JP2019025713A - サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】保護層の耐久性を向上させ、走行距離の向上したサーマルヘッドを提供する。【解決手段】基板7と、発熱部9と、電極17,19と、保護層25と、を備え、発熱部9は基板7上に位置する。電極17,19は、基板7上に位置し、発熱部9に繋がっている。保護層25は、発熱部9および電極17,19の一部を被覆する。保護層25は、チタンおよび窒素を含んでおり、保護層25は、(111)面のX線回折のピーク強度をP1、(200)面のX線回折のピーク強度をP2とした場合に、P1>P2である。【選択図】図4

Description

本開示は、サーマルヘッドおよびサーマルプリンタに関する。
従来、ファクシミリあるいはビデオプリンタ等の印画デバイスとして、種々のサーマルヘッドが提案されている。例えば、基板と、前記基板上に位置する発熱部と、前記基板上に位置し、前記発熱部に繋がっている電極と、前記発熱部および前記電極の一部を被覆する保護層と、を備え、前記保護層は、チタンおよび窒素を含むサーマルヘッドが知られている(特許文献1参照)。
実開昭62−3738号公報
本開示のサーマルヘッドは、基板と、発熱部と、電極と、保護層と、を備える。前記発熱部は、前記基板上に位置する。前記電極は、前記基板上に位置し、前記発熱部に繋がっている。前記保護層は、前記発熱部および前記電極の一部を被覆する。また、前記保護層は、チタンおよび窒素を含んでいる。また、前記保護層は、(111)面のX線回折のピーク強度をP1、(200)面のX線回折のピーク強度をP2とした場合に、P1>P2である。
本開示のサーマルプリンタは、上記に記載のサーマルヘッドと、前記発熱部上を通過するように記録媒体を搬送する搬送機構と、前記記録媒体を押圧するプラテンローラと、を備える。
図1は、第1の実施形態に係るサーマルヘッドの概略を示す分解斜視図である。 図2は、図1に示すサーマルヘッドの概略を示す平面図である。 図3は、図2のIII−III線断面図である。 図4は、図1に示すサーマルヘッドの保護層近傍を拡大して示す断面図である。 図5は、第1の実施形態に係るサーマルプリンタを示す概略図である。
従来のサーマルヘッドでは、保護層の耐久性を向上させるために、チタンおよび窒素を含む保護層が用いられている。チタンおよび窒素を含む保護層は、硬度が高く保護層の薄層化が図れるため、生産性が高い。今般においては、保護層の耐久性のさらなる向上が求められている。
本開示のサーマルヘッドは、保護層の耐久性を向上させ、走行距離の向上したサーマルヘッドとすることができる。以下、本開示のサーマルヘッドおよびそれを用いたサーマルプリンタについて、詳細に説明する。
<第1の実施形態>
以下、サーマルヘッドX1について図1〜4を参照して説明する。図1は、サーマルヘ
ッドX1の構成を概略的に示している。図2は、保護層25、被覆層27、および封止部材12を一点鎖線にて示しており、被覆部材29を破線にて示している。
サーマルヘッドX1は、ヘッド基体3と、コネクタ31と、封止部材12と、放熱板1と、接着部材14とを備えている。なお、コネクタ31、封止部材12、放熱板1、および接着部材14は、必ずしも備えていなくてもよい。
放熱板1は、ヘッド基体3の熱を放熱するために設けられている。ヘッド基体3は、接着部材14を介して放熱板1上に載置されている。ヘッド基体3は、外部から電圧が印加されることにより、記録媒体(不図示)に印画を行う。接着部材14は、ヘッド基体3と放熱板1とを接着している。コネクタ31は、ヘッド基体3を外部に電気的に接続する。コネクタ31は、コネクタピン8とハウジング10とを有している。封止部材12は、コネクタ31とヘッド基体3とを接合している。
放熱板1は、直方体形状である。放熱板1は、例えば、銅、鉄またはアルミニウム等の金属材料で形成されており、ヘッド基体3で発生した熱のうち、印画に寄与しない熱を放熱する機能を有している。
ヘッド基体3は、平面視して、長方形状であり、基板7上にサーマルヘッドX1を構成する各部材が設けられている。ヘッド基体3は、外部より供給された電気信号に従い、記録媒体に印字を行う機能を有する。
図1〜3を用いて、ヘッド基体3を構成する各部材、封止部材12、接着部材14およびコネクタ31について説明する。
ヘッド基体3は、基板7と、蓄熱層13と、電気抵抗層15と、共通電極17と、個別電極19と、接続電極21と、接続端子2と、導電部材23と、駆動IC11と、被覆部材29と、保護層25と、被覆層27とを有している。
基板7は、放熱板1上に配置されており、平面視して、矩形状である。基板7は、第1面7fと、第2面7gと、側面7eとを有している。第1面7fは、第1長辺7aと、第2長辺7bと、第1短辺7cと、第2短辺7dとを有している。第1面7f上にヘッド基体3を構成する各部材が設けられている。第2面7gは、第1面7fと反対側に位置している。第2面7gは、放熱板1側に設けられており、接着部材14を介して放熱板1に接合されている。側面7eは、第1面7fと第2面7gとを接続するように設けられており、第2長辺7b側に設けられている。
基板7は、例えば、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは単結晶シリコン等の半導体材料等によって形成されている。
基板7の第1面7f上に蓄熱層13が設けられている。蓄熱層13は、第1面7fから上方に隆起している。言い換えると、蓄熱層13は、基板7の第1面7fから遠ざかる方向に突出している。
蓄熱層13は、基板7の第1長辺7aに隣り合うように配置され、主走査方向に沿って延びている。蓄熱層13の断面が略半楕円形状であることにより、発熱部9上に形成された保護層25が、印画する記録媒体Pに良好に接触する。蓄熱層13の基板7の第1面7fからの高さは30〜60μmとすることができる。
蓄熱層13は、熱伝導性の低いガラスで形成されており、発熱部9で発生する熱の一部
を一時的に蓄積する。そのため、発熱部9の温度を上昇させるのに要する時間を短くすることができ、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高めることができる。
蓄熱層13は、例えば、ガラス粉末に適当な有機溶剤を混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基板7の第1面7fに塗布し、これを焼成することで形成される。
電気抵抗層15は、蓄熱層13の上面に設けられており、電気抵抗層15上には、共通電極17、個別電極19、接続電極21およびIC−IC間電極26が形成されている。共通電極17と個別電極19との間には、電気抵抗層15が露出した露出領域が形成されている。電気抵抗層15の露出領域は、図2に示すように、蓄熱層13上に列状に配置されており、各露出領域が発熱部9を構成している。
なお、電気抵抗層15は、各種電極と蓄熱層13との間に必ずしも設ける必要はなく、共通電極17と個別電極19とを電気的に接続するように、例えば、共通電極17と個別電極19との間のみに設けてもよい。
複数の発熱部9は、説明の便宜上、図2では簡略化して記載しているが、例えば、100dpi〜2400dpi(dot per inch)等の密度で配置される。電気抵抗層15は、例えば、TaN系、TaSiO系、TaSiNO系、TiSiO系、TiSiCO系またはNbSiO系等の電気抵抗の比較的高い材料によって形成されている。そのため、発熱部9に電圧が印加されたときに、ジュール発熱によって発熱部9が発熱する。
共通電極17は、主配線部17a,17dと、副配線部17bと、リード部17cとを備えている。共通電極17は、複数の発熱部9と、コネクタ31とを電気的に接続している。主配線部17aは、基板7の第1長辺7aに沿って延びている。副配線部17bは、基板7の第1短辺7cおよび第2短辺7dのそれぞれに沿って延びている。リード部17cは、主配線部17aから各発熱部9に向かって個別に延びている。主配線部17dは、基板7の第2長辺7bに沿って延びている。
複数の個別電極19は、発熱部9と駆動IC11との間を電気的に接続している。また、複数の発熱部9は、複数の群に分かれており、各群の発熱部9と各群に対応して設けられた駆動IC11とが、個別電極19によって電気的に接続されている。
複数の接続電極21は、駆動IC11とコネクタ31との間を電気的に接続している。各駆動IC11に接続された複数の接続電極21は、異なる機能を有する複数の配線で構成されている。
複数のIC−IC間電極26は、隣り合う駆動IC11同士を電気的に接続している。各IC−IC間電極26は、異なる機能を有する複数の配線で構成されている。
これらの共通電極17、個別電極19、および接続電極21は、導電性を有する材料で形成されており、例えば、アルミニウム、金、銀および銅のうちのいずれか一種の金属またはこれらの合金によって形成されている。
接続端子2は、共通電極17および接続電極21をFPC5に接続するために、第1面7fの第2長辺7b側に設けられている。接続端子2は、後述するコネクタ31のコネクタピン8に対応して設けられている。
接続端子2上には、導電部材23が設けられている。導電部材23としては、例えば、
はんだ、あるいはACP(Anisotropic Conductive Paste)等を例示することができる。なお、導電部材23と接続端子2との間にNi、Au、あるいはPdによるめっき層(不図示)を設けてもよい。なお、導電部材23は必ずしも設けなくてもよい。
上記のヘッド基体3を構成する各種電極は、各々を構成するAl、Au、あるいはNi等の金属の材料層を蓄熱層13上に、スパッタリング法等の薄膜成形技術によって順次積層した後、積層体を従来周知のフォトエッチング等を用いて所定のパターンに加工することにより形成することができる。なお、ヘッド基体3を構成する各種電極は、同じ工程によって同時に形成することができる。
駆動IC11は、図2に示すように、複数の発熱部9の各群に対応して配置されているとともに、個別電極19と接続電極21とに接続されている。駆動IC11は、各発熱部9の通電状態を制御する機能を有している。駆動IC11としては、内部に複数のスイッチング素子を有するスイッチングICを用いることができる。
保護層25は、発熱部9、共通電極17および個別電極19の一部を被覆しており、被覆した領域を、大気中に含まれている水分等の付着による腐食、あるいは印画する記録媒体Pとの接触による摩耗から保護するためのものである。
基板7上には、共通電極17、個別電極19および接続電極21を部分的に被覆する被覆層27が設けられている。被覆層27は、大気との接触による酸化から被覆した領域を保護している。また、被覆層27は、大気中に含まれている水分等の付着による腐食から被覆した領域を保護するためのものである。被覆層27は、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、あるいはシリコーン系樹脂等の樹脂材料により形成することができる。
駆動IC11は、個別電極19および接続電極21に接続された状態で、エポキシ樹脂あるいはシリコーン樹脂等の樹脂からなる被覆部材29によって封止されている。被覆部材29は、主走査方向に延びるように設けられており、複数の駆動IC11を一体的に封止している。
コネクタ31は、複数のコネクタピン8と、複数のコネクタピン8を収納するハウジング10とを有している。複数のコネクタピン8は、第1端と第2端とを有している。第1端がハウジング10の外部に露出しており、第2端がハウジング10の内部に収容されている。コネクタピン8の第1端は、ヘッド基体3の接続端子2に電気的に接続されている。それにより、コネクタ31は、ヘッド基体3の各種電極と電気的に接続されている。
封止部材12は、第1封止部材12aと第2封止部材12bとを有している。第1封止部材12aは基板7の第1面7f上に位置しており、第2封止部材12bは基板7の第2面7g上に位置している。第1封止部材12aは、コネクタピン8と各種電極とを封止するように設けられている。第2封止部材12bは、コネクタピン8と基板7との接触部を封止するように設けられている。
封止部材12は、接続端子2、およびコネクタピン8が外部に露出しないように設けられており、例えば、エポキシ系の熱硬化性の樹脂、紫外線硬化性の樹脂、あるいは可視光硬化性の樹脂により形成することができる。なお、第1封止部材12aと第2封止部材12bとが同じ材料により形成されていてもよく、別の材料により形成されていてもよい。
接着部材14は、放熱板1上に配置されており、ヘッド基体3の第2面7gと放熱板1とを接合している。接着部材14としては、両面テープ、あるいは樹脂性の接着剤を例示することができる。
図4を用いて、保護層25について詳細に説明する。
保護層25は、チタン(Ti)および窒素(N)を主成分として含んでおり、TiN、TiON、TiCrN、TiAlON等を例示することができる。保護層25として、TiNを用いた場合、例えば、チタンを40〜70原子%、窒素を30〜60原子%含有するように設定できる。なお、保護層25がチタンおよび窒素を主成分として含むとは、保護層25に含まれるチタンおよび窒素が、70原子%以上であることを意味する。
保護層25は、(111)面のX線回折のピーク強度をP1、(200)面のX線回折のピーク強度をP2とした場合に、P1>P2の関係性を有している。すなわち、保護層25を構成する結晶は、(111)面のピーク強度が(200)面のピーク強度よりも高い。
TiNは、NaCl型の結晶構造であり、NaCl型の結晶構造において、(111)面はすべり面とされている。そのため、保護層25は、すべり面が優勢な結晶構造を有している。保護層25に記録媒体P(図5参照)が接触すると、保護層25は、すべり面に沿って表面から徐々に摩耗することとなる。その結果、保護層25に破損が生じにくくなり、結果として、保護層25の耐久性を向上させることができる。
すなわち、保護層25に記録媒体Pが接触しても、すべり面の摩耗によって記録媒体Pからの応力を緩和し、保護層25に生じる内部応力を緩和することができる。その結果、保護層25の内部に破損が生じにくくなり、保護層25の耐久性を向上させることができる。つまり、保護層25に内部応力が集中しにくくなるように、適度に表面を摩耗させることとなり、結果として、保護層25の走行距離を長くすることができ、保護層25の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1では、0.60≦P2/P1<0.8の構成を有していてもよい。このような構成を有するときには、保護層25を構成する結晶のすべり面を優勢にすることができ、保護層25に破損が生じにくくなり、保護層25の耐久性をさらに向上させることができる。
なお、結晶面のピーク強度は、X線回折分析で得られた回折パターンにおいて、2θ:20〜80°の範囲で検出されたピーク強度である。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1では、保護層25がタングステン(W)をさらに含んでいてもよい。このような構成を有するときには、保護層25のヤング率Eを低減させることができ、保護層25に破損が生じにくくなる。
保護層25は、タングステンを1〜5原子%含有していると、保護層25の耐久性を向上させることができる。保護層25は、スパッタリングにより作製する場合、スパッタリングターゲットとして、タングステンを含有させたTiNを用いればよい。また、イオンプレーティングにより作製する場合、二元るつぼを用いて作成すればよい。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1は、保護層25が酸素(O)をさらに含んでいてもよい。このような構成を有するときには、保護層25のヤング率Eをさらに低減させることができ、保護層25に破損が生じにくくなる。
保護層25は、酸素を5〜20原子%含有していると、保護層25の耐久性を向上させることができる。保護層25は、スパッタリングにより作製する場合、スパッタリングタ
ーゲットとして、TiONを用いればよい。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1は、保護層25におけるチタンと窒素との原子比(Ti/N)が、1.43以上であってもよい。このような構成を有するときには、保護層25のヤング率Eをさらに低減させることができ、保護層25に破損が生じにくくなる。
保護層25を構成する元素の比率は、X線光電分光法(XPS:X-ray Phot
oelectron Spectroscopy)を用いて測定することができ、例えば、保護層25の表面から100nmの深さまでの各元素の比率を測定し、それぞれの元素の平均を求めることにより測定できる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1は、ヤング率Eを硬度Hで除した値が、14.3以下であってもよい。このような構成を有するときには、保護層25は、硬度Hを保ちつつ、ヤング率Eを低くすることができる。それにより、記録媒体Pから保護層25に外力が加えられても、保護層25が内部応力を緩和することができ、保護層25に破損が生じにくくなる。
硬度H(GPa)およびヤング率E(GPa)は、ナノインデンテーション法を用いて測定することができる。
保護層25は、アークプラズマ方式イオンプレーティング、あるいはホロカソード方式イオンプレーティングにより形成することができる。また、アークイオンスパッタリング、あるいはマグネトロンスパッタリングにより形成することができる。保護層25の厚みは、5〜30μmと設定することができる。
P1およびP2の制御は例えば、以下の方法により制御することができる。例えばアークプラズマ方式イオンプレーティング、あるいはホロカソード方式イオンプレーティンにより形成する場合、基板バイアス電圧の絶対値を小さくすることにより、P1>P2となる保護層25を形成することができる。また、成膜圧を高くすることにより形成することもできる。さらに、アークイオンスパッタリング、あるいはマグネトロンスパッタリングにより形成する場合、チャンバー内の圧力を大きくすることにより、P1>P2となる保護層25を形成することができる。
次に、サーマルヘッドX1を有するサーマルプリンタZ1について、図5を参照しつつ説明する。
本実施形態のサーマルプリンタZ1は、上述のサーマルヘッドX1と、搬送機構40と、プラテンローラ50と、電源装置60と、制御装置70とを備えている。サーマルヘッドX1は、サーマルプリンタZ1の筐体(不図示)に設けられた取付部材80の取付面80aに取り付けられている。なお、サーマルヘッドX1は、搬送方向Sに直交する方向である主走査方向に沿うようにして、取付部材80に取り付けられている。
搬送機構40は、駆動部(不図示)と、搬送ローラ43,45,47,49とを有している。搬送機構40は、感熱紙、インクが転写される受像紙等の記録媒体Pを図5の矢印S方向に搬送して、サーマルヘッドX1の複数の発熱部9上に位置する保護層25上に搬送するためのものである。駆動部は、搬送ローラ43,45,47,49を駆動させる機能を有しており、例えば、モータを用いることができる。搬送ローラ43,45,47,49は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体43a,45a,47a,49aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材43b,45b,47b,49bにより被覆
して構成することができる。なお、記録媒体Pが、インクが転写される受像紙等の場合は、記録媒体PとサーマルヘッドX1の発熱部9との間に、記録媒体Pとともにインクフィルム(不図示)を搬送する。
プラテンローラ50は、記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に位置する保護層25上に押圧する機能を有する。プラテンローラ50は、搬送方向Sに直交する方向に沿って延びるように配置され、記録媒体Pを発熱部9上に押圧した状態で回転可能となるように両端部が支持固定されている。プラテンローラ50は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体50aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材50bにより被覆して構成することができる。
電源装置60は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を発熱させるための電流および駆動IC11を動作させるための電流を供給する機能を有している。制御装置70は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を選択的に発熱させるために、駆動IC11の動作を制御する制御信号を駆動IC11に供給する機能を有している。
サーマルプリンタZ1は、プラテンローラ50によって記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧しつつ、搬送機構40によって記録媒体Pを発熱部9上に搬送しながら、電源装置60および制御装置70によって発熱部9を選択的に発熱させることにより、記録媒体Pに所定の印画を行う。なお、記録媒体Pが受像紙等の場合は、記録媒体Pとともに搬送されるインクフィルム(不図示)のインクを記録媒体Pに熱転写することによって、記録媒体Pへの印画を行う。
以上、本開示のサーマルヘッドは、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、電気抵抗層15を薄膜によって形成した、発熱部9の薄い薄膜ヘッドを例示して示したが、これに限定されるものではない。各種電極をパターニングした後に、電気抵抗層15を厚膜によって形成した、発熱部9の厚い厚膜ヘッドであってもよい。
また、発熱部9が基板7の第1面7f上に形成された平面ヘッドを例示して説明したが、発熱部9が基板7の端面に設けられた端面ヘッドでもよい。
また蓄熱層13上に共通電極17および個別電極19を形成し、共通電極17と個別電極19との間の領域のみに電気抵抗層15を形成することにより、発熱部9を形成してもよい。
また、封止部材12を、駆動IC11を被覆するハードコート29と同じ材料により形成してもよい。その場合、ハードコート29を印刷する際に、封止部材12が形成される領域にも印刷して、ハードコート29と封止部材12とを同時に形成してもよい。
また、基板7に直接コネクタ31を接続した例を示したが、基板7にフレキシブル配線基板(FPC:Flexible printed circuits)を接続してもよい。
保護層を構成する結晶粒子の結晶面と、保護層の耐久性の関係性を調査する目的で図1〜図4に示すサーマルヘッドX1を作製し、以下の実験を行った。
共通電極17、個別電極19、接続電極21およびIC−IC間電極26等の各種電極配線が形成された試料となる基板を複数準備し、アークプラズマ方式イオンプレーティング装置を用いて、5μmの厚みで保護層25を成膜した。試料No.1,2については、
タングステンと、TiNとを二元るつぼにいれて製膜した。試料No.3,4については、タングステンと、TiONとを二元るつぼにいれて製膜した。試料No.5については、TiNを一元るつぼにいれて製膜した。
保護層25の成膜時において、試料N0.1〜4を形成する際には、−350Vの基板バイアス電圧を印加し、試料No.5を形成する際には、−500Vの基板バイアス電圧を印加した。
試料No.1〜5の保護層25について、以下の方法で物性値を測定した。X線光電分光法を用いて、保護層25の組成を測定した。また、X線回折分析を用いて保護層25の結晶構造を測定した。また、ナノインデンテーション法を用いて保護層25の硬度Hおよびヤング率Eを測定した。
次に、保護層25が形成された基板7に、駆動IC11を搭載し、被覆部材29を塗布、硬化してサーマルヘッドX1を作製した。そして、作製したサーマルヘッドX1を、図5に示すように、プラテンローラ50とともに筐体に組み込みサーマルプリンタを作製し、以下に示す走行試験を行った。
記録媒体Pとして感熱紙を用いて、搬送速度300mm/s、印字周期0.7ms/Line、印加電圧0.3W/dot、押し圧10kgF/headの条件で、走行試験を行った。印画中にドット抜けが生じた場合、保護層25が破壊されたと判定して、それまでに走行した距離を走行距離として記録した。
表1に、各試料の組成比、物性値および走行距離を示す。
Figure 2019025713
試料No.1〜4のサーマルヘッドを搭載したサーマルプリンタは、走行距離が110kmを超えており、走行試験中に保護層25が破損することはなく、保護層25の耐久性が向上したことを確認できた。
試料No.5のサーマルヘッドは、走行距離が30kmの時点で、保護層25に剥離が生じたため、走行試験を中止した。走行試験後の試料No.5を観察すると、保護層25にクラックが生じていた。
また、(111)面のX線回折のピーク強度比P1、(200)面のX線回折のピーク強度比P2の関係が、0.60≦P2/P1≦0.80である試料No.2〜4は、走行試験の結果が、125kmを超えていた。
また、保護層25がタングステンを含んでいる試料No.1〜4は、走行距離が110kmを超えていた。
また、保護層25が酸素を含んでいる試料No.3,4は、走行距離が136kmを超えていた。
また、保護層25におけるチタンと窒素との原子比(Ti/N)が1.43以上である試料No.3,4は、走行距離が136kmを超えていた。
また、保護層25におけるヤング率Eを硬度Hで除した値が14.3以下である 試
料No.2〜4は、走行距離が125kmを超えていた。
X1 サーマルヘッド
Z1 サーマルプリンタ
1 放熱板
3 ヘッド基体
7 基板
9 発熱部
11 駆動IC
12 封止部材
13 蓄熱層
14 接着部材
15 電気抵抗層
17 共通電極
19 個別電極
21 接続電極
25 保護層
27 被覆層
31 コネクタ

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板上に位置する発熱部と、
    前記基板上に位置し、前記発熱部に繋がっている電極と、
    前記発熱部および前記電極の一部を被覆する保護層と、を備え、
    前記保護層は、チタンおよび窒素を主成分として含んでおり、
    前記保護層は、(111)面のX線回折のピーク強度をP1、(200)面のX線回折のピーク強度をP2とした場合に、
    P1>P2である、サーマルヘッド。
  2. 0.60≦P2/P1≦0.80である、請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記保護層は、タングステンをさらに含んでいる、請求項1または2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記保護層は、酸素をさらに含んでいる、請求項3に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記保護層は、前記チタンと前記窒素との原子比(Ti/N)が、1.43以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  6. 前記保護層は、ヤング率を硬度で除した値が14.3以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  7. 請求項1から6のうちいずれか一項に記載のサーマルヘッドと、
    前記発熱部上を通過するように記録媒体を搬送する搬送機構と、
    前記記録媒体を押圧するプラテンローラと、を備えることを特徴とするサーマルプリンタ。



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