JP4014583B2 - 流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、ランキンサイクルを構成する流体機械に関するものであり、特に冷媒の介在により熱源機の熱エネルギーを利用する技術に関するものである。
従来技術として、特許文献1に示される流体機械がある。これは、膨張機と圧縮機とを一つの密閉ケース内に組み込み、ランキンサイクルの作用によって生じる熱エネルギーを膨張機での回転動力に変換し、この回転動力で圧縮機を駆動して冷凍サイクルの運転を行なうものである。
特開平6−159855号公報
しかしながら、上記の従来技術では、ランキンサイクルを構成する部品が多く、且つ各々独立で取り付けられるため、サイクル全体の構成が複雑でスペースを必要とし、車両等には搭載が困難で、且つ高価なものになるという問題点があった。 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、構成を簡素としてコンパクト且つ低コストとできる流体機械を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、冷媒の圧力を上げる給液ポンプ部(1)、熱源機から供給される高温流体と給液ポンプ部(1)から供給される液冷媒とを熱交換させて液冷媒を加熱し蒸発させる蒸発加熱器(2)、その加熱された冷媒の熱エネルギーを回転動力へと変換する膨張機構部(4)、膨張機構部(4)から排出された冷媒を冷却する凝縮器(5)から構成されるランキンサイクル(Ra)の膨張機構部(4)と、回転動力により駆動される給液ポンプ部(1)と、回転駆動力を発生するモータ機構部(3)とを備え、膨張機構部(4)と給液ポンプ部(1)とモータ機構部(3)とで、それぞれの回転軸を一体的に連結した、もしくは回転軸(21)を共有し
前記給液ポンプ部(1)を、前記モータ機構部(3)および前記膨張機構部(4)に対して天地方向の下方に配置すると共に、前記凝縮器(5)にて冷却されて凝縮した液相冷媒が流入してくる液冷媒流入部(36)を、前記モータ機構部(3)もしくは前記膨張機構部(4)に対して天地方向の上方に配置し、
凝縮した液相冷媒を蓄える受液槽(16)を天地方向の最下部に配置したことを特徴とする。
これにより、部品構成を簡素としてコンパクトに構成できるうえ、コストを抑えることができ、車両などにも搭載が容易となります。また、従来のランキンサイクル(Ra)であれば給液ポンプ部(1)はモータなどで駆動し続けなければなりませんが、本発明ではランキンサイクル(Ra)を用いた膨張機構部(4)によって駆動することができるため、熱エネルギーが供給される限り膨張機構部(4)は回転軸(21)、すなわち給液ポンプ部(1)を駆動し続け、結果膨張エネルギーを受け続けてランキンサイクル(Ra)の運転を続けることができるようになります。よって起動すれば給電が不要となることより、省エネルギーとなります。
また、稼動中の液冷媒流入過程で液冷媒の冷却作用によって、モータ機構部(3)や膨張機構部(4)の効率が向上し、さらに省動力の効果を引き出すことができます。なお、各部を冷却した後の液冷媒は、自重によって最下部に配置した受液槽(16)へ溜まることとなります。
また、ランキンサイクル(Ra)の凝縮器(5)から供給される液冷媒は受液槽(16)内に溜まり、その冷媒溜まりから給液ポンプ部(1)が吸い込むことで、液冷媒中の気泡の量を少なくでき、給液ポンプ部(1)を効率の良い状態で稼動することができます。
請求項2に記載の発明によれば、膨張機構部(4)と給液ポンプ部(1)とモータ機構部(3)とを一つの密閉筐体(16〜18、31、33、52)内に収納したことを特徴としている。これにより、シャフトシール等複雑なシール部材を必要とせず、更にコストを抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、膨張機構部(4)と給液ポンプ部(1)とモータ機構部(3)とを同一のランキン冷媒中に配置したことを特徴としている。これにより、収納した各部が外気から隔絶されているので、腐食や漏電の懸念を払拭することができる。特にモータ機構部(3)の整流子(ブラシ)も冷媒中に収納されているため、コンミテータ(35a)との接触摺動時の放電が防止され、ブラシ寿命を延ばすことができる。
請求項に記載の発明によれば、膨張機構部(4)を、固定スクロール(52b)に対して可動スクロール(53)が公転運動を行なうスクロール型とすると共に、膨張機構部(4)と回転軸(21)とは、膨張機構部(4)の膨張運転による駆動力にて可動スクロール(53)の公転半径を増減する従動クランク機構(58)を介して連結されていることを特徴としている。また、請求項に記載の発明によれば、膨張機構部(4)と回転軸(21)とをワンウェークラッチ(45)を介して連結したことを特徴としている。これらにより、膨張機構部(4)が非稼動の時でもモータ機構部(3)や給液ポンプ部(1)の起動の支障とならない。
請求項に記載の発明によれば、モータ機構部(3)を膨張機構部(4)にて駆動することにより、モータ機構部(3)を発電手段として機能させたことを特徴としている。これにより、モータ機構部(3)とは別に発電装置を構成する必要がなくコストを抑えることができると共に小型化できる。例えば、車両等では熱源機としてエンジンの熱エネルギーを利用して発電するのでオルタネータを休止することができ、原動機としてのエンジンの燃費を改善することができる。
請求項に記載の発明によれば、モータ機構部(3)を直流モータとしたことを特徴としている。これにより、インバータ等が不要となって小型化でき、コストも抑えることができる。また、例えば車両等では車両用の直流電源をそのまま使用することができることからも搭載が容易となる。
請求項に記載の発明によれば、モータ機構部(3)は、モータとして回転駆動力を発生する場合と発電手段として起電力を発生する場合とで、同一方向に回転するようにしたことを特徴としている。これにより、ブラシの方向性に配慮する必要がなく、ブラシのジャンプ現象もなく安定的に稼動することができる。
請求項に記載の発明によれば、モータ機構部(3)と、電力を蓄える蓄電手段(72)とに接続し、モータ機構部(3)を制御すると共にモータ機構部(3)からの発電電力を蓄電手段(72)へ給電するモータ発電制御手段(71)を設けたことを特徴としている。これにより、ランキンサイクル(Ra)を円滑に起動することができると共に、起動後はモータ機能から発電機能へ円滑に切り替えることが可能となる。また、熱入力の多寡に応じ、膨張機構部(4)の効率を最高に維持した発電が可能となる。
請求項1に記載の発明によれば、蒸発加熱器(2)に対し、高温流体の上流側に、高温流体にて供給する熱量を制御する熱入力制御手段(74、75)を設けたことを特徴とする。これにより、電力需要の多寡に応じた発電ができると共に、熱源機の給熱変動があっても発電量を一定に保つことも可能である。また、膨張機構部(4)の効率を最高に維持した発電が可能となる。
請求項1に記載の発明によれば、膨張機構部(4)を、容量を任意に変えることのできる可変容量型としたことを特徴としている。これにより、ランキンサイクル(Ra)の運転条件に応じて膨張機構部(4)を最高効率点で稼動することが可能となる。また、電力需要に応じて過不足のない発電が可能となると共に、熱入力の多寡に応じたランキンサイクル(Ra)の運転が可能となる。
請求項1に記載の発明によれば、ランキンサイクル(Ra)で冷媒を冷却して凝縮させる凝縮器(5)、もしくはランキンサイクル(Ra)で熱源機から供給される高温流体と給液ポンプ部(1)から供給される液冷媒とを熱交換させて液冷媒を加熱し蒸発させる蒸発加熱器(2)、もしくはこれら両方の熱交換器(2、5)を一体的に結合したことを特徴としている。
これにより、部品構成を簡素としてコンパクトに構成できるうえ、コストを抑えることができ、車両等にも搭載が容易となる。特に、熱交換器が蒸発加熱器(2)と凝縮器(5)とを兼ねる場合は、この構成のみで搭載が可能となり、配管等も極限まで省略できて搭載容易なばかりでなく、コストを抑えることができる。
請求項1に記載の発明によれば、冷凍サイクルを構成する圧縮機構部(8)と回転軸を一体的に連結した、もしくは回転軸(21)を共有したことを特徴としている。これは、熱エネルギーを冷凍サイクルの冷媒圧縮仕事にも利用するものである。例えば車両であれば、空調の冷媒圧縮や発電を行なうことでエンジン駆動のコンプレッサやオルタネータを休止することができ、原動機としてのエンジンの負荷を低減して燃費を改善することができる。また、圧縮機構部(8)を一体的に連結されているので、部品構成を簡素としてコンパクトに構成できるうえ、コストを抑えることができ、車両等にも搭載が容易となる。
なみに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態における流体機械の構造を示す断面図である。本実施形態の流体機械は、機能から大別して、ランキンサイクルRaの熱エネルギーを回転動力に変換する膨張機(膨張機構部)4と、回転動力により駆動されてランキンサイクルRaの圧力を上げる給液ポンプ(給液ポンプ部)1と、回転駆動力を発生するモータ(モータ機構部)3とからなる。そして、膨張機4と給液ポンプ1とモータ3とでシャフト(回転軸)21を共有する構造となっている。尚、それぞれのシャフトを一体的に連結する形であっても良い。
まずランキンサイクルRaは、冷媒を供給する給液ポンプ1と、高温流体通路2aを通る例えばエンジン(熱源機)冷却水の熱で冷媒通路2bに供給された液冷媒を加熱して蒸発させる蒸発加熱器2と、高圧冷媒を膨張させて回転力を発生させる膨張機4と、冷媒を冷却して凝縮させる凝縮器5とを冷媒配管でこの順に順次接続して閉じたループを構成している。
また、膨張機4と給液ポンプ1とモータ3とを、一つの密閉ケース(密閉筐体)内に収納し、同一のランキン冷媒雰囲気下としている。本実施形態では、受液タンク(受液槽)16、シリンダブロック17、ハウジング18、バルブプレート19、ヨーク31、サポートプレート33、膨張機ハウジング52を、Oリング等のシール部材を介して合体し、図示しないボルト等によって締結して密閉ケースを形成している。
そして、給液ポンプ1をモータ3および膨張機4に対して天地方向の下方に配置すると共に、凝縮器5にて冷却されて凝縮した液相冷媒が流入してくる液冷媒流入部36は、モータ3もしくは膨張機4に対して天地方向の上方に配置している。また、起動する際、凝縮した液冷媒が受液タンク16に溜まるように、受液タンク16は天地方向の最下部に配置している。
まず膨張機4の構成と作動について説明する。図2は、図1中のA−A断面図であり、膨張機4の構造を示す。本実施形態の膨張機4は固定スクロール52bと可動スクロール53との二つの渦巻きが噛み合う、いわゆるスクロール型膨張機である。膨張機ハウジング52の中央に設けられた吸込口52aから流入した高圧ガス冷媒は、二つの渦巻きが噛み合ってできる作動室の中で膨張し、その膨張エネルギーによって可動スクロール53を回転駆動させながら外周側へと移動し、吐出通路52cを通って吐出口52dから流出する。
また、本実施形態の膨張機4とシャフト21とは、従動クランク機構58を介して連結されている。これは、膨張機4の膨張運転による駆動力にて可動スクロール53の公転半径を増減するものである。図3は、その従動クランク機構58の構造を示す斜視図であり、図4は、図3中のC視図である。シャフト21の端部にキー部21aを一体に形成しており、このキー部21aは、図4に示すようにシャフト21の中心を通る線に対して回転方向とは同方向にある角度θだけ傾くように形成されている。
一方、ブッシュ55には、キー部21aに嵌合して回転動力を受ける溝55aが設けられており、その溝55aは、キー部21aより溝の長手方向寸法が長いように設置されている。そして、その寸法差はブッシュ55の中心を通り、且つブッシュ55の移動方向に沿う直線上における固定スクロール52の渦巻き体と可動スクロール53の渦巻き体の密閉空間を形成する側の両渦巻き体間距離よりも小さくなっている。
溝の巾寸法については、ブッシュ55がキー部21aと接しつつ、長手方向へ円滑に摺動できるだけキー巾寸法より大きく設定してある。また、ブッシュ55には、可動スクロール53の公転運動による遠心力を相殺するように、バランスウェート56が一体に取り付けられている。図5は、力の作用によりブッシュ55が移動する方向を説明する図である。
図5(a)は膨張機4が駆動している状態で、図に示すように膨張機4からの駆動力F1が加わるとキー溝に沿ってブッシュ55を押し上げようとする分力F1θが発生し、シャフト21の中心からブッシュ55の中心までの距離、いわゆる可動スクロール53の公転半径Rが大きく(R1)なる。
また逆に、図5(b)は膨張機4が空転している状態で、図に示すように膨張機4からの空転抵抗F2が加わるとキー溝に沿ってブッシュ55を押し下げようとする分力F2θが発生し、シャフト21の中心からブッシュ55の中心までの距離、いわゆる可動スクロール53の公転半径Rが小さく(R2)なる。作動の詳細は本出願人が先に出願した特開平7−49090号公報に示す。次に、膨張機4の作動説明を含め、本流体機械の運転モードについて説明する。
<起動モード>
ランキンサイクルRaを起動する場合は、図示しない外部電源からモータ3に電圧を印加する。尚、モータ3は、ヨーク31内のステータ部34とロータ部35とから成り、ヨーク31の両端にサポートプレート32・33を構成してロータ部35を支持している。そして、モータ3が回転を始めると、シャフト21を共有する給液ポンプ1も稼動を開始する。
シャフト21が回転を始めると、これと連結されているフィードポンプ15も回転を開始し、フィードポンプ15の作用により受液タンク16内の液冷媒が吸い上げられ、吸入通路17aへ圧送される。尚、トロコイド型のフィードポンプ15の作用により、液冷媒に多少の気泡が混ざっていても確実にピストン13部分へ液冷媒を圧送できるようになっている。
また、シャフト21が回転するとクランクピン11がクランク運動をし、これと同軸上に装着されるベアリング12もクランク運動をする。ベアリング12の外輪と常時接するピストン13のシート部13aは、このクランク運動によって往復運動を与えられる。往路はクランクピン11およびベアリング12のクランク運動によって第1図中右側にシート部13aおよびこれと一体のピストン13が移動させられる。また、復路はピストン13のシート部13aに掛けられたばね20によって第1図中左側へ、シート部13aがベアリング12の外輪との接触を保ちつつピストン13が戻される。
このピストン13の往復運動によって、液状の冷媒が吸入・吐出される。ピストン13が復路で図1中左側へ移動すると、シリンダブロック17に穿たれたシリンダボア17bとピストン13の頂部に空間ができ、圧力が減圧され、差圧によって弁14が開き、吸入通路17aを通って液冷媒がシリンダボア17b内に流入する。ピストン13が往路に移行すると、ピストン13は第1図中右側に移動し、シリンダボア17b内が昇圧し、弁14は閉じられる。ピストン13の往路移動によって、シリンダボア17b内の液冷媒は吐出通路17cを通りランキンサイクルの高圧側へと吐出される。
昇圧され吐出された液冷媒は、ランキンサイクル中の加熱蒸発器2により熱エネルギーが与えられて気化された後、膨張機吸込口52aから膨張機4の内部に導入される。膨張機4内に流入したガス冷媒は、膨張しつつその膨張エネルギーによって膨張機4を駆動する。ところで、起動直後においては膨張機4の膨張仕事は十分に上がっておらず、シャフト21の回転駆動力の方が大きく、よって膨張機の可動スクロール53はモータ3の駆動によるシャフト21に引きずられる形となる。
しかし、シャフト21と可動スクロール53との間には従動クランク機構58が配置されているため、膨張機4が膨張運転による駆動力を発しない限り、従動クランク機構58の働きによって可動スクロール53の公転運動の公転半径が減じられ、よって可動スクロール53と膨張機ハウジング52の両者のスクロール渦巻きの間に隙間が生じ、可動スクロール53の公転運動によっては何も流体的な仕事(真空運転仕事やガス攪拌仕事)は行わず、可動スクロール53が公転することによる駆動力消費は極小さいものにすることができる。
尚、この可動スクロール53の空転を嫌う場合は、シャフト21と可動スクロール53の間に、従動クランク機構58の代わりにワンウェークラッチ等一方向駆動力伝達機構を配置して、可動スクロール53の引きずり運転を避けるようにしても良い(図13の第5実施形態参照)。運転開始から、シャフト21の駆動力に膨張機4の膨張仕事が到達するまで(即ち、膨張機4の膨張仕事<モータ3の回転駆動力)の間は従動クランク機構58もしくはワンウェークラッチの作用で膨張機4は空転状態であり、シャフト21(モータ)の回転を阻害しない。
膨張機4の膨張仕事が増し、ついにはシャフト21(モータ)の回転駆動力に到達すると、モータ3への電圧印加を止め、給液ポンプ1の駆動を膨張機4に肩代りさせる。この時初めて従動クランク機構58もしくはワンウェークラッチは空転から脱し、シャフト21と膨張機4とが一体となる。この作用によって、膨張機4の公転駆動力はシャフト21に作用し、給液ポンプ1の運転負荷を膨張機4が負担することになる。以降は、熱エネルギーが供給される限り、膨張機4はシャフト21、すなわち給液ポンプ1の駆動を続け、結果膨張エネルギーを受けつづけることができてランキンサイクルRaの運転を続けることとなる。
<発電モード>
上述したように起動した膨張機4によって、給液ポンプ1およびシャフト21は駆動されている。この時モータ3もシャフト21を共有しているが故に駆動されている。モータ3への電圧印加は止められているので、この駆動によりモータ3には逆に起電力が発生することとなる。すなわち、膨張機4の駆動によるモータ3の回転を今度は発電機として機能させて発電を行なうことになる。
よって熱エネルギーは膨張機4の作用によって発電し、この発電電力を他の補器等の電力負荷73に供給したり、蓄電池72に蓄電したりすることとなる。尚、モータ3には直流モータを用いると共に、モータとして回転駆動力を発生する場合と発電手段として起電力を発生する場合とで、同一方向に回転させるようにしている。
次に、本実施形態での特徴について述べる。まず、冷媒の圧力を上げる給液ポンプ1、熱源機から供給される高温流体と給液ポンプ1から供給される液冷媒とを熱交換させて液冷媒を加熱し蒸発させる蒸発加熱器2、その加熱された冷媒の熱エネルギーを回転動力へと変換する膨張機4、膨張機4から排出された冷媒を冷却する凝縮器5から構成されるランキンサイクルRaの膨張機4と、回転動力により駆動される給液ポンプ部1と、回転駆動力を発生するモータ3とを備え、膨張機4と給液ポンプ1とモータ3とでシャフト21を共有ししている。
これにより、部品構成を簡素としてコンパクトに構成できるうえ、コストを抑えることができ、車両等にも搭載が容易となる。また、従来のランキンサイクルであれば給液ポンプ1はモータ等で駆動し続けなければならないが、本実施形態ではランキンサイクルRaを用いた膨張機4によって駆動することができるため、熱エネルギーが供給される限り膨張機4はシャフト21、すなわち給液ポンプ1を駆動し続け、結果膨張エネルギーを受け続けてランキンサイクルRaの運転を続けることができる。よって起動すれば給電が不要となることより省エネルギーとなる。
また、膨張機4と給液ポンプ1とモータ3とを一つの密閉ケース内に収納している。これにより、シャフトシール等複雑なシール部材を必要とせず、更にコストを抑えることができる。また、膨張機4と給液ポンプ1とモータ3とを同一のランキン冷媒中に配置している。これにより、収納した各部が外気から隔絶されているので、腐食や漏電の懸念を払拭することができる。特にモータ3のブラシも冷媒中に収納されているため、コンミテータ35aとの接触摺動時の放電が防止され、ブラシ寿命を延ばすことができる。
また、給液ポンプ1を、モータ3および膨張機4に対して天地方向の下方に配置すると共に、凝縮器5にて冷却されて凝縮した液相冷媒が流入してくる液冷媒流入部36を、モータ3もしくは膨張機4に対して天地方向の上方に配置している。これにより、稼動中の液冷媒流入過程で液冷媒の冷却作用によって、モータ3や膨張機4の効率が向上し、さらに省動力の効果を引き出すことができる。
また、凝縮した液相冷媒を蓄える受液タンク16を天地方向の最下部に配置している。これにより、ランキンサイクルRaの凝縮器5から供給される液冷媒は受液タンク16内に溜まり、その冷媒溜まりから給液ポンプ1が吸い込むことで液冷媒中の気泡の量を少なくでき、給液ポンプ1を効率の良い状態で稼動することができる。
また、膨張機4を、固定スクロール52に対して可動スクロール53が公転運動を行なうスクロール型とすると共に、膨張機4とシャフト21とは、膨張機4の膨張運転による駆動力にて可動スクロール53の公転半径を増減する従動クランク機構58を介して連結されている。これにより、膨張機4が非稼動の時でもモータ3や給液ポンプ1の稼動の支障とならない。
また、モータ3を膨張機4にて駆動することにより、モータ3を発電手段として機能させている。これにより、モータ3とは別に発電装置を構成する必要がなくコストを抑えることができると共に小型化できる。例えば、車両等では熱源機としてエンジンの熱エネルギーを利用して発電するのでオルタネータを休止することができ、原動機としてのエンジンの燃費を改善することができる。
また、モータ3を直流モータとしている。これにより、インバータ等が不要となって小型化でき、コストも抑えることができる。また、例えば車両等では車両用の直流電源をそのまま使用することができることからも搭載が容易となる。また、モータ3は、モータとして回転駆動力を発生する場合と発電手段として起電力を発生する場合とで、同一方向に回転するようにしている。これにより、ブラシの方向性に配慮する必要がなく、ブラシのジャンプ現象もなく安定的に稼動することができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態におけるランキンサイクルRaと電気回路との概要を示す模式図である。コントローラ(モータ発電制御手段)71を設け、モータ3と、電力を蓄える蓄電池(蓄電手段)72とに接続している。そしてコントローラ71は、電気的な動作によってモータ3の運転を制御すると共に、モータ駆動回路を発電回路として切り替えてモータ3からの発電電力を蓄電池72へ給電するようにしている。
まず、モータ3を給液ポンプ1の駆動用として稼動する場合は、コントローラ71が蓄電池72からの電圧をモータ3に印加する。コントローラ71は更に印加電圧を調整し、給液ポンプ1の回転数を制御し冷媒の流量を調整する。また、モータ3を発電機として稼動する場合は、コントローラ71が発電電圧等を調整し、間接的に負荷(発電仕事量)を制御してモータ3の回転数やランキンサイクルRaの高低圧等の運転条件を調整するものである。次に、本流体機械の運転モードについて説明する。
<起動モード>
ランキンサイクルRaを起動する場合は、コントローラ71が蓄電池72等の外部電源からモータ3に電圧を印加する。起動初期においては給液ポンプ1が冷媒中の気泡を巻き込み易く、給液ポンプ1の効率を悪くさせる可能性があるため、低回転数から始動して徐々に回転数(印加電圧)を上げてゆく、等の制御をコントローラ71が行なう。
起動後にモータ3による駆動から膨張機4による駆動への切り替えもコントローラ71が行なう。これは、膨張機4の膨張仕事がモータ3の回転駆動力を上回るまでに至った時点で、コントローラ71はモータ3への電圧印加を止め、逆に発電負荷を与える。この切り替えはタイマーもしくはランキンサイクルRaの高圧等をモニターしておいて、判断して切り替えを行なう。
<発電モード>
起動モードから発電モードに切り替えた後、コントローラ71は発電量の制御を行なう。熱源機の給熱量が小さい場合は、コントローラ71が発電電圧を下げるなどしてモータ3への負荷を下げ、発電量も低下させる。逆に給熱量が多い場合は、コントローラ71が発電電圧を上げるなどしてモータ3への負荷を上げ、発電量も増加させる。給熱量の多寡は高温水温等をモニターしてコントローラ71にフィードバックするか、もしくはランキンサイクルRaの高圧をモニターしてコントローラ71にフィードバックしても良い。
こうしたコントローラ71による発電量の制御は、膨張機4の効率を最大限引き出す運転も可能とする。膨張機4は、吸込容積と吐出容積との比が決まっている。運転高低圧によっては、十分な膨張を経る前に吐出してしまう「不足膨張」やランキンサイクルRaの低圧に達してもなお膨張機4の作動室と吐出通路とが連通する吐出行程に達せず、低圧以下の膨張を行なう「過膨張」を行ってしまう。このいずれもが膨張機4の膨張仕事を引き出さなかったり、逆に膨張仕事をしなくてはならなかったりで、膨張機4の効率を下げてしまう。
膨張機4の持つ最高効率の運転条件となる高圧に調整するようにコントローラ71で調整することが可能である。高圧を上げるにはコントローラ71で発電負荷を上げ、回転数を下げれば良い。逆に高圧を下げるにはコントローラ71で発電負荷を下げ、回転数を上げれば良い。これらはランキンサイクルの低圧、高圧をモニターしてコントローラにフィードバックすることで行われる。また、ランキンサイクルRaにおいて膨張機4の入口・出口のガス冷媒温度をモニターして、よりきめ細かい制御を行なうことも可能である。
次に、本実施形態での特徴について述べる。モータ3と、電力を蓄える蓄電池72とに接続し、モータ3を制御すると共にモータ3からの発電電力を蓄電池72へ給電するコントローラ71を設けている。これにより、ランキンサイクルRaを円滑に起動することができると共に、起動後はモータ機能から発電機能へ円滑に切り替えることが可能となる。また、熱入力の多寡に応じ、膨張機4の効率を最高に維持した発電が可能となる。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態におけるランキンサイクルRaの模式図である。蒸発加熱器2に流入するエンジン冷却水(高温流体)の流路上流部に、熱入力制御手段として流量制御弁75およびこれのコントローラ(熱入力制御装置)74を構成したものである。コントローラ74は電気的な動作等によって流量制御弁75を制御することによってエンジン冷却水の流量を制御する。そして、エンジン冷却水の流量を制御することによって膨張機4および給液ポンプ1の回転数、モータ3による発電量を調整するものである。次に、本流体機械での発電モードについて説明する。
<発電モード>
コントローラ74および流量制御弁75による熱入力の制御は、発電量そのものを制御する。電力需要が多い時は流量を増し、逆に電力需要が少ない時は流量を減じる。また、一定の電力を供給する場合も、エンジン冷却水温度が下がった時は流量を増して熱入力を維持し、逆に水温が上がった時は流量を減じて熱入力(発電電力)が増すことを防ぐ。
更に、この制御によって膨張機4の効率を最高に引き出すことも可能となる。膨張機4が「不足膨張」に陥った時は流量を増しランキンサイクルRaの高圧を上昇させ、逆に「過膨張」を行ってしまう時は流量を減じ、ランキンサイクルRaの高圧を低下させる。これらの制御をするために、前述したようにランキンサイクルRaの低圧・高圧や膨張機4の入口・出口のガス冷媒温度等をモニターして行なう。 次に、本実施形態での特徴について述べる。蒸発加熱器2に対し、高温流体の上流側に、高温流体にて供給する熱量を制御する熱入力制御装置74および流量制御弁75を設けている。これにより、電力需要の多寡に応じた発電ができると共に、熱源機の給熱変動があっても発電量を一定に保つことも可能である。また、膨張機4の効率を最高に維持した発電が可能となる。
(第4実施形態)
図8の(a)は本発明の第4実施形態における可変容量型膨張機4の、非可変容量時のスプール部の状態を表す平面図であり、(b)は(a)中のB1−B1断面図である。スクロール型膨張機4のハウジング52の端板内にスプール穴52eを穿ち、そのスプール穴52eの開放端部は止め栓61によりシールしている。そして、スプール穴52eには穴内を往復動可能にバーベル型のスプール62、およびばね63を収納している。
制御弁64からの高圧ガス冷媒が高圧連通路52fから供給されると共に、低圧連通路52gは膨張機4内の低圧室と連通しているため、バーベル型スプール62の図中上下の圧力差によって、スプール62はばね63のばね力に対抗して図中下側へと降りる。この状態では、ハウジング52の端板に開けられた一対のバイパス穴52hはバーベル型スプール62の大径部によって塞がれ、膨張機4は所期(通常)の特性を保持して稼動する。
次に図9の(a)は図8の可変容量型膨張機4の、可変容量時のスプール部の状態を表す平面図であり、(b)は(a)中のB2−B2断面図である。制御弁64が高圧ガス冷媒の供給を止めると、バーベル型スプール62の図中上下の圧力差がなくなり、スプール62はばね63のばね力によって図中上側へと上がる。この状態では、ハウジング52の端板に開けられた一対のバイパス穴52hはバーベル型スプール62の大径部から外れ、隙間より吸込室へ高圧ガス冷媒が流入し、膨張機4は所期(通常)の特性から変化し、吸込容積大、膨張比小となる。尚、制御弁64は中間の圧力供給よって中間のスプール位置への制御も可能である。
図10は、図8・9の可変容量型膨張機4の、(a)非可変容量時と(b)可変容量時との吸込み容積の差を説明する説明図である。可変容量時の違いは、吸込行程終了(=膨張行程開始)の角度が変化し、それに伴って図に示すように吸込容積が大きくなっている。次に、本流体機械での発電モードについて説明する。
<発電モード>
第3実施形態で記述した「不足膨張」を起こしてしまうような状況の時は、バイパス穴52hを塞ぐように制御弁64によって制御し、吸込容積を小さくする。そうすると容積比(吐出容積/吸込容積)は大きくなり、「不足膨張」を防ぐことができる。逆に「過膨張」を起こしてしまうような状況の時は、バイパス穴52hを開けるように制御弁64によって制御し、吸込容積を大きくする。そうすると容積比(吐出容積/吸込容積)は小さくなり、「過膨張」を防ぐことができる。
このようにして「不足膨張」と「過膨張」とを防ぎつつ、ランキンサイクルRaの高低圧に応じて膨張機4の容積比を最適に調整し、膨張機4の最高効率条件で稼動させることが可能となる。この制御は、発電量の調整の手段ともなる。電力の需要が小さい時は、吸込容積が大きくなるように制御すると、膨張機4の回転数は、冷媒体積流量/吸込容積で与えられるため小さくなる。
本発明では膨張機4の回転数は給液ポンプ1の回転数でもあるため、膨張機4の回転数の低下は給液ポンプ1の回転数=冷媒体積流量であり、もって吸込容積の制御によって、ランキンサイクルRaの冷媒流量を電力需要に応じた最適量に調整することが可能となる。逆に電力の需要が大きい時は、吸込容積が小さくなるように制御し、膨張機4の回転数を上げ、給液ポンプ1の回転数を上昇させれば良い。これも吸込容積の制御によって、ランキンサイクルRaの冷媒流量を電力需要に応じた最適量に調整することが可能となる。
電力需要に応じた制御を説明したが、熱入力の多寡に応じた制御も可能である。熱入力が小さい時は、吸込容積が大きくなるように制御すると、膨張機4の回転数は小さくなる。膨張機4の回転数の低下は給液ポンプ1の回転数の低下、すなわち冷媒体積流量の低下をもたらす。もって吸込容積の制御によって、ランキンサイクルRaの冷媒流量を熱入力に応じた最適量に調整することが可能となる。
逆に熱入力が大きい時は、吸込容積が小さくなるように制御し、膨張機4の回転数を上げ、給液ポンプ1の回転数を上昇させれば良い。これも吸込容積の制御によって、ランキンサイクルRaの冷媒流量を熱入力に応じた最適量に調整することが可能となる。制御弁64の制御は、ランキンサイクルRaの高低圧やエンジン冷却水温のいずれか、あるいはいずれもモニターすることによって行われる。
次に、本実施形態での特徴について述べる。膨張機4を、容量を任意に変えることのできる可変容量型としている。これにより、ランキンサイクルRaの運転条件に応じて膨張機4を最高効率点で稼動することが可能となる。また、電力需要に応じて過不足のない発電が可能となると共に、熱入力の多寡に応じたランキンサイクルRaの運転が可能となる。
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態における流体機械の構成を示す正面図である。給液ポンプ1、モータ3、膨張機4が一体となった第1実施形態に更に熱交換器である蒸発加熱器2と凝縮器5とを一体的に構成している。これらの熱交換器2・5は図示しない締結手段によって給液ポンプ1、モータ3、膨張機4と一体化されており、給液ポンプ1が吐出する液冷媒は蒸発加熱器2に供給され、加熱蒸発した後膨張機4に流入し、膨張仕事をしたのち凝縮器5へ吐出される。そして凝縮器5で冷却凝縮した液冷媒が滞留することなく受液タンク16に流入する。
また、図12は図11に対して他の実施形態における流体機械の構成を示す正面図である。図12の実施例では、ブラケット65によって凝縮器5を給液ポンプ1、モータ3、膨張機4と一体化している。ブラケット65の内側にはウレタン等の緩衝材66を挟み込んでおり、給液ポンプ1、モータ3、膨張機4の運転に伴う振動が熱交換器(凝縮器5)に伝わるのを防いでいる。
次に、本実施形態での特徴について述べる。ランキンサイクルRaで冷媒を冷却して凝縮させる凝縮器5、もしくはランキンサイクルRaで熱源機から供給される高温流体と給液ポンプ部1から供給される液冷媒とを熱交換させて液冷媒を加熱し蒸発させる蒸発加熱器2、もしくはこれら両方の熱交換器2、5を一体的に結合している。
これにより、部品構成を簡素としてコンパクトに構成できるうえ、コストを抑えることができ、車両等にも搭載が容易となる。特に、熱交換器が蒸発加熱器2と凝縮器5とを一体的に構成している場合は、この構成のみでランキンサイクルの搭載が可能となり、配管等も極限まで省略できて搭載容易なばかりでなく、コストを抑えることができる。
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態における流体機械の構造を示す断面図である。図1に示した第1実施形態とは、膨張機4の更に上方に回転動力により駆動される冷凍サイクルの圧縮機(圧縮機構部)8を一体に構成している点が異なる。そして、給液ポンプ1・モータ3・膨張機4と圧縮機8とでシャフト21を共有している。
本実施形態での圧縮機8は、第1実施形態でのスクロール型膨張機4と同様の構造であり、圧縮部ハウジング81内の固定スクロールと可動スクロール82との二つの渦巻きが噛み合う、いわゆるスクロール型圧縮機である。圧縮機ハウジング81の外周に設けられた吸込口81aから流入した低圧ガス冷媒は、可動スクロール82の回転駆動により、二つの渦巻きが噛み合ってできる作動室の中で圧縮されながら中心側へと移動して吐出口81bから吐出される。尚、図13中の58は第1実施形態で説明した従動クランク機構である。
図14は、図13中のD−D断面図であり、膨張機4の構造を示す。本実施形態での膨張機4はロータリ型と称されるものである。高圧ガスを内部に導き、その膨張過程で生ずる仕事をシャフト21の回転動力として取り出すために、膨張機4は密閉された膨張行程作動室49を形成する。尚、膨張行程作動室49は、以下の構成でシールされながら囲まれることで形成されている。
シリンダ42の円筒状内壁と、これとロータ接触線51を形成しつつ配置されるスリーブ47の円筒状外壁で囲まれることで、まず三日月状の空間が形成される。更にベーン48の先端がスリーブ47の外壁とヒンジ部48aで結合されることにより、三日月状の空間が二つに区切られる。二つに区切られた空間の両端面は、フロントサイドプレート41・リヤサイドプレート43と、スリーブ47・ベーン48とがそれぞれ相対運動が可能なくらいの微小な隙間を持ち、且つシリンダ42の両端面には密着するように塞ぐことで、密閉された二つの作動室49・50が形成される。
ロータ46は、シリンダ42の内壁の中心からは偏心してワンウェークラッチ45を介してシャフト21に取り付けられている。スリーブ47は、そのロータ46の外周面に油膜を形成し、且つ互いの相対運動を許すくらいの隙間をもって覆うように嵌められる。リヤサイドプレート43にはロータ46と摺接する面側に環状通路43bが彫られており、且つこれと通ずるプレート吸込通路43aがリヤサイドプレート43の内部に穿たれている。プレート吸込通路43aの他方はヨーク31に設けられた膨張機吸込口31aへと通じている。
他方、ロータ46のリヤサイドプレート43と摺接する面に開口し、且つプレート環状通路43bと流体的に相通ずる軸方向吸込通路46aが軸方向にある深さを持って穿たれており、且つこれと通ずるように今度は半径方向へロータ46の表面まで到達する半径方向吸込通路46bが穿孔されている。また、スリーブ47のベーン48の近傍には半径方向に貫通したスリーブ吸込口47aが設けられている。
ヨーク31の膨張機吸込口31aから流入したガス冷媒は、リヤサイドプレート43内部のプレート吸込通路43aを通ってプレート環状通路43bに至り、これと常に同じ位置関係で摺接し開口しているロータ46の端面上の軸方向吸込通路46a内に流入し、半径方向吸込通路46b経由でスリーブ47に至り、その内壁面で堰き止められる。
但し、スリーブ47にはある角度範囲だけスリーブ吸込通路47aが穿たれているため、ロータ半径方向吸込通路46bがこれと開口するタイミングのみガス冷媒は、シリンダ42内部の部屋、膨張行程作動室49に流入する。シリンダ42には更に、ベーン溝42bが設けられており、ガス冷媒をシールしながら且つ相対運動可能なくらいの隙間をもって内部にベーン48を収納する。
尚、スリーブ47は、ベーン48とヒンジ部48aにて結合されているため、ベーン48と動きを共にし、ロータ46とは内壁面で摺動する。また、フロントサイドプレート41・リヤサイドプレート43とシャフト21の間は、シャフト21表面上に形成される微小な隙間でもって摺接する、いわゆる円筒シールによってシールされている。
次に、実際の作動について説明する。図15は、図13・14の構造における膨張機4の作動を説明する説明図である。(a)シャフト回転角度0°においてランキンサイクルRa側から高圧ガス冷媒が供給されると、ヨーク31→リヤサイドプレート43→ロータ46→スリーブ47と通って膨張行程作動室49に流入する。流入した高圧ガス冷媒は、シリンダ42の内壁・スリーブ47の外壁・ベーン48・フロントサイドプレート41・リヤサイドプレート43・ベーンヒンジ部48aおよびロータ接触線51によって囲まれた状態で膨張する。
この膨張エネルギーによって、スリーブ47はロータ接触線51を時計方向に移動させつつ、(b)シャフト回転角度90°の状態へ移行する。この時、膨張機ワンウェークラッチ45はシャフト21と一体化しており、シャフト21を同じ90°だけ回転させる。また、ベーン48は、スリーブ47とヒンジ部48aで係合しているので、90°への動きの間、ヒンジ部48aに引っ張られる形で飛び出す方向へ移動する。
(c)シャフト回転角度180°、および(d)シャフト回転角度270°では同様に密閉された高圧ガスが膨張を進めるに従い、スリーブ47を移動せしめ、90°〜270°の状態へと移行する。その間スリーブ47の動きは膨張機ワンウェークラッチ45を介してシャフト21に伝えられ、同じく180°〜270°へと回転させる。
そして、更に膨張が進むと(a)シャフト回転角度360°つまり0°に戻り、膨張行程作動室49にあった高圧ガスは0°の図で排出行程作動室50まで膨張し、移行したことになる。また、同時に新たな高圧ガスが流入する新たな膨張行程作動室49が形成されて出現している。このように高圧ガスが流入する限り、高圧ガスの膨張により膨張機4は上記した状態変化を繰り返す。そしてシャフト21は駆動され続ける。
次に、第4実施形態と同様に、上記膨張機4を可変容量型とした場合について説明する。図16は、その可変容量型膨張機4のフロントサイドプレート41の構造を示す図である。フロントサイドプレート41は、アウター41aとインナー41bの2部品に分割されている。アウター41aにはインナー41bの外径に僅かに大きい内径からなる中空形状が設けられており、その中空部にインナー41bが組み込まれている。そして、アウター41aに対してインナー41bは回転自在となっている。
インナー41bには膨張機4内部に繋がる吐出口41cが穿たれており、膨張行程を終えた冷媒ガスが本吐出口41cから排出され、図示しない吐出管を介してランキンサイクルRaを構成する回路へと送出される。インナー41bは、膨張機4の運転状態に応じ、内部あるいは外部からの信号を受けて、図示しないアクチュエータでアウター41aに対して回転方向(位相)を変化すべく回転させることができる。
図17は膨張機4の作動を説明する説明図である。前述で説明した膨張機4の作動を、吐出口41cを絡め、膨張行程と排出行程とを分けて更に説明する。前述したように、導入された高圧ガス冷媒は(a)シャフト回転角度0°の膨張行程作動室49の状態から膨張を進めシャフト回転角度360°すなわち0°の排出行程作動室50の状態へと移行する。この時の排出行程作動室50内のガス冷媒は、フロントサイドプレート41に穿たれた吐出口41cに通じ始めた状態になる。この排出行程作動室50の状態に至ると、高圧ガス冷媒は膨張を止め、ロータ46の回転によって吐出口41cから排出される排出行程に移行することとなる。
(b)シャフト回転角度90°〜(d)シャフト回転角度270°の排出行程作動室50はいずれも排出行程にあり、スリーブ47の動きに伴い、高圧ガス冷媒は吐出口41cから外部への排出が進む。よって、導入された高圧ガス冷媒は、吐出口41cと相通ずる位置(シャフト回転角度0°の排出行程作動室50の状態)に至るまで膨張し、以降、排出に移行することとなる。この切り替えは吐出口41cが作動室と通ずるか否かで決定される。換言すれば吐出口41cの位置で決定されることになる。
ここで例えば、低圧(排出側圧力)が高くなってくると膨張機4内の膨張行程のガス冷媒は早く(シャフト回転角度360°ではなく、例えば270°位で)排出すべきである。そうしないと膨張行程作動室49の圧力がランキン低圧より低い圧力となってしまい、冷媒ガスの膨張エネルギーを回収するのではなく、逆に低圧まで引っ張る減圧仕事を必要としてしまい、効率を悪化させる(これを過膨張現象という)。
しかし、シャフト回転角度270°の状態では、膨張行程作動室49は未だ吐出口41cに通じていないため排出できず、減圧仕事を始めてしまう。これとは逆に、ランキンサイクルRaの低圧が低くなる場合は、排出行程作動室50の冷媒ガスからまだ膨張エネルギーを引き出すことができるのにも関わらず、吐出口41cに通じるために排出行程に移行してしまう(これを不足膨張現象という)。これも膨張機の効率を悪化させる原因となる。
次に、図18は可変容量型膨張機4の可変作動を説明する説明図である。(a)シャフト回転角度0°:吐出口41cが図の位置の場合、膨張行程作動室49が360°の膨張行程を経て図の状態となり吐出口41cと通じる排出行程作動室50となり、排出行程に移行することは前述した。(b)シャフト回転角度270°:今、ランキンサイクルRaの低圧が上昇してきたとすると、フロントサイドプレート41のインナー41bを図示しないアクチュエータで内部あるいは外部からの制御信号にて半時計方向へ例えば90°回転させる。吐出口41cはシャフト回転角度270°の図の位置に移動する。この時吐出口41cに、より早く通じる排出行程作動室50が排出行程へと移行することになる。
シャフト回転角度0°の排出行程作動室50とシャフト回転角度270°の排出行程作動室50を比較すると、270°の方が0°より容積が小さくなっている。これは270°の方が膨張行程の途中で早く排出行程に移行することから当然であるが、言い換えればランキンサイクルRaの低圧が上昇している時には、シャフト回転角度0°の時のような過膨張を小さくできることである。よって、吐出口41cを移動することで、膨張機の効率を上げることができる。
(c)シャフト回転角度180°・(d)シャフト回転角度90°:ランキンサイクルRaの低圧が更に上昇する時は、吐出口41cを180°の位置、90°の位置と、より移動量を大きくすればより早期に、すなわち排出行程移行時容積を小さくすることができる。このように膨張機4の容積を可変とすることで、ランキンサイクルRaの状態に合わせ、膨張機4の最高効率点で運転することが可能となる。
また、本実施形態の流体機械は、第2実施形態と同様にコントローラ(モータ発電制御手段)71を設け、モータ3と、電力を蓄える蓄電池(蓄電手段)72とに接続している。そしてコントローラ71は、電気的な動作によってモータ3の運転を制御すると共に、モータ駆動回路を発電回路として切り替えてモータ3からの発電電力を蓄電池72へ給電するようにしている。
モータ3もしくは膨張機4にてシャフト21を共有している圧縮機8を駆動する。シャフト21が回転させられると従動クランク機構58を介し、可動スクロール82が公転運動することによって、これと噛み合う圧縮機ハウジング81と共同で冷凍冷媒を圧縮し、吐出口81bから図示しない冷凍サイクルに吐出され、冷房・冷蔵・冷凍等の仕事を成す。
また、膨張機4で駆動して圧縮機8での冷媒圧縮とモータ3での発電とを行なう場合、モータ3への動力分配によって膨張機4への負荷が増え、膨張機4の回転数が減少して冷媒圧縮性能も低減する。回転数が減少するとランキンサイクルRaの高低圧のバランスが変化し、膨張機4の効率が低下する懸念があるが、膨張機4には可変機能があるので最高効率点での稼動を維持することができる。
また、圧縮機8に膨張機としてスクロール型を適用した第1実施形態の如く可変容量機構を持たせても良い。圧縮機8を冷凍サイクルでの必要性能に応じて可変容量とすれば、冷媒圧縮性能への調整と共にランキンサイクルRaの高低圧をそれほど変化させずに(膨張機4への負荷を上げずに)円滑に発電への動力分配が可能となる。
次に、本実施形態での特徴について述べる。まず、膨張機4とシャフト21とをワンウェークラッチ45を介して連結している。これにより、膨張機4が非稼動の時でもモータ3や給液ポンプ1や圧縮機8の稼動の支障とならない。また、冷凍サイクルを構成する圧縮機8とシャフト21を共有している。これは、熱エネルギーを冷凍サイクルの冷媒圧縮仕事にも利用したものである。
例えば車両であれば、空調の冷媒圧縮や発電を行なうことでエンジン駆動のコンプレッサやオルタネータを休止することができ、原動機としてのエンジンの負荷を低減して燃費を改善することができる。また、圧縮機8を一体的に連結しているので、部品構成を簡素としてコンパクトに構成できるうえ、コストを抑えることができて車両等にも搭載が容易となる。
また、モータ3と、電力を蓄える蓄電池72とに接続し、モータ3を制御すると共にモータ3からの発電電力を蓄電池72へ給電するコントローラ(モータ発電制御手段)71を設けている。これにより、第2実施形態と同様にランキンサイクルRaを円滑に起動することができると共に、起動後はモータ機能から発電機能へ円滑に切り替えることが可能となる。また、熱入力の多寡に応じ、膨張機4の効率を最高に維持した発電が可能となる。また、発電電圧の制御をすることで冷凍サイクルの冷媒圧縮と発電との動力分配ができ、需要に応じた最適なランキン動力供給ができてエネルギー効率を良くすることができる。
(第7実施形態)
図19は、本発明の第7実施形態における流体機械の構造を示す部分断面図である。本実施形態の流体機械は、例えば車両の各種熱交換器に風を送風する送風ファン(ファン手段)30と、その送風ファン30を駆動するモータ9とに、例えばエンジンの排熱で冷媒加熱を行うランキンサイクルLでの膨張機4と冷媒の圧力を上げる給液ポンプ部1とを一体に構成したものである。よって、本流体機械は機能から大別して、エンジン補機としての送風ファン30と、ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力に変換する膨張機4と、冷媒の圧力を上げる給液ポンプ部1と、送風ファン30を駆動し、且つ膨張機4の回転動力を電気エネルギーに変換するモータ9とから構成されている。
そして、送風ファン30はモータ9のシャフト21に図示しないボルトによって一体的に締結されており、モータ9と膨張機4および給液ポンプ部1との回転軸間は膨張機ワンウェイクラッチ45を介して連結した構造となっている。但し、図19に示す実施形態のようにスクロール型の膨張機4を使用した場合は、膨張機ワンウェイクラッチ45に代って前述した第1実施形態と同様の従動クランク機構58を介して連結した構造であっても良い。
尚、回転動力を発生させるモータ9・ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力に変換するスクロール型の膨張機4・冷媒の圧力を上げる給液ポンプ部1は、前述した第1実施形態と同様の構造であるため、説明を省略する。図19のファン30は、周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)を用いている。膨張機4および給液ポンプ部1は、モータ9とは別のケース内に密閉的に収納されており、図示しないボルトによって締結されている。そして、膨張機4および給液ポンプ部1はランキンサイクル冷媒雰囲気下にあり、モータ9とはシャフトシール22によってシール分離されている。次に、本流体機械の作動について説明する。
<ランキンサイクル稼動時>
ランキンサイクルが稼動しているときは、膨張機4によって、給液ポンプ部1とモータ9のロータ92およびシャフト21が駆動されている。モータ9にはこの駆動によって起電力が発生する。すなわち膨張機4の駆動によるモータ9の回転を、今度は発電機として機能させて発電を行うこととなる。このときシャフト21を共有しているファン30も同時に駆動されている。すなわち、モータ9と同一回転数でファン30が駆動される。
これにより、熱エネルギーは膨張機4の作用によって発電し、この発電電力を他の補機に供給したり蓄電池に蓄電したりすることにより、オルタネータなどによる発電を不要とし、もって車両の省動力化を実現することができる。これと同時にファン30が運転されて放熱などに寄与する。逆に言えば放熱のために特別な電力を必要とせず、車両の省動力化を実現することができる。
更に、モータ9の発電負荷を回路上で調整することにより、ファン30の回転数を変えることができる。放熱をより必要とするときは、発電負荷を下げることによって膨張機4の回転数を上昇させ、ファン30の回転数をも上昇させることができる。このことは、回路上でモータ9の発電負荷を調整することによって、膨張機4の駆動力を発電機にとファン30とへ任意に分配できることを示している。
もちろん、放熱の必要性が低下したときは発電負荷を上昇させ、発電量を上昇させると共に、逆にファン30の回転数を低下させてファン30の仕事量を減らすこともできる。また、発電負荷を極めて小さくすれば膨張機4による実質的ファン30の単独運転も可能となる。
<ランキンサイクル非稼動時>
ランキンサイクルを稼動させる熱エネルギーが不足しているときは、膨張機4を駆動させることはできない。この時でも放熱の必要があるときがあり、ファン30を駆動させねばならない。このときは、図示しない外部電源から図示しない電力供給線を通じてモータ9に電圧を印加する。モータ9が回転を始めると、シャフト21を共有するファン30も稼動を開始する。
ところで、ランキンサイクルが非稼動であるので膨張機4は膨張仕事を行っておらず、膨張機の可動スクロール53はモータ9の駆動によるシャフト21に引きずられる形となる。しかし、シャフト21と可動スクロール53との間にはワンウェイクラッチ45(もしくは従動クランク機構58)が配置されているため、膨張機4は停止したままで可動スクロール53の引きずり運転を避けることができる。
尚、ファン30の回転数はモータ9に印加する電圧によって調整できることは言うまでもない。このランキンサイクル非稼動時のモータ9の運転によって、熱エネルギーが充分存在しないときでもファン30が運転でき、放熱を実現することができる。
<大風量必要時>
オーバーヒートが懸念されるような大きな放熱が必要な時は、ファン30の回転数を高いものにせねばならない。このときは膨張機4の運転と共に、モータ9に電圧を印加して電動機として回転させる。これにより、ファン30は膨張機4の駆動力にモータ9の駆動力が加算されて駆動されることとなり回転数も大きなものが得られるようになる。
<他の実施形態>
図20は、図19の流体機械における他の実施形態を示す部分断面図である。上述した構成では、エンジン補機としての送風ファン(ファン手段)30にシロッコ型ファンを用いていたのに対し、軸流型ファンを用いている点のみが異なる。これによっても上記と同様の作動と効果を得ることができる。尚、本発明は送風ファン30の型式を限定するものではなく、他の型式の送風ファンを用いても良い。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、エンジンの熱エネルギーによってランキンサイクルRaを稼動させているが、熱源機はエンジンに限るものではなく、熱入力も高温流体に限るものではない。また、膨張機4もスクロール型・ロータリ型に限るものではなく、その他の形式のものであっても良い。また、車両のみならず、例えばエンジン駆動式冷凍装置のような定置式のエンジン駆動システムにおける発電や圧縮機等の駆動に本発明を適用しても良い。
本発明の第1実施形態における流体機械の構造を示す断面図である。 図1中のA−A断面図であり、膨張機4の構造を示す。 従動クランク機構58の構造を示す斜視図である。 図3中のC視図である。 力の作用によりブッシュが移動する方向を説明する図である。 本発明の第2実施形態におけるランキンサイクルRaと電気回路との概要を示す模式図である。 本発明の第3実施形態におけるランキンサイクルRaの模式図である。 (a)は本発明の第4実施形態における可変容量型膨張機4の、非可変容量時のスプール部の状態を表す平面図であり、(b)は(a)中のB1−B1断面図である。 (a)は図8の可変容量型膨張機4の、可変容量時のスプール部の状態を表す平面図であり、(b)は(a)中のB2−B2断面図である。 図8・9の可変容量型膨張機4の、(a)非可変容量時と(b)可変容量時との吸込み容積の差を説明する説明図である。 本発明の第5実施形態における流体機械の構成を示す正面図である。 図11に対して他の実施形態における流体機械の構成を示す正面図である。 本発明の第6実施形態における流体機械の構造を示す断面図である。 図13中のD−D断面図であり、膨張機4の構造を示す。 図13・14の構造における膨張機4の作動を説明する説明図である。 図13・14の構造において可変容量型とした膨張機4のフロントサイドプレート41の構造を示す図である。 図16の構造における可変容量型膨張機4の作動を説明する説明図である。 図16・17の可変容量型膨張機4の可変作動を説明する説明図である。 本発明の第7実施形態における流体機械の構造を示す部分断面図である。 図19の流体機械における他の実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1 給液ポンプ(給液ポンプ部)
2 蒸発加熱器
3 モータ(モータ機構部)
4 膨張機(膨張機構部)
5 凝縮器
8 圧縮機(圧縮機構部)
16 受液タンク(密閉筐体、受液槽)
17 シリンダブロック(密閉筐体)
18 ハウジング(密閉筐体)
19 バルブプレート(密閉筐体)
21 シャフト(回転軸)
30 送風ファン(ファン手段)
31 ヨーク(密閉筐体)
33 サポートプレート(密閉筐体)
36 液冷媒流入部
45 ワンウェークラッチ
52 膨張機ハウジング(密閉筐体)
52b 固定スクロール
53 可動スクロール
58 従動クランク機構
71 コントローラ、モータ発電制御装置(モータ発電制御手段)
72 蓄電池(蓄電手段)
74 コントローラ、熱入力制御装置(熱入力制御手段)
75 流量制御弁(熱入力制御手段)
Ra ランキンサイクル

Claims (13)

  1. 冷媒の圧力を上げる給液ポンプ部(1)、熱源機から供給される高温流体と前記給液ポンプ部(1)から供給される液冷媒とを熱交換させて前記液冷媒を加熱し蒸発させる蒸発加熱器(2)、その加熱された冷媒の熱エネルギーを回転動力へと変換する膨張機構部(4)、前記膨張機構部(4)から排出された冷媒を冷却する凝縮器(5)から構成されるランキンサイクル(Ra)の前記膨張機構部(4)と、
    回転動力により駆動される前記給液ポンプ部(1)と、
    回転駆動力を発生するモータ機構部(3)とを備え、
    前記膨張機構部(4)と前記給液ポンプ部(1)と前記モータ機構部(3)とで、それぞれの回転軸を一体的に連結した、もしくは回転軸(21)を共有し
    前記給液ポンプ部(1)を、前記モータ機構部(3)および前記膨張機構部(4)に対して天地方向の下方に配置すると共に、前記凝縮器(5)にて冷却されて凝縮した液相冷媒が流入してくる液冷媒流入部(36)を、前記モータ機構部(3)もしくは前記膨張機構部(4)に対して天地方向の上方に配置し、
    凝縮した液相冷媒を蓄える受液槽(16)を天地方向の最下部に配置したことを特徴とする流体機械。
  2. 前記膨張機構部(4)と前記給液ポンプ部(1)と前記モータ機構部(3)とを一つの密閉筐体(16〜19、31、33、52)内に収納したことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記膨張機構部(4)と前記給液ポンプ部(1)と前記モータ機構部(3)とを同一のランキン冷媒中に配置したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の流体機械。
  4. 前記膨張機構部(4)を、固定スクロール(52b)に対して可動スクロール(53)が公転運動を行なうスクロール型とすると共に、前記膨張機構部(4)と前記回転軸(21)とは、前記膨張機構部(4)の膨張運転による駆動力にて前記可動スクロール(53)の公転半径を増減する従動クランク機構(58)を介して連結されていることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  5. 前記膨張機構部(4)と前記回転軸(21)とをワンウェークラッチ(45)を介して連結したことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  6. 前記モータ機構部(3)を前記膨張機構部(4)にて駆動することにより、前記モータ機構部(3)を発電手段として機能させたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流体機械。
  7. 前記モータ機構部(3)を直流モータとしたことを特徴とする請求項に記載の流体機械。
  8. 前記モータ機構部(3)は、モータとして回転駆動力を発生する場合と前記発電手段として起電力を発生する場合とで、同一方向に回転するようにしたことを特徴とする請求項8または9のいずれかに記載の流体機械。
  9. 前記モータ機構部(3)と、電力を蓄える蓄電手段(72)とに接続し、前記モータ機構部(3)を制御すると共に前記モータ機構部(3)からの発電電力を前記蓄電手段(72)へ給電するモータ発電制御手段(71)を設けたことを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の流体機械。
  10. 前記蒸発加熱器(2)に対し、前記高温流体の上流側に、前記高温流体にて供給する熱量を制御する熱入力制御手段(74、75)を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流体機械。
  11. 前記膨張機構部(4)を、容量を任意に変えることのできる可変容量型としたことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の流体機械。
  12. 前記ランキンサイクル(Ra)で冷媒を冷却して凝縮させる凝縮器(5)、もしくは前記ランキンサイクル(Ra)で熱源機から供給される高温流体と前記給液ポンプ部(1)から供給される液冷媒とを熱交換させて液冷媒を加熱し蒸発させる蒸発加熱器(2)、もしくはこれら両方の熱交換器(2、5)を一体的に結合したことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の流体機械。
  13. 冷凍サイクルを構成する圧縮機構部(8)と回転軸を一体的に連結した、もしくは回転軸(21)を共有したことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の流体機械。
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