JP4022600B2 - 核酸増幅効率の決定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定量的リアルタイムPCR法による核酸定量の分野に関する。詳しくは、核酸増幅効率の決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
核酸定量方法は分子生物学の多くの領域で、また特に分子診断にとって重要である。これらの方法は例えばゲノム内で増幅される遺伝子配列のコピー数をDNAレベルで決定するために使用される。しかし、核酸定量方法はとりわけmRNA量の決定との関連で使用される。なぜなら、通常これが各コード遺伝子の発現の尺度だからである。
【0003】
十分量の試料を利用できる場合は、ノーザンブロット解析やRNアーゼプロテクションアッセイなどの従来の方法によって特定のmRNAを定量できる。しかし、これらの方法の感度は少量しか利用できない試料や極めて弱く発現する遺伝子には十分でない。
【0004】
いわゆるRT−PCRは、はるかに感度の高い方法である。この方法ではまず、解析対象であるmRNAから逆転写酵素を使って一本鎖cDNAが作成される。次に、PCRを使って二本鎖DNA増幅産物が作成される。
【0005】
この方法では次の2種類の変法が区別される:
(1)いわゆる相対定量方法では、いわゆるハウスキーピング遺伝子のRNA量に対して、ある標的RNAの発現量の比が決定される。ハウスキーピング遺伝子は個々の生理状態とは無関係に全ての細胞で構成的に発現されると考えられ、したがって、そのmRNAは全ての細胞にほぼ同じ量で存在する。
【0006】
この方法の利点は、様々な試料の初期品質の相違およびRNA調製の方法がその特定の結果に影響を及ぼさないということである。しかし、この方法では絶対定量は不可能である。
【0007】
(2)一方、既知コピー数の標準核酸と、この標準核酸の対応する希釈系列の増幅とを使って、使用するRNAの絶対量を決定することができる。これには次の2つの選択肢がある:
【0008】
外部標準を使用する場合は、標準核酸と標的核酸とを別個の反応容器で増幅する。この場合は、標的核酸と同一の配列を持つ標準核酸を使用することができる。しかし、このタイプの定量方法では、解析対象であるRNA調製物がその後のPCR反応の効率を損ねる阻害成分を含有すると、系統誤差が生じうる。そのような誤差は内部標準を使用することによって、すなわち標準核酸と標的核酸とを1つの反応容器中で増幅することによって排除できる。しかし、この方法の短所は、標準核酸の増幅と標的核酸の増幅とを識別できるように、解析対象である標的核酸と比較して異なる配列を持つ標準核酸を使用する必要があるということである。これも定量における系統誤差につながりうる。なぜなら、配列が異なる場合はPCR増幅効率の相違を排除することができないからである。
【0009】
PCR産物は根本的に異なる次の2つの方法によって定量できる:
a)増幅反応のプラトー期でのPCR産物生成量の終点決定
この場合、反応終点での核酸の増幅はもはや指数的ではなく飽和に達しているので、PCR産物の生成量は初期コピー数の量とは相関しない。その結果、異なる初期コピー数でも同じPCR産物生成量を示す。したがって、通常この方法では競争的PCR法または競争的RT−PCR法が使用される。これらの方法では特異的標的配列が既知コピー数の内部標準の希釈系列と共に同時増幅される。標的配列の初期コピー数は同じPCR産物量の標準および標的配列を含有する混合物から外挿される(ZimmermannおよびMannhalter、Bio−Techniques 21:280−279、1996)。この方法の短所も測定が増幅反応の飽和領域で行なわれることである。
【0010】
b)PCRの指数期での速度論的リアルタイム定量
この場合、PCR産物の生成はPCRの各サイクル毎にモニターされる。増幅は通常、増幅反応中に蛍光シグナルを測定するための追加装置を備えたサーマルサイクラー中で測定される。この装置の代表例はRoche Diagnostics LightCycler(カタログ番号2 0110468)である。増幅産物は、例えば標的核酸に結合した場合にのみ蛍光シグナルを発する蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを使って、またある場合には二本鎖DNAに結合する蛍光色素を使って検出される。解析対象である全ての反応について所定のシグナル閾値を決定し、この閾値に達するのに必要なサイクル数Cpを標的核酸および参照核酸(標準遺伝子またはハウスキーピング遺伝子など)について決定する。標的分子の絶対的または相対的コピー数は標的核酸および参照核酸について得られたCp値に基づいて決定できる(Gibsonら、Genome Research 6:995−1001;Biecheら、Cancer Research 59:2759−2765、1999;国際公開第97/46707号パンフレット;国際公開第97/46712号パンフレット;国際公開第97/46714号パンフレット)。このような方法はリアルタイムPCRとも呼ばれる。
【0011】
要約すると、上述したPCRによる核酸定量方法では、どの方法でも、増幅反応中に形成されるコピー数が常に標準またはハウスキーピング遺伝子のRNAである参照核酸の生成コピー数に関係づけられる。これに関連して、標的核酸と参照核酸のPCR効率は相違しないと仮定されている。
【0012】
通常は1PCRサイクルにつきコピー数の倍増に相当する2.00のPCR効率が仮定される(User Bulletin No. 2 ABI Prism 7700、PE Applied Biosystems、1997)。
【0013】
しかし、PCR効率はプライマーの結合、PCR産物の長さ、増幅対象の核酸のG/C含量および二次構造ならびに試料調製の結果として反応混合物中に存在しうる阻害因子などといった様々な要因による影響を受けるので、真のPCR効率は2.00とは相違しうることが判明した。このことは、例えばハウスキーピング遺伝子の発現量との比較による相対定量に際して非相同参照核酸を使用する場合に、とりわけ問題になる。さらにまた、検出対象の標的核酸の初期濃度が増幅反応の効率に有意な影響を及ぼすかどうかまたはどの程度の影響を及ぼすかもわかっていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、核酸増幅の効率を可能な限り正確に決定する方法と、核酸の最も正確であろう定量方法におけるその使用とを提供することであった。すなわち、本発明は、標的核酸の増幅効率の決定方法を提供することを目的とする。また、本発明は、増幅反応の効率を前記方法により決定し、定量に考慮する試料中の標的核酸の定量方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記の目的は、
a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
b)標的核酸を予め選択した反応条件下で増幅する工程、ここで、標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)シグナル閾値を設定する工程、
d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
e)標的核酸の初期(original)量の関数として増幅効率を決定する工程、
を含む標的核酸の増幅効率の決定方法によって達成される。
【0016】
なお、本発明の方法において、核酸の増幅条件は、用いる核酸に応じて任意に選択することができる。
【0017】
したがって増幅効率は、シグナル閾値を超えるサイクル数の関数として、増幅に使用した標的核酸コピー数の対数の非線形連続微分可能関数を作成することによって決定することができ、増幅効率Eはこの関数から標的核酸量の関数として計算される。この態様では、ある量の標的核酸の増幅効率Eは、工程e)で得られる連続微分可能関数の負の局所一次導関数として決定されることが好ましい。
【0018】
あるいは、増幅に使用した標的核酸のコピー数の対数の関数として、決定されたサイクル数の非線形連続微分可能関数を作成し、決定された関数から増幅効率Eを計算することによって、増幅効率を決定することもできる。この場合、ある量の標的核酸の増幅効率Eは、工程e)で得られる連続微分可能関数の負の局所一次導関数の逆数として決定されることが好ましい。
【0019】
多項式フィットを使って非線形連続微分可能関数を決定し、増幅効率が標的核酸濃度の対数の関数として決定される方法またはその逆の方法は、特に有益であることが明らかになった。これは3次、4次、5次、6次または7次の多項式フィットであってよく、4次の多項式フィットが好ましい。
【0020】
したがって、本発明の一態様である試料中の標的核酸を定量するための方法は以下の工程からなる:
a)予め選択した条件下における標的核酸の増幅効率を本発明に従って決定する工程、
b)上と同じ反応条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅を行なう工程、
c)上記の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得られた量を、決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の標的核酸の初期量を定量する工程。
【0021】
これらの方法は絶対定量だけでなく、ハウスキーピング遺伝子の発現量との比較による相対定量にも使用できる。
【0022】
本発明によれば試料中の標的核酸の絶対定量方法は以下の工程からなる:
a)予め選択した増幅条件下における標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を本発明に従って決定する工程、
b)上と同じ反応条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を行なう工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得られたコピー数を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の初期コピー数を計算する工程。
【0023】
これに対し、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法は以下の工程からなる:
a)予め選択した増幅条件下における標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を本発明に従って決定する工程、
b)上と同じ増幅条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および試料に含まれる参照核酸の増幅を行なう工程、
c)標的核酸の増幅および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得た比を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の標的核酸と参照核酸との初期比を計算する工程。
【0024】
また本発明は、増幅効率の決定が、定量結果に、特に初期濃度に依存する定量結果に、間接的にのみ使用される全ての方法に関する。この意味で本発明は特に、較正試料を基準として標準化される、参照核酸に対する標的核酸の相対定量方法であって、以下の工程からなる方法に関する:
a)標的核酸および参照核酸の共通する1つの希釈系列または独立した2つの希釈系列を調製する工程、
b)予め選択した反応条件下で標的核酸および参照核酸の希釈物の増幅を行なう工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)標的核酸および参照核酸についてシグナル閾値を設定する工程、
d)標的核酸および参照核酸ついて前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを各希釈物で決定する工程、
e)工程d)で決定したCp値の関数として、使用した標的核酸量の対数の連続微分可能関数を決定し、かつ決定したCp値の関数として、使用した参照核酸量の対数の連続微分可能関数を決定する工程、
f)解析対象である試料中および較正試料中の標的核酸および参照核酸のCp値を決定する工程、
g)工程f)で測定したCp値を、工程e)で決定した関数の特定の関数値に割り当てる工程、
h)解析対象である試料および較正試料に関して、標的核酸と参照核酸の工程g)で得た関数値の商を決定する工程、
i)工程h)で得た商の比を、試料に含まれる標的DNAの初期量に関する尺度として決定する工程。
【0025】
すなわち、本発明は、
〔1〕 a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
b)標的核酸を予め選択した反応条件下で増幅する工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)シグナル閾値を設定する工程、
d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
ならびに
e)標的核酸の初期量の関数として増幅効率を決定する工程、
を含む、標的核酸の増幅効率の決定方法、
〔2〕 a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
b)標的核酸を予め選択した反応条件下で増幅する工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)シグナル閾値を設定する工程、
d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
e)前記シグナル閾値を超えるサイクル数の関数として、増幅に使用された標的核酸のコピー数の対数の非線形連続微分可能関数を決定する工程、ならびに
f)工程e)で決定した関数から増幅効率Eを計算する工程、
を含む、標的核酸の増幅効率の決定方法、
〔3〕 a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
b)標的核酸を予め選択した反応条件下で増幅する工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)シグナル閾値を設定する工程、
d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
e)増幅に使用された標的核酸のコピー数の対数の関数として、工程d)で決定したサイクル数の非線形連続微分可能関数を決定する工程、ならびに
f)工程e)で決定した関数から増幅効率Eを計算する工程、
を含む、標的核酸の増幅効率の決定方法、
〔4〕 増幅効率Eを工程e)で得た非線形連続微分可能関数の負の局所1次導関数として決定する前記〔2〕記載の方法、
〔5〕 増幅効率Eを工程e)で得た非線形連続微分可能関数の局所1次導関数の逆数として決定する前記〔3〕記載の方法、
〔6〕 工程e)で得た非線形連続微分可能関数を3次、4次、5次、6次または7次の多項式フィットを用いて決定する前記〔2〕〜〔5〕いずれか記載の方法、
〔7〕 a)予め選択した増幅条件下での標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ反応条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を行なう工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、ならびに
d)工程c)で得られたコピー数を、工程a)で決定した増幅効率を用いて補正することにより、試料中の初期コピー数を計算する工程、
を含む、試料中の標的核酸の絶対定量方法、
〔8〕 a)予め選択した増幅条件下における標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ増幅条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および試料に含まれる参照核酸の増幅を行なう工程、
c)標的核酸の増幅および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得た比を、工程a)で決定した増幅効率を用いて補正することにより、試料中の標的核酸と参照核酸との初期比を計算する工程、
を含む、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法、
〔9〕 a)標的核酸および参照核酸の共通する1つの希釈系列または独立した2つの希釈系列を調製する工程、
b)予め選択した反応条件下で標的核酸および参照核酸の希釈物の増幅を行なう工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)標的核酸および参照核酸についてシグナル閾値を設定する工程、
d)標的核酸および参照核酸ついて規定した前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを各希釈物で決定する工程、
e)使用した標的核酸量の対数の関数として、工程d)で決定したCp値の連続微分可能関数を決定し、かつ使用した参照核酸量の対数の関数として、決定したCp値の連続微分可能関数を決定する工程、
f)解析対象の試料中および較正試料中の標的核酸および参照核酸のCp値を決定する工程、
g)工程f)で測定したCp値を、工程e)で決定した関数の特定の関数値に割り当てる工程、
h)解析対象である試料および較正試料に関して、標的核酸と参照核酸の工程g)で得た関数値の商を決定する工程、
i)工程h)で得た2つの商の比を、試料に含まれる標的核酸の初期量に関する尺度として決定する工程、
を含む、較正試料を用いて標準化する、参照核酸に対する標的核酸の相対定量方法、
〔10〕 a)標的核酸および参照核酸の共通する1つの希釈系列または独立した2つの希釈系列を調製する工程、
b)予め選択した反応条件下で標的核酸および参照核酸の希釈物の増幅を行なう工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)標的核酸および参照核酸についてシグナル閾値を設定する工程、
d)標的核酸および参照核酸ついて規定した前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを各希釈物で決定する工程、
e)工程d)で決定したCp値の関数として、使用した標的核酸量の対数の連続微分可能関数を決定し、かつ決定したCp値の関数として、使用した参照核酸量の対数の連続微分可能関数を決定する工程、
f)解析対象である試料中および較正試料中の標的核酸および参照核酸のCp値を決定する工程、
g)工程f)で測定したCp値を工程e)で決定した関数の特定の関数値に割り当てる工程、
h)解析対象である試料および較正試料に関して、標的核酸と参照核酸の工程g)で得た関数値の商を計算する工程、
i)工程h)で得た2つの商の比を、試料中に含まれる標的核酸の初期量に関する尺度として決定する工程、
を含む、較正試料を用いて標準化する、参照核酸に対する標的核酸の相対定量方法、
〔11〕 工程e)で得た連続微分可能関数を3次、4次、5次、6次または7次の多項式フィットを用いて決定する前記〔9〕〜〔10〕いずれか記載の方法、
〔12〕 増幅された核酸を少なくとも1つの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを用いて検出する前記〔1〕〜〔11〕いずれか記載の方法、
〔13〕 増幅された核酸をFRETハイブリダイゼーションプローブ、分子ビーコンまたはTaqManプローブを用いて検出する前記〔12〕記載の方法、ならびに
〔14〕 増幅された核酸をDNA結合性色素を用いて検出する前記〔1〕〜〔11〕いずれか記載の方法、
に関する。
【0026】
【発明の実施の形態】
A)標的依存性効率補正の要件
定量的核酸増幅方法にとって効率補正が重要であることを誤差の計算によって例証する。表1は、各サイクル数に関して増幅効率が2.00でない場合に、決定されるコピー数の平均誤差率の理論的計算値を表す。誤差は次式に従って計算される:
【0027】
【数1】
Figure 0004022600
【0028】
【表1】
Figure 0004022600
【0029】
PCR反応の増幅効率は様々な方法によって決定できる。
【0030】
例えばPCR反応のリアルタイムモニタリングの場合、これは、各増幅サイクルで増幅される標的核酸の量を決定し、得られた値から増幅反応の効率を決定することによって達成できる。
【0031】
あるいは、特定の標的の増幅反応の効率は、その標的核酸の様々な希釈物をまず増幅し、各希釈物について予め確定しておいたシグナル閾値を超えるサイクル数を決定することにより、予め選択した条件下におけるリアルタイムPCR法で決定することができる。
【0032】
次に、各コピー数について決定されたサイクル数に対する使用コピー数の対数の関数の傾きから、効率が決定される。この方法の利点は、標的核酸の指数的増幅がもはや起こっていないPCR反応の局面(プラトー期)での増幅効率を決定することに起因する系統誤差が起こりえないことである。
【0033】
しかし意外なことに一定の状況では増幅効率が標的核酸の初期量にも依存しうることが明らかになった。増幅効率の明らかな変化は、対応する実験調製物において、特に低濃度で認められる。その結果、上記の効率決定方法では線形関数が得られないので、その場合は例えば上述した回帰直線の傾きの決定では、決定される増幅効率の値が、特に低濃度の標的核酸では低すぎることになるだろう。
【0034】
増幅効率は標的核酸の濃度に依存するので、増幅反応の初期サイクル中はまだ指数期にあるが、それでも既に増幅効率の変化を除外することは不可能である。しかしこの現象は検出感度の不足が理由で直接実験的に解析することはできないので、以下の説明では濃度依存性増幅効率とは各検出時点での経過サイクル数によって決定される増幅効率と理解される。
【0035】
B)絶対定量と相対定量
したがって本発明は、核酸の効率補正定量方法であって、増幅効率が、
a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
b)予め選択した反応条件下で標的核酸を増幅する工程、ここで、標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)シグナル閾値を設定する工程、
d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを決定する工程、ならびに
e)増幅効率を標的核酸量の関数として決定する工程、
から決定される方法に関する。
【0036】
特に増幅効率は、
(1)シグナル閾値を超える時のサイクル数の関数としての、増幅に使用した標的核酸コピー数の対数の非線形連続微分可能関数、またはそれぞれの場合に使用した標的核酸コピー数の対数の関数としての、決定されたサイクル数の非線形連続微分可能関数と、
(2)決定された関数から増幅効率Eを計算することにより、
標的核酸の初期量の関数として決定することができる。個々の増幅効率は、本発明により各々の場合に使用される標的核酸の量の関数として決定される。
【0037】
連続関数は適切な数学的方法とアルゴリズムによって決定される。例えば関数は高次の多項式フィットによって記述することができる。関数を計算するには3次、4次、5次、6次または7次の多項式フィットが適しており、4次の多項式フィットが好ましいことが明らかになった。
【0038】
標的量に依存する効率は、初期コピー数の対数の関数としてのCp値の連続微分可能関数F(Cp)の導関数またはその逆によって決定できる。
【0039】
その場合、増幅効率は次式に従って決定できる:
【0040】
【数2】
Figure 0004022600
【0041】
したがってこの態様では、ある初期量の標的核酸の増幅効率Eが、先に決定した連続微分可能関数の負の局所一次導関数として決定される。
【0042】
あるいは、増幅効率Eを次式に従って決定することもできる:
【0043】
【数3】
Figure 0004022600
【0044】
したがってこの態様では、ある初期量の標的核酸の増幅効率Eは、先に決定した連続微分可能関数の負の局所一次導関数の逆数として決定される。
【0045】
標的核酸量の関数としての核酸の効率補正定量は原則として絶対定量方法にも相対定量方法にも使用できる。さらにこのような効率補正は、標的核酸と参照核酸に関する検出感度の相違の影響を排除するために、いわゆる較正試料に基づいて相対定量が標準化される方法でも特に有益である(ABI Prism 7700 Application Manual、Perkin Elmer)。
【0046】
試料中の検出対象の標的核酸の絶対量を決定しようとする場合、本発明による試料中の標的核酸定量方法は、以下の工程からなる:
a)標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を、それぞれの初期濃度の関数として、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を、上と同じ反応条件下で行なう工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得られたコピー数を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の初期コピー数を計算する工程。
【0047】
標的核酸の配列と標準核酸の配列は実質的に同一であることが有利である。しかし内部標準の配列を選択する場合、利用可能な検出系が標準と標的核酸とを識別できることを考慮しなければならない。例えばこれは、標的核酸と内部標準の検出に異なる標識を持つハイブリダイゼーションプローブを使用することによって達成できる。これには、点突然変異などの最低限の配列相違を識別するために使用できるオリゴヌクレオチドを検出プローブとして使用することが理想的である。
【0048】
内部標準を使用することの利点は、試料中に存在する阻害因子が標準の増幅にも影響することである。したがって増幅効率の相違を最小にすることができる。
【0049】
これに対して外部標準の使用には、標的核酸と標準の増幅反応がその効率に関して互いに競争的に干渉し合うことがあり得ないという利点がある。さらにまた、標準の増幅生成物と標的核酸の増幅生成物を並行反応混合物中で、同じ検出系を使って、例えば同じハイブリダイゼーションプローブを使って検出することができる。短所は、試料中の阻害因子によるPCR効率の相違が考えられることである。しかしこれによって起こる定量誤差は本発明の効率補正によって排除することができる。
【0050】
相対定量に関する本発明の主題は、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法であって、以下の工程を含む方法である:
a)標的核酸の増幅効率と参照核酸の増幅効率を、それぞれの初期濃度の関数として、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅と試料に含まれる参照核酸の増幅とを、上と同じ増幅条件下で行なう工程、
c)標的核酸の増幅と参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得られた比を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の標的核酸と参照核酸の初期比を計算する工程。
【0051】
このような本発明の方法は、一方では被験試料中に存在するかもしれない阻害因子の影響を排除し、他方では標的核酸と参照核酸とで増幅効率が異なる結果として起こるかもしれない誤差を補正するものである。
【0052】
本発明のこの相対定量方法に欠かすことのできない要件は、標的核酸の増幅効率と参照核酸の増幅効率とが、最初に存在した標的核酸量および参照核酸量の関数として決定されることである。これらの決定はどちらも、上述の方法により、一定のシグナル閾値を超えるサイクル数を決定することによって行なわれることが好ましい。
【0053】
相対定量の好ましい一態様として、試料を2等分し、標的核酸および参照核酸の増幅のリアルタイム測定を別個の反応容器で行なう。これにより、標的核酸の増幅反応と参照核酸の増幅反応とが、例えばデオキシヌクレオチドまたはTaqポリメラーゼに関する競争などによってその効率に関して干渉し合うことが防止される。さらに標的核酸と参照核酸とを同じ検出系を使って、例えば同じDNA結合性色素を使って検出することができる。
【0054】
もう一つの選択肢として、標的核酸および参照核酸の増幅のリアルタイム測定を、異なる標識がなされたハイブリダイゼーションプローブを使って、同じ反応容器中で1つの試料から行なうこともできる。こうすることで必要なPCR反応の数を半分にすることができるので、これは少量の試料しか利用できない場合は特に有利である。
【0055】
工程b)〜d)はいわゆる較正試料を含有する並行混合物で行なうことが有利である。較正試料は、各測定で一定である、所定の比率の標的核酸と参照核酸を含有する試料である。次に、試料と較正試料についてそれぞれ決定された商の比を、試料中の標的核酸の初期量の尺度として決定する。これには、さらに標的核酸と参照核酸との検出感度の相違による他の系統誤差も排除されるという利点がある。このような系統誤差は例えばハイブリダイゼーションプローブのハイブリダイゼーション特性の相違、また蛍光標識プローブの場合は、励起効率、量子収率またはプローブへの色素のカップリング効率の相違の結果などとして起こりうる。したがって、試験対象の試料と較正試料とは、各実験毎に同じ検出試薬を使って、すなわち同じバッチの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを使って解析しなければならない。
【0056】
また本発明は特に、検出可能な成分を使って多くの異なる方法で標識することができるハイブリダイゼーションプローブによって増幅産物が検出される、上記効率補正核酸定量方法の態様に関する。
【0057】
標的核酸の初期量の効率補正決定および増幅効率自体の決定に欠くことのできない条件は、シグナル閾値を設定し、次に各増幅反応について、あるシグナル閾値に達するサイクル数を決定することである。シグナル閾値は先行技術に従って様々な方法で決定できる。
【0058】
先行技術によればシグナル閾値は例えばバックグラウンドシグナルの統計的分散の一定倍に相当するシグナルとすることができる(ABI Prism 7700 Application Manual、Perkin Elmer)。
【0059】
もう一つの選択肢として、シグナル閾値を超えるサイクル数を、いわゆる「フィットポイントアバーブスレショルド(fit point above threshold)」法(LightCycler Operators Manual、B59−B68、Roche Molecular Biochemicals、1999)に従って決定することもできる。
【0060】
さらなる一態様として、シグナルの絶対値とは無関係に増幅反応の経過がサイクル数の関数として決定され、次いでn次導関数が計算される場合は、閾値を絶対値ではなく相対値として決定することもできる。この場合は、一定の極値の超過を、あるシグナル閾値の超過と定義することができる(欧州特許出願番号00106523.4)。したがって、この閾値決定方法は例えば蛍光シグナルなどの絶対シグナル強度とは無関係である。したがってこれは、標的核酸と参照核酸とが同じ反応容器中で増幅され異なる蛍光標識を使って検出される態様に特に適している。二次導関数の極大をシグナル閾値の尺度として決定する方法が、PCR産物の効率補正定量には特に適していることが明らかになった。
【0061】
本発明の方法で使用されるハイブリダイゼーションプローブは通常、増幅反応のアニーリング温度で標的核酸にハイブリダイズする一本鎖DNAまたはRNAなどの一本鎖核酸もしくはその誘導体またはPNAである。これらのオリゴヌクレオチドは通常20〜100ヌクレオチドの長さを持つ。
【0062】
標識はその検出形式に応じてオリゴヌクレオチドの任意のリボース基またはリン酸基に導入できる。核酸分子の5’および3’末端の標識が好ましい。
【0063】
この種類の標識はリアルタイム型の増幅反応で検出されなければならない。これは例えばNMRによって検出できる標識を使って行なうことも原則として可能である(ただしこれに限るわけではない)。
【0064】
増幅された核酸が少なくとも1つの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを使って検出される方法が特に好ましい。
【0065】
多くの試験法が可能である。以下の3種類の検出形式は本発明との関連で特に適していることが明らかになった:
【0066】
(i)FRETハイブリダイゼーションプローブ
この試験形式の場合、増幅された標的核酸の同じ鎖の隣り合った部位に相補的な2本の一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを同時に使用する。双方のプローブは異なる蛍光成分で標識される。適切な波長の光で励起すると、蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従って、第一成分が吸収されたエネルギーを第二成分に伝達するので、両方のハイブリダイゼーションプローブが検出対象の標的分子の隣り合った位置に結合すると、第二成分の蛍光放射を測定できる。
【0067】
もう一つの選択肢として、蛍光標識プライマーと1本の標識オリゴヌクレオチドプローブだけを使用することも可能である(Bernardら、Analytical Biochemistry 235、1001−107頁(1998))。
【0068】
(ii)TaqManハイブリダイゼーションプローブ
1つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを2つの成分で標識する。第一成分を適切な波長の光で励起すると、吸収されたエネルギーが蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従っていわゆる消光成分である第二成分に移動する。このハイブリダイゼーションプローブはPCR反応のアニーリング工程で標的DNAに結合し、それに続く伸長期にTaqポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。その結果、励起された蛍光成分と消光成分は空間的に互いに分離されるので、第一成分の蛍光放射を測定することができる。
【0069】
(iii)分子ビーコン
これらのハイブリダイゼーションプローブも第一成分および消光成分で標識され、これらの標識はそのプローブの両端に位置することが好ましい。プローブの二次構造の結果、両成分は溶液状態では空間的に近傍にある。標的核酸へのハイブリダイゼーション後は、両成分が互いに分離されるので、適切な波長の光による励起後に、第一成分の蛍光放射を測定することができる(Lizardiら、米国出願第5,118,801号)。
【0070】
標的核酸だけまたは参照核酸もしくは外部標準だけがそれぞれ1つの反応容器で増幅される上記の態様では、二本鎖核酸と相互作用すると適切な波長の光での励起後に対応する蛍光シグナルを放射するDNA結合性色素によって、各増幅産物を本発明に従って検出することもできる。色素SybrGreen(好ましくは、SybrGreenI)およびSybrGold(Molecular Probes)はこの用途に特に適していることがわかった。これに代えて挿入性色素を使用することもできる。
【0071】
C)増幅効率の直接決定による効率補正
絶対定量
試料中の標的核酸の絶対定量に関する好ましい一態様として、本発明の方法は以下の工程からなる:
a)標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を、各初期量の関数として、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を上と同じ反応条件下で行なう工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)シグナル閾値を決定する工程、
e)標的核酸および標準の増幅中にそれぞれシグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
f)試料中の標的核酸の初期コピー数N(T)0 を次式に従って決定する工程:
【0072】
【数4】
Figure 0004022600
【0073】
これらの状況では、N(T)0 の計算により、
【0074】
【数5】
Figure 0004022600
【0075】
が得られる。
【0076】
標的核酸と標準核酸に同じシグナル閾値を設定したので、これは次式にほぼ等しくなる。
【0077】
【数6】
Figure 0004022600
【0078】
したがって、試料中に存在する標的核酸の初期コピー数は次式に従って計算される。
【0079】
【数7】
Figure 0004022600
【0080】
これに代わる試料中の標的核酸の絶対定量の一態様として、本発明の方法は以下の工程からなる:
a)標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を、各初期量の関数として、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を上と同じ反応条件下で行なう工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)シグナル閾値を決定する工程、
e)標的核酸および標準の増幅中にそれぞれシグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
f)試料中の標的核酸の初期コピー数N(T)0 を次式に従って決定する工程:
【0081】
【数8】
Figure 0004022600
【0082】
この場合、標的核酸の増幅効率と内部標準の増幅効率は、一定のシグナル閾値を超えるサイクル数を決定することにより、上記のように決定されることが好ましい。
【0083】
N(T)0 は本発明に従って次のように計算される:
【0084】
【数9】
Figure 0004022600
【0085】
標的核酸と標準核酸に同じシグナル閾値を設定したので、これは次式にほぼ等しくなる:
【0086】
【数10】
Figure 0004022600
【0087】
したがって、試料中に存在する標的核酸の初期コピー数は次式に従って計算される。
【0088】
【数11】
Figure 0004022600
【0089】
この方法の短所は、増幅された核酸の量が先行技術で利用できるどの検出系の検出限界よりもさらに低いために、各増幅反応の初期サイクルの効率を決定できないことである。
【0090】
しかし、ある初期サイクルの効率は、その後のサイクルについて決定される全ての効率の相乗平均Πとして近似することができる。あるいは、ある初期サイクルの決定不可能な効率は、増幅産物が検出可能になった最初のサイクルについて決定される効率に等しいと考えることもできる。
【0091】
相対定量
本発明による相対定量の特別な一態様は、以下の工程からなる、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法である:
a)標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を、各初期量の関数として、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅と試料に含まれる参照核酸の増幅を上と同じ増幅条件下で行なう工程、
c)標的核酸および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)シグナル閾値を決定する工程、
e)標的核酸および参照核酸の増幅の際にそれぞれシグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
f)試料中の標的核酸および参照核酸の初期比を次式に従って計算する工程:
【0092】
【数12】
Figure 0004022600
【0093】
これらの状況では、N(T)0 の計算により、
【0094】
【数13】
Figure 0004022600
【0095】
が得られる。
【0096】
標的核酸と標準核酸に同じシグナル閾値を設定したので、これは次式にほぼ等しくなる:
【0097】
【数14】
Figure 0004022600
【0098】
したがって、試料中に存在する標的核酸の初期コピー数は次式に従って計算される。
【0099】
【数15】
Figure 0004022600
【0100】
これに代わる試料中の標的核酸の相対定量の一態様として、本発明の方法は以下の工程からなる:
a)標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を、初期量の関数として、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅と試料に含まれる参照核酸の増幅を上と同じ増幅条件下で行なう工程、
c)標的核酸および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)シグナル閾値を決定する工程、
e)標的核酸および参照核酸の増幅の際にそれぞれシグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
f)試料中の標的核酸と参照核酸の初期比を次式に従って決定する工程:
【0101】
【数16】
Figure 0004022600
【0102】
工程f)での比は本発明に従って次のように決定される:
【0103】
【数17】
Figure 0004022600
【0104】
(1)および(2)から、
【0105】
【数18】
Figure 0004022600
【0106】
ということになる。すなわち、
【0107】
【数19】
Figure 0004022600
【0108】
となる。
【0109】
標的核酸と参照核酸について同じシグナル閾値を設定するので、近似的に
【0110】
【数20】
Figure 0004022600
【0111】
と考えることができる。
【0112】
この条件の下で標的核酸と参照核酸の初期比に関する式(4)から出発すると、これは次式を与える。
【0113】
【数21】
Figure 0004022600
【0114】
絶対定量の場合と同様に、決定することができない初期の一サイクルの効率は、その後のサイクルに関して決定されるすべての効率の相乗平均Πと考えることができる。あるいは、初期の一サイクルの効率は増幅産物が検出可能になった最初のサイクルについて決定された効率に等しいと考えることもできる。
【0115】
相対定量および較正試料の参照による標準化
しかし、N(T)n =N(R)n という近似は標的核酸と参照核酸が異なる感度で検出される場合にしか当てはまらない。
【0116】
この態様での増幅産物の検出ゆえに、系統誤差を排除するには、上述した方法の工程b)、c)、e)およびf)をさらに較正試料を使って行ない、次いで試料について決定した商と較正試料について決定した商の比を、試料中の標的核酸の初期量の尺度として決定することが有利である。
【0117】
したがって本発明では、較正試料を並行反応混合物で測定し、試料中の標的核酸の初期量の尺度として、試料と較正試料に関して商N(T)0 /N(R)0 の比を決定する。
【0118】
これにより、解析対象である試料に「A 」、較正試料に「K 」という添字を用いて式(4)から次の式が得られる。
【0119】
【数22】
Figure 0004022600
【0120】
分析対象である試料と較正試料には同じシグナル閾値を定めたことならびに試料中および較正試料中の標識アンプリコンと参照アンプリコンの検出には同じ薬剤を使用することから、試料と較正試料に関して決定される商の比は次の通りである:
【0121】
【数23】
Figure 0004022600
【0122】
したがって、解析対象である試料と較正試料の商の比は、
【0123】
【数24】
Figure 0004022600
【0124】
である。
【0125】
その結果、試料中の標的核酸の初期コピー数に関して、増幅効率の相違および検出感度の相違による系統誤差が排除された相対値を得ることができる。決定される値が正確であるための唯一の必要条件は、完全に同一な緩衝液条件の下では増幅効率および検出効率も様々な反応容器で同一であるという妥当な仮定である。
【0126】
D)較正試料を使用する場合の間接的効率補正
さらに本発明による濃度依存性効率補正は、増幅効率が直接的に決定されるのではなく定量結果に間接的に組み込まれる定量方法にも適している。
【0127】
例えば標的核酸と参照核酸の検出感度の相違の影響を排除するために較正試料に基づいて結果が標準化される相対定量方法などが、これに当てはまりうる。
【0128】
したがって本発明は、較正試料に基づいて標準化される、参照核酸に対する標的核酸の相対定量方法であって、以下の工程からなる方法をも包含する:
a)標的核酸および参照核酸の共通する1つの希釈系列または独立した2つの希釈系列を調製する工程、
b)予め選択した反応条件下で標的核酸および参照核酸の様々な希釈物の増幅を行なう工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)標的核酸および参照核酸についてシグナル閾値を設定する工程、
d)標的核酸および参照核酸ついて前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを各希釈物で決定する工程、
e)工程d)で決定したCp値の連続微分可能関数を、使用した標的核酸量の対数の関数として決定し、決定したCp値の連続微分可能関数を、使用した参照核酸量の対数の関数として決定する工程、
f)解析対象である試料中および較正試料中の標的核酸および参照核酸についてCp値を決定する工程、
g)工程f)で測定したCp値を工程e)で決定した関数の特定の関数値に割り当てる工程、
h)解析対象である試料および較正試料に関して、標的核酸と参照核酸の工程g)で得た関数値の商を計算する工程、
i)工程h)で得た商の比を、試料中に最初に存在した標的DNA量に関する尺度として決定する工程。
【0129】
もう一つの選択肢として、このような本発明の方法は、較正試料に基づいて標準化される、参照核酸に対する標的核酸の、以下の工程からなる相対定量にも使用できる:
a)標的核酸および参照核酸の共通する1つの希釈系列または独立した2つの希釈系列を調製する工程、
b)予め選択した反応条件下で標的核酸および参照核酸の様々な希釈物の増幅を行なう工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
c)標的核酸および参照核酸についてシグナル閾値を設定する工程、
d)標的核酸および参照核酸ついて前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを各希釈物で決定する工程、
e)使用した参照核酸量の対数の連続微分可能関数を、工程d)で決定したCp値の関数として決定し、使用した参照核酸量の対数の連続微分可能関数を、決定したCp値の関数として決定する工程、
f)解析対象である試料中および較正試料中の標的核酸および参照核酸についてCp値を決定する工程、
g)工程f)で測定したCp値を工程e)で決定した関数の特定の関数値に割り当てる工程、
h)解析対象である試料および較正試料に関して、標的核酸と参照核酸の工程g)で得た関数値の商を計算する工程、
i)工程h)で得た商の比を、試料中に最初に存在した標的DNA量に関する尺度として決定する工程。
【0130】
本発明によれば、線形または非線形関数でありうる工程e)の連続微分関数は、好ましくは3次、4次、5次、6次または7次の多項式フィットを使って決定される。
【0131】
上記連続微分可能関数が線形または非線形である程度は、希釈系列中の標的核酸および参照核酸の初期濃度に依存する。低い初期濃度では、各濃度の対数と各濃度で測定されるCp値の間に線形関係はないと仮定できるだろう。これとは別に、上記の関数の形状は各実験条件および各標的配列にも依存し、したがってこれらの関数は実験的に決定する必要があり、理論的考察に基づいて引き出すことはできない。
【0132】
較正試料を使った上記の標準化法は、特に増幅効率が解析対象である標的核酸または参照核酸の初期量と関係して変化する場合にも使用できる。その結果、標的核酸および参照核酸の各初期コピー数に対する増幅効率の依存性が間接的に考慮される。したがって本発明の定量方法により、決定すべき標的核酸の初期濃度が低くても、それを高い正確度で決定することができる。
【0133】
このような定量の妥当性は以下の考察から得られる:
【0134】
上記の方法の工程a)〜e)では、希釈系列について測定されるサイクル数(Cp値)に基づいて、関数(以下、これを較正曲線という)が作成される。この較正曲線は個々の測定値から数学的方法を使って(例えば多項式フィットを使って)計算される。標的核酸の初期濃度が異なっても効率が一定のままであるなら、較正曲線は線形関数である。
【0135】
そのような較正曲線の一例を図1に図示する。所定のシグナル閾値を超えるサイクル数をグラフの横軸にプロットする。ある相対濃度の対数をグラフの縦軸にプロットする(対数の底数は、各実験反応内で変えない限り、無作為に選択できる)。ちなみに相対濃度とは、各検出効率に依存するが実際に使用された標的核酸および参照核酸の量に比例する、単位を持たない次元であると理解される。(図1の例では、参照核酸の増幅効率は様々な希釈物で一定のままである。しかし、これに比して、標的核酸の増幅効率は低濃度では増加している。)
【0136】
上記の方法の後続の工程f)およびg)では、確定したシグナル閾値を越えるサイクル数(Cp値)が標的核酸と参照核酸に関して決定される(それぞれCp(TAR) およびCp(REF) )。先に決定した較正曲線に基づいて、関数値log(Rconc(Tar))およびlog(Rconc(Ref))が、試料に関して決定されたサイクル数Cp(TAR) およびCp(REF) に割り当てられる。
【0137】
相対定量の場合はさらに標的核酸と参照核酸に関する検出効率の相違の影響を排除することが有利である。これはいわゆる較正試料を使って達成することができる。したがって標的核酸と参照核酸に関するCp値は較正試料についても解析対象である試料と同じ方法で決定され、やはり対応する関数値に割り当てられる。
【0138】
しかし以下の説明では、ある実験中は検出効率が一定のままである、すなわち実験的に決定される相対濃度は各試料中に実際に存在する標的および参照核酸のコピー数に比例すると考える。したがって、まず以下の式が較正試料を含む任意の試料に当てはまる:
【0139】
【数25】
Figure 0004022600
【0140】
定数KTar およびKRef はその絶対値が各検出効率に依存する量である。言い換えると、これらの定数は蛍光標識の量子収率の相違またはハイブリダイゼーションプローブのハイブリダイゼーション速度の相違などといった因子を考慮するものであり、したがって通常は同一ではない。
【0141】
上述した方法の工程h)に従って次の商を形成させる。
【0142】
【数26】
Figure 0004022600
【0143】
(1)と(2)から、
【0144】
【数27】
Figure 0004022600
【0145】
が得られる。
【0146】
解析対象である試料と較正試料には同じ検出試薬を使用するので、この等式はどちらの試料にも等しく当てはまる。
【0147】
【数28】
Figure 0004022600
【0148】
次に、上述した方法の工程i)に従って、決定した2つの商の比を決定する:
【0149】
【数29】
Figure 0004022600
【0150】
その結果、各検出効率に依存する定数を排除することができる:
【0151】
【数30】
Figure 0004022600
【0152】
参照核酸に対する標的核酸の決定された相対濃度の比を、較正試料における参照核酸に対する標的核酸の相対濃度の比に基づいて標準化したものは、解析対象である個々の試料中の標的核酸と参照核酸の絶対コピー数の比に等しいことになる。
【0153】
したがって本発明による方法は、
(1)一方で、PCR反応の効率の相違が、その効率を直接決定する必要なく考慮され、ならびに
(2)他方では、制御できない様々な因子に依存する検出効率の影響が較正試料を使用することで排除される、
という、核酸の正確な相対定量方法である。
【0154】
【実施例】
以下の実施例によって本発明をさらに説明する。
【0155】
実施例1:シクロフィリンA(CycA)とポルホビリノゲンデアミナーゼ(PBGD)cDNAの増幅
HeLa細胞株、副腎組織および脳組織から単離された3種類の市販(Clontech社製)の全RNAから、以下の条件で、逆転写酵素反応を使ってcDNAを合成した:
1μg 全RNA
1×AMV反応緩衝液
5mM MgCl2
1mM デオキシヌクレオチド混合物
0.0625mM 無作為化ヘキサマー
50ユニット RNアーゼ
10ユニット AMV逆転写酵素
2 Oで20μl
【0156】
cDNA合成のために全ての混合物を25℃で10分間、42℃で60分間および95℃で5分間インキュベートした。次に、それらを4℃に冷却した。
【0157】
その後、LightCycler装置(Roche DiagnosticsGmbH社製)で増幅反応を行ない、その増幅反応をFRET HybProbe形式にてリアルタイムで測定した。各混合物を次の条件で増幅した:
1×LC−ファーストスタートDNA−マスターハイブリダイゼーションプローブズ(Roche Diagnostics GmbH社製)
3mM MgCl2
0.5mMの各プライマー
0.2μM フルオレセインプローブ
0.2μM LC−RED640プローブ
2 Oで20μl
【0158】
CycA配列(シクロフィリンA)の増幅には配列番号:1および配列番号:2のプライマーを使用した。CycA産物を配列番号:3のフルオレセイン標識プローブと配列番号:4のLC−RED640標識プローブとを使って検出した。PBGD配列(ポルホビリノゲンデアミナーゼ)の増幅には配列番号:5および配列番号:6のプライマーを使用した。PBGD産物は配列番号:7のフルオレセイン標識プローブと配列番号:8のLC−RED640標識プローブとを使って検出した。
【0159】
調製物をLightCyclerにて次のPCR条件で増幅した:
Figure 0004022600
【0160】
55℃での各インキュベーション後に、製造者の使用説明書に従って蛍光測定を行なった。シグナル閾値(Cp値)をサイクル数の関数としての増幅反応の2次導関数の最大値として決定した。
【0161】
実施例2:CysAおよびPBGDの増幅効率の決定
CycAおよびPBGDの増幅効率を決定するために、HeLa全RNAから合成したcDNAを1:5倍段階希釈(合計5希釈段階)した。LightCycerで各希釈段階についてシグナル閾値(Cp値)の三重決定を行なった。これをCycAとPBGDの両方について行なった。
【0162】
フィット係数を決定するために、サイクル数Cpが各濃度について使用したcDNA濃度の常用対数の関数として決定される2つの異なる関数を作成した。
【0163】
a)線形関数の作成
様々な核酸初期濃度について効率は同一であると仮定して、標的核酸と参照核酸に関する2つの各増幅効率を次式に従って決定した。
【0164】
【数31】
Figure 0004022600
【0165】
この場合、f’(log(conc))は図2および3に示す関数の回帰直線の傾きとして決定した。このようにして標的核酸CysAについては効率E=2.62が決定され、参照核酸PBGDについては効率E=1.97が決定された。
【0166】
b)本発明に従った4次の多項式フィットを使った非線形関数の作成
同じ測定値を使って、4次の多項式フィットを計算することにより、決定された相対濃度の対数−対−測定されたCp値の標的核酸関数および参照核酸関数を作成した。これらの関数を図4(標的核酸)および5(参照核酸)に示す。
【0167】
標的核酸(CycA)に関して決定されたフィットパラメーターは:
A(オフセット)=11.3974946
B(一次)=−0.1
C(二次)=−0.0721349
D=0.0044516
E=−8.214E−05
であった。
【0168】
参照核酸に関して決定されたフィットパラメーターは:
A(オフセット)=9.98347024
B(一次)=−0.29359011
C=0
D=0
E=0
であった。
【0169】
図および決定されたフィットパラメーターからわかるように、これは参照核酸に関してほとんど線形の関数をもたらす。その結果、測定した濃度範囲での参照核酸の増幅はほとんど一定の効率で起こる。
【0170】
これに対し標的核酸CycAについて得たCp値では非線形関数が決定された。したがって測定したCycA濃度範囲での増幅反応の効率は試料中に存在する初期コピー数に有意に依存する。
【0171】
実施例3:増幅効率の間接的補正ありおよび増幅効率の間接的補正なしの較正試
料で標準化した標的核酸と参照核酸の初期比の決定
実施例1に記載の条件では、決定されるCycAとPBGDの初期量の比は使用する試料の各増幅量とは無関係であるべきである。したがって様々な量の試料RNAの比の決定を使用して、得られる測定値に基づいて、効率補正の効果を調べた。
【0172】
副腎RNAおよび脳RNAにおける標的核酸(CycA)と参照核酸(PBGD)の初期比を、それぞれのcDNAについて3つの希釈段階を使用して決定した(各希釈段階について二重決定を行なった)。測定データから解析試料と較正試料の間でCycAとPBGDの相対濃度の比の商を決定した。HeLa細胞から得られた全RNAを較正試料として使用した。この決定は、一方ではCycAとPBGDについて2.00の増幅効率を仮定して、また他方では実施例2で決定した線形および非線形関数を使って行なった。
【0173】
表2に較正試料で標準化した標的/参照核酸の比を示す。
【0174】
【表2】
Figure 0004022600
【0175】
表2に示すように、2つの試料RNA(副腎組織および脳組織)について本発明の非線形効率補正後に決定された値は、効率補正なしの同じ値と比較して約1/3の変動係数を持ち、線形効率補正を行なった同じ値と比較して約1/2の変動係数を持つ。また、初期濃度の関数としての較正試料標準化標的/参照比の最大誤差率も、2つの標的RNAに関する本発明の非線形効率補正により、線形効率補正と比較してまたは効率補正なしの方法と比較して有意に減少する。これらの結果は、本発明の方法が、較正試料を使って標準化が行なわれる方法で特に有利であることを示している。
【0176】
配列表フリーテキスト
配列番号:1は、CycAの塩基配列に基づいて設計されたプライマーである。
【0177】
配列番号:2は、CycAの塩基配列に基づいて設計されたプライマーである。
【0178】
配列番号:3は、CycAの塩基配列に基づいて設計されたプローブである。
【0179】
配列番号:4は、CycAの塩基配列に基づいて設計されたプローブである。
【0180】
配列番号:5は、PBGDの塩基配列に基づいて設計されたプライマーである。
【0181】
配列番号:6は、PBGDの塩基配列に基づいて設計されたプライマーである。
【0182】
配列番号:7は、PBGDの塩基配列に基づいて設計されたプローブである。
【0183】
配列番号:8は、PBGDの塩基配列に基づいて設計されたプローブである。
【0184】
【発明の効果】
本発明によれば、核酸増幅の効率を可能な限り正確に決定する方法と、核酸の最も正確であろう定量方法におけるその使用とが提供される。
【0185】
【配列表】
Figure 0004022600
【0186】
Figure 0004022600
【0187】
Figure 0004022600
【0189】
Figure 0004022600
【0191】
Figure 0004022600
【0192】
Figure 0004022600
【0193】
Figure 0004022600

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、決定されたサイクル数に対して相対濃度の対数を決定するための較正曲線の例示である。
【図2】図2は、回帰直線の決定によるCycAの増幅効率の決定を示す図である。
【図3】図3は、回帰直線の決定によるPBGDの増幅効率の決定を示す図である。
【図4】図4は、4次の多項式フィットを使ったCycAの増幅に関する効率補正を示す図である。
【図5】図5は、4次の多項式フィットを使ったPBGDの増幅に関する効率補正を示す図である。

Claims (16)

  1. a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
    b)標的核酸を予め選択した反応条件下で増幅する工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
    c)シグナル閾値を設定する工程、
    d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
    e)前記シグナル閾値を超えるサイクル数の関数として、増幅に使用された標的核酸のコピー数の対数の非線形連続微分可能関数を決定する工程、ならびに
    f)工程e)で決定した関数から増幅効率Eを計算する工程、
    を含む、標的核酸の増幅効率の決定方法。
  2. a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
    b)標的核酸を予め選択した反応条件下で増幅する工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
    c)シグナル閾値を設定する工程、
    d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
    e)増幅に使用された標的核酸のコピー数の対数の関数として、工程d)で決定したサイクル数の非線形連続微分可能関数を決定する工程、ならびに
    f)工程e)で決定した関数から増幅効率Eを計算する工程、
    を含む、標的核酸の増幅効率の決定方法。
  3. 増幅効率Eを工程e)で得た非線形連続微分可能関数の負の局所1次導関数として決定する請求項記載の方法。
  4. 増幅効率Eを工程e)で得た非線形連続微分可能関数の局所1次導関数の逆数として決定する請求項記載の方法。
  5. 工程e)で得た非線形連続微分可能関数を3次、4次、5次、6次または7次の多項式フィットを用いて決定する請求項いずれか記載の方法。
  6. 増幅された核酸を少なくとも1つの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを用いて検出する請求項1〜5いずれか記載の方法。
  7. 増幅された核酸をFRETハイブリダイゼーションプローブ、分子ビーコンまたはTaqManプローブを用いて検出する請求項6記載の方法。
  8. 増幅された核酸をDNA結合性色素を用いて検出する請求項1〜5いずれか記載の方法。
  9. a)予め選択した増幅条件下での標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率をそれぞれの初期量の関数として、シグナル閾値を超える時のサイクル数の関数としての、増幅に使用した標的核酸コピー数の対数の非線形連続微分可能関数、またはそれぞれの場合に使用した標的核酸コピー数の対数の関数としての、決定されたサイクル数の非線形連続微分可能関数から決定する工程、
    b)工程a)と同じ反応条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を行なう工程、
    c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、ならびに
    d)工程c)で得られたコピー数を、工程a)で決定した増幅効率を用いて補正することにより、試料中の初期コピー数を計算する工程、
    を含む、試料中の標的核酸の絶対定量方法。
  10. a)予め選択した増幅条件下における標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率をそれぞれの初期量の関数として、シグナル閾値を超える時のサイクル数の関数としての、増幅に使用した標的核酸コピー数の対数の非線形連続微分可能関数、またはそれぞれの場合に使用した標的核酸コピー数の対数の関数としての、決定されたサイクル数の非線形連続微分可能関数から決定する工程、
    b)工程a)と同じ増幅条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および試料に含まれる参照核酸の増幅を行なう工程、
    c)標的核酸の増幅および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
    d)工程c)で得た比を、工程a)で決定した増幅効率を用いて補正することにより、試料中の標的核酸と参照核酸との初期比を計算する工程、
    を含む、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法。
  11. a)標的核酸および参照核酸の共通する1つの希釈系列または独立した2つの希釈系列を調製する工程、
    b)予め選択した反応条件下で標的核酸および参照核酸の希釈物の増幅を行なう工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
    c)標的核酸および参照核酸についてシグナル閾値を設定する工程、
    d)標的核酸および参照核酸ついて規定した前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを各希釈物で決定する工程、
    e)使用した標的核酸量の対数の関数として、工程d)で決定したCp値の非線形連続微分可能関数を決定し、かつ使用した参照核酸量の対数の関数として、決定したCp値の非線形連続微分可能関数を決定する工程、
    f)解析対象の試料中および較正試料中の標的核酸および参照核酸のCp値を決定する工程、
    g)工程f)で測定したCp値を、工程e)で決定した関数の特定の関数値に割り当てる工程、
    h)解析対象である試料および較正試料に関して、標的核酸と参照核酸の工程g)で得た関数値の商を決定する工程、
    i)工程h)で得た2つの商の比を、試料に含まれる標的核酸の初期量に関する尺度として決定する工程、
    を含む、較正試料を用いて標準化する、参照核酸に対する標的核酸の相対定量方法。
  12. a)標的核酸および参照核酸の共通する1つの希釈系列または独立した2つの希釈系列を調製する工程、
    b)予め選択した反応条件下で標的核酸および参照核酸の希釈物の増幅を行なう工程、ここで、前記核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
    c)標的核酸および参照核酸についてシグナル閾値を設定する工程、
    d)標的核酸および参照核酸ついて規定した前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを各希釈物で決定する工程、
    e)工程d)で決定したCp値の関数として、使用した標的核酸量の対数の非線形連続微分可能関数を決定し、かつ決定したCp値の関数として、使用した参照核酸量の対数の非線形連続微分可能関数を決定する工程、
    f)解析対象である試料中および較正試料中の標的核酸および参照核酸のCp値を決定する工程、
    g)工程f)で測定したCp値を工程e)で決定した関数の特定の関数値に割り当てる工程、
    h)解析対象である試料および較正試料に関して、標的核酸と参照核酸の工程g)で得た関数値の商を計算する工程、
    i)工程h)で得た2つの商の比を、試料中に含まれる標的核酸の初期量に関する尺度として決定する工程、
    を含む、較正試料を用いて標準化する、参照核酸に対する標的核酸の相対定量方法。
  13. 工程e)で得た連続微分可能関数を3次、4次、5次、6次または7次の多項式フィットを用いて決定する請求項11〜1いずれか記載の方法。
  14. 増幅された核酸を少なくとも1つの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを用いて検出する請求項〜1いずれか記載の方法。
  15. 増幅された核酸をFRETハイブリダイゼーションプローブ、分子ビーコンまたはTaqManプローブを用いて検出する請求項1記載の方法。
  16. 増幅された核酸をDNA結合性色素を用いて検出する請求項〜1いずれか記載の方法。
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