JP4022064B2 - 用紙搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター等の画像形成装置及び用紙処理装置等に用いられる用紙搬送装置、特に熱定着装置により高温状態になったOHP用紙等の搬送に関する用紙搬送装置及びこの用紙搬送装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の複写機、プリンター等の画像形成装置ではOHP用紙等のアプリケーション紙はストーレートな搬送経路となるように手差し給紙トレイから給紙して専用の排紙トレイに排出する構成になっている。
しかし、画像形成装置の小型化、両面画像形成やソート・ステイプルなどの後処理といった多機能化による両面装置や後処理装置の接続などによって、ストレートな搬送経路を設けることに対する制約が多くなってきている。このため、OHP用紙等のアプリケーション紙でも湾曲した搬送経路を経て搬送方向を変化させて排紙トレイに排出させることが必要となっている。
一方、複写機、プリンター等の画像形成装置では熱定着装置により画像を用紙に定着させる方式が一般的に用いられている。このような画像形成装置では熱定着後の用紙は高温になっており、OHP用紙などはコシのない非常に軟弱な状態になっている。
このため、熱定着後のOHP用紙などを湾曲した経路で搬送すると搬送案内面に対する密着が発生しやすくなり、密着が発生すると軟弱な状態のOHP用紙などは搬送ローラでは送りきれずにジャムになる問題がある。
このような問題を防止するために、特開平10−77149号公報「シート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置」(キャノン)には、OHP用紙等が湾曲した用紙案内面に密着してジャム等が発生するのを防止する手段として、湾曲した用紙案内面を備える複数の案内部材からなる用紙案内に対して、用紙案内面に用紙が非接触となる切り欠き部を設け、この用紙案内面の表面に微細な凹凸を設け、更に案内部材の途中に案内ローラを設ける、といった技術が開示されている。
この従来技術は、湾曲した搬送経路に沿って案内面全面にOHP用紙等が強く押しつけられて密着するのを防ぐことを目的としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際には前述のように熱定着後のOHP用紙等は、加熱により高温かつ軟弱な状態になっているので、用紙先端部分が搬送案内部材に押し当り搬送方向が変化させられる際に用紙先端部分での密着が生じただけで、OHP用紙等はコシ砕けの状態となりジャム等が発生する場合が多い。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、熱定着後のOHP用紙などの搬送方向を変更させる際に搬送案内面に密着してジャム等が発生するのを防止することができる搬送性能の高い用紙搬送装置及びこの用紙搬送装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。また、画像形成装置及び本用紙搬送装置の更に後段に接続される後処理装置等を含めたシステム装置を小型化して高い搬送性能を実現することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、面状の用紙案内面に沿って斜め上向きに搬送される用紙を案内する用紙案内手段と、前記用紙案内手段に沿って用紙を搬送する用紙搬送手段と、を備えた用紙搬送装置において、前記用紙案内手段は、前記用紙案内面より突出する部分を有する第1用紙案内部材と、前記用紙案内面に対して前記第1用紙案内部材より突出する部分を有する第2用紙案内部材と、を備え、前記第2用紙案内部材は、前記第1用紙案内部材の案内面と爪先端部分ではほぼ同一位置で用紙を掬いつつ搬送方向下流側では該第1用紙案内部材の案内面よりも突出量が大きい形状となっていて、用紙の搬送方向を上向きに変換する部分で突出量が大となることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の用紙搬送装置において、前記第2用紙案内部材は、最小用紙幅の内側で用紙搬送中心に対して対称に配置して2つ設けてあることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の用紙搬送装置において、前記用紙案内手段は、所定の方向から搬入される用紙を2つの搬送経路に切り替える用紙分岐手段を含むことを特徴とする。
【0005】
請求項4記載の発明は、熱定着装置を有する画像形成装置であって、熱定着装置の用紙搬送方向下流側に請求項1乃至3のいずれか一項に記載の用紙搬送装置を有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明の用紙搬送装置としての用紙反転装置を組み込んだ画像形成装置の第1の実施形態を示す構成図である。また、図2は図1の画像形成ユニットと定着ユニットの詳細構成図である。
図1に示した画像形成装置は、装置本体10に対して、画像形成した用紙Pをスイッチバックさせて表裏を反転する用紙反転装置40と、用紙反転装置40を介して送られてきた用紙Pを排紙する際に後処理をするフィニッシャ装置60とが着脱可能に連結されており、装置本体10内の用紙カセット11a〜11cのいずれかから呼び出して画像を形成した用紙Pを、装置本体10の排紙台12、用紙反転装置40の排紙トレイ42、あるいはフィニッシャ装置60の排紙トレイ62a〜62nのいずれかに排紙するようになっている。
【0007】
装置本体10は、用紙Pにモノクロあるいはカラー画像を形成することができる画像形成ユニット13と、形成された画像を用紙Pに定着させる定着ユニット14とを着脱可能に搭載しており、図2に示すように、画像形成ユニット13は、担持ベルト15が用紙Pを斜め上方(横断方向)に向かって搬送するように搬送経路R1を形成するとともに、その担持ベルト15に沿ってイエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの順に並列・配置された感光体ドラム17Y、17M、17C、17Bの周面に書込ユニット16がレーザ光Lを走査して静電潜像を書き込み形成し、現像ユニット18Y、18M、18C、18Bがその静電潜像をトナー現像して、担持ベルト15の搬送する用紙Pの片面にトナー画像を転写する。
一方、定着ユニット14は、内蔵ヒータにより加熱した加圧ローラ19を無端ベルト20に押し当てつつ圧接回転することにより、担持ベルト15から受け取った用紙P上のトナー画像を定着させ、用紙P上への画像形成を行うようになっている。なお、書込ユニット16は、受け取ったイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用の画像データに基づいて不図示のレーザダイオードの出射するレーザ光Lを2段のポリゴンスキャナ16aに照射してミラー群16bで偏光することにより感光体ドラム17Y、17M、17C、17B上を走査して静電潜像を書き込むようになっている。
【0008】
用紙Pは、サイズの異なる用紙を積載収納する用紙カセット11a〜11cの先端側(装置本体10の図中右側)の呼出コロ21が呼び出して、分離給紙ローラ対22が1枚づつ分離・給紙することにより、搬送ローラ対23、グリップローラ対24による搬送経路R1を介して画像形成ユニット13の手前のレジストローラ対25に受け渡すようになっており、画像形成ユニット13及び定着ユニット14を通過して画像形成された後には、分岐ローラ対26、搬送ローラ対23による搬送経路R1を介して装置本体10上部の排紙ローラ対27に受け渡すことにより、直前に形成した画像面を下に向けてページ順位になるように表裏を反転して排紙台12上に排紙し積載するようになっている。
なお、用紙カセット11cから給紙される用紙Pは、後述する搬送ローラ対29を共用してグリップローラ対24からレジストローラ対25へと受け渡すようになっている。この装置本体10は、図中右側側面に開閉自在な手差トレイを配設して、そこから用紙Pをレジストローラ対25に直接供給することができるとともに、この手差トレイの下方には開閉ドアを配設して、呼出時などにジャムの生じた用紙Pを取り除くことができるようになっている。
また、装置本体10は、担持ベルト15の下方に並行になるように配列された両面搬送装置の搬送ローラ対28及び搬送ローラ対29からなる再搬送経路R2を介して、搬送経路R1のグリップローラ対24及びレジストローラ対25に受け渡すことにより、用紙Pを画像形成ユニット13に再度搬送して画像形成をすることができるようになっている。
【0009】
この再搬送経路R2には、画像形成ユニット13により片面に画像を形成した用紙Pの搬送方向を、分岐ローラ対26の下流側に配置されている不図示の分岐爪が切り替えることによって、搬出ローラ対30が装置本体10の図中左側側面に開口する搬出口31から外部装置である用紙反転装置40に用紙Pを搬出して、その用紙反転装置40が表裏を反転した用紙Pをその搬出口31の下方に開口する搬入口32から搬入することにより両面搬送装置の搬送ローラ対28が受け取るようになっている。
従って、用紙カセット11a〜11cのいずれかから画像形成ユニット13に搬送して片面に画像を形成した用紙Pを、用紙反転装置40で表裏を反転して画像形成ユニット13に再搬送することができ、装置本体10内で用紙Pの表裏を反転することなく、用紙Pの裏面に画像を形成して両面に画像形成することができる。このように、装置本体10内で用紙Pの表裏を反転するためのスイッチバック機構を不要にすることより、感光体ドラム17Y〜17Bを並列するとともに用紙カセット11b、11cを配置することができ、用紙カセット11a〜11cの先端側に不図示の手差トレイや開閉カバーを配設することができる。
【0010】
なお、このとき、偶数ページ目(例えば、2ページ目)の画像を用紙Pの片面に形成した後に、奇数ページ目(例えば、1ページ目)の画像を用紙Pの裏面に形成することにより、装置本体10上部の排紙ローラ対27に排紙する用紙Pは、ページ順位に積載することができるようになっている。
そして、用紙反転装置40は、装置本体10の搬出口31から搬出されてきた用紙Pを、上部反転ローラ対43が受け取って先端から下方に降下するように案内して下部反転ローラ対44に受け渡す反転経路R3を搬送した後に、その下部反転ローラ対44が用紙Pの後端を挟持するタイミングに逆転してスイッチバックさせるとともに用紙分岐部材で搬送方向を切り替えることにより、表裏を反転した用紙Pを搬出ローラ対46が装置本体10の搬入口32から再搬送経路R2の両面搬送装置の搬送ローラ対28に受け渡すことができるようになっている。
従って、装置本体10外部に連結した用紙反転装置40内での上下方向へのコンパクトなスイッチバックにより用紙Pの表裏を反転させて装置本体10内に戻すことができる。このとき、装置本体10の搬出口31から搬送経路R3を介して搬出されてきた用紙Pは、下方に開口する搬入口32から搬送経路R1の下方に位置する再搬送経路R2に搬入すればよいので、循環させる用紙Pの搬送経路が交差してしまうことがなく、用紙Pの搬入口32への搬入が完了する前に次の用紙Pの搬出口31からの搬出を開始することができ、先後の用紙Pの間に大きな間隔(紙間)を開けることなく、用紙Pの搬出・搬入を連続して行うことができる。
【0011】
次に、フィニッシャ装置への搬送手順を説明する。この用紙反転装置40は、上部反転ローラ対43が用紙Pの後端を挟持するタイミングに逆転してスイッチバックさせるとともに用紙分岐部材で搬送方向を切り替えることにより、表裏を反転した用紙Pを搬出ローラ対47がフィニッシャ装置60の搬入口63から内部に搬入する。フィニッシャ装置60は、搬入口63から搬入されてきた用紙Pを搬送ローラ対64が受け取って排紙時の指定後処理に応じて、例えば、プリント部数目毎にソートして排紙ローラ対65a〜65nが排紙トレイ62a〜62nに排紙することにより、用紙反転装置40で表裏を反転された用紙Pをページ順位に積載することができるようになっている。
従って、フィニッシャ装置60に用紙Pをスイッチバックさせて表裏を反転させる機構を構築することなく、排紙トレイ62a〜62n上にページ順位にした用紙Pを積載することができる。
また、用紙反転装置40は、装置本体10の搬出口31から搬出されてきた用紙Pの搬送方向を分岐爪48が反転ローラ対43の上方の搬送経路R4に切り替えてそのまま排紙ローラ対49に受け渡すことにより、用紙Pを反転することなく直前に画像を形成した面を上に向けたまま排紙トレイ42上に排紙して積載することができる。従って、例えば、OHP用紙等のアプリケーション紙は手差トレイから給紙を行ない、排紙先として排紙トレイ42に用紙Pを排紙して積載することができる。
【0012】
このように本実施形態においては、用紙Pをスイッチバックさせて表裏を反転する用紙反転装置40により装置本体10内のスペースを占有されることがなく、複数種の用紙Pを用紙カセット11a〜11cから呼び出して装置本体10内を横断するように搬送しつつ、並設した各色の感光体ドラム17Y〜17Bにより、用紙Pの両面にカラー画像を形成することができるとともに、その用紙Pを任意のページ順位にして、また、任意な位置に排紙して積載することができる。
更に、OHP用紙等のアプリケーション紙は用紙反転装置40を経てフィニッシャ装置60の上方に配設した排紙トレイ42に排紙積載することができる。従って、装置全体が無用に大型化してしまうことなく、プリンタ装置の汎用性及び利便性を向上させることができる。
【0013】
次に、図3は本発明の用紙搬送装置としての用紙反転装置を組み込んだ画像形成装置の第2の実施形態を示す構成図である。図3において、装置本体10は、用紙カセット11aから呼出コロ21及び分離給紙ローラ対22により呼び出して分離給送する用紙Pを、用紙カセット11bの載置面に開口するスリット33内に通紙して搬送ローラ対23に受け渡すようになっており、その用紙カセット11aを載置する底面にもスリット34を開口させて、呼出コロ21及び分離給紙ローラ対22と共に用紙カセット11dを積み重ねることができるようになっている。つまり、用紙カセット11aの下方に用紙カセット11dを追加できるようにした点が図1の装置本体と異なっている。
用紙反転装置40は、装置本体10に用紙カセット11dを追加すると、搬出ローラ対47の高さ位置がフィニッシャ装置60の搬入口63に対応しなくなってしまうので、下部反転ローラ対44が用紙Pの後端を挟持するタイミングに逆転してスイッチバックさせるとともに用紙分岐部材で搬送方向を切り替えることにより、搬出ローラ対50が表裏を反転した用紙Pをその搬入口63からフィニッシャ装置60内に搬入することができるようになっている。
このように本実施形態においては、搬出ローラ対47の下方に、搬出ローラ対50(及び排出口)を配置して下部反転ローラ対44と直結したので、上述の実施形態による作用効果に加えて、用紙カセット11dを積み重ねて増設しても、フィニッシャ装置60に表裏を反転させた用紙Pを受け渡すことができ、排紙トレイ62a〜62n上にページ順位にした用紙Pを排紙して積載することができる。従って、装置本体10に用紙カセット11dを増設したことによりフィニッシャ装置60が利用不能になってしまうことがない。
【0014】
次に用紙反転装置40について説明する。図4は本発明の実施形態に係る用紙搬送装置としての用紙反転装置の詳細構成図、図5は図4に示す装置において用紙が上方に分岐される様子を示す図である。
図4において、分岐爪48は装置本体10の搬出口31から搬出されてきた用紙Pを上方のフェイスアップ搬送経路R4と下方の反転経路R3とに切り換えるため、図示しないソレノイドによって駆動される。デフォルト状態では分岐爪48は図4に示すように上向きに位置していて、用紙Pを反転経路R3に案内する。反転経路R3はフィニッシャ装置60への搬出ローラ対47、50、及び装置本体10への搬出ローラ対46への分岐経路を有し、それぞれの経路分岐点には用紙分岐部材5、6、8が備わっている。
【0015】
排紙ローラ対49及び搬出ローラ対47、50の近傍には排紙センサ1及び9、7があり、用紙反転装置40から排出される用紙の先後端を検知している。用紙反転装置40から装置本体10へ搬入される用紙はプリンタ装置本体10内部に設置される両面搬送装置の両面搬送センサ3によって検知する。下部反転ローラ対44の近傍には反転センサ4があり、反転経路R3を降下搬送されてくる用紙Pの先端をこの反転センサ4が検知し、用紙サイズ情報から用紙Pの搬送先(搬出ローラ46、47、50)それぞれについてスイッチバックのタイミングが決定される。
一方、OHP用紙等のアプリケーション紙を手差トレイから給紙して画像形成する場合は、図5に示すようにソレノイドが吸引駆動されて分岐爪48は下向きに切り換えられ、搬出口31から搬出されてきた用紙Pをフェイスアップ搬送経路R4に案内する。用紙Pは分岐爪48に案内されて搬送方向を上向きに方向転換された後、フェイスアップ案内板52に案内されて中継ローラ対51に受け渡され、中継ローラ対51から排紙ローラ対49に送られて排紙トレイ42上に排出スタックされる。搬送口31から搬出されてくる用紙Pは上面に画像が形成されており、分岐爪48及びフェイスアップ案内板52により非画像面側を案内されて搬送方向を変換しつつ搬送される。
【0016】
図6、図7は分岐爪48及びフェイスアップ案内板52の詳細を示した正面図及び斜視図である。分岐爪48は各用紙サイズに対応するため、互いに平行な複数の板状(略三角形状)の第1案内部材48−aにより搬送案内面を形成している。各第1案内部材48−aは用紙搬送中心に対して対称に位置し、各用紙サイズの用紙端部の内側に第1案内部材48−aが配置するように構成して、用紙端部を確実に案内して次のフェイスアップ案内板52との受け渡し部分で端部耳折れや引っ掛かりが発生しないようにしている。
一方、用紙の最小サイズの内側にも複数の第1案内部材48−aを配して用紙中央部を案内するが、特に内側の一対の第1案内部材48−aの中央に位置する2つの第2案内部材48−bは、第1案内部材48−aの案内面と爪先端部分ではほぼ同一位置で用紙を掬いつつ、搬送方向下流側では第1案内部材48−aの案内面よりも搬送経路側に凸になる(突出量が大きい)形状となっていて、用紙Pの搬送方向を上向きに変換する部分で凸量が大となる案内面を有している。
従って、搬出口31から搬出されたOHP用紙などは分岐爪48により搬送方向を上方向に転換される時には実質的に中央部の2つの第2案内部材48−bと接触して案内され、第1案内部材48−aは用紙端部の垂れや波打ち部分などを支える等の補助的な役割を果たす。OHP用紙などは定着装置で熱を与えられた後は非常に軟弱な状態にあり、案内部材との密着などが生じると搬送ローラによる搬送力を伝えることができずにジャム等が発生するが、上述のように分岐爪48を構成することにより案内部材とOHP用紙との接触部を少なくすることができ、密着などによるジャムを防止することができる。
【0017】
第1案内部材48−aに対して凸なる(突出量が大きい)案内面を有する第2案内部材48−bを用紙幅方向の中央部に配している理由は、仮に2つの第2案内部材48−bを間隔を空けて配置するとこの2つの第2案内部材48−bの間に第1案内部材48−aが存在することになり、装置本体の搬出ローラ対30によりOHPにコシ付けが行われて幅方向にたわみが生じている場合は、2つの第2案内部材48−bで案内しているにもかかわらず、これらの第2案内部材48−bの間でも第1案内部材48−aとの接触が生じてしまい密着が発生する可能性が生じるからである。OHPと案内部材との接触部を最小に抑えることを目的として上記の構成を採用している。
フェイスアップ案内板52は、面状の用紙案内面に高さ1mm程度の第1搬送案内リブ52−aを複数有し、この第1搬送案内リブ52−aも分岐爪48の第1案内部材48−aと同様に各用紙サイズに対応した位置に配されている。これら第1搬送案内リブ52−aは、用紙の案内案内面への密着貼りつきを防止する目的のために設けてあるが、OHP用紙等に関してはこれら複数の第1搬送案内リブ52−aに対する密着によるジャムが発生することがあるため、最小用紙サイズの内側にある2つの第2搬送案内リブ52−bの高さを第1搬送案内リブ52−aの高さよりも高くしている。つまり、フェイスアップ案内板52の搬送面に幅方向に沿って段差を設けることにより、張り付きを防止している。
但し、フェイスアップ案内板52が案内する用紙は、既に分岐爪48により搬送方向が上方向に変換された後の用紙であるので、第2搬送案内リブ52−bの第1搬送案内リブ52−aに対する凸量は、分岐爪48の第2案内部材48−bの第1案内部材48−aに対する凸量より少なく設定している。また、同様の理由から高さの高い第2搬送案内リブ52−bの位置を用紙幅方向の中央部にする必要はなく、用紙搬送中心に対してある程度の幅を持った位置で案内することにより安定して用紙を案内することができる。
【0018】
図7に示す実施形態では中継ローラ対51を構成する2個の搬送コロの位置に相当する部分の搬送案内リブの高さを高くしている。用紙搬送に関して主となる第2搬送案内リブ52−bをこの位置に設定することにより、中継ローラ対51への用紙Pの入り込みをスムーズにすることができ、用紙搬送性を向上させることができる。この搬送案内リブ52−bの位置は搬送経路の設定により適宜最良の位置を選択することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、所定の方向から搬入される用紙の搬送を案内する用紙案内手段と、前記用紙案内手段により案内された用紙を搬送する用紙搬送手段を備えた用紙搬送装置において、前記用紙案内手段は、第1用紙案内部材と、用紙案内面に対して前記第1用紙案内部材より突出する部分を有する第2用紙案内部材を設けているので、OHP用紙等のアプリケーション紙の用紙案内面に対する密着を防ぐことができ、ジャムなどの発生を防止することができる。更に、前記第2用紙案内部材は、用紙案内面による用紙搬送方向の変化率の大きさに従い突出量が大きくなるので、所定の方向から搬入してくる用紙の進入時に用紙案内手段に引っ掛かりなどの発生がなく、用紙搬送方向を変更させる案内部分でOHP用紙等と用紙案内面との密着を防止することができ、OHP用紙等のアプリケーション紙の搬送性を著しく向上させることができる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、前記第2用紙案内部材は、最小用紙幅の内側で用紙搬送中心に対して対称に配置して2つ設けてあるので、用紙搬送手段のコシ付けなどにより幅方向にたわんだ用紙であっても、用紙案内面との接触部を少なく抑えることができ、OHP用紙等のアプリケーション紙の用紙案内面に対する密着やジャムの発生を防ぐことができる。
請求項3記載の発明によれば、前記用紙案内手段は、所定の方向から搬入される用紙を2つの搬送経路に切り替える用紙分岐手段を含むので、OHP用紙等のアプリケーション紙の搬送先を切り替える際に用紙分岐手段の用紙案内面に対する密着やジャムの発生を防ぐことができ、確実な分岐搬送を実施することができる。
請求項4記載の発明によれば、熱定着装置を有する画像形成装置であって、熱定着装置の用紙搬送方向下流側に請求項1ないし3のいずれか記載の用紙搬送装置を有する画像形成装置としたので、熱定着によって高温になってコシがなくなり軟弱になったOHP用紙等のアプリケーション紙であっても用紙案内面に対する密着やジャムの発生を防止することができ、装置の小型化、多機能化に対応した高い搬送品質の画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の用紙搬送装置としての用紙反転装置を組み込んだ画像形成装置の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】図1の画像形成ユニットと定着ユニットの詳細構成図である。
【図3】本発明の用紙搬送装置としての用紙反転装置を組み込んだ画像形成装置の第2の実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る用紙搬送装置としての用紙反転装置の詳細構成図である。
【図5】図4に示す装置において用紙が上方に分岐される様子を示す図である。
【図6】分岐爪及びフェイスアップ案内板の詳細を示した正面図である。
【図7】分岐爪及びフェイスアップ案内板の詳細を示した斜視図である。
【符号の説明】
48 分岐爪(用紙案内手段)
48−a 第1案内部材(第1用紙案内部材)
48−b 第2案内部材(第2用紙案内部材)
51 中継ローラ対(用紙搬送手段)
52 フェイスアップ案内板(用紙案内手段)
52−a 第1搬送案内リブ(第1用紙案内部材)
52−b 第2搬送案内リブ(第2用紙案内部材)
Claims (4)
- 面状の用紙案内面に沿って斜め上向きに搬送される用紙を案内する用紙案内手段と、前記用紙案内手段に沿って用紙を搬送する用紙搬送手段と、を備えた用紙搬送装置において、
前記用紙案内手段は、前記用紙案内面より突出する部分を有する第1用紙案内部材と、前記用紙案内面に対して前記第1用紙案内部材より突出する部分を有する第2用紙案内部材と、を備え、
前記第2用紙案内部材は、前記第1用紙案内部材の案内面と爪先端部分ではほぼ同一位置で用紙を掬いつつ搬送方向下流側では該第1用紙案内部材の案内面よりも突出量が大きい形状となっていて、用紙の搬送方向を上向きに変換する部分で突出量が大となることを特徴とする用紙搬送装置。 - 請求項1記載の用紙搬送装置において、前記第2用紙案内部材は、最小用紙幅の内側で用紙搬送中心に対して対称に配置して2つ設けてあることを特徴とする用紙搬送装置。
- 請求項1又は2に記載の用紙搬送装置において、前記用紙案内手段は、所定の方向から搬入される用紙を2つの搬送経路に切り替える用紙分岐手段を含むことを特徴とする用紙搬送装置。
- 熱定着装置を有する画像形成装置であって、熱定着装置の用紙搬送方向下流側に請求項1乃至3のいずれか一項に記載の用紙搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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JP2001395344A JP4022064B2 (ja) | 2001-12-26 | 2001-12-26 | 用紙搬送装置及び画像形成装置 |
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