JP4027707B2 - 二成分現像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現像に用いられる二成分現像用正帯電性トナー、該トナーを含有した正帯電性二成分現像剤及び該トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オンデマンド印刷の発展に伴って、高画質化と高速化を備えた正帯電性二成分現像剤が要求されている。特に高画質対応のために、鉄粉やマグネタイトに比べて飽和磁化の低いフェライトキャリアが使用されてきている(特開昭59−104663号公報、特開2000−330342号公報、特開平10−104884号公報等)。しかし、飽和磁化が低くなると、磁気ブラシが弱くなり感光体上に付着したトナーを掻き取る能力が弱くなり、フィルミングが発生する。
【0003】
特に、シリカや酸化チタン等の外添剤が帯電性や流動性確保の観点から添加されている場合は、摩擦帯電時等の攪拌時に遊離し、あるいは元々遊離していた外添剤が感光体に付着し、それが核となりトナーの被膜が形成されてフィルミング発生の原因となる。
【0004】
特公昭63−55701号公報では、シリカがトナー表面に埋没したトナーとトナー表面に埋没していないシリカとを混在させ、ランニング後も流動性の変化の少ないトナーを提案しているが、長期かつ高速印字では、トナーや感光体等に対するストレスが強くなり感光体上のシリカが核となりフィルミングが発生しやすい。特に、正帯電性二成分現像剤では、正帯電性シリカがキャリアに移行しやすいためこの傾向が顕著となる。
【0005】
そこで、特開昭63−139366号公報ではトナーに未付着の遊離無機微粒子を完全に除去することにより、また特開2000−267357号公報では付着状態を示す近似曲線の相関係数が特定の値の酸化チタンを使用することによりフィルミングの軽減が提案されている。しかし、前者では長期ランニングをした場合、トナーに付着している無機微粒子がトナー中に埋没するためにトナーの流動性が低下して、画像濃度低下、かぶりなどの画像上の問題が生じ、後者では、酸化チタンが非常に硬いため、感光体を傷つける恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高速複写機/プリンタにおいても、感光体汚染を生じることなく安定して高品質の画像が得られる二成分現像用正帯電性トナー、該トナーを含有した正帯電性二成分現像剤及び該トナーの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結着樹脂、着色剤、離型剤及び外添剤を含有してなる二成分現像用正帯電性トナーと、飽和磁化が45〜90Am2 /kgのフェライトキャリアとを含有してなる正帯電性二成分現像剤であって、前記結着樹脂がポリエステルからなり、前記離型剤が融点50〜120℃のワックスを含有してなり、前記外添剤が、ケイ素原子と炭素原子との付着状態を表す近似直線に対する誤差の絶対偏差が0.02〜0.09、遊離率が3%以下である正帯電性シリカを含有してなる正帯電性二成分現像剤を、感光体の線速が370mm/sec以上の高速機に使用する二成分現像方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、正帯電性シリカとしては、アミノ基を有する処理剤により、表面が被覆されたシリカであり、鉄粉等との攪拌により、帯電性が正帯電を示すものが用いられる。一般に、アミノ基を有する処理剤で処理された正帯電性シリカが外添されたトナーは、高い正帯電性を有するために、負帯電性のキャリアと電気的に結びつく傾向がある。従って、攪拌力に加え、強いクーロン力が加わると、トナーに弱く付着した正帯電性シリカやトナーから遊離した正帯電性シリカはキャリアに引き寄せられる。そして、キャリアと電気的に結合した正帯電性シリカは、磁気ブラシが感光体接触する時に感光体に付着していく。なお、磁気ブラシが感光体に接触する時の力は、速度の二乗に比例する遠心力によるため、特に、線速370mm/sec を超える高速印字の場合は無視できないものとなり、感光体汚染が生じる。
【0009】
しかしながら、本発明の二成分現像用正帯電性トナーには、特定の絶対偏差及び遊離率を有する正帯電性シリカを含有した外添剤が含有されていることから、感光体汚染を効果的に抑制することができる。
【0010】
絶対偏差とはシリカのトナーへの付着状態、例えば付着の強度と均一性を示し、その値が小さいほど、強くかつ均一に付着していることを表す。シリカが不均一で弱くトナーに付着していると、摩擦帯電時等の攪拌時に遊離して、キャリアを経由して感光体に付着し、感光体汚染を生じることから、シリカの絶対偏差は、0.1以下、好ましくは0.09以下、より好ましくは0.08以下であり、トナーへの埋没による帯電性及び流動性の悪化を防止するために、0.02以上が好ましく、0.05以上がより好ましい。
【0011】
本発明において、絶対偏差とは、
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、正帯電性シリカを含む外添剤で処理されたトナーをヘリウム大気圧マイクロ波誘導プラズマに導入し、
(2)ケイ素原子及び炭素原子を励起・発光させ、
(3)その発光の強さを経時測定して得られる現像剤中のケイ素原子と炭素原子との発光スペクトルに基づいて求められるケイ素原子と炭素原子との付着状態を表す近似直線に対する誤差の絶対偏差をいう。
具体的な分析方法は、後述する実施例に記載の方法のとおりであるが、本分析方法の詳細は、電子写真学会年次大会(通算79回)、“Japan Hardcopy '97”論文集、「新しい外添評価方法−パーティクルアナライザーによるトナー分析−」、鈴木俊之、高原寿雄、電子写真学会主催(1997年7月9日〜11日)に記載されている。
【0012】
遊離率は、トナーから遊離したシリカの存在割合を示す。シリカの遊離率は、感光体汚染抑制の観点から、5%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下であり、流動性の観点から、0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましい。
【0013】
絶対偏差と遊離率の調整は、トナーの製造設備、スケール等により変わるため、一概には決定できないが、たとえば、表面処理工程でミキサーの周速を高める、攪拌時間を長くする、篩工程で細かいメッシュの篩を使用する等の方法により行うことができる。
【0014】
正帯電性シリカは、他の外添剤とともに含有されていてもよいが、全外添剤中、60〜100重量%、好ましくは90〜100重量%使用されているのが好ましい。
【0015】
本発明において、正帯電性シリカは、側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンにより疎水化処理されたシリカが好ましい。
【0016】
側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノポリシロキサンが有する側鎖の1種以上をアミノ基を有する基に置換することにより得られる。アミノ基を有する基としては、−R1 −NH−R2 −N(R3 )2 、−R1 −N(R3 )2 〔式中、R1 及びR2 はアルキレン基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは1〜5のアルキレン基)又はアリーレン基(好ましくは総炭素数6〜18のアリーレン基、より好ましくはフェニレン基)、R3 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは水素原子を示す〕等が挙げられる。
【0017】
側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンのアミノ当量は、正帯電性の付与効果を高めるために、200以上、正帯電性シリカのキャリアへの転移付着を防止するために、22500以下が好ましく、より好ましくは300〜10000である。
【0018】
オルガノポリシロキサンの25℃での粘度は、10〜10000mPa・sが好ましく、20〜3500mPa・sがより好ましい。
【0019】
オルガノポリシロキサンによるシリカの疎水化処理の方法としては、オルガノポリシロキサンがシリカ表面に吸着する方法であれば特に限定されず、例えばシリカを混合槽で攪拌しつつ、オルガノポリシロキサンを溶媒にて希釈した溶液を噴霧し、攪拌を続けながら槽内で一定時間加熱乾燥するなどの方法が挙げられる。
【0020】
本発明では、シリカへのオルガノポリシロキサンの添加量は、該シリカの表面積当たり、1〜7mg/m2 が好ましい。添加量は、かぶりを低減させる効果を高めるために、1mg/m2 以上が好ましく、シリカの凝集を防止して、シリカを未処理トナーの表面に均一に付着させるために、7mg/m2 以下が好ましい。このような添加量は、BET比表面積が50m2 /gのシリカの場合、シリカ100重量部当たり、5〜35重量部に相当する。
【0021】
疎水化処理されたシリカの一次粒子の平均粒子径は、5〜100nmが好ましく、10〜70nmがより好ましい。
【0022】
側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンにより疎水化処理された正帯電性シリカの市販品としては、「HVK−2150」、「HDK H3050VP」(以上、クラリアント社製)等が挙げられる。
【0023】
正帯電性シリカの一次粒子の平均粒子径は、5〜100nmが好ましく、10〜70nmがより好ましい。
【0024】
正帯電性シリカの含有量は、帯電性や流動性の観点から、外添剤により処理する前のトナー(未処理トナー)100重量部に対して、0.05重量部以上が好ましく、シリカの過剰な遊離防止の観点から、3重量部以下が好ましい。従って、正帯電性シリカの含有量は、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部がより好ましく、0.2〜0.9重量部が特に好ましい。
【0025】
なお、本発明のトナーには、トナーの流動性向上及び過帯電防止の観点から、負帯電性シリカが併用されているのが好ましい。
【0026】
負帯電性シリカとしては、シリコーンオイル、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等の処理剤、好ましくはシリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカが好ましい。
【0027】
疎水化処理が施された負帯電性シリカの市販品としては、「R972」(日本アエロジル社製、平均粒子径:16nm、疎水化処理剤:ジメチルジクロロシラン)、「TS720」(キャボット社製、平均粒子径:8nm、疎水化処理剤:シリコーンオイル)、「NAX50」(日本アエロジル社製、平均粒子径:30nm、疎水化処理剤:ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
【0028】
負帯電性シリカの一次粒子の平均粒子径は、5〜100nmが好ましく、10〜70nmがより好ましく、10〜30nmが特に好ましい。
【0029】
正帯電性シリカと負帯電性シリカの重量比(正帯電性シリカ/負帯電性シリカ)は、90/10〜50/50が好ましい。
【0030】
なお、正帯電性シリカと負帯電性シリカが併用されている場合、全シリカの絶対偏差は、感光体汚染抑制の観点から、0.1以下、好ましくは0.09以下であり、トナーへの埋没による帯電性及び流動性の悪化を防止するために、0.02以上が好ましく、0.05以上がより好ましい。また、全シリカの遊離率は、感光体汚染抑制の観点から、5%以下、好ましくは4%以下であり、流動性の観点から、0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましい。
【0031】
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有している。
【0032】
結着樹脂としては、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ハイブリッド樹脂等が挙げられるが、本発明では、低温定着性、耐久性及び離型剤の分散性の観点から、ポリエステル及びハイブリッド樹脂が好ましく、ポリエステルがより好ましい。ポリエステルは末端基に強い極性基を有するために、スチレン−アクリル樹脂に比べ、トナー表面に離型剤がしみだしやすく、感光体との摩擦力の低減により感光体汚染の防止に効果的である。ポリエステル又はハイブリッド樹脂の含有量は、結着樹脂中、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%、特に好ましくは100重量%である。
【0033】
なお、ハイブリッド樹脂とは、ポリエステル等の縮重合系樹脂成分とビニル系樹脂等の付加重合系樹脂成分とが部分的に化学結合した樹脂をいい、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーから得られたものであっても、さらに2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
【0034】
一般に、ポリエステルとハイブリッド樹脂は耐久性や定着性に優れているものの、正帯電性荷電制御剤の分散性の調整が困難で、帯電性やスペント、感光体汚染等の問題を生じやすい。しかし、本発明では、低飽和磁化のフェライトキャリアとの併用により、磁気ブラシの穂立ちが柔らかく適度なため、前記ポリエステルとハイブリッド樹脂の欠点が改善される。
【0035】
本発明におけるポリエステルの原料モノマーとしては、特に制限がなく、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
【0036】
アルコール成分としては、式(I):
【0037】
【化1】
【0038】
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)で表される化合物が含有されていることが好ましい。
【0039】
式(I)で表される化合物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。また、他のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられ、これらの1種以上を含有することが好ましい。
【0040】
式(I)で表される化合物のアルコール成分中の含有量は、5モル%以上、好ましくは50モル%以上、より好ましくは100モル%が望ましい。
【0041】
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0042】
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
【0043】
結着樹脂の酸価は、正帯電性トナーとして十分な帯電量を得るために、1〜20mgKOH/gが好ましく、2〜15mgKOH/gがより好ましく、3〜10mgKOH/gが特に好ましい。また、ポリエステルの水酸基価は20〜40mgKOH/g、軟化点は110〜160℃、ガラス転移点は50〜70℃であることが、それぞれ好ましい。
【0044】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明において、トナーは黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0045】
離型剤としては、低温定着性の向上と流動性向上の観点から、融点が50〜120℃、好ましくは60〜100℃のワックス(以下、低融点ワックスという)が含有されている。低融点ワックスとしては、結着樹脂への分散性(分散径)及び低温定着性の観点から、カルナウバワックス、ライスワックス及びキャンデリラワックスが好ましく、カルナウバワックスがより好ましい。
【0046】
通常、感光体汚染の改善のためトナーにシリカを強固に付着させると流動性が悪化する。しかし、本発明ではトナー表面上に離型剤が存在し、シリカを強固に付着させても、流動性を悪化させることがない。特に低融点ワックスは、低粘度であるためにトナー製造時に混練シェアがかかりにくく、結着樹脂中の分散径が大きくなり、効率的にトナー間の摩擦抵抗が低下し流動性の低下を防止することができる。
【0047】
離型剤には、融点が120℃が超える高融点ワックスが適宜併用されていてもよいが、低融点ワックスの含有量は、トナーの耐久性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましく、1〜5重量部が特に好ましい。
【0048】
本発明のトナーには、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
【0049】
本発明のトナーは結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有した未処理トナーと、正帯電性シリカ又は正帯電性シリカと負帯電性シリカを含有した外添剤とを混合する表面処理工程を経て得られる。未処理トナーは、粉砕トナー、重合トナー、乳化転相トナー等のいずれでもよいが、粉砕トナーが好ましく、例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤等をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、さらにジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級して得られる。トナーの体積平均粒子径は3〜15μmが好ましい。
【0050】
未処理トナーと外添剤との混合は、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、メカノフュージュンシステム(ホソカワミクロン社製)等の攪拌装置を用いることができるが、これらの中では攪拌力の点でヘンシェルミキサーが好ましい。また、攪拌装置を用いる際には、外添剤を十分にトナーに付着させるために、ミキサーの周速を上げたり、周速時間を長くしたりすることが好ましい。
【0051】
なお、シリカは通常2次凝集しているため、そのまま未処理トナーと混合すると、凝集シリカが不均一にトナー表面に付着し、感光体汚染の原因となり易く、正帯電性シリカと負帯電性シリカの少なくとも一方、より好ましくは両方が予めミキサー等で解砕処理を施した解砕シリカであるのが好ましい。
【0052】
表面処理工程の後は、外添剤と混合した未処理トナーに注意深く篩工程を施して本発明のトナーを得るのが好ましく、篩工程の後、さらにトナーのみをミキサーで攪拌する攪拌工程を施すのがより好ましい。そして、攪拌工程後に、さらに再篩工程を施すのが特に好ましい。このように、篩工程と攪拌工程を重ねることにより、より均一で強固に、かつ遊離シリカの少ないトナーを得ることができる。即ち、未処理トナーとシリカとを攪拌混合する工程(表面処理工程)とトナーのみを攪拌する工程(攪拌工程)を行うことにより、表面処理工程で得られるトナー表面に付着したシリカをより強固に付着させることができる。
【0053】
篩工程ではメッシュの細かい篩を使用することが好ましく、特に目開きが50μm以下の300メッシュ以上のものが好ましい。篩工程に使用される装置としては、佐藤式振動篩(晃栄産業社製)、ジャイロシフター(徳寿社製)、超音波篩(ラッセル社製)等が挙げられるが、異物発生が少なく、品質劣化の起こりにくい超音波篩が好ましい。
【0054】
超音波篩を使用する場合の超音波の作動周波数は10〜200kHzが好ましい。
【0055】
本発明のトナーは、飽和磁化が40〜100Am2 /kg(emu/g)のフェライトキャリアとともに使用して、二成分現像剤として用いられる。キャリアの飽和磁化が100Am2 /kgを超えると、現像スリーブ上のキャリアとトナーにより構成される磁気ブラシの穂立ちが固く締まった状態になるため階調性や中間調の再現が悪化する。一方、飽和磁化が40Am2 /kg未満であると、感光体へのキャリア飛散やキャリア付着が生じる。従って、キャリアの飽和磁化は、40〜100Am2 /kg、好ましくは45〜90Am2 /kg、より好ましくは50〜80Am2 /kgである。
【0056】
本発明において、フェライトキャリアのコア材としては、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、銅−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン系フェライト、マグネシウム系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライト等が挙げられ、これらの中では環境汚染の観点から、重金属を含まないマンガン系フェライト、マグネシウム系フェライト及びマンガン−マグネシウム系フェライトが好ましい。
【0057】
コア材の表面は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の被覆剤で被覆されていてもよいが、これらの中では、表面エネルギーの低いフッ素樹脂及びシリコーン樹脂が好ましく、正帯電性トナーと併用するキャリアは負帯電化されることから、電気陰性度の高いフッ素樹脂がより好ましい。
【0058】
フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロプロピレン等のパーフルオロポリマー;アクリル酸、トリフルオロクロルエチレン、フッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等の少なくとも1種とフッ化ビニリデンとの共重合体等のフッ化ビニリデン系フッ素樹脂等が挙げられる。
【0059】
本発明では、被覆剤がフッ素樹脂である場合、コア材に対する付着強度を高めて、キャリアの耐久性を向上させる点から、さらに、アクリル樹脂が含有されているのが好ましい。なお、アクリル樹脂とは(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル及びスチレン誘導体から選ばれた1種以上のモノマーを主成分とする(共)重合体が好ましく、スチレン、メチルメタクリレート及びブチルアクリレートの1種以上を主成分とする(共)重合体がより好ましく、メチルメタクリレートを主成分とする(共)重合体が特に好ましい。
【0060】
コア材を被覆する樹脂中、フッ素樹脂は50重量%以上含有されていることが好ましく、さらにアクリル樹脂が含有されている場合、アクリル樹脂の含有量は、フッ素樹脂100重量部に対して、25〜100重量部が好ましく、40〜90重量部がより好ましく、50〜80重量部が特に好ましい。
【0061】
樹脂によるコア材の被覆は、例えば、樹脂を有機溶剤等に溶解し、浸漬や噴射等でキャリア表面に塗布した後、乾燥や加熱硬化等を行って皮膜させることにより行うことができる。
【0062】
キャリアの体積平均粒子径は、50〜200μmが好ましく、60〜150μmがより好ましく、70〜130μmが特に好ましい。
【0063】
本発明の正帯電性二成分現像剤は、トナーとキャリアとを混合して得られるが、トナーとキャリアの重量比(トナー/キャリア)は、0.5/100〜8/100が好ましく、1/100〜6/100がより好ましい。
【0064】
本発明の正帯電性二成分現像剤は、耐久性、スペント防止性及び帯電性に優れているため、感光体の線速が370mm/sec以上、好ましくは500〜2400mm/secの高速複写機や高速プリンター等の高速機にも好適に用いることができる。
【0065】
【実施例】
〔軟化点〕
ASTM D36−86の方法により測定する。
【0066】
〔酸価及び水酸基価〕
JIS K0070の方法により測定する。
【0067】
〔ガラス転移点及び融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度で3分間放置した後、降温速度10℃/min.で室温まで冷却したサンプルを、昇温速度10℃/min.で測定した際に、吸熱温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度を、樹脂ではガラス転移点とし、ワックスではピーク頂点の温度を融点とする。
【0068】
〔絶対偏差及び遊離率〕
炭素原子とケイ素原子を分析対象原子として、微粒子測定装置「パーティクルアナライザPT1000」(横河電機株式会社製)を用い、以下の条件を1サイクルとして5サイクル繰り返し、外添剤で処理されたトナーの炭素原子とケイ素原子の発光スペクトルを測定する。また、スペクトルデータの解析ソフトとして、「トナー解析ソフト・バージョン2.00」(横河電機株式会社製)を用い、同期発光スペクトルデータから、炭素原子の電圧とケイ素原子の電圧の分布図(x軸が炭素原子の3乗根電圧、y軸がケイ素原子の3乗根電圧)を得、最小二乗法で近似直線を得る。近似直線の傾きと近似直線に対する絶対偏差は、測定点から近似直線に下ろした垂線の長さ(d)と近似直線と垂線の交点からX軸への垂線の長さ(H)から求められる誤差値(d/H)の偏差を、同ソフトによって算出する。また、外添剤の遊離率(表中の単位は「個数%」)は、ケイ素原子の非同期発光スペクトルデータから得られる電圧と、総ケイ素原子の発光スペクトルデータから得られる電圧を元に同ソフトにより、下記の計算式に従って算出する。
【0069】
【数1】
【0070】
微粒子測定の条件は、以下の通り。
1スキャンの炭素原子カウント数:500〜1500
スキャン数:8
トナー吸引装置:横河電機社製ローボリュームサンプラ「LV1000」
トナー吸引用チップ:エッペンドルフ社製チップ(グレード「100μl」)
トナー吸引用チューブ:ノートン社製タイゴンチューブ「R−3603」(チューブ内径φ6.35mm×長さ50mm)
フィルタ:コーニング社製フィルタ「ニュークリポア・メンブレンフィルター」(0.4μm)
【0071】
〔キャリアの飽和磁化〕
(1) 外径7mm、高さ5mmの蓋付プラスティックケースにキャリアをタッピングしながら充填し、プラスティックケースの重量とキャリアを充填したプラスティックケースの重量の差から、キャリアの質量を求める。
(2) 理研電子(株)の磁気特性測定装置「BHV−50H」(V.S.MAGNETOMETER)のサンプルホルダーにキャリアを充填したプラスティックケースをセットし、バイブレーション機能を使用して、プラスティックケースを加振しながら、+79.6kA/m(+1kOe)の磁場を印加して飽和磁化を測定する。得られた値は充填されたキャリアの質量を考慮し、単位質量当たりの飽和磁化に換算する。
【0072】
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン735g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン293g、イソフタル酸280g、イソオクテニルコハク酸60g、トリメリット酸72g及び酸化ジブチル錫(エステル化触媒)2gを、窒素雰囲気下、真空下で230℃で攪拌しつつ、軟化点が136℃に達するまで反応させて、樹脂Aを得た。樹脂Aは淡黄色の固体であり、酸価は3.1mgKOH/g、水酸基価は35.2mgKOH/g、ガラス転移点は63℃であった。
【0073】
樹脂製造例2
キシレン550gに、窒素雰囲気下135℃でスチレン800g及びn−ブチルアクリルレート300g、並びに重合開始剤としてジクミルパーオキサイド26gの混合物を1時間かけて滴下し、さらに2時間熟成した。その後、減圧下でキシレンを除去し、樹脂Bを得た。軟化点は138℃、DSC(示差熱量計)によるガラス転移点は65℃であった。
【0074】
未処理トナーaの製造例
樹脂A100重量部、カーボンブラック「R330R」(キャボット社製)6重量部、ポリプロピレンワックス「NP−055」(三井化学社製、融点:142℃)1重量部、「カルナバワックスNo.1」(加藤洋行社製、融点:83℃)1.5重量部及び荷電制御剤「ボントロンN−01」(オリエント化学工業社製)1.5重量部をヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機で溶融混練、冷却、粉砕、分級工程を経て体積平均粒子径10μmの未処理トナーaを得た。
【0075】
未処理トナーbの製造例
「カルナバワックスNo.1」を使用しなかった以外は、未処理トナーaと同様にして、未処理トナーbを得た。
【0076】
未処理トナーcの製造例
樹脂Aの代わりに樹脂B100重量部を使用した以外は、未処理トナーaと同様にして、未処理トナーcを得た。
【0077】
トナーA〜Mの製造例
表1に示す未処理トナー100重量部及び外添剤0.5重量部とを用いて、
未処理トナーと外添剤とを混合する工程1、
外添剤と混合したトナーを篩にかける工程2、
工程2で篩を通過したトナーのみを攪拌する工程3、及び
攪拌したトナーを再度篩にかける工程4
を表1に従って行い、トナーを得た。得られたトナーの絶対偏差と遊離率を表1に示す。なお、トナーD、Eの製造においては、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)を用い、70r/minで10分間攪拌し、解砕した外添剤を使用した。
【0078】
なお、トナーLの分析結果を図1に示す。本分析において、炭素原子とケイ素原子の同期カウント数は2909、ケイ素の非同期カウント数は27、炭素の非同期カウント数は23、ケイ素の遊離率は0.92%、炭素の遊離率は0.78%であった。また、3乗根電圧を元に計算した直線の傾きは0.501、絶対偏差は0.064であった。
【0079】
【表1】
【0080】
キャリア製造例1
ヘマタイトに、マグネシウムの含有量が3.0重量%になるよう酸化マグネシウム(MgO)を配合し、得られた混合物100重量部に、バインダー(ポリビニルアルコール)1.5重量部及び分散剤0.5重量部を添加し、スラリー濃度が50重量%になるよう水を加えた。これを三井鉱山(株)製のアトライターで1時間湿式粉砕混合し、スラリーを調製した。
【0081】
スラリーを、スプレードライヤーで造粒乾燥し、次に、電気炉で窒素雰囲気下、約1500℃で焼成し、振動篩で分級を行い、MgO・Fe2 O3 ・Fe3 O4 で示されるマグネシウムフェライトをキャリアのコア材として得た。
得られたコア材1000重量部に対し、フッ化ビニリデン系フッ素樹脂「HYLAR301F」(アウジモンド社製)6.5重量部、メチルメタクリレート系樹脂「ダイヤナールBR−80」(三菱レイヨン(株)製)3.5重量部にメチルエチルケトン100重量部を加え、コア材を被覆するための樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を流動コーティング装置を用いて、前記コア材にスプレーコートした。その後、流動層にて、100℃で60分間の熱処理を行い、体積平均粒子径110μmのキャリアAを得た。キャリアAの飽和磁化は52.5Am2 /kgであった。
【0082】
キャリア製造例2
ヘマタイトに、マグネシウムの含有量が7.0重量%、マンガンの含有量が20.0重量%になるよう酸化マグネシウム(MgO)と酸化マンガン(MnO)を配合した以外は、キャリア製造例1と同様にして、キャリアBを得た。キャリアBの飽和磁化は60.9Am2 /kgであった。
【0083】
キャリア製造例3
鉄粉キャリアをコア材として用いた以外は、実施例1と同様にして、コア材の表面に樹脂で被覆し、キャリアCを得た。キャリアCの飽和磁化は165.2Am2 /kgであった。
【0084】
キャリア製造例4
ヘマタイトに、マンガンの含有量が7.0重量%、銅の含有量が0.5重量%、亜鉛の含有量が0.5重量%になるように酸化マンガン(MnO)、酸化銅(CuO)及び酸化亜鉛(ZnO)を配合し、キャリア製造例1と同様にして、キャリアのコア材を得た。得られたコア材1000重量部に対し、シリコン樹脂溶液「KR250」(信越シリコーン社製)100重量部及びトルエン100重量部を加え、コア材を被覆するための樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を流動コーティング装置を用いて、前記コア材にスプレーコートした。その後、流動層にて、200℃で120分間の熱処理を行い、体積平均粒子径110μmのキャリアDを得た。キャリアDの飽和磁化は91.1Am2 /kgであった。
【0085】
実施例1〜10、比較例1〜6
表2に示すトナー39重量部とキャリア1261重量部とを、ナウターミキサーで混合し各々の現像剤を得た。
【0086】
接触現像方式の「Infoprint4000ISl」(日本アイ・ビー・エム株式会社製、線速:1066mm/sec、解像度:240dpi、現像システム:3本マグネットロール、セレン感光体、反転現像)に現像剤を実装し、11×18インチの連続紙を用いて、100万枚の連続印刷を行った。なお、連続印刷の際、5万枚までは黒化率が10%のプリントパターンを、50001枚から50万枚までは黒化率が20%のプリントパターンを、500001枚から100万枚までは黒化率が30%のプリントパターンを印刷した。以下に示す方法で、5万枚、50万枚、100万枚印刷時の帯電量及び帯電量の最大変動量を測定し、その後印刷した中で最初の1000枚の画像をもとにベタ画像の画質、下地かぶり及び感光体汚染について観察した。結果を表2に示す。
【0087】
〔帯電量〕
Q/Mメーター(エッピング社製)を用いて測定する。Q/Mメーター付属のセルに規定量の現像剤を投入し、目開き32μmのふるい(ステンレス製、綾織、線径:0.0035mm)を通してトナーのみを90秒間吸引する。そのとき発生するキャリア上の電圧変化をモニターし、〔90秒後の総電気量(μC)/ 吸引されたトナー量(g)〕の値を帯電量(μC/g)として、5万枚、50万枚、100万枚印刷時の帯電量を算出する。
【0088】
〔帯電量の最大変動量〕
5万枚、50万枚、100万枚印刷時の帯電量と初期帯電量との差の最大量(最大変動量)求め、以下の評価基準に従って評価する。
(評価基準)
◎:最大変動量が1.0μC/g未満で優秀
○:最大変動量が1.0以上2.0μC/g未満で良好
△:最大変動量が2.0以上3.0μC/g以下で実用上問題なし
×:最大変動量が3.0μC/gより大きく実用上使用不可
【0089】
〔ベタ画像の画質〕
「Model 938 Spectrodensitometer 」(X−Rite社、アパチャー;20mm、測定モード;Yxy、光源;D65、視野角;10degree)を用いて、印刷済み用紙の黒ベタ部を測定し、
画像濃度=log(1/Y)
の値を求め、濃度ムラや白斑、あるいは黒芯が確認された個所を目視で観察する。
(評価基準)
◎:画質が均一で画像濃度も最適(1.18〜1.22)であり優秀
○:画質が均一で画像濃度も適正範囲(1.15 〜1.25) であり良好
△:濃度ムラが確認されるが実用上問題なし
×:白斑や黒芯が確認され、実使用不可
【0090】
〔下地かぶり〕
「Model 938 Spectrodensitometer 」(X−Rite社、アパチャー;20mm、測定モード;Yxy、光源;D65、視野角;10degree)を用いて、印刷済み用紙の白地部と未印刷紙のY値を測定し、
下地かぶり=未印刷紙Y値−印刷済み用紙の白地部Y値
の値を求める。
(評価基準)
◎:下地かぶりが0.4未満で優秀
○:下地かぶりが0.4以上1.0未満で良好
△:下地かぶりが0.8以上1.2未満で実用上問題なし
×:下地かぶりが1.2以上で実使用不可
【0091】
〔感光体汚染〕
現像剤によるストレスによって感光体上に傷が生じたり、トナーがフィルミングした結果、印刷された黒ベタ部に白斑が生じた枚数を感光体汚染発生枚数とする。なお、感光体汚染が「フィルミング」によるものか、「傷」によるものかを併記するが、その判断は、エタノールをしみこませたウエスで感光体をふき取り、汚れがとれるものをフィルミング、汚れがとれないものを傷とする。
【0092】
【表2】
【0093】
実施例1〜10では、帯電量が安定しており、ベタ画像の画質に優れ、感光体汚染、下地かぶり及びフィルミングのいずれにおいても問題がないことが分かる。
【0094】
比較例1〜4では、トナー中のシリカの絶対偏差の値が大きく、シリカが不均一で弱く付着しており、遊離シリカも多いため、耐刷により、シリカの脱離による帯電量の低下と、脱離シリカによるフィルミングが発生している。
【0095】
比較例5は、低融点ワックスが未添加のため、流動性が悪化し、帯電量の低下による画質劣化が生じている。
【0096】
比較例6では、キャリアとしてマグネタイトキャリアを使用しているため、画像がフェライトを使用した場合と比較して劣っている。また、磁気ブラシのあたりが強いため、フィルミングは発生していないが、感光体に傷が発生している。
【0097】
【発明の効果】
本発明により、高速複写機/プリンタにおいても、感光体汚染を生じることなく安定して高品質の画像が得られる二成分現像用正帯電性トナー、該トナーを含有した正帯電性二成分現像剤及び該トナーの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例におけるトナーLの分析結果を示すグラフである。
Claims (2)
- 結着樹脂、着色剤、離型剤及び外添剤を含有してなる二成分現像用正帯電性トナーと、飽和磁化が45〜90Am2 /kgのフェライトキャリアとを含有してなる正帯電性二成分現像剤であって、前記結着樹脂がポリエステルからなり、前記離型剤が融点50〜120℃のワックスを含有してなり、前記外添剤が、ケイ素原子と炭素原子との付着状態を表す近似直線に対する誤差の絶対偏差が0.02〜0.09、遊離率が3%以下である正帯電性シリカを含有してなる正帯電性二成分現像剤を、感光体の線速が1066〜2400mm/secの高速機に使用する二成分現像方法。
- 正帯電性二成分現像剤が、さらに、負帯電性シリカを含有してなり、全シリカのケイ素原子と炭素原子との付着状態を表す近似直線に対する誤差の絶対偏差が0.02〜0.09、遊離率が5%以下である請求項1記載の二成分現像方法。
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