JP3589638B2 - 核酸の効率補正したリアルタイム定量方法 - Google Patents

核酸の効率補正したリアルタイム定量方法 Download PDF

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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6851Quantitative amplification

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定量的リアルタイムPCR法による核酸定量の分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
核酸定量方法は分子生物学の多くの領域で、また特に分子診断にとって重要である。これらの方法は例えばゲノム内で増幅される遺伝子配列のコピー数をDNAレベルで決定するために使用される。しかし核酸定量方法はとりわけmRNA量の決定との関連で使用される。なぜなら、通常これが各コード遺伝子の発現の尺度だからである。
【0003】
十分量の試料を利用できる場合は、ノーザンブロット解析やRNアーゼプロテクションアッセイなどの従来の方法によって特定のmRNAを定量できる。しかし、これらの方法の感度は少量しか利用できない試料や極めて弱く発現する遺伝子には十分でない。
【0004】
いわゆるRT−PCRは、はるかに感度の高い方法である。この方法ではまず、解析対象であるmRNAから逆転写酵素を使って一本鎖cDNAが作成される。次に、PCRを使って二本鎖DNA増幅産物が作成される。
【0005】
この方法では次の2種類の変法が区別される。
(1)いわゆる相対定量方法では、いわゆるハウスキーピング遺伝子のRNA量に対して、ある標的RNAの発現量の比が決定される。ハウスキーピング遺伝子は個々の生理状態とは無関係に全ての細胞で構成的に発現されると考えられ、したがってそのmRNAは全ての細胞にほぼ同じ量で存在する。この方法の利点は、様々な試料の初期品質の相違およびRNA調製の方法がその特定の結果に影響を及ぼさないということである。しかし、この方法では絶対定量は不可能である。
【0006】
(2)一方、既知コピー数の標準核酸と、この標準核酸の対応する希釈系列の増幅とを使って、使用するRNAの絶対量を決定することができる。これには次の2つの選択肢がある:
【0007】
外部標準を使用する場合は、標準核酸と標的核酸とを別個の反応容器で増幅する。この場合は、標的核酸と同一の配列を持つ標準核酸を使用することができる。しかし、このタイプの定量方法では、解析対象であるRNA調製物がその後のPCR反応の効率を損ねる阻害成分を含有すると、系統誤差が生じうる。そのような誤差は内部標準を使用することによって、すなわち標準核酸と標的核酸とを1つの反応容器中で増幅することによって排除できる。しかし、この方法の短所は、標準核酸の増幅と標的核酸の増幅とを識別できるように、解析対象である標的核酸と比較して異なる配列を持つ標準核酸を使用する必要があるということである。これも定量における系統誤差につながりうる。なぜなら、配列が異なる場合はPCR増幅効率の相違を排除することができないからである。
【0008】
PCR産物は根本的に異なる次の2つの方法によって定量できる。
a)増幅反応のプラトー期でのPCR産物生成量の終点決定
この場合、反応終点での核酸の増幅はもはや指数的ではなく飽和に達しているので、PCR産物の生成量は初期コピー数の量とは相関しない。その結果、異なる初期コピー数でも同じPCR産物生成量を示す。したがって、通常この方法では競争的PCR法または競争的RT−PCR法が使用される。これらの方法では特異的標的配列が既知コピー数の内部標準の希釈系列と共に同時増幅される。標的配列の初期コピー数は同じPCR産物量の標準および標的配列を含有する混合物から外挿される(ZimmermannおよびMannhalter、Bio−Techniques 21:280−279、1996)。この方法の短所も測定が増幅反応の飽和領域で行なわれることである。
【0009】
b)PCRの指数期での速度論的リアルタイム定量
この場合、PCR産物の生成はPCRの各サイクル毎にモニターされる。増幅は通常、増幅反応中に蛍光シグナルを測定するための追加装置を備えたサーマルサイクラー中で測定される。この装置の代表例はRoche Diagnostics LightCycler(カタログ番号2 0110468)である。増幅産物は、例えば標的核酸に結合した場合にのみ蛍光シグナルを発する蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを使って、またある場合には二本鎖DNAに結合する蛍光色素を使って検出される。解析対象である全ての反応について確定したシグナル閾値を決定し、この閾値に達するのに必要なサイクル数Cpを標的核酸および参照核酸(標準遺伝子またはハウスキーピング遺伝子など)について決定する。標的分子の絶対的または相対的コピー数は標的核酸および参照核酸について得られたCp値に基づいて決定できる(Gibsonら、Genome Research 6:995−1001;Biecheら、Cancer Research 59:2759−2765、1999;国際公開第97/46707号パンフレット;国際公開第97/46712号パンフレット;国際公開第97/46714号パンフレット)。このような方法はリアルタイムPCRとも呼ばれる。
【0010】
要約すると、上述したPCRによる核酸定量方法では、どの方法でも、増幅反応中に形成されるコピー数が常に標準またはハウスキーピング遺伝子のRNAである参照核酸の生成コピー数に関係づけられる。これに関連して、標的核酸と参照核酸のPCR効率は相違しないと仮定されている。
【0011】
通常は1PCRサイクルにつきコピー数の倍増に相当する2.00のPCR効率が仮定される(User Bulletin No. 2 ABI Prism 7700、PE Applied Biosystems、1997)。
【0012】
しかし、PCR効率はプライマーの結合、PCR産物の長さ、増幅対象の核酸のG/C含量および二次構造ならびに試料調製の結果として反応混合物中に存在しうる阻害因子などといった様々な要因による影響を受けるので、真のPCR効率は2.00とは相違しうることが判明した。このことは、例えばハウスキーピング遺伝子の発現量との比較による相対定量に際して非相同参照核酸を使用する場合に、とりわけ問題になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記の先行技術の欠点を解消する核酸の定量方法を提供することであった。本発明の目的は、詳細には、標的核酸が、標的核酸および参照核酸の増幅効率に関わりなく定量される核酸の定量方法を提供することであった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記の目的は、
a)予め選択した増幅条件下における標的核酸の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ増幅条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅を行う工程、
c)標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得られた標的核酸の量を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の初期(original)コピー数を計算する工程、
を含む試料中の標的核酸の定量方法によって達成される。
【0015】
なお、本発明の方法において、核酸の増幅条件は、用いる核酸に応じて任意に選択することができる。
【0016】
本発明により、この方法は絶対定量だけでなく、ハウスキーピング遺伝子の発現量との比較による相対定量にも使用できる。
【0017】
従って、本発明の第1の局面は、
a)予め選択した増幅条件下における標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ増幅条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および参照核酸の増幅を行う工程、
c)標的核酸および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)から得られる標的核酸と参照核酸の増幅産物の比を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の標的核酸と参照核酸の初期比を計算する工程、
を含む、参照核酸と比較した試料中の標的核酸を定量する方法に関する。
【0018】
本発明の第2の局面は、
a)予め選択した増幅条件下における標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を行う工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得られたコピー数を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の初期コピー数を計算する工程、
を含む、試料中の標的核酸を定量する方法に関する。
【0019】
全ての方法において、増幅効率は以下の工程により決定される:
イ)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
ロ)標的核酸を予め選択した反応条件で増幅する工程、ここで、標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
ハ)シグナル閾値を設定する工程、
ニ)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
ホ)決定したサイクル数に基づき増幅効率を計算する工程。
【0020】
すなわち、本発明は、
〔1〕 a)予め選択した増幅条件下での標的核酸の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ反応条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅を行う工程、
c)増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)から得られる量を、工程a)で決定した増幅効率を用いて補正することにより、試料中の標的核酸の初期量を計算する工程、
を含む、試料中の標的核酸の定量方法、
〔2〕 イ)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
ロ)前記〔1〕と同じ反応条件下で標的核酸の増幅を行う工程、ここで標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
ハ)シグナル閾値を決定する工程、
ニ)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
ホ)増幅に用いた標的核酸のコピー数の対数線形関数を、シグナル閾値を超えるサイクル数の関数として決定する工程、
ヘ)次式により増幅効率Eを計算する工程:
E=G−a
[式中、は工程ホ)で決定した関数の一次導関数として決定され、Gは対数の底数である]、
により、工程a)の増幅効率が決定される、前記〔1〕記載の方法、
〔3〕 イ)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
ロ)前記〔1〕と同じ反応条件下で標的核酸の増幅を行う工程、ここで標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
ハ)シグナル閾値を決定する工程、
ニ)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
ホ)工程ニ)で決定したサイクル数の線形関数を、増幅に用いた標的核酸のコピー数の対数の関数として決定する工程、
ヘ)下式により増幅効率Eを計算する工程:
E=G−1/a
[式中、は工程ホ)で決定した関数の一次導関数として決定され、Gは対数の底数である)、
により、工程a)の増幅効率が決定される、前記〔1〕記載の方法、
〔4〕 イ)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
ロ)前記〔1〕と同じ反応条件下で標的核酸の増幅を行う工程、ここで、標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
ハ)シグナル閾値を決定する工程、
ニ)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
ホ)増幅効率を標的核酸量の関数として決定する工程、
により、工程a)の増幅効率が決定される、前記〔1〕記載の方法、
〔5〕 a)予め選択した増幅条件下での標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ反応条件下で試料に含まれる標的核酸および試料中に含まれる参照核酸の増幅を行う工程、
c)標的核酸および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)から得られる標的核酸と参照核酸の比を、工程a)で決定した増幅効率を用いて補正することにより、試料中の標的核酸と参照核酸の初期比を計算する工程、
を含む、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法、
〔6〕 較正試料を用いて工程b)〜d)がさらに行われ、続いて標的核酸を含む試料および較正試料について測定された商の比が、試料中の標的核酸の初期量の尺度として決定される、前記〔5〕記載の方法、
〔7〕 a)予め選択した増幅条件下での標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ増幅条件下で試料に含まれる標的核酸および試料に含まれる参照核酸の増幅を行う工程、
c)標的核酸および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)シグナル閾値を決定する工程、
e)標的核酸および参照核酸の増幅中に前記シグナル閾値を超えるサイクル数をそれぞれ決定する工程、
f)試料中の標的核酸と参照核酸の初期比を次式に従って計算する工程:
N(T)/N(R)=E(R)n(R)/E(T)n(T)
[式中、N(T)=試料中に存在する標的DNAの初期量、
N(R)=試料中に存在する参照DNAの初期量、
E(R)=参照核酸の増幅効率、
n(R)=工程e)で測定した参照核酸のサイクル数、
E(T)=標的核酸の増幅効率、
n(T)=工程e)で測定した標的核酸のサイクル数]、
を含む、参照核酸と比較したサンプル中の標的核酸の定量方法、
〔8〕 工程b)、c)、e)およびf)が較正試料を用いてさらに行われ、続いて標的核酸を含む試料および較正試料について決定された商の比が、試料中の標的核酸の初期量の尺度として測定される、前記〔6〕記載の方法、
〔9〕 標的核酸の増幅効率の決定および参照核酸の増幅効率の決定が、前記〔2〕〜〔4〕いずれかに記載の方法により行われる、前記〔5〕〜〔8〕いずれかに記載の方法、
〔10〕 試料中の標的核酸および参照核酸の増幅のリアルタイム測定が別々の反応容器で行われる、前記〔5〕〜〔9〕いずれかに記載の方法、
〔11〕 試料中の標的核酸および参照核酸の増幅のリアルタイム測定が、異なる標識のハイブリダイゼーションプローブを用いて同一の反応容器で行われる、前記〔5〕〜〔9〕いずれかに記載の方法、
〔12〕 a)予め選択した増幅条件下での標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ反応条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を行う工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)から得られるコピー数を、工程a)で決定した増幅効率を用いて補正することにより試料中の初期コピー数を計算する工程、
を含む、試料中の標的核酸の定量方法、
〔13〕 a)予め選択した増幅条件下での標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ反応条件下で、試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を行う工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)シグナル閾値を決定する工程、
e)標的核酸および標準の増幅中にシグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
f)試料中の標的核酸の初期コピー数N(T)を次式により決定する工程:
N(T)=N(S) E(S)n(S)/E(T)n(T)
[式中、N(S)=使用した標準の初期量、
E(S)=標準の増幅効率、
n(S)=工程e)で測定した標準のサイクル数、
E(T)=標的核酸の増幅効率、
n(T)=工程e)で測定した標的核酸のサイクル数]、
を含む、試料中の標的核酸の定量方法、
〔14〕 増幅効率が前記〔2〕〜〔4〕いずれかに記載されるように測定される、前記〔12〕または〔13〕記載の方法、
〔15〕 標的核酸および内部標準の増幅のリアルタイム測定が、異なる標識のハイブリダイゼーションプローブで行われる、内部標準を用いた前記〔12〕〜〔14〕いずれかに記載の方法、
〔16〕 増幅された核酸が、少なくとも1つの蛍光標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いて検出される、前記〔1〕〜〔15〕いずれかに記載の方法、
〔17〕 増幅された核酸が、FRETハイブリダイゼーションプローブ、分子ビーコンまたはTaqManプローブを用いて検出される、前記〔16〕記載の方法、
〔18〕 増幅された核酸が、DNA結合染料を用いて検出される、前記〔1〕〜〔10〕または〔12〕〜〔14〕いずれかに記載の方法、ならびに
〔19〕 前記〔1〕〜〔18〕いずれかに記載の方法を行うための薬剤を含有してなるキット、
に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、
a)予め選択した増幅条件下における標的核酸の増幅効率を決定する工程、
b)工程a)と同じ増幅条件下で試料に含まれる標的核酸の増幅を行う工程、
c)標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得られた標的核酸の量を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の標的核酸の初期量を計算する工程、
を含む、試料中の標的核酸の定量方法によって達成される。
【0022】
効率補正が重要であることを誤差の計算によって例証する。表1は、各サイクル数の関数として増幅効率が2.00でない場合に、決定されるコピー数の平均誤差率の理論的計算値を表す。誤差は次式に従って計算される:
【0023】
誤差率=(2/E−1)×100
(式中、Eは増幅の効率、nは誤差率を決定した各サイクル数である。)
【0024】
【表1】
Figure 0003589638
【0025】
増幅効率は、例えば、測定されたシグナルが、サイクル数の関数として標的核酸の増幅と比較して決定される関数を決定することなどの種々の方法によって決定されうる。
【0026】
増幅効率は、好ましくは、
イ)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
ロ)標的核酸を予め選択した反応条件で増幅する工程、ここで、標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
ハ)シグナル閾値を設定する工程、
ニ)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを決定する工程、
ホ)増幅に用いた標的核酸のコピー数の対数線形関数を、シグナル閾値を超えるサイクル数の関数として決定する工程、
ヘ)次式により増幅効率Eを計算する工程:
E=G−a
(式中、aは工程ホ)で決定された関数の一次導関数として決定され、Gは対数の底数である)、
を含む方法により決定される。
【0027】
類似した様式で、増幅効率はまた、
イ)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
ロ)標的核酸を予め選択した反応条件で増幅する工程、ここで、標的核酸の増幅をリアルタイム測定する、
ハ)シグナル閾値を設定する工程、
ニ)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数Cpを決定する工程、
ホ)工程ニ)で決定されたサイクル数の線形関数を、増幅に用いた標的核酸のコピー数の対数の関数として決定する工程、
ヘ)次式により増幅効率Eを計算する工程:
E=G−1/a
(式中、aは工程ホ)で決定された関数の一次導関数として決定され、Gは対数の底数である)、
を含む方法により決定される。
【0028】
いずれの好ましい方法も、標的核酸の指数関数的増幅がもはや起こっていないPCR反応の局面(プラトー期)での増幅効率を決定することに起因する系統誤差が起こりえないという利点を有する。
【0029】
しかし意外なことに一定の状況では増幅効率が標的核酸の初期量にも依存しうること、またはそれが、指数関数期にある増幅反応の最初のサイクルの間に変化しうることが明らかになった。従って、本発明の主旨はまた、増幅の効率が以下の工程によって決定される核酸の効率補正定量の方法である:
イ)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
ロ)予め選択した反応条件で標的核酸を増幅する工程、ここで、標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
ハ)シグナル閾値を設定する工程、
ニ)各希釈物について上記のシグナル閾値を超えるサイクル数Cpを決定する工程、
ホ)増幅効率を標的核酸量の関数として決定する工程。
【0030】
これは例えば、初期コピー数の対数の関数としてのCp値の連続微分可能関数F(Cp)の導関数またはその逆によって達成されうる。
【0031】
関数F(Cp)=log(初期コピー数の濃度)は、例えば、高次の多項式フィット等の数学的アルゴリズムによって標準化されうる。次いで、増幅効率Eは、下式により決定されうる。
【0032】
【数1】
Figure 0003589638
【0033】
(式中、dF/(Cp)は上記連続関数の導関数、Gは上記対数の底数である。)
【0034】
本発明においては、4次の多項式フィットが特に適切であることが明らかになった。
【0035】
本発明による核酸の効率補正定量は原則として絶対定量方法にも相対定量方法にも使用できる。
【0036】
従って、相対的定量に関する本発明の主旨はまた、
a)標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を、それぞれの初期濃度の関数として、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅および参照核酸の増幅を、工程a)と同じ増幅条件下で行う工程、
c)標的核酸および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)から得られる標的核酸と参照核酸の比を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の標的核酸と参照核酸の初期比を計算する工程、
を含む、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法である。
【0037】
本発明によるかかる方法は、一方では被験試料中に存在し得る阻害因子の影響を排除し、他方では標的核酸および参照核酸の増幅効率の相違の結果として生じ得る誤差を補正する。
【0038】
工程b)〜d)はいわゆる較正試料を含有する並行混合物で行うことが有利である。較正試料は、各測定で一定の確定した比率の標的核酸と参照核酸を含有する試料である。次に、試料と較正試料についてそれぞれ決定された商の比を、試料中の標的核酸の初期量の尺度として決定する。これには、さらに標的核酸と参照核酸との検出感度の相違による他の系統誤差も排除されるという利点がある。このような系統誤差は例えばハイブリダイゼーションプローブのハイブリダイゼーション特性の相違、また蛍光標識プローブの場合は、励起効率、量子収率またはプローブへの色素のカップリング効率の相違の結果などとして起こりうる。したがって、試験対象の試料と較正試料とは、各実験毎に同じ検出試薬を使って、すなわち同じバッチの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを使って解析しなければならない。
【0039】
本発明による相対定量の特定の態様は、
a)標的核酸の増幅効率と参照核酸の増幅効率を、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅と試料に含まれる参照核酸の増幅とを、工程a)と同じ増幅条件下で行う工程、
c)標的核酸の増幅と参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)シグナル閾値を決定する工程、
e)標的核酸および参照核酸の増幅の間に、それぞれについてシグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
f)下式により試料中の標的核酸と参照核酸の初期比を計算する工程:
N(T)/N(R)=E(R)n(R)/E(T)n(T)
[式中、N(T)=試料中に存在する標的DNAの初期量、
N(R)=試料中に存在する参照DNAの初期量、
E(R)=参照核酸の増幅効率、
n(R)=工程e)で測定した参照核酸のサイクル数、
E(T)=標的核酸の増幅効率、
n(T)=工程e)で測定した標的核酸のサイクル数]、
を含む、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法である。
【0040】
本態様では、増幅産物の検出による系統的誤差を排除するために較正試料とともに工程b)、c)、e)およびf)を行うことが有利である。続いて、試料および較正試料について測定された商の比が、試料中の標的核酸の初期量に関する尺度として測定される。
【0041】
工程(f)での比は本発明に従って次のように決定される:
【0042】
【数2】
Figure 0003589638
【0043】
(式中、N(T)=シグナル閾値での標的DNA量、N(R)=シグナル閾値での参照DNA量である。)
【0044】
(1)および(2)から、
【0045】
【数3】
Figure 0003589638
【0046】
ということになる。すなわち、
【0047】
【数4】
Figure 0003589638
【0048】
となる。
【0049】
標的核酸と参照核酸について同じシグナル閾値を設定するので、近似的に
【0050】
【数5】
Figure 0003589638
【0051】
と考えることができる。
【0052】
この条件の下で標的核酸と参照核酸の初期比に関する式(4)から出発すると、これは次式を与える。
【0053】
【数6】
Figure 0003589638
【0054】
しかし、この想定される近似は、標的核酸および参照核酸が異なる感度で検出される場合には適用されない。従って、本発明によれば、パラレル反応で標準物質試料を測定すること、ならびに試料中の標的核酸の本来の量の基準として試料および標準物質試料について測定される商N(T)/N(R)の比を測定することは特に有利である。
【0055】
これにより、分析対象である試料には「」、較正試料には「」という添字を用いることにより、次の式(4)が得られる。
【0056】
【数7】
Figure 0003589638
【0057】
解析対象である試料と較正試料には同じシグナル閾値を定めたことならびに試料中および較正試料中の標識アンプリコンと参照アンプリコンの検出には同じ試薬を使用することから、試料と較正試料に関して決定される商の比は次の通りである。
【0058】
【数8】
Figure 0003589638
【0059】
したがって、分析対象である試料と較正試料の商の比は、
【0060】
【数9】
Figure 0003589638
【0061】
である。
【0062】
その結果、試料中の標的核酸の初期コピー数に関して、増幅効率の相違および検出感度の相違による系統誤差が排除された相対値を得ることができる。決定される値が正確であるための唯一の必要条件は、完全に同一な緩衝液条件の下では増幅効率および検出効率も様々な反応容器で同一であるという妥当な仮定である。
【0063】
本発明による相対定量に関する全ての方法に必要とされるのは、標的核酸の増幅効率ならびに参照核酸の増幅効率が決定されることである。これらの決定は両方とも、所定のシグナル閾値を超えるサイクル数を決定することによって上記の方法により行なわれる。
【0064】
相対定量の好ましい一態様として、試料を2等分し、標的核酸および参照核酸の増幅のリアルタイム測定を別個の反応容器で行う。これにより、標的核酸の増幅反応と参照核酸の増幅反応とが、例えばデオキシヌクレオチドまたはTaqポリメラーゼに関する競争などによってその効率に関して干渉し合うことが防止される。さらに標的核酸と参照核酸とを同じ検出系を使って、例えば同じDNA結合色素を使って検出することができる。
【0065】
もう一つの選択肢として、標的核酸および参照核酸の増幅のリアルタイム測定を、異なる標識がなされたハイブリダイゼーションプローブを使って、同じ反応容器中で1つの試料から行うこともできる。こうすることで必要なPCR反応の数を半分にすることができるので、これは少量の試料しか利用できない場合は特に有利である。
【0066】
試料中の検出対象の標的核酸の絶対量を決定しようとする場合、本発明による試料中の標的核酸定量方法は、以下の工程からなる:
a)標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を、工程a)と同じ増幅条件下で行う工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)工程c)で得られたコピー数を、工程a)で決定した増幅効率を使って補正することにより、試料中の初期コピー数を計算する工程。
【0067】
標的核酸の配列と標準核酸の配列は実質的に同一であることが有利である。しかし内部標準の配列を選択する場合、利用可能な検出系が標準と標的核酸とを識別できることを考慮しなければならない。例えばこれは、標的核酸と内部標準の検出に異なる標識を持つハイブリダイゼーションプローブを使用することによって達成できる。これには、点突然変異などの最低限の配列相違を識別するために使用できるオリゴヌクレオチドを検出プローブとして使用することが理想的である。
【0068】
内部標準を使用することの利点は、試料中に存在する阻害因子が標準の増幅にも影響することである。したがって増幅効率の相違を最小にすることができる。
【0069】
これに対して外部標準の使用には、標的核酸と標準の増幅反応がその効率に関して互いに競争的に干渉し合うことがあり得ないという利点がある。さらにまた、標準の増幅生成物と標的核酸の増幅生成物を並行反応物中で、同じ検出系を使って、例えば同じハイブリダイゼーションプローブを使って検出することができる。短所は、試料中の阻害因子によるPCR効率の相違が考えられることである。しかしこれによって起こる定量誤差は下記に記載される方法により排除することができる。
【0070】
試料中の標的核酸の絶対定量に関する好ましい一態様として、本発明の方法は以下の工程からなる:
a)標的核酸の増幅効率および内部または外部標準の増幅効率を、予め選択した増幅条件下で決定する工程、
b)試料に含まれる標的核酸の増幅および内部または外部標準の増幅を工程a)と同じ増幅条件下で行う工程、
c)標的核酸および標準の増幅をリアルタイムで測定する工程、
d)シグナル閾値を決定する工程、
e)標的核酸および標準の増幅中にシグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
f)試料中の標的核酸の初期コピー数N(T)を次式に従って決定する工程:
【0071】
【数10】
Figure 0003589638
【0072】
[式中、N(S)=使用した標準の初期量、
E(S)=標準の増幅効率、
n(S)=工程e)で測定された標準のサイクル数、
E(T)=標的核酸の増幅効率、
n(T)=工程e)で測定された標的核酸のサイクル数]。
【0073】
相対定量のようなこの場合、標的核酸および内部標準の増幅効率は、記載されるようにシグナル閾値を超えるサイクル数を決定することにより、決定されるのが好ましい。
【0074】
これらの状況では、N(T)は次式のように計算される。
【0075】
【数11】
Figure 0003589638
【0076】
標的核酸と標準核酸に同じシグナル閾値を設定したので、これは次式にほぼ等しくなる。
【0077】
【数12】
Figure 0003589638
【0078】
したがって試料中に存在する標的核酸の初期コピー数は次式に従って計算される。
【0079】
【数13】
Figure 0003589638
【0080】
また本発明は特に、検出可能な成分を使って多くの異なる方法で標識することができるハイブリダイゼーションプローブによって増幅産物が検出される、上記効率補正核酸定量方法の態様に関する。
【0081】
標的核酸の初期量の効率補正決定および増幅効率自体の決定に欠くことのできない条件は、シグナル閾値を設定し、次に各増幅反応について、あるシグナル閾値に達するサイクル数を決定することである。シグナル閾値は先行技術に従って様々な方法で決定できる。
【0082】
先行技術によればシグナル閾値は例えばバックグラウンドシグナルの統計的分散の一定倍に相当するシグナルとすることができる(ABI Prism 7700 Application Manual、Perkin Elmer)。
【0083】
もう一つの選択肢として、シグナル閾値を超えるサイクル数を、いわゆる「フィットポイントアバーブスレショルド(fit point above threshold)」法(LightCycler Operators Manual、B59−B68、Roche Molecular Biochemicals、1999)に従って決定することもできる。
【0084】
さらなる一態様として、シグナルの絶対値とは無関係に増幅反応の経過がサイクル数の関数として決定され、次いでn次導関数が計算される場合は、閾値を絶対値ではなく相対値として決定することもできる。この場合は、一定の極値の超過を、あるシグナル閾値の超過と定義することができる(EP出願番号00106523.4)。したがってこの閾値決定方法は例えば蛍光シグナルなどの絶対シグナル強度とは無関係である。したがってこれは、標的核酸と参照核酸とが同じ反応容器中で増幅され異なる蛍光標識を使って検出される態様に特に適している。二次導関数の極大をシグナル閾値の尺度として決定する方法が、PCR産物の効率補正定量には特に適していることが明らかになった。
【0085】
本発明の方法で使用されるハイブリダイゼーションプローブは通常、増幅反応のアニーリング温度で標的核酸にハイブリダイズする一本鎖DNAまたはRNAなどの一本鎖核酸もしくはその誘導体またはPNAである。これらのオリゴヌクレオチドは通常20〜100ヌクレオチドの長さを持つ。
【0086】
標識はその検出形式に応じてオリゴヌクレオチドの任意のリボース基またはリン酸基に導入できる。核酸分子の5’および3’末端の標識が好ましい。
【0087】
この種類の標識はリアルタイム型の増幅反応で検出されなければならない。これは例えばNMRによって検出できる標識を使って行うことも原則として可能である(ただしこれに限るわけではない)。
【0088】
増幅された核酸が少なくとも1つの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを使って検出される方法が特に好ましい。
【0089】
多くの試験法が可能である。以下の3種類の検出形式は本発明との関連で特に適していることが明らかになった。
【0090】
a)FRETハイブリダイゼーションプローブ
この試験形式の場合、増幅された標的核酸の同じ鎖の隣り合った部位に相補的な2本の一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを同時に使用する。双方のプローブは異なる蛍光成分で標識される。適切な波長の光で励起すると、蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従って、第一成分が吸収されたエネルギーを第二成分に伝達するので、両方のハイブリダイゼーションプローブが検出対象の標的分子の隣り合った位置に結合すると、第二成分の蛍光放射を測定できる。
【0091】
もう一つの選択肢として、蛍光標識プライマーと1本の標識オリゴヌクレオチドプローブだけを使用することも可能である(Bernardら、Analytical Biochemistry 235、1001−107頁(1998))。
【0092】
b)TaqManハイブリダイゼーションプローブ
1つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを2つの成分で標識する。第一成分を適切な波長の光で励起すると、吸収されたエネルギーが蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従っていわゆる消光成分である第二成分に移動する。このハイブリダイゼーションプローブはPCR反応のアニーリング工程で標的DNAに結合し、それに続く伸長期にTaqポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。その結果、励起された蛍光成分と消光成分は空間的に互いに分離されるので、第一成分の蛍光放射を測定することができる。
【0093】
c)分子ビーコン
これらのハイブリダイゼーションプローブも第一成分および消光成分で標識され、これらの標識はそのプローブの両端に位置することが好ましい。プローブの二次構造の結果、両成分は溶液状態では空間的に近傍にある。標的核酸へのハイブリダイゼーション後は、両成分が互いに分離されるので、適切な波長の光による励起後に、第一成分の蛍光放射を測定することができる(Lizardiら、US 5,118,801)。
【0094】
標的核酸だけまたは参照核酸もしくは外部標準だけがそれぞれ1つの反応容器で増幅される上記の態様では、二本鎖核酸と相互作用すると適切な波長の光での励起後に対応する蛍光シグナルを放射するDNA結合性色素によって、各増幅産物を本発明に従って検出することもできる。色素SybrGreen(好ましくは、SybrGreenI)およびSybrGold(Molecular Probes)はこの用途に特に適していることがわかった。これに代えて挿入性色素を使用することもできる。
【0095】
本発明の主旨はまた、本発明による方法を実行するための適切な薬剤を含むキットである。本発明によれば、これらの薬剤は、種々の組成物中でキットに存在する。キットは、好ましくは、例えば、cDNAを調製するための逆転写酵素、増幅反応のためのDNAポリメラーゼ、増幅反応のための特異的プライマー等の試薬、また任意に、増幅産物を検出するための特異的なハイブリダイゼーションプローブを含む。代替的に、1段階のRT−PCR反応のためのポリメラーゼがキットに含まれうる。また、本発明のキットは、所定の増幅条件に対して予め決定された増幅効率を有するファイルを含むパッケージ挿入物またをディスクを含みうる。最後に、本発明はまた、蛍光NHS−エステルまたは蛍光標識CPG 等のオリゴヌクレオチドの合成および標識のためのさらなる試薬を付加的に含むキットに関する。さらに、本発明のキットはまた、任意に内部標準または外部標準として使用されうるDNAを含みうる。
【0096】
【実施例】
本発明は下記の実施例によりさらに明かになる。
【0097】
実施例1:サイトケラチン20(CK20)およびポルフォビリノーゲン(PBGD)cDNAの増幅
RNAを、HighPure−RNA Restriction Kit(Roche Diagnostics GmbH社製)を用いて細胞株HT−29(ATCC)から単離した。半定量的な分光光度測定の後、RNA濃度を、RNA非含有水に100ng/μlに調整した。3つの単一の系列希釈物を、10ng、1ngおよび100pg/μlのRNA濃度を有するように、そこから調製した。
【0098】
全cDNAを、以下の条件下での逆転写によってそれらの希釈物から調製した。
1×AMV逆転写緩衝液
1mMの各々デオキシヌクレオシド三リン酸
0.0625mMの無作為化ヘキサマー
10u のAMV逆転写酵素
10μl のRNA
Oで20μl
【0099】
cDNA合成のために全ての混合物を25℃で10分、42℃で30分および95℃で5分間インキュベートした。次に、それらを4℃に冷却した。10ng/μlのHT29RNAを較正試料として用いた。
【0100】
その後、LightCycler装置(Roche DiagnosticsGmbH社製)で増幅反応を行ない、その増幅反応をFRET HybProbe形式にてリアルタイムで測定した。各混合物を次の条件で増幅した:
1×ファーストスタートDNAハイブリダイゼーションプ緩衝液
1×検出混合物
2μl cDNA
Oで20μl
【0101】
1×検出混合物は、0.5μMのフォワードプライマーおよび0.5μMのリバースプライマー、各々0.2μMのフルオレセインおよびLC−Red640標識されたハイブリダイゼーションプローブ、4mMの塩化マグネシウムならびに0.005%のBrij−35からなった。
【0102】
CK20配列の増幅には配列番号:1および配列番号:2のプライマーを使用した。CK20産物を配列番号:3のフルオレセインプローブと配列番号:4のLC−Red640ハイブリダイゼーションプローブとを使って検出した。PBGD配列の増幅には配列番号:5および配列番号:6のプライマーを使用した。PBGDは配列番号:7のフルオレセイン標識ハイブリダイゼーションプローブと配列番号:8のLC−RED640標識ハイブリダイゼーションプローブとを使って検出した。
【0103】
反応混合物を、最初に、増幅のために5mMの塩化マグネシウムの存在下で95℃で10分インキュベートした。実際の増幅反応を、以下のスキームに従って50サイクル行った:
95℃、10秒
60℃、10秒
72℃、5秒。
【0104】
60℃での各インキュベーション後に、製造者の使用説明書に従って蛍光測定を行なった。シグナル閾値(Cp値)をサイクル数の関数としての増幅反応の2次導関数の最大値として決定した。
【0105】
実施例2:CK20およびPBGDの増幅の効率の測定
それぞれの濃度について測定されたサイクル数Cpが、使用されたRNA 濃度の常用対数の関数として決定される効率を決定するために関数を樹立した。
【0106】
直線関数を、LightCycler ソフトウェアを用い回帰分析により当該関数から計算した。当該関数から開始し、効率を下式に従って決定した:
効率=10−1/a
[式中、aは決定された回帰線の傾き(一次導関数)である]。
【0107】
【表2】
Figure 0003589638
【0108】
CK20およびPBGDについて得られた結果を表2に示す。結果は、一方では、効率が、2.00とは相当に異なり、すなわち、標的核酸の倍化が、各々のPCRサイクルで起こっていないことを示す。他方では、結果は、CK20およびPBGDの増幅の効率が、それ以外には同一の条件下で互いに有意に異なることを示す。
【0109】
実施例3:増幅効率の補正ありおよびなしの標的核酸と参照核酸との初期の比の測定
実施例1に記載の条件下で、CK20およびPBGDの初期の量の測定された比は、使用される試料材料のそれぞれの増幅された濃度とは無関係であるはずである。従って、種々の量の試料RNAに関する比の測定を用いて、得られた測定値に基づき効率補正の効果を調べた。この場合、PBGDに対するCK20の比を、本発明に従い、式(5)により測定した。一方で、この比を実施例2から得られた効率を用いて測定し、他方でCK20およびPGDに関する2.00の仮定される増幅効率を用いて測定した。結果を表3に示す。
【0110】
【表3】
Figure 0003589638
【0111】
表から理解されるように、N(T)/N(R)の比について計算される効率補正した値は、補正されていない値よりも種々の量の試料RNAについて有意に低い標準偏差を有し、52.7%と比較して6.1%の変動係数(coefficient of variation)を有する。
【0112】
実施例4:較正試料を使用した場合の効率補正
実施例1および2と同様に、増幅反応を、10mMの塩化マグネシウムの存在下で行った。この場合、CK20について1.491 の効率を測定し、PBGDについて1.578 の効率を測定した。さらに、未知量のHT−29RNAを含有する較正試料のCp値を、5mMおよび10mMの塩化マグネシウムで測定した。測定したデータを用いて、式(7)により各々場合に解析した試料と適切な標準物質との間のPBGDに対するCK20の比の商を測定した。この測定は、一方でCK20およびPBGDの増幅に関する2の推定効率を用いて、ならびに他方で実験的に決定した増幅効率を用いて行った。結果を表4に示す。
【0113】
【表4】
Figure 0003589638
【0114】
表4から理解されるように、効率補正した値は、2.00の想定されるPCR効率でT:R/C値よりも低い標準偏差(0.10)、ならびに3倍低い変異係数を有する。この結果は、本発明による効率補正がまた、較正試料を用いる標準化が既に行われた定量で有利であることを示す。
【0115】
実施例5:プラスミドDNA の絶対的定量
10〜10のコピーを含むPSA遺伝子プラスミドの10の系列希釈物をこの目的のために調製した。同時に、TNF(腫瘍壊死因子)遺伝子を含有するプラスミドを有し、未知のコピー数のプラスミドDNAを有する第2の10の系列希釈物を調製した。その後、PSA反応混合物を、配列番号:9および10を有するプライマーを用いて標準的な条件下でLightCycler(Roche Diagnostics社製)で増幅させ、TNF反応混合物を、配列番号:11および12を有するプライマーを用いて増幅させた(Roche Diagnostics社製LightCycler SybrGreen Mastermix、終濃度5mMのMgCl、終濃度0.5μMの各プライマー)。製造業者の指示に従って評価が二次導関数形式で行われる標準的な条件下で、DNA結合性薬剤SybrGreenI(Molecular Probes社製)を用いてリアルタイムで増幅を測定した。
【0116】
TNFプラスミドの初期コピー数を、得られたデータに基づき2つの異なる方法で測定した。
【0117】
一方でPSA増幅に基づく較正直線を、PSAおよびTNFについて同じ増幅効率を仮定して作成した。
【0118】
他方で初期コピー数を、式(8)に従って決定した。実施例2と同様に、PSA およびTNFについての増幅効率を、下記式に従って回帰直線を計算することによって決定した;
E=10−1/a
[式中、aは、計算した回帰線の増大(一次導関数)を意味する。]この場合、PSAについて2.03の増幅効率が測定され、TNFについて2.13の増幅効率が測定された。
【0119】
2つの異なる定量手順の結果を表5に示す。いわゆる希釈チェックを、測定の正確さの尺度として行った。希釈チェックにより示される値は、互いに10の因子が異なる2つの希釈混合物のそれぞれの希釈物について測定されたコピー数の商から計算される。従って、10.00の値は、理想的な値であると予測される。
【0120】
【表5】
Figure 0003589638
【0121】
表5の希釈チェックの結果が示すように、効率補正データの平均は、10.16の値となり、一方、非効率補正データの平均は、10.00の理想値から相当に離れた8.96の値となる。このことより、効率補正は、PCRを用いて核酸の絶対定量が行われる態様でも有利であるといえる。
【0122】
配列表フリーテキスト
配列番号:1は、CK20遺伝子に基づいて設計されたプライマーである。
【0123】
配列番号:2は、CK20遺伝子に基づいて設計されたプライマーである。
【0124】
配列番号:3は、CK20遺伝子に基づいて設計されたプローブである。
【0125】
配列番号:4は、CK20遺伝子に基づいて設計されたプローブである。
【0126】
配列番号:5は、PBGD遺伝子に基づいて設計されたプライマーである。
【0127】
配列番号:6は、PBGD遺伝子に基づいて設計されたプライマーである。
【0128】
配列番号:7は、PBGD遺伝子に基づいて設計されたプローブである。
【0129】
配列番号:8は、PBGD遺伝子に基づいて設計されたプローブである。
【0130】
配列番号:9は、PSA遺伝子に基づいて設計されたプローブである。
【0131】
配列番号:10は、PSA遺伝子に基づいて設計されたプローブである。
【0132】
配列番号:11は、TNF遺伝子に基づいて設計されたプローブである。
【0133】
配列番号:12は、TNF遺伝子に基づいて設計されたプローブである。
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば、標的核酸が、標的核酸および参照核酸の増幅効率に関わりなく定量される核酸の定量方法が提供される。
【0135】
【配列表】
Figure 0003589638
【0136】
Figure 0003589638
【0137】
Figure 0003589638
【0138】
Figure 0003589638
【0139】
Figure 0003589638
【0140】
Figure 0003589638
Figure 0003589638
【0141】
Figure 0003589638
【0142】
Figure 0003589638
【0143】
Figure 0003589638
【0144】
Figure 0003589638
【0145】
Figure 0003589638
【0146】
Figure 0003589638
【0147】
Figure 0003589638

Claims (12)

  1. a)予め選択した増幅条件下での標的核酸と参照核酸の増幅効率を決定する工程、
    b)工程a)と同じ反応条件下で試料に含まれる標的核酸と参照核酸との増幅を行う工程、
    c)標的核酸と参照核酸との増幅をリアルタイムで測定する工程、
    d)工程c)から得られる比の補正により、試料中の標的核酸と参照核酸との初期比を、工程a)で決定した増幅効率を用いて補正する
    ことにより、試料中の標的核酸の初期量を計算する工程、
    を含み、較正試料を用いて工程b)−d)がさらに行われ、続いて標的核酸を含む試料及び較正試料について測定された商の比が、試料中の標的核酸の初期量の尺度として決定されるものである、参照核酸に比較した試料中の標的核酸の定量方法
  2. a)予め選択した増幅条件下での標的核酸の増幅効率および参照核酸の増幅効率を決定する工程、
    b)工程a)と同じ増幅条件下で試料に含まれる標的核酸および試料に含まれる参照核酸の増幅を行う工程、
    c)標的核酸および参照核酸の増幅をリアルタイムで測定する工程、
    d)シグナル閾値を決定する工程、
    e)標的核酸および参照核酸の増幅中に前記シグナル閾値を超えるサイクル数それぞれを決定する工程、
    f)試料中の標的核酸と参照核酸の初期比を次式に従って計算する工程:
    N(T)0/N(R)0 =E(R)n(R)/E(T)n(T)
    [式中、N(T)0 =試料中に存在する標的DNAの初期量、
    N(R)0=試料中に存在する参照DNAの初期量、
    E(R)=参照核酸の増幅効率、
    n(R)=工程e)で測定した参照核酸のサイクル数、
    E(T)=標的核酸の増幅効率、
    n(T)=工程e)で測定した標的核酸のサイクル数]、
    を含み、工程b)、c)、e)およびf)が較正試料を用いてさらに行われ、続いて標的核酸を含む試料および較正試料について決定された商の比が、試料中の標的核酸の初期量の尺度として測定される、参照核酸と比較した試料中の標的核酸の定量方法。
  3. a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
    b)請求項1又は2と同じ反応条件下で標的核酸の増幅を行う工程、ここで標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
    c)シグナル閾値を決定する工程、
    d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
    e)増幅に用いた標的核酸のコピー数の対数線形関数を、シグナル閾値を超えるサイクル数の関数として決定する工程、
    f)次式により増幅効率Eを計算する工程:
    E=G -a
    [式中、 a は工程e)で決定した関数の一次導関数として決定され、Gは対数の底数である]、
    により、標的核酸の増幅効率が決定される、請求項1又は2記載の方法。
  4. a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
    b)請求項1又は2と同じ反応条件下で標的核酸の増幅を行う工程、ここで標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
    c)シグナル閾値を決定する工程、
    d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
    e)工程d)で決定したサイクル数の線形関数を、増幅に用いた標的核酸のコピー数の対数の関数として決定する工程、
    f)下式により増幅効率Eを計算する工程:
    E=G -1/a
    [式中、 a は工程e)で決定した関数の一次導関数として決定され、Gは対数の底数である]、
    により、標的核酸の増幅効率が決定される、請求項1又は2記載の方法。
  5. a)標的核酸の希釈系列を調製する工程、
    b)請求項1又は2と同じ反応条件下で標的核酸の増幅を行う工程、ここで、標的核酸の増幅をリアルタイムで測定する、
    c)シグナル閾値を決定する工程、
    d)各希釈物について前記シグナル閾値を超えるサイクル数を決定する工程、
    e)増幅効率を標的核酸量の関数として決定する工程、
    により、標的核酸の増幅効率が決定される、請求項1又は2記載の方法。
  6. 標的核酸の増幅効率の決定および参照核酸の増幅効率の決定が、請求項いずれかに記載の方法により行われる、請求項いずれかに記載の方法。
  7. 試料中の標的核酸および参照核酸の増幅のリアルタイム測定が別々の反応容器で行われる、請求項いずれかに記載の方法。
  8. 試料中の標的核酸および参照核酸の増幅のリアルタイム測定が、異なる標識のハイブリダイゼーションプローブを用いて同一の反応容器で行われる、請求項いずれかに記載の方法
  9. 増幅された核酸が、少なくとも1つの蛍光標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いて検出される、請求項1〜いずれかに記載の方法。
  10. 増幅された核酸が、FRETハイブリダイゼーションプローブ、分子ビーコンまたはTaqManプローブを用いて検出される、請求項記載の方法。
  11. 増幅された核酸が、DNA結合染料を用いて検出される、
    請求項1〜またはいずれかに記載の方法。
  12. 請求項1〜1いずれかに記載の方法を行うための薬剤を
    含んでなるキット。
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