JP4079114B2 - 流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、ランキンサイクルを構成する膨張機構部と、その膨張機構部からの回転動力により駆動されるエンジン補機とから成る流体機械に関するものである。
従来技術として、特許文献1に示される流体機械がある。これは、膨張機と圧縮機とを一つの密閉ケース内に組み込み、ランキンサイクルの作用によって生じる熱エネルギーを膨張機での回転動力に変換し、この回転動力で圧縮機を駆動して冷凍サイクルの運転を行なうものである。
特開平9−250474号公報
しかしながら、上記の従来技術では、密閉ケース内で膨張機と圧縮機とが完結的に連結されているため、膨張機で発生する回転動力は圧縮機以外には利用できないものとなっている。また、上記従来技術の流体機械を車両に搭載して、車両エンジン等の熱機関の排熱を利用して圧縮機の駆動を行なおうとすると、走行状態によっては必ずしも充分な熱エネルギーを得られない場合がある。このような場合には圧縮機が運転できず、従って圧縮機によって循環される冷凍サイクルを用いた空気調和ができないという問題点がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、膨張機で発生する回転動力を、圧縮機のみならず色々な用途の機器に利用できるようにしたうえ、ランキンサイクルの熱エネルギーが充分に得られない場合でも連結した機器の駆動に支障を与えないようにした流体機械を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、エンジンが一時的に停止するアイドルストップ機能を有する車両の空調装置に使用される流体機械であり、エンジンの冷却水の熱を利用することにより、エンジンが発生する熱エネルギーを回転動力変換するランキンサイクル(L)の膨張機構部(4)と、回転動力により駆動され、かつ空調装置の冷凍サイクル(R)を構成する冷媒圧縮機構部(7)と、エンジンの回転動力を受けて、回転動力を冷媒圧縮機構部(7)に伝達するプーリ機構部(6)とを有し
膨張機構部(4)と冷媒圧縮機構部(7)とのそれぞれの回転軸を一体的に連結した、もしくは回転軸(21)を共有するとともに、膨張機構部(4)と冷媒圧縮機構部(7)とが同一のハウジング内に収容され、そこから外部に突出させた回転軸(21)の一端にプーリ機構部(6)が設けられ、
ランキンサイクル(L)と冷凍サイクル(R)における冷媒を同一の冷媒とし、アイドルストップ時でかつ車両の空調が必要とされるとき、膨張機構部(4)は、ランキンサイクル(L)により回転駆動され、それにより冷媒圧縮機構部(7)が回転駆動されることを特徴としている。これにより、エンジン停止状態でも排熱利用による冷媒圧縮機(7)、即ち空調装置の運転が可能となる。
また、ランキンサイクル(L)の熱エネルギーが充分に得られない場合は回転軸(21)に連結したエンジン等の駆動手段から回転動力を入力することにより、連結した冷媒圧縮機構部(7)の駆動に支障を与えない。また、駆動手段から回転動力が入力されない場合でも、ランキンサイクル(L)を用いた膨張機構部(4)が駆動手段となって冷媒圧縮機構部(7)を駆動することができる。また、駆動手段から回転動力が入力されている場合でも、膨張機構部(4)で発生する回転動力にて駆動手段を動力アシストすることができて省エネルギーとできる。
また、駆動手段からの回転動力を受け入れるために、プーリ機構部(6)を構成している。これにより、ランキンサイクル(L)の熱エネルギーが充分に得られない場合はプーリ機構部(6)にて連結したエンジン等の駆動手段から回転動力を入力することにより、連結した冷媒圧縮機構部(7)の駆動に支障を与えない。
また、ランキンサイクル(L)の冷媒加熱手段としてエンジンによって発生する熱を用いている。これは、冷媒圧縮機構部(7)を駆動するための熱源として容易に得られることによる。駆動手段をエンジンとして、そのエンジンの排熱を使ってランキンサイクル(L)の冷媒加熱を行なうようにすれば、エンジンで発生した熱エネルギーを回収して回転動力として還元することとなり、省エネルギー(省燃費)とできる。また、これは、膨張機構部(4)で発生する回転動力を、冷媒圧縮仕事に利用したものである。また、ランキンサイクル(L)と冷凍サイクル(R)とで同一の冷媒を用いている。これにより、膨張機構部(4)と冷媒圧縮機構部(7)との間の冷媒シールを厳密なものにしなくともよくなる。
請求項に記載の発明では、膨張機構部(4)は、容量を任意に変えることのできる可変容量型であることを特徴としている。ランキンサイクル(L)の高低圧は、外部環境による熱交換器の状態や得られる熱量、ランキン冷媒の流量等で大きく異なってくる。高低圧が大きく変わると、膨張機構部(4)の効率も大きく左右されてしまう。
ある運転条件を想定して設計緒元を決めた膨張機構部(4)の効率を最高点で運転するよう、ランキンサイクル(L)側の状態を一定に保つようにランキンサイクル(L)側を制御する方法もあるが、本発明では膨張機構部(4)を可変容量型とすることにより、ランキンサイクル(L)の運転条件に関わらず膨張機構部(4)の効率を最高に引き出すことができる。
請求項に記載の発明では、膨張機構部(4)の冷媒上流側に、冷媒の流入を断続させる開閉手段(3)を設けたことを特徴としている。エンジンを用いたシステムにおいて、冬季などの冷間始動では、冷えているエンジンを早期に温度上昇させないと燃費と排気ガスが悪化する。そのためエンジンの負荷を増すと共に暖機を得るためにビスカスカップリング等の補機をわざわざ取り付ける場合すらある。
このようなシステムに本流体機械を適用したうえ、エンジンを本流体機械の駆動手段とした場合、エンジンの暖機が必要な時に上記開閉手段(3)を閉じれば、エンジン始動時に回転軸(21)と共に膨張機構部(4)が回転させられ、膨張機構部(4)の入口側は冷媒の供給が止められているため真空に近づくまで減圧される。そしてこの減圧仕事により、エンジンへの負荷は増加し、暖機が速やかに行われるようになる。尚、暖機終了後は開閉手段(3)を開いてエンジン負荷を軽減するか、ランキンサイクル(L)運転に移行するものである。
尚、暖機を必要とせず、且つランキン運転をしない時は、膨張機構部(4)は回転軸(21)と共に回転し、負荷となって省動力に逆行するが、上記開閉手段(3)を開いておけば負荷はランキン冷媒の攪拌抵抗のみとなり、増加する負荷を無視しても良いくらい軽微なものにすることができる。
請求項に記載の発明では、膨張機構部(4)と回転軸(21)とを膨張機ワンウェイクラッチ(45)を介して連結したことを特徴としている。膨張機ワンウェイクラッチ(45)を介して連結することにより、膨張機構部(4)が停止していても回転軸(21)の回転、即ち冷媒圧縮機構部(7)の運転に支障を与えないのは勿論、駆動手段に対して増加する負荷を無視しても良いくらい軽微なものにすることができる。
請求項に記載の発明では、プーリ機構部(6)と回転軸(21)とを駆動入力ワンウェイクラッチ(61)を介して連結したことを特徴としている。これは、駆動手段が停止して膨張機構部(4)で冷媒圧縮機構部(7)を駆動する場合、駆動手段に連結しているプーリ機構部(6)と駆動入力ワンウェイクラッチ(61)を介して連結することにより、駆動手段が停止していても回転軸(21)の回転、即ち冷媒圧縮機構部(7)の運転に支障を与えないのは勿論、膨張機構部(4)に対して増加する負荷を無視しても良いくらい軽微なものにすることができる。
請求項に記載の発明では、プーリ機構部(6)は、トルク変動を吸収するダンパー部(62)、もしくは過大なトルクが掛かった場合に所定のトルク値以上で動力伝達を断つリミッタ部(63)を有することを特徴としている。これにより、冷媒圧縮機構部(7)および膨張機構部(4)のトルク変動を吸収することができる。また、冷媒圧縮機構部(7)がロックした場合等でも駆動手段に過大な負荷が掛からぬようプーリ機構部(6)が空転することで各機器に損傷を与えることを防止できる。
請求項に記載の発明では、膨張機構部(4)をプーリ機構部(6)と冷媒圧縮機構部(7)との間に配置したことを特徴としている。これにより、冷媒圧縮機構部(7)の構造を通常の冷媒圧縮機と同じとできるうえ、本流体機械を小型に構成することができる。
請求項に記載の発明では、冷媒圧縮機構部(7)は、圧縮容量を任意に変えることのできる可変容量型であることを特徴としている。これにより、駆動手段が停止して膨張機構部(4)のみで冷媒圧縮機構部(7)を駆動する場合、冷媒圧縮機構部(7)の圧縮容量を小さく制御して、膨張機構部(4)への負荷を軽くすることができる。また、前述したようなエンジンを用いたシステムにおいてエンジンを早く暖機したい時に、圧縮容量を大きく制御して駆動手段であるエンジンへの負荷を大きくすることもできる。
請求項に記載の発明では、膨張機構部(4)と冷媒圧縮機構部(7)との間を円筒シール(43b)にてシールしたことを特徴としている。これにより、シャフトシール(22)を設置する場合と比較して、本流体機械の組立を簡単にできると共に、コストを抑えることができる。また、シャフトシール(22)の緊迫力による機械損失を低減して、省燃費に対して更に有効となる。
請求項1に記載の発明では、冷媒圧縮機構部(7)の吐出ガス冷媒を減圧して、直接冷媒蒸発器(14)に流入させるホットガスバイパス運転の可能な冷凍サイクル(R)に適用したことを特徴としている。これは、前述したようにエンジンを早く暖機したい状況下では、エンジンの冷却水温も充分に高まっていないため、室内を暖房するための温水式ヒータも効かない。
そこで、前記のように冷媒圧縮機構部(7)をエンジン負荷とするために駆動させると共に、その冷媒圧縮機構部(7)から吐出されるガス冷媒を直接冷媒蒸発器(14)に流入させることにより、室内を早期に暖房して快適なものとすることができる。
請求項1に記載の発明では、回転軸(21)において、プーリ機構部(6)を連結した側とは反対側に膨張機構部(4)を連結する構造としたことを特徴としている。これにより、仕様によって膨張機構部(4)を付ける付けないがあっても、膨張機構部(4)以外の部分を共通化することが可能となる。
請求項1に記載の発明では、膨張機構部(4)は、固定スクロール(52b)に対して可動スクロール(53)が公転運動を行なうスクロール型であることを特徴としている。これは、スクロール型の膨張機構部(4)は回転軸(21)を貫通させなくとも良い構造であるため、構成を簡単なものとすることができる。
請求項1に記載の発明では、回転軸(21)と膨張機構部(4)とは、膨張機構部(4)の膨張運転による駆動力にて可動スクロール(53)の公転半径を増減する従動クランク機構(58)を介して連結されていることを特徴としている。これにより、膨張機構部(4)の膨張運転時には、固定スクロール(52)と可動スクロール(53)との間のシール性を向上させることができると共に、膨張機構部(4)の運転を停止させた時には回転負荷を軽くすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態における流体機械の構造を示す断面図である。本実施形態は、本流体機械を車両に搭載し、エンジンから回転動力を得て車両用空調装置の冷凍サイクルRでの冷媒圧縮機7を構成すると共に、エンジンの排熱で冷媒加熱を行なうランキンサイクルLでの膨張機4を一体に構成したものである。
本流体機械は、機能から大別して、ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力に変換する膨張機(膨張機構部)4と、エンジン補機としての冷媒圧縮機(冷媒圧縮機構部)7と、図示しないエンジン等の駆動手段から回転動力を受け入れるプーリ(プーリ機構部)6とからなる。そして、膨張機4と冷媒圧縮機7とプーリ6とでシャフト(回転軸)21を共有する構造となっている。
まずプーリ6は、冷媒圧縮機7および膨張機4のトルク変動を吸収するダンパー部62と、冷媒圧縮機7がロック等を引き起こした際にエンジンに過大な負荷を掛けぬよう、所定のトルク値以上で空転して動力伝達を断つリミッタ63部とを有するいわゆるDLプーリである。そして、プーリ6とシャフト21とは、駆動入力ワンウェイクラッチ61を介して連結されている。尚、プーリ6を設けずにシャフト21の一端を外部に突出させ、そこに駆動手段を連結させる構成であっても良い。
ランキンサイクルLは、冷媒を供給する給液ポンプ1と、冷却水通路2aを通るエンジン冷却水の熱で液冷媒通路2bを通る液冷媒を加熱して蒸発させる蒸発加熱器2と、高圧冷媒を膨張させて回転力を発生させる膨張機4と、冷媒を冷却して凝縮させる凝縮器5とを冷媒配管でこの順に順次接続して閉じたループを構成している。また、本実施形態では膨張機4の冷媒上流側に冷媒の流通を断続させる電磁弁等の開閉弁(開閉手段)3を設けている。
図2は、図1中のA−A断面図であり、膨張機4の構造を示す。尚、本膨張機4はロータリ型と称されるものである。高圧ガスを内部に導き、その膨張過程で生ずる仕事をシャフト21の回転動力として取り出すために、膨張機4は密閉された膨張行程作動室49を形成する。尚、膨張行程作動室49は、以下の構成でシールされながら囲まれることで形成されている。
シリンダ42の円筒状内壁と、これとロータ接触線51を形成しつつ配置されるスリーブ47の円筒状外壁で囲まれることで、まず三日月状の空間が形成される。更にベーン48の先端がスリーブ47の外壁とヒンジ部48aで結合されることにより、三日月状の空間が二つに区切られる。
二つに区切られた空間の両端面は、フロントサイドプレート41・リヤサイドプレート43と、スリーブ47・ベーン48とがそれぞれ相対運動が可能なくらいの微小な隙間を持ち、且つシリンダ42の両端面には密着するように塞ぐことで、密閉された二つの作動室49・50が形成される。
ロータ46は、シリンダ42の内壁の中心からは偏心して膨張機ワンウェイクラッチ45を介してシャフト21に取り付けられている。スリーブ47は、そのロータ46の外周面に油膜を形成し、且つ互いの相対運動を許すくらいの隙間をもって覆うように嵌められる。
リヤサイドプレート43にはロータ46と摺接する面側に環状通路43bが彫られており、且つこれと通ずるプレート吸込通路43aがリヤサイドプレート43の内部に穿たれている。プレート吸込通路43aの他方はフロントハウジング71に設けられた膨張機吸込口71aへと通じている。
他方、ロータ46のリヤサイドプレート43と摺接する面に開口し、且つプレート環状通路43bと流体的に相通ずる軸方向吸込通路46aが軸方向にある深さを持って穿たれており、且つこれと通ずるように今度は半径方向へロータ46の表面まで到達する半径方向吸込通路46bが穿孔されている。また、スリーブ47のベーン48の近傍には厚み方向に貫通したスリーブ吸込口47aが設けられている。
フロントハウジング71の膨張機吸込口71aから流入した冷媒ガスは、リヤサイドプレート43内部のプレート吸込通路43aを通ってプレート環状通路43bに至り、これと常に同じ位置関係で摺接し開口しているロータ46の端面上の軸方向吸込通路46a内に流入し、半径方向吸込通路46b経由でスリーブ47に至り、その内壁面で堰き止められる。
但し、スリーブ47にはある角度範囲だけスリーブ吸込通路47aが穿たれているため、ロータ半径方向吸込通路46bがこれと開口するタイミングのみ冷媒ガスは、シリンダ42内部の部屋、膨張行程作動室49に流入する。シリンダ42には更に、ベーン溝42bが設けられており、冷媒ガスをシールしながら且つ相対運動可能なくらいの隙間をもって内部にベーン48を収納する。
尚、スリーブ47は、ベーン48とヒンジ部48aにて結合されているため、ベーン48と動きを共にし、ロータ46とは内壁面で摺動する。尚、リヤサイドプレート43とシャフト21の間は、膨張機シャフトシール22によってシールされている。
次に、実際の作動について説明する。図3は、図1・2の構造における膨張機4の作動を説明する説明図である。(a)シャフト回転角度0°においてランキンサイクルL側から高圧ガスが供給されると、フロントハウジング71→リヤサイドプレート43→ロータ46→スリーブ47と通って膨張行程作動室49に流入する。流入した高圧ガスは、シリンダ42の内壁、スリーブ47の外壁、ベーン48、フロントサイドプレート41、リヤサイドプレート43、ベーンヒンジ部48a、およびロータ接触線51によって囲まれた状態で膨張する。
この膨張エネルギーによって、スリーブ47はロータ接触線51を時計方向に移動させつつ、(b)シャフト回転角度90°の状態へ移行する。この時、膨張機ワンウェイクラッチ45はシャフト21と一体化しており、シャフト21を同じ90°だけ回転させる。また、ベーン48は、スリーブ47とヒンジ部48aで係合しているので、90°への動きの間、ヒンジ部48aに引っ張られる形で飛び出す方向へ移動する。
(c)シャフト回転角度180°、および(d)シャフト回転角度270°では同様に密閉された高圧ガスが膨張を進めるに従い、スリーブ47を移動せしめ、90°〜270°の状態へと移行する。その間スリーブ47の動きは膨張機ワンウェイクラッチ45を介してシャフト21に伝えられ、同じく180°〜270°へと回転させる。
そして、更に膨張が進むと(a)シャフト回転角度360°つまり0°に戻り、膨張行程作動室49にあった高圧ガスは0°の図で排出高低作動室50まで膨張し、移行したことになる。また、同時に新たな高圧ガスが流入する新たな膨張行程作動室49が形成されて出現している。このように高圧ガスが流入する限り、高圧ガスの膨張により膨張機4は上記した状態変化を繰り返す。そしてシャフト21は駆動され続ける。
次に、冷媒圧縮機7の構造説明を含め、本流体機械の運転モードについて説明する。尚、本冷媒圧縮機7は、圧縮容量を任意に変えることのできる可変容量型であり、片斜板型可変容量コンプレッサと称されるものである。
<空調モード>
空調装置の稼動が必要な場合は、エンジンの回転動力をベルトとプーリ6とを介してシャフト21が回転させられ、シャフト21と一体的に取り付けられているラグプレート76も共に回転する。これによってラグプレート76と係合する斜板角度可変機構77および斜板78が回転し、シュー78aを介してピストン79は往復運動が与えられる。
これにより冷媒は圧縮され、図示しない冷凍サイクルR中を循環されて空調運転を成す。尚、72はクランクケース、73はシリンダケース、74はリヤハウジング、75はバルブプレートであり、周知の圧縮機構造であるため説明は省略する。
ここで冷房性能が多く求められない場合は、可変制御弁80への入力信号によって斜板78の傾斜角度を小さくし、ピストン79のストロークを減少させて冷媒圧縮機7の圧縮能力を減じ、必要冷房能力に応じてエンジンからの動力消費を減ずるようにしている。更に冷房性能を全く必要としない時は、斜板78の傾斜角度をゼロ(鉛直)すなわちピストンストロ−クをゼロとし、エンジンからの動力消費を極小とするゼロパーセント運転を行なう。
上記のような空調モードにおいてエンジン排熱が充分にない場合、ランキンサイクルL側の給液ポンプ1によるランキン冷媒の昇圧を作用させず、よって膨張機4には高圧ガスを供給しない。この時はもちろん膨張機4は運転を開始しない。シャフト21と膨張機4とは膨張機ワンウェイクラッチ45を介しているため、膨張機4が停止していてもシャフト21の回転、即ち冷媒圧縮機7の運転には支障を与えないのはもちろん、エンジンからの動力消費の増加分も微小なものに留まる。
これとは逆に、空調モードにおいてエンジン排熱がある場合、ランキンサイクルL側の給液ポンプ1によってランキン冷媒の昇圧を作用させ、高圧ガスを膨張機4に供給する。この高圧ガスの供給によって膨張機4は運転(回転)を開始する。回転開始から、シャフト21(冷媒圧縮機7)の回転速度に膨張機4の回転速度が到達するまで(即ち、膨張機4回転速度<シャフト21回転速度)の間は膨張機ワンウェイクラッチ45の作用で膨張機4は空転状態であり、シャフト21(冷媒圧縮機7)の回転を阻害しない。
この間、膨張機4には負荷が働かないため回転速度を増し、ついにはシャフト21(冷媒圧縮機7)の回転速度に到達する。この時初めて膨張機ワンウェイクラッチ45は空転から脱し、シャフト21と膨張機4とが一体となる。この作用によって、膨張機4の回転動力はシャフト21に作用し、冷媒圧縮機7を駆動する負荷を膨張機4が分担することになり、結果エンジンからの動力消費を減少させ、省動力を実現する。
<アイドルストップモード>
アイドルストップを始め、エンジンが停止している時も空調を稼動する必要がある場合、膨張機4の回転動力によって冷媒圧縮機7を運転する。エンジンが停止しても排熱が利用できる状態にある時は、ランキンサイクルLの稼動をエンジン停止に関わらず継続する。エンジンは停止しているため、ベルトを介してエンジンと直結しているプーリ6は停止状態にある。しかし、プーリ6とシャフト21の間には駆動入力ワンウェイクラッチ61が配置されていて空転が可能なため、プーリ6が停止状態でもシャフト21は膨張機4の回転動力により回転を継続する。
このシャフト21の回転により冷媒圧縮機7は運転を続行することができる。これにより、エンジン停止状態でも排熱利用による冷媒圧縮機7、即ち空調装置の運転が可能になる。逆に言えば、快適な室内空間を維持したままアイドルストップが可能となり、省燃費を実現する。尚、この状態ではエンジンからの回転動力がなくなり、膨張機4の回転動力のみで運転するため、冷媒圧縮機7は必要最小限の冷房能力のみを生じるよう、斜板78の傾斜角度が小さい小容量状態へと制御するものである。 次に、本実施形態での特徴について述べる。まず、ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力へと変換する膨張機4と、回転動力により駆動されるエンジン補機としての冷媒圧縮機7とを備え、膨張機4と冷媒圧縮機7とのそれぞれの回転軸を一体的に連結している。これにより、ランキンサイクルLを用いた膨張機4によって冷媒圧縮機7を駆動することができる。
また、ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力へと変換する膨張機4と、回転動力により駆動されるエンジン補機としての冷媒圧縮機7とを備え、膨張機4と冷媒圧縮機7とのそれぞれの回転軸を一体的に連結すると共に、シャフト21の一端を外部に突出させ、そこに駆動手段を連結している。
これにより、ランキンサイクルLの熱エネルギーが充分に得られない場合はシャフト21に連結したエンジンから回転動力を入力することにより、連結した冷媒圧縮機7の駆動に支障を与えない。また、エンジンから回転動力が入力されな場合でも、ランキンサイクルLを用いた膨張機4が駆動手段となって冷媒圧縮機7を駆動することができる。また、エンジンから回転動力が入力されている場合でも、膨張機4で発生する回転動力にてエンジンを動力アシストすることができて省エネルギーとできる。
また、ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力へと変換する膨張機4と、回転動力により駆動されるエンジン補機としての冷媒圧縮機7と、回転動力を受け入れるプーリ6とを備え、膨張機4と冷媒圧縮機7とプーリ6とのそれぞれの回転軸を一体的に連結している。
これは、エンジンからの回転動力を受け入れるために、プーリ6を構成したものである。これにより、ランキンサイクルLの熱エネルギーが充分に得られない場合はプーリ6にて連結したエンジンから回転動力を入力することにより、連結した冷媒圧縮機7の駆動に支障を与えない。
また、エンジンから回転動力が入力されない場合でも、ランキンサイクルLを用いた膨張機4が駆動手段となって冷媒圧縮機7を駆動することができる。また、エンジンから回転動力が入力されている場合でも、膨張機4で発生する回転動力にてエンジンを動力アシストすることができて省エネルギーとできる。
また、ランキンサイクルLの冷媒加熱手段としてエンジンによって発生する熱を用いたことを特徴とする。これは、冷媒圧縮機7を駆動するための熱源として容易に得られることによる。特に、駆動手段をエンジンとして、そのエンジンの排熱を使ってランキンサイクルLの冷媒加熱を行なうようにすれば、エンジンで発生した熱エネルギーを回収して回転動力として還元することとなり、省エネルギー(省燃費)とできる。
また、膨張機4とシャフト21とを膨張機ワンウェイクラッチ45を介して連結している。この膨張機ワンウェイクラッチ45を介して連結することにより、膨張機4が停止していてもシャフト21の回転、即ち冷媒圧縮機7の運転に支障を与えないのは勿論、駆動手段に対して増加する負荷を無視しても良いくらい軽微なものにすることができる。
尚、上述の構成では膨張機4とシャフト21の間に膨張機ワンウェイクラッチ45を介在させたが、これを削除しても良い。その場合、ランキン運転しない時には膨張機4はシャフト21と共に回転し、負荷となって省動力に逆行するが、この場合の負荷はランキン冷媒の攪拌抵抗のみで、増加する負荷は無視しても良いくらい軽微なものとなる。
また、この場合には膨張機4の冷媒上流側に、冷媒の流入を断続させる開閉弁3を設けもよい。エンジンを搭載する車両において、冬季などの冷間始動では、冷えているエンジンを早期に温度上昇させないと燃費と排気ガスが悪化する。そのためエンジンの負荷を増すと共に暖機を得るためにビスカスカップリング等の補機をわざわざ取り付ける場合すらある。
このような車両に本流体機械を適用したうえ、エンジンを本流体機械の駆動手段とした場合、エンジンの暖機が必要な時に開閉弁3を閉じれば、エンジン始動時にシャフト21と共に膨張機4が回転させられ、膨張機4の入口側は冷媒の供給が止められているため真空に近づくまで減圧される。そしてこの減圧仕事により、エンジンへの負荷は増加し、暖機が速やかに行われるようになる。
尚、暖機を必要とせず、且つランキン運転をしない時は、膨張機4はシャフト21と共に回転し、負荷となって省動力に逆行するが、上記開閉弁3を開いておけば負荷はランキン冷媒の攪拌抵抗のみとなり、増加する負荷を無視しても良いくらい軽微なものにすることができる。
また、エンジン、もしくはプーリ6とシャフト21とを駆動入力ワンウェイクラッチ61を介して連結している。これは、エンジンが停止して膨張機4で冷媒圧縮機7を駆動する場合、エンジン、もしくはエンジンに連結しているプーリ6と駆動入力ワンウェイクラッチ61を介して連結することにより、エンジンが停止していてもシャフト21の回転、即ち冷媒圧縮機7の運転に支障を与えないのは勿論、膨張機4に対して増加する負荷を無視しても良いくらい軽微なものにすることができる。
また、プーリ6は、トルク変動を吸収するダンパー部62、もしくは過大なトルクが掛かった場合に所定のトルク値以上で動力伝達を断つリミッタ部63を有している。これにより、冷媒圧縮機7および膨張機4のトルク変動を吸収することができる。また、冷媒圧縮機7がロックした場合等でも駆動手段に過大な負荷が掛からぬようプーリ6が空転することで各機器に損傷を与えることを防止できる。
また、エンジン補機とは、冷凍サイクルRを構成する冷媒圧縮機7である。これは、膨張機4で発生する回転動力を、冷媒圧縮仕事に利用したものである。また、膨張機4をプーリ6と冷媒圧縮機7との間に配置している。これにより、冷媒圧縮機7の構造を通常の冷媒圧縮機と同じとできるうえ、本流体機械を小型に構成することができる。
また、冷媒圧縮機7は、圧縮容量を任意に変えることのできる可変容量型である。これは、エンジンが停止して膨張機4のみで冷媒圧縮機7を駆動する場合、冷媒圧縮機7の圧縮容量を小さく制御して、膨張機4への負荷を軽くすることができる。また、エンジンを搭載する車両においてエンジンを早く暖機したい時に、圧縮容量を大きく制御して駆動手段であるエンジンへの負荷を大きくすることもできる。
また、膨張機4を構成するランキンサイクルLと、冷媒圧縮機7を構成する冷凍サイクルRとで同種の冷媒を用いている。これにより、膨張機4と冷媒圧縮機7との間の冷媒シールを厳密なものにしなくともよくなるものである。
(第1参考例
図4は、本発明の第1参考例における流体機械の構造を示す断面図である。上述した第1実施形態とは、プーリ6が無い替わりに膨張機4と冷媒圧縮機7との間にモータ(モータ機構部)9を構成している点が異なり、いわゆる電動圧縮機に近い構成となっている。本流体機械は、例えば燃料電池車のような車両に搭載され、モータにて回転動力を発生させて車両用空調装置の冷凍サイクルRでの冷媒圧縮機(冷媒圧縮機構部)7を駆動すると共に、例えばFCスタックの排熱で冷媒加熱を行なうランキンサイクルLでの膨張機(膨張機構部)4を一体に構成したものである。
ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力に変換する膨張機4と、エンジン補機としての冷媒圧縮機7とは上述した第1実施形態と同様の構造であるため、説明を省略する。モータ9は、フロントハウジング71内に膨張機4と一緒に構成され、大別してステータ部91とロータ部92とから成る。そして、膨張機4とモータ9と冷媒圧縮機7とでシャフト(回転軸)21を共有する構造となっている。次に、本流体機械の作動について説明する。
<空調モード>
空調装置の稼動が必要な場合は、モータ9の回転動力にてシャフト21が回転させられ、冷媒圧縮機7が駆動される。これにより冷媒は圧縮され、図示しない冷凍サイクルR中を循環されて空調運転を成す。このような空調モードにおいてFCスタックからの排熱が充分にない場合、ランキンサイクルL側の給液ポンプによるランキン冷媒の昇圧を作用させず、よって膨張機4には高圧ガスを供給しない。この時はもちろん膨張機4は運転を開始しない。
シャフト21と膨張機4とは膨張機ワンウェイクラッチ45を介しているため、膨張機4が停止していてもシャフト21の回転、即ち冷媒圧縮機7の運転には支障を与えないのはもちろん、モータ9からの動力消費の増加分も微小なものに留まる。これとは逆に、空調モードにおいてFCスタックからの排熱がある場合、ランキンサイクルL側の給液ポンプによってランキン冷媒の昇圧を作用させ、高圧ガスを膨張機4に供給する。この高圧ガスの供給によって膨張機4は運転(回転)を開始する。
回転開始から、シャフト21(冷媒圧縮機7)の回転速度に膨張機4の回転速度が到達するまで(即ち、膨張機4回転速度<シャフト21回転速度)の間は膨張機ワンウェイクラッチ45の作用で膨張機4は空転状態であり、シャフト21(冷媒圧縮機7)の回転を阻害しない。この間、膨張機4には負荷が働かないため回転速度を増し、ついにはシャフト21(冷媒圧縮機7)の回転速度に到達する。
この時初めて膨張機ワンウェイクラッチ45は空転から脱し、シャフト21と膨張機4とが一体となる。この作用によって、膨張機4の回転動力はシャフト21に作用し、冷媒圧縮機7を駆動する負荷を膨張機4が分担することになり、結果モータ9からの動力消費を減少させ、省動力を実現する。
<無給電・発電モード>
冷媒圧縮機7駆動用に電力をまわせない時も空調を稼動する必要がある場合、膨張機4の回転動力によって冷媒圧縮機7を運転する。FCスタックからの排熱が利用できる状態にある時は、ランキンサイクルLの稼動を継続する。モータ9への給電は停止しているが、シャフト21は膨張機4の回転動力により回転を継続する。そして、このシャフト21の回転により冷媒圧縮機7は運転を続行することができる。更に、モータ9のロータ部92もこのシャフト21の回転により回転されるため、モータ9は発電機の機能となって電力を得ることができる。
これにより、給電停止状態でも排熱利用による冷媒圧縮機7、即ち空調装置の運転が可能となり、快適な室内空間を維持できるうえ、モータ9での発電により電力が還元されて省エネルギーを実現する。尚、この状態ではモータ9からの回転動力がなくなり、膨張機4の回転動力のみで運転するため、冷媒圧縮機7は必要最小限の冷房能力のみを生じるよう、斜板78の傾斜角度が小さい小容量状態へと制御するものである。 次に、本実施形態での特徴のついて述べる。ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力へと変換する膨張機4と、回転動力により駆動されるエンジン補機としての冷媒圧縮機7と、回転駆動力を発生するモータ9とを備え、膨張機4と冷媒圧縮機7とモータ9とのそれぞれの回転軸を一体的に連結している。これは、駆動手段としてモータ9を構成したものであり、これにより、ランキンサイクルLの熱エネルギーが充分に得られない場合はシャフト21に連結したモータ9から回転動力を入力することにより、連結した冷媒圧縮機7の駆動に支障を与えない。
また、モータ9から回転動力が入力されない場合でも、ランキンサイクルLを用いた膨張機4が駆動手段となって冷媒圧縮機7を駆動することができる。また、膨張機4でモータ9を駆動することにより、モータ9で発電を行なうことができる。発生した電力は他の補機に供給するか、蓄電池へ蓄えることができる。また、モータ9から回転動力が入力されている場合でも、膨張機4で発生する回転動力にてモータ9を動力アシストすることができて省エネルギーとできる。
(第実施形態)
本実施形態は、本発明における膨張機4を可変容量型とするものである。図5は、その可変容量型膨張機4のフロントサイドプレート41の構造を示す図である。フロントサイドプレート41は、アウター41aとインナー41bの2部品に分割されている。アウター41aにはインナー41bの外径に僅かに大きい内径からなる中空形状が設けられており、その中空部にインナー41bが組み込まれている。そして、アウター41aに対してインナー41bは回転自在となっている。
インナー41bには膨張機4内部に繋がる吐出口41cが穿たれており、膨張行程を終えた冷媒ガスが本吐出口41cから排出され、図示しない吐出管を介してランキンサイクルLを構成する回路へと送出される。インナー41bは、膨張機4の運転状態に応じ、内部あるいは外部からの信号を受けて、図示しないアクチュエータでアウター41aに対して回転方向(位相)を変化すべく回転させることができる。
図6は膨張機の作動を説明する説明図である。第1実施形態で説明した膨張機4の作動を、吐出口41cを絡め、膨張行程と排出行程とを分けて更に説明する。前述したように、導入された高圧ガスは(a)シャフト回転角度0°の膨張行程作動室49の状態から膨張を進めシャフト回転角度360°すなわち0°の排出行程作動室50の状態へと移行する。この時の排出行程作動室50内のガスは、フロントサイドプレート41に穿たれた吐出口41cに通じ始めた状態になる。この排出行程作動室50の状態に至ると、高圧ガスは膨張を止め、ロータ46の回転によって吐出口41cから排出される排出行程に移行することとなる。
(b)シャフト回転角度90°〜(d)シャフト回転角度270°の排出行程作動室50はいずれも排出行程にあり、スリーブ47の動きに伴い、高圧ガスは吐出口41cから外部への排出が進む。よって、導入された高圧ガスは、吐出口41cと相通ずる位置(シャフト回転角度0°の排出行程作動室50の状態)に至るまで膨張し、以降、排出に移行することとなる。この切換えは吐出口41cが作動室と通ずるか否かで決定される。換言すれば吐出口41cの位置で決定されることになる。
ここで例えば、低圧(排出側圧力)が高くなってくると膨張機4内の膨張行程の冷媒ガスは早く(シャフト回転角度360°ではなく、例えば270°位で)排出すべきである。そうしないと膨張行程作動室49の圧力がランキン低圧より低い圧力となってしまい、冷媒ガスの膨張エネルギーを回収するのではなく、逆に低圧まで引っ張る減圧仕事を必要としてしまい、効率を悪化させる。(これを過膨張現象という)。
しかし、シャフト回転角度270°の状態では、膨張行程作動室49は未だ吐出口41cに通じていないため排出できず、減圧仕事を始めてしまう。これとは逆に、ランキンサイクルLの低圧が低くなる場合は、排出行程作動室50の冷媒ガスからまだ膨張エネルギーを引き出すことができるのにも関わらず、吐出口41cに通じるために排出行程に移行してしまう(これを不足膨張現象という)。これも膨張機の効率を悪化させる原因となる。
次に、図7は可変容量型膨張機の可変作動を説明する説明図である。(a)シャフト回転角度0°:吐出口41cが図の位置に場合、膨張行程作動室49が360°の膨張行程を経て図の状態となり吐出口41cと通じる排出行程作動室50となり、排出行程に移行することは前述した。(b)シャフト回転角度270°:今、ランキンサイクルLの低圧が上昇してきたとすると、フロントサイドプレート41のインナー41bを図示しないアクチュエータで内部あるいは外部からの制御信号にて半時計方向へ例えば90°回転させる。吐出口41cはシャフト回転角度270°の図の位置に移動する。この時吐出口41cに、より早く通じる排出行程作動室50が排出行程へと移行することになる。
シャフト回転角度0°の排出行程作動室50とシャフト回転角度270°の排出行程作動室50を比較すると、270°の方が0°より容積が小さくなっている。これは270°の方が膨張行程の途中で早く排出行程に移行することから当然であるが、言い換えればランキンサイクルLの低圧が上昇している時には、シャフト回転角度0°の時のような過膨張を小さくできることである。よって、吐出口41cを移動することで、膨張機の効率を上げることができる。
(c)シャフト回転角度180°・(d)シャフト回転角度90°:ランキンサイクルLの低圧が更に上昇する時は、吐出口41cを180°の位置、90°の位置と、より移動量を大きくすればより早期に、すなわち排出行程移行時容積を小さくすることができる。このように膨張機4の容積を可変とすることで、ランキンサイクルLの状態に合わせ、膨張機4の最高効率点で運転することが可能となる。
次に、本実施形態での特徴について述べる。膨張機4を、容量を任意に変えることのできる可変容量型とした。ランキンサイクルLの高低圧は、外部環境による熱交換器の状態や得られる熱量、ランキン冷媒の流量等で大きく異なってくる。高低圧が大きく変わると、膨張機4の効率も大きく左右されてしまう。ある運転条件を想定して設計緒元を決めた膨張機4の効率を最高点で運転するよう、ランキンサイクルL側の状態を一定に保つようにランキンサイクルL側を制御する方法もあるが、本発明では膨張機4を可変容量型とすることにより、ランキンサイクルLの運転条件に関わらず膨張機4の効率を最高に引き出すことができる。
(第実施形態)
図8は、本発明の第実施形態における流体機械の膨張機部のシール構造を示す部分断面拡大図である。第1実施形態では、膨張機4と冷媒圧縮機7との間にシャフトシール22を配置したため、ランキン冷媒も冷凍冷媒もそれぞれ専用の最適な冷媒を選択しうる。しかし、ランキン冷媒と冷凍冷媒が同一か、同種の冷媒を選択した場合は、膨張機4と冷媒圧縮機7の間のシールを厳密なものとせずとも微小な漏れは許容でき、実質上の問題点は生じない。
そこで図8の第実施形態では、シャフトシール22の代わりにリヤサイドプレート43のシャフト21と対応する部分に、円筒シール部43bを設けたものである。円筒シールとは、シャフト21の外周面に対して油膜が形成し易く且つ長手方向の距離と相まって実質上冷媒ガスの行き来を封止するよう、シャフト21の外周面に対して充分小さな隙間を形成するような内周面を持つものである。
本円筒シール部43bを設置することにより、シャフトシール22を設置する場合と比較して、組付け性向上、コスト低減のみならず、シャフトシール22の緊迫力による機械損失を低減して、省燃費に対して更に有効となる。
(第実施形態)
本実施形態は、本発明における流体機械をホットガスバイパス回路を有する冷凍サイクルに適用ものである。図9は、そのホットガスバイパス回路を有する冷凍サイクルRの模式図である。膨張機4と一体となった冷媒圧縮機7は、プーリ6を介して図示しないエンジンにより駆動されている。冷媒圧縮機7の吐出側には第1電磁弁10を介して冷媒凝縮器11が接続されている。そして、冷媒凝縮器11の出口側には、逆止弁12を介して第1減圧装置13が接続されている。この第1減圧装置13は、本例ではキャピラリーチューブ(固定絞り)にて構成されている。
第1減圧装置13の出口側は冷媒蒸発器14に接続され、冷媒蒸発器14の出口側はアキュームレータ15を介して冷媒圧縮機7の吸入側に接続されている。一方、冷媒圧縮機7の吐出側を冷媒蒸発器14の入口側に直接接続するホットガスバイパス通路16が設けてあり、このバイパス通路16には第2電磁弁17と第2減圧装置18が直列に設けてある。この第2減圧装置18は、本例では冷媒圧縮機7の吐出圧が所定値以上になると開弁する定圧弁にて構成されている。
冷媒蒸発器14は空調装置の空調ケース(二点鎖線)内に設置され、空調用送風機19により送風される空気(室内空気または外気)を冷房モード時には冷却する。また、暖房モード時には、冷媒蒸発器14はホットガスバイパス通路16からの高温冷媒ガス(ホットガス)が流入して空気を加熱するので、放熱器としての役割を果たす。空調ケース内において、冷媒蒸発器14の空気下流側にはエンジンからの温水を熱源として送風空気を加熱する温水式の暖房用熱交換器20が設置されており、この暖房用熱交換器20の下流側に設けられた図示しない吹出口から室内へ空調空気を吹き出すようになっている。
尚、エンジンを早く暖機したい状況下では、エンジンの冷却水温も充分に高まっていないため、室内を暖房するための温水式ヒータも効かない。そこで、第1実施形態に記述したように冷媒圧縮機7をエンジン負荷とするために駆動させると共に、その冷媒圧縮機7から吐出されるガス冷媒を直接冷媒蒸発器14に流入させることにより、室内を早期に暖房して快適なものとすることができる。
(第実施形態)
図10は、本発明の第実施形態における流体機械の構造を示す断面図である。本実施形態は、本流体機械を車両に搭載し、エンジンから回転動力を得て車両用のオルタネータ8を構成すると共に、エンジンの排熱で冷媒加熱を行なうランキンサイクルLでの膨張機4を一体に構成したものである。
本流体機械は、機能から大別して、ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力に変換する膨張機(膨張機構部)4と、エンジン補機としてのオルタネータ(オルタネータ機構部)8と、図示しないエンジン等の駆動手段から回転動力を受け入れるプーリ(プーリ機構部)6とからなる。そして、膨張機4とオルタネータ8とプーリ6とでシャフト(回転軸)21を共有する構造となっている。
まず、プーリ6とシャフト21は、駆動入力ワンウェイクラッチ61を介して連結されている。オルタネータ8は周知のものであり、概略はフロントハウジング81とリヤハウジング82との中にステータ部83とロータ部84とが構成され、リヤハウジング82とミドルハウジング85との中にレギュレータ部86が配置されて成る。
オルタネータ8を中央として、膨張機4はプーリ6の反対端側に配置されている。図11は、その膨張機4の構造を説明する図10中のB−B断面図であり、本実施形態の膨張機4は固定スクロール52bと可動スクロール53との二つの渦巻きが噛み合う、いわゆるスクロール型膨張機である。膨張機ハウジング52の中央に設けられた吸込口52aから流入した高圧ガスは、二つの渦巻きが噛み合ってできる作動室の中で膨張し、その膨張エネルギーによって可動スクロール53を回転駆動させながら外周側へと移動し、吐出通路52cを通って吐出口52dから流出する。
また、本実施形態の膨張機4とシャフト21とは、従動クランク機構58を介して連結されている。これは、膨張機4の膨張運転による駆動力にて可動スクロール53の公転半径を増減するものである。図12は、その従動クランク機構58の構造を示す斜視図であり、図13は、図12中のC視図である。シャフト21の端部にキー部21aを一体に形成しており、このキー部21aは、図13に示すようにシャフト21の中心を通る線に対して回転方向とは同方向にある角度θだけ傾くように形成されている。
一方、ブッシュ55には、キー部21aに嵌合して回転動力を受ける溝55aが設けられており、その溝55aは、キー部21aより溝の長手方向寸法が長いように設置されている。そして、その寸法差はブッシュ55の中心を通り、且つブッシュ55の移動方向に沿う直線上における固定スクロール52の渦巻き体と可動スクロール53の渦巻き体の密閉空間を形成する側の両渦巻き体間距離よりも小さくなっている。
溝の巾寸法については、ブッシュ55がキー部21aと接しつつ、長手方向へ円滑に摺動できるだけキー巾寸法より大きく設定してある。また、ブッシュ55には、可動スクロール53の公転運動による遠心力を相殺するように、バランスウェート56が一体に取り付けられている。図14は、力の作用によりブッシュ55が移動する方向を説明する図である。
(a)は膨張機4が駆動している状態で、図に示すように膨張機4からの駆動力F1が加わるとキー溝に沿ってブッシュ55を押し上げようとする分力F1θが発生し、シャフト21の中心からブッシュ55の中心までの距離、いわゆる可動スクロール53の公転半径Rが大きく(R1)なる。
また逆に、(b)は膨張機4が空転している状態で、図に示すように膨張機4からの空転抵抗F2が加わるとキー溝に沿ってブッシュ55を押し下げようとする分力F2θが発生し、シャフト21の中心からブッシュ55の中心までの距離、いわゆる可動スクロール53の公転半径Rが小さく(R2)なる。作動の詳細は本出願人が先に出願した特開平7−49090号公報に示す。次に、膨張機4の作動説明を含め、本流体機械の運転モードについて説明する。
<発電モード>
電力需要が大きくオルタネータ8の稼動が必要な場合は、ベルトを介してエンジンからの駆動力によってシャフト21が回転させられ、シャフト21と一体的に取り付けられているロータ部84も共に回転する。これによってオルタネータ8は発電し、エンジン補機他の電力需要を賄ったり、図示しないバッテリーに充電されたりする。
ここで電力が多く求められない場合は、オルタネータ8に内蔵されたレギュレータ部86により発電電圧が調整され、発電量を低く、即ちエンジンからの駆動力を減じ、必要発電量に応じてエンジンからの動力消費を減ずるようにしている。更に発電力を全く必要としない時には、同じくレギュレータ部86によりエンジンからの動力消費を極小とする非発電運転を行なう。
上記のような発電モードにおいてエンジン排熱が充分にない場合、ランキンサイクルL側の図示しない給液ポンプ等によるランキン冷媒の昇圧を作用させず、よって膨張機4には高圧ガスを供給しない。この時は膨張機4は、もちろん運転を開始しない。しかし、シャフト21が回転していることによって上述した従動クランク機構58、および可動スクロール53は回転させられる(可動スクロール53は公転)。
ここで、シャフト21と可動スクロール53との間には従動クランク機構58が配置されているため、膨張機4が膨張運転による駆動力を発生しない限り、従動クランク機構58の働きによって可動スクロール53の公転運動の公転半径が減じられ、可動スクロール53と固定スクロール25bとの間に隙間が生じ、可動スクロール53の公転運動によっては何も流体的な仕事(真空運転仕事やガス攪拌仕事)は行なわず、可動スクロール53が公転することによる駆動力消費は極小さいものにすることができる。
もちろん、この可動スクロール53の空転を嫌う場合は、シャフト21と可動スクロール53の間に従動クランク機構58の代わりにワンウェイクラッチ等の一方向駆動力伝達機構を配すれば、可動スクロール53の空転を避けることができる。このような従動クランク機構58やワンウェイクラッチを介する構成のため、膨張機4が膨張運転を停止していてもシャフト21の回転、即ちオルタネータ8の運転には支障を与えないのはもちろん、エンジンからの動力消費の増加分も微小なものに留まる。
これとは逆に、発電モードにおいてエンジン排熱が充分にある場合、ランキンサイクルL側の図示しない給液ポンプ等によってランキン冷媒を昇圧させ、高圧ガスを膨張機4に供給する。この高圧ガスの供給によって膨張機4は運転(公転)を開始する。運転開始から、シャフト21(オルタネータ8)の回転速度に膨張機4の公転速度が到達するまで(即ち、膨張機4公転速度<シャフト21回転速度)の間は従動クランク機構58もしくはワンウェイクラッチの作用で膨張機4は空転状態であり、シャフト21(オルタネータ8)の回転を阻害しない。
この間、膨張機4には負荷が働かないため、膨張機4は公転速度を増し、ついにはシャフト21(オルタネータ8)の回転速度に到達する。この時初めて従動クランク機構58もしくはワンウェイクラッチは空転から脱し、シャフト21と膨張機4を一体とする。この作用によって、膨張機4の公転駆動力はシャフト21に作用し、オルタネータ8の運転負荷を膨張機4が分担することになり、結果エンジンからの動力消費を減少させ、省動力を実現する。尚、本実施形態は膨張機4がスクロール型であるが、もちろん他の型式の膨張機でも同様の効果を生じる。
<アイドルストップモード>
アイドルストップを始め、エンジンが停止している時も通常は電力需要がある。蓄電池の電力のみでは不足する場合は発電する必要があり、膨張機4の回転駆動力によってオルタネータ8を運転する。エンジンが停止し、且つ排熱が利用できる状態にある時、ランキンサイクルLの稼動をエンジン停止に関わらず継続する。
エンジンは停止しているためベルトを介してエンジンと直結しているプーリ6は停止状態にあるが、プーリ6とシャフト21の間には駆動入力ワンウェイクラッチ61が配置されていて空転が可能なため、プーリ6が停止状態でもシャフト21は膨張機4の駆動力により回転を継続する。このシャフト21の回転によりオルタネータ8は運転することができる。これにより、エンジン停止状態でも排熱利用によるオルタネータ即ち発電が可能となる。
逆に言えば、電力供給を維持したままアイドルストップが可能となり、省燃費を実現する。尚、エンジンからの駆動力がなくなり、膨張機4の駆動力のみで運転するため、オルタネータ8は必要最小限の電力のみを生じるようレギュレータ部86により小さい発電量へと制御する。
<非発電モード>
電力需要が小さい時や蓄電池が過充電気味の場合、或いは積極的な省燃費運転のために、エンジン運転効率の悪い状態にある時にはオルタネータ8の運転を休止する(レギュレータ部86により発電仕事をゼロにする)ことがある。この場合でも、エンジン排熱がある場合はランキン運転を継続し、膨張機4の発生する駆動力をシャフト21→駆動入力ワンウェイクラッチ61→プーリ6と伝え、更にベルトを介してエンジンの回転力に供する。もって膨張機4の駆動力はエンジンの駆動力をアシストすることができる。よってエンジンの負荷を軽減することとなり、特にエンジンの運転効率が悪い状態にある時に省燃費運転へと導くことができる。 次に、本実施形態での特徴について述べる。まず、シャフト21において、駆動手段、もしくはプーリ6を連結した側とは反対側に膨張機4を連結する構造としている。これにより、仕様によって膨張機4を付ける・付けないがあっても、膨張機4以外の部分を共通化することが可能となる。また、膨張機4は、固定スクロール52bに対して可動スクロール53が公転運動を行なうスクロール型とした。これは、スクロール型の膨張機4はシャフト21を貫通させなくとも良い構造であるため、構成を簡単なものとすることができる。
また、シャフト21と膨張機4とは、膨張機4の膨張運転による駆動力にて可動スクロール53の公転半径を増減する従動クランク機構58を介して連結させている。これにより、膨張機4の膨張運転時には、固定スクロール52bと可動スクロール53との間のシール性を向上させることができると共に、膨張機4の運転を停止させた時には回転負荷を軽くすることができる。
また、エンジン補機は、回転動力により発電を行なうオルタネータ8とした。これは、膨張機4で発生する回転動力を、発電仕事に利用したものである。また、プーリ6と膨張機4との間にオルタネータ8を配置した。これにより、オルタネータ8の構造を通常のオルタネータと同じとできるうえ、膨張機4がオルタネータ8への通風を邪魔することがない。
(第2参考例
図15は、本発明の第2参考例における流体機械の構造を示す部分断面図である。本実施形態の流体機械は、例えば車両の各種熱交換器に風を送風する送風ファン(ファン手段)30と、その送風ファン30を駆動するモータ9とに、例えばエンジンの排熱で冷媒加熱を行うランキンサイクルLでの膨張機4を一体に構成したものである。よって、本流体機械は機能から大別して、エンジン補機としての送風ファン30と、ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力に変換する膨張機4と、送風ファン30を駆動し、且つ膨張機4の回転動力を電気エネルギーに変換するモータ9とから構成されている。
そして、送風ファン30はモータ9のシャフト21に図示しないボルトによって一体的に締結されており、モータ9と膨張機4との回転軸間は膨張機ワンウェイクラッチ45を介して連結した構造となっている。但し、図15に示す実施形態のようにスクロール型の膨張機4を使用した場合は、膨張機ワンウェイクラッチ45に代って上述した第実施形態と同様の従動クランク機構58を介して連結した構造であっても良い。
尚、回転動力を発生させるモータ9は前記第1参考例と、また、ランキンサイクルLの熱エネルギーを回転動力に変換するスクロール型の膨張機4は、上述した第実施形態と同様の構造であるため、説明を省略する。図15のファン30は、周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)を用いている。膨張機4は、モータ9とは別のケース内に密閉的に収納されており、図示しないボルトによって締結されている。そして、膨張機4はランキンサイクル冷媒雰囲気下にあり、モータ9とはシャフトシール22によってシール分離されている。次に、本流体機械の作動について説明する。
<ランキンサイクル稼動時>
ランキンサイクルが稼動しているときは、膨張機4によって、モータ9のロータ92およびシャフト21が駆動されている。モータ9にはこの駆動によって起電力が発生する。すなわち膨張機4の駆動によるモータ9の回転を、今度は発電機として機能させて発電を行うこととなる。このときシャフト21を共有しているファン30も同時に駆動されている。すなわち、モータ9と同一回転数でファン30が駆動される。
これにより、熱エネルギーは膨張機4の作用によって発電し、この発電電力を他の補機に供給したり蓄電池に蓄電したりすることにより、オルタネータなどによる発電を不要とし、もって車両の省動力化を実現することができる。これと同時にファン30が運転されて放熱などに寄与する。逆に言えば放熱のために特別な電力を必要とせず、車両の省動力化を実現することができる。
更に、モータ9の発電負荷を回路上で調整することにより、ファン30の回転数を変えることができる。放熱をより必要とするときは、発電負荷を下げることによって膨張機4の回転数を上昇させ、ファン30の回転数をも上昇させることができる。このことは、回路上でモータ9の発電負荷を調整することによって、膨張機4の駆動力を発電機にとファン30とへ任意に分配できることを示している。
もちろん、放熱の必要性が低下したときは発電負荷を上昇させ、発電量を上昇させると共に、逆にファン30の回転数を低下させてファン30の仕事量を減らすこともできる。また、発電負荷を極めて小さくすれば膨張機4による実質的ファン30の単独運転も可能となる。
<ランキンサイクル非稼動時>
ランキンサイクルを稼動させる熱エネルギーが不足しているときは、膨張機4を駆動させることはできない。この時でも放熱の必要があるときがあり、ファン30を駆動させねばならない。このときは、図示しない外部電源から図示しない電力供給線を通じてモータ9に電圧を印加する。モータ9が回転を始めると、シャフト21を共有するファン30も稼動を開始する。
ところで、ランキンサイクルが非稼動であるので膨張機4は膨張仕事を行っておらず、膨張機の可動スクロール53はモータ9の駆動によるシャフト21に引きずられる形となる。しかし、シャフト21と可動スクロール53との間にはワンウェイクラッチ45(もしくは従動クランク機構58)が配置されているため、膨張機4は停止したままで可動スクロール53の引きずり運転を避けることができる。
尚、ファン30の回転数はモータ9に印加する電圧によって調整できることは言うまでもない。このランキンサイクル非稼動時のモータ9の運転によって、熱エネルギーが充分存在しないときでもファン30が運転でき、放熱を実現することができる。
<大風量必要時>
オーバーヒートが懸念されるような大きな放熱が必要な時は、ファン30の回転数を高いものにせねばならない。このときは膨張機4の運転と共に、モータ9に電圧を印加して電動機として回転させる。これにより、ファン30は膨張機4の駆動力にモータ9の駆動力が加算されて駆動されることとなり回転数も大きなものが得られるようになる。
<他の参考例
図16は、図15の流体機械における他の参考例を示す部分断面図である。上述した構成では、エンジン補機としての送風ファン(ファン手段)30にシロッコ型ファンを用いていたのに対し、軸流型ファンを用いている点のみが異なる。これによっても上記と同様の作動と効果を得ることができる。尚、本発明は送風ファン30の型式を限定するものではなく、他の型式の送風ファンを用いても良い。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、膨張機で駆動するエンジン補機の例として冷媒圧縮機・オルタネータおよび送風ファンについて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、パワーステアリング用の油圧を発生させる油圧ポンプ・エンジン冷却水を循環させるウォータポンプ・冷間始動時の始動補助熱源であるビスカスカップリング等の機器であっても良い。また、車両のみならず、例えばエンジン駆動式空調装置のような定置式のエンジン駆動システムにおける回転機器の駆動に本発明を適用しても良い。
本発明の第1実施形態における流体機械の構造を示す断面図である。 図1中のA−A断面図であり、膨張機の構造を示す。 図1・2の構造における膨張機の作動を説明する説明図である。 本発明の第1参考例における流体機械の構造を示す断面図である。 本発明の第実施形態における可変容量型膨張機のフロントサイドプレートの構造を示す図である。 膨張機の作動を説明する説明図である。 可変容量型膨張機の可変作動を説明する説明図である。 本発明の第実施形態における流体機械の膨張機部のシール構造を示す部分断面拡大図である。 本発明の第実施形態におけるホットガスバイパス回路を有する冷凍サイクルの模式図である。 本発明の第実施形態における流体機械の構造を示す断面図である。 膨張機の構造を説明する図10中のB−B断面図である。 本発明の第実施形態における従動クランク機構の構造を示す斜視図である。 図12中のC視図である。 力の作用によりブッシュが移動する方向を説明する図である。 本発明の第2参考例における流体機械の構造を示す部分断面図である。 図15の流体機械における他の参考例を示す部分断面図である。
符号の説明
3 開閉弁(開閉手段)
4 膨張機(膨張機構部)
6 プーリ(プーリ機構部)
7 冷媒圧縮機(冷媒圧縮機構部、エンジン補機)
8 オルタネータ(オルタネータ機構部、エンジン補機)
9 モータ(モータ機構部)
14 冷媒蒸発器
21 シャフト(回転軸)
30 送風ファン(ファン手段)
43b 円筒シール
45 膨張機ワンウェイクラッチ
52 固定スクロール
53 可動スクロール
58 従動クランク機構
61 駆動入力ワンウェイクラッチ
62 ダンパー部
63 リミッタ部
R 冷凍サイクル
L ランキンサイクル

Claims (13)

  1. エンジンが一時的に停止するアイドルストップ機能を有する車両の空調装置に使用される流体機械であり、
    前記エンジンの冷却水の熱を利用することにより、前記エンジンが発生する熱エネルギーを回転動力変換するランキンサイクル(L)の膨張機構部(4)と、
    前記回転動力により駆動され、かつ前記空調装置の冷凍サイクル(R)を構成する冷媒圧縮機構部(7)と、
    前記エンジンの回転動力を受けて、前記回転動力を前記冷媒圧縮機構部(7)に伝達するプーリ機構部(6)とを有し
    前記膨張機構部(4)と前記冷媒圧縮機構部(7)とのそれぞれの回転軸を一体的に連結した、もしくは回転軸(21)を共有するとともに、前記膨張機構部(4)と前記冷媒圧縮機構部(7)とが同一のハウジング内に収容され、そこから外部に突出させた前記回転軸(21)の一端に前記プーリ機構部(6)が設けられ、
    前記ランキンサイクル(L)と前記冷凍サイクル(R)における冷媒を同一の冷媒とし、
    前記アイドルストップ時でかつ前記車両の空調が必要とされるとき、前記膨張機構部(4)は、前記ランキンサイクル(L)により回転駆動され、それにより前記冷媒圧縮機構部(7)が回転駆動されることを特徴とする流体機械。
  2. 前記膨張機構部(4)は、容量を任意に変えることのできる可変容量型であることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記膨張機構部(4)の冷媒上流側に、冷媒の流入を断続させる開閉手段(3)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  4. 前記膨張機構部(4)と前記回転軸(21)とを膨張機ワンウェイクラッチ(45)を介して連結したことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  5. 前記プーリ機構部(6)と前記回転軸(21)とを駆動入力ワンウェイクラッチ(61)を介して連結したことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  6. 前記プーリ機構部(6)は、トルク変動を吸収するダンパー部(62)、もしくは過大なトルクが掛かった場合に所定のトルク値以上で動力伝達を断つリミッタ部(63)を有することを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  7. 前記膨張機構部(4)を前記プーリ機構部(6)と前記冷媒圧縮機構部(7)との間に配置したことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  8. 前記冷媒圧縮機構部(7)は、圧縮容量を任意に変えることのできる可変容量型であることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  9. 前記膨張機構部(4)と前記冷媒圧縮機構部(7)との間を円筒シール(43b)にてシールしたことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  10. 前記冷媒圧縮機構部(7)の吐出ガス冷媒を減圧して、直接冷媒蒸発器(14)に流入させるホットガスバイパス運転の可能な冷凍サイクル(R)に適用したことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  11. 前記回転軸(21)において、前記プーリ機構部(6)を連結した側とは反対側に前記膨張機構部(4)を連結していることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  12. 前記膨張機構部(4)は、固定スクロール(52b)に対して可動スクロール(53)が公転運動を行なうスクロール型であることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  13. 前記回転軸(21)と前記膨張機構部(4)とは、前記膨張機構部(4)の膨張運転による駆動力にて前記可動スクロール(53)の公転半径を増減する従動クランク機構(58)を介して連結されていることを特徴とする請求項12に記載の流体機械。
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