JPH11124665A - 摩擦摺動部材及びその製造方法 - Google Patents
摩擦摺動部材及びその製造方法Info
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- JPH11124665A JPH11124665A JP30359697A JP30359697A JPH11124665A JP H11124665 A JPH11124665 A JP H11124665A JP 30359697 A JP30359697 A JP 30359697A JP 30359697 A JP30359697 A JP 30359697A JP H11124665 A JPH11124665 A JP H11124665A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】摩擦係数が小さく、耐摩耗性に優れる摩擦摺動
部材、及び熱変形が少なく、基材と薄膜との密着性に優
れ、優れた耐摩耗性を発揮することができる摩擦摺動部
材の製造方法を提供する。 【解決手段】基材1の被処理面1aに、結晶方位を(2
0 0)面に高配向させた窒化チタンからなる結晶薄
膜を形成した。上記結晶薄膜2の結晶方位の(2 0
0)面に対する配向強度(S200 )と(1 1 1)面
に対する配向強度(S111)との比(S200 /S111 )
を0.5以上とした。金属チタンの蒸発粒子を、アーク
放電によってイオン化し、窒素ガスと反応させて窒化物
として基材にイオン結合させる。
部材、及び熱変形が少なく、基材と薄膜との密着性に優
れ、優れた耐摩耗性を発揮することができる摩擦摺動部
材の製造方法を提供する。 【解決手段】基材1の被処理面1aに、結晶方位を(2
0 0)面に高配向させた窒化チタンからなる結晶薄
膜を形成した。上記結晶薄膜2の結晶方位の(2 0
0)面に対する配向強度(S200 )と(1 1 1)面
に対する配向強度(S111)との比(S200 /S111 )
を0.5以上とした。金属チタンの蒸発粒子を、アーク
放電によってイオン化し、窒素ガスと反応させて窒化物
として基材にイオン結合させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばメカニカ
ルシールの密封環に適用される摩擦摺動部材及びその製
造方法に関する。
ルシールの密封環に適用される摩擦摺動部材及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メカニカルシールの摩擦摺動部材として
の静止密封環及び回転密封環は、一般に、カーボン
(C)と炭化珪素(SiC)、超硬合金と炭化珪素等、
互いに異なる材料で形成されている。上記超硬合金や炭
化珪素製の密封環は、高硬度にて耐摩耗性に優れるもの
の脆弱であるため、特に高圧、高速の条件下で使用され
る場合には、遠心力による破損を防止すべく、外周に金
属製の補強環を装着することが行われている。しかし、
この場合でも、密封環の摺動面に繰り返し生じる摩擦熱
により、当該密封環に熱衝撃破壊や熱疲労割れが発生す
ることがある。そこで、高硬度ではないが靱性を有する
基材を使用して、摩擦熱による破損を防止するととも
に、上記基材の摺動面に硬質薄膜を被覆して耐摩耗性を
向上させることが検討されている。
の静止密封環及び回転密封環は、一般に、カーボン
(C)と炭化珪素(SiC)、超硬合金と炭化珪素等、
互いに異なる材料で形成されている。上記超硬合金や炭
化珪素製の密封環は、高硬度にて耐摩耗性に優れるもの
の脆弱であるため、特に高圧、高速の条件下で使用され
る場合には、遠心力による破損を防止すべく、外周に金
属製の補強環を装着することが行われている。しかし、
この場合でも、密封環の摺動面に繰り返し生じる摩擦熱
により、当該密封環に熱衝撃破壊や熱疲労割れが発生す
ることがある。そこで、高硬度ではないが靱性を有する
基材を使用して、摩擦熱による破損を防止するととも
に、上記基材の摺動面に硬質薄膜を被覆して耐摩耗性を
向上させることが検討されている。
【0003】従来、材料の耐摩耗性を向上させるための
表面改質方法として、当該材料(基材)の表面に、イオ
ンを注入したり、硬質の結晶薄膜を形成したりすること
が行なわれている。前者のイオン注入に使用されるイオ
ン種は窒素(N)やカーボンであり、アンモニアガスを
利用した窒化処理や、メタンガスを利用した炭化処理等
の熱力学的な方法が広く採用されている。また、後者の
結晶薄膜の被覆に使用されるコーティング材としては、
窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化ホ
ウ素(BN)、酸化アルミニウム(AL2 O3 )、窒化
珪素(Si3 N3 )等であり、そのコーティング方法と
しては、物理的蒸着法(PVD)や化学的蒸着法(CV
D)が広く採用されている。さらに、最近では、金属を
蒸着させながら、イオン化した窒素を基材の表面に照射
して、当該表面に窒化物層を形成する方法が提案されて
いる(例えば特開平8−105447号公報参照)。
表面改質方法として、当該材料(基材)の表面に、イオ
ンを注入したり、硬質の結晶薄膜を形成したりすること
が行なわれている。前者のイオン注入に使用されるイオ
ン種は窒素(N)やカーボンであり、アンモニアガスを
利用した窒化処理や、メタンガスを利用した炭化処理等
の熱力学的な方法が広く採用されている。また、後者の
結晶薄膜の被覆に使用されるコーティング材としては、
窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化ホ
ウ素(BN)、酸化アルミニウム(AL2 O3 )、窒化
珪素(Si3 N3 )等であり、そのコーティング方法と
しては、物理的蒸着法(PVD)や化学的蒸着法(CV
D)が広く採用されている。さらに、最近では、金属を
蒸着させながら、イオン化した窒素を基材の表面に照射
して、当該表面に窒化物層を形成する方法が提案されて
いる(例えば特開平8−105447号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記イオン注入による
場合には、イオン注入深さが不足するので、メカニカル
シールの密封環には適用することができない。これは、
メカニカルシールの摩耗量は、数μmのオーダであるの
に対して、イオン注入深さは数オングストロームのオー
ダであり、上記密封環の耐摩耗性を十分に向上させるこ
とができないからである。上記アンモニアガスを利用し
た窒化処理やメタンガスを利用した炭化処理、及び化学
的蒸着法の何れについても、基材を400〜1000°
C程度に加熱する必要があるので、被処理面の熱変形が
大きくなるという欠点があり、上記密封環のような寸法
精度が要求される摩擦摺動部材には適用し難い。また、
物理的蒸着法についても、窒化チタン被覆を行なう場合
には、高硬度で結晶性の良い皮膜を得るために、基材を
300〜500°Cに加熱する必要があるので、基材の
被処理面の熱変形が大きくなる。しかも、薄膜内部の残
留応力が大きく、摩擦により薄膜が剥離したり、その剥
離片によって異常摩耗を生じたりするという問題もあ
る。
場合には、イオン注入深さが不足するので、メカニカル
シールの密封環には適用することができない。これは、
メカニカルシールの摩耗量は、数μmのオーダであるの
に対して、イオン注入深さは数オングストロームのオー
ダであり、上記密封環の耐摩耗性を十分に向上させるこ
とができないからである。上記アンモニアガスを利用し
た窒化処理やメタンガスを利用した炭化処理、及び化学
的蒸着法の何れについても、基材を400〜1000°
C程度に加熱する必要があるので、被処理面の熱変形が
大きくなるという欠点があり、上記密封環のような寸法
精度が要求される摩擦摺動部材には適用し難い。また、
物理的蒸着法についても、窒化チタン被覆を行なう場合
には、高硬度で結晶性の良い皮膜を得るために、基材を
300〜500°Cに加熱する必要があるので、基材の
被処理面の熱変形が大きくなる。しかも、薄膜内部の残
留応力が大きく、摩擦により薄膜が剥離したり、その剥
離片によって異常摩耗を生じたりするという問題もあ
る。
【0005】さらに、基材の表面に金属を蒸着させなが
らイオン化した窒素を照射する方法については、イオン
化した窒素を、10keV以上の多大なエネルギーで照
射するため、薄膜の表面粗さが粗く、摩擦係数が大きく
なって耐摩耗性に劣り、しかも熱変形が大きい。このた
め、上記密封環のような高速度で摺動する摩擦摺動部材
には適用し難い。この発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、摩擦係数が小さく、耐摩耗性に優れる
摩擦摺動部材を提供することを目的とする。またこの発
明は、熱変形が少なく、基材と薄膜との密着性が良好
で、優れた耐摩耗性を発揮することができる摩擦摺動部
材の製造方法を提供することを目的とする。
らイオン化した窒素を照射する方法については、イオン
化した窒素を、10keV以上の多大なエネルギーで照
射するため、薄膜の表面粗さが粗く、摩擦係数が大きく
なって耐摩耗性に劣り、しかも熱変形が大きい。このた
め、上記密封環のような高速度で摺動する摩擦摺動部材
には適用し難い。この発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、摩擦係数が小さく、耐摩耗性に優れる
摩擦摺動部材を提供することを目的とする。またこの発
明は、熱変形が少なく、基材と薄膜との密着性が良好
で、優れた耐摩耗性を発揮することができる摩擦摺動部
材の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の摩擦摺動部材は、基材の表面に、耐摩耗性
を有する結晶薄膜を形成している摩擦摺動部材におい
て、上記結晶薄膜が、結晶方位を(2 0 0)面に高
配向させた窒化チタンであり、その結晶方位の(2 0
0)面に対する配向強度(S200 )と(1 1 1)
面に対する配向強度(S111 )との比(S200 /
S111 )が0.5以上であることを特徴とする(請求項
1)。これにより、摩擦係数が少なく耐摩耗性に優れる
摩擦摺動部材を得ることができる。すなわち、本願発明
者は、鋭意研究の結果、上記窒化チタンの結晶薄膜は、
その結晶方位を(2 0 0)面に高配向させ、しか
も、窒化チタンの(20 0)面に対する配向強度(S
200 )と、(1 1 1)面に対する配向強度
(S111 )との比(S200 /S111 )が0.5以上であ
ると、結晶薄膜の摩擦係数を小さくすることができ、優
れた耐摩耗性を発揮することができるとの知見を得、か
かる知見に基づいて本願発明を完成したものである。
のこの発明の摩擦摺動部材は、基材の表面に、耐摩耗性
を有する結晶薄膜を形成している摩擦摺動部材におい
て、上記結晶薄膜が、結晶方位を(2 0 0)面に高
配向させた窒化チタンであり、その結晶方位の(2 0
0)面に対する配向強度(S200 )と(1 1 1)
面に対する配向強度(S111 )との比(S200 /
S111 )が0.5以上であることを特徴とする(請求項
1)。これにより、摩擦係数が少なく耐摩耗性に優れる
摩擦摺動部材を得ることができる。すなわち、本願発明
者は、鋭意研究の結果、上記窒化チタンの結晶薄膜は、
その結晶方位を(2 0 0)面に高配向させ、しか
も、窒化チタンの(20 0)面に対する配向強度(S
200 )と、(1 1 1)面に対する配向強度
(S111 )との比(S200 /S111 )が0.5以上であ
ると、結晶薄膜の摩擦係数を小さくすることができ、優
れた耐摩耗性を発揮することができるとの知見を得、か
かる知見に基づいて本願発明を完成したものである。
【0007】上記摩擦摺動部材は、窒化チタンの(2
0 0)面に対する配向強度(S200 )と、(1 1
1)面に対する配向強度(S111 )との比(S200 /S
111)が1.50以上であるのがさらに好ましい(請求
項2)。この摩擦摺動部材によれば、摩擦係数がより少
なく、さらに優れた耐摩耗性を発揮することができる。
上記(1 1 1)面のX線回折ピークの半値幅は、
0.5°以下であるのが好ましく(請求項3)、この場
合にも、摩擦係数がより少なく、さらに優れた耐摩耗性
を発揮することができる。
0 0)面に対する配向強度(S200 )と、(1 1
1)面に対する配向強度(S111 )との比(S200 /S
111)が1.50以上であるのがさらに好ましい(請求
項2)。この摩擦摺動部材によれば、摩擦係数がより少
なく、さらに優れた耐摩耗性を発揮することができる。
上記(1 1 1)面のX線回折ピークの半値幅は、
0.5°以下であるのが好ましく(請求項3)、この場
合にも、摩擦係数がより少なく、さらに優れた耐摩耗性
を発揮することができる。
【0008】また、この発明の摩擦摺動部材の製造方法
は、基材の被処理面に、耐摩耗性を有する結晶薄膜を形
成する工程を含む摩擦摺動部材の製造方法において、上
記基材に50V以下のバイアス電圧を印加し、基材の温
度を100°C以下に維持した状態で、当該基材の被処
理面に向けて金属チタンを蒸発させ、この蒸発させた金
属チタンを、アーク放電によってイオン化するととも
に、窒素ガスと反応させて、結晶方位が(2 0 0)
面に高配向し、当該結晶方位の(2 0 0)面に対す
る配向強度(S200 )と(1 1 1)面に対する配向
強度(S111 )との比(S200 /S111 )が0.5以上
である窒化チタンの結晶薄膜を、基材の被処理面に形成
することを特徴とする。
は、基材の被処理面に、耐摩耗性を有する結晶薄膜を形
成する工程を含む摩擦摺動部材の製造方法において、上
記基材に50V以下のバイアス電圧を印加し、基材の温
度を100°C以下に維持した状態で、当該基材の被処
理面に向けて金属チタンを蒸発させ、この蒸発させた金
属チタンを、アーク放電によってイオン化するととも
に、窒素ガスと反応させて、結晶方位が(2 0 0)
面に高配向し、当該結晶方位の(2 0 0)面に対す
る配向強度(S200 )と(1 1 1)面に対する配向
強度(S111 )との比(S200 /S111 )が0.5以上
である窒化チタンの結晶薄膜を、基材の被処理面に形成
することを特徴とする。
【0009】この摩擦摺動部材の製造方法においては、
金属チタンの蒸発粒子が、基材の被処理面に蒸着する前
にアーク放電によってイオン化されるとともに、窒素ガ
スと反応して窒化物となって基材の被処理面付近の原子
とイオン結合され、低い基材温度を維持しつつ最終的に
基材の被処理面が、窒化チタンの結晶薄膜で被覆され
る。このように、上記窒化チタンの結晶薄膜は、基材と
の界面付近でイオン結合状態となるため、薄膜内部の残
留応力を極めて小さくすることができる。この結果、上
記結晶薄膜は、熱衝撃や繰り返し付加される応力によっ
て加速度的に破壊されるのが防止される。
金属チタンの蒸発粒子が、基材の被処理面に蒸着する前
にアーク放電によってイオン化されるとともに、窒素ガ
スと反応して窒化物となって基材の被処理面付近の原子
とイオン結合され、低い基材温度を維持しつつ最終的に
基材の被処理面が、窒化チタンの結晶薄膜で被覆され
る。このように、上記窒化チタンの結晶薄膜は、基材と
の界面付近でイオン結合状態となるため、薄膜内部の残
留応力を極めて小さくすることができる。この結果、上
記結晶薄膜は、熱衝撃や繰り返し付加される応力によっ
て加速度的に破壊されるのが防止される。
【0010】また、上記窒化チタンの結晶薄膜は、結晶
方位を(2 0 0)面に高配向させ、当該結晶方位の
(2 0 0)面に対する配向強度(S200 )と(1
11)面に対する配向強度(S111 )との比(S200 /
S111 )が0.5以上のものとなり、摩擦係数が小さ
く、耐摩耗性に優れることになる。しかも、上記基材に
50V以下のバイアス電圧を印加し、基材の温度を10
0°C以下に維持した状態で、当該基材の被処理面に窒
化チタンの結晶薄膜を形成するので、当該被処理面に大
きな熱歪みが生じるのを防止することができる。上記金
属チタンの蒸着速度は、毎秒3オングストローム以下で
あるのが好ましく(請求項5)、この場合には、基材の
被処理面に熱歪みを生じたり、結晶薄膜内部に残留応力
が生じたりするのをより効果的に防止することができ
る。
方位を(2 0 0)面に高配向させ、当該結晶方位の
(2 0 0)面に対する配向強度(S200 )と(1
11)面に対する配向強度(S111 )との比(S200 /
S111 )が0.5以上のものとなり、摩擦係数が小さ
く、耐摩耗性に優れることになる。しかも、上記基材に
50V以下のバイアス電圧を印加し、基材の温度を10
0°C以下に維持した状態で、当該基材の被処理面に窒
化チタンの結晶薄膜を形成するので、当該被処理面に大
きな熱歪みが生じるのを防止することができる。上記金
属チタンの蒸着速度は、毎秒3オングストローム以下で
あるのが好ましく(請求項5)、この場合には、基材の
被処理面に熱歪みを生じたり、結晶薄膜内部に残留応力
が生じたりするのをより効果的に防止することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明する。図1はこの発明
の一つの実施の形態にかかる摩擦摺動部材Aを示す断面
図である。この摩擦摺動部材Aは、リング状の基材1の
被処理面1aを、窒化チタンによる面心立方構造の結晶
薄膜2で被覆したものである。上記基材1は、マルテン
サイト系ステンレス鋼であるSUS420J2を素材と
するものである。また、結晶薄膜2は、結晶方位を(2
0 0)面に高配向させているものであり、その結晶
方位の(2 0 0)面に対する配向強度S200 と(1
1 1)面に対する配向強度S111 との比S200 /S
111 は0.5以上になるように設定されている。さら
に、上記(1 1 1)面のX線回折ピークの半値幅
は、0.5°以下になっている。
て、添付図面を参照しながら説明する。図1はこの発明
の一つの実施の形態にかかる摩擦摺動部材Aを示す断面
図である。この摩擦摺動部材Aは、リング状の基材1の
被処理面1aを、窒化チタンによる面心立方構造の結晶
薄膜2で被覆したものである。上記基材1は、マルテン
サイト系ステンレス鋼であるSUS420J2を素材と
するものである。また、結晶薄膜2は、結晶方位を(2
0 0)面に高配向させているものであり、その結晶
方位の(2 0 0)面に対する配向強度S200 と(1
1 1)面に対する配向強度S111 との比S200 /S
111 は0.5以上になるように設定されている。さら
に、上記(1 1 1)面のX線回折ピークの半値幅
は、0.5°以下になっている。
【0012】上記摩擦摺動部材Aは、以下の方法により
製造される。まず、基材1の素材としてのSUS420
J2を、所定の寸法形状に加工した後、焼き入れ(98
0°C、1時間保持後油冷)及び焼き戻し(630°
C、4時間保持後炉冷)を行い、さらに、被処理面1a
をラッピング仕上げして、その表面粗さRaを0.05
μm以下とする。上記基材1を、アーク放電型イオンプ
レーティング装置B(図2参照)のホルダ3に、その被
処理面1aを下方へ向けた状態で取り付け、ホルダ3の
軸芯L1回りに回転させるとともに、当該基材1に対し
て50V以下のバイアス電圧を印加する。次いで、蒸発
源としての電子銃4により、金属チタンを上記基材1に
向けて蒸発させ、この金属チタンの蒸発粒子Tを、アー
ク放電器5によりイオン化するとともに、ガス供給管5
を通して供給された窒素ガスと反応させて、基材1の被
処理面1aに窒化チタンの結晶薄膜2を蒸着させ、最終
的に被処理面1aを当該結晶薄膜2によって被覆する。
この結晶薄膜2の蒸着は、蒸着速度を毎秒3オングスト
ローム以下に、基材1の温度が100°C以下になるよ
うに制御する。
製造される。まず、基材1の素材としてのSUS420
J2を、所定の寸法形状に加工した後、焼き入れ(98
0°C、1時間保持後油冷)及び焼き戻し(630°
C、4時間保持後炉冷)を行い、さらに、被処理面1a
をラッピング仕上げして、その表面粗さRaを0.05
μm以下とする。上記基材1を、アーク放電型イオンプ
レーティング装置B(図2参照)のホルダ3に、その被
処理面1aを下方へ向けた状態で取り付け、ホルダ3の
軸芯L1回りに回転させるとともに、当該基材1に対し
て50V以下のバイアス電圧を印加する。次いで、蒸発
源としての電子銃4により、金属チタンを上記基材1に
向けて蒸発させ、この金属チタンの蒸発粒子Tを、アー
ク放電器5によりイオン化するとともに、ガス供給管5
を通して供給された窒素ガスと反応させて、基材1の被
処理面1aに窒化チタンの結晶薄膜2を蒸着させ、最終
的に被処理面1aを当該結晶薄膜2によって被覆する。
この結晶薄膜2の蒸着は、蒸着速度を毎秒3オングスト
ローム以下に、基材1の温度が100°C以下になるよ
うに制御する。
【0013】上記により得られた摩擦摺動部材Aは、そ
の結晶薄膜2の摩擦係数が少なく耐摩耗性に優れるもの
となる。これは、上記結晶薄膜2の結晶方位が(2 0
0)面に高配向し、しかも当該結晶薄膜2の(2 0
0)面に対する配向強度S200 と、(1 1 1)面
に対する配向強度S111 との比(配向比)S200 /S
111 が0.5以上であること、及び上記(1 1 1)
面のX線回折ピークの半値幅が、0.5°以下であるこ
とに起因する。
の結晶薄膜2の摩擦係数が少なく耐摩耗性に優れるもの
となる。これは、上記結晶薄膜2の結晶方位が(2 0
0)面に高配向し、しかも当該結晶薄膜2の(2 0
0)面に対する配向強度S200 と、(1 1 1)面
に対する配向強度S111 との比(配向比)S200 /S
111 が0.5以上であること、及び上記(1 1 1)
面のX線回折ピークの半値幅が、0.5°以下であるこ
とに起因する。
【0014】この点を確認するために、上記窒化チタン
の結晶薄膜の配向比S200 /S111と摩擦係数及び耐摩
耗性との関係、及び上記配向比S200 /S111 と(1
11)面の半値幅との関係について調べた。上記配向比
S200 /S111 は、X線回折装置を用いて(2 0
0)面からの信号I200 と、(1 1 1)面からの信
号I111 とを測定し、各信号のレベル比I200 /I111
を求めたものである。また、耐摩耗性は、スラスト式摩
擦摩耗試験機を用い、摩擦相手材としてのカーボンに、
面圧5kg/cm2 (0.5Mpa)、周速2m/se
cで摺接させて、結晶薄膜の摩擦係数及び摩耗量を調べ
た。この結果を図3から図5に示す。図3及び図4に示
す試験結果より、窒化チタンの結晶薄膜について、その
摩擦係数を小さくして摩耗量を少なくするには、当該結
晶薄膜の結晶方位が、(11 1)面よりも(2 0
0)に対してより強く配向し、特にS200 /S111≧
0.5、より好ましくはS200 /S111 ≧1.5の関係
にあることが必要であることが分かる。また、図5に示
す試験結果より、S200 /S111 ≧0.5、(1 1
1)面の半値幅が0.5以下の場合に、より優れた耐摩
耗性を確保できることが分かる。さらに、上記耐摩耗性
試験に用いた摩擦相手材としてのカーボンの摩耗量と、
上記配向比S200 /S111 との関係を調べた。この結果
を図6に示す。図6に示す試験結果より、窒化チタンの
結晶薄膜の配向比が上記の範囲にあれば、摩擦相手材に
対する攻撃性が少ないことが分かる。
の結晶薄膜の配向比S200 /S111と摩擦係数及び耐摩
耗性との関係、及び上記配向比S200 /S111 と(1
11)面の半値幅との関係について調べた。上記配向比
S200 /S111 は、X線回折装置を用いて(2 0
0)面からの信号I200 と、(1 1 1)面からの信
号I111 とを測定し、各信号のレベル比I200 /I111
を求めたものである。また、耐摩耗性は、スラスト式摩
擦摩耗試験機を用い、摩擦相手材としてのカーボンに、
面圧5kg/cm2 (0.5Mpa)、周速2m/se
cで摺接させて、結晶薄膜の摩擦係数及び摩耗量を調べ
た。この結果を図3から図5に示す。図3及び図4に示
す試験結果より、窒化チタンの結晶薄膜について、その
摩擦係数を小さくして摩耗量を少なくするには、当該結
晶薄膜の結晶方位が、(11 1)面よりも(2 0
0)に対してより強く配向し、特にS200 /S111≧
0.5、より好ましくはS200 /S111 ≧1.5の関係
にあることが必要であることが分かる。また、図5に示
す試験結果より、S200 /S111 ≧0.5、(1 1
1)面の半値幅が0.5以下の場合に、より優れた耐摩
耗性を確保できることが分かる。さらに、上記耐摩耗性
試験に用いた摩擦相手材としてのカーボンの摩耗量と、
上記配向比S200 /S111 との関係を調べた。この結果
を図6に示す。図6に示す試験結果より、窒化チタンの
結晶薄膜の配向比が上記の範囲にあれば、摩擦相手材に
対する攻撃性が少ないことが分かる。
【0015】上記摩擦摺動部材Aの製造方法は、上記基
材1に50V以下のバイアス電圧を印加し、基材1の温
度を100°C以下に維持した状態で、当該基材1の被
処理面に窒化チタンの結晶薄膜2を形成するので、基材
1の被処理面1aに大きな熱歪みが生じるのを防止する
ことができる。また、金属チタンの蒸着速度が、毎秒3
オングストローム以下であるので、上記被処理面1aに
熱歪が生じるのをより効果的に防止することができる。
図7及び図8は、上記摩擦摺動部材の製造方法を用いた
場合の、基材の面歪み量と、基材設定温度及び基材に印
加するバイアス電圧との関係を調べた結果を示してい
る。上記基材の面歪みは、結晶薄膜の表面を、内周端か
ら外周端にかけてトレースして、両端間の変化分を測定
した値である。この結果より、基材の面歪みを少なくす
るには、バイアス電圧が50V以下で、基材の設定温度
を100°C以下に制御することが必要であることが分
かる。
材1に50V以下のバイアス電圧を印加し、基材1の温
度を100°C以下に維持した状態で、当該基材1の被
処理面に窒化チタンの結晶薄膜2を形成するので、基材
1の被処理面1aに大きな熱歪みが生じるのを防止する
ことができる。また、金属チタンの蒸着速度が、毎秒3
オングストローム以下であるので、上記被処理面1aに
熱歪が生じるのをより効果的に防止することができる。
図7及び図8は、上記摩擦摺動部材の製造方法を用いた
場合の、基材の面歪み量と、基材設定温度及び基材に印
加するバイアス電圧との関係を調べた結果を示してい
る。上記基材の面歪みは、結晶薄膜の表面を、内周端か
ら外周端にかけてトレースして、両端間の変化分を測定
した値である。この結果より、基材の面歪みを少なくす
るには、バイアス電圧が50V以下で、基材の設定温度
を100°C以下に制御することが必要であることが分
かる。
【0016】また、上記製造方法によれば、金属チタン
の蒸発粒子Tが、基材1の被処理面1aに蒸着する前に
アーク放電によってイオン化されるとともに、窒素ガス
と反応して窒化物となって基材1の被処理面1a付近の
原子とイオン結合され、最終的に基材1の被処理面1a
が、窒化チタンの結晶薄膜2で被覆される。このよう
に、上記窒化チタンの結晶薄膜2は、基材1との界面付
近でイオン結合状態となるため、結晶薄膜2内部の残留
応力を極めて小さくすることができる。この結果、上記
結晶薄膜2は、熱衝撃や繰り返し付加される応力によっ
て加速度的に破壊されるのが防止される。
の蒸発粒子Tが、基材1の被処理面1aに蒸着する前に
アーク放電によってイオン化されるとともに、窒素ガス
と反応して窒化物となって基材1の被処理面1a付近の
原子とイオン結合され、最終的に基材1の被処理面1a
が、窒化チタンの結晶薄膜2で被覆される。このよう
に、上記窒化チタンの結晶薄膜2は、基材1との界面付
近でイオン結合状態となるため、結晶薄膜2内部の残留
応力を極めて小さくすることができる。この結果、上記
結晶薄膜2は、熱衝撃や繰り返し付加される応力によっ
て加速度的に破壊されるのが防止される。
【0017】この発明の摩擦摺動部材及びその製造方法
は、特に高圧、高速で使用されるメカニカルシールの密
封環に好適に適用されるが、この密封環以外に、熱変形
が少なく耐摩耗性が要求されるすべり軸受等の摩擦摺動
部材にも好適に適用される。
は、特に高圧、高速で使用されるメカニカルシールの密
封環に好適に適用されるが、この密封環以外に、熱変形
が少なく耐摩耗性が要求されるすべり軸受等の摩擦摺動
部材にも好適に適用される。
【0018】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の摩擦摺
動部材によれば、基材の被処理面を覆う結晶薄膜の結晶
方位を(2 0 0)面に高配向させ、窒化チタンの
(2 00)面に対する配向強度(S200 )と、(1
1 1)面に対する配向強度(S111 )との比(S200
/S111 )を0.5以上としているので、結晶薄膜の摩
擦係数を小さくすることができ、優れた耐摩耗性を発揮
することができる。
動部材によれば、基材の被処理面を覆う結晶薄膜の結晶
方位を(2 0 0)面に高配向させ、窒化チタンの
(2 00)面に対する配向強度(S200 )と、(1
1 1)面に対する配向強度(S111 )との比(S200
/S111 )を0.5以上としているので、結晶薄膜の摩
擦係数を小さくすることができ、優れた耐摩耗性を発揮
することができる。
【0019】請求項2記載の摩擦摺動部材によれば、上
記窒化チタンの(2 0 0)面に対する配向強度(S
200 )と、(1 1 1)面に対する配向強度
(S111 )との比(S200 /S111 )が1.50以上で
あるので、摩擦係数がより少なく、さらに優れた耐摩耗
性を発揮することができる。
記窒化チタンの(2 0 0)面に対する配向強度(S
200 )と、(1 1 1)面に対する配向強度
(S111 )との比(S200 /S111 )が1.50以上で
あるので、摩擦係数がより少なく、さらに優れた耐摩耗
性を発揮することができる。
【0020】請求項3記載の摩擦摺動部材によれば、結
晶薄膜の(1 1 1)面のX線回折ピークの半値幅
が、0.5°以下であるので、摩擦係数がより少なく、
さらに優れた耐摩耗性を発揮することができる。
晶薄膜の(1 1 1)面のX線回折ピークの半値幅
が、0.5°以下であるので、摩擦係数がより少なく、
さらに優れた耐摩耗性を発揮することができる。
【0021】請求項4記載の摩擦摺動部材の製造方法に
よれば、上記基材に50V以下のバイアス電圧を印加
し、基材の温度を100°C以下に維持した状態で、当
該基材の被処理面に窒化チタンの結晶薄膜を形成するの
で、当該被処理面に大きな熱歪みが生じるのを防止する
ことができる。また、上記結晶薄膜を、イオン結合によ
って基材と結合させるので、結晶薄膜内部の残留応力を
極めて小さくすることができる。このため、結晶薄膜の
剥離が生じ難く、優れた耐久性を発揮することができ
る。
よれば、上記基材に50V以下のバイアス電圧を印加
し、基材の温度を100°C以下に維持した状態で、当
該基材の被処理面に窒化チタンの結晶薄膜を形成するの
で、当該被処理面に大きな熱歪みが生じるのを防止する
ことができる。また、上記結晶薄膜を、イオン結合によ
って基材と結合させるので、結晶薄膜内部の残留応力を
極めて小さくすることができる。このため、結晶薄膜の
剥離が生じ難く、優れた耐久性を発揮することができ
る。
【0022】請求項5記載の摩擦摺動部材の製造方法に
よれば、上記金属チタンの蒸着速度を、毎秒3オングス
トローム以下にしているので、基材の被処理面に熱歪み
が生じたり、結晶薄膜内部に残留応力が生じたりするの
をより効果的に防止することができる。
よれば、上記金属チタンの蒸着速度を、毎秒3オングス
トローム以下にしているので、基材の被処理面に熱歪み
が生じたり、結晶薄膜内部に残留応力が生じたりするの
をより効果的に防止することができる。
【図1】この発明の摩擦摺動部材の一つの実施の形態を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】摩擦摺動部材の製造装置を示す概略図である。
【図3】窒化チタン結晶薄膜の配向比と摩耗量との関係
を示すグラフ図である。
を示すグラフ図である。
【図4】窒化チタン結晶薄膜の配向比と摩擦係数との関
係を示すグラフ図である。
係を示すグラフ図である。
【図5】窒化チタン結晶薄膜の配向比と(1 1 1)
面の半値幅との関係を示すグラフ図である。
面の半値幅との関係を示すグラフ図である。
【図6】窒化チタン結晶薄膜の配向比と、摩擦相手材の
摩耗量との関係を示すグラフ図である。
摩耗量との関係を示すグラフ図である。
【図7】基材の設定温度と基材の面歪みとの関係を示す
グラフ図である。
グラフ図である。
【図8】基材に印加するバイアス電圧と基材の面歪みと
の関係を示すグラフ図である。
の関係を示すグラフ図である。
1 基材 1a 被処理面 2 結晶薄膜 T 蒸発粒子 4 電子銃 5 アーク放電器 A 摩擦摺動部材
Claims (5)
- 【請求項1】基材の表面に、耐摩耗性を有する結晶薄膜
を形成している摩擦摺動部材において、 上記結晶薄膜が、結晶方位を(2 0 0)面に高配向
させた窒化チタンであり、その結晶方位の(2 0
0)面に対する配向強度(S200 )と(1 11)面に
対する配向強度(S111 )との比(S200 /S111 )が
0.5以上であることを特徴とする摩擦摺動部材。 - 【請求項2】上記窒化チタンの(2 0 0)面に対す
る配向強度(S200 )と、(1 11)面に対する配向
強度(S111 )との比(S200 /S111 )が1.50以
上である請求項1記載の摩擦摺動部材。 - 【請求項3】上記(1 1 1)面のX線回折ピークの
半値幅が、0.5°以下である請求項1記載の摩擦摺動
部材。 - 【請求項4】基材の被処理面に、耐摩耗性を有する結晶
薄膜を形成する工程を含む摩擦摺動部材の製造方法にお
いて、 上記基材に50V以下のバイアス電圧を印加し、基材の
温度を100°C以下に維持した状態で、当該基材の被
処理面に向けて金属チタンを蒸発させ、この蒸発させた
金属チタンを、アーク放電によってイオン化するととも
に、窒素ガスと反応させて、結晶方位が(2 0 0)
面に高配向し、当該結晶方位の(2 00)面に対する
配向強度(S200 )と(1 1 1)面に対する配向強
度(S111 )との比(S200 /S111 )が0.5以上で
ある窒化チタンの結晶薄膜を、基材の被処理面に形成す
ることを特徴とする摩擦摺動部材の製造方法。 - 【請求項5】上記金属チタンの蒸着速度が、毎秒3オン
グストローム以下である請求項4記載の摩擦摺動部材の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09303596A JP3122070B2 (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 摩擦摺動部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09303596A JP3122070B2 (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 摩擦摺動部材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11124665A true JPH11124665A (ja) | 1999-05-11 |
JP3122070B2 JP3122070B2 (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=17922912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09303596A Expired - Fee Related JP3122070B2 (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 摩擦摺動部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3122070B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012101336A (ja) * | 2010-11-12 | 2012-05-31 | Mitsubishi Materials Corp | 耐摩耗性と切屑排出性に優れた表面被覆ドリル |
US10053762B2 (en) | 2013-02-26 | 2018-08-21 | Showa Co., Ltd. | Method for producing surface-treated metal titanium material or titanium alloy material, and surface-treated material |
WO2018181025A1 (ja) * | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
JP2019025713A (ja) * | 2017-07-27 | 2019-02-21 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
-
1997
- 1997-10-17 JP JP09303596A patent/JP3122070B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012101336A (ja) * | 2010-11-12 | 2012-05-31 | Mitsubishi Materials Corp | 耐摩耗性と切屑排出性に優れた表面被覆ドリル |
US10053762B2 (en) | 2013-02-26 | 2018-08-21 | Showa Co., Ltd. | Method for producing surface-treated metal titanium material or titanium alloy material, and surface-treated material |
WO2018181025A1 (ja) * | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
JP6419404B1 (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-07 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
JP2019069598A (ja) * | 2017-03-29 | 2019-05-09 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
CN110461615A (zh) * | 2017-03-29 | 2019-11-15 | 京瓷株式会社 | 热敏头及热敏打印机 |
US10882329B2 (en) | 2017-03-29 | 2021-01-05 | Kyocera Corporation | Thermal head and thermal printer |
CN110461615B (zh) * | 2017-03-29 | 2021-03-05 | 京瓷株式会社 | 热敏头及热敏打印机 |
JP2019025713A (ja) * | 2017-07-27 | 2019-02-21 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3122070B2 (ja) | 2001-01-09 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |