JP2837026B2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルプリンタに使
用されるサーマルヘッドに係り、特に、感熱記録紙を用
いての記録に際し、耐摩耗性がよくしかも長寿命の保護
層を有するサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタに搭載されるサーマル
ヘッドは、例えば、複数個の発熱素子を同一基板上に直
線的に配列し、所望の印字情報にしたがってこれらの発
熱素子に選択的に通電して加熱させ、感熱記録紙を発色
記録させるか、あるいは、インクリボンを介して普通紙
に転写記録するために用いられている。
【0003】図3は従来のサーマルヘッドを示したもの
で、アルミナ等のセラミックからなる絶縁性基板1上に
は、保温層として機能するガラス等からなるグレーズ層
2が形成されており、このグレーズ層2は、その上面の
断面形状が2段の突部をなすように形成されている。
【0004】このグレーズ層2の突部2aの上面には、
Ta2 N等からなる発熱素子3が、蒸着あるいはスパッ
タリング等により絶縁性基板1およびグレーズ層2の表
面に膜状に被着された後、フォトリソ技術によりエッチ
ングされて複数個直線上に整列して形成されており、こ
れらの発熱素子3上の一側には、各発熱素子3に接続さ
れる共通電極4が形成されている。
【0005】また、前記各発熱素子3の他側には、各発
熱素子3に独立して選択的に通電を行う個別電極5がそ
れぞれ接続されており、前記共通電極4および個別電極
5は、例えば、アルミニウム、銅等からなり、蒸着ある
いはスパッタリング等により絶縁性基板1、グレーズ層
2および各発熱素子3上に被着された後、フォトリソ技
術によりエッチングされて所望形状のパターンに形成さ
れている。
【0006】さらに、これらの発熱素子3、共通電極4
および個別電極5の表面には、前記発熱素子3および各
電極4、5を保護するほぼ7〜10μmの膜厚の保護層
6が形成されており、この保護層6は、前記各電極4、
5の端子部以外のすべての表面を被覆している。
【0007】ところで、前記保護層6は、各発熱素子3
を酸化による劣化から保護するSiO2 等からなるほぼ
2μmの膜厚の耐酸化層7と、この耐酸化層7の上面に
積層されインクリボン等の接触による摩耗から発熱素子
3および各電極4、5を保護するTa2 5 等からなる
ほぼ5〜8μmの膜厚の耐摩耗層8とにより構成されて
おり、この保護層6をなす耐酸化層7および耐摩耗層8
は、スパッタリング等の手段により順次積層するように
して形成される。
【0008】このようなサーマルヘッドを用いる熱転写
プリンタにおいては、このサーマルヘッドをプラテンの
前方に搬送される所定の用紙にインクリボンを介して圧
接させた状態で、所定の印字信号に基づいて発熱素子3
の個別電極5に選択的に通電を行い、所望の発熱素子3
を選択的に発熱させることにより、前記イングリボンの
インクを部分的に溶触して用紙に転写し、用紙上に所望
の印字を行うことができる。
【0009】また、感熱記録紙に対しては、インクリボ
ンを介さずサーマルヘッドを直接感熱記録紙に圧接させ
た状態で、所定の印字信号に基づいて発熱素子3の個別
電極5に選択的に通電を行い、所望の発熱素子3を選択
的に発熱させることにより、発熱した発熱素子3に対向
している部位の感熱記録紙を発色させることにより、所
望の印字を行うことができる。
【0010】そして、近年、このような熱転写プリンタ
にあっても、印字の高品質化が要望されており、これを
実現するために、サーマルヘッドの発熱素子3の中心か
らインクリボンの剥離を行う絶縁性基板1の端部までの
寸法を小さくするとともに、グレーズ層2の突部2aを
大きく突出させて、この突部2aの上に発熱発熱素子3
を形成するようにしている。
【0011】このような構成にすることにより、発熱素
子3の発熱により溶融されたインクリボンのインクが冷
却固化する前に用紙からインクリボンを剥離することが
できるとともに、サーマルヘッドの発熱部にプラテンへ
の圧接荷重が集中的に作用するため、インクリボンを用
いての用紙(普通紙)への良好な印字を行うことができ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のサーマルヘッドにおいては、インクリボンを用
いての普通紙への印字品質は向上したものの、インクリ
ボンを用いない感熱記録紙への印字の際には、保護層6
の摩耗が大きく、このために生じるサーマルヘッドの破
壊が問題となっていた。
【0013】これは、サーマルヘッドを前述したような
構成としたため、Ta2 5 等からなる保護層6が、一
般に感熱記録紙に含まれるCaCO3 、SiO2 等との
摩擦に対して破壊しやすい性質を有しているためであ
る。
【0014】このため、感熱記録紙への印字を行っても
保護層が摩耗しないようにする必要があるが、このため
にはサーマルヘッドの突形状または保護層6の膜厚を変
える必要があり、このようにすると、インクリボンを用
いての普通紙への印字品質が劣化するという問題点があ
った。
【0015】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、インクリボンを用いた普通紙への印字品質
が良好で、また感熱記録紙を用いた場合でも耐摩耗性が
良好な長寿命のサーマルヘッドを提供することを目的と
している。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために本発明の請求項1に記載のサーマルヘッドは、基
板の表面に保温層を形成し、この保温層の上面に複数の
発熱素子と、これらの各発熱素子に接続される個別電極
および共通電極と、保護層とを形成してなるサーマルヘ
ッドにおいて、前記保護層を、低硬度セラミックの下層
と、Cr−O−Nの上層とにより構成したことを特徴と
している。また、請求項2に記載のサーマルヘッドは、
前記保護層の下層の低硬度セラミックを、SiO 2 、Y
2 3 、CeO 2 、Si−O−Nのうちのいずれかとし
たことを特徴としている。 さらに、請求項3に記載のサ
ーマルヘッドは、前記保護層の下層と上層の膜厚比をほ
ぼ1:1としたことを特徴としている。
【0017】
【作用】このような構成からなる本発明のサーマルヘッ
ドによれば、保護層を低硬度のセラミックス、例えばS
iO2 とすることにより密着力および応力吸収性に優れ
長寿命化の効果があり、その上層をCr−O−Nとする
ことにより耐摩耗性を顕著に高める効果があり、さらに
両者の膜厚比をほぼ1:1とすることにより、感熱記録
紙に対しても耐摩耗性に優れ、かつ、クラックや剥離等
のない長寿命のサーマルヘッドとすることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により説明
する。なお、前述した従来例と同一の構成には同一の番
号を付し、詳細な説明は省略する。
【0019】図1は本発明に係るサーマルヘッドの実施
例を示すものであり、前述した従来例の構成と異なるの
は、保護層6Aとして耐摩耗性の良好なCr−O−Nを
耐摩耗層8Aに用いること、ならびに耐クラック性の良
好な低硬度セラミックス層7Aを設け、これらの低硬度
セラミックス層7Aおよび耐摩耗層8Aの膜厚比をほぼ
1:1としていることである。
【0020】本発明者は、Cr−O−Nの感熱記録紙に
対する耐摩耗性が極めて良好なこと(従来材料の3〜5
倍)を耐摩耗テストを行って発見した。しかしながら、
Cr−O−Nは、熱膨脹係数がほぼ8×10-6/℃と大
きいばかりでなく、ビッカース硬度Hv がほぼ1600
と大きいため、膜厚を厚くして用いると、クラックや剥
離等といった故障モードの発生しやすいことが実験的に
判明した。
【0021】そこで、さらに実験を継続したところ、保
護層6Aを複層化するとともに、低硬度セラミック層7
Aと耐摩耗層8Aの膜厚比をほぼ1:1とすることによ
って、クラックや剥離の故障モードが解消できることが
判明した。例えば、低硬度セラミック層7AとしてSi
2 を2μm以上とすることにより、耐摩耗層8AのC
r−O−Nの摩耗以外の故障モードが激減した。また、
SiO2 を2〜3μmとしCr−O−Nも同じく2〜3
μmとして用いると,耐摩耗性が良好で,しかもクラッ
クや剥離等の故障モードのないサーマルヘッドとなる。
【0022】なお、前述した実施例においては、硬度セ
ラミック層7AとしてSiO2 について述べたが、Si
2 とほぼ同等以下の硬度を有するY2 3 、Ce
2 、Si−O−N等の絶縁性のセラミックスであれば
代替が可能である。また、Cr−O−Nは耐摩耗性が極
めて良好であるため、保護層6Aの全体の膜厚を従来の
7〜10μmよりも薄く4〜6μmとできるので、スパ
ッタリングの時間が短かくなり,生産性の高いものとな
るし、蓄熱が少なく熱効率が高まり印字品質も改善され
る。
【0023】図2は、十條製紙(株)製の感熱記録紙
(TP50KH−F5)を用いて、印字スピード50c
ps、プラテンへの圧接圧450gにて記録を行ったと
きの、サーマルヘッドの走行距離と保護層の摩耗寸法と
の関係を示すグラフである。
【0024】図2からも分かるように本発明におけるサ
ーマルヘッドの摩耗寸法は、従来のサーマルヘッドのそ
れに比べてほぼ1/5であり、極めて良好なことが理解
できる。このため発熱部の突出量を大きくでき、ラフ紙
に対する印字においても印字品質および印字効率が向上
し、特に印字性に優れた紙を選ばないサーマルプリンタ
を製造できるようになる。
【0025】なお、本発明は、前述した実施例に限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能であ
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、感
熱記録紙を用いての記録において耐摩耗性と印字寿命が
飛躍的に向上するとともに、インクリボンを用いての記
録においても良好な印字品質と印字寿命を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のサーマルヘッドを示す縦断面
【図2】感熱記録紙に記録を行ったときのサーマルヘッ
ドの走行距離と保護層の摩耗寸法との関係を示すグラフ
【図3】従来のサーマルヘッドを示す縦断面図
【符号の説明】
1 基板 2 保温層 3 発熱抵抗体 4 共通電極 5 個別電極 6,6A 保護層 7,7A 低硬度セラミック層 8,8A 耐摩耗層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に保温層を形成し、この保温
    層の上面に複数の発熱素子と、これらの各発熱素子に接
    続される個別電極および共通電極と、保護層とを形成し
    てなるサーマルヘッドにおいて、前記保護層を、低硬度
    セラミックの下層と、Cr−O−Nの上層とにより構成
    したことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保護層の下層の低硬度セラミック
    を、SiO2 、Y23 、CeO2 、Si−O−Nのう
    ちのいずれかとしたことを特徴とする請求項1に記載の
    サーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 前記保護層の下層と上層の膜厚比をほぼ
    1:1としたことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のサーマルヘッド。
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