JP6753121B2 - 空気電池用電極ペースト組成物、空気電池用正極層及び空気電池 - Google Patents

空気電池用電極ペースト組成物、空気電池用正極層及び空気電池 Download PDF

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Description

本発明は、空気電池用電極ペースト組成物及び、空気電池用正極層及び空気電池に関する。
現在、開発が進められている空気電池は、負極活物質に金属、正極活物質に空気中の酸素を利用し、発電、蓄電するエネルギーシステムである。正極側の活物質が空気中の酸素を使用できるため、電池内部に正極活物質を充填する必要が無いため、他の従来電池と比べて、エネルギー密度を高く出来る特長がある。
そのため、例えば、補聴器用の軽く高容量な電池として亜鉛空気一次電池がすでに広く普及しており、また、電池の高容量化が必要な車載用のバッテリーとしてリチウム空気二次電池の研究開発が精力的に行われている。
空気電池は、負極金属の種類、充電の有無、作動環境等によって構成が変わるため、使用される部材の種類や要求特性も多種多様なものとなる。しかしながら、空気中の酸素を還元する機能を持つ正極層に関しては、一次電池、二次電池によらず共通する部材であることに加え、材料によって電池の電圧や容量が大きく左右するため盛んに研究がされている。
正極層の改良により、出力向上させるために、これまでに様々な対策が取られてきた。例えば、カーボンナノチューブにNをドープした正極材料の使用(特許文献1)や、正極層を触媒層と液密通気層との積層構造にし、触媒層に炭素粒子と触媒粒子の他に親水性粒子を含有する多孔層の使用等が報告されている(特許文献2)。しかしながら、これらの報告では、正極材に使われる材料種の分散が十分ではなく、特に炭素材料は凝集を引き起こしやすいため、正極層全体への導通パスの形成や、酸素分子の膜全体への拡散が阻害され得るため、起電力や電流量の低下を引き起こしてしまうという問題がある。
特開2015−220036号公報 特開2015−79577号公報
本発明の目的は、空気電池の正極層を構成する導電性炭素材料や酸素還元触媒の機能を阻害することなく分散性が良好で、保存安定性や塗工性を備えた空気電池用電極ペースト組成物を提供することである。
また、前記組成物を用いることにより、空気電池における正極材の分散性が向上することで、電極膜の成膜性や電極膜中の導電性炭素材料や酸素還元触媒の凝集等による材料の不均一性を改善し、電極の内部抵抗低減や正極層における活物質(酸素)の利用効率を向上させることにより電池特性に優れた空気電池を提供することである。
すなわち本発明は、導電性炭素材料及び/又は酸素還元触媒と、塩基性官能基を有する顔料誘導体とを含有してなる空気電池用電極ペースト組成物であって、
前記顔料誘導体が、有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体およびトリアジン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つの顔料誘導体であり、
前記有機色素誘導体が、ジケトピロロピロール系色素、アゾ系色素、アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、およびスレン系色素からなる群から選ばれる少なくとも一種である空気電池用電極ペースト組成物に関する。
又、本発明は、導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラフェン系炭素材料およびカーボンナノチューブからなる群から選ばれる少なくとも一つの炭素材料である前記空気電池用電極ペースト組成物に関する。
又、本発明は、酸素還元触媒が、担持金属触媒、酸化物系触媒、非白金系炭素触媒および活性炭からなる群から選ばれる少なくとも一つの酸素還元触媒である前記空気電池用電極ペースト組成物に関する。
又、本発明は、バインダーを含んでなる前記空気電池用電極ペースト組成物に関する。
又、本発明は、支持電解質塩を含んでなる前記空気電池用電極ペースト組成物に関する。
又、本発明は、溶剤を含んでなる前記空気電池用電極ペースト組成物に関する。
又、本発明は、導電性炭素材料及び/又は酸素還元触媒と、塩基性官能基を有する顔料誘導体とを含有してなる空気電池用正極層であって、
前記顔料誘導体が、有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体およびトリアジン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つの顔料誘導体であり、
前記有機色素誘導体が、ジケトピロロピロール系色素、アゾ系色素、アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、およびスレン系色素からなる群から選ばれる少なくとも一種である空気電池用正極層に関する。


又、本発明は、前記空気電池用正極層を有する空気電池に関する。
本発明によれば、空気電池の正極層を構成する材料種を、分散剤として顔料誘導体を用いて分散した空気電池用電極ペースト組成物を作製することで、ペースト組成物の分散性や保存安定性だけでなく、電極の膜ムラや塗工性を改善することができる。これら電極の不均一性や成膜性が向上することで、導電性材料の凝集抑制による内部抵抗の低下や、活物質である酸素が全膜内に拡散可能となることによる膜の利用効率向上による電池特性向上が実現できる。
更に、分散剤としては、界面活性剤や分散樹脂の使用も可能であるが、比表面積が大きい導電性炭素材料等を使用する場合などにおいては、吸着力の弱い界面活性剤では、分散するために大量の使用が必要なため、電池容量が低下することに加え一般的な界面活性剤では、水溶液中での分散と比較して、有機溶剤中では分散効果が低くなる。また、分散樹脂の場合も、大量に使用しないと分散の効果が薄いことに加え、炭素材料の表面を被覆してしまい導電ネットワークを阻害するおそれがある。しかし、塩基性官能基を有する顔料誘導体を用いる場合では、導電性炭素材料との作用(例えば吸着)により、少量の使用で効果的に分散性を付与することができることに加え、多くの有機溶剤中でも使用可能なため、幅広い材料種、溶剤中において、分散効果を発揮することができ電池特性向上に寄与できる。
<空気電池用電極ペースト組成物>
本発明の空気電池用電極ペースト組成物は、少なくとも導電性炭素材料及び/または酸素還元触媒と、顔料誘導体とを含有するものである。導電性炭素材料及び/または酸素還元触媒、顔料誘導体の割合は、特に限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択され得る。
<塩基性官能基を有する顔料誘導体>
本発明における塩基性官能基を有する顔料誘導体としては、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体が挙げられる。
とりわけ、下記一般式(1)で示されるトリアジン誘導体の使用が、分散安定性、電池性能への影響が少ない等の理由で好ましい場合がある。
一般式(1):
Figure 0006753121

一般式(1)において、
1は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、又は−X2−Y1−X3−であり、
2は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
3は、−NH−、又は−O−であり、
1は、炭素数1〜20で構成された、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のアルケニレン基、又は、置換若しくは未置換のアリーレン基であり、
Pは、下記一般式(2)で示される置換基、下記一般式(3)で示される置換基、又は下記一般式(4)で示される置換基であり、
Qは、−O−R2、−NH−R2、ハロゲン基、−X1−R1、下記一般式(2)で示される置換基、下記一般式(3)で示される置換基、又は下記一般式(4)で示される置換基であり、
2は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、又は置換若しくは未置換のアリール基であり、
1は、有機色素残基、置換若しくは未置換の複素環残基、置換若しくは未置換の芳香族環残基、又は下記一般式(5)で示される基であり、
1は、1〜4の整数である。
一般式(2):
Figure 0006753121

一般式(3):
Figure 0006753121

一般式(4):
Figure 0006753121

一般式(2)〜(4)において、
4は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−、又は−X5−Y2−X6−であり、
5は、−NH−、又は−O−であり、
6は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、又は−CH2−であり、
2は、炭素数1〜20で構成された、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のアルケニレン基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基であり、
vは、1〜10の整数であり、
3 及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、又は置換若しくは未置換のアリール基である。ここで、R3 とR4とで一体となって、更なる窒素、酸素、又は硫黄原子を含む、置換若しくは未置換の複素環残基であり、
5 、R6 、R7 、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、又は、置換若しくは未置換のアリール基であり、
9は、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、又は、置換若しくは未置換のアリール基である。
R1 は有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または下記一般式(5)で示される基を表す。
とりわけ、R1としては、導電性炭素材料や酸素還元触媒への作用(吸着)、分散安定性の面で一般式(5)が好ましい場合がある。
一般式(5):
Figure 0006753121

一般式(5)において、
Tは、−X8−R10、又はW1であり、
Uは、−X9−R11、又はW2であり、
1、及びW2は、それぞれ独立に、−O−R20、−NH−R20、ハロゲン基、一般式(2)で示される置換基、一般式(3)で示される置換基、又は一般式(4)で示される置換基であり、
20は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、又は、置換若しくは未置換のアリール基であり、
7は、−NH−、又は−O−であり、
8、及びX9は、それぞれ独立に、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、又は−CH2NHCOCH2NH−であり、
3は、炭素数1〜20で構成された、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のアルケニレン基、又は、置換若しくは未置換のアリーレン基であり、
10、及びR11は、それぞれ独立に、有機色素残基、置換若しくは未置換の複素環残基、又は、置換若しくは未置換の芳香族環残基である。
1、R10、及びR11で表される有機色素残基の具体例として、ジケトピロロピロール系色素: アゾ、ジスアゾ、及びポリアゾ等のアゾ系色素: フタロシアニン系色素: ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、及びビオラントロン等のアントラキノン系色素: :キナクリドン系色素: ジオキサジン系色素: ペリノン系色素: ペリレン系色素: チオインジゴ系色素: イソインドリン系色素: イソインドリノン系色素: キノフタロン系色素: スレン系色素:並びに、金属錯体系色素が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましい。
1、R10、及びR11で表される複素環残基及び芳香族環残基の具体例として、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラジン、トリアジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン、及びアクリドン等が挙げられる。これらの複素環残基、及び芳香族環残基は、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、及びジブチルアミノ基等)、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、及びブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素、及びフッ素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はハロゲン等で置換されていてもよい)、並びに、フェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい。
3、及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、置換若しくは未置換のアリール基、又はR3 とR4とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む置換基を有してもよい複素環残基である。
1、Y2、及びY3は、それぞれ独立に、炭素数20以下の置換若しくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、又はアリーレン基を表すが、好ましくは置換若しくは未置換のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、又は炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
また、本発明における塩基性官能基を有する顔料誘導体としては、一般式(1)以外に、一般式(6)で示される有機色素誘導体の使用が好ましい。
一般式(6)
Figure 0006753121

一般式(6)において、
Zは、下記一般式(7)で示される置換基、下記一般式(8)で示される置換基、又は下記一般式(9)で示される置換基であり、
2は、1〜4の整数であり、
12は、有機色素残基、置換若しくは未置換の複素環残基、又は、置換若しくは未置換の芳香族残基である。
一般式(7):
Figure 0006753121

一般式(8):
Figure 0006753121

一般式(9):
Figure 0006753121

一般式(7)〜(9)において、
10は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−、又は−X11−Y4−X12−であり、
11は、−NH−、又は−O−であり、
12は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、又は−CH2−であり、
4は、炭素数1〜20で構成された、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のアルケニレン基、又は、置換若しくは未置換のアリーレン基であり、
1は、1〜10の整数であり、
13 、及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、置換若しくは未置換のフェニル基である。ここで、R3とR4とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む置換若しくは未置換の複素環残基を形成してもよい。
15 、R16 、R17 、及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、又は、置換若しくは未置換のアリール基であり、
19は、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、又は、置換若しくは未置換のアリール基である。
12で表される有機色素残基の具体例として、ジケトピロロピロール系色素: アゾ、ジスアゾ、及びポリアゾ等のアゾ系色素: フタロシアニン系色素: ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、及びビオラントロン等のアントラキノン系色素: キナクリドン系色素: ジオキサジン系色素: ペリノン系色素: ペリレン系色素: チオインジゴ系色素: イソインドリン系色素: イソインドリノン系色素: キノフタロン系色素: スレン系色素: 並びに、金属錯体系色素等が挙げられる。
12で表される複素環残基及び芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン、及びアクリドン等が挙げられる。これらの複素環残基及び芳香族環残基は、アルキル基(メチル基、エチル基、及びブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、及びジブチルアミノ基等)、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、及びブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素、及びフッ素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、及びハロゲン等で置換されていてもよい)、並びに、フェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、及びハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい。
13 、及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基、置換若しくは未置換のフェニル基、又はR13 とR14とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む、置換若しくは未置換の複素環残基である。
一般式(2)〜(4)、並びに一般式(6)〜(9)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分の具体例として、以下が挙げられる。
ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、及び1−シクロペンチルピペラジン等。
本発明の塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、又は塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の合成方法としては、特に限定されるものではなく、周知の方法を適用することができる。例えば、特開昭54−62227号公報、特開昭56−118462号公報、特開昭56−166266号公報、特開昭60−88185号公報、特開昭63−305173号公報、特開平3−2676号公報、又は特開平11−199796号公報等に記載されている方法を適用することができる。上記公報による開示を参照することにより、本明細書の一部に組み込むものとする。
塩基性官能基を有する各種誘導体は、例えば、有機色素、アントラキノン、若しくはアクリドンに、下記一般式(10)〜(13)で示される置換基を導入した後、これら置換基と、アミン成分とを反応させることによって、合成することができる。
一般式(10):
−SO2Cl
一般式(11):
−COCl
一般式(12):
−CH2NHCOCH2Cl
一般式(13):
−CH2Cl
上記アミン成分としては、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミン、若しくは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を使用することができる。
又、例えば、一般式(10)で示される置換基を導入する場合には、有機色素、アントラキノン、若しくはアクリドンをクロロスルホン酸に溶解して、塩化チオニル等の塩素化剤を反応させる。その際、反応温度、反応時間等の条件を調整することによって、有機色素、アントラキノン、若しくはアクリドンに導入する一般式(10)で示される置換基の数をコントロールすることができる。
又、一般式(11)で示される置換基を導入する場合には、まずカルボキシ基を有する有機色素、アントラキノン、若しくはアクリドンを公知の方法で合成した後、ベンゼン等の芳香族溶媒中で塩化チオニル等の塩素化剤を反応させる方法等が挙げられる。
一般式(10)〜(13)で示される置換基とアミン成分との反応時には、一般式(10)〜(13)で示される置換基の一部が加水分解して、塩素がヒドロキシ基に置換することがある。その場合、一般式(10)で示される置換基はスルホ基となり、一般式(11)で示される置換基はカルボキシ基となる。各々の酸基は、いずれも遊離酸のままでよい。又は、それぞれ、1〜3価の金属若しくは、上記のアミンと塩を形成していてもよい。
又、有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式(7)〜(9)、又は下記一般式(14)で示される置換基を予めジアゾ成分又はカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系有機色素誘導体を製造することもできる。
一般式(14):
Figure 0006753121

一般式(14)において、
13は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、又は−X14−Y5−X15−であり、
14は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
15は、それぞれ独立に、−NH−、又は−O−であり、
5は、炭素数1〜20で構成された、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のアルケニレン基、又は、置換若しくは未置換のアリーレン基であり、
1は、一般式(2)で示される置換基、一般式(3)で示される置換基、又は一般式(4)で示される置換基であり、
2は、−O−R24、−NH−R24、ハロゲン基、−X1−R25、一般式(2)で示される置換基、一般式(3)で示される置換基、又は一般式(4)で示される置換基であり、
24は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は、置換若しくは未置換のアルケニル基、又は置換若しくは未置換のアリール基であり、
25は、有機色素残基、置換若しくは未置換の複素環残基、置換若しくは未置換の芳香族環残基、又は一般式(5)で示される基である。
又、塩基性官能基を有するトリアジン誘導体は、例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(7)〜(9)、又は一般式(14)で示される置換基を形成するアミン成分(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、若しくはN−メチルピペラジン等)を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミン又はアルコール等を反応させることによって得られる。
上記の顔料誘導体は、添加した顔料誘導体が導電性炭素材料や、酸素還元触媒表面に作用(例えば吸着)することにより、分散効果を発揮するものと思われる。塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体を溶剤中に完全ないしは一部溶解させ、その溶液中に導電性炭素材料や、酸素還元触媒を添加、混合することで 、これら顔料誘導体の導電性炭素材料や、酸素還元触媒への作用(例えば吸着)が進むものと思われる。そして、導電性炭素材料や、酸素還元触媒表面に作用(例えば吸着)した顔料誘導体が有する塩基性官能基の極性により、導電性炭素材料や、酸素還元触媒表面の溶剤に対する濡れが促進され、凝集が解しやすくなるものと思われる。また、後述する分散助剤としての酸と併用することにより、導電性炭素材料や、酸素還元触媒の分散安定性を更に増すことができる。
本発明における、塩基性官能基を有する各種誘導体の具体的な例を表1に示す。
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<酸>
本発明の空気電池用電極ペースト組成物では、導電性炭素材料や、酸素還元触媒の良好な分散および分散安定性を得るために、分散助剤として酸を添加することが好ましい。このとき用いる酸としては、特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、強酸と弱塩基の反応によって得られる塩類の無機化合物、カルボン酸類、燐酸類、スルホン酸類の様な有機酸等が使用できる。中でも、電極作製時の乾燥工程で分解または揮発する酸の使用が好ましく、分子量が300以下好ましくは200以下の酸の使用が望ましい。具体的には、例えば、蟻酸、エタン酸(酢酸)、フルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
これらの酸が、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の塩基性官能基と作用(たとえば、中和によるイオン対の形成(造塩)、およびイオン対(塩)の分極ないしは解離等)することにより、これら顔料誘導体の溶解性が上がるとともに、これら顔料誘導体が作用(例えば吸着)した導電性炭素材料や、酸素還元触媒表面に電気的な相互作用(例えば、材料表面に吸着した顔料誘導体カチオンどうしの静電反発、また、解離した酸アニオンによって形成される電気二重層による反発作用等)が誘起され、材料の解凝集が促進されるものと思われる。またこれら酸の添加は、後述するポリフッ化ビニリデンバインダーを使用する場合、系の酸性化により、バインダーの脱フッ化水素反応による劣化を抑える効果も期待される。
よって本発明では、上記顔料誘導体及び、好ましくは酸の使用により、(1)導電性炭素材料や、酸素還元触媒表面に直接、官能基等を導入(共有結合)せず、さらに(2)分散樹脂を使用することなく、良好な分散を得ることができる。これらのことから、各種材料の導電性を落とすことなく良好な分散を得ることができる。そして各種材料が良好に分散した本発明の電池用組成物を用いることにより、各種材料が均一に分散した電極を作製することができる。
<導電性炭素材料>
本発明における導電性炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ミディアムサーマルカーボンブラック)、グラファイト、グラフェン、グラフェンナノプレートレット、カーボンナノチューブ(シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ)、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、ナノポーラスカーボン等が挙げられる。導電性炭素材料は、種類やメーカーによって、導電性の他に、粒子径、形状、比表面積、細孔容積、細孔径、嵩密度、DBP吸油量、表面酸塩基度、表面親水度など様々な物性やコストが異なるため、使用する用途や要求性能に合わせて最適な材料を選択できる。中でも、導電性、入手の容易さ、及びコスト面からカーボンブラックの使用が好ましい。
カーボンブラックとしては、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックなどの各種のものを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。カーボンの酸化処理は、カーボンを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることより、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基の様な酸素含有極性官能基をカーボン表面に直接導入(共有結合)する処理であり、カーボンの分散性を向上させるために一般的に行われている。しかしながら、官能基の導入量が多くなる程カーボンの導電性が低下することが一般的であるため、酸化処理をしていないカーボンの使用が好ましい。
用いるカーボンブラックの比表面積は、値が大きいほど、カーボンブラック粒子どうしの接触点が増えるため、触媒層内の抵抗を下げるのに有利となる。具体的には、窒素の吸着量から求められる比表面積(BET)で、20m2/g以上、1500m2/g以下が好ましい。
カーボンブラック以外の導電性炭素材料としては、グラフェン系炭素材料及び、カーボンナノチューブの使用が比表面積等や導電性の面から好ましい。
グラフェン系炭素材料としては、炭素原子が同一平面上に六角形に配置し、グラファイトを構成する単原子層であるグラフェンが、単層若しくは、多層構造を有している炭素材料であれば良い。単層及び多層グラフェンは、グラファイトを機械的、化学的に剥がしたり、炭化水素系ガスからCVD法でなどにより合成されるが、合成コストや取り扱いを考慮すると、単層グラフェンよりも十数〜数十層積層された多層グラフェンが好ましい場合がある。
カーボンナノチューブは、グラフェンシートが環を巻いたナノスケールのチューブ状の構造を有しており、グラフェンシートの積層数によって、単層、多層に区別される。カーボンナノチューブは、原料や合成方法によって繊維径や長さ、結晶性、集合状態を制御することで、材料の比表面積、導電性等の諸物性を制御することが可能となる。グラフェン系炭素材料と同様、合成コストや取り扱いを考慮すると、単層カーボンナノチューブよりも多層カーボンナノチューブの方が好ましい場合がある。
市販の導電性炭素材料としては、例えば、ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック: トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック: プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック: Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック: #2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック: MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック: Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック: デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック: VGCF、VGCF−H、VGCF−X等の昭和電工社製カーボンナノチューブ: 名城ナノカーボン社製カーボンナノチューブ: xGnP−C−750、xGnP−M−5等のXGSciences社製グラフェンナノプレートレット: Easy−N社製ナノポーラスカーボン:クノーベルMHグレード、クノーベルP(2)010グレード、クノーベルP(3)010グレード、クノーベルP(4)050グレード等の東洋カーボン社製の多孔質炭素等が挙げられ、これらに限定されるものではない。
<酸素還元触媒>
本発明に用いる酸素還元触媒は、気体状態、若しくは液中溶解状態の酸素分子を電気化学的に還元する機能を有するものである。具体的には、酸素還元触媒上で酸素分子の吸着や解離などが起こることで、反応に必要な活性化エネルギーを下げることができ、反応におけるエネルギーロスを低減する効果がある。そのため、空気電池用正極材には導電性炭素材料だけなく、酸素還元触媒の併用した方が好ましい場合がある。
酸素還元触媒としては、特に限定されるものではないが、担持金属触媒、酸化物系触媒、非白金系炭素触媒、活性炭が好ましい。酸素還元触媒は酸素還元能、導電性、比表面積、細孔容積、細孔径、表面親水度、粒子径など物性が大きく異なるため、使用する用途における要求性能やコスト等に合った最適な材料が選択される。
担持金属触媒の触媒となる金属としては、白金を始めとする貴金属元素やそれら以外の卑金属元素が使用される。触媒作用の高さから、白金、パラジウム、ロジウム、金等の貴金属が好ましく、また有効比表面積を増やすためにナノ粒子や合金化されて使用される場合がある。担体としては、炭素材料、酸化物、高分子等の材料が使用することができるが、電極としての機能を考慮すると導電性の炭素材料の使用が好ましい場合がある。
酸化物系触媒としては、主成分として、遷移金属及び酸素元素を含有した酸化物粒子であり、従来公知のものを使用することができる。酸化物粒子の結晶構造や形状、粒子径の制御、酸素欠陥の導入、窒素などの異種元素のドープ、微粒径化などが、酸素の吸着能や電子伝導性等の触媒特性を向上させることに効果が有り、高い酸素還元能を発現するために重要な意味を成す。酸化物を構成する元素としては、Zr、Ta、Ti、Nb、V、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Cr、W、及びMoからなる群より選択された少なくとも1種の遷移金属を含む酸化物を使用することが好ましい。
非白金系炭素触媒(以下、炭素系触媒材料ともいう)とは、炭素(C)原子の集合体を主体とした多成分系からなり、それらの構成単位間に物理的・化学的な相互作用(結合)を有し、異種元素、たとえばN、B、Pなどのヘテロ原子や卑金属元素が含まれる触媒材料で、1種または2種以上の、炭素材料または窒素元素および卑金属元素を有する化合物を混合、熱処理して、得ることができ、従来公知のものを使用することができる。ここでいう卑金属元素とは、遷移金属元素のうち貴金属元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金)を除く金属元素であり、卑金属元素としては、コバルト、鉄、ニッケル、マンガン、銅、チタン、バナジウム、クロム、亜鉛、スズ、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる一種以上を含有することが好ましい。
ヘテロ原子と卑金属元素を含有することは、酸素還元活性を有するうえで重要な意味をなす。一般的に炭素系触媒材料の場合、その触媒活性点として、炭素材料表面に卑金属元素を中心に、例えば、4個の窒素が平面上に並んだ構造(卑金属−N4構造と呼ぶ)部分における卑金属元素や、炭素材料表面のエッジ部に導入されたヘテロ原子近傍の炭素原子などが挙げられる。
活性炭とは、やしがらや石油系のピッチなどの難黒鉛化炭素材料を原料として、賦活処理により合成される炭素材料で、一般的に、直径2nm以下の細孔を有し、1000m2/g以上の比表面積を有する。賦活処理により、生成した表面や細孔内に導入された欠陥や官能基が酸素の吸着サイトや反応場として作用することで、酸素還元を促進する触媒としての機能を示す。賦活処理には、炭素材料の表面の炭素元素をガス化させ、細孔を導入する方法であり、水蒸気や二酸化炭素、一酸化窒素、アンモニア、酸素等を用いるガス賦活や、アルカリ金属やアルカリ金属塩、亜鉛等を使った薬品賦活がある。一般にガス賦活よりも薬品賦活の方が、大表面積化や細孔制御がし易い特長があるが、使用される条件や用途によって、所望の活性炭を合成するのに適した賦活方法が適宜使用される。
<溶剤>
本発明に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、水等が挙げられる。
導電性炭素材料の分散安定性を得るためには、極性の高い溶剤を使用するのが好ましい。
とりわけ、比誘電率が15以上、200以下、好ましくは15以上、100以下、更に好ましくは、20以上、100以下の極性溶剤を使用することが、導電性炭素材料の良好な分散安定性を得るのに好ましい。溶剤の比誘電率が15を下回ると、十分な分散が得られない場合があり、また、比誘電率が100を越える溶剤を使用しても顕著な分散向上効果が得られないことがある。
比誘電率は、溶剤の極性の強さを表す指標のひとつであり、浅原ほか編「溶剤ハンドブック」((株)講談社サイエンティフィク、1990年)等に記載されている。
比誘電率が15以上の溶剤としては、例えば、メチルアルコール(比誘電率:33.1)、エチルアルコール(23.8)、2−プロパノール(18.3)、1−ブタノール(17.1)、1,2−エタンジオール(38.66)、1,2−プロパンジオール(32.0)、1,3−プロパンジオール(35.0)、1,4−ブタンジオール(31.1)、ジエチレングリコール(31.69)、2−メトキシエタノール(16.93)、2−エトキシエタノール(29.6)、2−アミノエタノール(37.7)、アセトン(20.7)、メチルエチルケトン(18.51)、ホルムアミド(111.0)、N−メチルホルムアミド(182.4)、N,N−ジメチルホルムアミド(36.71)、N−メチルアセトアミド(191.3)、N,N−ジメチルアセトアミド(37.78)、N−メチルプロピオンアミド(172.2)、N−メチルピロリドン(32.0)、ヘキサメチル 燐酸トリアミド(29.6)、ジメチルスルホキシド(48.9)、スルホラン(43.3)、アセトニトリル(37.5)、プロピオニトリル(29.7)、水(80.1)等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、導電性炭素材料の分散安定性は、溶剤の電子受容性にも影響される傾向が見いだされた。電子受容効果の大きな溶剤を含むことが好ましく、とりわけアクセプター数が15以上の溶剤が好ましいが、25以上、60以下の溶剤が更に好ましい。
アクセプター数は、SbCl5・Et3POの31P−NMRの化学シフトについて、基準として、ジクロロエタン中での化学シフトを100、ヘキサン中での化学シフトを0としたときの、各種溶剤中での相対的な化学シフトで与えられる無次元数である。アクセプター数は、各種溶剤の電子受容性の強さを測る尺度であり、値が大きいほどその溶剤の電子受容性が強いことを示す。このアクセプター数については、V.グートマン(大瀧、岡田訳)「ドナーとアクセプター」(学会出版センター(株)1983年)等に記載されている。
溶剤が有する比誘電率の大きさにもよるが、アクセプター数が15を下回る溶剤を用いると、十分な分散安定化効果が得られない場合がある。
アクセプター数が15以上の溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(16.0)、ベンゾニトリル(15.5)、アセトニトリル(18.9)、ジメチルスルホキシド(19.3)、ニトロメタン(20.5)、クロロホルム(23.1)、2−プロパノール(33.5)、エタノール(37.9)、メタノール(41.5)、水(54.8)等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、導電性炭素材料の分散安定性は、溶剤の水素結合性にも影響される傾向が見いだされた。水素結合性の大きな溶剤を含むことが好ましく、とりわけ溶解性パラメーターの水素結合成分(SP値(δh))が5(cal/cm31/2以上の溶剤が好ましいが、8(cal/cm31/2以上、20(cal/cm31/2以下の溶剤が更に好ましい。
溶解性パラメーター(SP値)は、液体の凝集エネルギー密度の平方根として定義される値であり、とりわけ、このSP値を分子間に作用する力に着目して、ロンドン分散力成分、双極子間力成分、水素結合成分の3成分に分ける考え方が、C.M.Hansen,K.Skaarup:J.Paint Tech.,39[511](1967)等に記載されている。
SP値(δh)は、このうち水素結合成分ついてのパラメーターであり、この値が大きいほど、その溶剤の水素結合作用が大きいことを示すものである。溶解性パラメーターの水素結合成分(SP値(δh))が5(cal/cm31/2以上の溶剤としては、例えば、アニリン(5.0)、2−(2−ブトキシエトキシ)エタンール(5.2)、ジアセトンアルコール(5.3)、N,N−ジメチルホルムアミド(5.5)、1−ペンタノール(6.8)、2−エトキシエタノール(7.0)、1−ブタノール(7.7)、1−プロピルアルコール(8.5)、エタノール(9.5)、ジエチレングリコール(9.7)、エタノールアミン(10.4)、メタノール(10.9)、1,2−プロパンジオール(11.4)、1,2−エタンジオール(12.7)、水(16.7)等が挙げられるが、これらに限定されない。
また使用する溶剤としては、プロトン性の極性溶剤を含むことが好ましい。プロトン性の極性溶剤とは、プロトン供与性の溶剤のことであり、溶剤自身にプロトンを放出する能力があり、アニオン種を溶媒和により安定化する効果が高いと思われ望ましい。好ましいプロトン性の極性溶剤としては、例えば、水酸基を有するアルコール類やグリコール類、また、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミドの様な、窒素をモノアルキル化したアミド系溶剤、および水等が挙げられるが、これらに限定されない。
アクセプター数の大きな極性溶剤、溶解性パラメーターの水素結合成分(SP値(δh))の大きな極性溶剤および、プロトン性の極性溶剤は、塩基性官能基を有する顔料誘導体に対する溶媒和力が強いため、顔料誘導体の溶解性や、顔料誘導体が作用(例えば吸着)した導電性炭素材料の濡れ性を向上させるとともに、顔料誘導体の塩基性官能基の分極を促すことで、導電性炭素材料の分散に寄与しているのではないかと思われる。顔料誘導体の塩基性官能基(ルイス塩基)は電子密度が高い為、極性が高く(誘電率が大きく)、電子受容性ないしは水素結合性の強い溶剤ほど作用しやすいものと思われる。
また、分散助剤として酸を添加した場合、顔料誘導体の塩基性官能基と酸の作用により生じるイオン対(塩)の分極ないしは解離を促す効果が大きい溶剤の使用が、導電性炭素材料の良好な分散安定性を得るのには重要と思われる。イオン対(塩)の分極ないしは解離のしやすさは、塩基性官能基を有する顔料誘導体や、分散助剤として加える酸の分子構造にもよるが、この場合も、アクセプター数の大きな極性溶剤、溶解性パラメーターの水素結合成分(SP値(δh))の大きな極性溶剤および、プロトン性の極性溶剤は、イオン対 、もしくはそのアニオン種を溶媒和により安定化する効果が高いと思われるため望ましい。更に、とりわけ比誘電率の高い溶剤は、イオン対の解離を促すものと思われ好ましい。
よって、導電性炭素材料の良好な分散安定性を得るためには、アクセプター数の大きな溶剤、溶解性パラメーターの水素結合成分(SP値(δh))の大きな溶剤もしくは、プロトン性の溶剤と、比誘電率の大きな溶剤とを組み合わせて使用するか、比誘電率、アクセプター数、溶解性パラメーターの水素結合成分(SP値(δh))の大きなプロトン性の溶剤を使用することが好ましい。
また、使用する溶剤としては、上記のプロトン性溶剤に加えて、更に、非プロトン性の極性溶剤を使用することが好ましい。非プロトン性の極性溶剤とは、溶剤自身にプロトンを放出する能力がなく、また自己解離もしない極性溶剤であり、非プロトン性の極性溶剤は水素結合による自己会合を生じず、溶剤自身の凝集性が弱い。そのため導電性炭素材料の凝集体への浸透力が強く、上記顔料誘導体が導電性炭素材料表面に作用するのを助ける効果が期待される。また、非プロトン性の極性溶剤は、溶剤自身の凝集性が弱いために溶解力が強く、種々の顔料誘導体や樹脂を溶解することができる為、汎用性に優れる。好ましい非プロトン性の極性溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドの様な窒素をジアルキル化したアミド系溶剤、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、これらに限定されない
<バインダー>
本発明の組成物には、更に、バインダー成分を含有させることが好ましい。使用するバインダーとしては、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルピロリドン等を構成単位として含む重合体または共重合体;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂;カルボキシメチルセルロースのようなセルロース樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴムのようなゴム類;ポリアニリン、ポリアセチレンのような導電性樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂の変性体や混合物、および共重合体でも良い。特に、耐性面から分子内にフッ素原子を含む高分子化合物、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン等の使用が好ましい。
また、バインダーとしてのこれらの樹脂類の質量平均分子量は、10,000〜1,000,000が好ましい。分子量が小さいとバインダーの耐性が低下することがある。分子量が大きくなるとバインダーの耐性は向上するものの、バインダー自体の粘度が高くなり作業性が低下するとともに、凝集剤として働き、各種材料が著しく凝集してしまうことがある。
また、正極側の触媒層における生成水による酸素の拡散阻害を抑制するために、撥水性材料のバインダーとしての使用及び併用が好ましい場合がある。撥水性材料としては、親水性官能基を有さないバインダーを指し、表面張力が水の表面張力(約72mN/m)より低いものが好ましい。例えば、フッ素系樹脂や、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコン樹脂が使用できるが、中でもフッ素系樹脂が好ましい。フッ素系樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。
<本発明の空気電池用電極ペースト組成物の製造方法>
次に、本発明の空気電池用電極ペースト組成物の製造方法について説明する。
本発明の該電極ペースト組成物は、例えば、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上の顔料誘導体の存在下、導電性炭素材料や酸素還元触媒を溶剤に分散し、該分散体に、必要に応じてバインダー成分を混合することにより、製造することができる。各成分の添加順序などについては、これに限定されるわけではない。また、必要に応じて更に添加剤や溶剤を追加しても良い。
上記製造方法は、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上の顔料誘導体を、溶剤中に完全ないしは一部溶解させ、その溶液中に導電性炭素材料や酸素還元触媒を添加、混合することで、これら顔料誘導体を導電性炭素材料や酸素還元触媒に作用(例えば吸着)させつつ、溶剤に分散するものである。このときの分散体中における導電性炭素材料や酸素還元触媒の濃度は、使用する導電性炭素材料や酸素還元触媒の比表面積や表面官能基量などの導電性炭素材料や酸素還元触媒固有の特性値等にもよるが、1質量%以上、50質量%以下が好ましく、更に好ましくは5質量%以上、35質量%以下である。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上の顔料誘導体の添加量は、用いる導電性炭素材料や酸素還元触媒の比表面積等により決定される。一般には、導電性炭素材料や酸素還元触媒100質量部に対して、顔料誘導体を0.5質量部以上、40質量部以下、好ましくは1質量部以上、35質量部以下、さらに好ましくは、2質量部以上、30質量部以下である。
導電性炭素材料や酸素還元触媒の分散粒径は、0.03μm以上、2μm以下、好ましくは、0.05μm以上、1μm以下、更に好ましくは0.05μm以上、0.5μm以下に微細化することが望ましい。ここでいう分散粒径とは体積粒度分布において、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していったときに、50%となるところの粒子径(D50)であり、一般的な粒度分布計、例えば、動的光散乱方式の粒度分布計(日機装社製「マイクロトラックUPA」)等で測定される。
また、上記顔料誘導体を導電性炭素材料や酸素還元触媒に作用(例えば吸着)させつつ、導電性炭素材料や酸素還元触媒を溶剤に分散するための装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機が使用できる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等)類、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーターおよびベッセルがセラミック製または樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーターおよびベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズや、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましく、中でもジルコニアビーズの使用が好ましい。また、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
また、導電性炭素材料や酸素還元触媒分散時に金属異物等のコンタミを除く工程を入れることが好ましい。カーボンブラック、グラファイトおよび、炭素繊維等の導電性炭素材料には、それらの製造工程由来(ラインコンタミや触媒として)の金属異物が含まれている場合が多く、これら金属異物を除去することは、電池の短絡を防ぐために非常に重要となる。本発明では、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる顔料誘導体の効果により、導電性炭素材料や酸素還元触媒の凝集がよくほぐれること、および分散体の粘度が低くなるため、顔料誘導体が未添加の場合に比して、分散体中の導電性炭素材料や酸素還元触媒濃度が高い場合でも、効率良く金属異物を取り除くことができる。金属異物を除く方法としては、磁石による除鉄や、ろ過、遠心分離等の方法が挙げられる。
バインダー成分の添加方法としては、上記顔料誘導体の存在下、導電性炭素材料や酸素還元触媒を溶剤に分散してなる分散体を攪拌しつつ、固形のバインダー成分を添加し、溶解させる方法が挙げられる。また、バインダー成分を溶剤に溶解したものを事前に作製しておき、上記分散体と混合する方法が挙げられる。また、バインダー成分を上記分散体に添加した後に、上記分散装置で再度分散処理を行っても良い。また、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上の顔料誘導体の存在下、導電性炭素材料や酸素還元触媒を溶剤に分散するときに、バインダー成分の一部ないしは全量を、同時に添加して分散処理を行うこともできる。
本発明の該電極ペースト組成物は、上述するように、通常は溶剤を含むペーストなどとして、製造、流通、使用される。これは、導電性炭素材料や酸素還元触媒と顔料誘導体を乾燥粉体の状態で混合しても、導電性炭素材料や酸素還元触媒に均一に顔料誘導体を作用させることはできず、液相法で、顔料誘導体の存在下、導電性炭素材料や酸素還元触媒を溶剤に分散することにより、導電性炭素材料や酸素還元触媒に均一に顔料誘導体を作用させることができるからである。
<金属空気電池>
金属空気電池は、負極活物質として金属を使用し、発生したe-(電子)および金属イオンにより、正極側の酸素還元反応を利用して発電することができ、充放電させることで2次電池としても機能する。
金属‐空気電池の構成としては、負極活物質としての金属を有する負極と、空気電池用電極ペースト組成物等を塗布した正極となる導電性支持体、前記正極と負極の間で金属イオンの伝導を担う電解質層、及びセパレータよりなる。
正極としては、本発明における空気電池用電極ペースト組成物を好適に使用することができる。
<空気電池用正極層>
空気電池用正極層は、導電性支持体(カーボンペーパなど)に空気電池用電極ペースト組成物を直接塗布し、乾燥することにより形成される。
該電極ペースト組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
塗布した後、乾燥することにより、塗膜(空気電池用触媒層)が形成される。乾燥温度は、通常40〜200℃程度、好ましくは70〜120℃程度である。また、乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
<導電性支持体>
導電性支持体は、特に限定されないが、金属空気電池では、正極側では空気中の酸素を取り込めるように気体が通過および拡散できるような多孔質または繊維状の支持体であることが好ましい。更に電子の出し入れが必要なため、導電性を有する材料を用いらなければならない。好ましくは炭素素材からなるカーボンペーパや、カーボンフェルト、カーボンクロスなどがよい。具体例としては東レ社製の「TGP−H−090」等が挙げられる。これら導電性支持体は、ガス拡散層あるいはGDLとも呼ばれる。
<負極材料>
負極としては、金属単体又は合金から成る金属材料を使用できる。負極として使用できる金属材料は、例えばLi、Na、Mg、Al、Si 、Ca、Ti 、V、Cr、Mn、Feなどを挙げることができ、これらの金属担体及び合金を適用することもできる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の材料を用いることができる。
<電解質層>
電解質層は、上記の金属-空気電池の正極と負極の間で金属イオンの伝導を行うものである。金属イオンの種類は、上述した負極活物質の種類によって異なり、その形態も金属イオン伝導性が有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、水溶液や非水溶液を適用することもできるし、それらをポリマーマトリクスで保持したゲル状高分子電解質や、ポリマー電解質及び無機固体電解質を使用してもよい。また、固体電解質やセパレータを使用して、正極側、負極側で異なる電解液を使用してもよい。
<支持電解質塩>
支持電解質塩には従来公知のものを用いることができる。支持電解質塩としては、所望のイオン電導性を有すれば問題なく、塩化カリウム、塩化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が使用でき、それらの水溶液、非水溶液が好適に使用できる。
特に、リチウムイオンの伝導を考えた場合、電解液としては、リチウムを含んだ支持電解質塩を水または非水系の溶剤に溶解したものを用いる。
支持電解質塩としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、LiC49SO3、Li(CF3SO23C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4(ただし、Phはフェニル基である。)等が挙げられるがこれらに限定されない。
非水系の溶剤としては特に限定はされないが、例えば、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び
1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;
メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;
ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、
アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
さらに上記電解液を、ポリマーマトリクスに保持しゲル状とした高分子電解質とする場合、ポリマーマトリクスとしては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するアクリレート系樹脂、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリホスファゼン系樹脂、及びポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
<セパレータ>
セパレータとしては、空気電池に使用する従来公知の材料を用いることができる。具体
的には、液状の電解質としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ガラス繊維、樹脂不織布、ガラス不織布、濾紙等を用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例中、部は質量部、%は質量%を表す。
使用した導電性炭素材料、酸素還元触媒、バインダー、溶剤等を以下に示す。
・アセチレンブラックHS−100(電気化学工業社製)
・グラフェンナノプレートレットxGnP−C−750(XGscience社製)
・ケッチェンブラックEC−300J(ライオン社製)
・カーボンナノチューブVGCF−H(昭和電工社製)
・カーボン担持白金 TEC10E50E(田中貴金属工業社)
・二酸化マンガンMnO2(高純度化学社製)
・活性炭(キャボット社製)
・鉄フタロシアニンP−26(山陽色素社製)
・ポリフッ化ビニリデンPVDF( K F ポリマー、クレハ社製)
・界面活性剤 エマルゲンA−60(ポリオキシエチレン誘導体、花王社製)
・N−メチル−2−ピロリドン NMP
・1,2エタンジオール EG
・エタノール EtOH
<非白金系炭素触媒>
[製造例1]
GnP−C−750と鉄フタロシアニンを、質量比1/0.5(グラフェンナノプレートレット/鉄フタロシアニン)となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、非白金系炭素触媒(CAC)を得た。
<電極ペースト組成物の調製>
[実施例1〜27]
表2に示す組成に従い、ガラス瓶に各種溶剤と酸を合わせて85.5〜86.5部、顔料誘導体0.5〜1.5部を仕込み、撹拌混合して顔料誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、導電性炭素材料と酸素還元触媒の合計が10部となるよう各比率で加え、又、バインダーとしてPVDF3.0部を加え、さらにメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカーで分散し、電極ペースト組成物(1)〜(27)を作製した。
ただし、本明細書において実施例1、18、19、21の実施例は参考例である。
[比較例1〜2]
表2に示す組成に従い、ガラス瓶に各種溶剤を86.5〜87.0部、顔料誘導体0〜0.5を仕込み、撹拌混合して顔料誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、導電性炭素材料を10部となるよう各比率で加え、又、バインダーとしてPVDF3.0部を加え、さらにメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカーで分散し、電極ペースト組成物(28)〜(29)を作製した。
Figure 0006753121

<空気電池用正極層の作製>
実施例1〜27の電極ペースト組成物(1)〜(27)と、比較例1〜2の電極ペースト組成物(28)〜(29)を、ドクターブレードにより、導電性支持体として炭素繊維からなるカーボンペーパ基材(TGP−H−090、東レ社製)上に塗布した後、大気雰囲気中95℃、60分間乾燥し、空気電池用正極層(1)〜(29)を作製した。
<塗工性評価>
空気電池用正極層は、下記に示す塗工性評価によって評価した。空気電用正極層を、ビデオマイクロスコープVHX−900(キーエンス社製)にて500倍で観察し、塗工ムラ(ムラ:正極層の濃淡により評価)およびピンホール(正極層が塗布されていない欠陥の有無により評価)について、下記の基準で判定した。評価結果を表3に示す。
Figure 0006753121

(ムラ)
○:正極層の濃淡が確認されない(良好)。
△:正極層の濃淡が2〜3箇所あるが極めて微小領域である(実用上問題ない)。
×:正極層の濃淡が多数確認される、または濃淡の縞の長さが5mm以上のもの1個以上(不良)。
(ピンホ−ル)
○:ピンホールが1つも確認されない(良好)。
△:ピンホールが2〜3個あるが極めて微小である(不良)。
×:ピンホールが多数確認される、または直径1mm以上のピンホールが1個以上(極めて不良)。
<空気電池特性評価>
以下では、本発明の電極ペースト組成物より作製した正極を用いて、金属‐空気電池を作製する方法及び、特性評価について例示する。
<マグネシウム空気一次電池用セルの作製>
負極としてMg板、正極として空気電池用正極層(1)〜(29)を使用し、両極でセパレータ(不織布)を挟み込み固定し、マグネシウム空気一次電池評価用セルを得た。
<マグネシウム空気一次電池の特性評価:開放電圧、放電容量>
得られたマグネシウム空気一次電池評価用セルのセパレータに電解液(20%塩化ナトリウム水溶液)を浸し、構成セルの開放電圧(OCV)と放電容量を充放電評価装置により測定した。正極に空気電池用正極層(1)〜(27)を使用したものでは、開放電圧が1.56〜2.0V、放電容量が1100〜1450mAh/gであったのに対し、空気電池用正極層(28)〜(29)では、開放電圧が1.3〜1.4V、放電容量が600〜900mAh/gであった。
<リチウム空気二次電池用評価セルの作製>
Li箔上へ、非水系電解液(1M LiPF6、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1、体積比)を含ませたセパレータ(多孔質ポリプロピレンフィルム)、固体電解質(オハラ社製、LiCGC Plate 1inch×150μmt)を配置し、アルミラミネートフィルムにて固定した。この際、固体電解質側のアルミラミネートフィルムを16mm角の大きさに切り抜き、固体電解質の露出面を作製し、空気電池用負極電極を作製した。
空気二次電池用負極電極の固体電解質上に、水性電解液として、1MのLiCl水溶液を含浸した不織布を、次いで、空気電池用正極層(1)〜(29)を配置し、アルミラミネートフィルムにより固定、熱圧着することで、リチウム空気二次電池用評価セルを得た。
<リチウム空気二次電池の特性評価:容量維持率>
得られたリチウム空気二次電池評価セルを用いて、2.0V―4.8Vのカット電圧、0.5mA/cm2の電流密度の条件で、3サイクルの慣らし運転を行った。その後、同条件にて、30サイクルの充放電テストを行うことで、容量維持率(1サイクル目の放電容量に対する30サイクル目の放電容量の百分率)を求めたところ、空気電池用正極層(1)〜(27)では容量維持率88〜94.5%であるのに対し、空気電池用正極層(28)〜(29)では容量維持率40〜70%であった。
上述のように、比較例に比べ実施例で作製した空気電池用正極層では、いずれも高い電池特性を示した。実施例では、電極ペーストの分散性が著しく向上したことで、塗工ムラやピンホールが改善され、空気電池の反応に必要な酸素が正極層全体に供給出来たことに加え、酸素還元の反応場となる炭素材料や酸素還元触媒の反応表面積を増やすことが出来たために、電池特性が向上したと考えられる。

Claims (8)

  1. 導電性炭素材料及び/又は酸素還元触媒と、塩基性官能基を有する顔料誘導体とを含有してなる空気電池用電極ペースト組成物であって、
    前記顔料誘導体が、有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体およびトリアジン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つの顔料誘導体であり、
    前記有機色素誘導体が、ジケトピロロピロール系色素、アゾ系色素、アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、およびスレン系色素からなる群から選ばれる少なくとも一種である空気電池用電極ペースト組成物。
  2. 導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラフェン系炭素材料およびカーボンナノチューブからなる群から選ばれる少なくとも一つの炭素材料である請求項1記載の空気電池用電極ペースト組成物。
  3. 酸素還元触媒が、担持金属触媒、酸化物系触媒、非白金系炭素触媒および活性炭からなる群から選ばれる少なくとも一つの酸素還元触媒である請求項1または2記載の空気電池用電極ペースト組成物。
  4. 更に、バインダーを含んでなる請求項1〜3いずれか記載の空気電池用電極ペースト組成物。
  5. 更に、支持電解質塩を含んでなる請求項1〜4いずれか記載の空気電池用電極ペースト組成物。
  6. 更に、溶剤を含んでなる請求項1〜5いずれか記載の空気電池用電極ペースト組成物。
  7. 導電性炭素材料及び/又は酸素還元触媒と、塩基性官能基を有する顔料誘導体とを含有してなる空気電池用正極層であって、
    前記顔料誘導体が、有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体およびトリアジン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つの顔料誘導体であり、
    前記有機色素誘導体が、ジケトピロロピロール系色素、アゾ系色素、アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、およびスレン系色素からなる群から選ばれる少なくとも一種である空気電池用正極層。
  8. 請求項7記載の空気電池用正極層を有する空気電池。
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