JP4018255B2 - 光学ユニットにおける焦点のずれ量検出方法および光学ユニットの調整装置 - Google Patents

光学ユニットにおける焦点のずれ量検出方法および光学ユニットの調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、画像形成装置に用いられる画像読取装置における主走査方向の走査ラインのずれ量、および画像読取装置に搭載される光学部材の走査ラインのずれ量を検出する検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像読取装置に用いられる光学系ユニットの調整を行う場合、熟練者がオシロスコープの波形を見ながら手動で調整を行ってきたため、調整時間および調整精度が不安定である。このため、検出用のチャートを工夫することで各ずれ量の検出を数値化、自動化し調整時間の安定、短縮を計る技術が研究されている。
【0003】
たとえば、副走査方向に直線的に幅が変化し、かつ、主走査方向に平行なエッジを有するマークにより主走査方向と副走査方向との位置のずれ量と倍率に対する誤差とを検出するものが知られている(特開平8−102818号公報)。
【0004】
しかしながら、このようなマークを用いた検出方法では、主走査方向と副走査方向との位置のずれ、および倍率による誤差しか検出できない。
また、その他の調整項目も含めた調整用チャートも提案されている(特開平5−75797号公報)。この場合には、検出用マークが多くなり、検出位置も増え、検出時間が長くなる欠点があった。
【0005】
また、従来の調整用チャートでは、光学ユニットの調整のみにしか適用できず、原稿を露光して主走査方向の走査ラインを副走査方向に順次読取ることにより読取動作に行う画像読取装置全体の調整には利用できないという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、光学ユニットにおける焦点のずれ量、および、主走査方向に対する回転方向のずれ量を簡単に算出することができる光学ユニットにおける焦点のずれ量検出方法および光学ユニットの調整装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の光学ユニットにおける焦点のずれ量検出方法は、レンズを介して光を主走査方向の走査ライン分の各画素に対応し、複数の色の光電変換素子が平行に設けられているイメージセンサの各光電変換素子に導いてそれぞれの色の電気信号に変換して出力する光学ユニットの調整を行う調整装置に用いられる光学ユニットにおける焦点のずれ量検出方法であって直線が形成されている調整用のチャートとイメージセンサとの距離が所定の距離となり、かつ、上記調整用のチャート上の直線が上記主走査方向に垂直となるように設置した上記光学ユニットにより上記調整用のチャート上の直線を各色のイメージセンサで読取った信号を記憶し上記光学ユニットにおける第1の色のイメージセンサで上記調整用のチャート上の直線を読み取った信号のレベルと所定の値との差を第1の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量として算出し、上記光学ユニットにおける第2の色のイメージセンサで上記調整用のチャート上の直線を読み取った信号のレベルと所定の値との差を第2の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量として算出し、算出した第1の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量と算出した第2の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量との差を上記光学ユニットにおける主走査方向に対する回転方向の傾きを示すずれ量として算出することを特徴とする。
この発明の調整装置は、レンズを介して光を主走査方向の走査ライン分の各画素に対応し、複数の色の光電変換素子が平行に設けられているイメージセンサの各光電変換素子に導いてそれぞれの色の電気信号に変換して出力する光学ユニットの調整を行う調整装置において、直線が形成されている調整用のチャートと上記イメージセンサとの距離が所定の距離となり、かつ、上記調整用のチャート上の直線が上記主走査方向に垂直となるように設置した上記光学ユニットにより上記調整用のチャート上の直線を各色のイメージセンサで読取った信号を記憶する記憶手段と、上記光学ユニットにおける第1の色のイメージセンサで上記調整用のチャート上の直線を読み取った信号のレベルと所定の値との差を第1の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量として算出する第1のずれ量演算手段と、上記光学ユニットにおける第2の色のイメージセンサで上記調整用のチャート上の直線を読み取った信号のレベルと所定の値との差を第2の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量として算出する第2のずれ量演算手段と、算出した第1の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量と算出した第2の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量との差を上記光学ユニットにおける主走査方向に対する回転方向の傾きを示すずれ量として算出する第3のずれ量演算手段とを有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係る光学部材が適用される画像読取装置としてのスキャナユニット11の概略構成を示すものである。
【0014】
すなわち、図1に示すように、スキャナユニット11は、読取り対象の原稿Dが載置される原稿台ガラス2、この原稿台ガラス2上に載置された原稿Dを照明する光源としての露光ランプ3a、および露光ランプ3aからの光を原稿Dに効率良く収束させるためのリフレクタ3bなどからなる光源ユニット3、この光源ユニット3により照射された原稿Dからの反射光を光電変換するCCDラインセンサ4、原稿からの反射光をCCDラインセンサ4に導く光路上に設けられる第1ミラー5、第2ミラー6、第3ミラー7、これらのミラー5〜7により導かれる光を倍率に応じて変倍してCCDラインセンサ4の光電変換素子に照射するレンズ8などから構成されている。
【0015】
上記光源ユニット3および第1ミラー5は第1キャリッジ9上に搭載され、第2ミラー6および第3ミラー7が第2キャリッジ10に搭載される。また、上記光源ユニット3により照射される原稿Dからの反射光がCCDラインセンサ4に至るまでの光路長が一定に保持されるように、第1キャリッジ9に対して第2キャリッジ10が1/2の速度にて同方向に移動するようになっている。
【0016】
上記CCDラインセンサ4およびレンズ8は同一基板上に設けられて光学ユニット(光学部材)を構成している。レンズ8は、第3のミラー7により偏向された光の光軸を含む面内に配設され、反射光を所望の倍率で結像するようになっている。
【0017】
上記CCDラインセンサ4は、主走査方向の走査ラインの画素数に対応する複数の光電変換素子で構成され、主走査方向の走査ライン分の各画素を画素の濃度に応じた出力レベルの電気信号として出力するようになっている。
【0018】
また、原稿画像をカラーで読取るカラースキャナの場合に用いられるカラー用のCCDラインセンサ4は、例えば、主走査方向に平行に並べて設けられた赤(R;red)、緑(G;green)、青(B;blue)の三色(RGB)に対応する光電変換素子で構成され、主走査方向の走査ライン分の各画素をRGBの各色に成分ごとに電気信号に変換して出力するようになっている。
【0019】
このスキャナユニット11は、原稿の画像をCCDラインセンサ4で図1の紙面奥行き方向(主走査方向)の1ラインを読取り、更に第1、第2キャリッジ9、10が図1の左右方向(副走査方向)に移動することで、CCDラインセンサ4による読取り位置が変わり原稿の画像全体を読取るようになっている。
【0020】
次に、上記のように構成されるスキャナユニット11の光学系の調整に伴う種々のずれ量の検出方法について図2、図3を参照しつつ説明する。
図2にように、スキャナユニット11の光学系の調整は、まず、光学ユニット1におけるレンズ8とCCDラインセンサ4との相対的なずれ量を検出して調整を行う前工程と、図3に示すように、前工程で調整済みの光学ユニット1をスキャナユニット11に組み込んでから種々のずれ量を検出して調整を行う後工程の2行程からなる。
【0021】
前工程においては、校正済みの物面、つまり光学系の調整用のチャートを基準として光学ユニット1上のレンズ8とCCDラインセンサ4の調整を行って、レンズ8とCCDラインセンサ4との間の相対的な距離や平行度などのすれ量を検出する。これにより検出されたずれ量に基づいて、光学ユニットのレンズ8とCCDラインセンサ4との相対的な距離や平行度などの調整を行う。
【0022】
後工程においては、前工程で調整済みの光学ユニット1をスキャナユニット11に組み込み、物面と像面の光学的関係、つまり、原稿台ガラス2上の原稿Dの画像とスキャナユニット11による読取り画像との歪み、倍率のずれ、ピント等の光学系のずれ量を検出する。これにより、スキャナユニット11において、歪みがなく、倍率やピントが合った画像を得られるように調整を行なう。
【0023】
次に、上記前工程について説明する。
図4は、光学ユニット1の調整を行なう前工程に用いられる調整装置20の制御系統の概略構成を説明するためのブロック図である。
【0024】
すなわち、光学ユニット1の調整を行う調整装置20は、CCDラインセンサ4で受光して電気信号に変換した主走査方向の走査ライン分の各画素の出力信号を記憶するラインメモリ21、ラインメモリ21に記憶された走査ライン分の読取り画素における種々のずれ量を算出する第1、第2、第3のずれ量演算手段としてのずれ量演算部22、このずれ量演算部22により算出されたずれ量に応じて光学ユニット1上のCCDラインセンサ4とレンズ8との相対位置を調整する調整用アクチュエータ24、この調整用アクチュエータ24を動作させるドライバ23、およびずれ量演算部22により算出された結果を表示する結果表示部25により構成されている。
【0025】
上記前工程においては、上記のように構成される調整装置20により、図5(b)に示すような、光学ユニット1上のずれ量を検出するための調整用マーク12を読取ることによりずれ量を検出する。この調整用マーク12は、図5(b)に示すように、主走査方向に垂直な線分12a、および主走査方向に対して垂直かつ平行でない、互いに平行な2本1組の線分12b、12cからなる。上記線分12aの一方の端部が、線分12bに対して鋭角をなすように線分12bの端部と一致するとともに、線分12aの他方の端部が、線分12cに対して鋭角をなすように線分12cの端部と一致するようになっている。
【0026】
上記線分12aと線分12bおよび線分12cとのなす角(傾き角)は特に限定はないが、角度により検出感度を変えることができ、角度を大きくする(90度に近づける)と検出感度がよくなる。例えば、ここでは45°に設定される。
【0027】
上記調整装置20において、上記調整用マーク12と光学ユニット1とは、光学ユニット1をスキャナユニット11に装着した際の原稿台ガラス2上の原稿面からCCDラインセンサ4に至る光路長と同じ光路長になる位置にセットされるようになっている。また、光学ユニット1による主走査方向の走査ラインと上記調整用マーク12の線分12aとが垂直に交差し、線分12aおよび線分12bとの各接点間の距離と、線分12aおよび線分12cとの各接点間の距離とが等しくなるようにセットされるようになっている。
【0028】
次に、調整用マーク12による種々のずれ量の検出原理について説明する。
図6、図7は、この調整用マーク12をCCDラインセンサ4が読取った際の画素位置と出力レベルを示す特性図(横軸にCCDラインセンサ4における画素位置を取り、縦軸に画素位置に対応する出力信号レベルを表したグラフ)である。
【0029】
図6に示すように、調整用マーク12を読取った画素位置と出力レベルを示す特性図は、3つのピークを持つ波形となる。この3つピークは、主走査方向の読取りラインと上記調整用マーク12の各線分12a、12b、12cとが交差する点に対応するものである。つまり、主走査方向の走査ラインに対して、ピーク位置aが調整用マーク12の線分12cの読取画素、ピーク位置bが調整用マーク12の線分12aの読取画素、ピーク位置cが調整用マーク12の線分12bの読取画素にそれぞれ対応するものである。
【0030】
この3つのピーク位置a、b、c及びそのピークレベルの大きさIa、Ib、IcからCCDラインセンサ4の読取った画素の位置が所定位置(理想の位置)からどの程度ずれているか検出する。
【0031】
各ピーク位置a、b、cおよびピークレベルIa、Ib、Icは、光学ユニット1の基板上にCCDラインセンサ4とレンズ8とがずれのない位置に設けられている場合、図7に示すように、ピーク位置に対してab間、bc間が等しく、ピークレベルIa、Ib、Icがそれぞれ所定の最大値となる。なお、各ピークレベルIa、Ib、Icは、CCDラインセンサ4の各感光素子の出力レベルのばらつき等がない場合、同じ大きさの出力レベルとなる。
【0032】
上記のような画素位置と出力レベルを示す特性図に基づいて、種々のずれ量を検出することができる。
図5(b)に示すような調整用マーク12に対して座標軸を図5(a)に示すように、主走査方向にX軸、副走査方向にZ軸、紙面垂直方向にY軸、各軸周りの回転方向をそれぞれθx、θy、θzとすると、図8に示すように、各検出項目に対する検出方法がまとめられる。
【0033】
すなわち、X方向(主走査方向)のずれは、b点の座標により検出される。b点の座標が所定の座標値と比較してどの程度ずれているかにより主走査ラインの主走査方向のずれ量が検出される。
【0034】
Y方向(ピント、焦点)のずれは、CCDラインセンサとレンズとの関係に基づくピントのずれを示すもので、Ibの大きさにより検出される。ピーク出力レベルIbの大きさが所定の最大値に対してどの程度ずれているかによりピントのずれ量が検出される。
【0035】
Z方向(副走査方向)のずれは、ab間の距離とbc間の距離との差により検出される。ab間の距離とbc間の距離との差が0あるいは所定の最小値に対してどの程度ずれているかにより主走査ラインの副走査方向へのずれ量が検出される。
【0036】
θy方向(主走査方向に対する傾き)のずれは、ac間の距離により検出される。ac間の距離が所定の距離に対してどの程度ずれているかにより走査面上における主走査ラインの主走査方向に対する傾きが検出される。
【0037】
θz方向(ピント勾配)のずれは、Iaの出力レベルとIbの出力レベルとの比較により検出される。Iaの出力レベルと所定の最大値との差によるaのピーク位置におけるピントのずれ量と、Icの出力レベルと所定の最大値との差によるcのピーク位置におけるピントのずれ量とにより、ピントのずれの勾配、つまり、走査面に対する傾きが検出される。
【0038】
また、カラースキャナの場合、赤(R;red)、緑(G;green)、青(B;blue)の3色の入力に相当し、各色に対応する光電変換素子からなる3本のラインセンサがZ軸方向に、平行に並んで設けられている。この場合、それぞれ色における出力レベルIbと所定の最大値とから検出されるピントのずれ量を比較することにより、カラーCCDラインセンサのθx方向(主走査方向の回転方向)の傾きによるずれ量を検出できる。
【0039】
次に、上記のような調整用マーク12による各ずれ量の検出原理を応用し、図9に示すような主走査方向に調整用マーク12を2つ並べた第1チャート13から光学ユニット1における種々のずれ量の検出する場合について説明する。
【0040】
すなわち、第1チャート13は、上記のような調整用マークによるX、Y、Zθx、θy、およびθzのずれ量の検出方法に加えて、2つの調整用マーク(第1マーク14、第2マーク15)により、θy方向のずれ量と倍率のずれ量を検出できる。
【0041】
θy方向のずれ量は、第1チャート13の第1マーク14から検出されるZ方向のずれ量Z1と第2マーク15から検出されるZ方向のずれ量Z2との差からθy方向のずれ量を検出する。ずれ量Z1とずれ量Z2との差が0あるいは所定の最小値に比較してどの程度ずれているかにより走査面上におけるCCDラインセンサ4の走査ラインの傾きのずれ量を検出する。これにより、1つの調整用マークにより検出されるずれ量に比べ、2つの調整用マークにより検出されるずれ量が大きな値で検出でき、検出感度を高めることができる。
【0042】
倍率のずれ量は、第1マーク14の線分14aと走査ラインとの交点と第2マークの線分15aと走査ラインとの交点との距離と設定されている倍率の所定の距離とを比較することにより倍率に伴うずれ量を検出する。つまり、図9に示すように、第1チャート13の第1、第2マーク14、15から検出されるX方向の座標値X1、X2間の距離と設定倍率に伴う所定の距離とを比較することで倍率のずれ量を検出する。
【0043】
上記したように、所定の位置に設けられた調整用マークを1ライン分読取って得られる各画素位置と出力レベルとの特性に基づき、読取った走査ラインと調整用マークの各線分との交点の位置と、その交点における出力レベルを検出し、それらの値と所定の値とを比較して読取った走査ラインにおける主走査方向の位置のずれ、副走査方向の位置ずれ、走査面における走査ラインの傾き、主走査方向の回転方向の傾き、ピントのずれ、主走査方向の傾き、およびピントのずれの勾配を検出するようにしたものである。
【0044】
これにより、光学ユニット1の調整において必要な検出量である主走査方向の位置のずれ、副走査方向の位置ずれ、走査面における走査ラインの傾き、主走査方向の回転方向の傾き、ピントのずれ、およびピントのずれの勾配のずれ量(自由度)を同時に検出できる。
【0045】
また、調整用マークを主走査方向に2つ並べた第1チャートを1ライン分読取って得られる各画素位置と出力レベルとの特性に基づき、読取った走査ラインと第1チャートの各線分との交点の位置と、その交点における出力レベルを検出し、それらの値と所定の値とを比較することにより、上記調整用マークから検出できるずれ量に加えて、ピントの勾配、および倍率に対するずれ量を検出するようにしたものである。
【0046】
これにより、光学ユニット1の調整において必要な検出量である主走査方向の位置のずれ、副走査方向の位置ずれ、走査面における走査ラインの傾き、主走査方向の回転方向の傾き、およびピントのずれに加えて、ピントのずれの勾配および倍率に対するずれの7つのずれ量(自由度)が同時に検出できる。
【0047】
次に、後工程について説明する。
後工程では、上記前工程により検出されたずれ量に基づきレンズ8およびCCDラインセンサ4の位置の調整を行った光学ユニット1をスキャナユニット11の所定位置に固定し、第1、第2、第3ミラ−5、6、7を介した原稿面と光学ユニット1とのずれ量の検出を行う。ここでは、設定倍率に対するずれ、画像の歪み、原稿面上での位置ずれ(X、Z)の調整を行う。なお、画像の歪みとは、第1、第2キャリッジ9、10が副走査方向に移動することにより生じる歪みであり、図10に示すように、元画像としての長方形17とこの長方形17の読取画像としての図形18との間で各頂点の角度に変化が生じてしまうことを言う。
【0048】
後工程では、図11に示すように、4つの調整用マーク(第1マーク、第2マーク、第3マーク、第4マーク)19〜22が長方形を形成するように配置された第2チャート18が用いられる。各調整用マークは、第1マーク19の線分19aと19bとが接する点C1、第2マーク20の線分20aと20bとが接する点C2、第3マーク21の線分21aと線分21bとが接する点C3、および第4マーク22の線分22aと線分22bとが接する点C4が長方形の頂点を形成するように配置される。
【0049】
また、この第2チャー卜18は、第1マーク19の線分19aと第3マーク21の線分21aとが同一直線上に乗り、同様に、線分20aと線分22a、線分19bと線分22b、および線分20bと21bも同一直線上に乗り、長方形C1C2C3C4の辺や対角線を形成するようになっている。
【0050】
また、上記の長方形の頂点C1〜C4は、各マークの線分19a、20a、21a、22aと線分19c、20c、21c、22cとが接する点を頂点とするように、C1〜C4を配置しても良い。この場合、線分19cと22c、および線分20cと21cとが同一直線上に乗るように配置される。
【0051】
また、画像の歪みおよび倍率のずれを検出する場合、上記第2チャートでは、第1マーク、第2マーク、第3マーク、および第4マークがそれぞれ3つの線分により構成されるとしたが、各マーク間で長方形の頂点を形成するように、主走査方向に垂直な線分と、長方形の対角線と一致する線分との2本の線分からなる4つマークで構成されるチャートであっても良い。例えば、第1マークが19a、19b、第2マークが20aと20b、第3マークが21aと21b、第4マークが22aと22bからなる各マークにより構成されるチャートであっても良い。
【0052】
上記後工程において、スキャナユニット11の調整を行う際、上記第2チャートが原稿台ガラス2上に載置される。この状態で、主走査方向に対して第2チャートの第1マーク19および第2マーク20上の任意の1ラインと、第3マーク21および第4マーク22上の任意の1ラインとを読取る。
【0053】
これにより読取った2ラインにおける第1マーク19の線分19aおよび線分19bと交差する点P1および点P2、第2マーク20の線分20aおよび線分20bと交差する点P3および点P4、第3マーク21の線分21aおよび線分21bと交差する点P5および点P6、第4マーク22の線分22aおよび線分22bと交差する点P7および点P8をそれぞれ検出する。この検出された点P1〜P8により、長方形の頂点C1〜C4が幾何学的性質から算出できる。
【0054】
つまり、点P1と点P3とを含む直線と点P2と点7とを含む直線との交点が頂点C1、点P3と点P6とを含む直線と点P4と点P8とを含む直線との交点が頂点C2、点P5と点P1とを含む直線と点P6と点P3とを含む直線との交点が頂点C3、点P7と点P2とを含む直線と点P8と点P4とを含む直線との交点が頂点C4として算出される。
【0055】
これらの頂点C1〜C4の位置座標に基づいて、倍率に伴うずれ量、画像歪み、原稿面上での位置のずれ量が算出される。
倍率に伴うずれ量は、検出された各点C1〜C4の相対距離と設定倍率に対応する所定の相対距離とを比較することにより倍率に対するずれ量を検出する。例えば、C1C2間、C2C4間、C3C4間、C1C4間の各距離、つまり、4点により形成される4角形の各辺の長さが設定倍率に対応する所定の長さと比較してどの程度ずれているかにより倍率に伴うずれ量を検出する。
【0056】
画像歪みは、検出されたC1〜C4で形成される四角形と所定の長方形とを比較することにより歪みを検出する。例えば、C1C3間の距離と、C2C4間の距離の差、つまり、4点C1〜C4で形成される4角形の対角線が所定の値と比較してどの程度ずれているかにより歪みによるずれ量を検出する。
【0057】
このような手法を用いると第2チャート18が原稿台上に多少ずれて載置されている場合にも無関係に頂点の検出ができ、画像の歪みに伴うずれ量、倍率に対するずれ量が算出できる。
【0058】
また、読取り位置のずれは、4点の座標と所定の座標とを比較することにより位置のずれ量を検出する。
これらの検出原理に基づいて検出されるずれ量に対応して、光学ユニット1、第1ミラー5、第2ミラー6、および第3ミラ−7の位置や傾きなどを調整することによりスキャナユニット11全体における光学系の調整が行われる。
【0059】
また、上記後工程の例では、長方形を形成する4つのマークにより設定倍率に対するずれ量、画像の歪み、読取位置のずれ量などについて説明したが、上記前工程の場合と同様に、1つの調整用マークあるいは主走査方向に並べた2つの調整マークからなるチャートを原稿載置台2上に載置して主走査方向の1ライン分の画像を読取り、上記検出原理により主走査方向(X方向)のずれ量、副走査方向(Z方向)のずれ量、ピント(Y方向)のずれ量、走査面上の主走査方向の傾き(θx方向)、ピントの勾配(θy方向)、主走査方向を軸とした回転方向(θz方向)のずれ量などを検出するようにしても良い。
【0060】
上記のように、原稿台に載置した調整用マークを1ライン分読取ることにより検出される走査ラインと調整用マークとの交点から主走査方向のずれ量、副走査方向のずれ量、ピントのずれ量、および走査面における走査ラインの主走査方向に対する傾き、走査ラインにおけるピントのずれの勾配、カラーCCDセンサの各色に対する焦点のずれ量を検出するようにしたものである。
【0061】
これにより、簡単に光学ユニットを搭載したスキャナユニットでの読取時に生じる種々のずれ量を検出できる。
また、4つの調整用マークにより長方形の4つの頂点を示すように配置された単純な図形からなる第2チャートを原稿載置台上に載置して、この第2チャートを主走査方向に2ライン分を読取ることにより、上記第2チャート上の図形の読取結果としての長方形の4つの頂点を検出し、この4つの頂点で形成される長方形と所定の長方形とを比較して設定倍率に対するずれ量、読取画像の歪み、および読取位置のずれ量などを検出するようにしたものである。
【0062】
これにより、単純な図形からなる第2チャートを2ライン読取るだけで、画像読取装置における光学系だけでなく副走査方向への移動により生じるずれを含めた読取画像の設定倍率に対するずれ量、読取画像の歪み、および読取位置のずれ量などを簡単に検出できる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、光学ユニットにおける焦点のずれ量、および、主走査方向に対する回転方向のずれ量を簡単に算出できる光学ユニットにおける焦点のずれ量検出方法および光学ユニットの調整装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係わるスキャナユニットの概略構成を示す断面図。
【図2】前工程における光学ユニットのずれ量の検出方法を説明するための図。
【図3】後工程におけるスキャナユニット内のずれ量の検出方法を説明するための図。
【図4】調整装置の概略構成を説明するためのブロック図。
【図5】調整用マークの構成を示す図。
【図6】調整用マークを読取った際の画素位置と出力レベルとを示す特性図。
【図7】調整用マークを読取った際の画素位置と出力レベルとを示す特性図。
【図8】ずれ量の検出項目と検出方法とを説明するための図。
【図9】光学ユニットにおけるずれ量を検出する第1チャートを示す図。
【図10】スキャナユニットにおける読取画像の歪みを説明するための図。
【図11】スキャナユニットにおける読取画像のずれ量を検出する第2チャートを示す図。
【符号の説明】
1…光学ユニット
2…原稿載置台
4…CCDラインセンサ
8…レンズ
9…第1キャリッジ
10…第2キャリッジ
11…スキャナユニット
12…調整用マーク
13…第1チャート
18…第2チャート

Claims (2)

  1. レンズを介して光を主走査方向の走査ライン分の各画素に対応し、複数の色の光電変換素子が平行に設けられているイメージセンサの各光電変換素子に導いてそれぞれの色の電気信号に変換して出力する光学ユニットにおける焦点のずれ量検出方法であって
    直線が形成されている調整用のチャートとイメージセンサとの距離が所定の距離となり、かつ、上記調整用のチャート上の直線が上記主走査方向に垂直となるように設置した上記光学ユニットにより上記調整用のチャート上の直線を各色のイメージセンサで読取った信号を記憶し
    上記光学ユニットにおける第1の色のイメージセンサで上記調整用のチャート上の直線を読み取った信号のレベルと所定の値との差を第1の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量として算出し、
    上記光学ユニットにおける第2の色のイメージセンサで上記調整用のチャート上の直線を読み取った信号のレベルと所定の値との差を第2の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量として算出し、
    算出した第1の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量と算出した第2の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量との差を上記光学ユニットにおける主走査方向に対する回転方向の傾きを示すずれ量として算出する、
    ことを特徴とする光学ユニットにおける焦点のずれ量検出方法。
  2. レンズを介して光を主走査方向の走査ライン分の各画素に対応し、複数の色の光電変換素子が平行に設けられているイメージセンサの各光電変換素子に導いてそれぞれの色の電気信号に変換して出力する光学ユニットの調整を行う調整装置において、
    直線が形成されている調整用のチャートと上記イメージセンサとの距離が所定の距離となり、かつ、上記調整用のチャート上の直線が上記主走査方向に垂直となるように設置した上記光学ユニットにより上記調整用のチャート上の直線を各色のイメージセンサで読取った信号を記憶する記憶手段と、
    上記光学ユニットにおける第1の色のイメージセンサで上記調整用のチャート上の直線を読み取った信号のレベルと所定の値との差を第1の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量として算出する第1のずれ量演算手段と、
    上記光学ユニットにおける第2の色のイメージセンサで上記調整用のチャート上の直線を読み取った信号のレベルと所定の値との差を第2の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量として算出する第2のずれ量演算手段と、
    算出した第1の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量と算出した第2の色のイメージセンサにおける焦点のずれ量との差を上記光学ユニットにおける主走査方向に対する回転方向の傾きを示すずれ量として算出する第3のずれ量演算手段と、
    を有することを特徴とする光学ユニットの調整装置
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