JP4024879B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、空気入りラジアルタイヤ、特に乗用車、小型トラック及びトラック・バス等4輪以上の車輪を有する車両用のタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、乗用車のみならず小型トラック及びトラック・バスにおいてもカーカスのコードをタイヤ赤道面に対して実質直交する向きに配列した、いわゆるラジアルタイヤが、バイアスタイヤに比べて耐摩耗性及び操縦安定性に優れることから多用されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両の高速化に伴ってラジアルタイヤの採用も増加してきたのであるが、道路網の整備拡充に伴って車両の高速走行が日常的に行われるようになると、いわゆるワンダリング現象(傾斜部分を有する路面、例えば轍等の凹凸を有する路面を走行する際に発生する、ドライバーが予測できないタイヤの複雑な動きのこと)の発生頻度が増してきた。
【0004】
本発明は、ワンダリング現象を抑制し、轍の凹凸などの傾斜部分を有する路面での直進安定性の向上を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一対のビードコア間にわたりトロイド状をなして跨がるカーカスのタイヤ径方向外側に、複数枚のベルト及びトレッドを配置した空気入りラジアルタイヤであって、前記トレッドは、リム組みしてJATMAの規格に定められた内圧及び荷重を負荷した状態において、トレッド端がタイヤ幅方向外側に張り出し、平坦路において接地する第1トレッドと、第1トレッドよりもタイヤ幅方向外側に延び、リム組みしてJATMAの規格に定められた内圧及び荷重を負荷した状態において、タイヤ軸方向に対して10°傾斜する傾斜路面の山側に接地する第2トレッドとからなり、前記トレッドの幅をTRW、前記ベルトの内の少なくとも1枚のベルト幅をBW1 とするとき、BW1 ≧0.75TRWであることを特徴とした空気入りラジアルタイヤである。
【0006】
図1にこの発明に従う空気入りラジアルタイヤ1の具体例を図解している。ここで2は少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを示し、このカーカス2は少なくとも1枚のカーカスプライがその側端部分をビードコア3の周りでタイヤの内側から外側へ巻き返している。
【0007】
そして前記カーカス2のタイヤ径方向外側には、互いに平行配列になるコードをゴム被覆したコード層をそのコードが互いに交差する配置にて積層した、少なくとも2層のプライからなるベルト4を配置し、さらに外側にトレッド5を配置する。
【0008】
前記トレッド5は、トレッド端6がタイヤ幅方向外側に張り出しており、平坦路において接地する第1トレッド5−1と、第1トレッドよりもタイヤ幅方向外側に延びて傾斜路面の山側、具体的には傾斜が10°程度の傾斜路面の山側において接地する第2トレッド5−2からなる。尚、タイヤにはJATMA等の規格に定められた内圧及び荷重を負荷するものとする。
【0009】
なお、第2トレッドの輪郭線の曲率半径R2は40mm以上が好ましい。なぜなら曲率半径が40mm未満では、該トレッドの十分な接地が期待できないからである。
【0010】
ここで、トレッドの幅TRWがタイヤ断面幅TWの80%〜105%に相当すること、ベルト最大幅BWmax がタイヤ断面幅TWの60%〜100%に相当することがそれぞれ好ましい。
【0011】
また、トレッド端6をタイヤ幅方向外側に張り出しているからといって、トレッド端6のタイヤ径方向内側に凹部を設けて剛性を低下させることは好ましくなく、図1ではトレッド端6近傍の断面形状をスクエア状にしている。
【0012】
また、BW1 ≧0.75TRWとしたベルト以外のベルトの内の少なくとも1枚のベルト幅をBW2 とするとき、BW2 ≦0.65TRWとすることが好ましく、さらに、前記ベルト層の最外ベルトのベルト幅を0.65TRW以下とすることが好ましい。
【0013】
【作用】
図3に示すように、タイヤが轍の凹凸などの傾斜路面11を乗り上げる向きに進入角をもって横断しようとするとき、タイヤには路面11からの反力FR と傾斜路面11との間に発生するキャンバースラストFC による横力FY が働く。
【0014】
ここでタイヤがラジアルタイヤであると、バイアスヤイヤに比べてタイヤの径方向剛性及び幅方向剛性が高くなることから、前記反力FR が大きく、キャンバースラストFC が小さくなるため、タイヤに働く横力FY は大きくなる。
【0015】
すなわち、傾斜路面11を乗り上げるためには進入角を大きくしなければならず、スムーズな乗り上げができないため、ワンダリング現象が発生することが判明した。
【0016】
したがって、ワンダリング現象を抑制するためには、キャンバースラストFC を増加させることにより、横力FY を減少させることが有効である。そこで発明者はこの点の検討をさらに行ない、以下の知見を得た。
【0017】
図3及び図4に示すように、キャンバースラストFC は、タイヤが傾斜路面11に接地して撓み変形をしたときに発生するサイドウォール7の倒れ込み変形bsideがトレッド端近傍でのトレッドの曲げ変形bsho を起こし、該変形によるトレッドの剪断変形Ssho によって発生する傾斜路面11を乗り上げる向きの横力Fsho の寄与が大きいのである。そこで、キャンバースラストFC を増加させるためには、前記倒れ込み変形bsideのトレッド端近傍への伝達によるトレッドの曲げ変形bsho を増加させればよい。
【0018】
また、トレッド端近傍の踏面が、特に傾斜路面11に接地したときにより広く接地するようにすればよいのである。
【0019】
この発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド端がタイヤ幅方向外側に張り出しており、平坦路において接地する第1トレッドと、第1トレッドよりもタイヤ幅方向外側に延びて傾斜路面11の山側において接地する第2トレッドと、を有する。
【0020】
この結果、前記倒れ込み変形bsideのトレッド端近傍への伝達によるトレッドの曲げ変形bsho が増加するため、キャンバースラストFC を増加させることができ、また、トレッド端近傍の踏面が、特に傾斜路面11に接地したときにより広く接地することができる。したがって、傾斜路面11をスムーズに乗り上げることができるのである。
【0021】
このように第2トレッドを設けることにより、斜度が10°までの傾斜路面11での接地幅を拡大することができる。
【0022】
また、ベルト層のうち少なくとも1枚のベルト幅を0.75TRWよりも大きくすることにより、第2トレッドの接地端部近傍まで延在したベルトがbsideを接地端部近傍のトレッドに広く伝達し易くする。
【0023】
さらに、少なくとも1枚のベルト幅を0.65TRW以下とすることにより、第1トレッドに相当する位置のベルト剛性を落とすことなく、0.65TRWよりタイヤ幅方向外側部分のベルト層のタイヤ断面内曲げ剛性を低減することができ、上記幅広にしたベルトが曲げ変形し易くなるので、上記bsideの伝達効果を大きくすることができる。
【0024】
なお、タイヤ製造時の作業のし易さから、前記幅狭ベルトは最外層であることが望ましく、また上記ワンダリング抑制の点からも望ましい。
【0025】
ここで、トレッドの幅TRWをタイヤ断面幅の80%〜105%に相当させることが好ましい。80%未満であるとキャンバースラストを十分増加させることができない虞があり、105%を越えると最早キャンバースラスト増加は頭打ちとなり、トレッド端破損の虞があるからである。
【0026】
また、サイドウォール7の倒れ込み変形bsideをトレッド端近傍へ伝達するためにベルト最大幅はタイヤ断面幅の60%以上あることが好ましい。しかし、あまり幅広であると最早キャンバースラスト増加は頭打ちとなるとともにベルト端部が歪増加により破傷しやすくなるため、タイヤ断面幅の100%以下とすることが好ましい。
【0027】
【実施例】
図1に示す構造に従う、サイズ195/85R16 114/112L LT の小型トラック用空気入りラジアルタイヤを、トレッドの幅及びベルト最大幅を種々変更して、表1の仕様のもとにそれぞれ試作した。なおこれらのタイヤにおいては、トレッドの輪郭線を、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側37.6mmまでは曲率半径が300mm、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側37.6〜80.0mmは曲率半径が100mm、これよりタイヤ幅方向外側は曲率半径が50mmの円弧で構成した。
【0028】
また比較として、図2に示す構造に従う前記サイズのタイヤ9を従来例として試作した。図1のタイヤとの相違点は、従来例は第2トレッドを有しておらず曲率半径300mmで構成される第1トレッドのみから成り、両端が半径25mmのラウンド形状である。すなわちトレッドが平坦路で実質上全域に亘って接地する。
【0029】
また、従来例及び実施例のベルト層は、3枚のスチールベルトから成り、内層から外層に向かって1ベルト4A、2ベルト4B、3ベルト4Cとしたとき、その幅は表1に示す通りである。
【0030】
これらのタイヤに規定内圧6.0kgf/cm2を充填後、2トン積みの小型トラック(後輪が複輪タイプ)に装着し、該小型トラックに規定最大荷重を負荷した状態で轍を含む舗装路をテストドライバーが走行し、直進安定性を官能評価した。その結果を、従来例を100とする指数評価(指数は大きいほど良好)にて、表1に併記している。
【0031】
同表から発明に従うタイヤの直進安定性が顕著に向上したことが明らかである。また、最外ベルト(3ベルト)のベルト幅を0.65TRW以下とした実施例1のタイヤは、特に直進安定性に優れている。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば、空気入りラジアルタイヤのワンダリング現象を抑制し、轍の凹凸などの傾斜部分を有する路面での直進安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従うタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【図2】 従来例のタイヤ幅方向断面図である。
【図3】 タイヤが傾斜路面と接地した状態を示す模式図である。
【図4】 発明例が傾斜路面と接地した状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 空気入りラジアルタイヤ
2 カーカス
3 ビードコア
4 ベルト
5 トレッド
5−1 第1トレッド
5−2 第2トレッド
6 トレッド端
7 サイドウォール
11 傾斜路面
Claims (3)
- 一対のビードコア間にわたりトロイド状をなして跨がるカーカスのタイヤ径方向外側に、複数枚のベルト及びトレッドを配置した空気入りラジアルタイヤであって、
前記トレッドは、リム組みしてJATMAの規格に定められた内圧及び荷重を負荷した状態において、トレッド端がタイヤ幅方向外側に張り出し、平坦路において接地する第1トレッドと、第1トレッドよりもタイヤ幅方向外側に延び、リム組みしてJATMAの規格に定められた内圧及び荷重を負荷した状態において、タイヤ軸方向に対して10°傾斜する傾斜路面の山側に接地する第2トレッドとからなり、
前記トレッドの幅をTRW、前記ベルトの内の少なくとも1枚のベルト幅をBW1 とするとき、
BW1 ≧0.75TRWであることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - BW1 ≧0.75TRWとしたベルト以外のベルトの内の少なくとも1枚のベルト幅をBW2 とするとき、
BW2 ≦0.65TRWであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記ベルト層の最外ベルトのベルト幅が、0.65TRW以下であることを特徴とする請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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- 1995-03-14 JP JP05461395A patent/JP4024879B2/ja not_active Expired - Fee Related
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