JPH11127314A - 画像読み取り装置及びそのフォーカス調整方法 - Google Patents

画像読み取り装置及びそのフォーカス調整方法

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JPH11127314A
JPH11127314A JP9288759A JP28875997A JPH11127314A JP H11127314 A JPH11127314 A JP H11127314A JP 9288759 A JP9288759 A JP 9288759A JP 28875997 A JP28875997 A JP 28875997A JP H11127314 A JPH11127314 A JP H11127314A
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line
optical path
carriage
focus
lens
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JP9288759A
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Toshiaki Oshima
利明 大嶋
Chikashi Nakamura
史 中村
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォーカス調整時に副走査方向の読み取り位
置のずれによる誤差を緩和することのできる画像読み取
り装置およびそのフォーカス調整方法を提供する。 【解決手段】 ステップS12で第1キャリッジをAF
ラインの最初の位置に移動させる。ステップS13でラ
インセンサにより原稿を読み取る。ステップS14では
ステップS13における読み取りデータの道のり全長L
MTを計算する。ステップS15では読み取りラインが
AFラインの最終位置であればステップS17に進む。
そうでなければステップS16で第1キャリッジを1ラ
イン分移動させてステップS13に戻る。ステップS1
7では、各AFラインにおけるLMTを合計してLMT
Tを求める。このLMTTの値が最大となるときのレン
ズキャリッジの位置を求めてレンズキャリッジを移動さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿を光学的に読
み取る画像読み取り装置およびそのフォーカス調整方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、原稿を光学的に読み取る画像
読み取り装置のフォーカス調整方法として、原稿から集
光レンズまでの光路長を集光レンズを所定のピッチで移
動させることにより変更し、複数の光路長でラインセン
サにより読み取った1ラインの画像のコントラストの大
きさを測定し、コントラストが最大となるときの集光レ
ンズの位置で最もフォーカスが合っていると判断するも
のが知られている。コントラストの大きさを示す値とし
ては、読み取った画像の輝度信号の最大値と最小値の
差、または、隣接する素子による輝度信号の大きさの差
の絶対値の合計を計算して、その値が大きいものほどコ
ントラストが大きいと判断していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなフォーカス調整方法において、原稿から集光レン
ズまでの距離を変更するために集光レンズの位置を移動
させた場合、光路に対して平行ではない方向に微小に位
置がずれてしまうことがある。その場合、ラインセンサ
の副走査方向の読み取り位置がずれてしまう。集光レン
ズを移動させる精度を高くすれば読み取り位置のずれは
起こらないが、製造コストが非常に高くなるために、精
度を高くするのには限界がある。
【0004】読み取り位置がずれた場合、原稿上の異な
る位置を読み取った画像のコントラストを比較すること
になり、正確に焦点距離を求めることができないという
問題がある。
【0005】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、フォーカス調整時に副走査方向の読
み取り位置のずれによる誤差を緩和することのできる画
像読み取り装置およびそのフォーカス調整方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の画像読み取り装置によれば、原稿からの光を集光する
集光レンズと、集光レンズからの光を電気信号に変換す
る複数の光電変換素子からなるラインセンサとを備え、
原稿と集光レンズとの間の光路長を調整可能な光路長調
整手段と、原稿上の複数のラインをラインセンサにより
読み取った信号を記憶し、各ラインで合焦の度合いを示
す値を計算する手段と、複数のラインにおける合焦の度
合いを示す値の合計が最大になるように光路長調整手段
に指令を出す制御手段とを備える。したがって、フォー
カス調整時、副走査方向に原稿読み取り位置がずれても
複数のラインにおける合焦の度合いを示す値の合計を用
いることにより、読み取り位置のずれによる誤差を緩和
し、正確にフォーカスを調整することができる。
【0007】本発明の請求項2に記載のフォーカス調整
方法によれば、a)集光レンズと原稿との間の光路長を
調整する行程と、b)ラインセンサにより原稿上の複数
のラインを読み取り、各ラインで合焦の度合いを示す値
を計算する行程と、c)複数の光路長でa)、b)行程
を繰り返す行程と、d)複数のラインにおける合焦の度
合いを示す値の合計が最大となるときの光路長を求める
行程と、e)集光レンズと原稿との間の光路長をd)行
程で求めた光路長にする行程とを含む。したがって、フ
ォーカス調整時、副走査方向に原稿読み取り位置がずれ
ても複数のラインにおける合焦の度合いを示す値の合計
を用いることにより、読み取り位置のずれによる誤差を
緩和し、正確にフォーカスを調整することができる。
【0008】本発明の請求項3に記載のフォーカス調整
方法によれば、b)行程では間隔をあけて複数のライン
を読み取るため、フォーカス調整時に広い読み取り範囲
を確保しつつ読み取りに要する時間を短縮することがで
き、短時間で正確にフォーカスを調整することができ
る。
【0009】合焦の度合いを示す値としては、横軸に原
稿の主走査方向の読み取り位置、縦軸に出力値をとった
折れ線グラフを考えたときの折れ線の道のりの全長や、
原稿を読み取った信号のコントラストの大きさなどの値
を用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0011】(第1実施例)本発明の第1実施例による
フラットベッド型の画像読み取り装置100を図2に示
す。
【0012】箱型の筐体1の上面に読み取る原稿を載せ
るための透明な原稿ガラス11が設けられている。筐体
1の内部には、第1キャリッジ20、第2キャリッジ3
0およびレンズキャリッジ40が収容されている。
【0013】第1キャリッジ20は、図示しない駆動装
置により原稿ガラス11に対して平行に速度Vで移動可
能である。この第1キャリッジ20には光源21と反射
鏡22とが設けられている。第2キャリッジ30は、反
射鏡31と反射鏡32とを備える。レンズキャリッジ4
0は原稿からの光を読み取るラインセンサ41と、原稿
からの光をラインセンサ41に集光する集光レンズ42
とを備える。ラインセンサ41は、CCDのような多数
の光電変換素子を配列したものである。
【0014】画像を読み取るときは、原稿ガラス11に
置かれた原稿に光源21から光を照射し、原稿からの光
を集光レンズ42によりラインセンサ41に集光し、第
1キャリッジ20、第2キャリッジ30を移動させつつ
検出して原稿の輝度を電気信号に変換する。ここで、ラ
インセンサ41の光電変換素子が並んでいる方向を主走
査方向、キャリッジが移動する方向を副走査方向とい
う。
【0015】光源21により原稿ガラス11上の原稿面
に照射された光は、第1キャリッジ20の反射鏡22、
第2キャリッジ30の反射鏡31、反射鏡32を反射
し、レンズキャリッジ40の集光レンズ42を通してラ
インセンサ41に集光される。第2キャリッジ30は、
第1キャリッジ20の移動速度Vの半分の速度V/2で
第1キャリッジ20と同じ方向に移動可能である。した
がって、第1キャリッジ20と第2キャリッジ30が移
動しても、原稿から集光レンズ42までの光路長を同一
に保つことができる。原稿から集光レンズ42までの光
路長は、制御装置3からレンズモータ制御手段6に指令
を出し、図示しないモータによってレンズキャリッジ4
0の位置を水平方向に微調整することによって変更可能
であり、制御装置3、レンズモータ制御手段6およびレ
ンズキャリッジ40は光路長調整手段を構成している。
【0016】データ検出部2は、ラインセンサ41から
のデータをデジタル信号に変換して制御装置3へ送るも
のである。制御装置3は、CPU、RAMおよびROM
等からなるマイクロコンピュータにより構成され、画像
読み取り装置100全体の制御を行い、インターフェイ
ス4を介して外部の画像処理装置、例えばパソコン20
0に接続される。制御装置3には、第1キャリッジ2
0、第2キャリッジ30を駆動させるミラーモータ制御
部7やレンズキャリッジ40を駆動させるレンズモータ
制御部6を制御するプログラムが格納されている。
【0017】図3はパソコン200を用いた原稿上のフ
ォーカス位置指定画面の例を示す。まず、使用者がパソ
コン200を操作して、パソコン200から画像読み取
り装置100にプレビュー信号を送信する。画像読み取
り装置100がインターフェイス4からプレビュー信号
を受信すると、制御装置3が、ミラーモーター制御部7
に制御信号を送り第1キャリッジ20を原稿ガラス11
の先頭ライン位置から最終ライン位置まで移動させ、原
稿ガラス11の全面を低解像度で走査し、原稿ガラス1
1上の原稿から得られた低解像度画像データをプレビュ
ーデータとして、インターフェイスからパソコンに送信
する。
【0018】パソコン200は画像読み取り装置100
から受け取ったプレビューデータを処理し、原稿全体の
プレビュー画面91をディスプレイ90上に表示する。
【0019】使用者はパソコン200に接続されたマウ
スなどの入力装置を操作してプレビュー画面91内の所
望の取り込み領域92を指定し、さらにオートフォーカ
スの指定をすると、パソコン200は使用者が指定した
取り込み領域92から特定の位置のラインをオートフォ
ーカスライン(以下、AFライン)93として決定し、
その座標データおよびオートフォーカス指示信号を画像
読み取り装置100のインターフェイス4に送信する。
AFライン93は、例えば図3に示すように取り込み領
域92の中で副走査方向に1/2の位置から前後に5ラ
インずつの10ライン、主走査方向の中心部分の1/3
の範囲にすることができる。また、使用者は取り込み領
域92を指定した後、レンズキャリッジ40の移動距離
を指定することにより原稿から集光レンズ42までの光
路長を変更し、マニュアルでフォーカスを調整すること
もできる。したがって、原稿を意図的にぼやけた画像と
して読み取ることが可能である。
【0020】画像読み取り装置100は、オートフォー
カス指示信号およびAFライン93の座標データをイン
ターフェイス4から受信すると、制御装置3はミラーモ
ータ制御部7に制御信号を送って第1キャリッジ20を
座標データに対応するAFライン93の最初のラインの
位置まで移動させる。
【0021】初期状態では、原稿ガラス11上面にフォ
ーカスが合うようにレンズキャリッジ40の位置が設定
されている。この状態が基準の位置であり移動距離0mm
とする。また、原稿から集光レンズ42までの光路長を
短くする方向、すなわち原稿ガラス11上面よりも上で
フォーカスが合うようにレンズキャリッジ40を移動さ
せる方向を正の方向とし、光路長を長くする方向、すな
わち原稿ガラス11上面よりも下でフォーカスが合うよ
うに移動させる方向をを負の方向とする。
【0022】本実施例では、図4に示すようにラインセ
ンサ41によりAFライン93上の1ラインを読み取っ
た出力値を、LS1 、LS2 、LS3 、……とし、横軸
に原稿の主走査方向の読み取り位置、縦軸に出力値をと
った折れ線グラフを考え、この線の道のりの全長LM1
+LM2+……が大きいほどフォーカスが合っていると
判断している。
【0023】ラインセンサ41の各素子による読み取り
位置間の距離を定数dとすると、例えば1番目の素子の
出力値と2番目の素子の出力値との間の道のり長さLM
1と、2番目の素子の出力値と3番目の素子の出力値と
の間の道のり長さLM2は下記の式で表され、以後の素
子についも同様である。すなわち、隣接する読み取り位
置間の距離の平方値と隣接する読み取り位置での出力値
の差の平方値との和の平方根を計算している。
【0024】
【数1】
【0025】本実施例では、道のりの長さを相対的に比
較するため、定数dの値は任意の値であってよく、ここ
ではd=1とする。したがって、n個の素子による読み
取り値についての道のり長さ全長LMTは下記の式で表
される。本実施例では、この道のり長さ全長LMTの値
を合焦の度合いを示す値として用いている。
【0026】
【数2】
【0027】ここで、図5に示すように、原稿ガラス1
1上面のR1−R2線上にフォーカスが合っている基準の
位置において、R1−R2線から集光レンズ42の主点M
までの距離をL1として、R1−R2線上のA点が集光レ
ンズ42を通してラインセンサ41上のa点の素子で読
み取られるとする。ラインセンサ41の全素子数をNと
したときに、a点はラインセンサ41の端からP1番目
の素子、ラインセンサ41の中央からはN1番目の素子
であり、N1=(N/2)−P1である。
【0028】集光レンズ42とラインセンサ41とを含
むレンズキャリッジ40を正方向にxmm移動させると、
a点の素子に対応してフォーカスが合う位置は、A点か
ら原稿ガラス11の上側にxmmの位置のA’点になる。
したがって、ラインセンサ41のP1番目の素子でR1
2線上を読み取る位置はA点からY1mmだけ離れたB点
となる。
【0029】このように、レンズキャリッジ40を移動
させて原稿ガラス11上面から集光レンズ42までの距
離を変更した場合、ラインセンサ41の同一の素子で読
み取る原稿の位置が異なってしまう。レンズキャリッジ
40を移動させた後にA点を読み取るためには、原稿ガ
ラス11の上側にxmmの位置のR1’−R2’線上でA’
点からY2mmだけ離れたC点でフォーカスが合うよう
に、ラインセンサ41のP1番目の素子からΔPだけず
れたP2番目の素子でR1−R2線上を読み取る必要があ
る。また、三角形OMAと三角形ABA’は相似であ
り、線分OAの長さはN1に比例し、Y2の長さはΔPに
比例し、かつL1 に対してxは十分に小さくY2≒Y1
みなすことができるため、下記の式が成り立つ。
【0030】
【数3】
【0031】したがって、補正後のラインセンサ41上
での素子の位置P2は、下記のように表すことができ
る。
【0032】
【数4】
【0033】上記のようにして、レンズキャリッジ40
を移動させて原稿ガラス11上面から集光レンズ42ま
での距離を変更した場合でも、レンズキャリッジ40の
移動距離xと基準の位置での読み取り素子の位置P1に
応じて、読み取りに用いる素子の位置P2を求めること
により、原稿を主走査方向に同一箇所を読み取ってフォ
ーカスの調整を行うことができる。
【0034】AFラインが1ラインのみの場合には、レ
ンズキャリッジ40の移動方向が光路に対して完全に平
行でない場合には、レンズキャリッジ40の移動により
読み取り位置が副走査方向にずれることがある。本発明
によれば、副走査方向の読み取り位置のずれによる誤差
を緩和するために、複数のAFラインを読み取り、各A
FラインにおけるLMTの合計値LMTTを計算し、そ
の大きさを比較することにより、フォーカスの合う位置
を検出することができる。
【0035】本発明の第1実施例によりフォーカスが合
う位置を検出する手順のフローチャートを図1に示す。
【0036】フォーカスを合わせる時は、まずステップ
S11でレンズキャリッジ40を負の方向の限界まで、
本実施例では基準の位置から−3.0mmの位置まで移動
させる。
【0037】ステップS12では、第1キャリッジ20
をAFラインの最初の位置に移動させる。
【0038】ステップS13では、光源21を点灯させ
て原稿を照射し、ラインセンサ41の所定の範囲の素子
に集光された光を電気信号に変換する。変換された信号
はデータ検出部2でデジタル化され、制御装置3のメモ
リに記憶される。
【0039】ステップS14では、ステップS13でデ
ジタル化された読み取りデータに基づいて、制御装置3
のCPUにより道のり全長LMTを計算し、制御装置3
のメモリに記憶する。
【0040】ステップS15では、読み取りラインがA
Fラインの最終位置、本実施例ではAFラインの最初の
位置から10ライン目であるかを判断し、最終位置であ
ればステップS17に進み、そうでなければステップS
16で第1キャリッジ20を1ライン分移動させてステ
ップS13に戻って次のラインで道のり全長LMTの計
算を繰り返す。
【0041】ステップS17では、各AFラインにおけ
るLMTを合計してLMTTを求め、レンズキャリッジ
40の位置と共に制御装置3のメモリに記憶する。
【0042】次にステップS18では、レンズキャリッ
ジ40の位置が正の方向で限界の位置、本実施例では
3.0mmの位置にあるかどうかを判断し、限界の位置に
あればステップS20に進み、そうでなければステップ
S19でレンズキャリッジ40を正の方向へ所定のピッ
チ、本実施例では0.5mm移動させ、ステップS12に
戻って道のり全長LMTの合計値LMTTの計算を繰り
返す。
【0043】ステップS20では、制御装置3のメモリ
に記憶されたLMTTの値が最大となるときのレンズキ
ャリッジ40の位置を求める。ステップS21ではステ
ップS20で求めた位置にレンズキャリッジ40を移動
させて、フォーカスの調整が完了する。
【0044】図6は、自然画の原稿について上記のよう
にして副走査方向に10ラインで主走査方向に640の
点からなるAFラインを読み取った場合の、レンズキャ
リッジ40の移動距離に応じたLMTTの値と、8lp
/mm(1mm間に8ラインペアを含む)のラダーチャート
を読み取り、汎用評価試験を行って求めたMTF値とを
比較したものである。MTF値は、ラダーチャートを読
み取った信号の最大値Smaxと最小値Sminとから、下記
の式で求められる。
【0045】
【数5】
【0046】図6に示すように、LMTT値のグラフと
MTF値のグラフは同様なグラフ波形となっており、ピ
ーク位置の誤差は0.5mmであった。LMTT値のピー
ク位置におけるMTF値はMTF値の最大値にほぼ等し
いため、LMTT値のピーク位置を検出することによ
り、ほぼフォーカスの合う位置を検出することができる
ということがわかる。
【0047】(第2実施例)第1実施例では、連続した
複数のAFラインを読み取ってフォーカスを調整した
が、間隔を開けて複数のAFラインを読み取ってフォー
カスを調整することもできる。
【0048】本発明の第2実施例では、10ラインのA
Fラインのうち例えば奇数ラインを読み取ることによ
り、1ラインおきに5つのラインを読み取っているた
め、読み取り時間を短縮しながら、10ライン分に近い
読み取り範囲を確保している。
【0049】図7は、自然画の原稿について副走査方向
1ラインおきに5ライン、主走査方向に640の点から
なるAFラインを読み取った場合のレンズキャリッジ4
0の移動距離に応じたLMTTの値と、8lp/mm(1
mm間に8ラインペアを含む)のラダーチャートを読み取
り、汎用評価試験を行って求めたMTF値とを比較した
ものである。
【0050】第1実施例と同様に、LMTT値のグラフ
とMTF値のグラフは同様なグラフ波形となっており、
ピーク位置の誤差は0.5mmであった。LMTT値のピ
ーク位置におけるMTF値はMTF値の最大値にほぼ等
しいため、LMTT値のピーク位置を検出することによ
り、ほぼフォーカスの合う位置を検出することができる
ということがわかる。したがって、第1実施例と比べて
読み取りラインの数を減らすことによりフォーカス調整
にかかる時間を短縮しながら、第1実施例とほぼ同様の
効果を得ることができる。
【0051】(第3実施例)第1、第2実施例では、レ
ンズキャリッジ40を光路長が最も長くなる位置から最
も短くなる位置まで所定のピッチで移動させて、それぞ
れの位置で原稿を読み取って道のり全長LMTまたは道
のり全長の複数のラインにおける合計LMTTを計算
し、その中からLMTまたはLMTTが最大になる位置
を検出している。例えば、上記の例のように、レンズキ
ャリッジ40を基準の位置に対して−3.0mmから3.
0mmまで0.5mmのピッチで移動させた場合には、13
回の読み取りおよび計算が必要である。
【0052】本発明の第3実施例では、図8に示すよう
に、まずレンズキャリッジ40を基準の位置に対して−
3.0mmの位置から3.0mmまでを1.5mmのピッチで
粗く移動させて〜の5つの位置で読み取りおよび計
算を行う。次に、〜の5つの位置の中でLMTまた
はLMTTの計算値が最も大きい位置と、その両隣のう
ち計算値が大きい位置を検出する。図9に示す例では、
とが検出される。そして、レンズキャリッジ40を
ととの間の位置を0.5mmのピッチで細かく移動さ
せてとの位置で読み取りおよび計算を行う。、
、およびの中でLMTTが最大となる位置、図8
に示す例ではの位置が全体の中でLMTTが最大とな
る位置になる。したがって、7回の読み取りでフォーカ
スの合う位置を0.5mmのピッチで検出することができ
る。このようにして、第1、第2実施例よりも、道のり
が最大になる位置を検出するまでに原稿を読み取る回数
および計算回数を低減することができる。したがって、
フォーカスを調整するのに必要な時間を短縮することが
できる。
【0053】上記の複数の実施例では読み取り値の道の
り長さ全長を計算して、その計算値が最大値となるとき
にフォーカスが合っていると判断したが、隣接する読み
取り位置における読み取り値の差の絶対値の合計を計算
した値によりコントラストの大きさを求め、コントラス
トが最大となるときにフォーカスが合っていると判断す
る方法など、他の方法により合焦の度合い示す値を算出
する場合でも、本発明は同様の効果を得ることができ
る。
【0054】以上述べたフォーカス調整によれば、原稿
ガラス面から離れた位置にもフォーカスを合わせること
ができ、最適な画像読み取りが可能となる。
【0055】また、原稿から集光レンズまでの光路長が
変わっても画像の読み取り範囲を同一にすることができ
るため、例えば、意図的にフォーカスをずらして、ぼや
けた画像として読み取りたい際にも、フォーカスの調整
されたピントの合った画像と同一範囲の画像を読み取る
ことができる。
【0056】また、上記の実施例では原稿ガラス11の
上に反射原稿を置いて原稿ガラス11の下側の光源21
から原稿を照射する画像読み取り装置について説明した
が、原稿ガラスの上側から透過原稿を照射する画像読み
取り装置においても本発明は同様の効果を得ることがで
きる。例えば、ネガフィルム等のフィルム82のような
透過原稿を図9に示すようなフィルムホルダ81等によ
って保持し、原稿ガラス面から離れた位置にフィルム8
2が置かれた場合にも、本発明を適用できるのはもちろ
んのことである。
【0057】従来のフラットベッドスキャナで透過原稿
のフィルム82を読み取る際には、フォーカスを合わせ
るために原稿ガラス面に直接フィルム82をセットしな
ければならなかった。そのため、フィルム82と原稿ガ
ラスとの間で光源の照射光による干渉が生じて、干渉縞
(いわゆるニュートンリング)が発生してしまい読み取
り画像の品質が劣化するという問題があった。また、フ
ィルム面と原稿ガラス面とが接触して擦れるため、埃な
どによってフィルム82に傷をつけてしまうという問題
もあった。本発明によれば、フィルムホルダ81等を採
用することにより、上述の問題も解決することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によりフォーカスを調整す
る方法のフローチャートを示す図である。
【図2】本発明の第1実施例による画像読み取り装置を
示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例による原稿上のフォーカス
位置指定画面の例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例によりラインセンサでAF
ライン上を読み取った出力値から道のりを求める説明図
である。
【図5】本発明の第1実施例の画像読み取り装置におい
てレンズキャリッジを移動させたときの読み取り位置の
ずれを説明する模式図である。
【図6】本発明の第1実施例によるキャリッジの移動距
離とLMTTおよびMTFとの関係を示す特性図であ
る。
【図7】本発明の第2実施例によるキャリッジの移動距
離とLMTTおよびMTFとの関係を示す特性図であ
る。
【図8】本発明の第3実施例によりフォーカスの合う位
置を求める方法を説明する模式図である。
【図9】本発明の実施例により透過原稿のフィルムを読
み取る場合に用いるフィルムホルダの一例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
2 データ検出部 3 制御装置 4 インターフェイス 11 原稿ガラス 20 第1キャリッジ 21 光源 30 第2キャリッジ 40 レンズキャリッジ 41 ラインセンサ 42 集光レンズ 100 画像読み取り装置 200 パソコン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿からの光を集光する集光レンズと、
    前記集光レンズからの光を電気信号に変換する複数の光
    電変換素子からなるラインセンサとを備える画像読み取
    り装置であって、 前記原稿と前記集光レンズとの間の光路長を調整可能な
    光路長調整手段と、 前記原稿上の複数のラインを前記ラインセンサにより読
    み取った信号を記憶し、各ラインで合焦の度合いを示す
    値を計算する手段と、 複数のラインにおける合焦の度合いを示す値の合計が最
    大になるように前記光路長調整手段に指令を出す制御手
    段とを備えることを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 【請求項2】 集光レンズにより原稿からの光を集光
    し、複数の光電変換素子からなるラインセンサにより前
    記集光レンズからの光を電気信号に変換する画像読み取
    り装置のフォーカス調整方法であって、 a)前記集光レンズと前記原稿との間の光路長を調整す
    る行程と、 b)前記ラインセンサにより原稿上の複数のラインを読
    み取り、各ラインで合焦の度合いを示す値を計算する行
    程と、 c)複数の光路長で前記a)、b)行程を繰り返す行程
    と、 d)複数のラインにおける合焦の度合いを示す値の合計
    が最大となるときの光路長を求める行程と、 e)前記集光レンズと前記原稿との間の光路長を前記
    d)行程で求めた光路長にする行程と、を含むことを特
    徴とする画像読み取り装置のフォーカス調整方法。
  3. 【請求項3】 前記b)行程では間隔をあけて複数のラ
    インを読み取ることを特徴とする請求項2に記載の画像
    読み取り装置のフォーカス調整方法。
JP9288759A 1997-10-21 1997-10-21 画像読み取り装置及びそのフォーカス調整方法 Withdrawn JPH11127314A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101762268A (zh) * 2008-12-23 2010-06-30 株式会社三丰 用于快速近似聚焦的系统和方法

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