JP4027000B2 - 合流機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、2つのポンプと、それら各ポンプに接続した2つの回路系統とを備えた流体圧制御装置に用いるのに適した、ポンプ吐出流体の合流機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に示すのは、2つの回路系統に備えたポンプの吐出流体を合流させて用いることができる合流機構である。
第1切換バルブV1と第2切換バルブV2とは、それぞれ、図示しない別々の回路系統に設けた切換バルブである。上記各回路系統には、別々のポンプが接続されている。そして、両切換バルブV1,V2のバルブ本体1と21とを接続して用いている。
上記第1切換バルブV1は、バルブ本体1に一対のアクチュエータポート2,3を形成するともに、内部に摺動自在にスプール4を設けている。
また、上記バルブ本体1には、U字状のパラレルフィーダ5を形成している。このパラレルフィーダ5には、図示しない第1ポンプP1の吐出流路を接続している。また、上記パラレルフィーダ5の一方の端部5aをバルブ本体1の外周に解放し、この面を第2切換バルブV2のバルブ本体21に接続している。
上記第1切換バルブV1は、スプール4が図示の中立位置にある時には、タンデム通路6と、中立通路7とを連通させるが、スプール4をいずれかの位置に切り換えたときには、上記タンデム通路6と中立通路7とが遮断される。上記タンデム通路6にも、他の切換バルブを介して上記第1ポンプP1を接続している。
【0003】
そして、スプール4を切り換えた時には、上記タンデム通路6と中立通路7とが遮断されるとともに、スプール4に形成した環状溝8,9が、上記パラレルフィーダ5と上記アクチュエータポート2,3とを連通させる構成にしている。
上記スプール4を切り換えた状態で、上記タンデム通路6に上記第1ポンプP1の吐出圧が作用すると、その圧力でポペット10が押し開かれて、上記タンデム通路6からパラレルフィーダ5へ第1ポンプP1の吐出流体が流れ、この吐出流体は、アクチュエータポート2,または3へ供給される。
【0004】
また、図示しない第1切換バルブV1の上流側の切換バルブによって、上記タンデム通路6へのポンプP1の吐出圧が遮断された場合には、上記パラレルフィーダ5に接続した流路から、第1ポンプP1の吐出流体が、アクチュエータポート2,3へ供給される。
つまり、上記スプール4を左右いずれかに切り換えると、第1ポンプP1の吐出流体がアクチュエータポート2,3へ供給される。
【0005】
一方、第2切換バルブのバルブ本体21には、U字状のパラレルフィーダ22を形成し、その一方の端部22aをバルブ本体21の外周に解放し、この端部22aを上記第1切換バルブV1のパラレルフィーダの端部5aに接続している。また、バルブ本体21内には、スプール23を摺動自在に設け、このスプール23を図示の中立位置からどちらかへ切り換えることによって、第2切換バルブV2を設けた図示しない回路系統の第2ポンプP2からの吐出流体を上記パラレルフィーダ22へ供給するようにしている。
すなわち、上記バルブ本体21には、タンデム通路24、中立通路25、供給通路26とを形成し、上記タンデム通路24と供給通路26に上記第2ポンプP2の吐出流路を接続している。そして、上記スプール23を図示の中立位置から左右どちらかへ切り換えると、パラレルフィーダ22へ第2ポンプP2の吐出流体が供給される。
【0006】
このとき、上記第1切換バルブV1が切り換わっていれば、第2ポンプP2の吐出流体が、第2切換バルブV2のパラレルフィーダ22の端部22aを介して第1切換バルブV1の端部5aからパラレルフィーダ5に供給され、もう一方の第1ポンプP1からの吐出流体と合流して、上記アクチュエータポート2または3へ供給されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような合流機構においては、第2切換バルブV2から第2ポンプP2の吐出流体を、両切換バルブV1,V2のパラレルフィーダ5,22の端部5aと22aの接続部分を介して、第1切換バルブV1側の第1ポンプP1の吐出流体に合流させている。
このように、第1,第2ポンプP1、P2の吐出流体を合流させるための流路が、一箇所にしかないために、合流した流体がアクチュエータポート2、または3へ供給される経路が長過ぎて圧損が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】
例えば、第1切換バルブV1のスプール4が図中左へ移動した場合を考える。一方のアクチュエータポート2が環状溝8によって、タンクポート11と連通し、もう一方のアクチュエータポート3が、環状溝9によって、パラレルフィーダ5と連通する。
この状態で、第2切換バルブV2のスプール23も左に移動させると、スプール23に形成した環状溝27およびノッチ28によって、供給通路26がパラレルフィーダ22と連通する。そこで、第2ポンプP2からの吐出流体は、供給流路26→パラレルフィーダ22→ポペット29の通路29a→パラレルフィーダ22→端部22a→端部5a→パラレルフィーダ5→ポペット10の通路10a→パラレルフィーダ5→環状溝9→アクチュエータポート3という経路を流れる。このように、長い経路中で、第1ポンプP1の吐出流体と合流するので、圧損が大きくなっていた。
【0009】
そのため、アクチュエータを素早く作動させるために2個の第1ポンプP1,P2の吐出流体を合流させても、その流路の圧損が大きすぎて、エネルギーロスが発生し、思うようにアクチュエータを作動させられないことがあった。
この発明の目的は、2つのポンプの吐出流体を合流させて用いる際に、合流させる流体の流路の圧損を小さくした合流機構を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、少なくとも一対の回路系統を備え、これらの回路系統のそれぞれに別々のポンプを接続し、一方の回路系統の第1切換バルブに他方の回路系統の第2切換バルブを介して他方の回路系統のポンプ吐出流体を合流させて用いる合流機構を前提とする。
上記合流機構を前提とし、上記第1切換バルブが、バルブ本体に形成した一対のアクチュエータポートと、このバルブ本体内に摺動自在に組み込んだスプールと、上記バルブ本体の外周に両端を解放したU字状のパラレルフィーダと、上記スプール外周に形成し、このスプールを中立位置からいずれかの位置に切り換えた時、上記パラレルフィーダと1つのアクチュエータポートとを連通させる環状溝とを備えるとともに、上記パラレルフィーダは、上記一対のアクチュエータポートのうち流体が供給されるアクチュエータポートに対し、常に上流側に位置する構成にする一方、上記第2切換バルブは、バルブ本体の外周に両端を解放したU字状のパラレルフィーダを備え、さらに、上記第1,第2切換バルブのバルブ本体同士を接続することによって、上記第1切換バルブのパラレルフィーダの両端と上記第2切換バルブのパラレルフィーダの両端とをそれぞれ直接連結させ、上記第1バルブのスプールを切り換えた時、上記パラレルフィーダが、上記スプールに形成した環状溝を介して上記1つのアクチュエータポートと連通し、上記両パラレルフィーダの流体が上記スプールに形成した環状溝を介して上記1つのアクチュエータポートへ供給される点に特徴を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明の実施例を示す。
図1に示すように、この実施例では、第1切換バルブV1のパラレルフィーダ5の端部5bをバルブ本体1の外周に解放させている。また、第2切換バルブV2のパラレルフィーダ22の端部22bをバルブ本体21の外周に解放させている。そして、上記端部5bと22bとを接続している点が、図2の従来例と異なるが、その他の構成は、従来例と同じである。
【0012】
すなわち、第1切換バルブV1のパラレルフィーダ5と第2切換バルブV2のパラレルフィーダ22とは、それぞれの両端5a,5b、22a,22bを介して直接接続されている。
したがって、第2切換バルブV2のパラレルフィーダ22を介して供給される第2ポンプP2からの吐出流体が、第1ポンプP1の吐出流体と合流するために流れる流路は、端部22a→端部5aと、端部22b→端部5bの2箇所となる。そのため、第2ポンプP2の吐出流体が、第1ポンプP1の吐出流体と合流して、第1切り換えバルブV1のアクチュエータポートに供給される時の流路が、従来と比べて短くなり、圧損を小さくできる。
【0013】
例えば、上記第1バルブのスプール4および、第2切換バルブV2のスプール23が図の左方向へ移動した場合を説明する。
このとき、第2ポンプP2の吐出流体は、第2切換バルブV2の供給通路26から環状溝27およびノッチ28を介してパラレルフィーダ22へ流れ込む。そして、第2ポンプP2の吐出流体は、パラレルフィーダ22→その端部22b→端部5bを介して、パラレルフィーダ5で、第1ポンプP1の吐出流体と合流し、環状溝9を介してアクチュエータポート3に供給される。
【0014】
上記のようなこの実施例の合流経路は、先に従来例で説明した、第2ポンプP2の吐出流体の経路、すなわち供給流路26→パラレルフィーダ22→ポペット29の通路29a→パラレルフィーダ22→端部22a→端部5a→パラレルフィーダ5→ポペット10の通路10a→パラレルフィーダ5→環状溝9→アクチュエータポート3という経路と比べて、非常に短く、その分圧損も小さい。
また、各スプール4および23を右方向に移動させた場合には、第2切換バルブV2のパラレルフィーダ22の端部22a→端部5a→パラレルフィーダ5→環状溝8を介して、第2ポンプP2の吐出流体がアクチュエータポート2へ供給される。
【0015】
以上のように、第1,第2切換バルブV1,V2のパラレルフィーダの両端を直接接続しているので、第1,第2ポンプP1,P2の吐出流体を合流させてアクチュエータポートに供給する際に、第2ポンプP2からの吐出流体が、最短経路を流れることになり、その圧損を小さくできる。
また、2個のバルブ本体1と21との接続面に設けた両パラレルフィーダ5,22の接続部には、内部の流体圧によって、両バルブ本体を離す方向の力が作用する。そこで、従来例のように、パラレルフィーダの接続部が1箇所しかない場合には、その部分に上記バルブ本体1,21を引き離す力が集中することになる。そのため、バルブ本体全体としては、偏った力が作用してしまうことになり、両バルブ本体が離れないようにするためには、位置によってボルトなどの締め付け強度を変えたりする必要がある。
しかし、上記実施例では、両パラレルフィーダの接続部を、間隔を開けて2箇所設けているため、パラレルフィーダ内の流体圧力を受ける部分が分散する。したがって、ボルトなどの締め付け強度は均等にしておくことができる。
【0016】
【発明の効果】
この発明によれば、別々の回路系統に設けた別々のポンプの吐出流体を合流させて、アクチュエータに供給する際に、流路を短くして圧損を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の断面図である。
【図2】従来例の断面図である。
【符号の説明】
V1 第1切換バルブ
V2 第2切換バルブ
1 バルブ本体
2,3 アクチュエータポート
4 スプール
5 パラレルフィーダ
5a,5b 端部
21 バルブ本体
22 パラレルフィーダ
22a,22b 端部
Claims (1)
- 少なくとも一対の回路系統を備え、これらの回路系統のそれぞれに別々のポンプを接続し、一方の回路系統の第1切換バルブに他方の回路系統の第2切換バルブを介して他方の回路系統のポンプ吐出流体を合流させて用いる合流機構において、上記第1切換バルブが、バルブ本体に形成した一対のアクチュエータポートと、このバルブ本体内に摺動自在に組み込んだスプールと、上記バルブ本体の外周に両端を解放したU字状のパラレルフィーダと、上記スプール外周に形成し、このスプールを中立位置からいずれかの位置に切り換えた時、上記パラレルフィーダと1つのアクチュエータポートとを連通させる環状溝とを備えるとともに、上記パラレルフィーダは、上記一対のアクチュエータポートのうち流体が供給されるアクチュエータポートに対し、常に上流側に位置する構成にする一方、上記第2切換バルブは、バルブ本体の外周に両端を解放したU字状のパラレルフィーダを備え、さらに、上記第1,第2切換バルブのバルブ本体同士を接続することによって、上記第1切換バルブのパラレルフィーダの両端と上記第2切換バルブのパラレルフィーダの両端とをそれぞれ直接連結させ、上記第1バルブのスプールを切り換えた時、上記パラレルフィーダが上記スプールに形成した環状溝を介して上記1つのアクチュエータポートと連通し、上記両パラレルフィーダの流体が、上記スプールに形成した環状溝を介して上記1つのアクチュエータポートへ供給される構成にした合流機構。
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