JP4022944B2 - 吸着式冷凍装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着剤により水等の冷媒を吸着、脱着させることを利用した吸着式冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平8−110116号公報には、図9に示すような吸着式冷凍装置1が提案されている。この吸着式冷凍装置1には、吸着コア2、3を収容する第1、第2吸着コア室62、63と、凝縮器4を収容する凝縮器室64と、蒸発器5を収容する蒸発器室65とが設けられている。
【0003】
そして、第1、第2吸着コア室62、63と凝縮器室64とが、連通部81、82にて連通されており、かつ、第1、第2吸着コア室62、63と蒸発器室65とが、連通部83、84にて連通されている。これら連通部81、82、83、84には開閉弁71、72、73、74が設けてある。なお、符号78は逆止弁であり、凝縮器室64と蒸発器室65との連通部85の開閉を行なうものではない。
【0004】
そして、この従来技術では、冷却運転の停止後に吸着コア2、3から冷媒を脱着させて再生状態としており、これにより、次回の冷却運転の開始時に、再生状態の吸着コア2、3により冷媒を吸着させることができるため、冷却運転開始時に速やかに冷却を行なうことができる。
また、特実平1−126811号公報には、図10に示すような吸着式冷凍装置1が提案されている。この吸着式冷凍装置1には、吸着コア2、3を収容する吸着コア室62、63と、冷媒を蒸発、凝縮可能な蒸発凝縮器6、7を収容する蒸発凝縮器室66、67とが設けられている。そして、吸着コア室62、63と蒸発凝縮器室66、67とが連通部86、87にて連通されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開平8−110116号公報記載の従来技術において、冷却運転の停止後に吸着コア2、3から冷媒を脱着させて再生状態とするための具体的な作動を本発明者らが考案し、検討したところ、冷却運転を停止してから開始するまでの間が、例えば夜から朝にかけての時間のような比較的長い時間である場合、吸着コア2、3の再生状態を良好に維持できない恐れがある、ということがわかった。
【0006】
すなわち、冷却運転が停止する直前において、吸着コア2が吸着行程、吸着コア3が脱着行程の途中であると仮定すると、連通部81、84は閉塞され、連通部82、83は開口されている。そして、冷却運転の停止後も、吸着コア2、3の吸着、脱着を継続させ、その吸着、脱着行程が終了したとき、連通部84は閉塞させたままで、連通部82、83を閉塞するとともに、連通部81を開口する。これにより、吸着コア2が脱着行程を実行する。この脱着行程が終了したとき、開閉弁74にて連通部81を閉塞する。
【0007】
このようにして、吸着式冷凍装置1内に充填される全ての冷媒を、開閉弁71〜74にて閉じられる凝縮器室64および蒸発器室65を含む空間に貯留した。換言すれば、冷媒を貯留する空間(凝縮器室64および蒸発器室65を含む空間)と、吸着コア2、3が収容される空間との間を、開閉弁71〜74にてシールした。
【0008】
ここで、連通部81、82、および、連通部83、84には気体冷媒が流れるため、これら連通部81、82、83、84の断面積(例えば1500〜3000mm2 程度)は、液体冷媒の流れる連通部、つまり、凝縮器4と蒸発器5との間の連通部85の断面積(例えば1mm2 程度)に比べて非常に大きく構成されている。
【0009】
このため、冷媒を貯留する空間と、吸着コア2、3が収容される空間との間の総シール長(つまり、連通部81〜84の総シール長)が非常に長いものとなる。よって、比較的長い時間の経過により、冷媒を貯留する空間から吸着コア2、3が収容される空間への冷媒漏れが多くなり、再生状態の吸着コア2、3に冷媒が多く吸着されてしまうので、吸着コア2、3の再生状態を良好に維持できない恐れがある。このように、吸着コア2、3の再生状態を良好に維持できないと、冷却運転の開始直後に十分な冷却能力を発揮できない恐れがある。
【0010】
なお、開閉弁71〜74として、確実に漏れのない特殊な構造のものを用いることにより、上記問題を抑制することが考えられるが、このような構造の開閉弁71〜74は非常に大型で、高価であるので、この開閉弁71〜74を使用することは好ましくない。
また、特実平1−126811号公報記載の従来技術において、冷却運転の停止後に吸着コア2、3から冷媒を脱着させて再生状態とするための具体的な作動を本発明者らが考案し、検討したところ、やはり、吸着コア2、3の再生状態を良好に維持できない恐れがある、ということがわかった。
【0011】
まず、本発明者らは、この従来技術において、連通部86、87を開閉する開閉弁を設け、冷却運転が停止した後に吸着コア2、3にて冷媒を脱着させ、この脱着行程が終了したときに、上記開閉弁にて連通部86、87を閉塞することにより、吸着式冷凍装置1内に充填される全ての冷媒を、開閉弁86、87にて閉じられる蒸発凝縮器室66、67を含む空間に貯留するようにした。換言すれば、冷媒を貯留する空間(蒸発凝縮器室66、67を含む空間)と、吸着コア2、3が収容される空間との間を、上記開閉弁にてシールするようにした。
【0012】
ところが、連通部86、87には気体冷媒が流れるため、この連通部86、87の断面積も非常に大きく構成されており、この結果、上記した特開平8−110116号公報記載の従来技術と同様に、冷媒を貯留する空間と、吸着コア2、3が収容される空間との間の総シール長(つまり、連通部86、87の総シール長)が非常に長いものとなる。よって、比較的長い時間が経過する間に、冷媒を貯留する空間から吸着コア2、3が収容される空間への冷媒漏れが多くなるため、吸着コア2、3の再生状態を良好に維持できない恐れがある。
【0013】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、吸着式冷凍装置において、吸着コアの再生状態を長期にわたって良好に維持可能とすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項に記載の発明では、冷却されることで冷媒を吸着し、加熱されることで冷媒を脱着する吸着コア(2、3)を収容する吸着器室(62、63)と、冷媒を凝縮する凝縮器(4)を収容する凝縮器室(64)と、冷媒を蒸発させる蒸発器(5)を収容する蒸発器室(65)と、凝縮器室(64)から蒸発器室(65)へ液体冷媒を流す第1連通部(85)と、吸着器室(62、63)から凝縮器室(64)へ気体冷媒を流す第2連通部(81、82)と、蒸発器室(65)から吸着器室(62、63)へ気体冷媒を流す第3連通部(83、84)と、第1連通部(85)の途中の部位に設けられ、冷媒を貯留する冷媒タンク(8)と、冷媒タンク(8)の冷媒入口部(85a)を開閉する入口部開閉手段(9)と、冷媒タンク(8)の冷媒出口部(85b)を開閉する出口部開閉手段(10)と、入口部開閉手段(9)および出口部開閉手段(10)の作動を制御する制御装置(25)とを備え、冷媒入口部(85a)および冷媒出口部(85b)の少なくとも一方には、液体冷媒が流れ、冷媒入口部は、第1連通部(85)のうち冷媒タンク(8)よりも凝縮器室(64)側の第1部位(85a)により構成され、入口部開閉手段(9)は、第1部位(85a)に設けられ、冷媒出口部は、第1連通部(85)のうち冷媒タンク(8)よりも蒸発器室(65)側の第2部位(85b)により構成され、出口部開閉手段(10)は、第2部位(85b)に設けられ、制御装置(25)は、蒸発器(5)を循環する熱交換流体を冷却する冷却運転を停止する時に、冷媒入口部(85a)および冷媒出口部(85b)の双方を閉じることを特徴としている。
【0015】
これによれば、冷媒タンクの冷媒入口部および冷媒出口部の少なくとも一方には液体冷媒が流れるため、この冷媒タンクにて構成される冷媒を貯留する空間と、吸着コアが収容される空間との間の総シール長を従来よりも短縮できる。
よって、吸着式冷凍装置に充填される全ての冷媒を冷媒タンクに貯留した状態で、冷媒タンクの冷媒入口部および冷媒出口部を、入口部開閉手段および出口部開閉手段にて閉じたとき、上記冷媒を貯留する空間から吸着コアが収容される空間への冷媒漏れを低減できる。この結果、吸着コアの再生状態を長期にわたって良好に維持できるので、冷却運転を再開始するときに、吸着コアが良好に冷媒を吸着でき、被冷却空間の冷却を良好に行なうことができる。
【0016】
また、上記した確実に漏れのない特殊な構造の開閉手段を用いる必要はないので、小型でコスト安となる。さらに、冷媒入口部および冷媒出口部の両方、液体冷媒の流れる部位から構成することで、上記冷媒を貯留する空間と、吸着コアが収容される空間との間の総シール長を従来よりもさらに短縮でき、上記冷媒を貯留する空間から吸着コアが収容される空間への冷媒漏れをさらに低減できる。
また、請求項2に記載の発明のように、第1連通部は、キャピラリチューブ(85)によって構成されていてもよい。
【0019】
また、請求項に記載の発明では、上記請求項1または2に記載の吸着式冷凍装置(1)において、この吸着式冷凍装置(1)による冷却運転の作動を停止したとき、冷媒タンク(8)の前記冷媒出口部(85b)を閉じ、次に、吸着コア(2、3)に吸着、脱着行程を繰り返し実行させて、冷媒タンク(8)に冷媒を貯留させるとともに、吸着コア(2、3)を再生状態とし、その後、冷媒タンク(8)の冷媒入口部(85a)を閉じている。
【0020】
これにより、冷却運転の停止後において、冷媒タンクに全ての冷媒を貯留させることができ、吸着コアの再生状態を良好に維持できる。このため、次回の冷却運転の開始時には、吸着コアが良好に冷媒を吸着できるので、大きな冷却能力を得ることができる。よって、炎天下駐車時の冷却運転開始時等のような、通常冷却時よりも高い冷却能力を必要とする場合に本発明を適用して効果的である。
【0021】
また、請求項に記載の発明では、冷却されることで冷媒を吸着し、加熱されることで冷媒を脱着する吸着コア(2、3)を収容する吸着器室(62、63)と、冷媒を蒸発、凝縮可能な蒸発凝縮器(6、7)を収容する蒸発凝縮器室(66、67)と、吸着器室と蒸発凝縮器室との間に気体冷媒を流す連通部(86、87)と、蒸発凝縮器(6、7)にて凝縮された液体冷媒が出入りする冷媒出入口部(850)を有するとともに、冷媒を貯留する冷媒タンク(8)と、冷媒出入口部(850)を開閉する出入口部開閉手段(90)とを備え、吸着器室(62、63)は、第1吸着コア(2)を収容する第1吸着器室(62)、および、第2吸着コア(3)を収容する第2吸着器室(63)を包含し、蒸発凝縮器室(66、67)は、第1蒸発凝縮器(6)を収容する第1蒸発凝縮器室(66)、および、第2蒸発凝縮器(7)を収容する第2蒸発凝縮器室(67)を包含し、連通部(86、87)は、第1吸着器室(62)と第1蒸発凝縮器室(66)との間において気体冷媒を流す第1連通部(86)、および、第2吸着器室(63)と第2蒸発凝縮器室(67)との間において気体冷媒を流す第2連通部(87)を包含し、冷媒タンク(8)は、第1蒸発凝縮器(6)にて凝縮された液体冷媒のみが出入りする冷媒出入口部(850)を有する冷媒タンクからなり、第1吸着器室(62)の第1吸着コア(2)を、第2吸着器室(63)の第2吸着コア(3)よりも大きく構成したことを特徴としている。
【0022】
このように、冷媒タンクの冷媒出入口部に液体冷媒が流れるため、この冷媒タンクにて構成される冷媒を貯留する空間と、吸着コアが収容される空間との間の総シール長を従来よりも短縮できる。
よって、吸着コア室、蒸発凝縮器室、および、連通部に封入される全ての冷媒を冷媒タンクに貯留した状態で、冷媒出入口部を出入口部開閉手段にて閉じることにより、上記冷媒を貯留する空間から吸着コアが収容される空間への冷媒漏れを低減できる。この結果、吸着コアの再生状態を長期にわたって良好に維持できる。
【0023】
また、上記した確実に漏れのない特殊な構造の開閉手段を用いる必要はないので、小型でコスト安となる
【0024】
さらに、第1吸着コアを第2吸着コアよりも大きく構成しているため、冷却運転の停止後に第1吸着コアのみを再生状態で維持しておくとともに、冷却運転の開始時に、第1吸着コアにて冷媒を吸着させることにより、比較的大きな冷却能力を得ることができる。なお、2つの吸着コアのうち一方の吸着コアのみを再生状態で維持するため、冷却運転停止後に吸着コアを再生状態とする作業が単純となる。
【0025】
また、請求項に記載の発明では、上記した請求項に記載の吸着式冷凍装置(1)において、この吸着式冷凍装置(1)による冷却運転の作動を停止したとき、吸着コア(2、3)に脱着行程を行なわせるとともに蒸発凝縮器(6、7)にて冷媒を凝縮して液体冷媒とし、この液体冷媒を、第2連通部(850)を経て冷媒タンク(8)へ貯留させ、その後、第2連通部(850)を閉じている。
【0026】
これにより、冷却運転の停止後において、吸着コア室および蒸発凝縮器室内の冷媒を全て冷媒タンクに貯留させることができ、吸着コアの再生状態を良好に維持できる。このため、次回の冷却運転の開始時には、吸着コアが良好に冷媒を吸着できるので、大きな冷却能力を得ることができる。よって、炎天下駐車時の冷却運転開始時等のような、通常冷却時よりも高い冷却能力を必要とする場合に本発明を適用して効果的である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に示す本実施形態の吸着式冷凍装置1は、冷媒を蒸発させる蒸発器5と、冷媒を凝縮する凝縮器4とを別体に設けたものであり(つまり、蒸発・凝縮別体型の吸着式冷凍装置であり)、車両に搭載されて空調装置(オートエアコン)の一部として機能する。この空調装置は、周知のように、送風ファンの風が通されるダクトユニット内に後述する室内熱交換器16を配置するとともに、ヒータコアおよびエアミックスドアを設け、送風ファンによる送風量や、エアミックスドアの開度等を調整することにより、車室内の各吹出口から所定温度の吹出風を供給するように構成されている。
【0028】
この空調装置においては、上記した送風ファンやエアミックスドア等の各機構(図2中まとめてMで示す)を制御する電気制御装置25が設けられており、さらに、吸着式冷凍装置1の作動のオン、オフを指示する冷却運転切替スイッチ27が、乗員の手動操作にて切替可能となっている。そして、冷却運転切替スイッチ27の切替状態や、使用者による温度設定や、車室内温度センサ、外気温度センサ、室内熱交換器16の下流側の温度センサ等の検出手段Kからの出力信号に基づいて、目標吹出温度を設定し、この目標吹出温度に基づいて、各機構Mを制御するようになっている。
【0029】
そして、吸着式冷凍装置1は、1つの密閉容器60を備えており、この密閉容器60の内部には、所定量の冷媒(例えば水)が封入されるとともに、第1、第2吸着コア2、3、凝縮器4、および蒸発器5が収容されている。なお、本実施形態では、第1、第2吸着コア2、3の一方が1回の吸着行程で吸着しうる量(例えば液体状で10cc程度)の2倍程度の冷媒を封入している。
【0030】
なお、密閉容器60は、第1、第2吸着コア2、3を収容する第1、第2吸着コア室62、63と、凝縮器4を収容する凝縮器室64と、蒸発器5を収容する蒸発器室65と、後述する連通部81、82、83、84とを一体に備えるものである。
そして、連通部(第2連通部)81は、第1吸着コア室62と凝縮器室64とを連通し、連通部(第2連通部)82は、第2吸着コア室63と凝縮器室64とを連通し、連通部(第3連通部)83は、第1吸着コア室62と蒸発器室65とを連通し、連通部(第3連通部)84は、第2吸着コア室63と蒸発器室65とを連通する。
【0031】
ここで、連通部81〜84には気体冷媒が往復するため、この断面積は比較的大きくしてある。本実施形態では、連通部81、82の断面積を例えば1500mm2 程度とし、連通部83、84の断面積を例えば3000mm2 程度としている。そして、連通部81〜84には、連通部81〜84を開閉する開閉弁71、72、73、74(開閉手段)が設けられている。
【0032】
なお、開閉弁71〜74は樹脂製の板ドアからなり、それぞれの連通部81〜84に回動可能に設けられている。ここで、連通部81〜84のうち、開閉弁71〜74が設けられている部位には、矩形枠状に、係止部材811、821、831、841が設けられている。
そして、連通部81、82を閉塞した状態よりも凝縮器室64側においてのみ開閉弁71、72が回動するように、係止部材811、821を配置し、連通部83、84を閉塞した状態よりも吸着コア室62、63側においてのみ開閉弁73、74が回動するように、係止部材813、841を配置してある。係止部材811〜841のうち、開閉弁71〜74配置側の面には、例えばゴム製のシール部材(図示しない)が設けられている。
【0033】
また、凝縮器室64と蒸発器室65とは、キャピラリチューブ(第1連通部)85にて連結されている。このキャピラリチューブ85は減圧手段も兼ねているため、このキャピラリチューブ85の断面積は比較的小さく、例えば1mm2 程度としてある。
キャピラリチューブ85の途中には、密閉容器からなる冷媒タンク8が気密に設けられている。冷媒タンク8は、密閉容器60に充填される全ての冷媒を液体冷媒として貯留可能な容積に構成されている。そして、キャピラリチューブ85のうち、冷媒タンク8よりも凝縮器室64側の第1部位85aに、冷媒タンク8の冷媒入口部を兼用させており、キャピラリチューブ85のうち、冷媒タンク8よりも蒸発器室65側の第2部位85bに、冷媒タンク8の冷媒出口部を兼用させている。
【0034】
キャピラリチューブ85の第1部位85a、第2部位85bには開閉弁(入口部、出口部開閉手段)9、10が設けられており、これら開閉弁9、10により、第1部位85a、第2部位85bが開閉される。これら開閉弁9、10は、いわゆるボールバルブやグローブバルブからなる。また、キャピラリチューブ85(本実施形態では第2部位85b)には、凝縮器室64側から冷媒タンク8を経て蒸発器室65側へ強制的に冷媒を送る送冷媒手段としての電動ポンプ11が設けられている。
【0035】
上記吸着コア2、3は、入口側タンク2a、3aと、出口側タンク2b、3bとの間に、多数の伝熱チューブ2c、3c、および、図示しない伝熱フィンを配設した熱交換器形状であり、タンク2a、2b、3a、3b、伝熱チューブ2c、3c、および、上記伝熱フィンの相互の間の間隙に、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等からなる吸着剤Sを多数保持させてある。なお、凝縮器4および蒸発器5も、上記したような熱交換器形状に構成されている。
【0036】
そして、吸着剤Sは、周知のように、冷却状態において冷媒を高能力で吸着し、冷媒の吸着に伴い吸着能力が次第に低下するが、加熱状態とされることにより、吸着していた冷媒が脱着されて、吸着能力が再生されるという性質を有している。
次に、吸着コア2、3に、冷却流体あるいは加熱流体を供給するための構成について述べる。
【0037】
まず、車両において、エンジン(流体加熱装置)13を熱源として高温(例えば90℃程度)のエンジン冷却水が生成されるため、このエンジン冷却水を加熱流体として用いている。また、室外に放熱する放熱器(流体冷却装置)12において低温(例えば40℃程度)の熱交換流体を生成し、この熱交換流体を冷却流体として用いている。なお、放熱器12も上記した熱交換器形状に構成されている。
【0038】
そして、吸着コア2、3の入口側タンク2a、3aは、四方切替弁14を介して、放熱器12の出口部12bおよびエンジン13の出口13bに接続され、吸着コア2、3の出口側タンク2b、3bは、四方切替弁15を介して、放熱器12の入口部12aおよびエンジン13の入口部13aに接続されている。これら四方切替弁14、15は、吸着コア2、3(伝熱チューブ2c、3c)に対して加熱流体または冷却流体のいずれかを切替可能に供給する熱交換流体供給手段を構成している。
【0039】
また、放熱器12には、上記入口部12a、出口部12bとは別の入口部12c、出口部12dが形成されている。そして、放熱器12の出口部12dが凝縮器4の入口部4aに接続され、放熱器12の入口部12cが凝縮器4の出口部4bに接続されている。また、熱交換器形状に構成された室内熱交換器16(流体冷却装置)の出口部16bが、蒸発器5の入口部5aに接続され、室内熱交換器16の入口部16bが蒸発器5の出口部5bに接続されている。
【0040】
電動ポンプ21は、放熱器12から凝縮器4への熱交換流体の供給を断続するものである。また、電動ポンプ22は、放熱器12またはエンジン13から吸着コア2への熱交換流体(加熱流体または冷却流体)の供給を断続するものであり、電動ポンプ23は、放熱器12またはエンジン13から吸着コア3への熱交換流体(加熱流体または冷却流体)の供給を断続するものである。また、電動ポンプ24は、室内熱交換器16から蒸発器5への熱交換流体の供給を断続するものである。
【0041】
ここで、上記した電気制御装置25(図2参照)により、吸着式冷凍装置1の開閉弁71〜74、開閉弁9、10、四方切替弁14、15、電動ポンプ11、22、23、24を制御することにより、後述する作動を実行するようになっている。
次に、本実施形態の吸着式冷凍装置1の作動を説明する。なお、電気制御装置25(図2参照)にはタイマー26が内蔵されており、このタイマー26により、後述する第1行程および第2行程の経過時間をカウントしている。
【0042】
まず、吸着コア2にて吸着行程、吸着コア3にて脱着行程を行なう第1行程について説明する。
このとき、四方弁14、15を図1中実線位置とし、開閉弁9、10にてキャピラリチューブ85の第1、第2部位85a、85bを開き、開閉弁71、74にて連通部81、84を閉じ、開閉弁71、74にて連通部82、83を開く。
【0043】
これにより、放熱器12からの熱交換流体(冷却流体)が第1吸着コアを循環するため、第1吸着コア2の吸着剤Sが冷却され、この吸着剤Sが気体冷媒を吸着する。これにより、第1吸着コア室62、連通部83、および、蒸発器室85が低圧となるため、蒸発器室65内の液体冷媒が蒸発する。
これにより、蒸発器5を循環する熱交換流体が冷却され、この冷却された熱交換流体が室内熱交換器16を循環するので、室内熱交換器16は、図示しないエアコンの送風ダクト内を流れる空気を冷却する。このようにして、車室内の冷房および除湿が行なわれる。このとき、蒸発器室65にて蒸発した気体冷媒は、連通部83を通って第1吸着コア室62へ流入するので、冷媒の吸着、および、冷媒の蒸発は連続的に行なわれる。
【0044】
また、エンジン13からの熱交換流体(加熱流体)が第2吸着コア3を循環するため、第2吸着コアの吸着剤Sが加熱され、この吸着剤Sが気体冷媒を脱着する。これにより、第2吸着コアの吸着剤Sの吸着能力が再生される。そして、第2吸着コア室63において脱着された気体冷媒は、連通部82を通って凝縮器室64へ流入し、凝縮器4により凝縮されて、液体冷媒となる。この液体冷媒は、キャピラリチューブ85、冷媒タンク8を経て、蒸発器室65へ供給される。
【0045】
このとき、凝縮器4を循環する熱交換流体には、冷媒の凝縮熱が吸熱されて加熱されるが、この加熱された熱交換流体は、放熱器12を循環して室外へ放熱するので、再び凝縮器4において凝縮熱を吸熱可能となる。
そして、上記第1行程の経過時間が所定時間T1 (例えば60秒)となったとき、吸着コア2にて脱着行程、吸着コア3にて吸着行程を行なう第2行程に切り替える。なお、上記所定時間T1 とは、第1、第2吸着コア2、3の吸着行程および脱着行程に必要な時間のことである。
【0046】
第2行程に切り替えるときは、四方弁14、15を図1中点線位置とし、キャピラリチューブ85の第1、第2部位85a、85bは開いたままとし、開閉弁71、74にて連通部81、84を開き、開閉弁71、74にて連通部82、83を閉じる。この第2行程では、上記した第1行程の吸着と脱着、蒸発と凝縮が入れ替わるだけであるため、第2行程の作動説明は省略する。
【0047】
そして、上記した第1行程と第2行程とを所定時間T1 毎に切り替えることにより、連続的に車室内の冷却、除湿を行なうことができる。
次に、上記冷却運転切替スイッチ27がオフされた後の吸着式冷凍装置1の作動を説明する。
まず、冷却運転切替スイッチ27がオフされる直前において、第1行程の途中であると仮定すると、連通部81、84は閉じており、連通部82、83は開いており、キャピラリチューブ85の第1、第2部位85a、85bは開いている。
【0048】
そして、冷却運転切替スイッチ27がオフされると同時に、開閉弁10によりキャピラリチューブ85の第2部位85b(冷媒タンク8の冷媒出口部)を閉じて、冷媒タンク8から蒸発器室65への液体冷媒の供給を停止し、電動ポンプ11の作動を停止する。なお、第1行程を継続させるために、電動ポンプ21、22、23、24は作動させたままとする。
【0049】
そして、第1行程が終了したとき(つまり、第1過程の経過時間が所定時間T1 となったとき)、第2行程に切り替え、この第2行程が終了したとき、さらにもう一度第1行程に切り替える(このときの連通部81〜84の開閉状態は図1に示す状態である)。そして、この第1行程が終了したときは、密閉容器60のうち、蒸発器室65、第2吸着コア室63、および、キャピラリチューブ85のうち開閉弁10よりも蒸発器室65側部位以外の部位(つまり、凝縮器室64、第1吸着コア62、キャピラリチューブ85、冷媒タンク8、および、キャピラリチューブ85のうち開閉弁10よりも凝縮器室64側部位のいずれかの部位)に、全ての冷媒が移動している。
【0050】
このため、連通部84を閉じたままとし、連通部82および連通部83を閉じ、連通部81を開く。これにより、再生状態の第2吸着コア3を含む第2吸着コア室63が略密閉状態とされる。さらに、四方弁14、15を図1中点線位置(第2行程時における位置)とするとともに、電動ポンプ22を作動させたままとする。これにより、第1吸着コア2にて脱着行程を行なう。このとき、蒸発器5にて蒸発させる必要がないので電動ポンプ24は停止する。また、第2吸着コア3は再生状態であり、吸着行程も行なう必要がないので、電動ポンプ23も停止する。
【0051】
そして、第1吸着コア2の脱着行程が終了したとき、第1吸着コア2への流体循環を停止するために電動ポンプ22を停止し、かつ、連通部81を閉じる。これにより、再生状態の第2吸着コア3を含む第2吸着コア室63も略密閉状態とされる。そして、第1吸着コア2の脱着行程が終了してから所定時間T2 が経過したとき、キャピラリチューブ85の第1部位85a(冷媒タンク8の冷媒入口部)を閉じる。なお、所定時間T2 とは、第1吸着コア2から凝縮器室63へ供給された冷媒を、すべて凝縮させて確実に冷媒タンク8に集めることが可能な時間である。このようにして、密閉容器60内に充填される全ての冷媒を、冷媒タンク8に貯留している。
【0052】
そして、上記冷却運転切替スイッチ27が再びオンされたときは、まず、上記した第1行程を行い、所定時間T1 経過後に第2行程を行なう。その後は、第1行程と第2行程とを所定時間T1 毎に交互に行なわせる。なお、最初の第1行程では、脱着行程を行なう第2吸着コア3が再生状態に維持されているため、実際は冷媒を脱着しない。よって、このときは、連通部82、84は閉じたままとし、電動ポンプ23を停止させておいてもよい。
【0053】
次に、本実施形態の奏する効果を述べる。
まず、キャピラリチューブ85の第1部位85a、第2部位85b(冷媒タンク8の冷媒入口部、出口部)に液体冷媒が流れるため、この冷媒タンク8にて構成される冷媒を貯留する空間と、吸着コア2、3が収容される空間(つまり、密閉容器60)との間の総シール長を従来よりも短縮できる。
【0054】
よって、吸着式冷凍装置1に充填される全ての冷媒を冷媒タンク8に貯留した状態で、第1部位85a、第2部位85bを開閉弁9、開閉弁10にて閉じることにより、上記冷媒を貯留する空間から吸着コア2、3が収容される空間への冷媒漏れを低減できる。この結果、吸着コア2、3の再生状態を長期にわたって良好に維持できる。このため、冷却運転切替スイッチ27がオンされた直後に、吸着コア2、3にて吸着行程が良好に行なわれ、車室内の冷却、除湿を良好に行なうことができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記冷却運転切替スイッチ27がオンされる直前まで、第1、第2吸着コア2、3の再生状態が良好に維持されているため、エンジン13の始動直後のような、エンジン冷却水が十分に加熱されていないときに冷却運転切替スイッチ27がオンされても、吸着剤Sにて良好に冷媒を吸着できるため、車室内の冷却、除湿を良好に行なうことができる。
【0056】
また、開閉弁71、72、73、74として、確実に漏れのない特殊な構造のものを用いた場合、吸着式冷凍装置1の体格が2倍程度に大きくなってしまうが、本実施形態では、上記した冷媒の封入量(例えば200cc程度)を貯留可能な冷媒タンク8を設けるだけであるため、吸着式冷凍装置1の体格の大型化、といった問題はない。
【0057】
(第2の実施形態)
本実施形態は、図3に示すように、上記第1の実施形態における冷媒タンク8(図1参照)を廃止するかわりに、凝縮器室64の容積を拡大して、凝縮器室64に、請求項でいう冷媒タンクを兼用させたものである。具体的には、密閉容器60に封入されている冷媒を全て凝縮器室64に貯留したときに、液体冷媒の界面が凝縮器4の下面と略一致する程度に、凝縮器室64のうち凝縮器4の下面側の容積を拡大してある。これは、凝縮器4に液体冷媒が接触して配置されると、凝縮器4の凝縮能力が良好に得られない恐れがあるためである。
【0058】
なお、連通部81、82に、請求項でいう冷媒タンクの冷媒入口部を兼用させており、開閉弁71、72に、請求項でいう冷媒タンクの入口部開閉手段を兼用させている。また、キャピラリチューブ85により、請求項でいう冷媒タンクの冷媒出口部を兼用させており、このキャピラリチューブ85には、請求項でいう出口部開閉手段としての開閉弁10が設けられている。この開閉弁10は、上記した電気制御装置25により制御される。
【0059】
本実施形態において、上記冷却運転切替スイッチ27がオフされたときは、まず、キャピラリチューブ85(冷媒出口部)を閉じるとともに、第1、第2吸着コア2、3に吸着、脱着行程を行なわせて、全ての冷媒を凝縮器室64に移動させる。その後、連通部81、82(冷媒入口部)を全て閉じるとともに、凝縮器5への熱交換流体の供給も停止する。
【0060】
(第3の実施形態)
本実施形態は、図4に示すように、上記第1の実施形態における冷媒タンク8(図1参照)を廃止し、蒸発器室65に、請求項でいう冷媒タンクを兼用させたものである。なお、蒸発器室65の容積は、上記第1の実施形態と同じままであり、冷却運転の停止後においては、蒸発器室65に、この冷凍装置1の冷媒を貯留するものある。
【0061】
そして、連通部83、84に、請求項でいう冷媒タンクの冷媒出口部を兼用させており、開閉弁73、74に、請求項でいう冷媒タンクの出口部開閉手段を兼用させている。また、キャピラリチューブ85により、請求項でいう冷媒タンクの冷媒入口部を兼用させており、このキャピラリチューブ85には、請求項でいう入口部開閉手段としての開閉弁9が設けられている。この開閉弁9は、上記した電気制御装置25により制御される。
【0062】
本実施形態において、上記冷却運転切替スイッチ27がオフされた後の作動を説明する。なお、冷却運転切替スイッチ27がオフされたとき、第1行程(吸着コア2が吸着行程、吸着コア3が脱着行程を行なう)の途中であると仮定する(図4に示す状態)。
まず、冷却運転切替スイッチ27がオフされると同時に、蒸発器5への熱交換流体の供給を停止するとともに、連通部83、84(冷媒出口部)を閉じる。これにより、吸着コア3の脱着過程はそのまま続けられる。
【0063】
そして、この吸着コア3の脱着過程が終了した後、連通部82を閉じるとともに連通部81を開き、吸着コア3への加熱流体の供給を停止し、吸着コア2へ加熱流体を供給する。これにより、吸着コア2の脱着過程が実行される。この吸着コア2の脱着過程が終了した後、連通部81を閉じるとともに、加熱流体の供給を停止する。その後、所定時間T2 の間凝縮器4に冷却流体を供給し続けて、凝縮器室64内の冷媒を全て蒸発器室65へ移動させた後、キャピラリチューブ85(冷媒入口部)を閉じるとともに、凝縮器4への冷却流体の供給を停止する。
【0064】
これにより、蒸発器室65に、冷凍装置1に封入されている冷媒が全て貯留される。なお、蒸発器室65に全ての冷媒が貯留された状態では、この冷媒の界面が、蒸発器5の上面と同程度となるようにしてある。
(第4の実施形態)
図5に示すように、本実施形態の吸着式冷凍装置1は、冷媒を蒸発させるとともに、冷媒を凝縮する第1、第2蒸発凝縮器6、7を備えたものである(つまり、蒸発・凝縮一体型の吸着式冷凍装置である)。これら第1、第2蒸発凝縮器6、7は、一方が冷媒を蒸発させる蒸発器としてはたらくとき、他方が冷媒を凝縮する凝縮器としてはたらくようになっている。
【0065】
また、吸着式冷凍装置1は、第1、第2密閉容器601、602を備えており、これら第1、第2密閉容器601、602の内部にはそれぞれ、所定量の冷媒(例えば水)が封入されるとともに、第1、第2吸着コア2、3、および、第1、第2蒸発凝縮器6、7が収容されている。密閉容器601、602は、第1、第2吸着コア2、3を収容する第1、第2吸着コア室62、63と、第1、第2蒸発凝縮器6、7を収容する第1、第2蒸発凝縮器室66、67と、第1、第2連通部86、87とを一体に備えている。
【0066】
第1、第2連通部86、87は、第1、第2吸着コア室62、63と第1、第2蒸発凝縮器室66、67とを連通するものであり、開閉弁は設けられていない。また、第1蒸発凝縮器室66と第2蒸発凝縮器室67との間は、キャピラリチューブ85にて連結されている。なお、第1、第2吸着コア2、3として、伝熱チューブ2c、3cと吸着剤Sのみが図示してあるが、実際は、上記第1の実施形態にて述べた構造を有している。
【0067】
そして、室外熱交換器12と、第1蒸発凝縮器6(または第2蒸発凝縮器7)と、室内熱交換器16と、第1吸着コア2(または第2吸着コア3)とを、この順に直列に接続して第1流体循環路Aを構成している。また、室外熱交換器12と、第1蒸発凝縮器6(または第2蒸発凝縮器7)とを、この順に直列に接続して第2流体循環路Bを構成している。
【0068】
また、図示しないエンジンと、第1吸着コア2(または第2吸着コア3)とを、この順に直列に接続して第3流体循環路Cを構成している。そして、室外熱交換器12の入口側に設けられる電動ポンプ17は、熱交換流体を矢印E方向に圧送するものであり、この電動ポンプ17により、第1、第2流体循環路A、Bへの熱交換流体の循環を断続している。この電動ポンプ17は、上記した電気制御装置25により制御される。
【0069】
また、流体循環路AおよびCの途中には、四方弁14、15が設けられており、この四方弁14、15により、第1、第2吸着コア2、3に流入する熱交換流体の供給源を、エンジンまたは室内熱交換器16に切り替えるようになっている(換言すれば、四方弁14、15により、第1、第2吸着コア2、3の吸着、脱着行程を切り替えるようになっている)。
【0070】
また、流体循環路AおよびBの途中には、四方弁18が設けられており、この四方弁18により、第1、第2蒸発凝縮器6、7から流出される熱交換流体の供給先を、室内熱交換器16または室外熱交換器12に切り替えるようになっている(換言すれば、四方弁18により、第1、第2蒸発凝縮器6、7による冷媒の蒸発、凝縮を切り替えるようになっている)。これら四方弁14、15、18は、上記した電気制御装置25により制御される。
【0071】
そして、通常冷却運転時は、電動ポンプ17を作動させ、キャピラリチューブ85の第1、第2部位85a、85bを開いた状態で、四方弁14、15、18を図5中実線位置とすることにより、上記第1行程(第1吸着コア2が吸着行程、第2吸着コア3が脱着行程)が実行される。このとき、エンジンのエンジン冷却水(加熱流体)が、流体循環路Cを経て第2吸着コア3の伝熱チューブ3cに循環されるので、第2吸着コア3の吸着剤Sが加熱されて気体冷媒を脱着し、この吸着剤Sから脱着された気体冷媒が蒸発凝縮器7に流入する。
【0072】
これに対して、第2蒸発凝縮器7には、室外熱交換器12にて放熱した熱交換流体(冷却流体)が流体循環路Bを経て循環されるため、この蒸発凝縮器7が冷却され、この蒸発凝縮器室67において気体冷媒が凝縮される。そして、凝縮熱を吸熱した熱交換流体は、室外熱交換器12において室外に放熱する。蒸発凝縮器室67で凝縮された液体冷媒は、蒸発凝縮器室67に貯えられたり、蒸発凝縮器室66に供給される。
【0073】
また、室内熱交換器16からの比較的低温な熱交換流体(冷却流体)が、流体循環路Aを経て第1吸着コア2に循環されるため、この第1吸着コア2の吸着剤Sが冷却される。これにより、吸着剤Sが気体冷媒を吸着するため、吸着コア室62、連通部86、および、蒸発凝縮器室66にて形成される空間の圧力が下がり、蒸発凝縮器室66内の液体冷媒が蒸発する。
【0074】
そして、第1吸着コア2において吸着熱を吸着して加熱された熱交換流体は、室外熱交換器12において室外へ放熱した後、第1蒸発凝縮器6において蒸発潜熱を奪われて冷却される。この冷却された熱交換流体を、室内熱交換器16に循環することにより、図示しないエアコンの送風ダクト内を流れる空気を冷却する。つまり、本実施形態では、蒸発器としてはたらく蒸発凝縮器6において冷却した熱交換流体により、車室内の冷却、除湿、および、吸着剤Sの冷却を行なっている。
【0075】
そして、四方弁14、15、18を図5中点線位置とすることにより、第2行程(第1吸着コア2が脱着行程、第2吸着コア3が吸着行程)が実行される。この第2行程では、上記した第1行程の吸着と脱着、蒸発と凝縮が入れ替わるだけであるため、第2行程の作動説明は省略する。
このような吸着式冷凍装置1において、キャピラリチューブ85の途中に冷媒タンク8を設けている。なお、キャピラリチューブ85のうち、冷媒タンク8よりも第1蒸発凝縮器室66側の第1部位85a、および、キャピラリチューブ85のうち、冷媒タンク8よりも第2蒸発凝縮器室67側の第2部位85bに、冷媒タンク8の出入口部を兼用させている。そして、第1部位85a、第2部位85bは、一方が冷媒の出口部を構成するとき、他方が冷媒の入口部を構成するようになっている。これら第1部位85a、第2部位85bには、請求項でいう出入口部開閉手段としての開閉弁9、10が設けられている。
【0076】
次に、上記冷却運転切替スイッチ27がオフされた後の吸着式冷凍装置1の作動を説明する。
まず、冷却運転切替スイッチ27がオフされる直前において、第1行程(第1吸着コア2が吸着行程、第2吸着コア3が脱着行程)の途中であると仮定すると、四方弁14、15は図5中実線位置にあり、キャピラリチューブ85の第1、第2部位85a、85bは開いている。そして、冷却運転切替スイッチ27がオフされたとき、第2吸着コア3に脱着行程を続けさせるとともに、第2蒸発凝縮器7に凝縮行程を続けさせたままで、第2部位85bを開き、かつ、第1部位85aは閉じたままとする。
【0077】
これにより、第2蒸発凝縮器7にて凝縮された液体冷媒を、第2部位85bを経て冷媒タンク8に貯留する。このようにして、第2密閉容器602に封入された全ての冷媒が冷媒タンク8に貯留されたとき、第2部位85bを閉じ、第1部位85aを開いた状態として、第2吸着コア2に脱着行程を行なわせるとともに、第2蒸発凝縮器7に凝縮行程を行なわせる。そして、第1密閉容器601に封入された全ての冷媒が冷媒タンク8に貯留されたとき、第1部位85aを閉じる。このようにして、両方の密閉容器601、602に充填される全ての冷媒が、冷媒タンク8に貯留される。
【0078】
本実施形態では、液体冷媒が流れる第1、第2部位85a、8bを閉じることにより、吸着コア2、3の再生状態が維持される。このため、冷媒タンク8にて構成される冷媒を貯留する空間と、密閉容器601、602にて構成される、吸着コア2、3が収容される空間との間の総シール長を従来よりも短縮できる。
よって、密閉容器601、602に封入される全ての冷媒を冷媒タンク8に貯留した状態で、第1、第2部位85a、85bを閉じることにより、上記冷媒を貯留する空間から吸着コア2、3が収容される空間への冷媒漏れを低減できる。この結果、吸着コア2、3の再生状態を長期にわたって良好に維持できる。
【0079】
また、本実施形態のような、蒸発・凝縮一体型の吸着式冷凍装置によれば、上記した蒸発・凝縮別体型のの吸着式冷凍装置における開閉弁71〜74を廃止でき、▲1▼吸着式冷凍装置1の小型化を図ることができ、▲2▼開閉弁71〜74の制御が必要なく、この制御に関わる周囲部品を減らすことができる。従って、コスト安となる。また、▲3▼冷却運転時において、吸着側の吸着コア2、3と、凝縮器室としてはたらく蒸発凝縮器室66、67との間の冷媒漏れや、脱着側の吸着コア2、3と、蒸発器室としてはたらく蒸発凝縮器室66、67との間の冷媒漏れがまったく生じないため、吸着コア2、3の吸着、脱着能力が低下することはない。
【0080】
(第5の実施形態)
図6に示す本実施形態は、第4の実施形態を変形したものであり、第1、第2吸着コア2、3、および、第1、第2蒸発凝縮器6、7を、上記した流体循環路A中に直列に2段設けたものである。これに伴い、第1、第2吸着コア室62、63、第1、第2蒸発凝縮器室66、67、および、連通部86、87からなる密閉容器601、602も、2つずつ設けている。
【0081】
このようにすることで、室内熱交換器16から流れ出る低温(例えば15℃程度)の熱交換流体は、流体循環路Aにおいて上流側(図6中左側)の吸着コア2(または3)において加熱され、さらに、流体循環路Aにおいて下流側(図6中右側)の吸着コア2(または3)にて加熱される。また、室外熱交換器12から流れ出る高温(例えば35℃程度)の熱交換流体は、流体循環路Aの上流側(図6中右側)の蒸発凝縮器6(または7)において冷却され、さらに、流体循環路Aの下流側(図6中左側)の蒸発凝縮器6(または7)にて冷却される。
【0082】
このように、吸着コア2、3と、蒸発凝縮器6、7とを2段とするとともに、吸着コア2、3に循環させる熱交換流体の流れ方向と、蒸発凝縮器6、7に循環させる熱交換流体の流れ方向とを、向流とすることにより、1つの密閉容器601、602の内部において、吸着剤Sの温度と、冷媒の温度とを近づけることができ、吸着剤Sの吸着率を大きくできるので、冷却能力を向上できる。
【0083】
そして、それぞれのキャピラリチューブ85の途中に冷媒タンク8を設けているので、上記第4の実施形態と同様の効果が得られる。
(第6の実施形態)
図7に示す本実施形態は、上記第4の実施形態を変形したものであり、具体的には、上記各室62、63、66、67、および、連通部86、87の形態を変形し、上記流体循環路Aに替えて、流体循環路D、Eを設け、上記四方弁14、15、18の替わりに、四方弁35、36、37、38を設け、上記電動ポンプ17に替わりに、電動ポンプ45、46、47を設けている。四方弁35〜38、および、電動ポンプ45〜47は、上記した電気制御装置25により制御される。
【0084】
流体循環路Dは、放熱器12と、第1吸着コア2(または第2吸着コア3)とをこの順に直列に接続してなり、流体循環路Eは、第1蒸発凝縮器6(または第2蒸発凝縮器7)と、室内熱交換器16とをこの順に直列に接続してなる。
そして、流体循環路CおよびDの途中に四方弁35、36が設けられており、この四方弁35、36により、第1、第2吸着コア2、3に流入する熱交換流体の供給源を、エンジンまたは室外熱交換器12に切り替えるようになっている(換言すれば、四方弁35、36により、第1、第2吸着コア2、3の吸着、脱着行程を切り替えるようになっている)。
【0085】
また、流体循環路BおよびEの途中には、四方弁37、38が設けられており、この四方弁37、38により、第1、第2蒸発凝縮器6、7から流出される熱交換流体の供給先を、室内熱交換器16または室外熱交換器12に切り替えるようになっている(換言すれば、四方弁37、38により、第1、第2蒸発凝縮器6、7による冷媒の蒸発、凝縮を切り替えるようになっている)。
【0086】
また、流体循環路BおよびDの途中に設けた電動ポンプ45により、流体循環路BおよびDにおける熱交換流体の循環を断続し、流体循環路Cの途中に設けた電動ポンプ46により、流体循環路Cにおける熱交換流体の循環を断続し、流体循環路Eの途中に設けた電動ポンプ47により、流体循環路Eにおける熱交換流体の循環を断続している。
【0087】
さらに、第1吸着コア2を第2吸着コア3よりも大きく構成し、第1蒸発凝縮器6を第2蒸発凝縮器7よりも大きく構成し、これに伴い、第1吸着コア室62を第2吸着コア室63よりも大きく構成し、第1蒸発凝縮器室66を第2蒸発凝縮器室67よりも大きく構成している。そして、第1蒸発凝縮器室66には冷媒パイプ(冷媒出入口部)850の一端が連通させてあり、この冷媒パイプ850の他端に、冷媒タンク8が設けてある。冷媒パイプ850には、請求項でいう出入口部開閉手段としての開閉弁90が設けてある。
【0088】
ここで、冷媒パイプ850の一端は、第1蒸発凝縮器室66の下方側(本実施形態では第1蒸発凝縮器室66の底面部)に連通させてあり、この冷媒パイプ850の途中で冷媒タンク8の上面部を貫通し、さらに、冷媒パイプ850の他端が、冷媒タンク8内部の底面部近傍に連通させてある。これにより、第1蒸発凝縮器室66に封入される液体冷媒を良好に冷媒タンク8へ移動させることができ、かつ、冷媒タンク8に貯留された液体冷媒を良好に第1蒸発凝縮器室66へ移動させることができる。なお、冷媒パイプ850は、液体冷媒を流すものであるため、比較的小さな断面積(例えば40mm2 程度)に構成されている。
【0089】
また、流体循環路Eのうち、室内熱交換器16の流体流れ上流側には、蓄冷器39が設けられている。この蓄冷器39は、密閉容器390の内部に、周知の熱交換器形状をなす熱交換器391と、蓄冷材392とを収容してなる。熱交換器391は、流体循環路Eを循環する熱交換流体と蓄冷材392とを熱交換するものであり、換言すれば、熱交換流体の冷熱を蓄冷材392に蓄冷するとともに、蓄冷材392に蓄冷された冷熱を熱交換流体に放冷するものである。
【0090】
蓄冷材392としては、室内熱交換器16に流入させる熱交換流体の目標温度程度(例えば10℃程度)の融点を有する材料(例えばポリエチレングリコール等)を用いている。これにより、熱交換流体が目標温度よりも低いときは蓄冷材39に蓄冷され、この蓄冷材39が固体となる。そして、熱交換流体が目標温度よりも高くなると、蓄冷材39が溶けるため、蓄冷材39の冷熱を放冷する。よって、室内熱交換器16に流入させる熱交換流体の温度を良好に目標温度程度に維持できる。
【0091】
そして、通常冷却運転時には、電動ポンプ45〜47を作動させ、冷媒パイプ850を閉じた状態として、四方弁35〜38を図7中実線位置とすることにより、第1行程(第1吸着コア2が吸着行程、第2吸着コア3が脱着行程)が実行される。本実施形態では、吸着行程のみが上記第4の実施形態と異なるため、この吸着行程の作動のみ説明する。
【0092】
まず、放熱器12からの比較的低温な熱交換流体(冷却流体)が、流体循環路Dを経て第1吸着コア2に循環されるため、この第1吸着コア2の吸着剤Sが冷却される。これにより、吸着剤Sが気体冷媒を吸着するとともに、蒸発凝縮器室66内の冷体媒液が蒸発する。第1吸着コア2において吸着熱を吸着して加熱された熱交換流体は、放熱器12において室外へ放熱した後、再び第1吸着コア2を循環する。また、第1蒸発凝縮器6において蒸発潜熱を奪われて冷却された熱交換流体が、流体循環路Eを経て室内熱交換器16に循環するため、この室内熱交換器16は、図示しないエアコンの送風ダクト内を流れる空気を冷却する。つまり、本実施形態では、蒸発凝縮器6において冷却した熱交換流体により、室内冷却のみを行ない、吸着剤Sの冷却は、放熱器12からの熱交換流体にて行なっている。
【0093】
そして、四方弁35〜38を図7中点線位置とすることにより、第2行程(第1吸着コア2が脱着行程、第2吸着コア3が吸着行程)が実行される。この第2行程では、上記した第1行程の吸着と脱着、蒸発と凝縮が入れ替わるだけであるため、第2行程の作動説明は省略する。
次に、上記冷却運転切替スイッチ27がオフされた後の吸着式冷凍装置1の作動を説明する。
【0094】
まず、冷却運転切替スイッチ27がオフされる直前において、第1行程(第1吸着コア2が吸着行程、第2吸着コア3が脱着行程)の途中であると仮定すると、四方弁35〜38は図7中実線位置にあり、冷媒パイプ850は閉じている。そして、冷却運転切替スイッチ2がオフされたとき、第2吸着コア3に脱着行程を続けさせるとともに、第2蒸発凝縮器7に凝縮行程を続けさせ、さらに、冷媒パイプ850も閉じたままとする。
【0095】
そして、第1密閉容器602に封入された全ての冷媒が第2蒸発凝縮器7にて凝縮されたとき、冷媒パイプ850を開くことにより、第2蒸発凝縮器室67内の液体冷媒が冷媒パイプ850を経て冷媒タンク8内に貯留される。そして、全ての冷媒が冷媒タンク8内に貯留された後、冷媒パイプ850を閉じる。
そして、冷却運転切替スイッチ27が再びオンされたときは、まず、冷媒パイプ850を開くとともに、上記した第1行程を行い、所定時間(例えば30秒)が経過して、冷媒タンク8内の冷媒がほとんど第1密閉容器602内へ移動したとき、冷媒パイプ850を閉じ、その後は、第1行程と第2行程とを所定時間T1 毎に交互に行なわせる。
【0096】
本実施形態によれば、より大きな第1吸着コア2の再生状態を良好に維持できるので、炎天下駐車時の冷却運転開始時等のような、通常冷却時よりも高い冷却能力を必要とする場合に、より大きな冷却能力を得ることができる。
また、第1吸着コア2と第2吸着コア3の大きさが異なるため、通常運転時において、第1蒸発凝縮器6と第2蒸発凝縮器7との蒸発量、ひいては、第1蒸発凝縮器6と第2蒸発凝縮器7における熱交換流体の冷却能力が異なるが、流体循環路Eや室内熱交換器16等の熱容量が比較的大きいため、室内熱交換器16にて冷却される空気の温度はさほど大きく変動することはない。
【0097】
しかも、本実施形態では、蓄冷器39を設けているため、第1吸着コア2にて吸着するときに第1蒸発凝縮器6にて冷却される熱交換流体の冷熱を上記蓄冷器39に蓄冷でき、より小さな第2吸着コア2にて吸着するときに上記蓄冷器39の冷熱を熱交換流体に放冷することにより、さらに、上記空気の温度の変動を緩和できる。
【0098】
そして、液体冷媒が流れる冷媒パイプ850を閉じることにより、第1吸着コア2の再生状態が維持される。このため、冷媒タンク8にて構成される冷媒を貯留する空間と、密閉容器601にて構成される、第1吸着コア2が収容される空間との間の総シール長を従来よりも短縮できる。
よって、密閉容器601に封入される全ての冷媒を冷媒タンク8に貯留した状態で、冷媒パイプ850を閉じることにより、上記冷媒を貯留する空間から第1吸着コア2が収容される空間への冷媒漏れを低減できる。この結果、第1吸着コア2の再生状態を長期にわたって良好に維持できる。
【0099】
(第7の実施形態)
図8に示す本実施形態は、上記第6の実施形態を変形したものであり、冷媒タンク8の底面部に、冷媒パイプ850の他端を連通させている。このようにしても、第1蒸発凝縮器室66に封入される液体冷媒を良好に冷媒タンク8へ移動させることができ、かつ、冷媒タンク8に貯留された液体冷媒を良好に第1蒸発凝縮器室66へ移動させることができる。
【0100】
(他の実施形態)
まず、上記第1の実施形態では、開閉弁71〜74の位置を上記電気制御装置25にて制御していたが、通常運転時においては、吸着コア室62、63、凝縮器室64、および蒸発器室65のそれぞれの間に生じる圧力差により、自動的に開閉するようにしてもよい。
【0101】
例えば、図1に示す状態から、吸着コア2、3の吸着、脱着工程を切り替えるときについて説明する。まず、吸着完了状態の吸着コア2に加熱流体が循環されることにより、吸着コア2の温度が上がるとともに、吸着コア2が冷媒を脱着する。これにより、吸着コア室62内の圧力が上がり、凝縮器室64の圧力(例えば40torr程度)および蒸発器室65の圧力(例えば10torr程度)よりも大きくなり、開閉弁71が開くとともに、開閉弁73が閉じる。
【0102】
また、脱着完了状態の吸着コア3に冷却流体が循環されることにより、吸着コア3の温度が下がるとともに、吸着コア3が冷媒を吸着する。これにより、吸着コア室63内の圧力が下がり、凝縮器室64の圧力および蒸発器室65の圧力よりも小さくなり、開閉弁72が閉じるとともに、開閉弁74が開く。
また、上記第1の実施形態において、電動ポンプ11は、凝縮器室64側から冷媒タンク8を経て蒸発器室65側へ冷媒を送るものであったが、この電動ポンプ11により、蒸発器室65側から冷媒タンク8側へも冷媒を送ることが可能としてもよい。このものにおいては、吸着式冷凍装置1の運転を停止した後、まず、冷媒タンク8の入口部8aを閉じて、電動ポンプ11により、蒸発器室65内の冷媒を冷媒タンク8側へ送る。その後、冷媒タンク8の入口部8aを開き、出口部8bを閉じるとともに、電動ポンプ11の作動を停止して、上記第1の実施形態と同様の作動を行なうようにしてもよい。
【0103】
また、上記第1の実施形態では、上記冷却運転切替スイッチ27がオンされた直後に第1行程を行なわせていたが、冷却運転切替スイッチ27がオンされた直後に、第1、第2吸着コア2、3の両方に吸着行程を行なわせてもよい。具体的には、上記冷却運転切替スイッチ27がオンされた直後に、連通部81、82は閉じたままで、冷媒タンク8の入口部8a、出口部8b、および、連通部83、84を開く。また、両吸着コア2、3に同時に冷却流体を供給して、両吸着コア2、3に吸着過程を実行させる。
【0104】
なお、第1、第2吸着コア2、3の両方に冷却流体を供給可能とするように、冷却流体の循環路を変更する必要がある。そして、冷却運転切替スイッチ27がオンされてから、上記所定時間T1 よりも短い所定時間T3 (例えば30秒)が経過した後に、第1吸着コア2に加熱流体を循環させて第1吸着コア2に脱着行程を行なわせる。そして、冷却運転切替スイッチ27がオンされてから上記所定時間T1が経過したとき、上記第1行程を行い、その後は、所定時間T1毎に、第1行程と第2行程を交互に行なう。
【0105】
ここで、所定時間T3 が経過した後から所定時間T1 が経過するまでの時間T4 (つまり、T4 =T1 −T3 )において、脱着行程を行なう第1吸着コア2が完全に再生状態となるように、上記所定時間T3 を設定している。また、上記時間T4は、単位時間当たりに与える熱量を大きくすることにより短縮することができ、ひいては、上記吸着過程に必要な時間よりも短くできるのである。
【0106】
また、上記第1の実施形態においては、凝縮器室64、冷媒タンク8、蒸発器室65の配置関係を特に限定しないが、重力方向上方から凝縮器室64、冷媒タンク8、蒸発器室65の順で配置して、電動ポンプ11を廃止してもよい。
また、上記第4および第5の実施形態において、冷媒タンク8への冷媒の流入を確実にするために、上記第1、第2部位85a、85bのそれぞれに、送液手段としてのポンプを設けてもよい。
【0107】
また、上記第4および第5の実施形態において、冷媒タンク8を、蒸発凝縮器室66、67よりも重力方向下方に配置することにより、冷媒タンク8への冷媒の流入を確実にできる。
また、上記第5の実施形態において、さらに多段に、蒸発凝縮器6、7および蒸発凝縮器室66、67を直列に設けてもよい。これによれば、蒸発器としてはたらく蒸発凝縮器6、7により、吸着側の吸着コア2、3へ、より一層低温な冷却流体を供給することができ、吸着剤Sの単位体積当たりの吸着量をさらに大きくできる。よって、より一層多くの冷媒を、凝縮器としてはたらく蒸発凝縮器6、7に供給できるので、冷却能力をさらに高くできる。
【0108】
また、上記実施形態では、キャピラリチューブ85をして減圧手段としていたが、このキャピラリチューブ85に替えて通常の液体冷媒の配管を用い、この配管の途中に、減圧手段としてのしぼりを設けてもよい。そして、このしぼりをして、請求項でいう冷媒タンクの入口部開閉弁または出口部開閉弁としてもよい。
また、上記実施形態に述べた冷媒封入量に限られることはなく、この封入量を適宜変更してもよい。そして、この封入量に応じて、冷却運転停止後における、吸着コア2、3の吸着、脱着工程の回数を設定すればよい。
【0109】
また、上記実施形態において、冷却運転切替スイッチ27がオフされた後に、エンジン冷却水の熱を利用して吸着コア2、3の吸着剤Sを加熱していたが、電気ヒータや燃焼式ヒータ等の熱を利用してもよい。
また、上記実施形態において、冷却運転切替スイッチ27がオフされた後に液体冷媒を上記したそれぞれの部位(冷媒タンク8、凝縮器室64、蒸発器室65)に良好に移動させるために、凝縮器室64、蒸発器室65、および、蒸発凝縮器室67、68の内壁面や、凝縮器4、蒸発器5、および蒸発凝縮器6、7に撥水処理を施してもよい。
【0110】
また、上記第6、第7の実施形態において、蓄冷器39は廃止してもよい。
また、上記第4、第5の実施形態において、一方の吸着コアを大きくしてもよい。
また、上記実施形態では、1対のタンク2a、2b、3a、3b、および、チューブ2c、3cからなる熱交換器に、多数の吸着剤Sを保持させてなる吸着コア2、3を有する吸着式冷凍装置に本発明を適用したが、熱交換器を吸収液に浸漬させてなる吸収コアを有する吸着式冷凍装置に本発明を適用してもよい。そして、放熱器12からの熱交換流体を上記吸収コアに循環させることにより、吸収液に冷媒が吸収され、エンジン13からの熱交換流体を上記吸収コアに循環させることにより、吸収液から冷媒が分離される。
【0111】
このような吸収式冷凍装置における作動としては、上記実施形態における吸着、脱着を吸収、分離に置き替えたものであるため、説明を省略する。なお、吸収液としては、LiBr、NH3 、LiCl、グリコール系溶液等を用いることができる。
また、上記実施形態では、吸着式冷凍装置1を車両に搭載して車室内の冷房、除湿を行なっていたが、吸着式冷凍装置を、他の種々の場所に搭載してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる吸着式冷凍装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図2】第1の実施形態に係わる吸着式冷凍装置の電気制御ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係わる吸着式冷凍装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係わる吸着式冷凍装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係わる吸着式冷凍装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係わる吸着式冷凍装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図7】本発明の第6の実施形態に係わる吸着式冷凍装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図8】本発明の第7の実施形態に係わる吸着式冷凍装置の冷媒タンクの配置を示す図である。
【図9】従来技術に係わる吸着式冷凍装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図10】従来技術に係わる吸着式冷凍装置の全体構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…吸着式冷凍装置、2、3…吸着コア、4…凝縮器、5…蒸発器、
62、63…吸着コア室、64…凝縮器室、65…蒸発器室、
81、82…連通部(第2連通部)、
83、84…連通部(第3連通部)、
85…キャピラリチューブ(第1連通部)、85a…第1部位(冷媒入口部)、
85b…第2部位(冷媒出口部)、8…冷媒タンク、
9…開閉弁(入口部開閉手段)、10…開閉弁(出口部開閉手段)。

Claims (5)

  1. 冷却されることで冷媒を吸着し、加熱されることで冷媒を脱着する吸着コア(2、3)を収容する吸着器室(62、63)と、
    冷媒を凝縮する凝縮器(4)を収容する凝縮器室(64)と、
    冷媒を蒸発させる蒸発器(5)を収容する蒸発器室(65)と、
    前記凝縮器室(64)から前記蒸発器室(65)へ液体冷媒を流す第1連通部(85)と、
    前記吸着器室(62、63)から前記凝縮器室(64)へ気体冷媒を流す第2連通部(81、82)と、
    前記蒸発器室(65)から前記吸着器室(62、63)へ気体冷媒を流す第3連通部(83、84)と、
    前記第1連通部(85)の途中の部位に設けられ、冷媒を貯留する冷媒タンク(8)と
    前記冷媒タンク(8)の冷媒入口部(85a)を開閉する入口部開閉手段(9)と
    前記冷媒タンク(8)の冷媒出口部(85b)を開閉する出口部開閉手段(10)と、
    前記入口部開閉手段(9)および前記出口部開閉手段(10)の作動を制御する制御装置(25)とを備え、
    前記冷媒入口部(85aおよび前記冷媒出口部(85b)の少なくとも一方に、液体冷媒が流れ、
    前記冷媒入口部は、前記第1連通部(85)のうち前記冷媒タンク(8)よりも前記凝縮器室(64)側の第1部位(85a)により構成され、
    前記入口部開閉手段(9)は、前記第1部位(85a)に設けられ、
    前記冷媒出口部は、前記第1連通部(85)のうち前記冷媒タンク(8)よりも前記蒸発器室(65)側の第2部位(85b)により構成され、
    前記出口部開閉手段(10)は、前記第2部位(85b)に設けられ、
    前記制御装置(25)は、前記蒸発器(5)を循環する熱交換流体を冷却する冷却運転を停止する時に、前記冷媒入口部(85a)および前記冷媒出口部(85b)の双方を閉じることを特徴とする吸着式冷凍装置。
  2. 前記第1連通部は、キャピラリチューブ(85)によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の吸着式冷凍装置。
  3. 請求項1または2に記載の吸着式冷凍装置(1)において、この吸着式冷凍装置(1)による冷却運転の作動を停止したとき、前記冷媒タンク(8)の前記冷媒出口部(85b)を閉じ、
    次に、前記吸着コア(2、3)に吸着、脱着行程を繰り返し実行させて、前記冷媒タンク(8)に冷媒を貯留させるとともに、前記吸着コア(2、3)を再生状態とし、
    その後、前記冷媒タンク(8)の前記冷媒入口部(85a)を閉じることを特徴とする吸着式冷凍装置における冷媒タンク内冷媒封入方法。
  4. 冷却されることで冷媒を吸着し、加熱されることで冷媒を脱着する吸着コア(2、3)を収容する吸着器室(62、63)と、
    冷媒を蒸発、凝縮可能な蒸発凝縮器(6、7)を収容する蒸発凝縮器室(66、67)と、
    前記吸着器室と前記蒸発凝縮器室との間に気体冷媒を流す連通部(86、87)と、
    前記蒸発凝縮器(6、7)にて凝縮された液体冷媒が出入りする冷媒出入口部(850)を有するとともに、冷媒を貯留する冷媒タンク(8)と、
    前記冷媒出入口部(850)を開閉する出入口部開閉手段(90)とを備え
    前記吸着器室(62、63)は、第1吸着コア(2)を収容する第1吸着器室(62)、および、第2吸着コア(3)を収容する第2吸着器室(63)を包含し、
    前記蒸発凝縮器室(66、67)は、第1蒸発凝縮器(6)を収容する第1蒸発凝縮器室(66)、および、第2蒸発凝縮器(7)を収容する第2蒸発凝縮器室(67)を包含し、
    前記連通部(86、87)は、前記第1吸着器室(62)と前記第1蒸発凝縮器室(66)との間において気体冷媒を流す第1連通部(86)、および、前記第2吸着器室(63)と前記第2蒸発凝縮器室(67)との間において気体冷媒を流す第2連通部(87)を包含し、
    前記冷媒タンク(8)は、前記第1蒸発凝縮器(6)にて凝縮された液体冷媒のみが出入りする冷媒出入口部(850)を有する冷媒タンクからなり、
    前記第1吸着器室(62)の前記第1吸着コア(2)を、前記第2吸着器室(63)の前記第2吸着コア(3)よりも大きく構成したことを特徴とする吸着式冷凍装置。
  5. 請求項4に記載の吸着式冷凍装置(1)において、この吸着式冷凍装置(1)による冷却運転の作動を停止したとき、前記吸着コア(2、3)に脱着行程を行なわせるとともに前記蒸発凝縮器(6、7)にて冷媒を凝縮して液体冷媒とし、
    この液体冷媒を、前記第2連通部(850)を経て前記冷媒タンク(8)へ貯留させ、
    その後、前記第2連通部(850)を閉じることを特徴とする吸着式冷凍装置(1)における冷媒タンク内冷媒封入方法。
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