JP4025590B2 - 可変動弁機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の運転状況に応じてバルブのリフト量及び作用角を連続的に又は段階的に変化させる可変動弁機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の可変動弁機構としては、図9に示すように、二つのロッカアーム61の近傍に、円筒状の支持シャフト62が設けられ、支持シャフト62の周りに回転カム(図示略)により押圧されるローラ63が軸着された第一介在部材64と、第一介在部材64の左右に位置して二つのロッカアーム61をそれぞれ押圧する押圧部65を備えた二つの第二介在部材66とが回動可能に軸着され、第一介在部材64と二つの第二介在部材66との相対角度を変化させて、二つのロッカアーム61によりそれぞれ押圧される二つのバルブ71のリフト量及び作用角を変化させる相対角度制御機構が設けられているものが知られている(特開2001−263015公報)。
【0003】
相対角度制御機構は、第一介在部材64と第二介在部材66との内側に形成されたスプライン67,68が噛み合うように設けられたスライダギヤ69を、支持シャフト62の中央部に摺動可能に挿通されたコントロールシャフト70を介してスライドさせることにより第一介在部材64と第二介在部材66との相対角度が変えられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の可変動弁機構の場合、次のような問題があった。
(1)二つの押圧部65が二つに別体形成された第二介在部材66にそれぞれ形成されていたために、二つのバルブ71間のリフト量にばらつきが生じやすくかった。そうなった場合、特に微小リフト時にはリフト量に対してばらつきの量が大きくなって内燃機関の燃焼が不安定になった。また、第一介在部材64と第二介在部材66との幅を狭くするのに限界があり小型エンジンへの搭載が難しかった。
(2)部品点数が多く、原材料コスト及び生産コストに検討の余地があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、コンパクトであるとともに左右のバルブのリフト量にばらつきがでない安価な可変動弁機構を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の可変動弁機構は、回転カムに押圧されて往復動する第一介在部材と、第一介在部材とともに往復動してロッカアームを押圧して該ロッカアームを揺動させることを介してバルブを押圧してリフトさせる第二介在部材とを相対変位可能に結合した可変動弁機構において、第一介在部材と第二介在部材とが一つずつ設けられるとともに両方ともに略カップ状に形成され、互いのカップ開放端部が相対回転可能に内外周に嵌合することにより相対角度変化可能となっており、バルブ及び各バルブを押圧するロッカアームがそれぞれ複数設けられ、第二介在部材に、該第二介在部材の下側から前記第一介在部材の下方へかけて延びるとともに、複数のロッカアームのカム対応部間にかかって該カム対応部を押圧しうるように連続して延びる押圧部が設けられたことを特徴としている。なお、カム対応部とは、回転カムに第一介在部材と第二介在部材とをその順に介して対応し押圧される部位という意味である。
【0007】
カム対応部は、固定された硬質チップでも回転可能なローラでもよい。但し、摺動抵抗や摩耗を考慮すると、ロッカアームに回転可能に軸着されたローラが好ましい。
【0008】
第一介在部材と第二介在部材とは、特に限定されないが、1本の支持シャフトに小角度回転可能に軸着され、第一介在部材が第二回転カムにより押圧されるカム摺接部を備えたものが好ましい。また、この場合の押圧部の形状は、特に限定されないが、ベース時には第一介在部材と第二介在部材との相対変位量に関わらずロッカアームを揺動開始位置に留めてバルブが常に閉じた状態に保つように、支持シャフトを中心とした円弧面状に形成されていることが好ましい。
【0009】
カム摺接部は、固定された硬質チップでも回転可能なローラでもよい。但し、摺動抵抗や摩耗を考慮すると、第一介在部材に回転可能に軸着されたローラが好ましい。
【0010】
ロッカアームは、二つ設けられていても三つ以上設けられていてもよい。本発明の可変動弁機構を吸気バルブに適用する場合は、吸気効率や可変動弁機構を設けるスペース等を考慮してロッカアームの数が適宜選定される。また、本発明の可変動弁機構を排気バルブに適用する場合は、排気効率や可変動弁機構を設けるスペース等を考慮してロッカアームの数が適宜選定される。
【0011】
ここで、ロッカアームは、次のいずれのタイプでもよい。
(1)ロッカアームの一端部に揺動中心部があり、中央部にカム対応部があり、他端端にバルブ押圧部があるタイプ(いわゆるスイングアーム)。
(2)ロッカアームの中央部に揺動中心部があり、一端部にカム対応部があり、他端端にバルブ押圧部があるタイプ。
【0012】
ロッカアームとシーソアームとが同一面内で揺動する場合、そのシーソアームがロッカアームからはみ出しにくくスペース効率が良い点で、本発明は上記(1)のタイプに具体化することが好ましい。すなわち、ロッカアームは、その一端部に揺動中心部があり、中央部にカム対応部があり、他端端にバルブ押圧部があるタイプであり、該カム対応部に前記シーソーアームを軸着したものが好ましい。
【0013】
揺動中心部としては、次の二態様を例示できる。
(a)揺動中心部はピボットに支持された凹球面部である態様。
(b)揺動中心部はロッカシャフトに揺動可能に軸支された軸穴部である態様。
【0014】
揺動中心部としてのピボットにはネジによるタペットクリアランス調整機構が設けられることが好ましい。例えば上記(a)の態様では、ピボットに設けた雄ネジをピボット支持材に設けた雌ネジに螺入量調節可能に螺入するようにしたタペットクリアランス調整機構を例示できる。
【0015】
相対変位制御装置は、特に限定されないが、ヘリカルスプライン機構と、油圧を用いた駆動部と、マイクロコンピュータ等の制御装置とを備えたものを例示できる。
【0016】
なお、本発明の可変動弁機構は、吸気バルブ又は排気バルブの何れか一方に適用することもできるが、両方に適用することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施した可変動弁機構の第一実施形態例について、図1〜図7を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、この可変動弁機構には回転カム10を形成した1本のカムシャフト11が回転可能に軸支されている。回転カム10はベース円10aと、突出量が漸増するノーズ漸増部10bと、略同一突出量で広角度に続くノーズ10cと、突出量が漸減するノーズ漸減部10dとからなっている。
【0018】
カムシャフト11の下方には、スイングアームタイプのロッカアーム1が複数(図示例では二つ)のバルブ6及び各バルブ6に対応して複数(図示例では二つ)設けられている。各ロッカアーム1の一端部は同部に形成された凹球面部2がピボット3に支持されてなる揺動中心部となっている。また、各ロッカアーム1の他端下部には、バルブ押圧部5が凹設され、該バルブ押圧部5によりバルブ6がその基端部において押圧されるようになっている。
【0019】
各ロッカアーム1の中央部に形成されたローラ配置穴8には、カム対応部としての第一ローラ7が、ロッカアーム1の上面からやや突出するようにそれぞれ配され、該第一ローラ7はアーム側壁と直交する軸の周りに回転可能に軸着されている。
【0020】
ピボット3の軸下部に設けられた雄ネジは、ピボット支持材4に設けられた雌ネジに螺入量調節可能に螺入されて、タペットクリアランス調整機構が構成されている。
【0021】
二つのロッカアーム1と回転カム10との間には、一本の円筒状の支持シャフト20が配され、図示しない軸支部材により回転しないように軸支されている。支持シャフト20の外周には、回転カム10に押圧されて往復動する第一介在部材30と、第一介在部材30とともに往復動してロッカアーム1を押圧して該ロッカアーム1を揺動させることを介してバルブ6を押圧してリフトさせる第二介在部材40とが一つずつ小角度回転可能に軸着されるとともに該第一介在部材30と該第二介在部材40とが相対角度変化可能に結合されている。
【0022】
第一介在部材30と第二介在部材40とは、両方ともに略カップ状に形成されるとともに小角度回転可能に且つ支持シャフト20の長手方向には動かないように軸着され、図示しない部材により第一介在部材30と第二介在部材40とは図4における左回転方向に付勢されている。第一介在部材30と第二介在部材40とは、互いのカップ開放端部が相対回転可能に内外周(図示例では第二介在部材40が内周側)に嵌合することにより相対角度変化可能となっており、さらに後述するスライダ50を介して結合されている。
【0023】
第二介在部材40の下側には、略接線方向に延びるとともに二つのロッカアーム1の第一ローラ7間にかかって該第一ローラ7を押圧しうるように連続して延びる押圧部41が設けられている。
【0024】
押圧部41は、左側の第一ローラ7から右側の第一ローラ7までの距離と略同一の長さを備え、該押圧部41の下面には、基端寄りの位置に支持シャフト20と同軸の円弧面状に形成された円弧面部42と、先端寄りの位置に円弧面部42から滑らかに繋がるとともに第一ローラ7の半径よりも大きい曲率半径の凹曲面状に形成された凹面部44と、円弧面部42と凹面部44との境界となる境界部43とが設けられている。
【0025】
従って、第二介在部材40が小角度回転するとき、押圧部41の二つの第一ローラ7に対する当接位置は円弧面部42から境界部43を経て凹面部44へと滑らかに移動可能で、逆方向にも滑らかに移動できるようになっている。また、二つの第一ローラ7に対する押圧部41の当接位置が変わっても、凹面部44はその略垂線方向に第一ローラ7を押圧するようになっている。
【0026】
第一介在部材30の外周面には半径方向に延びる一対のローラ支持部31が突設されている。一対のローラ支持部31の間には、回転カム10に押圧されるカム摺接部としての第二ローラ32が配され、該第二ローラ32はローラ支持部31の側壁と直交する軸の周りに回転可能に軸着されている。
【0027】
第一介在部材30び第二介在部材40のカップ内には、図3に示すように、略円筒状のスライダ50が支持シャフト20に摺回動可能に外挿されている。第一介在部材30の内径が第二介在部材40の内径よりも大きいことに対応して、スライダ50の第一介在部材30に対応する部分の外径が第二介在部材40に対応する部分の外径よりも大きくなっている。
【0028】
スライダ50の内周面には環状溝51が形成され、該環状溝51には次に述べるコネクトピン52が係合している。すなわち、支持シャフト20の内部には円柱状のコントロールシャフト21が摺動可能に挿通され、コントロールシャフト21の一箇所には半径方向に突出するコネクトピン52が螺着されている。コントロールシャフト21の摺動によるコネクトピン52の変位を許容するために、支持シャフト20の一箇所には長さ方向に延びてコネクトピン52を挿通させる長孔22が貫設されている。長孔22を挿通したコネクトピン52の先端部が前記環状溝51に係合することにより、スライダ50はコントロールシャフト21と共に長さ方向に摺動可能になっているとともに、回転方向にはコントロールシャフト21と無関係に回転可能となっている。この回転が第一介在部材30及び第二介在部材40の小角度回転を許容する。
【0029】
スライダ50の外周面の第一介在部材30に対応する部分と第一介在部材30の内周面とには、互いに係合するストレートスプライン33,34が切られている。また、スライダ50の外周面の第二介在部材40に対応する部分と第二介在部材40の内周面とには、互いに係合するヘリカルスプライン45,46が切られている。図示簡略化のため、図3にはヘリカルスプライン45,46もストレートのように描いているが、実際はヘリカルである。このようにスライダ50がスプラインを介して第一介在部材30及び第二介在部材40の両者に係合していることで、第一介在部材30と第二介在部材40とは前記の通り相対角度変化可能に結合されている。
【0030】
コントロールシャフト21は図示しない油圧機構により長さ方向に移動するようになっている。これらの油圧機構、コントロールシャフト21、コネクトピン52、スライダ50、ヘリカルスプライン45,46が、第一介在部材30に対する第二介在部材40の相対角度を内燃機関の運転状況に応じ連続的に又は段階的(好ましくは三段階以上、さらに好ましくは四段階以上の多段階)に変えてバルブ6のリフト量及び作用角を変化させる相対角度制御装置を構成している。すなわち、コントロールシャフト21が長さ方向に移動すると、コネクトピン52を介してスライダ50が移動し、このときストレートスプライン33,34により第一介在部材30は回転しないのに対して、ヘリカルスプライン45,46により第二介在部材40は小角度回転するため、第一介在部材30に対する第二介在部材40の相対角度をずらすことができる。相対角度変化は、内燃機関の回転センサやアクセル開度センサ等からの検知値に基づいてマイクロコンピュータ等の制御装置により制御されるようになっている。
【0031】
上記の構成により、回転カム10が回転して第一介在部材30を押圧すると第一介在部材30と共に第二介在部材40が支持シャフト20の周りを小角度回転し、第二介在部材40の押圧部41が二つの第一ローラ7を一度に押圧することにより、二つのロッカアーム1がばらつくことなく同期して揺動させられるようになっている。また、第一介在部材30と第二介在部材40とは、図示しない部材により左回転方向に付勢されているので、常に回転カム10に第二ローラ32を摺接させるようになっている。
【0032】
従って、第二ローラ32が回転カム10のベース円10aに摺接しているとき(いわゆるベース時に)は、第一介在部材30は小角度回転開始位置に停滞している。しかし、第二ローラ32がノーズ漸増部10bに当接し始めると、回転カム10の突出量が増加するので第一介在部材30は図1の右回転方向に小角度回転を開始し、回転カム10の回転が進むにつれて第一介在部材30の小角度回転が継続する。
【0033】
その後、第二ローラ32の回転カム10に対する当接位置がノーズ10cに移行する(いわゆるノーズ時になる)と、第一介在部材30の小角度回転は停止して第一介在部材30は小角度回転終了位置に到達する。さらに回転カム10の回転が進み第二ローラ32の当接位置がノーズ漸減部10dに至ると、回転カム10の突出量が減少するので第一介在部材30は左回転を開始して、第二ローラ32の当接位置がベース円10aに戻るときには第一介在部材30は小角度回転開始位置に復帰するようになっている。即ち、第一介在部材30は小角度回転開始位置から小角度回転終了位置までの往復動を繰り返し、第二介在部材40も第一介在部材30と共に往復動を繰り返すことになる。
【0034】
また、相対角度制御装置によって第一介在部材30に対する第二介在部材40の相対角度をずらすと、第二介在部材40の小角度回転開始位置及び小角度回転終了位置も同角度分だけ同方向にずれる。これは小角度回転開始位置にある第二介在部材40の位置から、第一ローラ7を境界部43に摺接させ始める第二介在部材40の位置までの角度差を変えることになる。この角度差を小さくするほど、第一介在部材30が小角度回転し始めてから第一ローラ7が境界部43に摺接し始めるまでの時間が短いことを意味する。即ち、第一介在部材30に対する第二介在部材40の相対角度をずらすことにより、第一ローラ7の押圧部41に対する当接位置を変化させて第一ローラ7の押圧量を変えてロッカアーム1の押圧量及び作用角を変えることができるようになっている。
【0035】
以上のように構成された可変動弁機構は、次のように作用する。
まず、図4(a)→(b)は、最大リフト量・最大作用角が必要な運転状況下における第一介在部材30及び第二介在部材40の相対角度とそれによる作用を示している。
図4(a)に示すように、回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がベース円10aの位置(いわゆるベース時)であるとき、第一介在部材30及び第二介在部材40は小角度回転開始位置に停滞している。第一介在部材30と第二介在部材40とは、バルブ6が最大リフト量・最大作用角となるように相対角度が制御されており、第二ローラ32に対して押圧部41が最も下がった位置に制御されている。このとき二つのロッカアーム1に軸着された二つの第一ローラ7は、第二介在部材40の押圧部41の境界部43付近にそれぞれ当接して最上位置にある。このとき各ロッカアーム1は最上位置に停滞しており、二つのバルブ6のリフト量Lは0である。
【0036】
次に、図4(a)から図4(b)までの間、すなわち回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がベース円10aからノーズ漸増部10bに変位するときには、第二ローラ32が回転カム10により下方に押圧を受け、第一介在部材30は右回転方向に揺動を開始するとともに第二介在部材40も第一介在部材30とともに揺動を開始する。このとき、第二介在部材40の押圧部41が二つの第一ローラ7に対する当接位置を境界部43から凹面部44側に変位させながら二つの第一ローラ7を下方へ押圧し始める。二つのロッカアーム1は、二つの第一ローラ7がそれぞれ押圧され始めるのに対応して各ピボット3を中心として下方へ揺動を開始し、バルブ押圧部5が二つのバルブ6を下方に押圧して各バルブ6がリフトされ始める。
【0037】
次に、図4(b)に示すように、回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がノーズ10cの位置(いわゆるノーズ時)であるとき、第二ローラ32は回転カム10により最大押圧を受けて最大押下位置に到達する。これに伴って、第一介在部材30及び第二介在部材40は、小角度回転終了位置に到達する。このとき第二介在部材40の押圧部41が二つの第一ローラ7に対する当接位置を凹面部44の先端付近にまで変位させながら二つの第一ローラ7を下方へ最大押圧する。このとき、二つのロッカアーム1は下方へ最大揺動し、二つのバルブ6のリフト量Lは増加して最大値Lmaxに達する。また、ベース時に既に第一ローラ7が境界部43付近に当接しており、第二介在部材40の小角度回転開始位置から小角度回転終了位置までの広い範囲で二つのバルブ6がリフトされるようになっていることから作用角も最大となる。
【0038】
次に、図5(a)→(b)は、微小リフト量・微小作用角が必要な運転状況下における第一介在部材30及び第二介在部材40の相対角度とそれによる作用を示している。
図5(a)に示すように、回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がベース円10aの位置(いわゆるベース時)であるとき、第一介在部材30及び第二介在部材40は小角度回転開始位置に停滞している。第一介在部材30と第二介在部材40とは、二つのバルブ6が微小リフト量・微小作用角となるように相対角度が制御されており、第二ローラ32に対して押圧部41が最も上がった位置付近に制御されている。このとき二つのロッカアーム1に軸着された二つの第一ローラ7は、円弧面部42の境界部43寄りの位置にそれぞれ当接して最上位置にあり、各ロッカアーム1は最上位置に停滞しており二つのバルブ6のリフト量Lは0である。
【0039】
次に、図5(a)から図5(b)までの間、すなわち回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がベース円10aからノーズ漸増部10bに変位するときには、第二ローラ32が回転カム10により下方に押圧を受け、第一介在部材30は右回転方向に揺動を開始するとともに第二介在部材40も第一介在部材30とともに揺動を開始する。このとき、第二介在部材40の押圧部41が二つの第一ローラ7に対する当接位置を円弧面部42から凹面部44に向かって変位させ、当接位置が凹面部44に移行し始めると二つの第一ローラ7は下方へ押圧され始める。二つのロッカアーム1は、二つの第一ローラ7が凹面部44により押圧され始めると各ピボット3を中心として下方へ揺動を開始し、二つのバルブ押圧部5が二つのバルブ6を下方に押圧して各バルブ6がリフトされ始める。
【0040】
次に、図5(b)に示すように、回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がノーズ10cの位置(いわゆるノーズ時)であるとき、第二ローラ32は回転カム10により最大押圧を受けて最大押下位置に到達する。これに伴って、第一介在部材30及び第二介在部材40は、小角度回転終了位置に到達する。このとき第二介在部材40の押圧部41が二つの第一ローラ7に対する当接位置を凹面部44の中央付近まで変位させながら二つの第一ローラ7を下方へ押圧する。このとき、二つのロッカアーム1は下方へ微小揺動し、二つのバルブ6のリフト量Lは微小増加してL1となる。また、一つの第二介在部材40が二つのロッカアーム1を一度に押圧しているので、二つのバルブ6は、バルブ6間のリフト量をばらつかせることなくリフトされ、微小リフト時にもかかわらず内燃機関の燃焼が安定する。また、ベース時に二つの第一ローラ7が円弧面部42の境界部43寄りの位置に当接しており、二つのバルブ6は第二介在部材40が小角度回転終了位置付近まで小角度回転しなければリフトされないようになっていることから作用角が微小となる。
【0041】
なお、図4と図5との中間的なリフト量・作用角が必要な運転状況下では、図4と図5との中間的な第一介在部材30及び第二介在部材40の相対角度が相対角度制御装置により連続的に又は多段階的に作られ、図7に示すように中間的なリフト量・作用角が連続的に又は多段階的に得られる。
【0042】
次に、図6(a)→(b)は、リフト休止が必要な運転状況下における第一介在部材30及び第二介在部材40の相対角度とそれによる作用を示している。
図6(a)に示すように、回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がベース円10aの位置(いわゆるベース時)であるとき、第一介在部材30及び第二介在部材40は小角度回転開始位置に停滞している。第一介在部材30と第二介在部材40とは、リフト休止となるように相対角度が制御されており、第二ローラ32に対して押圧部41が最も上がった位置に制御されている。このとき二つのロッカアーム1に軸着された二つの第一ローラ7は、円弧面部42の略中央にそれぞれ当接して最上位置にあり、二つのロッカアーム1は最上位置に停滞しており二つのバルブ6のリフト量Lは0である。
【0043】
次に、図6(a)から図6(b)までの間、すなわち回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がベース円10aからノーズ漸増部10bに変位するときには、第二ローラ32が回転カム10により下方に押圧を受け、第一介在部材30は右回転方向に揺動を開始するとともに第二介在部材40も第一介在部材30とともに揺動を開始する。このとき、第二介在部材40の押圧部41が二つの第一ローラ7に対する当接位置を円弧面部42の略中央から境界部43に向かって変位させるが、当接位置が円弧面部42内であり二つの第一ローラ7は変位しない。二つのロッカアーム1は、二つの第一ローラ7が変位しないので揺動せず、二つのバルブ6はリフトし始めない。
【0044】
次に、図6(b)に示すように、回転カム10の第二ローラ32に対する当接位置がノーズ10cの位置(いわゆるノーズ時)であるとき、第二ローラ32は回転カム10により最大押圧を受けて最大押下位置に到達する。これに伴って、第一介在部材30及び第二介在部材40は、小角度回転終了位置に到達する。このとき第二介在部材40の押圧部41が二つの第一ローラ7に対する当接位置を円弧面部42から凹面部44に向かって変位させるものの円弧面部42の境界部43寄りの位置又は境界部43に変位させるに留まるので二つの第一ローラ7は変位しない。このとき、二つのロッカアーム1は揺動せず、二つのバルブ6はリフト休止となってリフト量及び作用角は0となる。
【0045】
従って、本実施形態の可変動弁機構によれば、一つの第二介在部材40が二つのロッカアーム1を一度に押圧して、二つのロッカアーム1がばらつくことなく同期して揺動させられるので二つのバルブ6は、バルブ6間のリフト量をばらつかせることなくリフト量及び作用角を連続的に変化させられる。また、従来二つあった第二介在部材40が一つになるので可変動弁機構がコンパクトになるとともに部品点数が減るので可変動弁機構を安価にすることができる。
【0046】
次に、本発明を実施した第二実施形態について、図8を参照して第一実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態の可変動弁機構は、支持シャフトに対するカムシャフトの位置とカム摺接部の位置とその構成においてのみ第一実施形態と相違するものである。
【0047】
すなわち、本実施形態の可変動弁機構は、図8に示すように、支持シャフト20の左側であって支持シャフト20よりもやや低い位置にカムシャフト11が移設されている。また、それに伴って、カム摺接部としての突設部35が第一介在部材30の左側に半径方向に延びるように設けられている。従って、カムシャフト11が回転すると、回転カム10が突設部35を上方に向かって押圧することを介して第一介在部材30を支持シャフト20の周りに小角度回転させるようになっている。
【0048】
本実施形態では、カムシャフト11が支持シャフト20の左側に移設されたことで可変動弁機構の横方向に対する占有スペースが同等若しくは若干増大する場合があるものの、カムシャフト11が支持シャフト20よりもやや低い位置に移設されることで可変動弁機構の高さ方向に対する占有スペースを縮小することができる。
【0049】
従って、本実施形態の可変動弁機構によれば、カムシャフトの位置とカム摺接部の位置とその構成が異なるものの基本的には第一実施形態と同様である。そして本実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、可変動弁機構の高さ方向における占有スペースを縮小することができる。
【0050】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。
(1)相対角度制御装置の構成や制御の仕方を適宜変更すること。
(2)中央部に揺動中心部のあるロッカアームとすること。
(3)押圧部の形状を適宜変更すること。
【0051】
【発明の効果】
本発明の可変動弁機構は、上記の通り構成されているので、コンパクトであるとともに左右のバルブのリフト量にばらつきがでず、また安価であるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る可変動弁機構を示す斜視図である。
【図2】図1の角度を変えて描写した斜視図である。
【図3】同機構における相対角度制御装置の主要部を示す断面図である。
【図4】最大リフト量・作用角が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図5】微小リフト量・作用角が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図6】リフト休止が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図7】同機構により得られるバルブのリフト量及び作用角を示すグラフである。
【図8】本発明の第二実施形態に係る可変動弁機構を示す一部破断斜視図である。
【図9】従来例の可変動弁機構を示す一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1 ロッカアーム
7 カム対応部としての第一ローラ
10 回転カム
12 バルブ
30 第一介在部材
40 第二介在部材
41 押圧部
Claims (4)
- 回転カムに押圧されて往復動する第一介在部材と、第一介在部材とともに往復動してロッカアームを押圧して該ロッカアームを揺動させることを介してバルブを押圧してリフトさせる第二介在部材とを相対変位可能に結合した可変動弁機構において、
前記第一介在部材と第二介在部材とが一つずつ設けられるとともに両方ともに略カップ状に形成され、互いのカップ開放端部が相対回転可能に内外周に嵌合することにより相対角度変化可能となっており、
前記バルブ及び各バルブを押圧する前記ロッカアームがそれぞれ複数設けられ、
前記第二介在部材に、該第二介在部材の下側から前記第一介在部材の下方へかけて延びるとともに、前記複数のロッカアームのカム対応部間にかかって該カム対応部を押圧しうるように連続して延びる一つの押圧部が設けられたことを特徴とする可変動弁機構。 - 前記カム対応部が、前記ロッカアームに回転可能に軸着されたローラである請求項1記載の可変動弁機構。
- 前記第一介在部材と第二介在部材とが1本の支持シャフトに小角度回転可能に軸着され、
前記第一介在部材が前記回転カムにより押圧されるカム摺接部を備えた請求項1又は2記載の可変動弁機構。 - 前記カム摺接部が、前記第一介在部材に回転可能に軸着されたローラである請求項3記載の可変動弁機構。
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