、最小印字単位
たる1ドットに相当分の発熱部3aを露出するようにし
て各個独立に形成されるようになっている。
【0004】さらに、前記基板1、グレーズ層2、各発
熱抵抗体3および各電極4a,4bの上面には、各発熱
抵抗体3および各電極4a,4bを保護する保護層5が
積層されており、この保護層5は、発熱抵抗体3を酸化
による劣化から保護するSiO2 等からなる耐酸化層6
と、この耐酸化層6上に積層され感熱記録紙、インクリ
ボン等の感熱記録部材との接触による摩耗から各発熱抵
抗体3および各電極4a,4bを保護するTa2 O5 等
からなる耐摩耗層7とから構成されている。この保護層
5は、前記各電極4a,4bの端子部以外の表面のすべ
てを被覆するようになされており、この保護層5の耐酸
化層6および耐摩耗層7は、スパッタリング等の手段に
より順次形成されるものである。
熱抵抗体3および各電極4a,4bの上面には、各発熱
抵抗体3および各電極4a,4bを保護する保護層5が
積層されており、この保護層5は、発熱抵抗体3を酸化
による劣化から保護するSiO2 等からなる耐酸化層6
と、この耐酸化層6上に積層され感熱記録紙、インクリ
ボン等の感熱記録部材との接触による摩耗から各発熱抵
抗体3および各電極4a,4bを保護するTa2 O5 等
からなる耐摩耗層7とから構成されている。この保護層
5は、前記各電極4a,4bの端子部以外の表面のすべ
てを被覆するようになされており、この保護層5の耐酸
化層6および耐摩耗層7は、スパッタリング等の手段に
より順次形成されるものである。
【0005】このような従来のサーマルヘッドにおいて
は、所定の印字情報に基づいて前記個別電極4aに選択
的に通電することにより、対応する発熱抵抗体3の発熱
部を発熱させ、感熱記録紙に発色記録させるか、また
は、インクリボンのインクを溶融転写記録させて所望の
印字を行なうようになっている。
は、所定の印字情報に基づいて前記個別電極4aに選択
的に通電することにより、対応する発熱抵抗体3の発熱
部を発熱させ、感熱記録紙に発色記録させるか、また
は、インクリボンのインクを溶融転写記録させて所望の
印字を行なうようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のサ
ーマルヘッドにおいては、グレーズ層2の突出部分の両
側部分に、各電極4a,4bの先端部を形成するように
しているので、この電極4a,4bの先端部に段差が形
成されてしまい、この段差により、前記各電極4a,4
bをフォトリソグラフィ技術によりエッチングする際
に、フォトレジストの厚みのばらつきが著しく大きくな
り、しかも、前記段差によりマスクとの間に間隙が発生
して露出精度が低下することから、高精度にパターンを
形成できず、ショートエッチングやオーバーエッチング
等が生じ、抵抗値のばらつきが多発するという問題があ
った。
ーマルヘッドにおいては、グレーズ層2の突出部分の両
側部分に、各電極4a,4bの先端部を形成するように
しているので、この電極4a,4bの先端部に段差が形
成されてしまい、この段差により、前記各電極4a,4
bをフォトリソグラフィ技術によりエッチングする際
に、フォトレジストの厚みのばらつきが著しく大きくな
り、しかも、前記段差によりマスクとの間に間隙が発生
して露出精度が低下することから、高精度にパターンを
形成できず、ショートエッチングやオーバーエッチング
等が生じ、抵抗値のばらつきが多発するという問題があ
った。
【0007】このような従来の問題を解決するため、出
願人等は、各電極をそれぞれ2層に形成し、例えば、M
o等の高融点金属材料からなる下層の下部個別電極およ
び下部共通電極を発熱抵抗体の下面側に形成するととも
に、例えば、Al等の材料からなる上層の上部個別電極
および上部共通電極を発熱抵抗体の上面側であってグレ
ーズ層の突出部の頂部から後退した部位に形成すること
により前記発熱部と両側の電極との段差を小さくするよ
うにしてなるサーマルヘッドを開発した。
願人等は、各電極をそれぞれ2層に形成し、例えば、M
o等の高融点金属材料からなる下層の下部個別電極およ
び下部共通電極を発熱抵抗体の下面側に形成するととも
に、例えば、Al等の材料からなる上層の上部個別電極
および上部共通電極を発熱抵抗体の上面側であってグレ
ーズ層の突出部の頂部から後退した部位に形成すること
により前記発熱部と両側の電極との段差を小さくするよ
うにしてなるサーマルヘッドを開発した。
【0008】このようなサーマルヘッドによれば、発熱
抵抗体の発熱部と両側の電極との段差を小さく形成する
ことができるので、フォトレジストの厚みのばらつきを
著しく低減させることができ、しかも、高精度にパター
ンを形成することができ、ショートエッチングやオーバ
ーエッチング等の発生を防止して抵抗値のばらつきを防
ぐことができるものである。
抵抗体の発熱部と両側の電極との段差を小さく形成する
ことができるので、フォトレジストの厚みのばらつきを
著しく低減させることができ、しかも、高精度にパター
ンを形成することができ、ショートエッチングやオーバ
ーエッチング等の発生を防止して抵抗値のばらつきを防
ぐことができるものである。
【0009】しかし、前記サーマルヘッドにおいては、
前記グレーズ層の上面に、Ta−SiO2 等の材料から
なる発熱抵抗体の発熱部が形成されるとともに、この発
熱部両側にMo等の材料からなる下部電極が形成される
ものであり、この下部電極に使用される高融点金属材料
は、一般的に、応力が大きくなりやすく、また、酸化膜
に対する密着性の悪いものが多い。そのため、この下部
電極および前記発熱抵抗体の形成材料の膜応力が異なっ
てしまい、応力バランスが低下してしまい、しかも、前
記グレーズ層は酸化物により形成されるものであること
から、前記下部電極とグレーズ層との密着性が著しく低
下してしまい、下部電極の剥離を招き、ヘッド品質の低
下を招いてしまうという問題を有している。
前記グレーズ層の上面に、Ta−SiO2 等の材料から
なる発熱抵抗体の発熱部が形成されるとともに、この発
熱部両側にMo等の材料からなる下部電極が形成される
ものであり、この下部電極に使用される高融点金属材料
は、一般的に、応力が大きくなりやすく、また、酸化膜
に対する密着性の悪いものが多い。そのため、この下部
電極および前記発熱抵抗体の形成材料の膜応力が異なっ
てしまい、応力バランスが低下してしまい、しかも、前
記グレーズ層は酸化物により形成されるものであること
から、前記下部電極とグレーズ層との密着性が著しく低
下してしまい、下部電極の剥離を招き、ヘッド品質の低
下を招いてしまうという問題を有している。
【0010】また、下部電極をパターンニングするため
のレジスト塗布工程において、下部電極を形成した後、
長時間放置すると、前記下部電極材料の表面が酸化して
しまい、この表面酸化が生じた状態でレジストを塗布し
ようとすると、下部電極に対してレジストが良好に密着
しなくなり、パターン形成不良が発生しやすいという問
題を有しており、さらに、下部電極に表面酸化膜が残っ
たままで発熱抵抗体を形成すると、この発熱抵抗体と下
部電極との密着性も悪化し、下部電極と発熱抵抗体との
剥離を招いてしまうという問題をも有している。
のレジスト塗布工程において、下部電極を形成した後、
長時間放置すると、前記下部電極材料の表面が酸化して
しまい、この表面酸化が生じた状態でレジストを塗布し
ようとすると、下部電極に対してレジストが良好に密着
しなくなり、パターン形成不良が発生しやすいという問
題を有しており、さらに、下部電極に表面酸化膜が残っ
たままで発熱抵抗体を形成すると、この発熱抵抗体と下
部電極との密着性も悪化し、下部電極と発熱抵抗体との
剥離を招いてしまうという問題をも有している。
【0011】本発明は前記した点に鑑みてなされたもの
であり、下部電極とグレーズ層との密着性を高めること
ができ、しかも、下部電極とレジストおよび発熱抵抗体
との密着性を高めることができ、ヘッド品質を著しく向
上させることのできるサーマルヘッドおよびその製造方
法を提供することを目的とするものである。
であり、下部電極とグレーズ層との密着性を高めること
ができ、しかも、下部電極とレジストおよび発熱抵抗体
との密着性を高めることができ、ヘッド品質を著しく向
上させることのできるサーマルヘッドおよびその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載の発明に係るサーマルヘッドは、電気絶
縁性基板上にグレーズ層を形成し、このグレーズ層上に
複数の発熱抵抗体を形成し、対応する発熱抵抗体に接続
される複数の個別電極および前記各発熱抵抗体にそれぞ
れ接続される共通電極を形成するとともに、この個別電
極および共通電極を、前記グレーズ層と発熱抵抗体との
間に位置する下部電極と、前記発熱抵抗体上に位置する
上部電極とにより形成してなるサーマルヘッドであっ
て、前記下部電極と前記グレーズ層との間に接着層を形
成したことをその特徴とするものである。
請求項1に記載の発明に係るサーマルヘッドは、電気絶
縁性基板上にグレーズ層を形成し、このグレーズ層上に
複数の発熱抵抗体を形成し、対応する発熱抵抗体に接続
される複数の個別電極および前記各発熱抵抗体にそれぞ
れ接続される共通電極を形成するとともに、この個別電
極および共通電極を、前記グレーズ層と発熱抵抗体との
間に位置する下部電極と、前記発熱抵抗体上に位置する
上部電極とにより形成してなるサーマルヘッドであっ
て、前記下部電極と前記グレーズ層との間に接着層を形
成したことをその特徴とするものである。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、前記下部
電極と前記発熱抵抗体との間に接着層を形成したことを
特徴とするものであり、請求項3に記載の発明は、前記
下部電極をMo、W、Nbのいずれかの材料により形成
したことを特徴とするものである。さらに、請求項4に
記載の発明は、前記接着層を前記発熱抵抗体と同様の材
料により形成したことを特徴とするものであり、請求項
5に記載の発明は、前記接着層の膜厚を5〜20nmに
形成したことを特徴とするものである。
電極と前記発熱抵抗体との間に接着層を形成したことを
特徴とするものであり、請求項3に記載の発明は、前記
下部電極をMo、W、Nbのいずれかの材料により形成
したことを特徴とするものである。さらに、請求項4に
記載の発明は、前記接着層を前記発熱抵抗体と同様の材
料により形成したことを特徴とするものであり、請求項
5に記載の発明は、前記接着層の膜厚を5〜20nmに
形成したことを特徴とするものである。
【0014】また、請求項6に記載の発明に係るサーマ
ルヘッドの製造方法は、電気絶縁性基板上に形成された
グレーズ層上に接着層を形成した後、この接着層上に個
別電極および共通電極からなる下部電極を形成し、この
下部電極上に複数の発熱抵抗体を形成し、この発熱抵抗
体上に個別電極および共通電極からなる上部電極を形成
し、前記接着層および前記下部電極をスパッタリングに
より連続的に形成するようにしたことを特徴とするもの
であり、請求項7に記載の発明は、前記下部電極上に接
着層を形成した後、前記発熱抵抗体を形成し、前記グレ
ーズ層上の接着層、前記下部電極およびこの下部電極上
の接着層をスパッタリングにより連続的に形成するよう
にしたことを特徴とするものである。
ルヘッドの製造方法は、電気絶縁性基板上に形成された
グレーズ層上に接着層を形成した後、この接着層上に個
別電極および共通電極からなる下部電極を形成し、この
下部電極上に複数の発熱抵抗体を形成し、この発熱抵抗
体上に個別電極および共通電極からなる上部電極を形成
し、前記接着層および前記下部電極をスパッタリングに
より連続的に形成するようにしたことを特徴とするもの
であり、請求項7に記載の発明は、前記下部電極上に接
着層を形成した後、前記発熱抵抗体を形成し、前記グレ
ーズ層上の接着層、前記下部電極およびこの下部電極上
の接着層をスパッタリングにより連続的に形成するよう
にしたことを特徴とするものである。
【0015】本発明に係るサーマルヘッドおよびその製
造方法によれば、下部電極とグレーズ層との間に前記発
熱抵抗体と同様の材料からなる接着層を形成するように
しているので、この接着層の形成材料と発熱抵抗体の形
成材料との膜応力が近似することになり、その結果、接
着層と発熱抵抗体との応力バランスをとることができ、
グレーズ層に対する下部電極の密着性を著しく高めるこ
とができるものである。また、下部電極の上面に接着層
を形成することにより、下部電極の表面酸化の発生を防
止することができ、パターン形成時におけるレジスト剥
離を防止することができ、しかも、前記接着層により、
発熱抵抗体との密着性を著しく高めることができるもの
である。
造方法によれば、下部電極とグレーズ層との間に前記発
熱抵抗体と同様の材料からなる接着層を形成するように
しているので、この接着層の形成材料と発熱抵抗体の形
成材料との膜応力が近似することになり、その結果、接
着層と発熱抵抗体との応力バランスをとることができ、
グレーズ層に対する下部電極の密着性を著しく高めるこ
とができるものである。また、下部電極の上面に接着層
を形成することにより、下部電極の表面酸化の発生を防
止することができ、パターン形成時におけるレジスト剥
離を防止することができ、しかも、前記接着層により、
発熱抵抗体との密着性を著しく高めることができるもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
および図2を参照して説明する。
および図2を参照して説明する。
【0017】図1は本発明に係るサーマルヘッドの実施
の一形態を示したもので、アルミナ等の絶縁性材料から
なる基板1の上面には、耐熱ガラス等の熱伝導性の低い
材料からなり保温層として機能するグレーズ層2がその
一部が上方に突出するように積層されており、このグレ
ーズ層2の前記突出部分の上面には、Mo、W、Nb等
の高融点金属材料からなり各発熱抵抗体3の形成位置に
対応する位置に形成される下部個別電極8aと下部共通
電極8bとからなる下部電極8が形成されている。
の一形態を示したもので、アルミナ等の絶縁性材料から
なる基板1の上面には、耐熱ガラス等の熱伝導性の低い
材料からなり保温層として機能するグレーズ層2がその
一部が上方に突出するように積層されており、このグレ
ーズ層2の前記突出部分の上面には、Mo、W、Nb等
の高融点金属材料からなり各発熱抵抗体3の形成位置に
対応する位置に形成される下部個別電極8aと下部共通
電極8bとからなる下部電極8が形成されている。
【0018】また、本実施形態においては、前記グレー
ズ層2と前記下部電極8との間には、例えば、Ta−S
iO2 、Nb−SiO2 、Cr−SiO2 やSiO2 等
の材料からなる接着層10が形成されており、この接着
層10の厚さ寸法は、厚さ寸法が厚すぎるとエッチング
むらやドット部からリボン等への熱伝達効率が悪くな
り、また、前記厚さ寸法が薄すぎると接着効果がないこ
とから、2〜20nm程度に形成されるようになされ、
好ましくは、15nm程度の厚さに形成される。そし
て、この接着層10により、前記下部電極8とグレーズ
層2との密着性を著しく高めるようになされている。
ズ層2と前記下部電極8との間には、例えば、Ta−S
iO2 、Nb−SiO2 、Cr−SiO2 やSiO2 等
の材料からなる接着層10が形成されており、この接着
層10の厚さ寸法は、厚さ寸法が厚すぎるとエッチング
むらやドット部からリボン等への熱伝達効率が悪くな
り、また、前記厚さ寸法が薄すぎると接着効果がないこ
とから、2〜20nm程度に形成されるようになされ、
好ましくは、15nm程度の厚さに形成される。そし
て、この接着層10により、前記下部電極8とグレーズ
層2との密着性を著しく高めるようになされている。
【0019】また、前記下部電極8の上面には、Ta−
SiO2 等の材料からなる複数の発熱抵抗体3が直線状
に整列するように形成されており、前記発熱抵抗体3の
上面であって前記下部電極8と前記発熱抵抗体3との境
界部から離隔する位置には、Al等の材料からなり各発
熱抵抗体3に対してそれぞれ個別に接続される上部個別
電極9aと、前記各発熱抵抗体3のすべてに接続される
上部共通電極9bとからなる上部電極9がそれぞれ形成
されている。さらに、前記基板1、グレーズ層2、各発
熱抵抗体3および各電極8,9の上面には、各発熱抵抗
体3および各電極8,9を保護する保護層5が積層され
ている。
SiO2 等の材料からなる複数の発熱抵抗体3が直線状
に整列するように形成されており、前記発熱抵抗体3の
上面であって前記下部電極8と前記発熱抵抗体3との境
界部から離隔する位置には、Al等の材料からなり各発
熱抵抗体3に対してそれぞれ個別に接続される上部個別
電極9aと、前記各発熱抵抗体3のすべてに接続される
上部共通電極9bとからなる上部電極9がそれぞれ形成
されている。さらに、前記基板1、グレーズ層2、各発
熱抵抗体3および各電極8,9の上面には、各発熱抵抗
体3および各電極8,9を保護する保護層5が積層され
ている。
【0020】なお、前記上部電極9は、必要に応じて省
略することも可能である。
略することも可能である。
【0021】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
る。
【0022】本実施形態において前記構成のサーマルヘ
ッドを製造する場合は、まず、前記グレーズ層2の上面
に接着層10としてのTa−SiO2 、Nb−Si
O2 、Cr−SiO2 やSiO2 等の材料を蒸着、スパ
ッタリング等により成膜した後、この接着層10の上面
に、下部電極8としてのMo等からなる高融点金属材料
を蒸着、スパッタリング等の手段により成膜し、その
後、フォトリソグラフィ技術により、前記接着層10お
よび下部電極8を発熱抵抗体3の発熱領域の電極間距離
を規定するパターンとなるようにエッチングを行なう。
ッドを製造する場合は、まず、前記グレーズ層2の上面
に接着層10としてのTa−SiO2 、Nb−Si
O2 、Cr−SiO2 やSiO2 等の材料を蒸着、スパ
ッタリング等により成膜した後、この接着層10の上面
に、下部電極8としてのMo等からなる高融点金属材料
を蒸着、スパッタリング等の手段により成膜し、その
後、フォトリソグラフィ技術により、前記接着層10お
よび下部電極8を発熱抵抗体3の発熱領域の電極間距離
を規定するパターンとなるようにエッチングを行なう。
【0023】次に、前記下部電極8を覆うようにTa−
SiO2 等の発熱抵抗体3を蒸着、スパッタリング等で
成膜した後、フォトリソグラフィ技術により、前記発熱
部が整列するパターンとなるようにエッチングを行な
う。このとき、前記接着層10の形成材料と同様の材料
であるTa−SiO2 により発熱抵抗体3を形成するよ
うにすれば、例えば、スパッタリングのターゲットを変
更する必要がなくなり、効率よく発熱抵抗体3の成膜を
行なうことができる。
SiO2 等の発熱抵抗体3を蒸着、スパッタリング等で
成膜した後、フォトリソグラフィ技術により、前記発熱
部が整列するパターンとなるようにエッチングを行な
う。このとき、前記接着層10の形成材料と同様の材料
であるTa−SiO2 により発熱抵抗体3を形成するよ
うにすれば、例えば、スパッタリングのターゲットを変
更する必要がなくなり、効率よく発熱抵抗体3の成膜を
行なうことができる。
【0024】そして、Al等からなる上部電極9を前記
発熱抵抗体3上に成膜した後、フォトリソグラフィ技術
により、所定パターンにエッチングを行ない、前記下部
電極8と前記発熱抵抗体3との境界部から外側に離れた
位置に上部電極9を形成する。その後、前記基板1、グ
レーズ層2、各発熱抵抗体3および各電極8,9の上面
に保護層5を積層形成するものである。
発熱抵抗体3上に成膜した後、フォトリソグラフィ技術
により、所定パターンにエッチングを行ない、前記下部
電極8と前記発熱抵抗体3との境界部から外側に離れた
位置に上部電極9を形成する。その後、前記基板1、グ
レーズ層2、各発熱抵抗体3および各電極8,9の上面
に保護層5を積層形成するものである。
【0025】本実施形態においては、下部電極8をグレ
ーズ層2に接着層10を介して形成するようにしてお
り、この接着層10の形成材料と発熱抵抗体3の形成材
料との膜応力が近似することになるため、接着層10と
発熱抵抗体3との応力バランスをとることができ、グレ
ーズ層2に対する下部電極8の密着性を著しく高めるこ
とができるものである。
ーズ層2に接着層10を介して形成するようにしてお
り、この接着層10の形成材料と発熱抵抗体3の形成材
料との膜応力が近似することになるため、接着層10と
発熱抵抗体3との応力バランスをとることができ、グレ
ーズ層2に対する下部電極8の密着性を著しく高めるこ
とができるものである。
【0026】したがって、本実施形態においては、下部
電極8をグレーズ層2に接着層10を介して形成するこ
とにより、接着層10と発熱抵抗体3との応力バランス
をとることができるので、グレーズ層2に対する下部電
極8の密着性を著しく高めることができ、前記下部電極
8の剥離を確実に防止することができ、ヘッド品質を著
しく高めることができる。
電極8をグレーズ層2に接着層10を介して形成するこ
とにより、接着層10と発熱抵抗体3との応力バランス
をとることができるので、グレーズ層2に対する下部電
極8の密着性を著しく高めることができ、前記下部電極
8の剥離を確実に防止することができ、ヘッド品質を著
しく高めることができる。
【0027】また、図2は本発明の他の実施の形態を示
したもので、本実施形態においても、前記実施形態と同
様に、アルミナ等の絶縁性材料からなる基板1の上面に
積層された耐熱ガラス等の熱伝導性の低い材料からなる
グレーズ層2の突出部分の上面には、Mo、W、Nb等
の高融点金属材料からなり各発熱抵抗体3の形成位置に
対応する位置に形成される下部個別電極8aと下部共通
電極8bとからなる下部電極8が形成されており、前記
グレーズ層2と前記下部電極8との間には、例えば、T
a−SiO2 、Nb−SiO2 、Cr−SiO2 やSi
O2 等の材料からなる接着層10が形成されている。さ
らに、本実施形態においては、前記下部電極8と発熱抵
抗体3との間には、例えば、Ta−SiO2 、Nb−S
iO2 、Cr−SiO2 やSiO2 等の材料からなる接
着層11が形成されており、これら各接着層10,11
の厚さ寸法は、厚さ寸法が厚すぎるとエッチングむらや
ドット部からリボン等への熱伝達効率が悪くなり、ま
た、前記厚さ寸法が薄すぎると接着効果がないことか
ら、2〜20nm程度に形成されるようになされ、好ま
しくは、15nm程度の厚さに形成される。そして、こ
れら各接着層10,11により、前記下部電極8とグレ
ーズ層2との密着性および前記下部電極8と発熱抵抗体
3との密着性を著しく高めるようになされている。
したもので、本実施形態においても、前記実施形態と同
様に、アルミナ等の絶縁性材料からなる基板1の上面に
積層された耐熱ガラス等の熱伝導性の低い材料からなる
グレーズ層2の突出部分の上面には、Mo、W、Nb等
の高融点金属材料からなり各発熱抵抗体3の形成位置に
対応する位置に形成される下部個別電極8aと下部共通
電極8bとからなる下部電極8が形成されており、前記
グレーズ層2と前記下部電極8との間には、例えば、T
a−SiO2 、Nb−SiO2 、Cr−SiO2 やSi
O2 等の材料からなる接着層10が形成されている。さ
らに、本実施形態においては、前記下部電極8と発熱抵
抗体3との間には、例えば、Ta−SiO2 、Nb−S
iO2 、Cr−SiO2 やSiO2 等の材料からなる接
着層11が形成されており、これら各接着層10,11
の厚さ寸法は、厚さ寸法が厚すぎるとエッチングむらや
ドット部からリボン等への熱伝達効率が悪くなり、ま
た、前記厚さ寸法が薄すぎると接着効果がないことか
ら、2〜20nm程度に形成されるようになされ、好ま
しくは、15nm程度の厚さに形成される。そして、こ
れら各接着層10,11により、前記下部電極8とグレ
ーズ層2との密着性および前記下部電極8と発熱抵抗体
3との密着性を著しく高めるようになされている。
【0028】また、前記下部電極8の上面には、Ta−
SiO2 等の材料からなる複数の発熱抵抗体3が直線状
に整列するように形成されており、その他の部分は、前
記実施形態に示すものと同様であるため、同一部分に
は、同一符号を付してその説明を省略する。
SiO2 等の材料からなる複数の発熱抵抗体3が直線状
に整列するように形成されており、その他の部分は、前
記実施形態に示すものと同様であるため、同一部分に
は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0029】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
る。
【0030】本実施形態において前記構成のサーマルヘ
ッドを製造する場合は、まず、前記グレーズ層2の上面
に接着層10としてのTa−SiO2 、Nb−Si
O2 、Cr−SiO2 やSiO2 等の材料を蒸着、スパ
ッタリング等により成膜した後、この接着層10の上面
に、下部電極8としてのMo材料を蒸着、スパッタリン
グ等の手段により成膜し、さらに、前記下部電極8の上
面に、接着層11としてTa−SiO2 、Nb−SiO
2 やSiO2 等の材料を蒸着、スパッタリング等の手段
により成膜する。その後、フォトリソグラフィ技術によ
り、前記接着層10、下部電極8および接着層11を発
熱抵抗体3の発熱領域の電極間距離を規定するパターン
となるようにエッチングを行なう。この場合に、前記各
接着層10,11をTa−SiO2 により形成するとと
もに、下部電極8をMoで形成すると、いずれの材料も
CF4 系のガスでエッチングすることができるため、一
度のレジスト形成で、各接着層および下部電極8を同時
にエッチングすることが可能である。
ッドを製造する場合は、まず、前記グレーズ層2の上面
に接着層10としてのTa−SiO2 、Nb−Si
O2 、Cr−SiO2 やSiO2 等の材料を蒸着、スパ
ッタリング等により成膜した後、この接着層10の上面
に、下部電極8としてのMo材料を蒸着、スパッタリン
グ等の手段により成膜し、さらに、前記下部電極8の上
面に、接着層11としてTa−SiO2 、Nb−SiO
2 やSiO2 等の材料を蒸着、スパッタリング等の手段
により成膜する。その後、フォトリソグラフィ技術によ
り、前記接着層10、下部電極8および接着層11を発
熱抵抗体3の発熱領域の電極間距離を規定するパターン
となるようにエッチングを行なう。この場合に、前記各
接着層10,11をTa−SiO2 により形成するとと
もに、下部電極8をMoで形成すると、いずれの材料も
CF4 系のガスでエッチングすることができるため、一
度のレジスト形成で、各接着層および下部電極8を同時
にエッチングすることが可能である。
【0031】次に、前記各接着層10,11を含む下部
電極8を覆うようにTa−SiO2等の発熱抵抗体3を
蒸着、スパッタリング等で成膜した後、フォトリソグラ
フィ技術により、前記発熱部が整列するパターンとなる
ようにエッチングを行なう。このとき、前記各接着層1
0,11の形成材料と同様の材料であるTa−SiO2
により発熱抵抗体3を形成するようにすれば、例えば、
スパッタリングのターゲットを共有することができると
ともに、エッチングガスや装置を共有することができる
ので、発熱抵抗体3の成膜プロセスを効率よく行なうこ
とができる。
電極8を覆うようにTa−SiO2等の発熱抵抗体3を
蒸着、スパッタリング等で成膜した後、フォトリソグラ
フィ技術により、前記発熱部が整列するパターンとなる
ようにエッチングを行なう。このとき、前記各接着層1
0,11の形成材料と同様の材料であるTa−SiO2
により発熱抵抗体3を形成するようにすれば、例えば、
スパッタリングのターゲットを共有することができると
ともに、エッチングガスや装置を共有することができる
ので、発熱抵抗体3の成膜プロセスを効率よく行なうこ
とができる。
【0032】そして、Al等からなる上部電極9を前記
発熱抵抗体3上に成膜した後、フォトリソグラフィ技術
により、所定パターンにエッチングを行ない、前記各接
着層10,11を含む下部電極8と前記発熱抵抗体3と
の境界部から外側に離れた位置に上部電極9を形成す
る。その後、前記基板1、グレーズ層2、各発熱抵抗体
3および各電極8,9の上面に保護層5を蒸着、スパッ
タ、プラズマCVD等の手段により積層形成するもので
ある。
発熱抵抗体3上に成膜した後、フォトリソグラフィ技術
により、所定パターンにエッチングを行ない、前記各接
着層10,11を含む下部電極8と前記発熱抵抗体3と
の境界部から外側に離れた位置に上部電極9を形成す
る。その後、前記基板1、グレーズ層2、各発熱抵抗体
3および各電極8,9の上面に保護層5を蒸着、スパッ
タ、プラズマCVD等の手段により積層形成するもので
ある。
【0033】本実施形態においても前記実施形態と同様
に、下部電極8とグレーズ層2との間に発熱抵抗体3の
形成材料の膜応力と近似する接着層10を形成している
ので、接着層10と発熱抵抗体3との応力バランスをと
ることができ、グレーズ層2に対する下部電極8の密着
性を著しく高めることができる。また、下部電極8の上
面に接着層11を形成することにより、下部電極8の表
面酸化の発生を防止することができ、パターン形成時に
おけるレジスト剥離を防止することができ、しかも、前
記接着層11により、発熱抵抗体3との密着性を著しく
高めることができるものである。
に、下部電極8とグレーズ層2との間に発熱抵抗体3の
形成材料の膜応力と近似する接着層10を形成している
ので、接着層10と発熱抵抗体3との応力バランスをと
ることができ、グレーズ層2に対する下部電極8の密着
性を著しく高めることができる。また、下部電極8の上
面に接着層11を形成することにより、下部電極8の表
面酸化の発生を防止することができ、パターン形成時に
おけるレジスト剥離を防止することができ、しかも、前
記接着層11により、発熱抵抗体3との密着性を著しく
高めることができるものである。
【0034】したがって、本実施形態においても前記実
施形態と同様に、下部電極8をグレーズ層2に接着層1
0を介して形成することにより、接着層10と発熱抵抗
体3との応力バランスをとることができるので、グレー
ズ層2に対する下部電極8の密着性を著しく高めること
ができ、前記下部電極8の剥離を確実に防止することが
できる。さらに、下部電極8の上面に接着層11を形成
することにより、下部電極8の表面酸化の発生を防止す
ることができ、パターン形成時におけるレジスト剥離を
防止することができ、しかも、前記接着層11により、
発熱抵抗体3との密着性を著しく高めることができ、下
部電極8と発熱抵抗体3との剥離を確実に防止すること
ができ、その結果、ヘッド品質を著しく高めることがで
きる。
施形態と同様に、下部電極8をグレーズ層2に接着層1
0を介して形成することにより、接着層10と発熱抵抗
体3との応力バランスをとることができるので、グレー
ズ層2に対する下部電極8の密着性を著しく高めること
ができ、前記下部電極8の剥離を確実に防止することが
できる。さらに、下部電極8の上面に接着層11を形成
することにより、下部電極8の表面酸化の発生を防止す
ることができ、パターン形成時におけるレジスト剥離を
防止することができ、しかも、前記接着層11により、
発熱抵抗体3との密着性を著しく高めることができ、下
部電極8と発熱抵抗体3との剥離を確実に防止すること
ができ、その結果、ヘッド品質を著しく高めることがで
きる。
【0035】なお、本発明は前記各実施形態のものに限
定されるものではなく、例えば、前記基板1はアルミナ
のみならず電気絶縁性材料であればいずれの材料を用い
てもよいし、また、前記グレーズ層2はガラスのみなら
ず熱絶縁性材料であれば遷移金属酸化物等の材料を用い
てもよい等、必要に応じて種々変更することが可能であ
る。
定されるものではなく、例えば、前記基板1はアルミナ
のみならず電気絶縁性材料であればいずれの材料を用い
てもよいし、また、前記グレーズ層2はガラスのみなら
ず熱絶縁性材料であれば遷移金属酸化物等の材料を用い
てもよい等、必要に応じて種々変更することが可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係るサーマル
ヘッドおよびその製造方法は、下部電極をグレーズ層に
接着層を介して形成することにより、接着層と発熱抵抗
体との応力バランスをとることができるので、グレーズ
層に対する下部電極の密着性を著しく高めることがで
き、前記下部電極の剥離を確実に防止することができ
る。さらに、下部電極の上面に接着層を形成することに
より、下部電極の表面酸化の発生を防止することがで
き、パターン形成時におけるレジスト剥離を防止するこ
とができ、しかも、この接着層により、発熱抵抗体との
密着性を著しく高めることができ、下部電極と発熱抵抗
体との剥離を確実に防止することができ、その結果、ヘ
ッド品質を著しく高めることができる等の効果を奏す
る。
ヘッドおよびその製造方法は、下部電極をグレーズ層に
接着層を介して形成することにより、接着層と発熱抵抗
体との応力バランスをとることができるので、グレーズ
層に対する下部電極の密着性を著しく高めることがで
き、前記下部電極の剥離を確実に防止することができ
る。さらに、下部電極の上面に接着層を形成することに
より、下部電極の表面酸化の発生を防止することがで
き、パターン形成時におけるレジスト剥離を防止するこ
とができ、しかも、この接着層により、発熱抵抗体との
密着性を著しく高めることができ、下部電極と発熱抵抗
体との剥離を確実に防止することができ、その結果、ヘ
ッド品質を著しく高めることができる等の効果を奏す
る。
【図1】本発明のサーマルヘッドの一実施形態を示す縦
断面図
断面図
【図2】本発明のサーマルヘッドの他の実施形態を示す
縦断面図
縦断面図
【図3】従来のサーマルヘッドを示す縦断面図
1 基板 2 グレーズ層 3 発熱抵抗体 8 下部電極 9 上部電極 10 接着層 11 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 対馬 登 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 電気絶縁性基板上にグレーズ層を形成
し、このグレーズ層上に複数の発熱抵抗体を形成し、対
応する発熱抵抗体に接続される複数の個別電極および前
記各発熱抵抗体にそれぞれ接続される共通電極を形成す
るとともに、この個別電極および共通電極を、前記グレ
ーズ層と発熱抵抗体との間に位置する下部電極と、前記
発熱抵抗体上に位置する上部電極とにより形成してなる
サーマルヘッドであって、前記下部電極と前記グレーズ
層との間に接着層を形成したことを特徴とするサーマル
ヘッド。 - 【請求項2】 前記下部電極と前記発熱抵抗体との間に
接着層を形成したことを特徴とする請求項1に記載のサ
ーマルヘッド。 - 【請求項3】 前記下部電極をMo、W、Nbのいずれ
かの材料により形成したことを特徴とする請求項1また
は請求項2に記載のサーマルヘッド。 - 【請求項4】 前記接着層を前記発熱抵抗体と同様の材
料により形成したことを特徴とする請求項1または請求
項2に記載のサーマルヘッド。 - 【請求項5】 前記接着層の膜厚を5〜20nmに形成
したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
サーマルヘッド。 - 【請求項6】 電気絶縁性基板上に形成されたグレーズ
層上に接着層を形成した後、この接着層上に個別電極お
よび共通電極からなる下部電極を形成し、この下部電極
上に複数の発熱抵抗体を形成し、この発熱抵抗体上に個
別電極および共通電極からなる上部電極を形成し、前記
接着層および前記下部電極をスパッタリングにより連続
的に形成するようにしたことを特徴とするサーマルヘッ
ドの製造方法。 - 【請求項7】 前記下部電極上に接着層を形成した後、
前記発熱抵抗体を形成し、前記グレーズ層上の接着層、
前記下部電極およびこの下部電極上の接着層をスパッタ
リングにより連続的に形成するようにしたことを特徴と
する請求項6に記載のサーマルヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19157495A JPH0890812A (ja) | 1994-07-29 | 1995-07-27 | サーマルヘッドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-178952 | 1994-07-29 | ||
JP17895294 | 1994-07-29 | ||
JP19157495A JPH0890812A (ja) | 1994-07-29 | 1995-07-27 | サーマルヘッドおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0890812A true JPH0890812A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=26498957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19157495A Pending JPH0890812A (ja) | 1994-07-29 | 1995-07-27 | サーマルヘッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0890812A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014024301A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-02-06 | Kyocera Corp | サーマルヘッド、およびサーマルプリンタ |
-
1995
- 1995-07-27 JP JP19157495A patent/JPH0890812A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014024301A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-02-06 | Kyocera Corp | サーマルヘッド、およびサーマルプリンタ |
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