JP2592160Y2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2592160Y2
JP2592160Y2 JP1992082366U JP8236692U JP2592160Y2 JP 2592160 Y2 JP2592160 Y2 JP 2592160Y2 JP 1992082366 U JP1992082366 U JP 1992082366U JP 8236692 U JP8236692 U JP 8236692U JP 2592160 Y2 JP2592160 Y2 JP 2592160Y2
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heating resistor
layer
sialon
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conductive layers
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功昌 沓澤
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Kyocera Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はワードプロセッサやファ
クシミリ等のプリンタ機構に組み込まれるサーマルヘッ
ドの改良に関する。
【0002】
【従来技術】従来、ワードプロセッサ等のプリンタ機構
に組み込まれるサーマルヘッドは、図2に示す如く、ア
ルミナセラミックス等の電気絶縁材料からなる基板11
上に窒化タンタル等から成る発熱抵抗体12とアルミニ
ウム等から成る一対の導電層13とを被着させると共
に、該発熱抵抗体12及び一対の導電層13上に厚膜技
術によるガラス層14を被着させた構造を有しており、
前記一対の導電層13間に所定の電力を印加し、発熱抵
抗体12を選択的にジュール発熱させるとともに、該発
熱した熱を基板11上を摺接する感熱紙等に伝導させ、
感熱紙等に所定の印字画像を形成することによってサー
マルヘッドとして機能する。
【0003】尚、前記ガラス層14は、発熱抵抗体12
及び一対の導電層13を感熱紙等の摺接による摩耗から
保護する作用を為す。
【0004】また前記ガラス層14を厚膜技術によって
形成するのは、ガラス層14にピンホール(空孔)等の
成膜欠陥が形成されるのを皆無とし、ピンホールを介し
て大気中に含まれる水分等が発熱抵抗体12等に接触す
るとともに該発熱抵抗体12に酸化腐食が発生するのを
有効に防止するためである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のサーマルヘッドにおいては、発熱抵抗体12及び一
対の導電層13上にガラス層14が直に被着されている
ことから、印字に際して発熱抵抗体12の発する熱がガ
ラス層14等に印加されると、ガラス層14に含まれる
酸素が発熱抵抗体12中に拡散して発熱抵抗体12を腐
食し、その結果、発熱抵抗体12の抵抗値が変化して発
熱抵抗体12のジュール発熱量にバラツキが生じ、感熱
紙等に印字画像の濃淡むらが発生する欠点を有してい
た。
【0006】そこで上記欠点を解消するために、発熱抵
抗体12及び一対の導電層13とガラス層14との間に
窒化珪素層を介在させ、該窒化珪素層によってガラス層
14に含まれる酸素が発熱抵抗体12中に拡散するのを
防止することが提案されている。
【0007】しかしながら、発熱抵抗体12及び一対の
導電層13とガラス層14との間に窒化珪素層を介在さ
せた場合、窒化珪素の線膨張係数は2.5〜3.2×1
-6-1で、コーティングガラスの線膨張係数(7.0
〜8.1×10-6-1)に比し極めて小さいことから、
印字に際して発熱抵抗体12の発する熱がガラス層14
及び窒化珪素層に繰り返し印加されると、ガラス層14
と窒化珪素層との間に両者の線膨張係数の相違に起因す
る大きな応力が発生し、該応力によってガラス層14及
び窒化珪素層にクラックが入ってしまう。そのため、こ
のサーマルヘッドではガラス層14及び窒化珪素層に入
ったクラックを介して大気中に含まれる水分等が発熱抵
抗体12や一対の導電層13に接触し、発熱抵抗体12
や一対の導電層13に酸化腐食を招来して発熱抵抗体1
2のジュール発熱量にバラツキを発生させたり、導電層
13が断線し、サーマルヘッドとしての機能を喪失させ
たりするという欠点が誘発される。
【0008】
【考案の目的】本考案は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、発熱抵抗体のジュール発熱量を常に一
定として感熱紙等に濃淡むらの無い鮮明な印字画像を形
成することが可能なサーマルヘッドを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案のサーマルヘッド
は、電気絶縁性の基板上に発熱抵抗体及び一対の導電層
を被着させると共に、該発熱抵抗体及び一対の導電層上
に、薄膜技術によるサイアロン層と厚膜技術によるガラ
ス層とを順次被着させたことを特徴とする。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例を添付した図面に基づ
いて説明する。
【0011】図1は本考案のサーマルヘッドの一実施例
を示す断面図であり、1は基板、3は発熱抵抗体、4は
一対の導電層、5はサイアロン層、6はガラス層であ
る。
【0012】前記基板1はアルミナセラミックス等の電
気絶縁性材料から成り、上面に発熱抵抗体3等を支持す
るとともに、サーマルヘッドの温度を感熱紙等に良好な
印字画像を形成するに必要な温度に制御する作用を為
す。
【0013】前記基板1は、例えばアルミナセラミック
スから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等のセ
ラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合
して泥漿状と成すとともにこれを従来周知のドクターブ
レード法やカレンダーロール法等を採用することによっ
てセラミックグリーンシートを形成し、しかる後、前記
セラミックグリーンシートを所定形状に打ち抜き加工す
るとともに高温で焼成することによって製作される。
【0014】また前記基板1の上面には、ガラス等から
成る蓄熱層2が約80μmの厚みに被着されており、該
蓄熱層2は発熱抵抗体3の発する熱を適当な温度となる
ように蓄積し、サーマルヘッドの熱応答特性を良好に保
つ作用を為す。
【0015】前記蓄熱層2は、ガラス粉末に適当な有機
溶剤、溶媒を添加混合して得たガラスペーストを基板1
の上面に従来周知のスクリーン印刷法等を採用すること
によって塗布し、しかる後、これを所定温度で焼き付け
ることによって基板1上に被着される。
【0016】前記蓄熱層2の上面にはまた発熱抵抗体3
が被着されており、更に発熱抵抗体3上には間に一定の
間隔をもった一対の導電層4が被着されている。
【0017】前記発熱抵抗体3は例えば窒化タンタル等
から成り、それ自体が所定の電気抵抗率を有しているた
め、一対の導電層4を介して電力が印加されるとジュー
ル発熱を起こし、印字画像を形成するに必要な温度、例
えば250〜350℃の温度に発熱する。
【0018】また前記発熱抵抗体3上に被着されている
一対の導電層4はアルミニウム等の金属から成り、該導
電層4は発熱抵抗体3にジュール発熱を起こさせるため
に必要な所定の電力を印加する作用を為す。
【0019】尚、前記蓄熱層2上に被着される発熱抵抗
体3及び一対の導電層4は、従来周知のスパッタリング
法等を採用することにより蓄熱層2上に所定の厚みをも
って被着され、更にフォトリソグラフィー技術を採用す
ることにより所定パターンに加工される。
【0020】また前記発熱抵抗体3及び一対の導電層4
上には、薄膜技術によって形成されるサイアロン(Si
−Al−O−N)層5と厚膜技術によって形成されるガ
ラス(SiO2 )層6とが順次被着されている。
【0021】前記サイアロン層5は、ガラス層6中に含
まれる酸素が発熱抵抗体3や一対の導電層4に拡散し発
熱抵抗体3や一対の導電層4が酸化腐食されるのを有効
に防止する作用を為し、スパッタリング法等の薄膜技術
を採用することによって発熱抵抗体3及び一対の導電層
4上に約1000Å〜1μmの厚みに被着される。
【0022】尚、前記サイアロン層5は薄膜技術によっ
て形成されるため、その厚みが極めて薄いものとなり、
その結果、サイアロン層5による熱伝導の阻害が極小と
なって発熱抵抗体3の発する熱を感熱紙等に効率よく伝
導させることができ、これによってサーマルヘッドの熱
効率を高いものとなすことが可能となる。
【0023】また前記サイアロン層5は、例えばアルミ
ナ(Al2 3 ) が20モル%のものを用いた場合、そ
の線膨張係数が5.0×10-6-1であり、ガラス層6
の線膨張係数(7.0〜8.1×10-6-1)に近似す
ることから、印字に際して発熱抵抗体3の発する熱がサ
イアロン層5及びガラス層6に繰り返し印加されたとし
ても、サイアロン層5とガラス層6との間には両者の線
膨張係数の相違に起因する大きな熱応力が発生すること
はなく、該熱応力によってサイアロン層5やガラス層6
にクラックが入ることは皆無となる。従って前記発熱抵
抗体3等はサイアロン層5及びガラス層6によって完全
に被覆され、大気中の水分等の接触による酸化腐食から
有効に保護される。
【0024】更に前記サイアロン層5はその酸素含有量
が極めて少ないため、印字に際して発熱抵抗体3の発す
る熱がサイアロン層5に印加されても、サイアロン層5
に含まれる酸素が発熱抵抗体3中に拡散し発熱抵抗体3
の抵抗値を変化させることも殆ど無い。
【0025】従って、発熱抵抗体3のジュール発熱量は
常に一定に維持されることとなって感熱紙等に濃淡むら
の無い鮮明な印字画像を形成することが可能となる。
【0026】尚、前記サイアロン層5は、その厚みを1
μm以下になしておけば、発熱抵抗体3の発する熱を感
熱紙等に極めて効率良く伝導させ、サーマルヘッドの熱
効率を極めて高いものとなすことができる。従って、サ
イアロン層5は、その厚みを1μm以下になしておくこ
とが好ましい。
【0027】この場合、スパッタリング装置内が500
℃以上の高温に加熱されることはないため、アルミニウ
ムから成る一対の導電層4等が熱によって変形するのを
有効に防止することができる。
【0028】また前記サイアロン層5上に被着されるガ
ラス層6は、発熱抵抗体3及び一対の導電層4を感熱紙
等の摺接による摩耗から保護するとともに、発熱抵抗体
3や一対の導電層4を大気中の水分等から良好に遮蔽
し、大気中の水分等が発熱抵抗体3等に接触するのを有
効に防止する作用を為す。
【0029】前記ガラス層6は、ガラス粉末に適当な有
機溶剤、溶媒を添加混合して得たガラスペーストをサイ
アロン層5の上面に従来周知のスクリーン印刷法等の厚
膜技術を採用することによって塗布し、しかる後、これ
を所定温度(約400〜500℃)で焼き付けることに
よってサイアロン層5上に約2〜10μmの厚みに被着
される。この場合、前記ガラス層6は厚膜技術を採用す
ることによって被着されるため、ピンホール等の成膜欠
陥が発生することはなく、その結果、ガラス層6で発熱
抵抗体3を完全に被覆し、発熱抵抗体3等に大気中に含
まれる水分等の接触による酸化腐食が発生するのを完全
に防止することができる。
【0030】前記ガラス層6はまた、その内部に酸素を
多量に含んでいるものの、発熱抵抗体3等との間にはサ
イアロン層5が介在しているため、印字に際して発熱抵
抗体3の発する熱がガラス層6等に印加され、ガラス層
6に含まれる酸素が発熱抵抗体3等の方向へ拡散しよう
としてもその拡散はサイアロン層5によって完全に遮蔽
され、発熱抵抗体3に酸素の拡散による腐食が発生する
ことは皆無となる。
【0031】かくして上述したサーマルヘッドは、一対
の導電層4間に所定の電力を印加し、発熱抵抗体3を選
択的にジュール発熱させるとともに、該発熱した熱を基
板1上を摺接する感熱紙等に伝導させ、感熱紙等に所定
の印字画像を形成することによってサーマルヘッドとし
て機能する。
【0032】尚、本考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0033】
【考案の効果】本考案のサーマルヘッドによれば、電気
絶縁性の基板上に発熱抵抗体及び一対の導電層を被着さ
せると共に、該発熱抵抗体及び一対の導電層上に、薄膜
技術によるサイアロン層と厚膜技術によるガラス層とを
順次被着させたことから、印字に際して発熱抵抗体の発
する熱がサイアロン層及びガラス層に繰り返し印加され
たとしても、サイアロン層とガラス層との間には両者の
線膨張係数の相違に起因する大きな熱応力が発生するこ
とはなく、該熱応力によってサイアロン層やガラス層に
クラックが入ることは皆無となる。従って前記発熱抵抗
体等はサイアロン層及びガラス層によって完全に被覆さ
れ、大気中の水分等の接触による酸化腐食から有効に保
護される。
【0034】また本考案のサーマルヘッドによれば、サ
イアロン層はその酸素含有量が極めて少ないため、印字
に際して発熱抵抗体の発する熱がサイアロン層に印加さ
れても、サイアロン層に含まれる酸素が発熱抵抗体中に
拡散し発熱抵抗体を腐食させて抵抗値に変化を招来させ
ることも殆ど無い。
【0035】更に本考案のサーマルヘッドによれば、ガ
ラス層と発熱抵抗体等との間にサイアロン層が介在され
ているため、印字に際して発熱抵抗体の発する熱がガラ
ス層等に印加され、ガラス層に含まれる酸素が発熱抵抗
体等の方向へ拡散しようとしてもその拡散はサイアロン
層によって完全に遮蔽され、発熱抵抗体に酸素の拡散に
よる腐食が発生することは皆無となる。
【0036】よって本考案のサーマルヘッドによれば、
発熱抵抗体のジュール発熱量は常に一定に維持されるこ
ととなって感熱紙等に濃淡むらの無い鮮明な印字画像を
形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のサーマルヘッドの断面図である。
【図2】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・蓄熱層 3・・・発熱抵抗体 4・・・一対の導電層 5・・・サイアロン層 6・・・ガラス層

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性の基板上に発熱抵抗体及び一対
    の導電層を被着させると共に、該発熱抵抗体及び一対の
    導電層上に、薄膜技術によるサイアロン層と厚膜技術に
    よるガラス層とを順次被着させたことを特徴とするサー
    マルヘッド。
JP1992082366U 1992-11-30 1992-11-30 サーマルヘッド Expired - Lifetime JP2592160Y2 (ja)

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JPH0645740U JPH0645740U (ja) 1994-06-21
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