JPH0768816A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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Publication number
JPH0768816A
JPH0768816A JP23898993A JP23898993A JPH0768816A JP H0768816 A JPH0768816 A JP H0768816A JP 23898993 A JP23898993 A JP 23898993A JP 23898993 A JP23898993 A JP 23898993A JP H0768816 A JPH0768816 A JP H0768816A
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JP
Japan
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layer
thermal head
wear
printing
protective layer
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Withdrawn
Application number
JP23898993A
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English (en)
Inventor
Kyoji Shirakawa
享志 白川
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
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Publication of JPH0768816A publication Critical patent/JPH0768816A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクリボンを用いた普通紙への印字品質が
良好で、また感熱記録紙を用いた場合でも耐摩耗性が良
好な長寿命のものとすること。 【構成】 保護層6Aの上層として耐摩耗性の良好な酸
化クロムと高融点金属の窒化物(CrN、TiN等)の
混合体、または耐摩耗性の良好な酸化クロムと高融点金
属の炭化物(CrC、TiC等)の混合体からなる耐摩
耗層8Aを設け、保護層6Aの下層として耐クラック性
に良好なSIALONまたはSi−O−Nからなる耐ク
ラック層7Aを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルプリンタに使
用されるサーマルヘッドに係り、特に感熱記録紙を用い
ての記録に際し、耐摩耗性が良くしかも長寿命の保護層
を有するサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタに搭載されるサーマル
ヘッドは、例えば、複数個の発熱素子を同一基板上に直
線的に配列し、所望の印字情報にしたがってこれらの発
熱素子に選択的に通電し加熱させせ、感熱記録紙を発色
記録させるか、あるいはインクリボンを介して普通紙に
転写記録するために用いられている。
【0003】図3は従来のサーマルヘッドを示したもの
で、アルミナ等のセラミックからなる絶縁性基板1上に
は、保温層として機能するガラス等からなるグレーズ層
2が形成されており、このグレーズ層2は、その上面の
断面形状が2段の凸部をなすように形成されているこの
グレーズ層2の凸部2aの上面には、Ta2 N等からな
る発熱素子3が、蒸着あるいはスパッタリング等により
絶縁性基板1及びグレーズ層2の表面に膜状に被着され
た後、フォトリソ技術によりエッチングされて複数個直
線上に整列して形成されており、これら発熱素子3上の
一側には、各発熱素子3に接続される共通電極4が形成
されている。
【0004】また、前記各発熱素子3の他側には、各発
熱素子3に独立して選択的に通電を行なう個別電極5が
それぞれ接続されており、前記共通電極4および個別電
極5は、例えばアルミニウム、銅からなり、蒸着あるい
はスパッタリング等により絶縁性基板1、グレーズ層2
および各発熱素子3上に被着された後、フォトリソ技術
によりエッチングされて所望形状のパターンに形成され
ている。
【0005】さらに、これらの発熱素子3、共通電極4
および個別電極5の表面には、前記発熱素子3および各
電極4、5を保護するほぼ7〜10μmの膜厚の保護層
6が形成されており、この保護層6は、前記各電極4、
5の端子部以外の全ての表面を被覆している。
【0006】ところで、前記保護層6は、各発熱素子3
を酸化による劣化から保護するSiO2 等からなるほぼ
2μmの膜厚の耐酸化層7と、この耐酸化層7の上面に
積層されインクリボン等の接触による摩耗から発熱素子
3および各電極4、5を保護するTa2 5 等からなる
ほぼ5〜8μmの膜厚の耐摩耗層8とにより構成されて
おり、この保護層6をなす耐酸化層7および耐摩耗層8
は、スパッタリング等の手段により順次積層するように
して形成される。
【0007】このようなサーマルヘッドを用いる熱転写
プリンタにおいては、このサーマルヘッドをプラテンの
前方に搬送される所定の用紙にインクリボンを介して圧
接させた状態で、所定の印字信号に基づいて発熱素子3
の個別電極5に選択的に通電を行ない、所望の発熱素子
3を選択的に発熱させることにより、前記インクリボン
のインクの部分に溶融して用紙に転写し、用紙上に所望
の印字を行なうことができる。
【0008】そして近年、このような熱転写プリンタに
あっても、印字の高品質化が要望されており、これを実
現するために、サーマルヘッドの発熱素子3の中心から
インクリボンの剥離をおこなう絶縁性基板1の端部まで
の寸法を小さくするとともに、グレーズ層2の凸部2a
をおおきく突出させて、この凸部2aの上に発熱素子3
を形成するようにしている。
【0009】このような構成にすることにより、発熱素
子3の発熱により溶融されたインクリボンのインクが冷
却固化する前に用紙からインクリボンを剥離することが
できるとともに、サーマルヘッドの発熱部にプラテンの
圧接荷重が集中的に作用するため、インクリボンを用い
ての用紙への良好な印字をおこなうことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のサーマルヘッドにおいては、インクリボンを用
いての印字品質は向上したものの、インクリボンを用い
ない感熱記録紙への印字の際には、保護層6の摩耗が大
きく、このために生じるサーマルヘッドの破壊が問題と
なっていたこれはサーマルヘッドを前述のような構成と
したため、Ta2 5 等からなる保護層6が、一般に感
熱記録紙に含まれるCaC03 、SiO2 等との摩擦に
対して破壊しやすい性質を有しているためである。
【0011】このため、感熱記録紙への印字をおこなっ
ても保護膜が摩耗しないようにサーマルヘッドの凸形状
または保護層6の膜厚を変える必要があり、このように
するとインクリボンを用いての普通紙への印字品質が劣
化するという問題があった。
【0012】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、インクリボンを用いての普通紙への印字品
質が良好で、また感熱記録紙を用いた場合でも耐摩耗性
が良好な長寿命のサーマルヘッドを提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明のサーマルヘッドにおいては、基板の表面に
保温層を形成し、この保温層の上面に複数の発熱素子
と、これらの発熱素子に接続される個別電極および共通
電極と、上層と下層の2層構造からなる保護層とを形成
してなるサーマルヘッドにおいて、保護層がSIALO
NまたはSi−O−Nの下層と、酸化クロムと高融点金
属の窒化物との混合体の上層と、からなることを特徴と
する。
【0014】また、請求項2においては、基板の表面に
保温層を形成し、この保温層の上面に複数の発熱素子
と、これらの発熱素子に接続される個別電極および共通
電極と、上層と下層の2層構造からなる保護層とを形成
してなるサーマルヘッドにおいて、保護層がSIALO
NまたはSi−O−Nの下層と、酸化クロムと高融点金
属の炭化物との混合体の上層と、からなることを特徴と
する。
【0015】
【作用】このような構成からなるサーマルヘッドによれ
ば、保護層の下層をSIALONまたはSi−O−Nと
することにより密着力および耐クラック性にすぐれ、上
層を酸化クロムと高融点金属の窒化物との混合体、また
は酸化クロムと高融点金属の炭化物との混合体とするこ
とにより耐摩耗性および耐クラック性を高めることがで
き、インクリボンを用いての普通紙への印字品質が良好
で、また感熱記録紙に対しては耐摩耗性に優れたサーマ
ルヘッドとすることができる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
なお、上述した従来例と同一の部品には同一の番号を付
し、詳細な説明は省略する。
【0017】図1は本発明に係るサーマルヘッドの実施
例を示すものであり、前述した従来例の構成と異なるの
は、保護層6Aの上層として耐摩耗性の良好な酸化クロ
ムと高融点金属の窒化物(CrN、TiN等)の混合
体、または耐摩耗性の良好な酸化クロムと高融点金属の
炭化物(CrC、TiC等)の混合体からなる耐摩耗層
8Aを設け、保護層6Aの下層として耐クラック性に良
好なSIALONまたはSi−O−Nからなる耐クラッ
ク層7Aを設けていることである。
【0018】本発明者は、耐摩耗層8Aの感熱記録紙に
対する耐摩耗性が極めて良好なこと(従来材料の3〜5
倍)を耐摩耗テストを行なって発見した。しかしなが
ら、耐摩耗層8Aは酸化クロムを主成分とするため、熱
膨張係数が8×10-6/℃と大きいばかりでなく、ビッ
カース硬度HV がほぼ1600と大きいため、膜の圧縮
応力が小さな状態で用いるとクラックや剥離といった故
障モードの発生しやすいことが実験的に判明した。
【0019】そこでさらに実験を継続したところ、保護
層6Aを2層化するとともに、スパッタリングのガス圧
力を調整して耐クラック層7Aと耐摩耗層8Aとの膜の
圧縮応力を約300MPaとし、その膜厚比を略1:1
とすることによってクラックや剥離等といった故障モー
ドの発生をおさえることができる。例えば、耐クラック
層7AとしてSIALONを2μm以上とすることによ
り、耐摩耗層8Aの摩耗以外の故障モードが激減した。
またSIALONを2〜3μmとし耐摩耗層8Aも同じ
く2〜3μmとして用いると、耐摩耗性が良好で、しか
もクラックや剥離等といった故障モードのないサーマル
ヘッドとなる。
【0020】なお前述した実施例においては耐クラック
層7AとしてSIALONについて述べたが、SIAL
ONとほぼ同等の特性を有するSi−O−N等の絶縁性
のセラミックスであれば代替が可能である。また耐摩耗
性の良好な酸化クロムと高融点金属の窒化物(CrN、
TiN等)の混合体、または耐摩耗性の良好な酸化クロ
ムと高融点金属の炭化物(CrC、TiC等)の混合体
からなる耐摩耗層8Aは耐摩耗性が極めて良好であるた
め、保護層6Aの全体の膜厚を従来の7〜10μmより
も薄く4〜6μmとできるのでスパッタリングの時間が
短くなり、生産性の高いものとなるし、蓄熱が少なく熱
効率が高まり印字品質も改善される。
【0021】図2は、十條製紙(株)製の感熱記録紙
(TP50KH−F5)を用いて、印字スピードを50
cps、プラテンへの圧接圧450gにて記録をおこな
ったときのサーマルヘッドの走行距離と保護層の摩耗寸
法との関係を示すグラフである。
【0022】図2からもわかるように本発明におけるサ
ーマルヘッドの摩耗寸法は、従来のサーマルヘッドのそ
れに比べてほぼ1/5であり、極めて良好なことが理解
できる。このため発熱部の突出量を大きくでき、ラフ紙
に対する印字においても印字品質および印字効率が向上
し、特に印字性に優れたサーマルプリンタを提供でき
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
感熱記録紙を用いての記録において耐摩耗性と印字寿命
が飛躍的に向上するとともに、インクリボンを用いての
記録においても良好な印字品質と印字寿命を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のサーマルヘッドを示す縦断面
図である。
【図2】感熱記録紙に記録をおこなったときのサーマル
ヘッドの走行距離と保護層の摩耗寸法との関係を示すグ
ラフ。
【図3】従来のサーマルヘッドを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 保温層 3 発熱素子 4 共通電極 5 個別電極 6、6A 保護層 7、7A 耐クラック層 8、8A 耐摩耗層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に保温層を形成し、この保温
    層の上面に複数の発熱素子と、これらの発熱素子に接続
    される個別電極および共通電極と、上層と下層の2層構
    造からなる保護層とを形成してなるサーマルヘッドにお
    いて、 前記保護層がSIALONまたはSi−O−Nの下層
    と、 酸化クロムと高融点金属の窒化物との混合体の上層と、 からなることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 基板の表面に保温層を形成し、この保温
    層の上面に複数の発熱素子と、これらの発熱素子に接続
    される個別電極および共通電極と、上層と下層の2層構
    造からなる保護層とを形成してなるサーマルヘッドにお
    いて、 前記保護層がSIALONまたはSi−O−Nの下層
    と、 酸化クロムと高融点金属の炭化物との混合体の上層と、 からなることを特徴とするサーマルヘッド。
JP23898993A 1993-08-31 1993-08-31 サーマルヘッド Withdrawn JPH0768816A (ja)

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JP23898993A JPH0768816A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 サーマルヘッド

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