JP4016762B2 - 非接触式icカードおよびその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カードの中にマイクロプロセッサとメモリのICチップを埋め込んだ非接触式あるいは非接触式・接触式兼用のICカード(Integrated Circuit Card)、ICタグ(Integrated Circuit Tag)、特に、アンテナとチップを組み合わせて2つの機能ユニットを持たせた2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵したハイブリッドICカードなどに最適な非接触式ICカードおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロプロセッサとメモリのICチップをカードに埋め込んだ接触式ICカード、あるいはアンテナコイルを内蔵した非接触式あるいは非接触式・接触式兼用のICカード、ICタグは、記憶容量が大きく演算機能を有するので、各種の分野で活用されている。
特に、最近は、2つ以上の情報媒体を1つのカードに収納したICカード、例えば、13.56MHzのHF(High Frequency)級高周波数と、125KHzのLF(Low Frequency)級低周波数のように、異なる2組の周波数アンテナコイルとICチップを内蔵させた2つの機能ユニット、あるいは磁気テープとICチップを内蔵させた2つの機能ユニットなどを持つハイブリッドICカードが注目されている。
【0003】
図6は、従来のハイブリッドICカードを示している。
図6のICカードは、外側アンテナとしてのHFコイル21とHFチップ22を組み合わせたHF機能ユニット24と、内側アンテナとしてのLFコイル26とLFチップ27を組み合わせたLF機能ユニット28と、HF機能ユニット24とLF機能ユニット28を一体化しているHF樹脂材シート25とLF樹脂材シート29を有する。
【0004】
図7は、従来の一般的なICカードの製造方法(工程a〜工程e)を、工程順に示している。
1)工程a
図7(a)に示すように、最初に、予めHFコイル21が形成されているHF樹脂材シート25と、HFチップ22のHF機能ユニット24、LFコイル26とLFチップ27のLF機能ユニット28、LF樹脂材シート29、および2枚の外装シート30、外装シート31が、それぞれ準備される。
2)工程b
図7(b)に示すように、HFコイル21を有するHF樹脂材シート25とLF樹脂材シート29の間に、LFコイル26とLFチップ27のLF機能ユニット28を挟むように配置する。
また、HF樹脂材シート25とLF樹脂材シート29の外側上下に、2枚の外装シート30、外装シート31を配置する。
3)工程c
つぎに、図7(c)に示すように、2枚の外装シート30、外装シート31の上下方向から、HF樹脂材シート25、LF樹脂材シート29の合わせて4枚を、熱プレス(図示省略)などにより加熱加圧する。
この加熱加圧により、双方の樹脂材シート25、29を軟化させて樹脂流動を起こさせ、LFコイル26とLFチップ27のLF機能ユニット28を、HF樹脂材シート25とLF樹脂材シート29の双方に食い込むように埋め込むことによって、一体化したカード(あるいはカード中間材32)を製造する。
また、予め絵柄などが印刷された2枚の外装シート30、外装シート31を用いて一緒に熱プレスして製造する場合もある。
4)工程d
図7(d)に示すように、一体化されたカード中間材32には、HFチップ22を埋め込むためのチップ穴23が切削される。
5)工程e
図7(e)に示すように、チップ穴23にHFチップ22を埋設し、HFコイル21とHFチップ22は電気的に接合されてHF機能ユニット24を有する所定のICカード33が作製される。
なお、カードを量産する場合は、樹脂材シート25、29と外装シート30、31に、長尺のロールシートなどを用いてシートを一緒に熱プレスしてカード中間材32を製造した後、工程の最後に、カード中間材32に打ち抜き加工あるいは切削加工などの仕上げ加工を加えて、所定のサイズを有するICカード33が製造される。
【0005】
図8、図9は、図7に示す従来の製造方法で作製したICカードを撮影した透視図を示している。
図8、図9によると、LFコイル26とLFチップ27を組み合わせたLF機能ユニット28が埋め込まれた近くに配置されているHF機能ユニット24のHFコイル21が、外側に向かって膨らんで歪んでいることが分かる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のICカードおよびその製造方法によると、LFコイルとLFチップを組み合わせたLF機能ユニットを、HF樹脂材シートとLF樹脂材シートの樹脂材に埋め込んで一体化するときに、HF機能ユニットのHFコイルが変形して、ICカードの電気的特性が損なわれるという問題があった。
(1)すなわち、2枚の外装シートの上下から、熱プレスにより加圧して、HF樹脂材シートとLF樹脂材シートを軟化させて樹脂流動を起こさせ、LFコイルとLFチップを組み合わせたLF機能ユニットを、HF樹脂材シートとLF樹脂材シートの領域内に熱プレスして埋め込んでいる(図7(c))。
このため、LFコイルとLFチップが熱プレス加工時の機械的な圧力を受けて埋め込まれるときに、樹脂流動領域RT(図7(b))では、LF樹脂材シートの流動樹脂が流動して、HF機能ユニットのHFコイルを押し広げる(図6の矢印方向)ことになる。
(2)この結果、当初、樹脂材シートの所定の位置に配置されていたHFコイルが、カードの外側方向に広げられて、HFコイルの変形(図8、図9)、またはHFコイルの断線、あるいはカード変形などの不良となる。
(3)特に、HFコイルが広がって変形した場合、周波数は低くなるなどアンテナの周波数特性が変化し、カードとカードリーダライター(カード読み書き装置)の共振周波数のずれが大きくなり、通信性能を低下させる。
(4)また、共振周波数のずれが大きくなると、カードに十分な駆動電力を供給できなくなって、通信距離の低下あるいは動作不能を招いたり、電波がノイズなどにより正しく送受信できないために、交信不能、または正しいデータが読み書きされるまでリトライして、通信時間が長くなり、通信性能を低下させる。
(5)さらに、アンテナの周波数特性の関係から、HFコイルとLFコイルを重なり合う状態に配置しようとしても、自由なコイル配置の設計ができないという課題があった。
【0007】
それ故、本発明の目的は、ICカード製造時の機能ユニット内のコイルの変形を抑止して、コイルの断線不良を低減し、しかも周波数特性のバラツキが小さく、通信性能の優れた非接触式または非接触式・接触式兼用の非接触式ICカードおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、アンテナとチップなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵する非接触式ICカードにおいて、
第1HFコイル(High Frequency coil)が、予め第1樹脂材シートに取り付けられている第1機能ユニットと、
前記第1機能ユニットに隣接して配置されており、かつ第2LFコイル(Low Frequency coil)と第2チップが、突出しないように予め第2樹脂材シートに埋設されている第2機能ユニットと、
前記第1HFコイルに電気的に接合されている前記第1機能ユニットの第1チップと、
前記第1樹脂材シートと前記第2樹脂材シートの両側面にそれぞれ配置されている2枚の外装シートを有し、
前記第1樹脂材シートの前記第1HFコイルと、前記第2樹脂材シートの前記第2LFコイルは、前記第2LFコイルの上面位置が、前記第1HFコイルの位置と同位置、または離れた下方に位置するように向かい合って隣接して配置されているとともに、
前記第1樹脂材シートと前記第2樹脂材シートと前記2枚の外装シートは、相互に貼り合わせられて一体化して2つの機能ユニットが1つのカードに内蔵して構成されていることを特徴とする非接触式ICカードを提供する。
【0009】
また、この発明は、上記の目的を達成するため、チップとアンテナなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵する非接触式ICカードの製造方法において、
第1機能ユニットの第1HFコイルを、予め片面に取り付けたポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)などの加熱により融着する融着性カード用樹脂製の第1樹脂材シートと、
第2機能ユニットの第2LFコイルと第2チップを、樹脂材の片面に突出しないように予め埋設したポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)などの加熱により融着する融着性カード用樹脂製の第2樹脂材シートを準備する第1ステップと、
前記第1樹脂材シートの前記第1HFコイルを取り付けた面側と、前記第2樹脂材シートの前記第2LFコイルと前記第2チップを埋設した面側を相互に貼り合わせる第2ステップにより、
2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵させて一体化することを特徴する非接触式ICカードの製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態によるハイブリッドICカードを示す平面説明図である。
図1のICカードは、HF用の第1機能ユニット4の外側アンテナとしての第1HFコイル1が予め取り付けられている加熱により融着する融着性カード用樹脂製の第1樹脂材シート5と、
内側アンテナとしての第2LFコイル6と第2チップ7からなるLF用の第2機能ユニット8が突出しないように予め樹脂材に埋設されている加熱により融着する融着性カード用樹脂製の第2樹脂材シート9と、
第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9の両外側にそれぞれ配置されている融着性カード用樹脂製の2枚の外装シート10,11と、
第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9に跨がって収納されている第1チップ2を有しており、
第1チップ2と第1HFコイル1は、電気的に接合されて第1機能ユニットを形成しているとともに、
第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9と2枚の外装シート10,11は、相互に貼り合わせられて一体化した2つの機能ユニットを内蔵する1つのカードに構成されている。
なお、第1HFコイル1と第2LFコイル6の関係位置は、周波数特性に応じた最良の通信性能が維持できるように配置される。
【0011】
図1の実施の形態の非接触式ICカードにおいては、アンテナとチップの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体が、採用する周波数(波長)の帯域に応じて、例えば、86mm×54mmサイズの1つのカードに内蔵され、厚さも適性値が設定される。
第1機能ユニット4は、例えば、13.56MHzのHF(High Frequency)級の高周波数領域の情報媒体を扱う第1HFコイル1と第1チップ2を有する。
また、第2樹脂材シート9に突出しないように埋設されている第2機能ユニット8は、例えば、125KHzのLF(Low Frequency)級の低周波数領域の情報媒体を扱う第2LFコイル6と第2チップ7を有するように設計される。
【0012】
図2は、図1のA−A断面図である。
図2によると、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)などの加熱により融着する融着性カード用樹脂製の第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9、およびポリ塩化ビニル(PVC)のような融着性カード用樹脂製の2枚の外装シート10,11の合わせて4枚のシートは、相互に貼り合わせられて一体化した2つの機能ユニットを内蔵する1つのICカードに構成されている。
コイル状に巻いた第1HFコイル1は、第1樹脂材シート5に取り付けられている。第1チップ2は、第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9に跨がって収納され、第1HFコイル1に電気的に接合されてHF用の第1機能ユニット4を形成している。
第2LFコイル6と第2チップ7からなるLF用の第2機能ユニット8は、突出しないように第2樹脂材シート9に埋設されている。
また、第1樹脂材シート5の第1HFコイル1と、第2樹脂材シート9の第2LFコイル6は、向かい合うように隣接して配置されており、第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9の貼り合わせ面JMは、第2LFコイル6の上面位置が、第1HFコイル1の位置と同位置、または離れた下方に位置して構成されている。この構成により、第1HFコイル1と第2LFコイル6のアンテナコイル同士が相互に重なり合うアンテナコイル配置の設計が許容される。
【0013】
(第2の実施の形態)(オフライン巻線機のコイルを用いる製造方法)
チップとアンテナなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵する非接触式、または非接触式・接触式兼用のICカードを製造する。
図3は、本発明の実施の形態によるハイブリッドICカードの製造方法(工程a〜工程g)を、工程順に示している。
1)工程a
つぎのICカード用の素材が、それぞれ準備される。
図3(a)に示すように、アンテナコイル用線材を、オフライン巻線機にかけて所定のコイル形状に巻いて形成した第1HFコイル1を、予め片面に取り付けた第1樹脂材シート5と、第1チップ2からなるHF用の第1機能ユニット4。予めコイル状に巻いた第2LFコイル6と第2チップ7からなるLF用の第2機能ユニット8と、第2樹脂材シート9。
ポリ塩化ビニル(PVC)製の2枚の外装シート10と外装シート11。
なお、第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9は、加熱により融着する融着性カード用樹脂として、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)製シートが準備される。
2)工程b
図3(b)に示すように、第2LFコイル6と第2チップ7からなるLF用の第2機能ユニット8を、第2樹脂材シート9の設計された所定の位置に仮付けする。仮付けは、第2LFコイル6を加熱加圧して、第2樹脂材シート9に融着させ、第2チップ7は粘性の高い熱硬化性接着剤により第2樹脂材シート9に粘着する。
3)工程c
図3(c)に示すように、第2LFコイル6と第2チップ7からなる第2機能ユニット8を仮付けした第2樹脂材シート9に、カバーシート(図示省略)を当てて熱プレス(図示省略)に載せ、約100℃の温度で熱プレス加圧して、第2LFコイル6と第2チップ7からなる第2機能ユニット8を、第2樹脂材シート9の片面に突出しないように埋設する。
この場合、樹脂流動領域RT(図3(b))では、第2LFコイル6と第2チップ7を埋め込むときに樹脂は流動するが、第2LFコイル6と第2チップ7は、所定の位置に埋め込むことができる。
4)工程d
図3(d)に示すように、第1HFコイル1を片面に融着させた第1樹脂材シート5の第1HFコイル1の面側と、第2LFコイル6と第2チップ7を突出しないように予め片面に埋設した第2樹脂材シート9の第2LFコイル6の面側を、向かい合うように配置し、さらに、第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9を挟むように、両側に2枚の外装シート10と外装シート11を、それぞれ配置する。
5)工程e
つぎに、図3(e)に示すように、外装シート10、第1樹脂材シート5、第2樹脂材シート9、外装シート11の4枚を、例えば、110℃の温度で熱加工プレスを加えて一体に貼り合わせ、カード中間材12を得る。なお、予め絵柄などが印刷された2枚の外装シート10、外装シート11を用いて一緒に熱加工プレスすることもできる。
6)工程f
図3(f)に示すように、一体化して得られたカード中間材12には、第1チップ2を埋め込むためのチップ穴3が切削により加工される。
7)工程g
図3(g)に示すように、チップ穴3にHF用の第1チップ2を埋設し、第1HFコイル1と第1チップ2を電気的に接合して、HF用の第1機能ユニット4を形成し、所定のICカード13が作製される。
この場合、工程gには、第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9に跨がって収納される第1チップ2を、第1樹脂材シート5の第1HFコイル1に電気的に接合して、HF用の第1機能ユニット4を形成する形態が含まれる。
【0014】
(第3の実施の形態)(HFコイルを直接形成するエンベデッド加工法)
チップとアンテナなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵する非接触式、または非接触式・接触式兼用のICカードを製造する。
第3の実施の形態において、図3の工程と異なる点は、つぎの通りである。
(工程a):
工程a(図3(a))において、第1HFコイル1は、アンテナ用線材を筒状の先端から繰り出すと同時に、加熱あるいは超音波などの接着用ヘッドを、XY装置の軌跡で駆動するか、あるいは所定のアンテナ形状に沿ってヘッドを駆動することによって、加熱により融着する融着性カード用樹脂としてのポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)製の第1樹脂材シート5の片面に、アンテナコイルを直接形成して配置し接着するエンベデッド加工によって、予めアンテナコイルを形成した素材が準備される。
その他の素材は、工程a(図3(a))の場合と同じである。
(工程b):(図3(b))と同じ。
(工程c):(図3(c))と同じ。
(工程d):(図3(d))と同じ。
(工程e):(図3(e))と同じ。
(工程f):(図3(f))と同じ。
(工程g):(図3(g))と同じ。
【0015】
(第4の実施の形態)(予め形成したコイル状アンテナを用いる製造方法)
チップとアンテナなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵する非接触式、または非接触式・接触式兼用のICカードを製造する。
第4の実施の形態において、図3の工程と異なる点は、つぎの通りである。
(工程a):
工程a(図3(a))において、第1HFコイル1は、アンテナコイル用線材を、オフライン巻線機にかけて所定のコイル形状に巻いて形成した第1HFコイル1と、第2LFコイル6が、準備される。第1HFコイル1は、当初、加熱により融着するポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)製の融着性カード用樹脂製の第1樹脂材シート5(HF用)の片面には、予め取り付けられていない。
その他の素材は、工程a(図3(a))の場合と同じである。
(工程b):
工程b(図3(b))において、第1HFコイル1を、第1樹脂材シート5の片面の設計された所定の位置に仮付けする。
その他の工程は、工程b(図3(b))の場合と同じである。
(工程c):
工程c(図3(c))において、第1HFコイル1を仮付けした第1樹脂材シート5と、第2LFコイル6と第2チップ7からなる第2機能ユニット8を仮付けした第2樹脂材シート9を、重ね合わせて仮止めし、中間樹脂材シートの組み合わせとする。
(工程d):
工程d(図3(d))において、第1樹脂材シート5と第2樹脂材シート9の組み合わせからなる中間樹脂材シートの両側に、2枚の外装シート10と外装シート11を、それぞれ配置する。
(工程e):(図3(e))と同じ。
(工程f):(図3(f))と同じ。
(工程g):(図3(g))と同じ。
【0016】
(第5の実施の形態)(長尺の樹脂材シート・外装シートを用いる製造方法)チップとアンテナなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵する非接触式、または非接触式・接触式兼用のICカードを製造する。
第5の実施の形態において、図3の工程と異なる点は、つぎの通りである。
(工程a):
工程a(図3(a))において、連続的に流れる生産工程が可能なように、カード用樹脂材として、長尺の加熱により融着するポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)製の第1樹脂材シート5、および第2樹脂材シート9の素材が準備される。
第1HFコイル1は、流れ生産に合わせて、連続的に第1樹脂材シート5の片面に、順次取り付けられる。
また、連続的に流れる生産工程が可能なように、2枚の外装シート10と外装シート11も、長尺のポリ塩化ビニル(PVC)のような融着性カード用樹脂製の素材が準備される。
その他の素材は、工程a(図3(a))の場合と同じである。
(工程b):(図3(b))と同じ。仮付けは連続的に行われる。
(工程c):(図3(c))と同じ。熱プレス加圧は連続的に行われる。
(工程d):(図3(d))と同じ。シートの配置は連続的に行われる。
(工程e):(図3(e))と同じ。熱プレス加圧は連続的に行われる。
(工程f):(図3(f))と同じ。
(工程g):(図3(g))と同じ。
【0017】
図4、図5は、本発明の実施の形態による製造方法により得られたICカードを撮影した透視図を示している。
図4、図5によると、第1機能ユニット4の第1HFコイル1(外側アンテナ)が、当初形成されたコイルアンテナの形状を保持しており、全く歪んでいないことが分かる。
【0018】
本発明の実施の形態によると、本発明は、非接触式ICカード、あるいは非接触式・接触式を兼用するICカードの他に、1つの情報媒体を1つのICカードに収納して、2つ以上のアクセス方法ができるコンビカードにも適用することができる。
【0019】
本発明の実施の形態において、通常、ICカードの製造方法は、ICカードの用途、収納する機能ユニット、生産枚数などに応じて、実施の形態のいずれかの製造方法が選択される。製造するICカードの枚数が少ない場合は、オフライン巻線機で製造したコイルアンテナを仮付けする製造方法が経済性に適している。大量に生産する場合は、樹脂材シートと外装シートとして、長尺のロールシートなどを用いてカードを製造することが好ましく、長尺の樹脂材シートに、チップとアンテナなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を、連続的に仮付けして熱プレスしたのち、長尺の外装シートと一緒に熱プレスしてカード中間材を製造し、工程の最後に、カード中間材に打ち抜き加工、あるいは切削加工などの仕上げ加工を加えて、所定のサイズを有する非接触式、または非接触式・接触式兼用のICカードを製造することができる。
【0020】
本発明の実施の形態において、第1樹脂材シート、第2樹脂材シート、および外装シートの材質としては、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)、ポリ塩化ビニル(PVC)の他に、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などの、加熱により融着する融着性カード用樹脂材シートを使用することができる。これら融着性カード用樹脂材シートを、熱プレスによって加熱加圧するときの加熱温度は、例えば、100℃から180℃の温度範囲の中から、使用する材質の種類に応じて加熱温度が選択される。
【0021】
本発明の実施の形態において、樹脂材シートにアンテナコイルを仮付けするときの加熱源あるいは接着剤は、使用する樹脂材シートの材質に合わせて、こて等による加熱融着、超音波の発熱作用による加熱、誘電加熱による融着、あるいは接着剤使用などが選択される。
【0022】
【発明の効果】
本発明の非接触式あるいは非接触式・接触式兼用の非接触式ICカードおよびその製造方法によると、HF用樹脂材シートに取り付けられているHFコイルに影響を与えることなく、LFコイルとLFチップをLF用樹脂材シートの樹脂中に埋め込むことができるから、樹脂流動に起因するHFコイルを押し広げる変形は防止され、HFコイルの断線不良も著しく低減できるという効果が得られる。しかも、本発明は、HFコイルの変形に伴う周波数特性のバラツキを小さく抑えることができるとともに、アンテナ周波数特性に応じて、HFコイルとLFコイルの重なり合うコイル配置の設計も可能となり、この結果、通信性能の優れた非接触式あるいは非接触式・接触式兼用の非接触式ICカードおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるハイブリッドICカードを示す平面説明図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】(a)ないし(g)は、本発明の実施の形態によるハイブリッドICカードの製造方法を工程順に示す断面説明図である。
【図4】本発明の実施の形態による製造方法により得られたICカードを撮影した透視図を示している。
【図5】本発明の実施の形態による製造方法により得られたICカードを撮影した透視図を示している。
【図6】従来のICカードを示す平面説明図である。
【図7】(a)ないし(e)は、従来のICカードの製造方法を工程順に示す断面説明図である。
【図8】従来の製造方法で作製したICカードを撮影した透視図を示している。
【図9】従来の製造方法で作製したICカードを撮影した透視図を示している。
【符号の説明】
1 第1HFコイル(外側アンテナ)
2 第1チップ(HF用)
3 チップ穴
4 第1機能ユニット(HF用)
5 第1樹脂材シート(HF用)
6 第2LFコイル(内側アンテナ)
7 第2チップ(LF用)
8 第2機能ユニット(LF用)
9 第2樹脂材シート(LF用)
10 外装シート
11 外装シート
12 カード中間材
13 ICカード(製品)
21 HFコイル(外側アンテナ)
22 HFチップ
23 チップ穴
24 HF機能ユニット
25 HF樹脂材シート
26 LFコイル(内側アンテナ)
27 LFチップ
28 LF機能ユニット
29 LF樹脂材シート
30 外装シート
31 外装シート
32 カード中間材
33 ICカード(製品)

Claims (6)

  1. アンテナとチップなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵する非接触式ICカードにおいて、
    第1HFコイル(High Frequency coil)が、予め第1樹脂材シートに取り付けられている第1機能ユニットと、
    前記第1機能ユニットに隣接して配置されており、かつ第2LFコイル(Low Frequency coil)と第2チップが、突出しないように予め第2樹脂材シートに埋設されている第2機能ユニットと、
    前記第1HFコイルに電気的に接合されている前記第1機能ユニットの第1チップと、
    前記第1樹脂材シートと前記第2樹脂材シートの両側面にそれぞれ配置されている2枚の外装シートを有し、
    前記第1樹脂材シートの前記第1HFコイルと、前記第2樹脂材シートの前記第2LFコイルは、前記第2LFコイルの上面位置が、前記第1HFコイルの位置と同位置、または離れた下方に位置するように向かい合って隣接して配置されているとともに、
    前記第1樹脂材シートと前記第2樹脂材シートと前記2枚の外装シートは、相互に貼り合わせられて一体化して2つの機能ユニットが1つのカードに内蔵して構成されていることを特徴とする非接触式ICカード。
  2. 前記第1機能ユニットは、所定のアンテナコイル形状を有するHF(HighFrequency)級の高周波数領域の情報媒体を扱う前記第1HFコイルが、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)などの加熱により融着する融着性カード用樹脂製の前記第1樹脂材シートに予め取り付けられて構成されるとともに、
    前記第2機能ユニットは、所定のアンテナコイル形状を有するLF(Low Frequency)級の低周波数領域の情報媒体を扱う前記第2LFコイルと前記第2チップが、予めポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)などの加熱により融着する融着性カード用樹脂製の前記第2樹脂材シートに突出しないように埋設して構成されていることを特徴とする2つの機能ユニットが1つのカードに内蔵している請求項1に記載の非接触式ICカード。
  3. 前記第1チップを有する前記第1機能ユニットの前記第1HFコイルは、前記第1樹脂材シートに平坦に配置されているとともに、
    前記第2機能ユニットの前記第2LFコイルと前記第2チップは、前記第2樹脂材シートの内側に埋設して配置されており、
    前記第1樹脂材シートと前記第2樹脂材シートを相互に貼り合わせて一体化したときに、前記第1HFコイルと前記第2LFコイルのアンテナコイル同士が、相互に重なり設計が許容できるように構成されていることを特徴とする2つの機能ユニットが1つのカードに内蔵している請求項1又は2に記載の非接触式ICカード。
  4. チップとアンテナなどの2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵する非接触式ICカードの製造方法において、
    第1機能ユニットの第1HFコイルを、予め片面に取り付けたポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)などの加熱により融着する融着性カード用樹脂製の第1樹脂材シートと、
    第2機能ユニットの第2LFコイルと第2チップを、樹脂材の片面に突出しないように予め埋設したポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)などの加熱により融着する融着性カード用樹脂製の第2樹脂材シートを準備する第1ステップと、
    前記第1樹脂材シートの前記第1HFコイルを取り付けた面側と、前記第2樹脂材シートの前記第2LFコイルと前記第2チップを埋設した面側を相互に貼り合わせる第2ステップにより、
    2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵させて一体化することを特徴する非接触式ICカードの製造方法。
  5. 前記第1樹脂材シートの片面に前記第1HFコイルを取り付ける前記第1ステップは、
    前記ポリエチレンテレフタレートグリコール(PET−G)などの加熱により融着する融着性カード用樹脂製の前記第1樹脂材シートの片面に、アンテナ用線材を繰り出してアンテナコイルを形成した後、加熱あるいは超音波などにより前記アンテナコイルを前記第1樹脂材シート上に接着させて、所定の形状を有する前記アンテナコイルを直接形成するエンベデッド加工によって、前記第1HFコイルを形成するステップを含んでいることを特徴とする2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵させて一体化する請求項4に記載の非接触式ICカードの製造方法。
  6. 前記第1樹脂材シートと、前記第2樹脂材シートを貼り合わせる前記第2ステップは、
    前記第1樹脂材シートと前記第2樹脂材シートの両側面に、それぞれ2枚のポリ塩化ビニル(PVC)などの融着性カード用樹脂製の外装シートを配置し、合わせて4枚のカード用樹脂製のシートを熱プレス加工によって貼り合わせるステップを含むとともに、
    前記第1樹脂材シートの前記第1HFコイルは、前記第1樹脂材シートと前記第2樹脂材シートに跨がって収納される第1チップに電気的に接合して、前記第1機能ユニットを形成するステップを含むことを特徴とする2つの機能ユニットを持つ2つ以上の情報媒体を1つのカードに内蔵させて一体化する請求項4又は5に記載の非接触式ICカードの製造方法。
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