JP4025150B2 - 発電セルの駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素を電極反応物質とする酸素還元複合電極に関する。特に、本発明の酸素還元複合電極は、酸素の還元反応を正極反応として用いる亜鉛―空気電池、アルミニウム―空気電池、砂糖―空気電池などの空気電池や、酸素水素燃料電池、メタノール燃料電池などの燃料電池など電気化学デバイスの酸素極あるいは空気極などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸素(O2)を電解還元すると、1電子還元ではスーパーオキシドの生成や、2電子還元では過酸化水素の生成、4電子還元では水が生成することが知られている(JACEK KIPKOWSKI, PHILIP N. ROSS編集、 ELECTROCATALYSIS、 WILEY-VCH 出版、1998年、204−205頁)。酸素の還元反応を電池の正極反応として用い、大容量で、高電圧でしかも高電流の電池などの電気化学デバイスを得るには、できるだけ多くの電子移動を伴う酸素の電気化学還元反応を、できるだけ貴な(プラスの)電位で、しかも過電圧をできるだけ小さくして進行させることが必要である。
【0003】
すなわち、4電子還元反応を高電位でしかも過電圧を小さく起こすことのできる触媒が好ましい。このような触媒を得るためにこれまでいくつかの取り組みが報告されている。特公平2−30141号公報、特公平2−30142号公報には、酸素ガス還元能を有する鉄フタロシアニン、コバルトポルフィリンなどの金属キレート化合物を担持した導電性粉末と、フッ素樹脂の多孔質成形体とからなる触媒が提案されている。金属キレート化合物の2量体(二核錯体)を使うと、より高い酸素還元能(4電子還元能)が期待でき、大きな出力の空気電池が期待できると述べられている。
【0004】
コバルトポルフィリン二核錯体など、Cr,Mn,Fe,Coなどの遷移金属を中心金属とする大環状錯体を用いる酸素還元触媒の技術は、前述のELECTROCATALYSIS、 WILEY-VCH 出版、1998年、232−234頁に述べられている。特開平11−253811号公報には、酸素還元用二核マンガン錯体触媒が提案されている。この二核錯体は酸素の4電子還元反応を高い選択率で触媒する。マンガン原子は、2価から7価の価数をとりマイナス0.5Vからプラス2Vの電位範囲で酸素還元反応を触媒すると述べられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、どのような条件で、どのような触媒が酸素の1電子還元反応、2電子還元反応、4電子還元反応に有効なのかについては知られていない。4電子還元反応の選択率は錯体種により異なり、どのような金属錯体を用いれば、より高い4電子還元反応への選択率が安定して得られるのか、実際の利用にあたって必要とされる技術内容は知ることは困難である。さらに、これまで開示されている技術によれば、高い電位を得ようとすれば、価数の大きな中心金属原子を持つ二核金属錯体が必要で、このような二核金属錯体は、強い酸化力を有しており、実際の使用にあたって、このような二核金属錯体と一緒に用いられる電池の他の構成要素、例えば、電解液、電極リード、集電体、電池ケース、セパレータ、ガス選択透過膜などの酸化劣化をもたらすという難点がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決し、価数の大きな中心金属を持つ二核金属錯体などの酸化力の強い触媒成分を用いることなく、酸素の電気化学還元に対して、見かけ上、4電子還元反応を100%に近い選択率で与える安定性にも優れた酸素還元複合電極を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため本発明の発電セルの駆動方法は、酸素の電気化学還元により過酸化水素を生成する2電子還元反応を触媒する電気化学触媒Aと、生成した過酸化水素を分解して酸素を生成する分解反応を触媒する触媒Bと、を少なくとも含有する酸素還元用複合電極から成り、上記の複合電極の電極電位は電気化学触媒Aの酸素還元電位であり、触媒Bにより過酸化水素を分解して再生された酸素を電気化学触媒Aが2電子還元して過酸化水素を繰返し生成する正極と、負極活物質あるいは燃料物質の酸化反応をする負極と、電解質と、を有する発電セルの駆動方法であって、上記電気化学触媒Aと触媒Bとが、導電性基材に保持されて成り、上記電気化学触媒Aは、ポリ−コバルト−4,4’,4”,4’”−テトラアミノフタロシアニン( p-CoTAPc )、コバルト−テトラアミノフタロシアニン( CoTAPc )、コバルト−ヘキサデカフルオロフタロシアニン( CoHFPc )、コバルト−テトラカルボキシフタロシアニン( CoCOOHPc )、またはコバルト−オクタブトキシフタロシアニン( CoOBuPc )であり、上記触媒Bは、マンガン酸化物、ペロブスカイト酸化物であるLa 0.8 Sr 0.2 MnO 3 、またはカタラーゼであり、前記発電セルの駆動方法は、上記負極及び電解質の少なくとも一方に、光吸収により励起されて炭水化物を電気化学的に酸化する分子が付与されており、該分子に光照射しながら炭水化物を供給して、負極において該分子により炭水化物を酸化せしめると共に正極において酸素を還元することにより、正極と負極との間に起電力を発生させる工程を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に用いる酸素還元用複合電極は、少なくとも、酸素1分子を還元して過酸化水素1分子を生成させる酸素の2電子還元反応を行う電気化学触媒と、生成した過酸化水素1分子を分解して酸素1/2分子を再生させる過酸化水素の分解反応を行う触媒と、を有しており、上記の2電子還元反応と上記の分解反応とを繰返し行うことにより、見かけ上、酸素の4電子還元を行うことができ、かつ、酸素の4電子還元反応を概ね100%の選択率で行うことができる。ここで、酸素の4電子還元反応の選択率が概ね100%であるとは、酸素の4電子還元反応以外の還元反応による電流が実質的に観測されないことを言う。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明は、酸素を電極反応物質とする酸素還元複合電極を提供する。本発明の酸素還元用複合電極は、酸素の電気化学的還元により過酸化水素を生成する電気化学触媒Aと、生成した過酸化水素を分解して酸素を生成する触媒Bとを少なくとも含有する。電気化学触媒Aは、O2+H2O+2e− → OH− + HO2 − (アルカリ液中)で表される酸素の2電子還元反応(1)を触媒し、過酸化水素(H2O2、アルカリ液中ではHO2 −で表される過酸化水素イオン)を生成する。
【0025】
触媒Bは、生成した過酸化水素イオンを、2HO2 − → O2 + 2OH− で表される分解反応(2)を触媒し、酸素が再生される。再生した酸素は、再度、電気化学触媒Aにより2電子還元を受け、過酸化水素イオンを生成する。酸素1分子が、2電子還元反応(1)により過酸化水素イオン1分子を生成し、生成した過酸化水素イオン1分子は分解反応(2)により1/2分子の酸素を再生する。1/2分子の酸素分子は、2電子還元反応(1)により1/2分子の過酸化水素イオンを生成し、生成した1/2分子の過酸化イオンは分解反応(2)により1/4分子の酸素を再生する。
【0026】
1/4分子の酸素分子は、2電子還元反応(1)により1/4分子の過酸化水素イオンを生成し、生成した1/4分子の過酸化イオンは分解反応(2)により1/8分子の酸素を再生する。2電子還元反応(1)と分解反応が(2)繰り返し起こり続ける。すなわち、酸素1分子の還元に対して、2電子、1電子、1/2電子、1/4電子、1/8電子、・・・・、(1/2)n 電子(n→無限大)の合計4電子が用いられ、酸素1分子が2電子還元反応の電位で4電子還元反応を受けたのと同じとなり、すなわち、2電子反応であるが、電気量としては2電子反応の2倍の4電子反応(O2+2H2O+4e− → 4OH−)に相当する反応が起こったことと同じ結果となる。
【0027】
本発明の酸素還元複合電極は、このような酸素の還元経路を与える電気化学触媒Aと触媒Bとを少なくとも含有しているので、酸素の4電子還元を100%に近い選択率で行うことができる。
【0028】
以下、本発明を詳しく説明する。電気化学触媒Aとしては、酸素を電気化学的に還元して過酸化水素(H2O2、HO2 −)を生成する、鉄フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、銅フタロシアニン、マンガンフタロシアニン、亜鉛フタロシアニンなどのポルフィリン環を有する金属フタロシアニンあるいは金属ポルフィリン、ルテニウムアンミン錯体、コバルトアンミン錯体、コバルトエチレンジアミン錯体などの金属錯体などを用いることができる。
【0029】
金属錯体を用いると、酸素の還元電位を、中心金属元素αの種類あるいは価数を変えるだけでなく配位子Lを変えることで貴な(プラス)方向あるいは卑な(マイナス)方向に変えることができるという利点がある。例えば、αが2価のコバルトであるコバルトフタロシアニン錯体(PcCo(II)と表す)では、配位子であるフタロシアニン環に電子吸引性のカルボキシル基(−COOH),シアノ基(−CN)などを導入することで酸素の2電子還元電位を貴な(プラス)方向に10から50mV変えることができる。
【0030】
また、PcCo(II)の他、αが2価の亜鉛である亜鉛フタロシアニン錯体(PcZn(II)と表す)やαが2価の銅である銅フタロシアニン錯体(PcCu(II)と表す)では、オクタブトキシ基(OBu)などの電子供与性のアルコキシ基をフタロシアニン環に導入することで酸素の2電子還元電位を卑な(マイナス)方向に10から200mV変えることができる。さらに、プロトン解離平衡能を有する配位子から構成される金属錯体では、酸素還元反応を行う際に用いる電解液などの媒体のpHを変えることで、酸素の2電子還元電位を数100mVの間で大きく変化させることができる。
【0031】
配位子(L)としては、フタロシアニン、オクタブトキシフタロシアニン、オクタシアノフタロシアニン、フタロシアニン4酢酸、テトラ(O−アミノフェニル)ポルフィリン、テトラアミノフタロシアニン、テトラメチルフェニルポルフィリン、テトラフェニルポリフィリン、テトラ(N−メトキシフェニル)ポリフィリンなどのポルフィリン環を有する配位子、アンモニア、エチレンジアミン、エチレンジアミン4酢酸、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ビピリジルなど、窒素原子(N)を含有し、この窒素原子を介して中心金属αとで錯体を形成する単座あるいは多座配位子が、比較的安定な金属錯体を形成するので好ましい。なかでも、アミノ基やアミノフェニル基などの重合性の置換基を有するテトラアミノフタロシアニンやテトラ(O−アミノフェニル)ポリフィリンなどの配位子は、重合により高分子化したさらに安定性が増した金属錯体を形成することができるので好ましい。
【0032】
次に、このような金属錯体(αLn)の中心金属元素(α)としては、コバルトが、酸素の還元反応をより小さな過電圧で進行できるので好ましい。また、αの価数は4以下が好ましい。価数を4以下とすることで、触媒の酸化力を抑え、金属錯体と一緒に用いられる電池や他の構成要素、例えば、電解液、電極リード、集電体、電池ケース、セパレータ、ガス選択透過膜などの酸化劣化を有効に防止することができる。
【0033】
触媒Bとしては、過酸化水素と親和性が高く、酸素を取り込んだり放出したりする酸素交換能力の高いβOxで表される金属酸化物が好ましい。また、カタラーゼなどの過酸化水素分解酵素などを有効に用いることができる。このような金属酸化物として、MnSO4などの2価のマンガン塩を過酸化水素などで化学酸化し、必要に応じさらに酸素ガスを含む雰囲気中で加熱酸化することで得られるMn2O3,Mn3O4、Mn5O8、γ−MnOOH(Mn3O4とMn5O8の混合物)などのマンガン酸化物(MnOy)、LaxSr1−xMnO3(x=0〜0.5)などのペロブスカイト酸化物などがある。なかでも、マンガン低級酸化物は過酸化水素の分解活性が高く、劣化が少なく、しかも安価であるので好ましい。マンガン低級酸化物とは、マンガン原子の原子価が4に満たないマンガン酸化物のことで、使用後のマンガン乾電池の二酸化マンガン正極をそのまま、あるいは焼成したものを用いることができるので、資源再利用の観点からも特に好ましい。
【0034】
本発明の酸素還元用複合電極は、電気化学触媒Aと触媒Bとを保持する導電性基材を有している。導電性基材は、金属材料、炭素質材料、導電性酸化物材料等からなり、板状、棒状、円筒状、ディスク状、あるいは多孔体等の種々の形状のものを用いることができ、集電体を兼ねることもできる。
【0036】
本発明の酸素還元用複合電極内にあって電気化学触媒Aと触媒Bは、お互いに接して配置してもあるいは離れて配置してもよいが、お互いに相手の近傍に配置するのが好ましい。こうすることで、電気化学触媒Aにおいて酸素の電気化学的還元により生成した過酸化水素は、移動過程を経ずあるいは最短距離の移動を経て触媒Bに至り分解し酸素を再生し、再生した酸素は、やはり移動過程を経ずあるいは最短距離の移動を経て電気化学触媒Aに至って還元を受けることができる。酸素還元用複合電極全体として酸素還元の過電圧を小さくすることができる。さらに、電気化学触媒Aとして金属錯体を用いると、金属錯体は分子一つ一つが酸化還元能力を有しているので、電気化学触媒Aと触媒Bは分子オーダーで近接することが可能で、より小さな過電圧の酸素還元用複合電極が得られる。
【0037】
酸素の電気化学的還元に必要な電子を、酸素還元用複合電極と組合せて用いる電気化学的酸化反応を行う電極から供給をうけるために、電気化学触媒Aは、導電性基材上に保持され、電極リード及び/又は接続導体に電気的に接続される。
【0039】
本発明に用いる酸素還元用複合電極の電極電位は、電気化学触媒Aの酸素還元電位によってのみ決定され、前記電極を用いた電気化学デバイスの設計が容易となる。さらに、酸素の還元反応以外の余分な電気化学反応が起こらないので、生成した過酸化水素が余分な電気化学反応で生成した被還元種と反応して消費されたり、再生した酸素が余分な電気化学反応で生成した被酸化種と反応して消費されたりすることを有効に防止することができ、見かけ上100%に近い選択率で酸素の4電子還元反応が可能となる。
【0040】
酸素を還元して過酸化水素を生成する電気化学触媒Aであれば、過酸化水素を分解して酸素を生成するいずれの触媒Bとも複合化して用いることに制限はない。但し、本発明の酸素還元用複合電極を正極として用い、正極に電子を外部回路を通して供給する負極と組合せて、空気電池や燃料電池などの発電セルを構成する際、負極に用いる電極活物質あるいは燃料物質が電解質に溶解し正極と接触する虞がある場合は、酸素還元反応の選択性の高い電気化学触媒Aと過酸化水素の分解の選択性の高い触媒Bの組合せを好適に選択することができる。電解質に溶解するメタノール、エタノール、エチレングリコール、グルコースなどの糖類を燃料とする燃料電池では、電気化学触媒Aには酸素還元反応の選択性の高い金属フタロシアニン錯体、金属ポリフィリン錯体を選び、触媒Bとしては、酸化力が低く過酸化水素分解能の高いMn2O3やMn5O8などのマンガン低級酸化物あるいは過酸化水素の分解に対して高い選択性を有するカタラーゼなどの酵素を選び、複合化して本発明の酸素還元用複合電極として用いるのが好ましい。
【0041】
本発明の酸素還元用複合電極を作製するため、電気化学触媒Aと触媒Bを導電性基材に保持させるには、触媒を含む塗液を塗布する塗布法や、電気化学的堆積法等の湿式法、又は真空蒸着法等の乾式法、あるいは、バインダーを用いてシート状にした触媒層を導電性基材に圧着する方法等を用いることができる。
例えば、塗布法の場合、電気化学触媒Aを含む塗液を導電性基材の表面に塗布して第1の触媒層を形成し、その第1の触媒層の上に触媒Bを含む塗液を塗布して第2の触媒層を形成することが好ましい。触媒Bが導電性基材に直接、接触するのを防止するためである。
【0042】
また、第2の触媒層を形成するに際し、触媒Bを含む塗液にプロトン導電性のポリマー、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーを含有させることが好ましい。第2の触媒層にプロトン導電性のポリマーを含有させることにより、過酸化水素の分解反応により生成する水酸化物イオンが速やかに、プロトンと反応して除去されるので、過酸化水素の分解反応をより促進させることが可能となる。
【0043】
また、触媒自身が、電解析出あるいは電解重合が可能であれば、定電位又は定電流、あるいは電位スイープ等の方法により導電性基材上に堆積させて、触媒層を形成することができる。例えば、電気化学触媒Aに前記の、アミノ基やアミノフェニル基等の重合性の置換基を有するテトラアミノフタロシアニンやテトラ(O−アミノフェニル)ポルフィリン等の配位子を有する金属錯体を用いると、電解重合によりアミノ基を介して高分子化した金属錯体から成る触媒層を形成することができる。この高分子化した金属錯体から成る触媒層の上に、塗布法あるいは電気化学堆積法等により触媒Bを含む触媒層を形成することができる。
【0044】
本発明の酸素還元用複合電極と組み合わせて用いる電解液としては、水溶液、有機電解液いずれの電解液でも用いることができる。O2の溶解度が大きくかつ拡散速度の速い1M以下の低濃度のアルカリ性の水溶液は、電解反応を効率よく起こすことができるので特に好ましい。以下、本発明を、実施例によって具体的に説明する。
【0045】
【実施例】
(参考例1)
(1)試験電極11、12、13、14、15の作製
電気化学触媒Aとしてポリ−コバルト−4,4’,4”,4’”−テトラアミノフタロシアニン(p-CoTAPc)、触媒Bとしてγ−MnOOH(Mn3O4とMn5O8との混合物)を用いて、直径6mmのグラッシーカーボン(GC)を用いて試験電極を作製した。グラッシーカーボンは、厚さ5mm、直径6mmのペレットであり、一方の面を電極リード線と接続し、もう一方の面が露出した状態で、直径10mm、長さ80mmのポリイミド樹脂製の鞘に埋め込んだ。露出した面上に何も形成していない状態のGCを、試験電極13とした。
【0046】
0.1Mのりん酸テトラブチルアンモニウムを溶解したジメチルスフホキシド(DMSO)溶液に、化1に示した構造式を有するコバルト−4,4’,4”,4’”−テトラアミノフタロシアニン(CoTAPc)を、0.2mM溶解することで、電解液を作成した。この電解液中で、GCを作用極、白金を対極、Ag/AgCl(飽和KCl)電極を参照電極として電解を行い、GCの露出した面上に、p-CoTAPcを形成した。
【0047】
電解は、GCの電位をAg/AgCl参照電極に対し、プラス0.5Vからマイナス1.4Vの間で、50mV/sの速度で増減を30回繰り返し行うことで、p-CoTAPcをGCの上に形成した。これを電極12とした。ここで、p-CoTAPcは、 CoTAPcの4,4’,4”,4”’位のアミノ基が電解酸化を受けこのアミノ基を介して高分子化したものである。
【0048】
【化1】
【0049】
次に、プロトン伝導性のパーフルオロスルホン酸ポリマー(デュポン社製:Nafion112)を0.05重量%溶解したエタノール溶液5μlに、γ−MnOOH粉末を25μg分散し、これを前述のp-CoTAPcを形成したGCの全面を覆うように滴下した。つぎに、これを温風乾燥してエタノールを蒸発させ、さらに同溶液を5μl滴下し、エタノールを蒸発させることで、試験電極11を作製した。
【0050】
次に、γ−MnOOHを分散させた上記のエタノール溶液を5μl、裸のGCの全面を覆うように滴下し、エタノールを蒸発させる操作を2回繰返して、試験電極14を作製した。
【0051】
次に、γ−MnOOHを分散させた上記のエタノール溶液を5μl、裸の金(Au)電極の全面を覆うように滴下し、エタノールを蒸発させる操作を2回繰返して、試験電極15を作製した。ここで用いたAu電極は、長さ5mm、直径6mmのペレットであり、一方の面を電極リード線と接続し、他方の面を露出させた状態で、直径10mm、長さ80mmのポリイミド製の鞘の中に埋め込んで作製したものである。
【0052】
(2)試験電極の酸素還元特性の評価
以上の工程により作製した試験電極を、作用電極、白金を対極、Ag/AgCl(飽和KCl)電極を参照電極とする3極セルを構成して、酸素の還元特性を評価した。電解液には、pH7.4の0.1Mりん酸緩衝溶液を用いた。酸素ガスを30分間電解液中に通じて溶存酸素を飽和したのち電解を行った。作用電極の電位を、参照電極に対して+0.1Vから−1.2Vに50mV/sの速度で減少し、−1.2Vに達すると、0Vに向かって50mV/sの速度で増加し、この際、作用電極と対極の間を流れる電解電流を、作用電極の電位に対して記録した。
【0053】
図1は、試験電極11、12、13について得られた電流−電位曲線である。図1において、酸素の還元反応に対応する還元電流のピーク電位(Ep)は、試験電極11では、−0.45V、試験電極12では、−0.35V、試験電極13では、−0.75Vであった。
【0054】
p-CoTAPcをGC上に形成することで、酸素の還元電位は、−0.75Vから−0.35〜―0.45Vにプラス側にシフトし、より貴な電位で酸素の還元が行える。p-CoTAPc(電気化学触媒A)とMnOOH(触媒B)とを複合化した本発明の試験電極11は、p-CoTAPcのみの試験電極12に較べ、ほぼ2倍の酸素還元ピーク電流値を得た。これは、p-CoTAPcの作用により、酸素の2電子還元により生成した過酸化水素が、MnOOHの作用により分解して酸素を再生し、再生した酸素がp-CoTAPcにより還元される反応サイクルが繰り返し起こり、酸素の4電子還元に相当するため、2倍のピーク電流値が得らたものと考える。すなわち、本発明に従う試験電極11では、より貴な電位で電子還元をほぼ100%に近い選択率で行うことができた。
【0055】
図2は、試験電極11,12,13のそれぞれについて、それぞれのピーク電位(Ep)で定電位電解を連続的に行った際の、電流−時間曲線を示したである。いずれの試験電極でも、電解開始後30秒程で電流はほぼ一定の定常電流値(Ist)に達する。定常電流値は、比較例の試験電極12および13では、12〜13μA、本発明に従う試験電極11では、25μAである。試験電極11では、試験電極12あるいは13に較べ約2倍の定常電流値を与え、酸素が見かけ上4電子反応でほぼ100%に近い選択率で還元されている。
【0056】
試験電極11,12,13,14,15のそれぞれについて、Ep値、定電位電解200秒後のIst値、120時間後のIst値を、表1にまとめて示した。
【0057】
なお、定電位電解は酸素ガスを電解液に吹き込みながら行った。
【0058】
【表1】
【0059】
(参考例2)
(3)試験電極21、22の作製
電気化学触媒Aとして、コバルト−テトラアミノフタロシアニン(CoTAPc)、触媒Bとしてγ−MnOOH(Mn3O4とMn5O8との混合物)を用いて試験電極を、参考例1と同様の直径6mmのGCを用いて作製した。
【0060】
1mMのCoTAPcをN,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した溶液5μlを、GCの露出した面を覆い尽くすように滴下したのち、2時間温風乾燥することでCoTAPcを表面に有する試験電極22を作成した。 次に、γ−MnOOH粉末を25μg分散し、かつナフィオンを0.05重量%溶解したエタノール溶液5μlをCoTAPcを有するGCの全面を覆うように滴下し、温風乾燥してエタノールを蒸発させ、さらに同溶液を5μl滴下しエタノールを蒸発させ、CoTAPcとMnOOHを表面に有する本発明に従う試験電極21を作製した。
【0061】
(4)試験電極の酸素還元特性の評価
以上の工程により作製した試験電極を、作用電極、白金を対極、Ag/AgCl(飽和KCl)電極を参照電極とする3極セルを構成して、酸素の還元特性を評価した。電解液には、pH7.4の0.1Mりん酸緩衝溶液を用いた。酸素ガスを30分間電解液中に通じて溶存酸素を飽和したのち電解を行った。作用電極の電位を、参照電極に対して+0.1Vから−1.2Vに50mV/sの速度で減少し、−1.2Vに達すると、0Vに向かって50mV/sの速度で増加し、この際、作用電極と対極の間を流れる電解電流を、作用電極の電位に対して記録した。
【0062】
CoTAPc(電気化学触媒A)とMnOOH(触媒B)とを複合化した本発明の試験電極21は、CoTAPcのみの試験電極22に較べ、ほぼ2倍の酸素還元ピーク電流値を与えた。酸素の還元反応に対応する還元電流のピーク電位(Ep)を表1に示した。試験電極21では−0.40V、試験電極22では、−0.35Vである。酸素の還元電位は、−0.75Vから−0.40〜―0.35Vにプラス側にシフトし、より貴な電位で酸素の還元が行える。
【0063】
次に、試験電極21、22のそれぞれについて、それぞれのピーク電位(Ep)で定電位電解を連続的に行った。定電位電解後のIst値を表1に示す。定常電流値は、比較例の試験電極22では、12μA(200秒後)、6μA(120時間後)であるのに対し、本発明に従う試験電極21では、26μA(200秒後)、15μA(120時間後)である。試験電極21では、試験電極22に較べ約2倍の定常電流値を与え、酸素が4電子反応でほぼ100%に近い選択率で還元されている。
【0064】
(参考例3)
(5)試験電極31、32の作製
電気化学触媒Aとして、化2に示した構造式を有するコバルト−ヘキサデカフルオロフタロシアニン(CoHFPc)、触媒Bとしてγ−MnOOH(Mn3O4とMn5O8との混合物)を用いて試験電極を、参考例1と同様の直径6mmのGCを用いて作製した。
【0065】
【化2】
【0066】
1mMのCoHFPcをDMFに溶解したDMF溶液5μlを、GCの露出した面を覆い尽くすように滴下したのち、2時間温風乾燥し、さらに、同じDMF溶液5μlを滴下して、2時間温風乾燥することで、CoHFPcを表面に有する試験電極32を作製した。
【0067】
一方、50μgのγ−MnOOH粉末を前記DMF溶液に分散した溶液5μlをGCの露出した面を覆い尽くすように一度だけ滴下したのち、2時間温風乾燥した。さらに、前記DMF溶液を、CoHFPcを有するGCの全面を覆うように滴下し、温風乾燥してDMFを蒸発させることで、CoHFPcとMnOOHとを表面にする本発明に従う試験電極31を作製した。
【0068】
(6)試験電極の酸素還元特性の評価
以上の工程により作製した試験電極を、作用電極、白金を対極、Ag/AgCl(飽和KCl)電極を参照電極とする3極セルを構成して、酸素の還元特性を評価した。電解液には、pH7.4の0.1Mりん酸緩衝溶液を用いた。純酸素ガスを30分間電解液中に通じて溶存酸素を飽和したのち電解を行った。作用電極の電位を、参照電極に対して+0.1Vから−1.2Vに50mV/sの速度で減少し、−1.2Vに達すると、0Vに向かって50mV/sの速度で増加し、この際、作用電極と対極の間を流れる電解電流を、作用電極の電位に対して記録した。
【0069】
CoHFPc(電気化学触媒A)とMnOOH(触媒B)とを複合化した本発明に従う試験電極31では、CoHFPcのみの試験電極32に較べ、ほぼ2倍の酸素還元ピーク電流値を与えた。酸素の還元反応に対応する還元電流のピーク電位(Ep)を表1に示す。試験電極31では−0.20V、試験電極22では、−0.15Vである。酸素の還元電位は、−0.75Vから−0.15〜―0.20Vにプラス側にシフトし、より貴な電位で酸素の還元が行える。
【0070】
次に、試験電極31,32のそれぞれについて、それぞれのピーク電位(Ep)で定電位電解を連続的に行った。定電位電解200秒後のIst値を表1に示す。定常電流値は、比較例の試験電極22では、8μAであるのに対し、本発明に従う試験電極31では、15μAである。試験電極31では、試験電極32に較べ約2倍の定常電流値を与え、酸素が見かけ上4電子反応でほぼ100%に近い選択率で還元されている。
【0071】
(参考例4)
(7)試験電極41、42の作製
電気化学触媒Aとして、化3に構造式を示したコバルト−テトラカルボキシフタロシアニン(CoCOOHPc)、触媒Bとしてγ−MnOOH(Mn3O4とMn5O8との混合物)を用いて試験電極を、参考例1と同様の直径6mmのGCを用いて作製した。
【0072】
【化3】
【0073】
1mMのCoCOOHPcをDMFに溶解したDMF溶液5μlをGCの露出した面を覆い尽くすように滴下したのち、2時間温風乾燥し、さらに、同じDMF溶液5μlを滴下して2時間温風乾燥することで、CoCOOHPcを表面に有する試験電極42を作製した。
【0074】
一方、50μgのγ−MnOOH粉末を前記DMF溶液に分散した溶液5μlを、前記DMF溶液5μlを一度だけ滴下して2時間温風乾燥することで作成したCoCOOHPcを有するGCの全面を覆うように滴下し、温風乾燥してDMFを蒸発させCoCOOHPcとMnOOHを表面に有する本発明に従う試験電極41を作製した。
【0075】
(8)試験電極の酸素還元特性の評価
以上の工程により作製した試験電極を作用電極、白金を対極、Ag/AgCl(飽和KCl)電極を参照電極とする3極セルを構成して、酸素の還元特性を評価した。電解液には、pH7.4の0.1Mりん酸緩衝溶液を用いた。酸素ガスを30分間電解液中に通じて溶存酸素を飽和したのち電解を行った。作用電極の電位を、参照電極に対して+0.1Vから−1.2Vに50mV/sの速度で減少し、−1.2Vに達すると、0Vに向かって50mV/sの速度で増加し、この際、作用電極と対極の間を流れる電解電流を、作用電極の電位に対して記録した。
【0076】
CoCOOHPc(電気化学触媒A)とMnOOH(触媒B)とを複合化した本発明に従う試験電極41では、CoCOOHPcのみの試験電極42に較べ、ほぼ2倍の酸素還元ピーク電流値を与えた。酸素の還元反応に対応する還元電流のピーク電位(Ep)を表1に示す。試験電極41では−0.15V、試験電極42では、−0.05Vである。酸素の還元電位は、−0.75Vから−0.05〜―0.15Vにプラス側にシフトし、より貴な電位で酸素の還元が行える。
【0077】
次に、試験電極41,42のそれぞれについて、それぞれのピーク電位(Ep)で定電位電解を連続的に行った。定電位電解200秒後のIst値を表1に示す。定常電流値は、比較例の試験電極42では、11μAであるのに対し、本発明に従う試験電極41では、20μAである。試験電極41では、試験電極42に較べ約2倍の定常電流値を与え、酸素が見かけ上4電子反応でほぼ100%に近い選択率で還元された。
【0078】
(参考例5)
(9)試験電極51、52の作製
電気化学触媒Aとして、化4に構造式を示したコバルト−オクタブトキシフタロシアニン(CoOBuPc)、触媒Bとしてγ−MnOOH(Mn3O4とMn5O8との混合物)を用いて試験電極を、参考例1と同様の直径6mmのGCを用いて作製した。
【0079】
【化4】
【0080】
1mMのCoOBuHPcを、酸素透過性のポリ−4−ビニルピリジンを0.05重量%溶解したDMFに溶解した。このDMF溶液5μlをGCの露出した面を覆い尽くすように滴下したのち、2時間温風乾燥し、さらに、同じDMF溶液5μlを滴下して2時間温風乾燥することで、CoOBuPcを表面に有する試験電極52を作成した。一方、γ−MnOOH粉末50μgを前記DMF溶液に分散した溶液5μlを、GCが露出した面を覆い尽くすように滴下したのち、2時間温風乾燥した。さらに同じ溶液5μlを滴下、温風乾燥してDMFを蒸発させることで、CoOBuPcとMnOOHを表面に有する本発明に従う試験電極51を作製した。
【0081】
(10)試験電極の酸素還元特性の評価
以上の工程により作製した試験電極を作用電極、白金を対極、Ag/AgCl(飽和KCl)電極を参照電極とする3極セルを構成して、酸素の還元特性を評価した。電解液には、pH7.4の0.1Mりん酸緩衝溶液を用いた。純酸素ガスを30分間電解液中に通じて溶存酸素を飽和したのち電解を行った。作用電極の電位を、参照電極に対して+0.1Vから−1.2Vに50mV/sの速度で減少し、−1.2Vに達すると、0Vに向かって50mV/sの速度で増加し、この際、作用電極と対極の間を流れる電解電流を、作用電極の電位に対して記録した。
【0082】
CoOBuPc(電気化学触媒A)とMnOOH(触媒B)とを複合化した本発明に従う試験電極51では、CoCOOHPcのみの試験電極52に較べ、ほぼ2倍の酸素還元ピーク電流値を与えた。酸素の還元反応に対応する還元電流のピーク電位(Ep)を表1に示す。試験電極51では−0.35V、試験電極52では、−0.25Vである。酸素の還元電位は、−0.75Vから−0.35〜―0.25Vにプラス側にシフトし、より貴な電位で酸素の還元が行える。
【0083】
次に、試験電極51,52のそれぞれについて、それぞれのピーク電位(Ep)で定電位電解を連続的に行った。定電位電解200秒後のIst値を表1に示す。定常電流値は、比較例の試験電極52では、16μAであるのに対し、本発明に従う試験電極51では、28μAである。試験電極51では、試験電極52に較べ約2倍の定常電流値を与え、酸素が見かけ上、4電子反応でほぼ100%に近い選択率で還元された。
【0084】
(参考例6)
(11)試験電極61、62、63、64、65、66の作製
電気化学触媒Aとして、p-CoTAPc、CoHFPc、CoCOOHPc、CoOBuPc、触媒Bとして過酸化水素分解酵素であるカタラーゼを用いて試験電極を、参考例1と同様の直径6mmのGCを用いて作製した。
【0085】
試験電極21、31、41、51に触媒Bとして用いたMnOOHに代えて、カタラーゼを用いた以外は、試験電極21、31、41、51の作製方法と同じ方法で試験電極61、62、63、64を作製した。
【0086】
また、試験電極14の触媒Bとして用いたMnOOHに代えてカタラーゼを用いた以外は、試験電極14の作製方法と同じ方法で試験電極65を作製した。
【0087】
また、試験電極15の触媒Bとして用いたMnOOHに代えてカタラーゼを用いた以外は、試験電極15の作製方法と同じ方法で試験電極66を作製した。
【0088】
(12)試験電極の酸素還元特性の評価
以上の工程で作製した試験電極を作用電極、白金を対極、Ag/AgCl(飽和KCl)電極を参照電極とする3極セルを構成して、酸素の還元特性を評価した。電解液には、pH7.4の0.1Mりん酸緩衝溶液を用いた。酸素ガスを30分間電解液中に通じて、溶存酸素を飽和したのち電解を行った。作用電極の電位を、参照電極に対して+0.1Vから−1.2Vに50mV/sの速度で減少し、−1.2Vに達すると、0Vに向かって50mV/sの速度で増加し、この際、作用電極と対極の間を流れる電解電流を、作用電極の電位に対して記録した。
【0089】
電気化学触媒Aと触媒Bとを複合化した本発明に従う試験電極61、62、63、64では、触媒Bを含まない試験電極22、32、42、52に較べ、ほぼ2倍の酸素還元ピーク電流値を与えた。酸素の還元反応に対応する還元電流のピーク電位(Ep)を表1に示す。 酸素の還元電位は、−0.75Vから−0.35〜―0.05Vにプラス側にシフトし、より貴な電位で酸素の還元が行える。
【0090】
次に、試験電極61、62、63、64、65、66のそれぞれについて、それぞれのピーク電位(Ep)で定電位電解を連続的に行った。定電位電解200秒後のIst値を表1に示す。定常電流値は、本発明に従う試験電極61、62、63、64、65、66では、18〜30μAである。触媒Bを含まない試験電極22、32、42、52に較べ約2倍の定常電流値を与え、酸素が見かけ上、4電子反応でほぼ100%に近い選択率で還元された。
【0091】
(参考例7)
(13)試験電極71、72、73、74、75、76の作製
電気化学触媒Aとして、p-CoTAPc、CoHFPc、CoCOOHPc、CoOBuPc、触媒Bとしてペロブスカイト酸化物La0.8Sr0.2MnO3を用いて試験電極を、参考例1と同様の直径6mmのGCを用いて作製した。
【0092】
試験電極21、31、41、51に触媒Bとして用いたMnOOHに代えて、La0.8Sr0.2MnO3を用いた以外は、試験電極21、31、41、51の作製方法と同じ方法で試験電極71、72、73、74を作製した。
【0093】
また、試験電極14に触媒Bとして用いたMnOOHに代えて、La0.8Sr0.2MnO3を用いた以外は、試験電極14の作製方法と同じ方法で試験電極75を作製した。
【0094】
また、試験電極15に触媒Bとして用いたMnOOHに代えて、La0.8Sr0.2MnO3を用いた以外は、試験電極15の作製方法と同じ方法で試験電極76を作製した。
【0095】
(14)試験電極の酸素還元特性の評価
上記工程により作製した試験電極を作用電極、白金を対極、Ag/AgCl(飽和KCl)電極を参照電極とする3極セルを構成して、酸素の還元特性を評価した。電解液には、pH7.4の0.1Mりん酸緩衝溶液を用いた。酸素ガスを30分間電解液中に通じて溶存酸素を飽和したのち電解を行った。作用電極の電位を、参照電極に対して+0.1Vから−1.2Vに50mV/sの速度で減少し、−1.2Vに達すると、0Vに向かって50mV/sの速度で増加し、この際、作用電極と対極の間を流れる電解電流を、作用電極の電位に対して記録した。
【0096】
電気化学触媒Aと触媒Bとを複合化した本発明に従う試験電極71、72、73、74、75、76では、触媒Bを含まない試験電極22、32、42、52に較べ、ほぼ2倍の酸素還元ピーク電流値を与えた。酸素の還元反応に対応する還元電流のピーク電位(Ep)を表1に示す。酸素の還元電位は、−0.75Vから−0.40〜―0.10Vにプラス側にシフトし、より貴な電位で酸素の還元が行える。
【0097】
次に、試験電極71、72、73、74、75、76のそれぞれについて、それぞれのピーク電位(Ep)で定電位電解を連続的に行った。定電位電解200秒後のIst値を表1に示す。定常電流値は、本発明に従う試験電極71、72、73、74、75、76では、16〜28μAである。触媒Bを含まない試験電極22、32、42、52に較べ約2倍の定常電流値を与え、酸素が見かけ上、4電子反応でほぼ100%に近い選択率で還元された。
【0098】
なお、中心金属のコバルト(Co)を鉄(Fe)、マンガン(Mn)に全部あるいは一部置き換えて試験電極71から74に相当する試験電極を作製し、酸素還元特性を評価したところ、中心金属がコバルト(Co)の金属錯体を用いた試験電極とほぼ同様の効果、すなわち、酸素の還元電位が貴(プラス)な方向にシフトし、約2倍のピーク電流値ならびに定常電流値を得た。
【0099】
(実施例1)
(13)発電セルの組み立て
図3に示す構成の発電セルAおよび発電セルBを組み立てた。
【0100】
正極として作用する空気極(6)は、発電セルAでは、化3に構造式を示したコバルトテトラカルボキシフタロシアニン(CoCOOHPc)を2.0重量%添着したMn2O3粉末2重量部、活性炭粉末1重量部、アセチレンブラック粉末0.3重量部、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)バインダー0.2重量部からなる混合物を、厚さ0.2mmのニッケルスクリーンに埋め込み保持させて作製した。
【0101】
負極として作用する光触媒電極は、ガラス基板(1)、ITO薄膜(2)、TiO2微粒子膜(3)、および色素分子で構成した。厚さ1mmのガラス基板(1)上に表面抵抗が10オーム/□のインジウム・錫酸化物(ITO)薄膜(2)が形成された光透過性導電性基板を用意し、平均粒径が10nmのTiO2粒子を11重量%分散したポリエチレングリコールを30重量%含むアセトニトリル溶液を、浸漬法によりITO薄膜上に塗布した。これを80℃で乾燥したのち、空気中で400℃で1時間加熱することで、厚さ約10μmのTiO2微粒子膜(3)を形成した。次に、TiO2微粒子膜を、化5に構造を示したルテニウム金属錯体色素分子を10mM溶解したエタノール中に浸漬することで、色素分子をTiO2微粒子膜に添着した。さらに、これを4−tert−ブチルピリジンに浸漬したのち、アセトニトリルで洗浄したのち乾燥することで光触媒電極を作製した。なお、12は透明のシリコンラバーよりなる封止材である。
【0102】
【化5】
【0103】
電解液・燃料液(5)として0.1MKOH水溶液に炭水化物としてグルコースを50mM、NADHを5mM溶解したものを用いた。電解液・燃料液(5)は、電解液・燃料液注入口(8a)より注入され、発電後、排出口(8b)より排出される。空気は、酸素透過性撥水膜(7)を通して外部より発電セル内部に供給される。
【0104】
発電セルBは、CoCOOHPcを添着しないMn2O3を用いた空気極を使用した以外は、発電セルAと同じ構成となるように作製した。
【0105】
光触媒電極は光照射により光活性種(S+)と電子を生成する。S+は、NADH(還元体)より電子を受け取り、元の基底状態種(S)に戻る。電子を渡したNADHは酸化体(NAD+)となり、このNAD+は燃料であるグルコース(C6H12O6)を酸化してグルコースから電子を受け取りNADHに戻る。光触媒電極で生成した電子は、外部回路を通り正極である酸素極に至り、酸素(O2)の還元反応に用いられる。以上の発電反応を以下の反応式で示す。
〈負極〉
S → S+ + e−(外部回路へ)
NADH + S+ → NAD+ + S
NAD+ + C6H12O6 →
NADH + C6H11O6 + H+(正極へ)
〈正極〉
1/2O2 + 2e−(外部回路から) + 2H+(負極から)→
H2O
〈全体反応〉
2C6H12O6 + 1/2O2 → 2C6H11O6 + H2O
【0106】
(14)発電セルの動作特性
上記工程により作製した発電セルを、電解液・燃料液で満たしたのち、ガラス基板(1)側より太陽光シミュレータ(AM1.5、100mW/cm2)からの光を照射して、発電セルの起電力(OCV)および、100μAの一定電流で20分間放電した際の、発電セルの電圧を測定した。OCVは、発電セルAでは、1.30V、発電セルBでは、1.20Vであった。また、20分間放電後の発電セルの電圧は、発電セルAでは、1.20V、発電セルBでは、1.0Vであった。
【0107】
本発明の酸素還元複合電極を有する発電セルAでは、発電セルBに較べ、高い起電力が得られるとともに、放電に際しても、高い電圧を維持することができた。
【0108】
(参考例8)
(燃料電池)
本発明の酸素還元複合電極を空気極に用い、負極を燃料極とし、空気極と燃料極とをプロトン導電性のイオン交換膜を介して接続して、燃料電池を構成することができる。
【0109】
図4は、燃料電池の構造の一例を示す模式図である。燃料電池の単セル20は、空気極21と燃料極22とがプロトン導電性の電解質23を介して接続されている。空気極21には、空気供給口24から空気が供給され、反応後、空気排気口25から排気される。一方、燃料極22には、燃料供給口26から水素を含有する燃料ガスが供給され、反応後、燃料排気口27から排気される。
ここで、発電反応を、以下の反応式で示す。
〈負極〉
H2 → 2H+ + 2e−(外部回路へ)
〈正極〉
1/2O2 + 2H+ + 2e−(外部回路から) → H2O
【0110】
空気極には、例えば、化3に構造式を示したコバルトテトラカルボキシフタロシアニン(CoCOOHPc)を2.0重量%添着したMn2O3粉末2重量部、活性炭粉末1重量部、アセチレンブラック粉末0.3重量部、PTFEバインダー0.2重量部からなる混合物を混練し、圧延して成るシート状空気極を用いることができる。一方、燃料極には、所定量の白金を担持させたカーボン粒子にPTFEバインダーを加えて混練し、圧延して成るシート状燃料極を用いることができる。次いで、例えば、ナフィオン112等のプロトン導電性イオン交換膜の両面にシート状空気極及びシート状燃料極を圧着して一体化して、単セルを作製する。あるいは、液状のイオン交換膜を空気極及び燃料極の片面に塗布し、乾燥して固化させ、その後、固化したイオン交換膜を介して空気極及び燃料極を圧着して一体化させることもできる。なお、上記の方法で作製した単電池を複数積層して、スタックを構成することもできる。
【0111】
本発明の酸素還元複合電極を正極に用いることにより、従来に比べ、起電力ならびに放電時の電池電圧が高い燃料電池を得ることができる。
【0112】
(参考例9)
(空気電池)
本発明の酸素還元複合電極を正極に用い、負極に亜鉛、マグネシウム、アルミニウムなどの金属を用いることにより空気電池を構成することができる。
例えば、負極に亜鉛を用いた空気亜鉛電池は、以下の方法により作製することができる。
【0113】
図5は、空気電池の構造の一例を示す一部切欠断面図である。底部に空気孔36を有する金属製の正極ケース37に、底面側から酸素選択透過膜35、撥水膜34、空気極31、セパレータ33が順次積層されている。一方、金属製の負極ケース38の中には、亜鉛粉末、ゲル化剤、そしてアルカリ電解液を含有する負極32が収容され、正極ケース37と負極ケース38とはガスケット39を介して絶縁して封口されている。40は、空気孔36を封止する粘着シールである。ここで、撥水膜は、空気極への酸素供給と、電解液の電池外部への漏液を防止する役割を果たす。なお、発電反応を以下の反応式で示す。
〈負極〉
Zn + 2OH− → Zn(OH)2 + 2e−(外部回路へ)
〈正極〉
1/2O2 +H2O +2e−(外部回路から) → 2OH−
【0114】
正極として作用する空気極に、例えば、化3に構造式を示したコバルトテトラカルボキシフタロシアニン(CoCOOHPc)を2.0重量%添着したMn2O3粉末2重量部、活性炭粉末1重量部、アセチレンブラック粉末0.3重量部、PTFEバインダー0.2重量部からなる混合物を、厚さ0.2mmのニッケルスクリーンに埋め込み保持させて作製したものを用いることができる。
【0115】
次に、底部に空気孔を有する金属製の正極ケースに、底面側から酸素選択透過膜、撥水膜、空気極、セパレータを順次積層する。一方、金属製の負極ケースには、負極活物質として亜鉛粉末、ゲル化剤、そしてアルカリ電解液を含有する負極を収容する。次いで、正極ケースと負極ケースとをガスケットを介して絶縁して密閉する。
【0116】
本発明の酸素還元複合電極を正極に用いることにより、従来に比べ、起電力ならびに放電時の電池電圧が0.1Vから0.5V程度高い空気電池を得ることができる。
【0117】
なお、本参考例9では、負極に亜鉛を用いた例を示したが、亜鉛に代えてマグネシウムあるいはアルミニウムを用いる場合においても、本参考例9と同様の方法で作製することができ、かつ、同様の効果を有する。
【0118】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素の還元反応を正極反応として用いる亜鉛―空気電池、アルミニウム―空気電池、砂糖―空気電池などの空気電池や、酸素水素燃料電池、メタノール燃料電池などの燃料電池など電気化学デバイスの酸素極あるいは空気極などに用いられる、酸素の電気化学還元に対して、見かけ上、4電子還元反応を100%に近い選択率で与える安定性にも優れた酸素還元複合電極を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電極の電流−電圧応答特性を示す図である。
【図2】 本発明の電極の定電位電解時の電流−時間応答を示す図である。
【図3】 本発明の一実施例の発電セルの構造を示す模式断面図である。
【図4】 本発明の一参考例の燃料電池の構造を示す模式図である。
【図5】 本発明の一参考例の空気電池の構造を示す一部切欠断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板、2 ITO薄膜、3 TiO2微粒子薄膜、4 色素分子層、5 電解液・燃料液、6 空気極、7 酸素透過性撥水膜、8a 電解液・燃料液注入口、8b 電解液・燃料液排出口、9a,9b 液バルブ、10 負極リード、11 正極リード、12 封止材、20 燃料電池の単セル、21 空気極、22 燃料極、23 電解質、24 空気供給口、25 空気排気口、26 燃料供給口、27 燃料排気口、30 空気電池、31 空気極、32 負極、33 セパレータ、34 撥水膜、35 酸素選択透過膜、36 空気孔、37 正極ケース、38 負極ケース、39 ガスケット、40 粘着シート。
Claims (1)
- 酸素の電気化学還元により過酸化水素を生成する2電子還元反応を触媒する電気化学触媒Aと、生成した過酸化水素を分解して酸素を生成する分解反応を触媒する触媒Bと、を少なくとも含有する酸素還元用複合電極から成り、
上記の複合電極の電極電位は電気化学触媒Aの酸素還元電位であり、
触媒Bにより過酸化水素を分解して再生された酸素を電気化学触媒Aが2電子還元して過酸化水素を繰返し生成する正極と、
負極活物質あるいは燃料物質の酸化反応をする負極と、
電解質と、
を有する発電セルの駆動方法であって、
上記電気化学触媒Aと触媒Bとが、導電性基材に保持されて成り、
上記電気化学触媒Aは、ポリ−コバルト−4,4’,4”,4’”−テトラアミノフタロシアニン( p-CoTAPc )、コバルト−テトラアミノフタロシアニン( CoTAPc )、コバルト−ヘキサデカフルオロフタロシアニン( CoHFPc )、コバルト−テトラカルボキシフタロシアニン( CoCOOHPc )、またはコバルト−オクタブトキシフタロシアニン( CoOBuPc )であり、
上記触媒Bは、マンガン酸化物、ペロブスカイト酸化物であるLa 0.8 Sr 0.2 MnO 3 、またはカタラーゼであり、
前記発電セルの駆動方法は、
上記負極及び電解質の少なくとも一方に、光吸収により励起されて炭水化物を電気化学的に酸化する分子が付与されており、
該分子に光照射しながら炭水化物を供給して、負極において該分子により炭水化物を酸化せしめると共に正極において酸素を還元することにより、正極と負極との間に起電力を発生させる工程を有する、発電セルの駆動方法。
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