JP4012351B2 - 正帯電性カラートナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現像に用いられる正帯電性カラートナーの製造方法及び該製造方法により得られる非磁性一成分用正帯電性カラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
カラートナーの正帯電性の荷電制御剤には、通常、4級アンモニウム塩等のトナーの色調に影響を及ぼさないものが用いられるが、4級アンモニウム塩はそれ自体の帯電性が十分ではなく、添加量を多くしてもトナーの帯電性は改善されない。そこで、添加量の調整により単独でも優れた帯電量が得られる第4級アンモニウム塩基含有共重合体を含有したトナーが注目されている。しかし、第4級アンモニウム塩基含有共重合体は、カラートナーに好ましく用いられるポリエステルとの相溶性が低く、分散性が不十分なため、トナーの粉砕性が悪化して粒度分布が広くなり、感光体カブリが生じて優れた画像が得られない。そのため、固体状態での予備混合時間を延長する等の必要が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた粉砕性を有し、感光体カブリがなく、優れた画像濃度が得られる正帯電性カラートナーの製造方法及び該製造方法により得られる非磁性一成分用正帯電性カラートナーを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂と電荷調整樹脂とを混練機により溶融混練する工程を有する正帯電性カラートナーの製造方法であって、前記結着樹脂がポリエステルを90〜100重量%含有し、前記電荷調整樹脂が式(I):
【0005】
【化5】
【0006】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示す)で表される単量体を60〜97重量%、式(II):
【0007】
【化6】
【0008】
(式中、R2 は水素原子又はメチル基、R3 は炭素数1〜6のアルキル基を示す)で表される単量体を0〜33重量%、及び式(III):
【0009】
【化7】
【0010】
(式中、R4 は水素原子又はメチル基、R5 及びR6 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表される単量体又はその4級化物を2〜35重量%含有する単量体混合物の重合工程を含む工程により得られた第4級アンモニウム塩基含有共重合体であり、該第4級アンモニウム塩基含有共重合体の前記混練機への供給量が結着樹脂100重量部に対して20〜30重量部であり、前記混練機が加熱及び冷却機能を有する連続式2本ロール型混練機である正帯電性カラートナーの製造方法、並びに該製造方法により得られる非磁性一成分用正帯電性カラートナーに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、結着樹脂と電荷調整樹脂の溶融混練に、加熱及び冷却機能を有する連続式2本ロール型混練機を用いる点に一つの大きな特徴がある。結着樹脂に含有されるポリエステルと、本発明で電荷調整樹脂として用いる第4級アンモニウム塩基含有共重合体とは、相溶性が悪く、従来用いられている二軸押出機では、第4級アンモニウム塩基含有共重合体を結着樹脂中に均一に分散させることは困難である。しかし、本発明で用いる連続式2本ロール型混練機は、加熱ロールと冷却ロールを備え、また、溶融混練する部分がオープン型であることから、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができるため、ポリエステルを含有した結着樹脂を用いても、電荷調整樹脂が均一に分散したトナーを容易に製造することができる。
【0012】
本発明に用いられる連続式2本ロール型混練機は、2本のロールが並行に近接して配設された混練機であり、各ロールは、熱媒体を通すことにより加熱又は冷却を行うことができる。即ち、一方を加熱ロールとし、もう一方のロールを冷却ロールとするものであり、加熱媒体の温度は、好ましくは80〜150℃、より好ましくは90〜140℃であり、冷却媒体温度は、好ましくは0〜70℃、より好ましくは10〜50℃である。
【0013】
2本のロールの間隙は、好ましくは0.01〜10mm、更に好ましくは0.05〜3mmである。また、各ロールの構造、大きさ、材料等について特に限定はなく、ロール表面は、平滑であってもよく、波型、凸凹型等であってもよい。
【0014】
また、ロールの回転数は、周速度2〜100m/minであることが好ましい。また、2本のロールの回転数比は、1/10〜9/10(冷却ロール/加熱ロール)であることが好ましい。
【0015】
本発明に用いられる結着樹脂は、ポリエステルを含有する。ポリエステルの含有量は、着色剤の分散性、定着性及び帯電性の観点から、結着樹脂中、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%、特に好ましくは100重量%である。なお、ポリエステル以外に使用可能な樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
【0016】
ポリエステルの原料モノマーとしては、特に制限がなく、公知の多価アルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知の多価カルボン酸成分が用いられる。
【0017】
多価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。さらにはトナーの耐久性を向上させる点から、ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド付加物がアルコール成分中に5モル%以上、好ましくは50モル%以上使用されていることが望ましい。
【0018】
また、多価カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0019】
ポリエステルは、例えば、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
【0020】
ポリエステルの酸価は1〜10mgKOH/g、水酸基価は20〜60mgKOH/g、軟化点は90〜140℃、ガラス転移点は50〜70℃であることが、それぞれ好ましい。
【0021】
トナーに正帯電性を付与する電荷調整樹脂としては、式(I):
【0022】
【化8】
【0023】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示す)で表される単量体、式(II):
【0024】
【化9】
【0025】
(式中、R2 は水素原子又はメチル基、R3 は炭素数1〜6のアルキル基を示す)で表される単量体、及び式(III):
【0026】
【化10】
【0027】
(式中、R4 は水素原子又はメチル基、R5 及びR6 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表される単量体又はその4級化物、好ましくは式(III)で表される単量体を含有する単量体混合物の重合工程を含む工程により得られる第4級アンモニウム塩基含有共重合体を用いる。
【0028】
式(I)で表される単量体としては、R1 が水素原子であるスチレン、式(II)で表される単量体としては、R2 が水素原子、R3 が炭素数1〜4のアルキル基である単量体、好ましくは、R2 が水素原子、R3 がブチル基であるアクリル酸ブチル、式(III)で表される単量体としては、R4 がメチル基、R5 及びR6 がメチル基又はエチル基である単量体、好ましくは、R4 、R5 及びR6 がメチル基であるメタクリル酸ジメチルアミノエチルが、それぞれ望ましい。
【0029】
単量体混合物中の式(I)で表される単量体の含有量は、60〜97重量%、好ましくは70〜90重量%であり、式(II)で表される単量体の含有量は、0〜33重量%、好ましくは5〜20重量%であり、式(III)で表される単量体又はその4級化物の含有量は、2〜35重量%、好ましくは10〜30重量%である。式(II)で表される単量体は任意のモノマーであり、式(I)と式(III)で表される単量体のみを含有する単量体混合物であってもよい。
【0030】
単量体混合物の重合は、例えば、単量体混合物をアゾビスジメチルバレロニトリル等の重合開始剤の存在下で不活性ガス雰囲気下、50〜100℃に加熱することにより、行うことができる。なお、重合法としては溶液重合、懸濁重合及び塊状重合のいずれでもよいが、好ましくは溶液重合である。
【0031】
溶媒としては、トルエン、キシレン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の有機溶媒、及びこれらとメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールとの混合溶媒が挙げられる。
【0032】
なお、本発明において、式(III)で表される単量体を用いる場合は、このようにして得られる共重合体を、さらに4級化剤で第4級化させることにより、前記第4級アンモニウム塩基含有共重合体を得ることができる。4級化剤としては、p−トルエンスルホン酸メチル、ジメチル硫酸、ヒドロキシナフタレンスルホン酸メチル、塩化メチル、ヨウ化メチル、塩化ベンジル等が挙げられ、これらの中では、安定した高い帯電性が得られるp−トルエンスルホン酸メチルが好ましい。4級化剤の使用量は、式(III)で表される単量体1モルに対して、0.8〜1.0モルが好ましい。かかる共重合体の第4級化は、例えば、共重合体と4級化剤とを、溶媒中、60〜90℃に加熱することにより、行うことができる。
【0033】
また、式(III)で表される単量体の4級化物を用いる場合は、式(III)で表される単量体を前記と同様の4級化剤を用いて4級化させたものを用いることができる。その他に、例えば、式(III)で表される単量体の4級化物として塩化メチル等のアルキルハライドで処理して得られる第4級アンモニウムハライドを用い、得られる共重合体をp−トルエンスルホン酸、ヒドロキシナフタレンスルホン酸等の酸で処理して対イオン交換を行い、目的の第4級アンモニウム塩基含有共重合体とすることもできる。
【0034】
このようにして得られる第4級アンモニウム塩基含有共重合体の重量平均分子量は、保存安定性の観点から、5,000以上、ポリエステルを含有した結着樹脂との相溶性の観点から、100,000以下が好ましく、より好ましくは10,000〜50,000である。
【0035】
第4級アンモニウム塩基含有共重合体の前記混練機への供給量は、結着樹脂100重量部に対して、適度な帯電量を得る観点から、0.5〜30重量部であり、好ましくは5〜30重量部、より好ましくは10〜25重量部である。
【0036】
本発明では、結着樹脂と電荷調整樹脂とともに、さらに正帯電性の荷電制御剤を混練機へ供給し、溶融混練してトナーを製造してもよく、中でも本発明では、着色剤の発色性に影響を与えない点から、式(IV):
【0037】
【化11】
【0038】
(式中、R7 〜R10は、同一又は異なっていてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の低級アルキル基、炭素数10〜20の長鎖アルキル基もしくは長鎖アルケニル基又は炭素数6〜20のアリール基もしくはアラルキル基、X- はアニオンを示す)で表される4級アンモニウム塩が好ましく、式(IV)において、R7 〜R10の少なくとも2個が低級アルキル基又はベンジル基である化合物がさらに好ましい。市販品としては、通常、正帯電性の荷電制御剤として用いられる「ボントロンP−51」、「ボントロンP−52」(以上、オリエント化学工業社製)、「TP−415」、「TP−302」(保土谷化学工業社製)、「COPY CHARGE PSY」(クラリアント社製)等が挙げられる。トナー中の正帯電性の荷電制御剤の含有量は通常、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.5〜4重量部がより好ましい。
【0039】
式(IV)において、アニオンとしては、トルエンスルホン酸イオン、ヒドロキシナフタレンスルホン酸イオン等の芳香族スルホン酸イオン、モリブテン酸クロル等の無機アニオン等が挙げられる。
【0040】
さらに、本発明のトナーには、着色剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、離型剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜添加されていてもよい。
【0041】
着色剤としては、従来のカラートナーに用いられている染料、顔料等を使用することができ、例えば、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ピグメントレッド17、ピグメントレッド57:1、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ピグメントブルー15:3、ソルベントブルー35、カーミン6B、ピグメントイエロー17、ジスアゾエロー等が挙げられる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、2〜25重量部が好ましい。
【0042】
なお、結着樹脂、電荷調整樹脂等の原料を連続式2本ロール型混練機へ供給するには、例えば、テーブルフィーダー等を用いて行う。
【0043】
また、原料を供給する前に、各原料を混合装置を用いて予備混合してもよい。混合装置としては、特に限定するものではなく、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)、スーパーミキサー(カワタ製)、ハイスピードミキサー(深江工業製)、レーディゲミキサー(マツボー製)等の高速攪拌型混合装置が挙げられる。
【0044】
以上のような溶融混練の工程により得られた混練物は、連続式2本ロール型混練機から連続的に取り出すことができる。得られた混練物は冷却後、固化、粉砕、分級等の公知の工程でさらに処理することにより、トナーを製造することができる。
【0045】
冷却に用いられる冷却装置としては、冷却ベルト等が挙げられる。
【0046】
粉砕に用いられる粉砕装置としては、ジェットミル、衝突板式ミル、回転型機械ミル等が挙げられる。
【0047】
分級に用いられる分級装置としては、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。
【0048】
かくして得られたトナーの重量平均粒子径は、5〜15μmが好ましく、さらに、トナーの表面に、必要に応じて流動性向上剤等を添加してもよい。
【0049】
本発明により得られるトナーの酸価は、安定した正帯電性トナーを得るため、好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましくは0.01〜5mgKOH/gであり、酸価と水酸基価の和は、定着性及び耐久性の観点から、好ましくは60mgKOH/g以下、より好ましくは5〜40mgKOH/gである。
【0050】
本発明により得られるカラートナーは、キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することもできるが、トナー自身が優れた正帯電性を有することから、例えば、現像ロールと、該現像ロール上に形成されるトナー層の厚さを均一に規制しつつ摩擦帯電により電荷を付与するブレードとを有する非磁性一成分現像装置に用いられる非磁性一成分用正帯電性カラートナーとして、特に好適に用いることができる。
【0051】
【実施例】
〔ガラス転移点〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
【0052】
〔酸価及び水酸基価〕
JIS K0070の方法により測定する。
【0053】
〔混練条件A〕
テーブルフィーダーを用いて原料混合物をロール外径0.14m、有効ロール長0.8mの連続式二本ロール型混練機に供給する。混練機の運転条件は、高回転ロール(フロントロール)の回転数を75回転/分、低回転ロール(バックロール)の回転数を50回転/分、ロール間隙を0.1mmとし、高回転ロール内の原料投入側及び混練排出側の加熱媒体温度をともに100℃、低回転ロール内の原料投入側及び混練排出側の冷却媒体温度をともに30℃に設定する。また、混合物の供給速度は4kg/時、平均滞留時間は約10分間とする。
【0054】
〔混練条件B〕
混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を混練に使用する。ロール回転速度を200回転/分、ロール内の加熱温度を100℃に設定し、混合物の供給速度は40kg/時、平均滞留時間は約18秒とする。
【0055】
樹脂製造例1
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物12250g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2.0モル付加物21125g、テレフタル酸14940g及び酸化ジブチル錫15gの混合物を窒素雰囲気下、230℃で攪拌しつつ、ASTM E28−67により測定した軟化点が121℃に達するまで反応させて、樹脂Aを得た。樹脂Aのガラス転移点は66℃、酸価は3.4mgKOH/g、水酸基価は23.4mgKOH/gであった。
【0056】
電荷調整樹脂の製造例1
メタノール250g、トルエン200g、スチレン500g、アクリル酸ブチル40g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル60g及びアゾビスジメチルバレロニトリル12gの混合物を、窒素雰囲気下、70℃で10時間重合させ、得られた反応溶液を冷却し、トルエン150g、エタノール100g、p−トルエンスルホン酸メチル71.0gを添加し、70℃で5時間攪拌して4級化を行った。反応溶液を100℃に加熱し、減圧下で溶媒を留去した後、ジェットミルで粉砕し、電荷調整樹脂A(重量平均分子量:14000)を得た。
【0057】
実施例1〜3及び比較例1、2
表1に示す原料を、ヘンシェルミキサーで十分に混合した後、表1に示す混練条件で溶融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、衝突板式粉砕機「ディスパージョンセパレーター」(日本ニューマチック工業(株)製)を用いて粉砕し分級した。目標粒径を8.5μmとして粉砕、分級した際の混練物の粉砕性を、以下の評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
【0058】
〔評価基準〕
○:粉砕時特に問題は生じず、分級を行った後、変動係数が26%未満の粉体が収率70%以上で得られた。
×:粉砕時に多量の微粉が発生し、それを除去するために、分級後の収率が40%以下となり、また除去しきれない微粉が残存するため、得られた粉体の粒度分布はブロードで、変動係数は26%以上であった。
【0059】
得られた粉体100重量部に、外添剤として「アエロジル R−972」(日本アエロジル(株)製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、粉体に表面処理を施して、トナーを得た。
【0060】
【表1】
【0061】
試験例1
反転現像による非磁性一成分現像装置「HL−730」(ブラザー工業社製)から定着部分を除去して改造した装置にトナーを実装し、ベタの未定着画像を得た。感光体上のカブリをメンディングテープで採取し、ブランクの白色度との差を、ΔYとして求め、感光体カブリの程度を以下の評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
【0062】
〔評価基準〕
◎:ΔYが2.0未満であり、実使用上特に良好である。
○:ΔYが2.0以上、4.5未満であり、実使用上問題はない。
×:ΔYが4.5以上であり、実使用不可である。
【0063】
試験例2
試験例1で得られた未定着画像を、「フェーザー560」(テクトロニクス社製)から取り出した定着器を用いて定着させ、定着画像の反射濃度を「Macbeth RD918」(マクベス社製)により測定し、画像濃度を以下の評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
【0064】
〔評価基準〕
◎:反射濃度が1.4以上であり、実使用上特に良好である。
○:反射濃度が1.25以上、1.4未満であり、実使用上問題はない。
×:反射濃度が1.25未満であり、実使用不可である。
【0065】
【表2】
【0066】
以上の結果から、実施例1〜3により得られたトナーは、優れた粉砕性を有し、感光体カブリがなく、優れた画像濃度が得られることが分かる。これに対し、電荷調整樹脂を含有していない比較例1のトナーは、通常の二軸押出機を用いて混練しても、粉砕性には優れるものの、感光体カブリがややみられ、ベタ画像の濃度も薄くなる。また、電荷調整樹脂を含有していても二軸押出機を用いて溶融混練を行なった比較例2のトナーは、粉砕性に欠け、感光体カブリ及び画像濃度のいずれの点においても不十分な結果であることが分かる。
【0067】
【発明の効果】
本発明により、優れた粉砕性を有し、感光体カブリがなく、優れた画像濃度が得られる正帯電性カラートナーを容易に製造することが可能になった。
Claims (5)
- 少なくとも結着樹脂と電荷調整樹脂とを混練機により溶融混練する工程を有する非磁性一成分用正帯電性カラートナーの製造方法であって、前記結着樹脂がポリエステルを90〜100重量%含有し、前記電荷調整樹脂が式(I):
- 単量体混合物における式(III)で表される単量体又はその4級化物の含有量が10〜30重量%である請求項1記載の非磁性一成分用正帯電性カラートナーの製造方法。
- 連続式2本ロール型混練機において、2本のロールの回転数が周速度2〜100m/min、2本のロールの回転数比が1/10〜9/10(冷却ロール/加熱ロール)である請求項1〜3いずれか記載の非磁性一成分用正帯電性カラートナーの製造方法。
- 請求項1〜4いずれか記載の製造方法により得られる非磁性一成分用正帯電性カラートナー。
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