JP4025883B2 - 射出成形金型及びその成形品 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車、電子機器用のオイル又はエアフィルター、厨房用品や水まわり品を含む日用雑貨品のフィルター、例えばすくい網、裏ごし器、並びに排水用水受け皿などの各種フィルターに利用できるプラスチック成形品を成形するための金型およびその成形品に関するもので、特に微細な網目フィルターの成形に適した金型装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種枠体部を有する網目状プラスチックフィルターは、微細であるがための成形の難しさから、一体成形ではなくインサート成形をするのが常識であった。しかし、インサート成形では工数が多くなることからコストアップになり、さらに枠体部分と網目との合わせが重要であり、そのため歩留まりが悪くなり、検査工程を厳密にする必要があった。その中で、一体成形を試みたものもあるが以下の欠点があった。
(1)熔融樹脂の注入圧力を低圧にして注入すれば、射出圧力の不足により材料が末端まで到達せず、ゲートから遠い部分では網目リブの一部が抜けたり欠けたりした。
(2)熔融樹脂の注入圧力を高圧にすれば、網目リブの抜けは改善されるものの、網目リブの場合はリブ間が閉塞されるバリが生じて、フィルターとしての機能を果たさず製造工程での圧力調整等も大変であった。そして、ピンポイントゲート方式の常識であるゲート径が0.8〜1.2φ程度で熔融樹脂を金型内に流し込もうとすると、非常に溝幅の狭い細溝に無理やり流し込むことになるので以下の欠点が生じた。
(3)流動性を良くするために樹脂温を上げる必要があり、そのために高温の熔融樹脂から発生するガスまたはエア金型内に滞留することで、どんなに注入圧力を高くしても熔融樹脂が細溝の末端までまわりきらないという欠点があった。
(4)また、射出圧力も高くする必要があったことから、そのために成形装置を大型化しなければならず、安価な汎用成形機では成形できなかった。
(5)さらに、流動性を良くするために樹脂温を上げる必要があり、そのために高価なホットランナーを採用したり、金型の温度調節を相当高めに設定する必要があった。
これら(1)から(5)の欠点を解決するために、本出願人は誘導帯を有するプラスチックフィルターまたは誘導帯溝を有する金型等の改良手段を以下の出願において提案済みである。
特公平第7−20677号、特開平6−126784号、特開平6−155531号、特開平7−52164号、特開平7−137166号、特開平7−284617号などがある。しかし、さらに成形性や歩留まりが良く、バリなども無い完全な成形品を得るためには、もう一段の工夫が必要であった。そのために、本発明は低圧成形で射出圧力を上げずに、かつ、ガスやエアを極力抑えるために樹脂温も常温とするために、ピンポイントゲートでの成形の常識である0.8〜1.2φのゲート径を1.5φ以上にしようとするものである。ピンポイントゲートの径が大きくなると、必ずゲートカットが必要になるとのことで1.2φ程度までが限度とするのが金型業界での常識であったが、成形品部分が蓄熱しにくい網目状の製品ではゲート部と成形品部との温度差が大きいことから網目フィルターにおいては、ゲート径を大きくしてもゲートカットが不要になる点に着目したものである。あえて先行技術として上げるとすれば、単にゲート径が大きいというものではプラスチック製のざるや薄板のボックス製品の成形に用いられるダイレクトゲート方式があるが、後工程として必ずゲートカットが必要となるので本発明の作用効果は奏し得ないものである。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
射出成形による狭いピッチの網目構造の製品、例えばエアコン用のフィルターやオイルフィルターの一体成形には、以下の課題がある。
(1)金型全体に熔融樹脂を均一に行き渡らせる金型構造が必要である。
(2)熔融樹脂の流動性を高める金型構造が必要である。
(3)熔融樹脂の流動性を高めるとともに、熔融樹脂のまわりにくい部分でのリブ抜けや厚肉部分でのヒケが生じにくい金型構造が必要である。そのためには、低圧成形が可能で、リブ抜けや厚肉部分でのヒケが生じず、かつ、別工程によるゲートカットも不要になるようにしなければならない。そこで本発明は、以下に述べる手段により従来の射出成形の欠点を解決しようとするものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明の金型は、以下のことを特徴とするものである。
請求項1においては、
上型と下型を押し合わせるとともにピンポイントゲートを介して熔融樹脂を注入することでプラスチック製品を成形する金型装置において、以下の構成であることを特徴とする射出成形金型。
(a)上型および/または下型に、縦および/または横方向の細溝として形成された網溝
(b)熔融樹脂の流入を容易にするために、上型および/または下型の網溝上に形成された網溝より太径または幅広の流動路溝
(c)流動路溝上に少なくともひとつ以上配置される、熔融樹脂を金型内に注入するためのピンポイントゲートであって、プラスチック製品の形状や大きさに合わせてゲート径を1.5φ以上に形成したピンポイントゲート
(d)上型および/または下型に、網溝を囲うように形成される枠体溝
請求項2においては、
前記流動路溝を十字状に形成するとともに、その交点上に熔融樹脂を金型内に注入するためのピンポイントゲートを配置したことを特徴とする前記請求項1記載の射出成形金型。
請求項3においては、
前記流動路溝を、ピンポイントゲートから金型内に注入される熔融樹脂を一旦蓄圧してから細溝へ流入させるために、その両端が枠体溝に直接接続されない網溝より太径または幅広の誘導帯溝としたことを特徴とする前記請求項1記載の射出成形金型。
請求項4においては、
ゲートから金型内に注入される熔融樹脂を網溝に均一に流入させるために、
枠体溝からゲート方向に向かって伸びる棒状で、かつ、前記網溝に直交する、網溝より太径または幅広の帯体溝を設けたことを特徴とする前記請求項1記載の射出成形金型。
請求項5においては、
前記流動路溝からの熔融樹脂の流動を枠体溝から迂回させるために、上型および/または下型の枠体溝上に少なくともひとつ以上形成し、かつ、流動路溝に対向するように前記枠体溝と流動路溝との間に配置された直方体状の段部からなる迂回壁を設けたことを特徴とする前記請求項1記載の射出成形金型。
【0005】
【発明の実施の形態】
【実施例】
図1は、本発明の網目構造を有するプラスチックフィルターの金型を一例にあげて示すものである。図1(a)は、本発明のプラスチックフィルター用金型の平面図を示すもので、上型1には縦方向のみの細溝5とそれを囲う形の枠体溝4が形成されている。さらに、細溝5の中間には熔融樹脂の流動を促進するための太径の流動路溝3が細溝5に直交するように形成され、その中心には熔融樹脂を金型内に注入するゲートであるピンポイントゲート11が設けられている。ピンポイントゲート11から流動路溝3に流入した熔融樹脂は、枠体溝4に向かって流れるとともにその左右の細溝5にも流れて、ストライプ状の枠付き網目フィルターができる。細溝5は一方向にしか形成されていないので、金型内の熔融樹脂の流動が細い溝の間で互いにぶつかり合うことがなく流動性が非常に良くなる。それに加えて、ピンポイントゲート11の径を太くすることで低圧成形を可能とし、これまでの成形機に対する負荷が大きく、そのために熔融樹脂の温度を高温にしたり射出圧力を高くする必要があったが、それらを不要としたものである。図1(b)は、上型1と下型2を押し合わせたときの断面図を示すものである。細溝5より太径または幅広の流動路溝3が互いに対向して押し合わされているが、成形品の種類によっては上型1または下型1のいずれかに設けても良い。上型1の上部には金型9があり、スプルー13が形成されている。4は枠体溝である。上型1と下型2に一方向の細溝5及び流動路溝3をそれぞれ対称に形成して押し合わす構成としたので、金型内の熔融樹脂の流動が溝の間で互いにぶつかり合うことがなく、流動が格段にスムースになる。その結果低い射出圧力でありながら、大面積の成形品や微細網目の成形品が歩留まり良く大量に成形が可能になる。本出願人の実験でも、通常200角や110角の格子状の網目フィルターを作ろうとした場合は射出圧力が100Kg以上必要であったものが、80Kg前後でも簡単にでき、また、通常200トン前後の型締力が必要であったものが、100トン未満の小さな型締力でも簡単にできてしまう。さらに一方向だけの溝の押し合わせなので格子状の溝とは異なり型離れも非常に良く、ショット数をあげることが可能となり短い成形時間で微細網目の成形品ができる。さらに、上記の利点を超えるものが、今回の本発明であるピンポイントゲート11の径を太くするということである。このことで、300角の大型プラスチックフィルターで、60から100メッシュ相当の網目であっても、以下の実験数値でバリやリブ抜けの無い商品になるフィルターが得られた。網目は、一方向だけの溝の押し合わせによるストライプ状のものではなく、あえて成形条件の厳しい格子状の溝によるメッシュ状のもので実験したものであるが、汎用の安価な成形機で十分に成形できることが立証できた。それは、以下のようにこれまでの成形の常識では考えられないような、低圧射出、低い樹脂温、低い型締での成形が可能になったということである。さらなる利点としては、型締があまくできるので通常は成形の障害になる金型内で発生するエアやガスが金型の押し切り面から逃げてゆくことでリブ抜けなどが無くなることである。
ピンポイントゲートに関する今までの常識では、その径は0.8〜1.2φ程度が限界と考えられていたが、それはゲート部と成形部との温度差が無い製品では成形後の後工程としてゲートカットをする必要があったからである。確かに微細な網目フィルター以外の成形品では生じる現象である。しかし、本発明のように微細な網目フィルターに適用した場合は、成形部が非常に微細なため冷却が早く、そのため比較的冷却の遅いゲート部との間にかなりの温度差ができることになり、それが非常に大きな剪断力となるのである。ピンポイントゲートの径が大きくなると低圧成形が可能になると理論的には分かっていても、ゲートカットが必ず必要となることからピンポイントゲートの径を大きくすることは全く顧みられなかったのである。また、それをやったとしても後述するような金型の種々の改善がなければできないことなので、これまでこの種の微細な網目フィルターが世にでなかったのも無理がないことである。したがって、現存している一体成形の網目フィルターは、網目の線径が1mm弱のものしかなく、それ以上の細い線径の場合は織布をプラスチック枠にインサート成形するタイプの製品しか無かった。
【0006】
図2(a)は、太径のピンポイントゲート11とともに、迂回壁10を設けた金型の平面図で、(b)は上型1と下型2のそれぞれの流動路溝3を同一の溝幅、同一の溝深さとして対称に配置した断面図を示すものである。熔融樹脂が流れ込みやすい枠体溝へ流れ込むのを一旦阻止するための壁を設けることで細溝への流入を優先し、網目の抜けを防止するための構造を示すものである。図3(a)は、上型1の枠体溝4と連通して帯体溝12を設けた金型の平面図で、(b)は上型1と下型2のそれぞれの流動路溝3を同一の溝幅、同一の溝深さとして対称に配置した断面図を示すものである。前記帯体12は、枠体溝4から中心に向かってその溝深さを徐々に浅くして形成するもので、枠体部4からの流入樹脂の網部5へ流れ込み過ぎないように規制するためのものである。この帯体12がないと網部5の中心部でバリが発生しやすくなる。図4(a)は、上型1の平面図であり、枠体4に連通した太径の流動路溝3を複数本設け、その交点に太径のピンポイントゲート11を複数形成したものである。図4(b)は、下型2の平面図を示すもので網溝5の周囲を囲うように枠体溝4を設けている。場合によっては、上型1または下型2のどちらか一方に設けるだけでも良い。本実施例のさらなる特長は、下型2には流動路溝3を設けていないことである。製品の形状にもよるが、流動路溝3が片面にしか無い場合は熔融樹脂同士のぶつかり合いが無くスムースに流れる利点もある。図5(a)(b)は、上型1と下型2のそれぞれに、対象に流動路溝3を設けたもので、さらにはピンポイントゲート11を流動路溝3の交点からずらして形成している。交点上にゲートがあると枠体溝4に早く熔融樹脂が回りやすく、それが折り返して網溝5の中心部に集中して来て、中心部でバリが発生しやすくなる。それを防ぐためにわざと熔融樹脂が流れにくい部分へゲートを設けるものである。この場合は、流動路溝3は上型1と下型2へ対称に配置されているほうが射出圧力を上げることなく網溝5の末端まで熔融樹脂を行き渡らせることができる。
【0007】
図6(a)は、流動路溝3を複数本設け、それら流動路溝3の交点に太径のピンポイントゲート11を複数形成したものである。図6(b)は、下型2の平面図を示すもので網溝5の周囲を囲うように枠体溝4を設けているが下型2には流動路溝3を設けていない実施例である。上型1に枠体4に連通した太径の流動路溝3を設けたので、熔融樹脂は枠体4溝にスムースに流れる作用をする。その流動路溝3と組み合わせて枠体4溝に連通しない太径または幅広の誘導帯溝6を設けたので、それが枠体溝4とは直接接続されずに行き止まりとなるので、そこで一定圧力を蓄えてからそのサイドに連通する網溝5に圧入され、熔融樹脂は網溝5の末端まで確実に流入するように働き、低圧成形で微細な網目を必要とする成形品の成形が可能となるという優れた効果を奏する。また、下型2には流動路溝3を設けていないので、上型1の流動路溝3との熔融樹脂の衝突がないため、枠体溝4への熔融樹脂の流入がスムースになり網溝5の中心への流動力が増し中心部分でのリブ抜けが生じない。図7(a)(b)は、枠体溝4への熔融樹脂の流入がさらにスムースになり網溝5の中心への流動力が増強されて中心部分でのリブ抜けが絶対に生じないようにするための他の変形実施例である。図7(a)のように、ピンポイントゲート11が設けられる流動路溝3を上型1に設けるとともに、図7(b)に示すように下型2にも主要な幹線流動路となる流動路溝3を上型1の流動路溝3と対称に設けたものである。その補助的な流動路溝として若干細目の補助流動路溝7を太径の幹線流動路溝の間に配置したものである。この補助的な補助流動路溝7により網溝5への熔融樹脂の流入が確実に行われる。特にストライプ状の網目の成形には有利である。ストライプ状の場合は、網溝5が一方向にしか切られていないために熔融樹脂の流動力がどうしても弱くなりリブ抜けが発生しやすくなる。これを補うのが補助流動路溝7である。さらに、流動路溝3に設けられるピンポイントゲート11を、複数の流動路溝3の交点上に設けず、その交点から若干ずれた位置に設ける。流動路溝3の交点にピンポイントゲート11を配置すると、熔融樹脂の流入がスムースになり過ぎて網溝5の中心への流動力が増強されて、逆に中心部分でバリが発生しやすくなる。例えば、熔融樹脂の材料を流動性の高いものに変えたときにこのような問題が発生する。その点、流動路溝3の交点以外の場所にピンポイントゲート11を配置すると、熔融樹脂の流入がスムースになり過ぎるという現象はおきにくくなり、網溝5の中心部分でバリが発生しやすくなることは防止できる。
【0008】
図8は、誘導帯溝6のみで構成した他の変形実施例である。従来より誘導帯溝6についての出願を多数行なっているが、今回の発明である太径のピンポイントゲートにも適用したものである。図8(a)に示すように、上型1には複数の誘導帯溝6が交差して設けられており、その交点には太径のピンポイントゲート11が設けられている。この実施例は、網目の開口率を上げる場合に有効な形状であり、なるべく太径の流動路や誘導帯の占有面積を小さくしようとするものである。図8(b)は、流動路溝や誘導帯溝を設けずに、上型1の誘導帯溝6からの熔融樹脂の流れをスムースにしようとするものである。図9(a)は、上型1に複数の誘導帯溝6が交差して設けられており、その交点には太径のピンポイントゲート11が設けられているが、さらに図9(b)に示すように、下型2には十文字状に太径の流動路溝3を設けたものである。太径の流動路溝3は誘導帯溝6とは重なり合わない位置に形成しているので、上型1の誘導帯溝6からの熔融樹脂の流れはスムースになる。それに加えて、下型2の流動路溝3により枠体溝4への流入がスムースになり網目の形成に必要な流動力が強くなる。
【0009】
図10(a)は、図6(a)と同様に、流動路溝3と組み合わせて枠体4溝に連通しない太径または幅広の誘導帯溝6を設けたので、それが枠体溝4とは直接接続されずに行き止まりとなり、そこで一定圧力を蓄えてからそのサイドに連通する網溝5に圧入され、熔融樹脂は網溝5の末端まで確実に流入する。さらに、流動路溝3に設けられるピンポイントゲート11を、複数の流動路溝3の交点上に設けず、その交点から若干ずれた位置に設ける。流動路溝3の交点にピンポイントゲート11を配置すると、熔融樹脂の流入がスムースになり過ぎて網溝5の中心への流動力が増強されて、逆に中心部分でバリが発生しやすくなる。例えば、熔融樹脂の材料を流動性の高いものに変えたときにこのような問題が発生する。その点、流動路溝3の交点以外の場所にピンポイントゲート11を配置すると、熔融樹脂の流入がスムースになり過ぎるという現象はおきにくくなり、網溝5の中心部分でバリが発生しやすくなることは防止できる。ここまでは図7(a)と同様であるが、本実施例は複)の流動路溝の交点から少しはずれた位置に配置されたピンポインゲート11を、さらに枠体溝方向に近い流動路溝上に設)たことを特徴とするものである。これは、熔融樹脂のフィルター中心方向への流入がスムースになり過ぎるのを防止するためのものである。中心へ向かおうとする熔融樹脂を他の流動路溝が障害物の役割を果たして、網溝5の中心部分でバリが発生するのを防止できる。図10(b)は、下型2に流動路溝や誘導帯溝を設けずに、上型1の流動路溝3や誘導帯溝6からの熔融樹脂の流れをスムースにしようとするものである。このようにすると熔融樹脂の乱流は防げる。
【発明の効果】
本発明は以上のように、ピンポイントゲートを常識はずれの1.5φ以上にしたので、低圧成形であるにもかかわらず金型内の熔融樹脂の流動が格段にスムースになり、大型の一体成形プラスチックフィルターが製造可能になる。以下請求項に対応して効果を述べる。
(請求項1)
流動路溝上に配置されるピンポイントゲートのゲート径を1.5φ以上に形成したので、低い射出圧力、小さな型締力、短い成形時間でありながら、大面積の成形品や微細網目の成形品が歩留まり良く大量に成形が可能になるという極めて大きな効果を奏する。
(請求項2および請求項3)
流動路溝を十字状に形成するとともに、その交点上に熔融樹脂を金型内に注入するためのピンポイントゲートを配置したり、両端が枠体溝に直接接続されない網溝より太径または幅広の誘導帯溝としたことで、金型内の熔融樹脂の流動性や流動力を飛躍的に高める効果がある。
(請求項4)
ゲートから金型内に注入される熔融樹脂を網溝に均一に流入させるために、枠体溝からゲート方向に向かって伸びる棒状で、かつ、前記網溝に直交する、網溝より太径または幅広の帯体溝を設けたので、枠体溝からの網目部分への熔融樹脂の流動力を飛躍的に高める効果がある。
(請求項5)
前記流動路溝からの熔融樹脂の流動を枠体溝から迂回させるために、上型および/または下型の枠体溝上に少なくともひとつ以上形成し、かつ、流動路溝に対向するように前記枠体溝と流動路溝との間に配置された直方体状の段部からなる迂回壁を設けたので、熔融樹脂は、本来は流れやすい幅広の枠体溝へすぐには流れ込めず、メッシュフィルターを構成する網溝の方へと先に流れ、網目部分でのリブ抜けの現象を防止するという効果を有する。
以上種々の実施例を挙げて説明したが、本発明の原理を利用した他の実施例についても本発明の保護の対象になることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明射出成形金型の平面図と断面図である。
【図2】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図と断面図である。
【図3】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図と断面図である。
【図4】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図である。
【図5】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図である。
【図6】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図である。
【図7】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図である。
【図8】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図である。
【図9】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図である。
【図10】本発明射出成形金型の他の変形実施例の平面図である。
【符号の説明】
1 上型 2 下型 3 流動路溝
4 枠体溝 5 網溝 6 誘導帯溝
7 補助流動路溝 8 空間部 9 金型
10 迂回壁 11 ピンポイントゲート 12 帯体溝
13 スプルー
Claims (5)
- 上型と下型を押し合わせるとともにピンポイントゲートを介して熔融樹脂を注入することでプラスチック製品を成形する金型装置において、以下の構成であることを特徴とする射出成形金型。
(a)上型および/または下型に、縦および/または横方向の細溝として形成された網溝
(b)熔融樹脂の流入を容易にするために、上型および/または下型の網溝上に形成された網溝より太径または幅広の流動路溝
(c)流動路溝上に少なくともひとつ以上配置される、熔融樹脂を金型内に注入するためのピンポイントゲートであって、プラスチック製品の形状や大きさに合わせてゲート径を1.5φ以上に形成したピンポイントゲート
(d)上型および/または下型に、網溝を囲うように形成される枠体溝 - 前記流動路溝を十字状に形成するとともに、その交点上に熔融樹脂を金型内に注入するためのピンポイントゲートを配置したことを特徴とする前記請求項1記載の射出成形金型。
- 前記流動路溝を、ピンポイントゲートから金型内に注入される熔融樹脂を一旦蓄圧してから細溝へ流入させるために、その両端が枠体溝に直接接続されない網溝より太径または幅広の誘導帯溝としたことを特徴とする前記請求項1記載の射出成形金型。
- ゲートから金型内に注入される熔融樹脂を網溝に均一に流入させるために、枠体溝からゲート方向に向かって伸びる棒状で、かつ、前記網溝に直交する、網溝より太径または幅広の帯体溝を設けたことを特徴とする前記請求項1記載の射出成形金型。
- 前記流動路溝からの熔融樹脂の流動を枠体溝から迂回させるために、上型および/または下型の枠体溝上に少なくともひとつ以上形成し、かつ、流動路溝に対向するように前記枠体溝と流動路溝との間に配置された直方体状の段部からなる迂回壁を設けたことを特徴とする前記請求項1記載の射出成形金型。
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