JP4014123B2 - 自動車車体移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体着座搬送路と、車体吊り下げ搬送路との間で、自動車の車体を移し替える自動車車体移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の製造ラインにおいて、車体着座搬送路と車体吊り下げ搬送路との間で、車体の移し替えを行わなければならない場合がある。この移し替えのため、従来使用されていた自動車車体移載装置が、例えば特許2639696号公報にて開示されており、この自動車車体移載装置について図10を参照しながら説明する。ちなみに、図10は、従来の自動車車体移載装置の全体概要を示す側面図である。
【0003】
従来の自動車車体移載装置100(以下、従来型移載装置という)は、図10の如く、車体着座搬送路D1(以下、着座搬送路という)と車体吊り下げ搬送路D2(以下、吊り下げ搬送路という)とが、上下で重なる移し替え位置に配設されている。ちなみに、以下の説明では、着座搬送路D1側の移し替え位置を、下方移し替え位置といい、吊り下げ搬送路D2側の移し替え位置を、上方移し替え位置という。
【0004】
図10の基づいて、車体Bを移し替える具体的な流れを説明すると、まず、着座搬送路D1に沿って敷設されたレール101a上を、自動車の車体Bを載置した自走台車103が移動する(矢印X1参照)。この車体Bが前記下方移し替え位置に達すると、上方からガイド支柱104を伝わって昇降台105が下降してくる。この昇降台105には、連結レール106が横設されており、この連結レール106に、ローラ107a,107aを介して搬送ハンガ107が引っ掛かっている。昇降台105の下降により、搬送ハンガ107が、下方移し替え位置まで達すると、開いていたアーム108,108が閉じ、位置決め装置109,109が、前記アーム108,108の位置決めを行う。
【0005】
この位置決めが終わると、昇降台105が上昇する。すると、前記アーム108,108が車体Bを抱えた状態で上昇し、上方移し替え位置まで達する。この上方移し替え位置には、搬送レール102a,102aが敷設されており、この位置で、昇降台105に横設された連結レール106が、各搬送レール102a,102aをつなげる。すると、連結レール106に引っ掛かるローラ107a,107aが作用し、搬送ハンガ107を移動させる(図10の矢印Y1参照)。
この搬送が終了すると、新たな搬送ハンガ107が昇降台105まで移動する(図10の矢印Y2参照)。一方、車体Bを移し替えた後の自走台車103は、着座搬送路D1を循環し、車体Bを載置した状態で、再び下方移し替え位置に戻ってくる(図10の矢印X2、X3、X4参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来型移載装置100では、車体Bの移し替えの際に、位置決め装置109,109にて、搬送ハンガ107側の位置決めのみを行っていた。これは、自走台車103の下方移し替え位置での停止が、他の制御手段等の精度によって担保されているからであり、この装置を使用する限り、自走台車103側の位置決めは、さほど重要ではなかった。
【0007】
しかし、現実に使用されている既存の自動車の製造ラインでは、前記従来型移載装置100の自走台車103ほど、停止位置決め精度は担保されていない。したがって、この既存の設備を利用し、着座搬送路D1と吊り下げ搬送路D2との間で、車体Bの移し替えを行うのは困難であり、また、既存の設備に位置決め精度を担保するための装置等を設置するのは、コスト高になって、不都合であった。
そこで、本発明では、車体着座搬送路と車体吊り下げ搬送路との間での車体を移し替える場合に、既存の設備を利用しつつ、簡単な構造にて確実な移し替えを可能にする自動車車体移載装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明の構成では、車体着座搬送路と車体吊り下げ搬送路との間で、自動車の車体を移し替える自動車車体移載装置において、
前記車体の下面に設けられた基準穴に嵌合する着座嵌合ピンを有し、前記車体を着座させ、かつ、前記着座嵌合ピンを前記基準穴に嵌合させた状態で搬送する着座式搬送手段と、
前記基準穴に嵌合する吊り下げ嵌合ピンを有し、前記車体を吊り下げ、かつ、前記吊り下げ嵌合ピンを前記基準穴に嵌合させた状態で搬送する吊り下げ式搬送手段と、
前記着座式搬送手段を下方移し替え位置にて固定し、前記着座嵌合ピンを位置決めする着座側ロック手段と、
前記車体吊り下げ式搬送手段を上方移し替え位置にて固定し、前記吊り下げ嵌合ピンを位置決めする吊り下げ側ロック手段と、
前記下方移し替え位置と前記上方移し替え位置との間で、前記車体を鉛直方向に搬送する昇降手段とからなり、
位置決めされた前記着座嵌合ピンおよび吊り下げ嵌合ピンのうち、上下で対応する各嵌合ピンの軸線が、共通することを特徴とする自動車車体移載装置とした。
この自動車車体移載装置により、既存の設備を利用しつつ、着座式搬送手段および吊り下げ式搬送手段それぞれの位置決め精度を向上させることが可能となり、車体を確実に移し替えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る自動車車体移載装置(以下、移載装置という)の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。移載装置は、着座式搬送手段、吊り下げ式搬送手段、昇降手段に大別される。ここで、移載装置を構成する各手段の詳細を説明する前に、移載装置の作用、および車体Bを移し替える流れについて、図1に基づいて簡単に説明する。ちにみに、図1は、移載装置の概略を示す斜視図である。
【0010】
塗装工程区域内を巡る着座搬送路D1に、レール2aが敷設され、このレール2aに案内されながらチェーン式搬送台車21(以下、搬送台車という)が移動する。この搬送台車21に車体Bが載せられており、搬送台車21の移動によって、車体Bは所定の箇所まで搬送される。つまり、本実施の形態において、この搬送台車21が、請求項1に記載する「着座式搬送手段」に相当する。また、図1で示す搬送台車21の位置は、着座搬送路D1から吊り下げ搬送路D2へ車体Bを移し替える位置、つまり、請求項1に記載する「下方移し替え位置」である。
【0011】
なお、車体Bのダッシュボード付近の下面には、図9の如く搬送台車21に設ける着座嵌合ピン26,26が嵌まり込む穴H,H(以下、基準穴という)が、左右二箇所に形成されている。つまり、搬送台車21に載っている間は、前記着座嵌合ピン26,26が、基準穴H,Hに嵌り込み、車体Bを保持している。ちなみに、図9は、自動車の車体Bの下面を示す斜視図である。
下方移し替え位置で停止している搬送台車21に対し、着座側ロック手段22A,22Bが作用して搬送台車21を固定する。すると、図示しない昇降装置が作用して昇降テーブル41,41が持ち上がり、搬送台車21上の車体Bを持ち上げる。なお、車体Bは、着座嵌合ピン26,26によって保持されているが、昇降テーブル41,41の持ち上げが、この保持を解く。ちなみに、本実施の形態において、前記昇降装置が、請求項1に記載する「昇降手段」に相当する。
【0012】
上方では、搬送ハンガ31が、アーム部35,35を開いた状態で待機している。この待機している位置が、請求項1に記載する「上方移し替え位置」である。
下方から鉛直上方に向けて、昇降テーブル41,41に載る車体Bが持ち上がり、アーム部35,35が待機している前記上方移し替え位置まで達して停止する。すると、搬送ハンガ31のアーム部35,35が閉じ、吊り下げ側ロック手段32,32が作用して搬送ハンガ31を固定する。すると、搬送ハンガ31に設けた吊り下げ嵌合ピン36,36が、位置決めされる。この位置決め等が終了し、前記搬送ハンガ31が車体Bを抱え込む状態になると、前記昇降装置が作用して、昇降テーブル41,41が下降する。ちなみに、本実施の形態において、搬送ハンガ31が、請求項1に記載する「吊り下げ式搬送手段」に相当する。
【0013】
その結果、搬送ハンガ31の吊り下げ嵌合ピン36,36が、車体Bの下面に形成する基準穴H,Hに嵌合し、車体Bが搬送ハンガ31に保持される。この保持の後、吊り下げ側ロック手段32,32による搬送ハンガ31の固定が解かれる。すると、搬送ハンガ31が、搬送レール3aに沿って移動し、塗装の終了した車体Bを部品組み付け工程区域内へ搬送する。ちなみに、以上簡単に説明した各手段21,31等の作用は、図示しない制御手段によって適宜行われる。
また、前記各ロック手段22A,22B、32,32は、搬送台車21もしくは搬送ハンガ31を固定し、各嵌合ピン36,26を位置決めするが、この位置決めされた状態で、上下で対応する各嵌合ピン36,26の軸線は共通する。さらに、この上下に対応するとは、同じ基準穴Hに嵌合する各嵌合ピン36,26を意味する。
【0014】
以上の流れに従い、移載装置1を構成する各手段21,31等の詳細について説明する。まず、塗装工程区域内を巡る着座搬送路D1に沿って車体Bを搬送する搬送台車21について、図2に基づきながら詳述する。なお、図2は、搬送台車21および着座側ロック手段22A,22Bの斜視図である。また、以下の説明において、レール2aに沿った進行方向を前、後退方向を後とし、この前側から搬送台車21等を見た場合に、レール2aを挟んだ左側が左とし、右側を右とする。なお、この前後左右は、図1で示すものを基準とする。
【0015】
車体Bが着座する長方形の枠体21aには、四隅のうち、短辺を結ぶ前側二つの隅に、前部受け台21b,21bが形成され、この前部受け台21b,21bに着座嵌合ピン26,26が固設されている。一方、後側二つの隅には、受け部材21c,21cが取り付けられている。したがって、前側の前部受け台21b,21bと後ろ側の受け部材21c,21cとが、車体Bの両側下部から内側に入り込んだ位置にある腹の部分に当接して車体を支持し、着座嵌合ピン26,26が車体Bの下面に設けられた基準穴H,Hに嵌合し、車体Bを保持する。
【0016】
前記枠体21aの前後に位置する両短辺の中心には、下方に向けてブラケット21e,21eが突出形成される。また、このブラケット21e,21eの下方先端には、ローラ本体21g,21gが備え付けられており、このローラ本体21g,21gに、ローラ21f,21f、21f,21fがそれぞれ軸支されている。ローラ21f,21f、21f,21fは、前記着座搬送路D1に敷設されたレール2aと係合した状態で回転し、このレール2aに沿って移動する。一方、ローラ本体21g,21gは、前記ブラケット21e,21eに対して鉛直方向周りに回動自在であり、レール2aのカーブに、適宜対応する。
以上説明した搬送台車21は、適当な間隔を空けた複数台が、連結手段を介して連結しており、チェーンを介した動力伝達装置(図示せず)によって移動する。
【0017】
車体Bの下面に設けた基準穴H,Hに、嵌合し、車体Bを保持する着座嵌合ピン26,26については、既に説明した。本実施の形態では、この着座嵌合ピン26,26と同芯となる支柱21h,21hが、前部受け台21b,21bを挟んだ下面側に突出形成されている。そして、この支柱21h,21hを、着座側ロック手段22A(左側),22B(右側)が挟み付け、その結果、搬送台車21が固定され、着座嵌合ピン26,26の位置決めがなされる。以下、図2、図3に基づいて、着座側ロック手段22A,22Bを詳述する。ちなみに、図3は、左側の着座側ロック手段22Aの平面図である。また、左右の各着座側ロック手段22A,22Bは、対称な略同一構造であるため、前記左側の着座側ロック手段22Aの説明を中心に行い、右側の着座側ロック手段22Bについては相違点の説明のみにとどめる。
【0018】
図1に示す如く、下方移し替え位置に停止する搬送台車21の両脇には、基台22a,22aが設置され、この基台22a,22aの上にフレーム22e,22eが備え付けられ、さらに、このフレーム22e,22eの上にシリンダ22b,22bが横設されている。このシリンダ22b,22bの作用により、挟持機構22d,22dが作用し、搬送台車21が固定される。
【0019】
着座側ロック手段22Aの挟持機構22dについて、図3を参照しながら説明する。シリンダ22bの基端部は、ピン22fによってフレーム22eに連結され、さらに、このピン22fを支点として鉛直方向周りに回動自在である。
一方、フレーム22e上であって、シリンダ22bのロッド22c側には、ブラケット22hが固設され、このブラケット22hにピン22i,22jを介して挟持部材22g,22kが連結する。つまり、各挟持部材22g,22kは、ピン22i,22jを支点として、鉛直方向の軸周りに回動自在である。
【0020】
また、一方の挟持部材22gの基端部は、ピン22mを介してロッド22cの先端と回動自在に連結し、他方の挟持部材22kの基端部は、リンク22nを介して前記一方の挟持部材22gに連結する。さらに、このリンク22nの両端と各挟持部材22g,22kとは、ピン22p,22qを介して連結され,回り対偶を形成する。なお、前記一方の挟持部材22gとリンク22nとを連結するピン22pの位置は、前記ピン22iとピン22mとの間にある。
なお、前記各挟持部材22g,22kのうち、一方の挟持部材22gには、V字の切欠き22rが形成されており、挟持部材22g,22kが支柱21hを挟み付けたとき、この切欠き22rによって支柱21hは位置決めされる。ちなみに、この切欠き22rは、図3にて示さない右側の着座側ロック手段22Bには、形成されていない。したがって、右側の着座側ロック手段22Bで挟み付けられる支柱21hは、前記位置決めに対応して、左右方向に移動可能である。
【0021】
ここで、ロッド22cの進退運動と、各挟持部材22g,22kの開閉動作について説明する。ロッド22cが後退位置にあるとき、各挟持部材22g,22kは閉じた状態にある。つまり、各挟持部材22g,22kは、向き合う内側で支柱21hを挟み付け、位置決めを行っている。
ロッド22cが進行運動すると、挟持部材22gがピン22iを支点として回動し、先端が開運動(各挟持部材22g,22kの先端が離れる方向への回動)する。すると、リンク22nを介して他方の挟持部材22kが押し出され、この挟持部材22kがピンjを支点として開運動する。
逆に、ロッド22cが後退運動すると、前記と逆の動作により、各挟持部材22g,22kが閉運動(各挟持部材22g,22kの先端が近付く方向への回動)する。
【0022】
以上の着座側ロック手段22A,22Bによって、搬送台車21が固定された後、昇降手段が作用する。この昇降手段は、図1の如く、昇降機構によって上昇および下降する昇降テーブル41,41を備える。この昇降機構の具体的な構造については、図示しない。しかし、例えば、下方移し替え位置の左右両側に、鉛直方向に伸びる支柱を立設し、この支柱に、昇降テーブル41,41の昇降をガイドさせるとともに、この昇降テーブル41,41に連結するワイヤ等を制御しながら巻き上げる構造とすることができる。ただし、この構造に限定されるものでは無く、車体Bを下方移し替え位置から上方移し替え位置まで、鉛直方向に適宜搬送できれば足りる。
前記昇降テーブル41,41は、下方移し替え位置から上方移し替え位置まで移動し、搬送台車21に着座する車体Bを下方から持ち上げる。ちなみに、本実施の形態では、レール2aを挟み、搬送台車21と干渉しない左右の位置を昇降テーブル41,41が昇降し、この昇降テーブル41,41が、上昇時に、車体Bの側下面に当接する。
【0023】
一方、上方移し替え位置には、搬送ハンガ31が待機している。この搬送ハンガ31について、図4から図6を参照しながら詳述する。ちにみに、図4は搬送ハンガ31および吊り下げ側ロック手段32の正面図であり、図5は搬送ハンガ31および吊り下げ側ロック手段32の斜視図、図6は吊り下げ側ロック手段の側面図である。
上方移し替え位置には、図4の如く、逆凹字状である橋状枠体33が配設されている。この橋状枠体33の両橋脚部33a,33aに、吊り下げ側ロック手段32が備え付けられている。
【0024】
一方、この橋状枠体33で囲まれた内側上部には、搬送レール3aが敷設され、この搬送レール3aに沿って、搬送ハンガ31が移動する。搬送ハンガ31は、図5の如く、上方から見てH形状のハンガフレーム31aの各端部に、軸受部31b,31b,31b,31bを形成している。また、この軸受部31b,・・は、アーム部35,35,35,35のL字ブラケット31d,31d,31d,31dが軸支しされる。アーム部35,35,・・は、前後の各アーム部35,35,・・が左右で対をなし、前記L字ブラケット31d,31d,・・の回動により、対向する内外方向へ開閉する。ちなみに、これら各アーム部35,35は、鉛直下方に先端を向けた位置で、前記軸受部31b,・・と干渉して閉動作を停止され、車体Bの幅以上に開いた位置であって、前記橋状枠体33に干渉しない位置で開動作を停止される。
【0025】
左右の各アーム部35,35、・・を、前後に連結ビーム31e,31e,31e,31eが連結する。そして、この連結ビーム31e,31e・・を図示しない開閉手段が引っ掛けて持ち上げることにより、各アーム部35,35,・・の開閉が行われる。この開閉手段の具体的な構造については、図示しない。しかし、例えば、上方移し替え位置に停止した搬送ハンガ31の連結ビーム31e,31e・・に、左右外側から爪部材が引っ掛かり、さらに、この爪部材を引き上げ、もしくは下ろすことによって前記各アーム部35,35、・・の持ち上げ、もしくは、下ろしが行われる。また、車体Bが移し替えられた後には、前記爪部材が外れ、その後、搬送ハンガ31が移動する。
【0026】
ハンガフレーム31aを前後に結んでいる中央フレーム31fの両端上部の位置には、前面視で逆コの字状の鉤部31g,31gが、それぞれ形成されている。この各鉤部31g,31gは、コの字の内側で搬送レール3aをくわえている。また、コの字の内側であり、その上下の位置には、搬送レール3aを左右から挟み付けて回転するローラ31h,31h、ローラ31i,31iが、それぞれ設けられている。さらに、前側の鉤部31gには、モータ31jが備え付けられており、このモータ31jの駆動により、前側の鉤部31gに備え付けられた上側のローラ31h,31hが回転駆動する。その結果、搬送ハンガ31は自走にて移動する。
【0027】
つぎに、各アーム部35,35,・・の先端に取り付けられた車体保持部34,34,34,34および、吊り下げ嵌合ピン36,36を固定する吊り下げ側ロック手段32,32について、図5および図6を参照しつつ詳述する。
【0028】
前側のアーム部35,35の先端には、ブラケット34a,34aが形成されている。このブラケット34a,34aは、前記アーム部35,35同士が向き合う内方に向けて突出形成され、さらに、このブラケット34a,34aの上面に車体Bを支持する受け部材34b,34bが取り付けられている。また、前側のブラケット34a,34aの先端には、それぞれ吊り下げ嵌合ピン36,36が形成されている。この吊り下げ嵌合ピン36,36は、アーム部35,35が閉じた状態で鉛直上方向に先端が向き、車体Bの下面に形成する基準穴H,Hに嵌合する。
【0029】
一方、後ろ側のアーム部35,35の先端にも、ブラケット34c,34cが形成される。このブラケット34c,34cも、前側のブラケット34a,34aと同様、アーム部35,35同士が向き合う内方に向けて突出形成され、このブラケット34c,34cの上面に、受け部材34d,34dが取り付けられている。したがって、前後の各アーム部35,35、35,35が閉じた状態で、前後の受け部材34b,34b、34d,34dが車体Bを支持し、かつ、前側のブラケット34a,34aに設けた吊り下げ嵌合ピン36,36が車体Bを保持する。
【0030】
アーム部35,35が閉じただけでは、アーム部35,35は振れを生じるために不安定であり、吊り下げ嵌合ピン36,36が車体Bに設けた基準穴H,Hにうまく嵌合しない。したがって、この振れを防止すべくアーム部35,35を固定し、吊り下げ嵌合ピン36,36の軸線を位置決めする役割を、前記吊り下げ側ロック手段32,32が行う。この吊り下げ側ロック手段32,32を図4,図6に基づいて説明する。この吊り下げ側ロック手段32,32は、図4の如く、搬送レール3aに沿って移動する搬送ハンガ31を囲う橋状枠体33の両橋脚部33a,33aに形成されている。なお、各吊り下げ側ロック手段32,32は、同一の構造であるため、一方を図6に基づいて説明し、他方の説明を省略する。
【0031】
前記橋脚部33aの下部側面の上下位置に、ブラケット32b,32bが取り付けられ、このブラケット32b,32bにベース32cがボルト32p,32pにて締結固定される。なお、このボルト32p,32pは、ブラケット32b,32bに形成するスリット32q,32qを介してねじ込まれているため、ねじ込みを緩めると、ベース32cがスリット32q,32qの長手方向に移動可能となり、ベース32cの位置を調整することができる。
【0032】
このベース32cの上部側面には、シリンダ用ブラケット32dが固着され、このシリンダ用ブラケット32dにピン32eを介してシリンダ32fが連結する。
一方、ベース32cの下部側面には、回動アーム用ブラケット32gが取り付けられ、この回動アーム用ブラケット32gに、ピン32hを介して回動アーム32iが連結されている。この回動アーム32iの先端には、固定ピン32aが取り付けられ、基端には、ピン32jを介してロッド32kの先端が連結される。なお、このロッド32kは、シリンダ32fの作用によって進退する。
【0033】
この吊り下げ側ロック手段32において、シリンダ32fはピン32eを支点として回動自在に連結され、また、ロッド32kの先端と回動アーム32iも、ピン32jを介して回動自在に連結される。そのため、シリンダ32f,ロッド32kが連接棒となり、各ピン32e、32j、32hが回り対偶にて前記連接棒を連結するリンク機構を構成する。その結果、ロッド32kの進退により、回動アーム31iが傾倒し、その先端の固定ピン32aが回動する。
【0034】
一方、搬送ハンガ31における前側のアーム部35,35の側面(図5参照)には、ブラケット34aの他にブラケット31fが、突出形成されている。このブラケット31fには、前記固定ピン32aが嵌合する固定穴31gが形成され、回動アーム32iの倒れ込みによって、前記固定ピン32aが固定穴31gに嵌り込む。すると、もはやアーム部35は、開閉することができなくなり、固定された状態となる。
【0035】
以上が、移載装置1の詳細であり、この移載装置1の作用について、図7、図8に基づいて詳述する。ちなみに、図7、図8は、それぞれ移載装置1の作用を示す概略正面図であり、図7は搬送ハンガ31が開いている状態を示し、図8は搬送ハンガ31が閉じている状態を示す。また、車体Bの移し替えは、図7,図8に示す(a)〜(e)の流れで行われる。
車体Bが搬送台車21に着座した状態で、下方移し替え位置まで達すると、図示しないストッパーが働き、搬送台車21が停止する。この状態を、図7(a)が示している。ここで停止した搬送台車21に対し、着座側ロック手段22A,22Bが作用し、搬送台車21を固定するとともに、搬送台車21に備え付けられた着座嵌合ピン26,26を位置決めする。
【0036】
この位置決めが完了すると、車体Bの下方から昇降テーブル41,41が上昇し、車体Bの側下面に当接して、そのまま持ち上げる。すると、車体Bは着座嵌合ピン26,26による嵌合保持を解かれ、昇降テーブル41,41に載ったまま上方に移動する。この移動途中を、図7(b)が示す。
【0037】
昇降テーブル41,41の上昇によって車体Bが、上方移し替え位置まで達すると、昇降テーブル41,41の上昇が止まる。この上方移し替え位置には、搬送ハンガ31が、アーム部35,35を開いた状態で待機している。そして、上方移し替え位置に、車体Bが達すると、左右に開くアーム部35,35が、対向する内方向に閉じる。この状態を、図7(c)が示している。
【0038】
このアーム部35,35の先端が、最下端位置まで達っして停止すると、吊り下げ側ロック手段32が作用する。この吊り下げ側ロック手段32の作用により、アーム部35,35は固定され、かつ、車体保持部34,34に設ける吊り下げ嵌合ピン36,36が位置決めされる。この状態を、図8(d)が示している。ちなみに、前記着嵌合ピン26,26と、前記吊り下げ嵌合ピン36,36は、位置決めされた状態で、上下に対応する各嵌合ピン26,36の軸線が共通する。
【0039】
吊り下げ側ロック手段32による位置決めが完了すると、車体Bを載せた昇降テーブル41,41は、下降し始める。すると、車体Bの下面に設けた基準穴H,Hが、吊り下げ嵌合ピン36,36と嵌合し、車体Bを保持する。この状態を図8(e)に示す。この保持の後、吊り下げ側ロック手段32,32によるアーム部35,35の保持が解除され、搬送ハンガ31の移動によって車体Bは搬送される。
【0040】
以上、実施の形態に基づき、本発明を具体的に説明した。しかし、本発明は、前記実施の形態のみに、限定されるものではない。したがって例えば、前記着座式搬送手段や、前記吊り下げ式搬送手段も、台車やハンガ状の構造に限定されず、車体が着座した状態、もしくは、吊り下げられた状態で搬送されれば足りる。また、前記実施の形態では、車体着座搬送路から車体吊り下げ搬送路へ、車体を移し替える場合を例に説明したが、この逆の場合、つまり、車体吊り下げ搬送路から車体着座搬送路へ車体を搬送する場合であっても良い。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、着座式搬送路および吊り下げ式搬送路との間で車体の移し替えを行う場合にも、簡単な構造を施すことで、精度の高い位置決め等を可能にし、確実な移し替えが可能になる。その結果、移し替え不良を軽減でき、後工程での作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係り、自動車車体移載装置の斜視図である。
【図2】本発明に係り、着座式搬送手段および着座側ロック手段の斜視図である。
【図3】本発明に係り、着座側ロック手段の平面図である。
【図4】本発明に係り、吊り下げ式搬送手段および吊り下げ側ロック手段の正面図である。
【図5】本発明に係り、吊り下げ式搬送手段および吊り下げ側ロック手段の斜視図である。
【図6】本発明に係り、吊り下げ側ロック手段の側面図である。
【図7】本発明に係り、自動車車体移載装置の作用を示す概略正面図である。
【図8】本発明に係り、自動車車体移載装置の作用を示す概略正面図である。
【図9】自動車の車体下面を示す斜視図である。
【図10】従来の自動車車体移載装置の全体概要を示す側面図である。
【符号の説明】
1:自動車車体移載装置
21:チェーン式搬送台車
22A,22B:着座側ロック手段
26:着座嵌合ピン
31:搬送ハンガ
32:吊り下げ側ロック手段
33:橋状枠体
34:車体保持部
35:アーム部
36:吊り下げ嵌合ピン
41:昇降テーブル
レール2a
搬送レール3a
B:車体
H:基準穴
Claims (1)
- 車体着座搬送路と車体吊り下げ搬送路との間で、自動車の車体を移し替える自動車車体移載装置において、
前記車体の下面に設けられた基準穴に嵌合する着座嵌合ピンを有し、前記車体を着座させ、かつ、前記着座嵌合ピンを前記基準穴に嵌合させた状態で搬送する着座式搬送手段と、
前記基準穴に嵌合する吊り下げ嵌合ピンを有し、前記車体を吊り下げ、かつ、前記吊り下げ嵌合ピンを前記基準穴に嵌合させた状態で搬送する吊り下げ式搬送手段と、
前記着座式搬送手段を下方移し替え位置にて固定し、前記着座嵌合ピンを位置決めする着座側ロック手段と、
前記車体吊り下げ式搬送手段を上方移し替え位置にて固定し、前記吊り下げ嵌合ピンを位置決めする吊り下げ側ロック手段と、
前記下方移し替え位置と前記上方移し替え位置との間で、前記車体を鉛直方向に搬送する昇降手段とからなり、
位置決めされた前記着座嵌合ピンおよび吊り下げ嵌合ピンのうち、上下で対応する各嵌合ピンの軸線が、共通することを特徴とする自動車車体移載装置。
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