JPS6144005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建設車輌の油圧シヨベル等に用いる複
合制御弁に関する。

油圧シヤベルの複合制御弁において、例えばア
ーム用プランジヤと旋回用プランジヤを切換えて
アームと旋回を同時に操作した際、アームの負荷
が軽い操作（シリンダ伸し）では旋回に必要な圧
力までポンプ圧が上昇しない。したがつて、側壁
にバケツトを押し付けながらアームを操作する作
業では旋回モータの押しつけ力が不足し、または
アームとの同時操作時に旋回が不能になることが
ある。この不具合を解消するため制御弁には旋回
用プランジヤとアーム用プランジヤを結ぶパラレ
ル回路間に絞り等を有する弁を設け、圧油が同弁
を通過するときの圧力損失によりアームの負荷が
軽いときでも旋回圧を所定値に保持できるように
している。

しかし、旋回とアーム間の供給通路に弁を設け
ると、弁のスペースを必要とするので複合制御弁
の弁体が大きくなる欠点を有し、さらにアーム用
プランジヤの単独操作時は旋回側の油が絞り機能
を有する弁を介してアーム側に供給されるので、
無用の圧力損失が発生する等の欠点がある。

本発明は前述した欠点に鑑みなされたもので、
その目的は制御油の無用な圧力損失と弁体の大型
化を伴わず円滑な同時操作をなしうる複合制御弁
を提供するにある。

以下本考案の一実施例を示す図について説明す
る。図において、１は複合制御弁、２は複合制御
弁の弁体であり、その弁体２にはプランジヤ孔
３、４、５、６が設けられており、これらの孔
３、４、５、６には図示しない走行モータを制御
するプランジヤ３ａ、ブームシリンダを制御する
プランジヤ４ａ、旋回モータを制御するプランジ
ヤ５ａ、およびアームシリンダを制御するプラン
ジヤ６ａが組み込まれている。７はリリーフ弁、
８は弁体２に設けた入口室、９はポンプ、１０は
出口室、１１はタンク、１２はセンタバイパス通
路（以下バイパス通路と称する）で前記プランジ
ヤ３ａないし９ａが図示の中立位置にあるとき前
記入口室８と出口室１０を連通する。１２ａ、１
２ｂはプランジヤ４ａと５ａ、５ａと６ａのバイ
パス通路を示している。１３は戻り通路、１４、
１５は供給通路、前記プランジヤ５ａに設けた孔
１６と１８および１７と１９とは図しない通路を
介して接続されている。２０、２１はモータ通路
である。

前記プランジヤ孔６にはその孔６を横切つてい
るバイパス通路１２ｂの環状室２２ａ、２２ｂが
図において左方へ所定量偏倚されており、その偏
倚した環状室２２ａ側の供給路１４に接続する環
状室を削除し、偏倚側に対し反対側（図において
右方）の環状室２３のみに限定された形状となつ
ている。２４、２５はシリンダ通路、前記プラン
ジヤ６ａには両端部に開口する段付を有する内部
通路２６、２７が設けられており、この内部通路
２６、２７に挿入されたポペツト２８、２９は内
部通路２６、２７の一側を閉じる図示しないプラ
グとの間に設けたバネ３０、３１により内側に押
されている。前記プランジヤ６ａに間隔を置いて
設けた横孔３２、３３と３４、３５は内部通路２
６、２７から外周面に開口している。

前記プランジヤ６ａには内部通路２６に連通す
る先止りの軸方向通路３７が設けられており、同
軸方向通路３７の内部通路２６側の近くと先止り
の先端部にはそれぞれ外周に開口する横孔３８と
絞り孔３６が設けられており、前記プランジヤ６
ａが右方位置へ切換つたとき横孔３８をバイパス
通路１２ｂの環状室２２ａに接続し、絞り孔３６
を供給通路１５の環状室２３に接続するようにな
つている。

次に本考案の作用について説明する。まず、下
流側のアーム用プランジヤ６ａを図示の中立位置
から右方位置に切換えると、プランジヤ６ａの横
孔３８は環状室２２ａに接続し、かつ絞り孔３６
は環状室２３に接続されるので、前記供給通路１
５の圧油は絞り孔３６、軸方向通路３７を介して
内部通路２６に流入し、かつバイパス通路１２の
圧油は横孔３８を介して内部通路２６に流入す
る。この流入した圧油はバネ３０に抗してポペツ
ト２８を押し開き横孔３２、シリンダ通路２４を
介してアームシリンダの一側に流入し、かつ戻り
油はシリンダ通路２５、横孔３５から内部通路２
７、バネ３１に抗してポペツト２９を押し開き戻
り通路１３に戻るのである。したがつて、供給通
路１５から絞り孔３６を介する軸方向通路３７の
ほかに、バイパス通路１２から横孔３８を介して
内部通路２６に流入する油とがあるので、上流側
の旋回プランジヤ５ａを横切つてアームプランジ
ヤ６ａへ供給される際、無用の圧力損失を生ずる
ことはない。

前記プランジヤ６ａを図示の中立位置から左方
位置に切換えると、供給通路１５の圧油は横孔３
５、シリンダ通路２５へ流入し、かつ戻り油はシ
リンダ通路２４から横孔３４、ポペツト２８を介
して戻り通路１３に戻り、他のプランジヤ５ａ、
４ａ、３ａと同様に作用する。

前記下流側のアーム用プランジヤ６ａを中立位
置から右方向へ切換え、旋回用プランジヤ５ａを
中立位置から右または左、例えば右方向の位置に
同時に切換えると、プランジヤ５ａの中央部のラ
ンドによりバイパス通路１２ａと１２ｂの接続が
断たれるので、バイパス通路１２からの通油は遮
断される。このためシリンダ通路２４への油量は
絞り孔３６を通過する少量に限定される。同時に
供給通路１４は孔１６と接続され、他方のモータ
通路２１は孔１７と接続されるので、前記供給通
路１４の圧油は孔１６、通路（図示せず）、孔１
８からさらにモータ通路２０を経て旋回モータの
一側に供給され、戻り油はモータ通路２１、孔１
７、通路（図示せず）、孔１９より戻り通路１３
に戻される。このようにバイパス通路１２からの
通油は遮断され、供給通路１５の圧油が絞り孔３
６からのみアームプランジヤ６ａに供給されるの
で、アームの負荷圧力の低いときでも絞り孔３６
で生ずる圧力損失だけ高く旋回に必要な圧力の圧
油を供給できる。

以上述べたように本考案によれば、少なくとも
一つの制御弁の供給通路の環状室とプランジヤを
細工するだけで、アームプランジヤと旋回プラン
ジヤとの間の供給通路に絞り機能を有する格別な
弁の設置を必要としないため弁体を大型化するこ
となく無用の圧力損失を伴わず円滑な同時操作を
なしうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す水平断面図であ
る。１……複合制御弁、２……弁体、３，４，
５，６……プランジヤ孔、６ａ……プランジヤ、
１２……バイパス通路、１３……戻り通路、１
４，１５……供給通路、２２ａ，２２ｂ，２３…
…環状室、２４，２５……シリンダ通路、２６，
２７……内部通路、３６……絞り孔、３７……軸
方向通路、３８……横孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 復数の平行なプランジヤ孔を有する弁体と、こ
   の孔に挿入され作動時にバイパス通路を閉じ、か
   つシリンダ通路と供給通路またはシリンダ通路と
   戻り通路のそれぞれに開口する横孔と該横孔を連
   通する内部通路を有するプランジヤを備えた複合
   制御弁において、少なくとも一つのプランジヤ孔
   に対しては一対の供給路のうち一側のみを連通さ
   せる環状室と、前記プランジヤ孔に挿入されたプ
   ランジヤには中立時でプランジヤ孔により閉じら
   れ、作動時で供給通路の環状室のみに開口する絞
   り孔と、同絞り孔に軸方向通路を介して接続され
   内部通路およびバイパス通路の環状室に開口する
   横孔とを有する複合制御弁。