JP2000246929A - サーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドの製造方法

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JP2000246929A
JP2000246929A JP5123999A JP5123999A JP2000246929A JP 2000246929 A JP2000246929 A JP 2000246929A JP 5123999 A JP5123999 A JP 5123999A JP 5123999 A JP5123999 A JP 5123999A JP 2000246929 A JP2000246929 A JP 2000246929A
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Kazunori Kitamura
一典 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大気中の水分等が保護膜の成膜欠陥を介して発
熱抵抗体層等に接触することによりこれらの層の電気抵
抗値を比較的短期間で大幅に変化させてしまっていた。 【解決手段】絶縁基板1 上に発熱抵抗体層3 及び一対の
導電層4,4 を順次被着させるとともに、これらを保護層
5 にて被覆して成るサーマルヘッドの製造方法であっ
て、前記保護層5 は少なくとも3層構造を有し、上層5c
及び下層5aをノンバイアススパッタリング法で、中層5b
をバイアススパッタリングで形成する。また前記保護層
5a,5b,5cがSi−O−Nから成り、全体にわたって略均
一な組成比率で形成する。更に前記保護層5a,5b,5c中の
酸素(O)の含有率を10wt%〜40wt%の範囲内
に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワードプロセッサ、
ファクシミリ或いは電子タイプライタ等のプリンタ機構
として組み込まれるサーマルヘッドの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ワードプロセッサ等のプリンタ機
構として組み込まれるサーマルヘッドは、図3に示す如
く、アルミナセラミックス等から成る絶縁基板11上にガ
ラスグレーズ層12を被着させるとともに、該グレーズ層
12上にTaSiO等から成る発熱抵抗体層13とAl(ア
ルミニウム)等から成る一対の導電層14,14 とを順次被
着させ、これらをSi3 4 (窒化珪素)等から成る保
護層15で被覆した構造を有しており、外部からの画像デ
ータに基づいて一対の導電層14,14 間に所定の電力を印
加し、発熱抵抗体層13を選択的にジュール発熱させると
ともに、該発熱した熱を感熱紙やインクリボン等の感熱
記録媒体P に伝導させ、所定の印画を形成することによ
ってサーマルヘッドとして機能する。
【0003】尚、前記保護層15は、サーマルヘッドの使
用時、発熱抵抗体層13や一対の導電層14,14 を感熱記録
媒体P の摺接による磨耗及び大気中に含まれている水分
や感熱記録媒体P に含まれているCl- イオン、Na+
イオン等の接触による腐食から保護するためのものであ
り、例えば従来周知のスパッタリング等を採用し、発熱
抵抗体層13及び一対の導電層14,14 上にSi3 4 を約
4μmの厚みに被着させることにより形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のサーマルヘッドにおいては、発熱抵抗体層13及び一
対の導電層14,14 上にSi3 4 から成る保護層15をス
パッタリングにより被着した場合、保護層15、特に発熱
抵抗体層13と一対の導電層14,14 とで形成される段差部
分に導電層14,14 のエッジを起点とする大きなクラック
状の成膜欠陥A が形成される。かかるサーマルヘッドを
使用して印画を行なうと、大気中の水分や感熱記録媒体
中のCl- イオン、Na+ イオン等が前記成膜欠陥A を
介して発熱抵抗体層13や一対の導電層14,14 に接触し、
これらの層を腐食するとともに、発熱抵抗体層13等の電
気抵抗値を比較的短期間で大幅に変化させてしまう欠点
を有していた。
【0005】そこで上記欠点を解消するために、上記保
護層15を形成する際、従来周知のバイアススパッタリン
グを採用することにより、成膜欠陥の少ない、封止性に
優れた保護層を得ることが提案されている。
【0006】しかしながら、保護層全体をバイアススパ
ッタリングにて形成した場合、保護層中に大きな応力が
内在することとなる。それ故、保護層の表面に感熱記録
媒体P を摺接させて印画を行なうと、該摺接力と前述の
内部応力とが相俟って保護層にクラックが形成された
り、或いは、保護層がその下地(発熱抵抗体層13等)よ
り容易に剥離してしまうといった不具合が生じ、その結
果、保護層としての機能が喪失される欠点が誘発され
る。
【0007】また、全体をバイアススパッタリングにて
形成した保護層は、その膜質が極めて緻密になる反面、
靭性が比較的低い。そのため、外部からの衝撃に弱いと
いう難点があり、例えば印画時等に感熱記録媒体P と保
護層との間に砂塵等の異物が噛み込まれると保護層が比
較的簡単に割れてしまい、この場合も保護層としての機
能が喪失される欠点を有していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
案出されたもの、本発明のサーマルヘッドの製造方法
は、絶縁基板上に発熱抵抗体層及び一対の導電層を順次
被着させるとともに、これらを保護層にて被覆して成る
サーマルヘッドの製造方法であって、前記保護層は少な
くとも3層構造を有し、上層及び下層をノンバイアスス
パッタリングで、中層をバイアススパッタリングで形成
したことを特徴とするものである。
【0009】また本発明のサーマルヘッドの製造方法
は、前記保護層がSi−O−Nから成り、全体にわたっ
て略均一な組成比率で形成したことを特徴とするもので
ある。
【0010】更に本発明のサーマルヘッドの製造方法
は、前記保護層中の酸素(O)の含有率が10wt%〜
40wt%であることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の製造方法によって製
作したサーマルヘッドの斜視図、図2は図1のサーマル
ヘッドの要部拡大断面図であり、1 は基板、2 はグレー
ズ層、3 は発熱抵抗体層、4,4 は一対の導電層、5 は保
護層である。尚、図1の斜視図では図面の簡略化のため
にグレーズ層2 と保護層5 を省略して示す。
【0012】前記絶縁基板1 は例えばアルミナセラミッ
クス等の耐熱性及び電気絶縁性に優れたセラミック材料
から成り、その上面でグレーズ層2 や発熱抵抗体層3 ,
一対の導電層4,4 ,保護層5 を支持するための支持母材
として機能する。
【0013】尚、前記絶縁基板1 は、例えばアルミナセ
ラミックスから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシ
ア等のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を
添加・混合して泥漿状になすとともに、これを従来周知
のドクターブレード法やカレンダーロール法等を採用す
ることによってセラミックグリーンシート(セラミック
生シート)を得、しかる後、該グリーンシートを所定形
状に打ち抜いた上、これを高温(約1600℃)で焼成
することにより製作される。
【0014】また前記絶縁基板1 の上面にはグレーズ層
2 が50μm〜80μmの厚みに被着される。
【0015】前記グレーズ層2 はガラスやポリイミド樹
脂等の低熱伝導性材料から成り、後述する発熱抵抗体層
3 の発する熱を蓄熱及び放散することによってサーマル
ヘッドの熱応答特性を良好に維持する作用を為す。
【0016】尚、前記グレーズ層2 は、例えばガラスか
ら成る場合、所定のガラス粉末に適当な有機溶剤、溶媒
を添加・混合して得たガラスペーストを従来周知のスク
リーン印刷等を採用することによって絶縁基板1 の上面
に印刷・塗布し、しかる後、これを高温(約700℃)
で焼き付けることによって絶縁基板1 の上面に被着・形
成される。
【0017】また前記グレーズ層2 の上面には主走査方
向にわたって多数の発熱抵抗体層3が所定のドット密度
で被着・配列されており、更に各発熱抵抗体層3 上には
間に一定の間隔をもった一対の導電層4,4 が被着されて
いる。
【0018】前記発熱抵抗体層3 は例えばTaSiO系
やTaSiNO系,TiSiO系,TiSiCO系,N
bSiO系の電気抵抗材料によって各々が略矩形状をな
すように0.01μm〜0.5μmの厚みに形成されて
おり、それ自体が所定の電気抵抗率を有しているため、
一対の導電層4,4 を介して所定の電力が印加されるとジ
ュール発熱を起こし、印画を形成するに必要な温度、例
えば250〜400℃の温度に発熱する。
【0019】また前記発熱抵抗体層3 上に被着されてい
る一対の導電層4,4 はAlやCu(銅)、Ag(銀)等
の金属から成り、該導電層4,4 は発熱抵抗体層3 にジュ
ール発熱を起こさせるために必要な所定の電力を印加す
る作用を為す。
【0020】尚、前記発熱抵抗体層3 及び一対の導電層
4,4 は従来周知の薄膜手法、具体的にはスパッタリング
やフォトリソグラフィー、エッチング等を採用すること
によりグレーズ層2 の上面に所定パターンをなすように
被着・形成される。
【0021】そして前記発熱抵抗体層3 及び一対の導電
層4,4 の上面には、全体を略均一な組成比率の無機質材
料で形成した保護層5 が例えば5μm〜10μmの厚み
をもって被着されている。
【0022】前記保護層5 はSi−O−N等の耐磨耗性
及び封止性に優れた無機質材料から成り、該保護層5 で
発熱抵抗体層3 及び一対の導電層4,4 を被覆しておくこ
とにより発熱抵抗体層3 及び一対の導電層4,4 を感熱記
録媒体P の摺接による磨耗や大気中に含まれている水
分、感熱記録媒体P に含まれているCl- イオン、Na
+ イオン等の接触による腐食等から保護するようにして
いる。
【0023】また前記保護層5 は、少なくとも3層構造
を有し、上層5c及び下層5aを従来周知のノンバイアスス
パッタリング(バイアスをかけずに行なう通常のスパッ
タリング)で、中層5bを従来周知のバイアススパッタリ
ングで形成してある。
【0024】例えば、前記中層5bの厚みは保護層全体の
3%〜50%に相当する厚みに、前記下層5aの厚みは保
護層全体の20%〜80%に相当する厚みに、上層5cの
厚みは保護層全体の7%〜77%に相当する厚みに設定
する。
【0025】このように中層5bをバイアススパッタリン
グで形成した保護層5 は、それよりも上(表面側)の領
域に成膜欠陥が殆ど存在しなくなるので、大気中に含ま
れる水分や感熱記録紙等に含まれるCl- イオン、Na
+ イオン等の透過を良好に遮断し、発熱抵抗体層3 や一
対の導電層4,4 に腐食が発生するのを有効に防止するこ
とができる。従って発熱抵抗体層5 や一対の導電層4,4
の電気抵抗値を長期間にわたって略一定に保つことがで
き、サーマルヘッドの信頼性を向上させることが可能と
なる。
【0026】しかもこの場合、バイアススパッタリング
で形成されるのは保護層5 の中層5bのみであり、その上
下両側に位置する上層5c及び下層5aはいずれもノンバイ
アススパッタリングにて形成されていることから、バイ
アススパッタリングにて形成される中層5bの応力は上層
5c及び下層5aで良好に緩和・吸収される。従って、感熱
記録媒体P の摺接等に伴い保護層5 に外力が印加されて
も保護層5 にクラックが形成されることは殆どなく、保
護層5 を比較的長期間にわたり良好に機能させることが
できる。
【0027】また前記保護層5 は、発熱抵抗体層3 や一
対の導電層4,4 と接する下層5aがノンバイアススパッタ
リングにて形成されているため、発熱抵抗体層3 や一対
の導電層4,4 との境界部における応力は比較的小さく、
発熱抵抗体層3 や一対の導電層4,4 に対する密着性は極
めて高い。従ってサーマルヘッドの使用時等に保護層5
が下地(発熱抵抗体層3 や一対の導電層4,4 )から剥離
するといった不具合が有効に防止され、これによっても
保護層5 を長期間にわたり良好に機能させることができ
る。
【0028】更に前記保護層5 は、印画に際して感熱記
録媒体P と接する上層5cがノンバイアススパッタリング
にて形成されているため、外部からの衝撃にも比較的強
い。即ち、ノンバイアススパッタリングにより形成され
る膜はバイアススパッタリングにより形成される膜に比
し密度が低いので印画時等に感熱記録媒体P と保護層5
との間に砂塵等の異物が噛み込まれても、該噛み込みに
伴う外力を保護層自身の変形によって吸収し、保護層5
の割れを有効に防止することができる。従ってサーマル
ヘッドの信頼性が向上する。
【0029】また更に前記保護層5 は、これを構成する
下層5a、中層5b、上層5cの3層が略均一な組成比率のS
i−O−N等から成っているため、組成比率の異なる複
数の層を積層して保護層を形成する場合に比し保護層5
中の内部応力を極めて小さく抑えることができ、それ
故、サーマルヘッドの使用に伴う保護層5 の剥離や割れ
等をより確実に防止することができる。従って、これに
よってもサーマルヘッドの信頼性が向上する。
【0030】尚、Si−O−Nから成る保護層5 は耐磨
耗性や電気絶縁性,封止性等に優れており、各元素の構
成比率を例えばSi(珪素)35wt%〜65wt%、
O(酸素)10wt%〜40wt%、N(窒素)15w
t%〜40wt%に設定したものが使用される。
【0031】またこの場合、保護層5 中の酸素含有率を
10wt%〜40wt%の範囲内に設定しておけば、高
度の耐磨耗性を維持しつつ、上述した応力低減の効果を
より顕著になすことができる上に、成膜レートを高くし
てサーマルヘッドの生産性向上に供することができる利
点もある。よって保護層5 中の酸素含有率は10wt%
〜40wt%の範囲内に設定しておくことが好ましい。
【0032】また更に前記保護層5 中にTi(チタン)
やW(タングステン)等の金属を1〜10wt%の範囲
内で含有させておけば、保護層5 の靭性が著しく向上す
るので、外部からの衝撃に対しても極めて強い保護層5
が得られる。従って保護層5中にTi(チタン)やW
(タングステン)等の金属を1〜10wt%の範囲内で
含有させておくことが好ましい。
【0033】かかる保護層5 は、従来周知のスパッタリ
ングとバイアススパッタリングとを組み合わせて採用す
ることにより形成される。
【0034】即ち、まず発熱抵抗体層3 及び一対の導電
層4,4 等を被着させた絶縁基板1 とSi−O−Nターゲ
ットを高周波マグネトロンスパッタリング装置内のカソ
ード電極及びアノード電極上に配置し、次に前記スパッ
タリング装置内を真空引きするとともに、該装置内にA
r(アルゴン)ガスを所定量ずつ導入しながら前記電極
間に1.5kW〜5.0kWのノンバイアス電力を印加
することによって発熱抵抗体層3 や一対の導電層4,4 上
にノンバイアススパッタによる下層5aを1.0μm〜
7.0μmだけ堆積させ、次いで上記電極間に前述のノ
ンバイアス電力よりも小さな1.0kW〜4.0kWの
バイアス電力を印加してバイアススパッタによる中層5b
を0.1μm〜4.0μmだけ堆積させ、最後に上記電
極間に前述のバイアス電力よりも大きな1.5kW〜
5.0kWのノンバイアス電力を印加してノンバイアス
スパッタによる上層5cを0.4μm〜6.0μmだけ堆
積させ、これによって上述した3層構造の保護層5 が形
成される。尚、中層5bを形成する際のノンバイアス電力
を下層5aや上層5cを形成する際のバイアス電力よりも小
さく設定するのは、中層5bの成膜レートを速めてサーマ
ルヘッドの生産性を向上させるためである。
【0035】かくして上述したサーマルヘッドは、外部
からの画像データに基づいて一対の導電層4,4 間に所定
の電力を印加し、発熱抵抗体層3 を個々に選択的にジュ
ール発熱させるとともに、該発熱した熱を保護層5 を介
して感熱記録媒体P に伝導させ、所定の印画を形成する
ことによってサーマルヘッドとして機能する。
【0036】尚、本発明は上述の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、保護層を少なくとも3
層構造とし、その上層及び下層をノンバイアススパッタ
リングで、中層をバイアススパッタリングで形成するこ
とにより、中層よりも上の領域に成膜欠陥が殆ど存在し
なくなる。従って、発熱抵抗体層や一対の導電層の腐食
が有効に防止され、サーマルヘッドの信頼性が向上す
る。
【0038】また本発明によれば、前記3層構造の保護
層はバイアススパッタリングで形成されるのが中層のみ
であるため、中層に内在される応力をその上下両側に配
される上層及び下層で良好に緩和・吸収することができ
る。従って、感熱記録媒体の摺接等に伴い保護層に外力
が印加されても保護層にクラックが形成されることは殆
どなく、保護層を比較的長期間にわたり良好に機能させ
ることができる。
【0039】更に本発明によれば、前記保護層は、発熱
抵抗体層や一対の導電層と接する下層がノンバイアスス
パッタリングにて形成されるため、発熱抵抗体層や一対
の導電層との境界部における応力は比較的小さく、発熱
抵抗体層や一対の導電層に対する密着性が高くなってい
る。従ってサーマルヘッドの使用時等に保護層が下地か
ら剥離するといった不具合が有効に防止され、これによ
っても保護層を長期間にわたり良好に機能させることが
できる。
【0040】また更に本発明によれば、前記保護層はそ
の上層がノンバイアススパッタリングにて形成されてい
るため、外部からの衝撃にも比較的強い。よって印画時
等に感熱記録媒体と保護層との間に砂塵等の異物が噛み
込まれても、該噛み込みに伴う外力を良好に吸収し、保
護層の割れを有効に防止することもできる。
【0041】更にまた本発明によれば、前記保護層は、
これを構成する下層、中層、上層の3層が略均一な組成
比率のSi−O−N等から成っているため、組成比率の
異なる複数の層を積層して保護層を形成する場合に比し
保護層中の内部応力を極めて小さく抑えることができ、
それ故、サーマルヘッドの使用に伴う保護層の剥離や割
れ等をより確実に防止することができる。従って、これ
によってもサーマルヘッドの信頼性が向上する。
【0042】また更に本発明によれば、前記保護層中の
酸素含有率を10wt%〜40wt%の範囲内に設定し
ておくことにより、高度の耐磨耗性を維持しつつ、上述
した応力低減の効果をより顕著になすことができる上
に、成膜レートを高くしてサーマルヘッドの生産性向上
に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係るサーマルヘッドの斜視図
である。
【図2】図1のサーマルヘッドの要部拡大断面図であ
る。
【図3】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・基板、2 ・・・グレーズ層、3 ・・・発熱抵抗
体層、4,4 ・・・一対の導電層、5 ・・・保護層、5a・
・・下層、5b・・・中層、5c・・・上層、P ・・・感熱
記録媒体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に発熱抵抗体層及び一対の導電
    層を順次被着させるとともに、これらを保護層にて被覆
    して成るサーマルヘッドの製造方法であって、 前記保護層は少なくとも3層構造を有し、上層及び下層
    をノンバイアススパッタリングで、中層をバイアススパ
    ッタリングで形成したことを特徴とするサーマルヘッド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記保護層がSi−O−Nから成り、全体
    にわたって略均一な組成比率で形成したことを特徴とす
    る請求項1に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】前記保護層中の酸素(O)の含有率が10
    wt%〜40wt%であることを特徴とする請求項2に
    記載のサーマルヘッドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008130698A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Ulvac Japan Ltd SiON膜の積層方法
JP2012071592A (ja) * 2010-08-30 2012-04-12 Kyocera Corp サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ
JP2019025713A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ

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