JP4012437B2 - ワーク吊下げ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク吊下げ装置に関し、例えば、自動車のエンジンシリンダブロックのような大型、大重量のワークを吊下げる場合に好適なワーク吊下げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンシリンダブロックは、通常、鋳鉄またはアルミニウムの鋳込み成形によって製造されており、縦・横・高さ寸法がそれぞれ数十cm程度と大きく、しかも、25kg〜35kg程度の大重量を有するので、鋳型からの取出しや運搬には、ホイストを使用している。
【0003】
鋳込み成形されたエンジンシリンダブロックは、単気筒、2気筒、3気筒、4気筒など、各種のものがあるが、例えば、3気筒の場合は、図5に示すように、エンジンシリンダブロック30の本体部31の頂部から3個の気筒用ボア32a,32b,32cを有する。
【0004】
図6は上記のエンジンシリンダブロック30を吊下げる、従来のカニ挟み式の吊下げ装置40を、エンジンシリンダブロック30と共に示す。この吊下げ装置40は、2本の把持部材41,42を交差させ、その交差部をピン43で回動自在に結合して、それぞれの先端部に互いに接近方向に屈曲した爪部44,45を設けると共に、それぞれの基部にチェーン係合部46,47を設けて、このチェーン係合部46,47にチェーン48の両端部を係合したものであり、チェーン48を図示しないホイストで矢印方向に持上げて、エンジンシリンダブロック30を吊下げるようにしたものである。
【0005】
エンジンシリンダブロック30の鋳型からの取出しおよび運搬時は、図6に示すように、吊下げ装置40の把持部材41,42の爪部44,45を、エンジンシリンダブロック30の気筒用ボア32a,32cに挿入して、チェーン48をホイストのフックに引掛けて引上げると、チェーン48がフックによって上方に引張られることによって、把持部材41,42のチェーン係合部46,47が相互に接近し、それによって把持部材41,42がピン43を中心にして、把持部材41は反時計方向に、また把持部材42は時計方向に回動して、その爪部44,45同士が相互に接近して、気筒用ボア32a,32cの下端縁部に係合する。したがって、この状態でホイストによって、チェーン48を吊上げると、吊下げ装置40の爪部44,45によって、エンジンシリンダブロック30を吊下げて鋳型から取出したり、運搬したりすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のカニ挟み式の吊下げ装置40においては、次のような問題点があった。
▲1▼チェ−ン48によって吊下げ装置40を吊下げているため、吊下げ装置40が垂直面内で揺れたり、水平面内で回転したりし易く、また、把持部材41,42の爪部44,45の間隔寸法が、チェーン48に掛かる引上げ力によって縮小しているため、把持部材41,42の爪部44,45を、エンジンシリンダブロック30の気筒用ボア32a,32cに挿入する際に、作業者が両手で把持部材41,42を持って、それら相互の間隔寸法を、気筒用ボア32a,32c間隔寸法に一致させた上で、気筒用ボア32a,32cの位置まで移動させて位置決めしなければならないのみならず、次いで、両手または片手を離してホイストを制御しながら、把持部材41,42の爪部44,45を、気筒用ボア32a,32cに挿入しなければならず、手の持替えなどのため作業が極めて煩雑で、時間がかかった。
▲2▼把持部材41,42の爪部44,45が、エンジンシリンダブロック30の気筒用ボア32a,32cの下端縁部に引っ掛かっているかどうか、外部から確認し難い。
▲3▼把持部材41,42の爪部44,45が、気筒用ボア32a,32cの下のクランク室に届いておらず中途部にあっても、チェーン48を強く引上げれば、爪部44,45がエンジンシリンダブロック30の気筒用ボア32a,32cの内面を強く把持するために、その状態でホイストを引上げると、エンジンシリンダブロック30の吊下げが不十分で、エンジンシリンダブロック30が落下する。
▲4▼把持部材41,42の大きさが、エンジンシリンダブロック30の気筒用ボア32a,32cよりも小さいため、万一、気筒用ボア32a,32cの内面に鋳砂の塊が残存していても、爪部44,45を気筒用ボア32a,32cに挿入可能であり、鋳砂の塊が気筒用ボア32a,32cの内面に残存したまま、次工程に運搬され易い。
▲5▼鋳型から取出されたエンジンシリンダブロック30は、気筒用ボア32a,32cの内面やその他の表面に、鋳砂33が付着しているため、把持部材41,42の爪部44,45が、気筒用ボア32a,32cの下端縁部に十分引っ掛かっていない状態で吊上げた場合、付着している鋳砂33によって、爪部44,45が滑って、エンジンシリンダブロック30を落下させることがある。
▲6▼万一、エンジンシリンダブロック30を落下させると、それが大型、かつ、大重量であるため、エンジンシリンダブロック30自体を損壊することは勿論のこと、床材や近辺の設備などを損傷し易い。
【0007】
そこで、本発明は、鋳型から取出したワークでも、容易、かつ確実にワークに係合して吊下げることが可能で、ワークの落下を防止出来るワーク吊下げ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のワーク吊下げ装置は、砂型により鋳込み成形され、少なくとも1個の孔を有するワークを吊下げるワーク吊下げ装置であって、ワークの孔に挿入される円筒状部材と、円筒状部材に挿通され、該円筒状部材に対して回転自在に支持された軸部材と、軸部材の下端部に固定され、該軸部材の回動に伴って回動し、かつ、円筒状部材の内部に入り込んだ鋳砂を下方に排出するための上下方向のスリットを有する受け部材と、受け部材の上面に取付けられていると共に、円筒状部材の下部に収容され、受け部材の回動に伴って、円筒状部材の側面から出没可能な爪部材とを備え、軸部材及び受け部材の回動に伴い、円筒状部材の側面から突出した爪部材をワークの孔の下端縁部と係合させることによって、ワークを吊下げ可能としたことを特徴とするものである。
【0009】
上記のワーク吊下げ装置によれば、円筒状部材をワークの孔に挿入し、円筒状部材の側面から爪部材を突出させて、この突出させた爪部材をワークの孔の下端縁部に係合させて、ワークを下側から支持するので、エンジンシリンダブロックのような大型、かつ、大重量のワークを、容易、かつ、確実に鋳型から取出したり、運搬したりすることが出来る。
【0010】
また、エンジンシリンダブロックのような鋳込み成形されたワークを運搬する場合に、ワークの孔の内部に鋳砂の塊が残存していても、円筒状部材をワークの孔に挿入することによって、鋳砂の塊が剥離除去出来るので、次工程に持込む鋳砂量を低減することが出来る。
【0011】
さらに、ワークの孔の下端縁部に鋳砂が付着していても、円筒状部材から突出させた爪部材が径方向に突出して、爪部材の外接円の直径寸法がワークの孔の内径寸法よりも大きくなるため、爪部材によってワークを下側から確実に支持するので、ワークの孔の周辺に付着している鋳砂の滑りに起因するワークの落下を無くすことが出来る。
【0012】
さらに、円筒状部材が規定寸法までワークの孔に挿入されておらず、孔の中途位置にある状態で爪部材を突出させようとしても、ワークの孔の内面によって爪部材の突出が阻止される結果、ワークを吊上げることが出来ず、したがって、爪部材とワークとの係合が不十分な状態で、誤ってホイストを引上げてワークを落下させることがない。
【0014】
さらに、爪部材を受け部材の上面に取付けているので、爪部材に掛かるワークの重量を受け部材で受けることが出来、爪部材の破損を防止出来る。また、鋳込み成形されたエンジンシリンダブロックのような鋳砂が付着しているワークの孔に円筒状部材を挿入する際に、ワークの孔内面に付着している鋳砂が掻き落とされて、円筒状部材の内部に入り込んで来ても、その鋳砂を受け部材のスリットから、下方に排出することが出来る。したがって、このスリットは、受け部材の機械的強度を損なわない限り、可及的に大きくするか、受け部材の周縁に沿って等間隔で複数個設けることが望ましい。
【0015】
なお、前記円筒状部材および爪部材を複数個設け、それら複数個の円筒状部材を所定間隔で吊下げ部材に取付けてもよい。
【0016】
上記のワーク吊下げ装置によれば、複数個の円筒状部材が所定間隔で吊下げ部材によって取付けられているので、これら複数個の円筒状部材の間隔寸法が一定に保持されており、エンジンシリンダブロックのような複数の孔を有するワークに対して、各円筒状部材をワークの複数の孔に挿入する際に、それぞれの孔に対する円筒状部材の位置決めが容易、かつ、確実に行なえる。さらに、複数の円筒状部材の側面から突出する爪部材で、ワークを複数個所で支持することが出来、エンジンシリンダブロックのような大型、かつ、大重量のワークを、容易、かつ、安定に吊下げることが出来る。
【0017】
また、前記複数の受け部材をそれぞれ軸部材に固定し、これらの軸部材を水平動作可能なレバーによって連結した構成にしてもよい。
【0018】
上記のワーク吊下げ装置によれば、レバーを水平動作させることによって、複数の軸部材および受け部材をワンタッチで同期して回動させることが出来、それぞれの受け部材に取付けられた爪部材を同期して円筒状部材の側面から出没させることが出来るため、操作が容易である。
【0019】
さらに、前記吊下げ部材の下面に、ワークの上面に当接するストッパ部材を設けた構成にしてもよい。
【0020】
上記のワーク吊下げ装置によれば、ストッパ部材の下端がワークの上面に当接するまで円筒状部材をワークの孔に挿入することによって、円筒状部材が規定寸法だけ孔に挿入されたことが分かり、円筒状部材の側面から爪部材を突出させた場合に、突出された爪部材を確実にワークの孔の下端縁部に係合させることが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るワーク吊下げ装置を、ワークとして3気筒式自動車エンジンシリンダブロックを吊下げる場合について、図面を参照して説明する。図1はワーク吊下げ装置の正面図で、ワークを縦断面で併示してある。図2は図1のワーク吊下げ装置の一部を縦断面で示した側面図である。図3は図1の吊下げ装置の吊下げユニットにおける受け部材の回動によって、爪部材が円筒状部材の側面から出没する動作を説明する部分横断面図である。図4は複数の軸部材がレバーで連結された状態を示す平面図である。
【0022】
図1のワーク吊下げ装置において、1は吊下げ部材で、図示例は略台形状の垂直部材2と、この垂直部材2に対して直交する水平部材3とで構成されている。前記垂直部材2には、ワーク吊下げ装置の重心を通る位置にホイストのフックを引掛けるための吊下げ用の孔4が形成されると共に、水平部材3との交差部分の2個所に略矩形状の孔5,5が形成してある。また、垂直部材2の頂部と吊下げ部材1の長さ方向の両端部との間には、作業者がこの吊下げ装置を操作し易いように、ハンドル部材6,6が固定されている。
【0023】
前記垂直部材2の孔5,5に対応する水平部材3の部分には、それぞれ吊下げユニット7,7が取付けられている。これらの吊下げユニット7,7は、図2に示すように、中心に軸部材8,8を有し、この軸部材8,8を取り囲んで円筒状部材9,9が設けられている。この円筒状部材9,9は、その外径寸法がワーク30の孔32a,32cの内径寸法より若干小さく設定されている。また、円筒状部材9,9の下方2個所には、円周方向に延びる長孔10,10が形成してある。
【0024】
ここで、上記の「長孔」なる用語は、所謂、周囲が円筒状部材によって囲まれている通常の意味における孔状のものは勿論のこと、3方部分のみが円筒状部材によって囲まれている、所謂、切欠き状のもので、前記円筒状部材の3方部分と後述する受け部材の上面とによって、結果的に長孔が形成される場合をも含むものである。
【0025】
前記軸部材8,8の上部は、軸受11,11によって、円筒状部材9,9に対して回転自在に支持されている。軸部材8,8の軸受11,11の上方位置には、円板部材12,12が固定されており、この円板部材12,12の一部から径方向にアーム部材13,13が延びている。軸部材8,8における前記円筒状部材9,9の長孔10,10の近傍上方位置には、軸部材8,8の中心線を円筒状部材9,9の中心線に一致させて保持するブッシュ部材14,14が、円筒状部材9,9に対して回転自在に装着されている。軸部材8,8の下端には、その上面で後述する爪部材を受ける受け部材15,15がビス16によって固定されている。この受け部材15,15には、図3に示すように、周方向に沿って等間隔に4個の断面円弧状のスリット15a,15aが形成されている。
【0026】
前記受け部材15,15の上面の、円筒状部材9,9の長孔10,10位置近傍の2個所には、前記ブッシュ部材14,14を貫通するピン17,17によって、爪部材18,18が回転自在に取付けられている。図3に示すように、受け部材15,15が原位置では、爪部材18,18は、図示2点鎖線で示すように、円筒状部材9,9内に退入している。この状態は、吊下げユニット7,7をワーク30の孔32a,32cに挿入する際や、吊下げユニット7,7をワーク30の孔32a,32cから抜き出す際の状態に対応している。なお、図2において、19は吊下げユニット7,7をワーク30の孔32a,32cに挿入する際の、ワーク30の孔32a,32と円筒状部材9,9との摩擦力によって、吊下げユニット7,7が上方向へ移動するのを阻止するストッパ部材である。
【0027】
図3において、受け部材15,15を反時計方向(図示矢印方向)に回動させると、爪部材18,18の先端部が円筒状部材9,9の長孔10,10の前端部10a,10aによって進行が妨げられるため、爪部材18,18がピン17,17を中心にして時計方向に回動する。この結果、受け部材15,15の回転動作によって、爪部材18,18が次第に円筒状部材9,9の長孔10,10から突出していき、ブッシュ部材14,14および受け部材15,15が所定角度、例えば、約30度回転したときに、図3の実線位置に示すように、爪部材18,18の長孔10,10からの突出寸法が最大になる。この爪部材18,18の最大突出状態における爪部材18,18の外接円の直径寸法は、ワーク30の穴32a,32cの内径寸法よりも大きく、例えば、その差は20mm程度に設定する。なお、図3では、図の上半分のみを示し、下半分の円筒状部材9,ピン17および爪部材18を省略しているが、下半分においても、同様の構成および動作を有する。
【0028】
前記軸部材8,8の上部に固定された円板部材12,12のアーム部材13,13は、図4に示すように、レバー20に対してピン21,21によって回転自在に連結されている。したがって、このレバー20を、図4の左右に水平動作させると、ピン21,21を介して、アーム部材13,13が同期して回動する。例えば、レバー20を、図4の状態から右方向Xに移動させると、アーム部材13,13は反時計方向に回動し、それに応じて、円板部材12,12および軸部材8,8を介してブッシュ部材14,14および受け部材15,15が同期して反時計方向に回動して、爪部材18,18が円筒状部材9,9の長孔10,10から突出する。
【0029】
なお、図1において、22はハンドル部材6に取付けられたエアホイストスイッチで、作業者がハンドル部材6,6で吊下げ装置を操作しながら、ホイストを動作開始したり、動作停止させたりすることが出来る。また、23は吊下げ部材1の下面に固定されたストッパ部材で、吊下げ部材1の下面にワーク30の上面が当接するまでワーク30の孔32a,32cに円筒状部材9,9を挿入することによって、円筒状部材9,9がワーク30の孔32a,32cに規定位置まで挿入出来たことを確認出来る。それによって、レバー20を水平移動させた場合に、円筒状部材9,9の側面から爪部材18,18が突出して、ワーク30を吊下げ可能である。
【0030】
次に、上記のワーク吊下げ装置の動作について説明する。まず、レバー20を図4に示すように、左側に移動させて、爪部材18,18を円筒状部材9,9の長孔10,10から退入した状態(図3の2点鎖線位置)にしておき、ワーク吊下げ装置の吊下げ部材1の孔4にホイストのフック(図示省略)を引掛けて、ワーク吊下げユニット7,7の円筒状部材9,9を、鋳込み成形されたエンジンシリンダブロックなどのワーク30の孔32a,32cに挿入する。
【0031】
このとき、垂直部材2の孔4とフックとが直交状態になるので、フックに対して吊下げ部材1が水平面内で回動することがない。また、孔4を矩形状にすると共に、フックの断面形状を矩形状にしておけば、フックに対して吊下げ部材1が垂直面内で揺動することがない。さらに、吊下げユニット7,7は、吊下げ部材1によって連結されているので、円筒状部材9,9間の間隔寸法は一定であり、容易にワーク30の孔32a,32cに位置決めして挿入することが出来る。
【0032】
このワーク30の孔32a,32cへの円筒状部材9,9の挿入時に、万一、ワーク30の孔32a,32cの内面に鋳砂の塊が残存していても、孔32a,32cに挿入される円筒状部材9,9によって、孔32a,32cの内面に残存している鋳砂の塊が剥離除去される。このため、次工程に持込まれる鋳砂量を低減することが出来る。
【0033】
ワーク30の孔32a,32cに円筒状部材9,9が挿入され、吊下げ部材1の下面に設けられているストッパ部材23の下端にワーク30の上面が当接することによって、円筒状部材9,9がワーク30の孔32a,32cに規定寸法だけ挿入出来たことが確認出来る。
【0034】
円筒状部材9,9をワーク30の孔32a,32cに挿入し、ストッパ部材23の下端にワーク30の上面が当接したことを確認すると、レバー20を図4の右方向Xに移動させる。すると、円筒状部材9,9の外周面はワーク30の孔32a,32cとの摩擦力によって回動しないのに対して、軸部材8,8の回動によって、ブッシュ部材14,14および受け部材15,15が、反時計方向(図3の矢印方向)に同期して回動し、それに応じて前述のように、爪部材18,18がピン17,17を中心に時計方向に回動して、円筒状部材9,9の長孔10,10から外方に突出する。
【0035】
円筒状部材9,9の長孔10,10から突出した爪部材18,18の外接円の直径寸法は、ワーク30の孔32a,32cの内径寸法よりも大きいので、突出した爪部材18,18は、図1に示すように、ワーク30の孔32a,32cの下端縁部と係合してワーク30を下方から支持する。このとき、ワーク30の孔32a,32cの下端縁部に鋳砂が付着していても、爪部材18,18が円筒状部材9,9の長孔10,10から突出して下方から支持しているので、何ら支障なくワーク30を支持することが出来る。したがって、吊下げ装置をホイストによって引上げると、ワーク30を吊上げたり、運搬したりすることが出来る。
【0036】
なお、円筒状部材9,9をワーク30の孔32a,32cに挿入途中で、誤ってレバー20を図4の右方向Xに移動させようとしても、爪部材18,18が孔32a,32cの内面に邪魔されて円筒状部材9,9の側面から突出することが出来ないので、レバー20が移動出来ず、爪部材18,18が孔32a,32cの下端縁部に引掛かっていないことが明らかであり、不十分な係合状態のままでホイストを引上げて、ワーク30を落下させることがない。
【0037】
また、ワーク30の孔32a,32cに円筒状部材9,9を挿入する際に、孔32a,32cの内面に付着していた鋳砂が掻き落とされて、円筒状部材9,9の長孔10,10から円筒状部材9,9の内部に入り込んでも、受け部材15,15の周囲にスリット15a,15aが形成されているので、入り込んだ鋳砂はこのスリット15a,15aを通って下方に排出される。
【0038】
なお、上記実施形態では、ワーク30として、3個の孔32a,32b,32cを有するエンジンシリンダブロックについて説明したが、2個や4個以上の孔を有するエンジンシリンダブロックについても、同様に実施出来る。その場合、吊下げユニット7は、上記実施形態と同様に2個であってもよいし、吊下げユニット7の機械的強度などの必要性に応じて3個以上にしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、吊下げユニット7,7が所定間隔で吊下げ部材1の固定されている場合について説明したが、吊下げユニット7,7の間隔寸法を、ワークの孔の間隔寸法に応じて可変としてもよい。
【0040】
さらに、上記実施形態では、吊下げユニット7,7が複数(2個)の場合について説明したが、単気筒式のエンジンシリンダブロックについては、単一の吊下げユニットを有するワーク吊下げ装置を用いることが出来る。
【0041】
さらにまた、本発明は上記実施形態に示したエンジンシリンダブロック以外のワークであっても、円筒状部材を挿入する孔を有するワークについては、同様に実施出来る。
【0042】
【発明の効果】
本発明のワーク吊下げ装置は、以上のように、軸部材及び受け部材の回動に伴い、円筒状部材の側面から突出した爪部材をワークの孔の下端縁部と係合させることによって、ワークを吊下げ可能としたものであるから、砂型により鋳込み成形されたワークを容易かつ確実に吊下げて、鋳型から取出したり、運搬したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るワーク吊下げ装置の概略構成正面図で、ワーク吊下げユニットをワークの孔に挿入した状態を示すためワークを縦断面で併示している。
【図2】図1のワーク吊下げ装置における吊下げユニットの部分を縦断面で示した側断面図である。
【図3】図1のワーク吊下げ装置の吊下げユニットにおける受け部材の回動によって爪部材が突出する動作を説明するための要部拡大横断面図である。
【図4】図1のワーク吊下げ装置において2個の吊下げユニットの軸部材をレバーで連結した状態を示す要部拡大平面図である。
【図5】自動車の3気筒式エンジンシリンダブロックの概略構成斜視図である。
【図6】従来のカニ挟み式ワーク吊下げ装置によってエンジンシリンダブロックを吊下げた状態を示す正面図で、エンジンシリンダブロックを縦断面で併示している。
【符号の説明】
1 吊下げ部材
2 垂直部材
3 水平部材
7 吊下げユニット
8 軸部材
9 円筒状部材
10 長孔
11 軸受
12 円板部材
13 アーム部材
14 ブッシュ部材
15 受け部材
15a スリット
17 ピン
18 爪部材
20 レバー
21 ピン
22 エアホイストスイッチ
23 ストッパ部材
30 ワーク(エンジンシリンダブロック)
32a,32b,32c 孔(気筒用ボア)
Claims (1)
- 砂型により鋳込み成形され、少なくとも1個の孔を有するワークを吊下げるワーク吊下げ装置であって、
前記ワークの孔に挿入される円筒状部材と、
前記円筒状部材に挿通され、該円筒状部材に対して回転自在に支持された軸部材と、
前記軸部材の下端部に固定され、該軸部材の回動に伴って回動し、かつ、前記円筒状部材の内部に入り込んだ鋳砂を下方に排出するための上下方向のスリットを有する受け部材と、
前記受け部材の上面に取付けられていると共に、前記円筒部材の下部に収容され、前記受け部材の回動に伴って、前記円筒状部材の側面から出没可能な爪部材とを備え、
前記軸部材及び受け部材の回動に伴い、前記円筒状部材の側面から突出した前記爪部材を前記ワークの孔の下端縁部と係合させることによって、前記ワークを吊下げ可能としたことを特徴とするワーク吊下げ装置。
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