JP4024250B2 - 無線操縦式二輪車玩具 - Google Patents
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Description
【0001】
この発明は、無線操縦式二輪車玩具に関するものであり、実車の走行方法に近い手法でコーナリングを円滑に、かつ安定的に行なえるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車玩具は、四輪車玩具と比較して水平方向のバランスを満たして安定走行を要求される点で高度な制御技術を必要とする。なかでも、コーナリングは直線走行とは異なる水平バランスを要求されるため安定に操舵するのが困難であった。
【0003】
例えば、米国特許第3785086号公報は、直立した第一のホイールと軸回転する軸とガイドホイールを有する細長いフレームと、第一のホイールの水準の中心の高さより低く第一のホイールに揺動可能に懸吊される錘と、リンク手段から構成される。
【0004】
また、特開平1−254191号公報は、バッテリー収納部を車体下部に揺動可能に取り付け、このバッテリー収納部を無線操縦により進行方向に対して左右に傾倒させて操舵し、車体に取り付けられたステアリング部に前輪支持体を操舵角自在となるよう枢着するとともに、この前輪支持体を前記枢着部の枢軸に対して進行方向の左右方向に傾倒自在となるようにしたことが開示されている。ここで、車体の前端部に取り付けられたステアリングブラケットには、軸受部が存在し、この連結部に連結ピンが挿入され、その断面形状は下方に向かって大径となっており、その断面形状は左右方向の直径が長い長孔が設けられる。
【0005】
さらに、実開平2−149292号公報には、同一出願人から人形等の搭載物の内部によるバランスウェイトを左右方向に揺動可能となるように設けたことを特徴とする実用新案が開示されている。
【0006】
その上、特表平9−504716号公報にも、スイングサポートを含むライダー型の人形とバッテリーとがサーボ装置の回転により重量シフトを起こしてこれらを搭載した自動二輪車玩具が転回する点について開示されている。
【0007】
しかし、何れの発明もライダーの人形だけでなくバッテリーや錘等が移動して重量を移動させるものであり、現実の自動二輪車のように人形部分のみが平行移動して、自動二輪車の運転手法であるいわゆるハングオンを実現しながら、実機同様のコーナリングを行なう二輪車玩具は開示されていない。
【0008】
すなわち、ライダー人形の重量移動により二輪車玩具を傾斜させてセルフステアを発生させるためには、いわゆる操舵部の切れすなわち、重量移動に対する応答性を高める必要がある。一方で、重量移動に対する応答性の高さは直進性の妨げともなっていた。
【0009】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、より人形に現実に近い動作をさせながらコーナリングおよび直進性を円滑であってかつ安定的に行なえる二輪車玩具の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するため、本発明に係る請求項1の発明は、前輪支持体を操舵角自在となるように車体に取り付け、人形部を車体上部に揺動可能に取り付け、この人形部を無線操縦により進行方向に対して垂直且つ車体に対して水平方向に平行移動させて、前記人形の平行移動による重心の移動で前輪支持体を傾倒させて操舵する無線操縦式二輪車玩具において、前記前輪支持体は、車体に接続される接続部と前記接続部と特定の角度を持ってその端部同士が接合されて水平方向が長軸となる開口部を上部に備える管部とを備えるフロントフォーク接合部と、前記開口部に挿入されて回動及び揺動可能に固定される結合ピンと前記結合ピンが上部から突出されるブラケットと前記ブラケット下部に設けられてその間にタイヤが備えられる2本の軸部とを備えるフロントフォークと、からなる無線操縦式二輪車玩具を提供する。
【0011】
また、請求項2の発明は、管部は、その底面開口部の直径が前記上部開口部の直径より小さいことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、前記上面開口部は、長円であることを特徴とする。請求項4の発明は、管部は、長円筒状体であることを特徴とする。請求項5の発明は、底面開口部は、底面でその開度が真円となるように収縮していることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、長円筒状体は、その底面が長軸方向は凸状のR面であり、短軸方向は凹状のR面であることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、フロントフォークは、ブラケットの両端上面にハンドルと接合されるフォークストッパを固定するシャフトが一本ずつ立設され、前記各シャフトの表面から進行方向へそれぞれ長円筒状体を係止する係止用突起部が突出されることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、フロントフォークは、ブラケット下に突出した軸部とブラケット上部に立設する前記シャフトとが特定の角度をなすことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のその他の詳細、利点および特徴については、添付図面を参照しながら以下に記す実施例によって明らかにされる。
【0017】
図1は、本発明を適用した無線操縦式二輪車玩具1を示す斜投影図であり、2は前輪、4は後輪、6はフロントカウル、8はリヤカウル、10はシート、12はシャーシカバー、14はハンドル、16は人形である。
【0018】
人形16は、シート10上に上体18が配置され、上体18の上部に頭部20が固着され、両上側部に各上腕部22a,b、両下側部に各大腿部24a,bがそれぞれ回動自在に枢着される。なお、頭部20が回動自在に枢着することもできるが安定性の向上および意匠の点から、僅かに動作させるかまたは固着することが好ましい。
【0019】
上体18は、長溝26が中央鉛直方向に刳り貫かれ、図示されないサーボ装置と連結される槓杆に設けられたピンが貫通する。サーボ装置が回転すると槓杆が移動してピンが長溝26内を移動しながら全体として上体18をシート10上で平行移動するよう作動させる。
【0020】
頭部20は、重量移動のために十分な重量とされるが、回転時に重量移動から復帰できる程度の重さとなるように設定される。
【0021】
上腕部22a,bは、その端部にさらに各前腕部28a、bが回動自在に枢着される。各前腕部28a、bの先端には連続して手部が設けられハンドルが貫通するよう穴部が設けられる。
【0022】
大腿部24a,bは、その端部にさらに下腿部30a,bが回動自在に枢着される。下腿部30a,bの先端には連続して足部が設けられ後輪前方に突設されるステップ32a、bに固定される。
【0023】
無線操縦に必要な受信機と、サーボ装置と、駆動部はリヤカウル8とシャーシカバー12内部に配置されて図示されていない。また、操舵部等もフロントカウル6内部に遮蔽されて図1には示されていない。
【0024】
次に図2及び図3を用いて本発明を適用した無線操縦式二輪車玩具1の実施例のフロント部を示す。
【0025】
フロント部は、シャーシ34a,bと、前輪支持体とから構成され、この前輪支持体はハンドル14と、フォークストッパ36とフロントフォーク接合部38と、フロントフォーク40と、ホイール42とから構成される。
【0026】
シャーシ34aとシャーシ34bとがその端部同士で結合して側面を形成し、上部にハンドル14が上部より結合されてシャーシを構成し、シャーシの進行方向側の側面に、係止部突部44が突設され、また鉛直上向きに突部46が突設される。
【0027】
この係止部突部44は、フロントフォーク接合部38の鉛直接合板48の端部に開口された穴部50に貫通して結合される。一方、突部46は、フロントフォーク接合部38の鉛直接合板48と垂直かつ水平方向に接合される水平接合板52に開口された穴部54に貫通して結合される。
【0028】
さらに、フロントフォーク接合部38は、鉛直接合板48と特定の角度で連接される長円筒状体56内部が長円形の開口部58が設けられる。この開口部58に回動可能にフロントフォーク40のブラケット60の中心に立設される連結ピン62が挿入される。
【0029】
フロントフォーク40は、ブラケット60の中心上向きに連結ピン62が立設され、ブラケットの両端にそれぞれシャフト64a,bがそれぞれ上向きに立設される。
【0030】
フォークストッパ36は、その両端に貫通孔66a,bが設けられてシャフト64a,bが挿入されて連結ピン62上の段部に係止されて固定される。
【0031】
フロントフォーク40は、さらにブラケット60の両端下向きに軸部68a,bが突設され、軸部68a,bの先端には前輪軸受70a,bが設けられる。この前輪軸受70aと前輪軸受70b間にタイヤ72を外装したホイール30が中心部に車軸を挿入されて回動自在に固定される。
【0032】
さらに、図4及び図5を用いて本発明を適用した無線操縦式二輪車玩具1のフロントフォーク接合部38およびフロントフォーク40について詳細に示す。
【0033】
フロントフォーク接合部38は、図4(i)に示すとおり上面74の上面開口部58は長円であるのに対して図4(g)に示すとおり、下面76に設けられた下面開口部78は扁平率が殆ど1であって真円に近いかまたは真円から構成される。この下面開口部78は、B−B断面図である図4(b)に示すように、開口部は底面まで同一開口径で刳り貫かれており、底面でその開度が真円となるよう収縮している。また、底面は水平方向の両端が長く中心部を凸部状にしたR面から構成される。凸部状とすることで、フロントフォーク接合部38が回転する際にフロントフォーク40のブラケット60の上面と干渉することなくスムーズに回転できる。さらに、進行方向に対するA−A断面図である図4(e)に示されるように進行方向では、底面は両端が短く中央部が凹部状となる逆R面から構成される。すなわち、凹部状とすることで、フロントフォーク40が回転する際の応答性を向上させることができる。
【0034】
次に、フロントフォーク40は、図5(b)に示される側面図から明らかなようにシャフト64と軸部68は、同一軸上になくブラケット60を境として進行方向に折れ曲がるように構成される。この折れ曲がりを利用することでフロントフォーク40が回転する際の応答性を向上させることができる。
【0035】
また、シャフト64a,bは、図5(b)に示されるように、その軸上から進行方向に軸半径と同程度の長さの突起であるストッパ80a,bがそれぞれ突出して設けられている。このストッパ80a,bは、フロントフォーク40が連結ピンを中心にして回転する際に長円筒状体56と接触して所定の角度以上に回転しないように両端で規制することができる。
【0036】
次に本発明の作動例を説明する。
【0037】
まず、本発明を適用した無線操縦式二輪車玩具1に電源が印加されて直進走行を図示しない無線操縦用送信機の信号によりサーボ装置が人形16の上体18の位置をシート中央に配置するよう制御する。このため、無線操縦式二輪車玩具1はいずれの方向にも傾くことなく直進して走行する。
【0038】
次に、無線操縦式二輪車玩具1を右旋回させる場合は、無線操縦用送信機の信号によりサーボ装置が人形16の上体18の位置をシート中央から右側へ平行移動させる。すると重心が移動しその移動がシャーシ34を介してフロントフォーク接合部38に伝達される。フロントフォーク接合部38内部は、上部が長円で底部が真円であるため、下面開口部78の端部が連結ピン62を押圧してフロントフォーク40を傾倒させる。この傾倒はブラケット60の両端下向きに軸部68a,bからホイール30へ伝達されてタイヤ72が右側へ傾倒する。そこで、タイヤ72の傾倒により舵角が生じ旋回力が発生して旋回走行が開始される。
【0039】
ここで、本発明に係る無線操縦式二輪車玩具1の場合は、連結ピン62に対して長円からなる上面開口部58に存在する離間によって傾倒が容易に生じる。さらに、長円筒状体56の底面の形状によっても傾倒が容易に生じる。そのうえ、シャフト64と軸部68は、同一軸上になくブラケット60を境として進行方向に折れ曲がるような構成によっても傾倒が容易に生じる。
【0040】
また、無線操縦式二輪車玩具1を左旋回させる場合は、無線操縦用送信機の信号によりサーボ装置が人形16の上体18の位置をシート中央から左側へ平行移動させる。すると重心が移動しその移動がシャーシ34を介してフロントフォーク接合部38に伝達される。フロントフォーク接合部38内部は、上部が長円で底部が真円であるため、下面開口部78の端部が連結ピン62を押圧してフロントフォーク40を傾倒させる。この傾倒はブラケット60の両端下向きに軸部68a,bからホイール30へ伝達されてタイヤ72が左側へ傾倒する。そこで、タイヤ72の傾倒により舵角が生じ旋回力が発生して旋回走行が開始される。
【0041】
なお、旋回においてある角度以上にフロントフォーク40が旋回すると直進状態へ戻りきれなくなるが、シャフト64a,bの軸上から進行方向に軸半径と同程度の長さの突起であるストッパ80a,bの突出により規制されて特定角度以上の旋回を防止することができる。
【0042】
以上のような本発明によれば、前記前輪支持体は、車体に接続される接続部48と前記接続部と特定の角度を持ってその端部同士が接合されて水平方向が長軸となる長円の開口部58を上部に備える長円筒状体56とを備えるフロントフォーク接合部と、前記開口部に挿入されて回動及び揺動可能に固定される結合ピン62と前記結合ピン62が上部から突出されるブラケット60と前記ブラケット下部に設けられてその間にタイヤ72が備えられる2本の軸部68とを備えるフロントフォーク40とから構成されることにより、人形に現実に近い動作をさせながらコーナリングおよび直進性を円滑であってかつ安定的に行なうことができる。
【0043】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、長円筒状体56の内部形状を現状の垂直な構成から、すり鉢状となるように内面にテーパ面を設けることにより長円筒状体5の剛性を高めることができる。
【0044】
また、タイヤ72の断面形状において、テーパ部を増加させることでさらにコーナリングの切れを強化することもできる。
【0045】
さらに、フロントフォーク接合部38は、鉛直接合板48と特定の角度で連接される長円筒状体56内部に長円形の開口部58が設けられるとしたが、このフロントフォーク接合部38は、管状のものであれば長円筒状であることには限定されず、例えば直方体形状あってもよい。さらに上部と下部の各面の開口部も円形である必要は無く、上部の開口部の水平方向の径が下部開口部の水平方向の径より大きければ、矩形でも長円でも楕円とすることもできる。すなわち、連結ピン62が傾倒および回動することができる形状であればいかなる形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る無線操縦式二輪車玩具の実施例を示す斜投影図である。
【図2】本発明に係る無線操縦式二輪車玩具の実施例のフロントを示す三面図であり(a)正面図と(b)側面図と(c)上面図である。
【図3】本発明に係る無線操縦式二輪車玩具の実施例のフロントを示す組立図である。
【図4】本発明に係る無線操縦式二輪車玩具の実施例のフロントのフロントフォーク接合部を示す九面図であり、(a)側面図と(b)前斜面図と(c)後斜面図と(d)背面図と(e)A−A断面図と(f)側面図と(g)正面図と(h)底面図と(i)上面図である。
【図5】本発明に係る無線操縦式二輪車玩具の実施例のフロントのフロントフォークを示す三面図であり(a)正面図と(b)側面図と(c)上面図である。
Claims (8)
- 前輪支持体を操舵角自在となるように車体に取り付け、人形部を車体上部に揺動可能に取り付け、この人形部を無線操縦により進行方向に対して垂直且つ車体に対して水平方向に平行移動させて、前記人形の平行移動による重心の移動で前輪支持体を傾倒させて操舵する無線操縦式二輪車玩具において、
前記前輪支持体は、
車体に接続される接続部と前記接続部と特定の角度を持ってその端部同士が接合されて水平方向が長軸となる開口部を上部に備える管部とを備えるフロントフォーク接合部と、
前記開口部に挿入されて回動及び揺動可能に固定される結合ピンと前記結合ピンが上部から突出されるブラケットと前記ブラケット下部に設けられてその間にタイヤが備えられる2本の軸部とを備えるフロントフォークと、
からなる無線操縦式二輪車玩具。 - 管部は、その下面開口部の直径が前記上面開口部の直径より小さいことを特徴とする請求項1記載の無線操縦式二輪車玩具。
- 前記上面開口部は、長円であることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の無線操縦式二輪車玩具。
- 管部は、長円筒状体であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の無線操縦式二輪車玩具。
- 底面開口部は、底面でその開度が真円となるように収縮していることを特徴とする請求項4に記載の無線操縦式二輪車玩具。
- 長円筒状体は、その底面が長軸方向は凸状のR面であり、短軸方向は凹状のR面であることを特徴とする請求項4乃至5いずれかひとつに記載の無線操縦式二輪車玩具。
- フロントフォークは、ブラケットの両端上面にハンドルと接合されるフォークストッパを固定するシャフトが一本ずつ立設され、前記各シャフトの表面から進行方向へそれぞれ長円筒状体を係止する係止用突起部が突出されることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の無線操縦式二輪車玩具。
- フロントフォークは、ブラケット下に突出した軸部とブラケット上部に立設する前記シャフトとが特定の角度をなすことを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の無線操縦式二輪車玩具。
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