JP2788160B2 - 長尺物の立起し治具 - Google Patents

長尺物の立起し治具

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JP2788160B2 JP2312693A JP2312693A JP2788160B2 JP 2788160 B2 JP2788160 B2 JP 2788160B2 JP 2312693 A JP2312693 A JP 2312693A JP 2312693 A JP2312693 A JP 2312693A JP 2788160 B2 JP2788160 B2 JP 2788160B2
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全興 藁科
裕明 池田
真人 山田
高広 竹清
英雄 小野
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哲夫 塚本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長尺物の立起し治具に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、高層構造物、例えば高層ビルディ
ングの骨組みを構築する場合、組立作業の容易化を図る
とともに、気候などの影響を受けずに組立作業を行い得
る構築方法が提案されている。
【0003】この構築方法の要旨は、高層構造物の骨組
みを構築する際に、予め組み立てられた高層構造物の最
上階部となる作業階に設けられた揚重装置を使用して、
順次鉄骨材を組み立てていく方法である。
【0004】そして、この組み立てに際して、鉄骨材、
例えば支柱部材を、作業階まで持ち上げた後、作業階に
設けられたクレーン装置により立て起こし、所定の設置
箇所まで移動させる必要がある。
【0005】従来、この種のクレーン装置にはリフティ
ングビームが設けられるとともに、このリフティングビ
ームには、支柱部材を係合保持するための保持金具が吊
持されており、この保持金具を介して、支柱部材が立て
起こされていた。
【0006】ところで、上記保持金具に支柱部材を係合
保持させる場合、保持金具に設けられた保持用ブラケッ
トと、保持される支柱部材とをピンにより連結すること
によりその係合保持が行われている。すなわち、作業員
が支柱部材側と保持ブラケット側に形成されたピン挿通
用穴部同士の位置を合わせた後、例えばシリンダー装置
などによりピンが挿通されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の保持金具の
構成によると、人手により、支柱部材側の挿通用穴部と
保持用ブラケット側の挿通用穴部とを合わせる作業が、
非常に面倒であるとともに、支柱部材の搬入設置作業の
自動化の妨げになっていた。
【0008】そこで、本発明は支柱部材の立て起こしを
自動的に行い得る長尺物の立起し治具を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の長尺物の立起し治具は、吊りワイヤーによ
り吊持されたリフティングビーム側に係合されるととも
に、長尺物を保持して立て起こすための立起し治具であ
って、上記リフティングビーム側に係合される連結フレ
ームと、この連結フレームの両側部に揺動部材を介して
鉛直面内で揺動自在に支持された保持フレームと、この
保持フレームの両側部に設けられて長尺物に取り付けら
れた保持用ブラケットを案内可能なガイド溝をそれぞれ
有する左右一対のガイド体と、これら各ガイド体のガイ
ド溝の開口面を開閉自在な開閉部材とから構成したもの
である。
【0010】
【作用】上記の構成において、長尺物に取り付けられた
保持用ブラケットに、保持フレーム側に設けられたガイ
ド体のガイド溝を嵌入させ、そしてリフティングビーム
を介して連結フレームを吊り上げれは、自動的に長尺物
を立て起こすことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1〜図6に
基づき説明する。なお、本実施例においては、従来例で
説明した構築方法に使用するクレーン装置に設けた場合
について説明する。
【0012】すなわち、図6に示すように、クレーン装
置11は、既に組み立てられた鉄骨構造物1の上部に昇
降部材2を介して載置された作業階3に配置されてい
る。また、このクレーン装置11は、鉄骨構造物1の側
部に配置された資材用エレベータ装置12により、作業
階3までリフト台13を介して搬送された資材、例えば
支柱部材(長尺物)4を、クレーン装置11側に設けら
れた立起し治具(図1に示す)14を介して立て起こす
とともに吊持して、鉄骨構造物1の設置すべき箇所に移
動させられる。
【0013】そして、上記立起し治具14は、図2に示
すように、例えば支柱部材4を、その端部近傍に少なく
とも両側部に突設された一対の連結用ブラケット(ガセ
ットともいい、保持用ブラケットの一例である)5を利
用して、立て起こすためのものである。
【0014】なお、上記立起し治具14は、上述したよ
うにクレーン装置11に設けられており、具体的には、
クレーン装置11における横行台車15の巻上げ機(図
示せず)から吊りワイヤー16を介して吊持されたリフ
ティングビーム17に、係脱自在に設けられている。
【0015】以下、上記立起し治具14を、図1〜図5
に基づき詳しく説明する。この立起し治具14は、巻上
げ機から吊りワイヤー16を介して吊持されたリフティ
ングビーム17に、クランプ装置18を介して係脱自在
にされた連結フレーム31と、この連結フレーム31の
左右の下面に、それぞれ上部支持軸体32を介して上端
部が回動自在に支持された一対のリンク体(揺動部材)
33と、この一対のリンク体33の下端部に下部支持軸
体34を介して鉛直面内で揺動自在に支持されたコの字
形状の保持フレーム35と、この保持フレーム35の両
側部35aにそれぞれ設けられるとともに支柱部材4の
連結用ブラケット5を一端側から挿入案内可能にされか
つ他端側が閉塞されたガイド溝36aが形成されたガイ
ド体36と、このガイド体36に設けられて上記ガイド
溝36aの一端側開口面を開閉自在な開閉板(開閉部
材)37と、この開閉板37を上記ガイド溝36aの一
端側開口面を閉じる閉位置と、一端側開口面を開放する
開放位置との間で揺動させる電動または空圧式アクチュ
エータなどの開閉装置38とから構成されている。
【0016】なお、上記連結フレーム31をリフティン
グビーム17に係合させるためのクランプ装置18は、
図1に示すように、リフティングビーム17の左右に設
けられるとともに、連結フレーム31の左右側部31a
を構成するH形鋼のフランジ部31bをそれぞれ前後方
向から保持開放自在なクランプ体21と、このクランプ
体21をねじ機構を介して接近離間させる、すなわちク
ランプ動作を行わせる電動機22とから構成されてい
る。
【0017】また、上記連結フレーム31を自動的にリ
フティングビーム17のクランプ装置18に案内させる
ために、ガイド機構23が設けられている。すなわち、
このガイド機構23は、連結フレーム31の各側部31
aのフランジ部31bから前後方向に突出された一対の
ガイド棒24と、上記リフティングビーム17側に設け
られて上記一対のガイド棒24に係脱自在なガイド溝2
5aが形成されたガイド板25とから構成されている。
【0018】したがって、リフティングビーム17を連
結フレーム31に連結させる場合、クランプ装置18の
クランプ体21をアンクランプ状態にしておき、ガイド
板25のガイド溝25aが連結フレーム31側のガイド
棒24に嵌入するように、リフティングビーム17を連
結フレーム31上にゆっくりと降ろす。そして、ガイド
溝25a内にガイド棒24が完全に嵌入するとともに、
リフティングビーム17が連結フレーム31上に載置さ
れると、クランプ体21をクランプ状態にして、連結フ
レーム31の両側部31aを保持させる。
【0019】次に、支柱部材の立て起こし作業について
説明する。まず、資材用エレベータ装置12のリフト台
13上に、支柱部材4を寝かせた状態(以下、水平状態
という)になし、そしてリフト台13を作業階3まで上
昇させる。
【0020】次に、クレーン装置11の横行台車15を
移動させて、リフティングビーム17に連結された連結
フレーム31を、リフト台13上に移動させる。そし
て、連結フレーム31を下降させるとともに所定方向に
移動させて、水平状態の支柱部材4の両側に突設された
連結用ブラケット5に、ガイド体36のガイド溝36a
を外嵌させ、その後、開閉板37を閉位置(図2の実線
にて示す)にさせて、連結用ブラケット5がガイド溝3
6aから離脱しないようにする。
【0021】次に、図5に示すように、巻上げ機によ
り、リフティングビーム17を介して、連結フレーム3
1をゆっくりと上昇させる。すると、支柱部材4は徐々
に起こされ、このとき保持フレーム35は連結フレーム
31に対して傾動するが、連結フレーム31の姿勢は基
の水平姿勢のままであり、また支柱部材4の下端側は移
動台6により移動可能に支持されている。
【0022】そして、図5の仮想線にて示すように、支
柱部材4が完全に立て起こされた後、所定高さまで吊り
上げ、この状態で、クレーン装置11を移動させて、支
柱部材4を所定の設置箇所まで移動させる。
【0023】次に、開閉板37を開状態になし、保持フ
レーム35を支柱部材4から離脱させる。なお、この離
脱は、開閉板37を開放位置にした状態で、連結フレー
ム31をガイド体36のガイド溝36aから連結用ブラ
ケット5が抜ける方向に移動させるだけで、自動的に行
われる。
【0024】このように、支柱部材4側に取り付けられ
た連結用ブラケット5を、連結フレーム31に揺動自在
に設けられた保持フレーム35側のガイド体36により
保持させて、立て起こすようにしたので、従来のよう
に、作業員が連結ピンを挿通させて、連結フレームと支
柱部材とを連結する場合に比べて、その連結作業の容易
化、すなわち自動化を図ることができる。
【0025】ところで、上記実施例において、連結フレ
ーム31をリフティングビーム17に対して係脱自在に
構成したのは、組み立てる支柱部材4の種類に合わせ
て、連結フレーム31を交換し得るようにしたものであ
る。なお、連結フレーム31に取り付けられるガイド体
36のガイド溝36aの寸法および取付位置は、支柱部
材4の種類に応じて異なっているが、リフティングビー
ム17と連結フレーム31との連結部の構成、例えばガ
イド板25とガイド棒24の寸法は同一にされている。
【0026】この連結フレーム31の連結作業において
も、ガイド棒24とガイド板25とにより行われるた
め、連結作業を自動的に行うことができる。次に、本発
明の第2の実施例における立起し治具を、図7および図
8に基づき説明する。
【0027】上記第1の実施例の立起し治具において
は、保持フレームを、リンク体を介して鉛直面内で揺動
自在に連結フレームに支持させたが、本第2の実施例に
おける立起し治具は、保持フレームを、円弧状ガイド部
を介して鉛直面内で揺動自在に支持させたものである。
【0028】すなわち、図7に示すように、この立起し
治具51は、吊りワイヤー16を介して吊持されたリフ
ティングビーム17に、係脱自在にされた連結フレーム
52と、この連結フレーム52の両側部52aの下面
に、それぞれ前後,上下かつ左右に配置された複数個の
ガイドローラ53により、鉛直面内で揺動自在に案内さ
れる円弧状ガイド部(揺動部材)54aを有する保持フ
レーム54と、この保持フレーム54を所定角度でもっ
て揺動させる揺動装置55と、上記保持フレーム54の
両側部54aにそれぞれ設けられるとともに支柱部材4
の連結用ブラケット5を一端側から挿入案内可能にされ
かつ他端側が閉塞されたガイド溝55aが形成されたガ
イド体55と、このガイド体55に設けられて上記ガイ
ド溝55aの一端側開口面を開閉自在な開閉板(図示し
ないが、第1の実施例と同様の構成である)56と、こ
の開閉板を上記ガイド溝55aの一端側開口面を閉じる
閉位置と、一端側開口面を開放する開放位置との間で揺
動開閉させる電動または空圧式アクチュエータなどの開
閉装置(図示しないが、第1の実施例と同様の構成であ
る)とから構成されている。
【0029】また、上記保持フレーム54を揺動させる
揺動装置55は、円弧状ガイド部54aの側面にかつ外
周部に沿って設けられた揺動用チェーン61と、連結フ
レーム52の両側部52a側に回転自在に支持されると
ともに上記揺動用チェーン61に噛合された従動用スプ
ロケット62と、同じく連結フレーム52の両側部52
aに配置されるとともに上記従動用スプロケット62
を、中間用スプロケット(図示せず)およびこの中間用
スプロケットに駆動用チェーン63を介して連動連結さ
れた駆動用スプロケット64を回転させる電動機65と
から構成されている。
【0030】したがって、上記電動機65を駆動させる
ことにより、円弧状ガイド部54aを介して、保持フレ
ーム54を鉛直面内で揺動させることができる。この立
起し治具51の構成において、水平姿勢の支柱部材4を
立て起こす場合、第1の実施例で説明したように、ガイ
ド溝55a内に支柱部材4の連結用ブラケット(保持用
ブラケット)5を嵌入させ、そしてリフティングビーム
17により、連結フレーム52を上昇させるとともに、
電動機65により従動用スプロケット62を回転させ
て、揺動用チェーン61を介して保持フレーム54をゆ
っくりと上方向に回転させる。すると、図8の仮想線に
て示すように、支柱部材4の保持位置がリフティングビ
ーム17の下方位置のままで、支柱部材4がゆっくりと
立て起こされる。
【0031】この構成においても、上記第1の実施例に
おける立起し治具と同様の効果を有しており、またこの
円弧状ガイド部54aにより鉛直面内で揺動される保持
フレーム54によると、例えば保持フレーム54を揺動
させる電動機65を、ブレーキ付きとし、ブレーキをか
けておくことにより、支柱部材4を偏心した状態で吊り
上げた場合でも、リフティングビーム17がその偏心に
より発生する傾動モーメントに抵抗し得る場合には、支
柱部材4の鉛直姿勢を維持することができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明の構成によると、長
尺物に設けられた保持用ブラケットを、連結フレームに
揺動自在に設けられた保持フレーム側のガイド体により
保持させて、長尺物を立て起こすようにしたので、従来
のように、連結フレームと長尺物とを連結ピンを挿通さ
せて連結する場合に比べて、連結作業の容易化、すなわ
ち自動化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における立起し治具の斜
視図である。
【図2】同第1の実施例における立起し治具の正面図で
ある。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】同第1の実施例における立起し治具の平面図で
ある。
【図5】同第1の実施例における立起し動作を説明する
側面図である。
【図6】同第1の実施例における立起し治具を有するク
レーン装置による構造物の組立状態を示す斜視図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施例における立起し治具の斜
視図である。
【図8】同第2の実施例における立起し動作を説明する
側面図である。
【符号の説明】
1 鉄骨構造物 4 支柱部材 5 連結用ブラケット 11 クレーン装置 14 立起し治具 16 吊りワイヤー 17 リフティングビーム 31 連結フレーム 35 保持フレーム 36 ガイド体 36a ガイド溝 37 開閉板 38 開閉装置 51 立起し治具 52 連結フレーム 54 保持フレーム 54a 円弧状ガイド部 55 揺動装置 55a ガイド溝 56 開閉板 57 開閉装置
フロントページの続き (72)発明者 山田 真人 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組 東京本社内 (72)発明者 竹清 高広 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組 東京本社内 (72)発明者 小野 英雄 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組 東京本社内 (72)発明者 村上 修 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28 号 日立造船株式会社内 (72)発明者 川原 孝則 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28 号 日立造船株式会社内 (72)発明者 塚本 哲夫 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28 号 日立造船株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−79190(JP,A) 特開 昭52−101598(JP,A) 実開 平5−3497(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 21/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吊りワイヤーにより吊持されたリフティン
    グビーム側に係合されるとともに、長尺物を保持して立
    て起こすための立起し治具であって、上記リフティング
    ビーム側に係合される連結フレームと、この連結フレー
    ムの両側部に揺動部材を介して鉛直面内で揺動自在に支
    持された保持フレームと、この保持フレームの両側部に
    設けられて長尺物に取り付けられた保持用ブラケットを
    案内可能なガイド溝をそれぞれ有する左右一対のガイド
    体と、これら各ガイド体のガイド溝の開口面を開閉自在
    な開閉部材とから構成したことを特徴とする長尺物の立
    起し治具。
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