JP4239917B2 - 燃料電池電極、燃料電池及びそれらの製造方法 - Google Patents

燃料電池電極、燃料電池及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池電極、燃料電池及びそれらの製造方法に関し、更に詳しくは、固体高分子型燃料電池、アルカリ型燃料電池、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、酸素及び/又は水素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等の電気化学デバイスに用いて好適な燃料電池電極、燃料電池及びそれらの製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池1は、図1に示したように固体高分子電解質膜2の両側に燃料電池電極3(アノード3a、カソード3b)を接合したものである。燃料電池電極3は一般に二層構造をとり触媒層4(4a、4b)と拡散層5(5a、5b)からなり、固体高分子電解質膜2との接合は、触媒層4が内側に、拡散層5が外側になるようにしてなされる。固体高分子型燃料電池1の発電は、アノード3aに水素など(燃料)を、カソード3bに酸素などを供給することにより燃料電池電極3で電気化学反応を起こさせることによりなされる。
一般にアノード3aではH→2H+2eの電気化学反応が起こり、カソード3bでは2H+2e+1/2O→HOの電気化学反応が起こる。アノード3aで放出された電子は負荷6の部分で発電に供された後カソード3bへ移動し、アノード3aで発生したプロトンは固体高分子電解質膜2を通ってカソード3bへ移動する。カソード3aでその電子とプロトンと酸素ガスが出会って反応し水が生成される。
拡散層5は、触媒層4への反応ガス(水素や酸素)の供給と、触媒層4との間で電子の授受を行うためのものであり、一般にカーボン繊維、カーボンペーパー、カーボン布などの多孔体が用いられる。反応ガスの通り道になるため多孔質性が要求されるからである。
また、触媒層4は電極反応の反応場となる部分であり、電子伝導性部材、触媒成分、イオン伝導性部材及び気孔からなる。通常、電子伝導性部材としては腐食に強いカーボンなどの粉体や多孔体が用いられる。触媒成分として一般的にPtなどの貴金属の微粒子や、貴金属を含有する合金の微粒子、ポルフィリンやフタロシアニンなどの大環状金属錯体が用いられる。イオン導電性部材として一般的に電解質膜と同じ材料が用いられ、ナフィオン(デュポン社の登録商標、以下単に「ナフィオン」とする)に代表されるフッ素系イオン交換樹脂や、炭化水素系イオン交換樹脂などが一般的である。
そのような触媒層として従来では、例えばPt担持カーボン(触媒としてPtを担持させたカーボン)と、フッ素系イオン交換樹脂(ナフィオン等)との複合体からなるものが周知である。このように触媒層としてPt担持カーボンとフッ素系イオン交換樹脂との複合体が用いられるのは、触媒層は電子が流れる部分(電子伝導性部分)と、イオンが流れる部分(イオン伝導性部分)と、ガスが通る孔(気孔)とが存在する三相界面を構成する必要があり更に、触媒そのものも三相界面に存在させる必要があるからである。
そのような従来の触媒層は、(1)電子伝導性部材と、触媒成分と、イオン伝導性部材とを適当な気孔が存在するように混合し、(2)適当な溶剤をもってペースト化して電極基材に塗布し、(3)溶剤を乾燥除去するという方法で製造されることが一般的である。特許文献1にその例が開示されている。
また燃料電池電極の触媒層としてカーボンに代えて導電性高分子を用いた取り組みが近年盛んに行われている。これは導電性高分子がカーボンと同様に電子伝導性を示すこと及び、導電性高分子がカーボンと同様に多孔質性を示すため十分なガス拡散性が得られることに基づいたものである。
例えば特許文献2に開示されたカソードの触媒層は、(1)修飾触媒(Pt担持カーボン上にプロトン伝導性薄膜を形成したもの)とポリテトラフルオロエチレンとを含む綿状の混合塊をカーボンペーパー上に担持させて焼成したものを電極基体とし、(2)その電極基体上に電解重合によりポリアニリンネットワーク中にトリフルオロメタンスルホン酸が保持された薄膜を形成したものである(この場合高分子ネットワークとしてポリアニリンを用い、プロトン伝導性モノマーとしてトリフルオロメタンスルホン酸を用いている)。
また特許文献3に開示された燃料電池電極の触媒層は、(1)ゼオライトを加熱することによりチャネルを脱水し、チャネルにアニリンモノマーを導入してからこれを加熱加圧下及び適当な触媒存在下で重合して、ゼオライトのチャネルにポリアニリンを形成したものを作成し、(2)そのポリアニリン導入ゼオライトと、粒状カーボンとの混合物に触媒粒子(例えばPt)を均一に分散させて溶液中で混合してインクとし、(3)そのインクを電解質膜上にホットプレスして作成したものである。
また特許文献4に開示された燃料電池電極の触媒層は、(1)ポリアニリンの懸濁液に塩化白金酸溶液を加えてしばらく攪拌し、(2)ポリアニリン−PtCl4の複合体を遠心分離した後、(3)還元剤を用いてPtを還元して乾燥して得たものであり、導電性高分子(ポリアニリン)に含まれるヘテロ原子に遷移金属(Pt)が共有結合していると考えられるものである。
特開2000−106203号公報 米国特許第5,346,780号明細書 米国特許第6,117,581号明細書 米国特許第6,479,181号明細書
しかしながら従来の燃料電池電極の触媒層では次のような問題があった。
第一に触媒層では十分な電子伝導性、イオン伝導性及びガス拡散性が要求されるが、例えば特許文献1の電子伝導性、イオン伝導性及びガス拡散性に係る各材料の混合物である触媒層では、電子伝導性を高くしようと電子伝導性部材(カーボン)の量を増やすと、相対的にイオン伝導性部材(フッ素系イオン交換樹脂)の量比が減少するのでイオン伝導性が低下するなど、それぞれの特性がトレードオフの関係にあるという問題があった。
また触媒層での電極反応場は、上述した三相界面であるため、三相界面を効率良く形成する必要がある。従来品(例えば特許文献1)の触媒層では、反応が起こるところにうまく三相界面ができたとしても、その触媒層に形成される三相界面(各相)が触媒層の中で全て繋がっている連続性を保つことが困難であった。例えば特許文献1の触媒層は、実際には混ぜ方や配合割合等が特性に影響したため、各相の連続性を保ちながら触媒成分を分散させることができず、必ずしも理想的な三相界面を形成することはできなかったからである。そのため三相界面ができていない部分におかれた触媒は機能しないので、触媒利用率が悪いという問題があった。
第二に従来品(例えば特許文献1)の触媒層では、添加した触媒は、電子伝導性部材である表面積の大きい担体(炭素質材料:カーボンブラックなど)の表面に付着させることで、触媒成分同士の会合、凝集による分散性の低下を抑止しようとしているが、Pt間に働く力が分子間力などのような比較的弱い力であっても凝集を抑止する効果は十分ではなかった。そのため十分に触媒が分散した触媒層を得ることはできないという問題があった。
また触媒成分の結合サイト数は、カーボンブラックなど従来知られている担体では、まばらであるので、このような結合サイト数以上に高密度に触媒成分を担持しようとしてもまた、触媒成分の会合、凝集を抑えることはできないという問題があった。そのため十分に触媒が分散した触媒層を得ることはできなかった。
同様に特許文献2のものは、上述の電極基体上にトリフルオロメタンスルホン酸が保持されたポリアニリンネットワーク薄膜を形成させたものであるため、触媒層の全体にPtを十分に分散させることができないという問題があった。
特許文献3のものは、ポリアニリン導入ゼオライトと粒状カーボンとの混合物に触媒粒子を均一に分散させてからホットプレスにより電解質膜上に触媒層を形成させたものである。従って特許文献3のものもまた、触媒粒子の凝集を抑制できず触媒全体に十分分散させることができないという問題があった。カーボンやゼオライト上での触媒粒子の結合サイトは限られており、これ以上に高密度に触媒成分を担持させようとすれば、触媒成分の会合、凝集を抑えることはできなくなるからである。
特許文献4のものは、ポリアニリンの懸濁液に塩化白金酸を加えて所定の処理を行ってから還元してヘテロ原子に遷移金属を共有結合させたものである。従って、担体と触媒成分との間に働く力が比較的強いと考えられるが、重合物であるポリアニリンに後から塩化白金酸を添加しているのでポリアニリンに塩化白金酸が十分に入り込まず、触媒成分を高密度に分散させることができないという問題があった。
このように触媒成分を高密度で十分に分散させることができないと、触媒利用率が悪くなり燃料電池の効率、出力に悪影響が出る。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の触媒層で生じていた電子伝導性とイオン伝導性との間のトレードオフの問題を解消しつつ、高密度で十分に分散した状態で触媒成分を担持させることができ、これにより触媒利用率を高めることができる燃料電池電極、燃料電池及びそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねる過程で、導電性高分子がカーボンと同様に電子伝導性及び多孔質性を示すと同時に、酸化重合することによってそれ自体が大きなイオン(+イオン)になることに着眼した。電子伝導性及び多孔質性については導電性高分子の特性といえるが、更に酸化重合を行えば、そのマトリックスの中にイオン伝導性という特性を備えさせることになる。すなわち、導電性高分子は酸化重合によって触媒層の三つの要求特性、すなわち、電子伝導性、イオン伝導性及びガス拡散性を備えることになる。
そのため、本発明者は、触媒層全体にその三つの要求特性を備えた導電性高分子が存在するように構成するとともに、導電性高分子そのものには触媒活性がないため、イオン伝導性に係る導電性高分子のサイトへ、触媒成分を酸化重合の際にまんべんなく均一に導入することとすれば、高密度でかつ十分に触媒成分を分散させた状態でこれを担持させ得るのではないかと想到するに至り、本発明を完成させた。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池電極及び燃料電池は、フタロシアニン錯体イオン、ナフタロシアニン錯体イオン、ポルフィリン錯体イオン、テトラアザアヌレン錯体イオン、サレン錯体イオン、ヘモグロビン錯体イオン、または、カタラーゼ錯体イオンから選択されるアニオン性の触媒成分の共存下で、ポリアニリンの前駆体モノマーを電解酸化重合させる電解酸化重合工程を行って得た「触媒成分含有ポリアニリン」を触媒層に含むことを要旨とするものである
上記の製造工程を経て得られる燃料電池電極は、電子、イオン、気体分子が出会い反応する場となるので、電子伝導相、イオン伝導相、ガス拡散相が共存する三相界面を広く形成できるかが特性を向上させる重要な因子である。また三相界面にいかに高密度で十分に触媒成分が分散しているかということが重要な因子となる。
導電性高分子であるポリアニリンは、電子伝導性の高い高分子材料であるが、一方で高分子鎖自体が巨大イオンであるためにイオン伝導性も併せ持ち、更に分子間又は二次集合体(フィブリル又は球状)間に空隙を有するためガス透過性の材料である。
従って本発明に係る燃料電池電極の導電性高分子マトリックスは、電子伝導性、イオン伝導性、ガス透過性を併せ持つため三次元的に広い三相界面が容易に形成されることになる。
また導電性高分子に分散されるアニオン性物質は比較的大きいものを用いるが、大きい方が導入されやすい傾向にあり、また導電性高分子とアニオン性物質との間では静電気的な相互作用が存在することから酸化重合により、本発明に係る燃料電池電極は触媒成分が高密度で十分に分散されることになる。
以上説明したように本発明に係る燃料電池電極及び燃料電池は、フタロシアニン錯体イオン、ナフタロシアニン錯体イオン、ポルフィリン錯体イオン、テトラアザアヌレン錯体イオン、サレン錯体イオン、ヘモグロビン錯体イオン、または、カタラーゼ錯体イオンから選択されるアニオン性の触媒成分の共存下で、ポリアニリンの前駆体モノマーを電解酸化重合させる電解酸化重合工程を行って得た触媒成分含有ポリアニリンを触媒層に含むものであるから、反応場である三相界面が効率良く形成されたものとなるとともに、触媒層の中で触媒成分が高密度で十分に分散したものとなるという効果がある。従って、燃料電池に組み込んで運転したときに触媒利用率を高め、その運転効率や出力を向上させることができるという効果がある。
また本発明に係る燃料電池電極及び燃料電池の製造方法は、フタロシアニン錯体イオン、ナフタロシアニン錯体イオン、ポルフィリン錯体イオン、テトラアザアヌレン錯体イオン、サレン錯体イオン、ヘモグロビン錯体イオン、または、カタラーゼ錯体イオンから選択されるアニオン性の触媒成分の共存下で、ポリアニリンの前駆体モノマーを電解酸化重合させる電解酸化重合工程を行うものであるから、反応場である三相界面が効率良く形成されるとともに、触媒層の中で触媒成分を高密度で十分に分散させることができるという効果がある。従って、触媒利用率、燃料電池の運転効率や出力を向上させることができるという効果がある。
以下に本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明に係る燃料電池電極は、例えば図1に示した構造の固体高分子型燃料電池1に適用しえるものであり、特に触媒層4(4a、4b)に触媒成分含有ポリアニリンを含んでいる点に特徴がある。
(一実施形態に係る燃料電池電極)
一実施形態に係る燃料電池電極は、ポリアニリンの前駆体モノマーを、触媒成分の共存下で電解酸化重合させる電解酸化重合工程を行って得た触媒成分含有ポリアニリンを触媒層に含むものであればよい。「触媒成分含有ポリアニリン」とは触媒成分を含むポリアニリンのことを意味する。この場合に「触媒成分」としてアニオン性物質を用いることができ、「アニオン性物質」として大環状錯体イオンを用いることができる。「アニオン性物質」とは、負電荷を持つイオンであり、導電性高分子と静電気的な相互作用を示すものである。
「大環状錯体イオン」とは、環状の配位子に金属イオンが配位した錯イオンをいい、その構造は特に限定されないが、例えば、キレート環を含み、かつ、その中心金属が触媒活性を示す遷移金属元素であるものが挙げられる。具体例としては環状の配位子を構成する錯体としてフタロシアニン錯体、ナフタロシアニン錯体、ポルフィリン錯体、テトラアザアヌレン錯体、サレン錯体、ヘモグロビン錯体、カタラーゼ錯体を用いることができ、金属イオンとなる元素としてPt、Fe、Co、Ni、Cu、Ti、V、Cr、Mnを用いることができる。
一実施形態に係る燃料電池電極の製造は次のように行うことができる。(1)触媒層として前駆体モノマーと大環状錯体イオン(触媒成分)とを含む水溶液を用意する一方、拡散層として撥水カーボンを用意する。(2)図3に示したように撥水カーボンの一面を当該水溶液水面に接触させ、別途水溶液に設けた対極(例えば黒鉛製)との間に電流を印可し(電解重合)、(3)触媒成分含有ポリアニリンが形成された撥水カーボンを洗浄すればよい。
次に一実施形態に係る燃料電池電極の作用について説明する。電解酸化重合工程においてポリアニリンの前駆体モノマーを、触媒成分とともに電解酸化重合させると、前駆体モノマー(アニリン)はアニオン性物質たる大環状錯体イオン(例えばコバルト−テトラフェニルポルフィリンスルホン酸)をドーパントとして取り込みながら電解酸化重合し触媒成分含有ポリアニリン(例えばCo−TPPS含有ポリアニリン)となる。
そして取り込まれたアニオン性物質は、ポリアニリンの分子鎖上のカチオン性部分と静電気的に相互作用する(図参照)。すなわち、ドーパントとしてアニオン性物質たる触媒成分が導入されると、触媒成分はポリアニリン分子鎖上のカチオン性部分と静電気的な相互作用をもって入り込む。そのため触媒成分同士は、ポリアニリン上に凝集することなく高分散・高密度で入り込む。
更にアニオン性物質たる触媒成分がポリアニリンのカチオン性部分と静電気的に相互作用するので、触媒成分とポリアニリン骨格との間で電荷は速やかに移動する。従って触媒活性は向上する。
一実施形態に係る燃料電池)
次に一実施形態に係る燃料電池についてであるが、一実施形態に係る燃料電池電極をフッ素系イオン交換樹脂などを電解質膜としてその両側に触媒成分含有ポリアニリン(触媒層)を内側にして接合することにより得られる(図1参照)。そしてその作用であるが三相界面が効率よく触媒中全体で連続して形成されるとともに、触媒が十分に分散されているため三相界面での触媒利用率が高まる。従って高い放電特性を示す。
(電解重合により大環状錯体イオンを導電性高分子に含有させた例)
(実施例
水溶液中で電離してアニオン性を示すコバルト−テトラフェニルポルフィリンスルホン酸(Co−TPPS、図参照)1mMと0.1Mのアニリンを含む水溶液Fを用意した。
希薄なテフロン(デュポン社の登録商標)分散液を含浸・乾燥させたカーボンペーパー(厚さ0.1mm)を、窒素雰囲気300℃で焼成して得た、電極拡散層の一面を図3のように溶液Fの水面に接触させ、別途、溶液F中に設けた黒鉛製の対極との間に、見かけの電極拡散層面積1cmあたり、5mAの一定電流を10分間流した(電解重合)。このとき、電極拡散層の側を陽分極、すなわち、+極として電流を印可した。この通電により、アニリンは電気化学的に酸化重合し、電極拡散層表面にポリアニリンの均一な層が形成された。純水で十分洗浄・乾燥して電極Fとした。形成されたポリアニリンを分析した結果、電極拡散層見かけ面積1cmあたり、約0.3mgのコバルトが含まれていることがわかった。
電極F2枚をポリアニリンの触媒層を内側にして、膜圧約50μmのナフィオンの両側に押しあて、小型の試験電池Fを作製した。
(比較例
水に不溶で非アニオン性を示すコバルト−テトラフェニルポルフィリン(Co−TPP、図参照)のトルエン溶液にカーボンブラック(Cabot社製、VULCAN XC−72)を分散させ、よく攪拌した後、ロータリーエバポレーターにて、トルエンを蒸発・乾固して、Co−TPPをカーボンブラック上に担持した触媒を得た。コバルトイオンの担持密度は約1wt%であった。この触媒を、5wt%のナフィオン溶液(水とエタノールの混合溶媒)と混合してペーストとして、実施例と同じ電極拡散層表面に塗布、約100℃で真空乾燥して触媒層を形成し、電極Gとした。触媒層中のカーボン重量に対するナフィオンの重量比は、1.0とし、電極面積1cmあたりのコバルト量は、約0.3mgとなるよう調整した。電極Gを2枚用いたほかは、実施例と同じ方法で小型の試験電池を作製し、試験電池Gとした。
(実施例に関する評価試験)
試験電池F、Gを用いて、燃料電池の放電試験を行った。試験条件は、電池温度80℃として、水素・空気を露点70℃で加湿して供給した。結果を図に示した。
アニオン性の触媒成分をポリアニリンに分散させている試験電池F(実施例)の方が、非アニオン性の触媒成分をカーボンブラック上に担持させた試験電池G(比較例)に較べて、高い電圧特性を示した。その理由は、担持させた触媒量は試験電池F、Gとも同じであるが、電解重合を経た試験電池Fでは導電性高分子マトリックス中の+イオンと静電気的な相互作用で触媒成分が入っていくため触媒成分を高密度で十分に分散させることができたためと考えられる。一方試験電池Gでは非アニオン性の触媒成分とカーボンブラックとの間では相互作用が十分でないため触媒成分を分散させることができず、凝集してしまったため電圧特性が低くなったと考えられる。
特に実施例の方法では、触媒成分がアニオンの形でポリアニリンに分散させることができるのでマトリックスである導電性高分子との間の電荷移動を促進し、触媒活性が向上するという効果があるといえる。
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明では固体高分子型燃料電池に本発明を適用する例を示したが、これに限られず、アルカリ型燃料電池、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、酸素及び/又は水素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等の電気化学デバイスの電極に適用することができる。
固体高分子型燃料電池の構造を模式的に示した図である。 ニリンの酸化重合を模式的に示した図である。 本発明の一実施例に係る電解重合に用いた装置の概略図である。 コバルト−テトラフェニルポルフィリンスルホン酸(Co−TPPS)が水溶液中で電離したときの化学構造を示した図である。 コバルト−テトラフェニルポルフィリン(Co−TPP)の化学構造を示した図である。 本発明の実施例に関する燃料電池F、Gの放電試験の結果を示したグラフである。
符号の説明
1 固体高分子型燃料電池
2 電解質膜
3(3a、3b) 燃料電池電極
4(4a、4b) 触媒層
5(5a、5b) 拡散層
6 負荷

Claims (5)

  1. フタロシアニン錯体イオン、ナフタロシアニン錯体イオン、ポルフィリン錯体イオン、テトラアザアヌレン錯体イオン、サレン錯体イオン、ヘモグロビン錯体イオン、または、カタラーゼ錯体イオンから選択されるアニオン性の触媒成分の共存下で、ポリアニリンの前駆体モノマーを電解酸化重合させる電解酸化重合工程を行なって得た触媒成分含有ポリアニリンを触媒層に含むことを特徴とする燃料電池電極。
  2. フタロシアニン錯体イオン、ナフタロシアニン錯体イオン、ポルフィリン錯体イオン、テトラアザアヌレン錯体イオン、サレン錯体イオン、ヘモグロビン錯体イオン、または、カタラーゼ錯体イオンから選択されるアニオン性の触媒成分の共存下で、ポリアニリンの前駆体モノマーを電解酸化重合させることにより得られる当該触媒成分の分散状態のままで当該触媒成分が分散した触媒成分含有ポリアニリンを触媒層に含むことを特徴とする燃料電池電極。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池電極を備えたことを特徴とする燃料電池。
  4. フタロシアニン錯体イオン、ナフタロシアニン錯体イオン、ポルフィリン錯体イオン、テトラアザアヌレン錯体イオン、サレン錯体イオン、ヘモグロビン錯体イオン、または、カタラーゼ錯体イオンから選択されるアニオン性の触媒成分の共存下で、ポリアニリンの前駆体モノマーを電解酸化重合させる電解酸化重合工程を含むことを特徴とする燃料電池電極の製造方法。
  5. 請求項4に記載の燃料電池電極の製造方法を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
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