JP4011894B2 - 情報記録部と可逆表示部とを有するカード、およびそれを用いる発行方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気、ICチップなどの情報記録部を有するカードに関し、さらに詳しくは、情報記録部と可逆表示部とを有するカード、およびそれを用いた発行方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、カードの普及は目覚ましく、クレジットカード・キャッシュカードなどの金融決済カード、社員証・会員証・学生証などのIDカード、プリペイドカード・ポイントカードなどの個人取引カード、に多く使用されている。これらカードには、不可視および可視の情報が記録または表示されている。該情報によって有効な使用者が認証され、多種多様の用途に使用できる。不可視情報は、磁気記録部・ICチップ・光記録部などへ記録され、不可視情報は、エンボス・刻印・顔写真・印字などで表示されている。一方、カード券面は意匠性が求められ、同時に発行業者も提携カードなどの増加で多様化している。すなわち、物体としてのカード自体(情報が記録または表示されていないカードで、生カードと呼ぶ)の種別(券種)も増加して、多種類の生カード券種がある。
【0003】
該生カードの状態では実使用できず、上記の不可視および可視の情報が、記録または表示されて、始めて使用が可能となる。すなわち、多種類の生カードにマッチさせて、磁気・ICチップ・光・エンボス・刻印・顔写真・印字などへ、使用者に固有の信用情報を記録し表示する。また、カードの多機能化が進み、1枚のカードへクレジット機能・キャッシュ機能・ID機能などの多くの信用情報を、セキュリティ性を確保して記録しなければならない。さらに、これらの信用情報は、クレジット機能・キャッシュ機能・ID機能などの、機能毎のデータファイルとなっていることが多い。したがって、該当する生カードへ、個別ファイルにある使用者の各種の情報を、間違いなく記録する(書き込む、または、発行処理とも呼ぶ)ことは極めて重要で、生カードと書き込む情報とを、マッチングさせる種々の方法が提案されている。
【0004】
例えば、特開平6−266907号公報で、初期発行した会員番号やエンボスなどの、個人を識別できる情報を光学的に読み取り、該情報に対応する個人データをICカードへ書き込む発行処理システムが、開示されている。しかしながら、絵柄の違う複数品目の生カードへ、同一の発行処理機で順次、情報を書き込む場合、当該品目の生カードと書き込みデータとの、マッチングを行う手段がなく、人間が目で生カード絵柄を識別して、並べるしかないという欠点がある。
【0005】
特開2000−67178号公報で、ICカードを添付して郵送するための、台紙の表示情報を読み取って、ICカードの表示データとマッチングしながら、ICカードを台紙に添付する装置が、開示されている。しかしながら、光学的に認識するマッチングキーとなるバーコードなどの識別記号が必要で、カードに予め印刷せなばならず、カードの意匠スペースが減り、また、発行時以外には必要のないコードが印刷されていては意匠的にも好ましくないという問題点がある。
【0006】
特開平6−89370号公報で、赤外線吸収物質からなる識別バーコードを読み取りながら、所定の印字発行処理を行う装置および方法がが、開示されている。しかしながら、不可視インキ(赤外線吸収物質)で識別コードを印刷しておくので、裸眼で見えず人間が確認できない、確認する場合には専用の読取装置を用意しなければならないという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、生カードに設けられた可逆表示可能な識別パターンと対応させながら、個人情報を、磁気・ICチップ・光・エンボス・刻印・顔写真・印字などへ書き込んで発行した後に、可視表示パターンを消去することで、該当する生カードへ、使用者の信用情報を間違いなく記録でき、かつ、実使用中に問題が発生したカードへ、再び可視表示させて、カード属性や製造ロットが確認でき、さらには、カード自身の偽造や否やを判別できる、情報記録部と可逆表示部とを有するカード、およびそれを用いた発行方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法は、少なくとも情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法において、(a)可逆表示部へ生カード属性の識別情報が表示されている生カードを準備し、(b)前記表示されている生カード属性の識別情報を読み取り、(c)読み取った生カード属性の識別情報と、使用者の記録情報とのマッチングを確認し、(d)マッチングしていれば、使用者の記録情報のデータに基づいて、生カードの情報記録部へ記録した後に、(e)表示されている生カード属性の識別情報を消去して不可視とするようにしたものである。本発明によれば、適正な生カードへ使用者の信用情報が間違いなく記録された情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法が提供される。
【0009】
請求項2の発明に係わる情報記録部と可逆表示部とを有するカードは、請求項1に記載の情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法で発行するカードであって、前記可逆表示部の初期の表示法が表示のための操作を行うことなく、単層または多層のカードコアと両面のオーバーシートとを重ねたプラスチックを熱プレス法で積層して生カードを製造する際の熱プレスの熱で、積層と同時に表示されてなるようにしたものである。本発明によれば、適正な生カードへ使用者の信用情報が記録された、情報記録部と可逆表示部とを有するカードが提供される。
【0010】
請求項3の発明に係わる情報記録部と可逆表示部とを有するカードは、請求項1に記載の情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法で発行するカードであって、可逆表示部の表示法または消去法がレーザ光、フラッシュ光または赤外線の光源、高周波誘導または電磁誘導の電磁波を用いるようにしたものである。本発明によれば、使用者の信用情報が、セキュリティ性を確保して記録された情報記録部と可逆表示部とを有するカードが提供される。
【0011】
請求項4の発明に係わる情報記録部と可逆表示部とを有するカードは、上記可逆表示部のパターンが文字、記号、番号、および/またはバーコードからなる生カード属性の識別情報であり、該識別情報が表示状態のときにカード発行し、実使用のときには非表示状態であるようにしたものである。本発明によれば、カードに固有の情報を容易に表示し、必要に応じて消去できる情報記録部と可逆表示部とを有するカードが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の態様について、図を参照して詳細に説明する。本発明は種々の機能を組み合わせて使用することができるので、本明細書で説明する実施例に限定されるものではなく、多くの使用態様へ適用できる。
図1は、本発明の1実施例を示すカードの平面図である。
図1の本発明のカード1は、カード基材11へ、情報記録部、可逆表示部25A、絵柄部21A、エンボス部31、ホログラム部41とを有するように図示しているが、本発明では、少なくとも1つの情報記録部と、少なくともカードの1部に可逆表示部とを有していれば適用できる。すなわち、情報記録部と可逆表示部を有し、絵柄部、エンボス、ホログラムなどは、それらの1つまたは複数を自由に組み合わせて使用することができる。情報記録部と可逆表示部も、1つに限らず複数を組み合わせて良い。情報記録部としては、磁気記録層33A、ICチップ35、光記録部などがある。
【0014】
カード基材11としては、実使用時に記録を読み取れ、また携帯できる機械的強度、耐薬品性などがあれば、例えば、コート紙・含浸紙・板紙などの紙類、合成紙、天然樹脂、合成樹脂(プラスチック)などが適用できる。用途に応じて、これらの材料を1つ、または複数を積層して使用することができる。しかし、携帯時の曲げ外力、環境の変化、汗などでの変質、リーダライタでの読み取り適性などから、プラスチック製が好ましい。
【0015】
図2は、図1のAA断面図である。
カード基材11は、カードコア101A、101B、オーバーシート107A、107Bからなっている。カードコア101Aの一方の面には、可逆表示部25Aと、絵柄21Aを設け、カードコア101Bの一方の面には、カードの反対面の絵柄21Bを設けられている。該絵柄面のそれぞれを外側にして重ね、さらに、その両面にオーバーシート107A、107Bを重ねて一体化されている。オーバーシート107Aには、磁気記録層33Aが設けられている。図2では、2層のカードコアを表わしているが、単層でも、2層以上でも良い。
【0016】
図3は、図1のBB断面図である。
ICチップ35は、カード基材11の一部をざぐって凹部とし、接着剤37で固定されている。図1と図3のICチップは、接触型ICチップを図示しているが、非接触型ICでも、また、接触型および非接触型IC併用でも適用できる。絵柄、エンボス、ホログラムについては、当業者では良く知られており、詳細は省略する。
【0017】
カード基材11のプラスチックとしては、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト・ポリスルホン・ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ−テル・ポリフェニレンスルフィド(PPS)・ポリエーテルケトン、ポリエーテル‐エーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン・高衝撃ポリスチレン・AS樹脂・ABS樹脂などのスチレン系樹脂などがある。
【0018】
該カード基材11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)若しくは複数層からなる積層体であっても良い。該カード基材11の厚さは、通常、50〜2000μm程度が適用できるが、150〜1200μmが好適で、700〜900μmが最適である。これ以上の厚さでは、柔軟性がなく、携帯に不便で、これ以下では、強度が不足し、携帯での耐久性に劣る。該カード基材11は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。カードコア101A、101B、オーバーシート107A、107Bのすべてに、塩化ビニル樹脂を用いるのが好ましい。また、塩素を含有しないので環境への負荷も軽減できるプラスチックとして、例えば、テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート、若しくはこれらのアロイも好適である。さらに、カードコアとオーバーシートを異種材料としても良く、例えば、カードコアにテレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体を用い、オーバシートにポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートのアロイを用いて、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートのアロイ/テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体/テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体/ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートのアロイの対称構成が、製造のしやすさ、エンボスのしやすさ、価格、使用時の耐熱性などから好適である。
【0019】
カードコア101A、101B、オーバーシート107A、107Bのには、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体では、製造工程の熱プレス温度が高くなると流動変形し易くなるため、カードコアへ接着剤層を設けてオーバーシートとプレス積層することが望ましい。さらに、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
【0020】
情報記録部としては、磁気記録層33、ICチップ35、光記録層などが適用できる。磁気記録層33としては、通常、約6mm幅のストライプ状のもので、カード基材11の表面に、磁性物質を添加し混練した塗料を用いて直接設けるか、薄いプラスチックシート等の基材に塗布し、ストライプ状にカットして貼るか、あるいは一旦、仮の転写基材に剥離可能に積層して作製した磁気記録層転写シートを使用して、転写法により形成する。また、磁性物質を添加し混練した塗料を用いる以外に、磁性物質の蒸着やスパッタリング等により気相状態で磁性物質の薄膜を形成して磁気記録層33とする方法によって行なうか、以降、ストライプ状にカットして貼るか、転写により適用するなどによってもよい。
【0021】
通常、用いられる磁気ストライプ形状の磁気記録層33は、転写基材/剥離層/磁気層/接着層の順に形成した転写箔を作製し、所定の幅にスリットし、接着層側をオーバーシートに重ねてヒートシール後に、転写基材を剥離する。転写基材としては、従来の転写シートに使用されている基材を使用することができ、特に制限はない。具体的には、ポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリカーボネート等の耐熱性の高いものが好ましく、厚さは1〜300μm程度が好ましい。剥離層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの剥離剤から形成する。剥離層は、上記のような樹脂に必要な添加剤を加えたものを、適当な溶剤に溶解又は分散して、調製したインキを、転写基材上に公知のロールコーティングなどの手段より塗布、乾燥させて形成する。剥離層の厚さは0.1〜5μm程度が好ましい。
【0022】
磁気記録層33としては、公知のものが使用できるが、クレジット機能、キャッシュ機能などの機能によって、JISやISO規格で抗磁力などが決められているので、規格にあうものを適宜選択せれば良い。本発明では複数の磁気記録層33A、33Bを使用する場合もあり、それぞれの使用する規格にあうものを適宜選択し、組み合わせれば良い。磁気記録層の磁性材料としては、例えば、γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3、Fe3O4、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、Baフェライト、Srフェライトなどの磁性微粒子が挙げられる。
【0023】
磁気記録層は、上記の磁性微粒子を、適当なインキビヒクル中に分散した塗料を、公知の例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、キスコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ナイフコート、スクイズコート、エアードクターコート、エアナイフコート、ダイコート、リップコート、カーテンコートなどのコーティング法によって塗布し乾燥し、必要に応じて硬化させて形成する。
インキビヒクルとしては、ブチラール樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、スチレン‐マレイン酸共重合体樹脂などが適用でき、必要に応じて、ニトリルゴムなどのゴム系樹脂、或いはウレタンエラストマーなどが添加される。また、インキビヒクル中に磁性微粒子を分散した塗料に、必要に応じて界面活性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリコーンオイル、カーボン等の顔料を添加してもよい。このよう形成される磁気記録層の厚さは1〜100μm、好ましくは5〜20μm程度である。また、磁気材料としてFe、Fe−Cr、Fe−Co、Co−Cr等の金属又は合金、或いはその酸化物を用いて、真空蒸着法、スパッタ法、メッキ法等により形成する場合は、その厚さは100Å〜1μm、好ましくは500〜2000Å程度である。接着層は、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー系樹脂等の公知の接着剤を用いて形成する。該接着層13の厚さは、0.1〜50μm、好ましくは1〜10μm程度とすることができる。
【0024】
磁気記録層は、オーバーシート107A、および/または107B上に転写した後、熱プレス機を用いて、カードコアとともに熱プレスすることにより、カード基材11の表面に埋設し、磁気記録層33A、33Bの表面とカード基材11の表面とが、段差のない略同一平面になる。
【0025】
ICチップ35を搭載したカード、すなわちICカードである。ICカードは、マイクロコンピュータ(CPU)、メモリなどのICチップを、装着若しくは内蔵させたカードで、チップカード、メモリカード、マイコンカード、電子カード、スマートカードなどとも呼ばれる。ICカードのICチップは、一般的にはCOB(Chip on Board)、またはリール形状のフレキシブル基板を用いたCOT(Chip on Tape)の形態をとったICモジュールを搭載している。該ICチップを、カードを作製した後、所定の位置に、切削加工などにより凹部を形成し、該凹部にICモジュールなどを装填して、接着剤により固定して、ICカードとする。
【0026】
該ICカードには、接触型と非接触型のICカードがあるが、本発明では、いずれにも適用できる。接触型ICカードは、ICモジュールの各端子と、R/W(リーダライタ)のコンタクト部とを接触させて電気的に接続して、I/Oラインを形成し、I/Oラインを通じて情報の読み出し、書込みを行う。非接触型ICカードは、カード基材へ埋め込んだアンテナ(図示していない)へ、ICモジュールを電気的に接続して、アンテナを通じて無線で交信して、情報の読み出し、書込みを行う。ICチップは、カード基材の表面にICチップの接続端子が設けられている。通常、接続端子は8個の接点を有しており、該接点は、電圧供給用(二個)、GND(一個)、データ交信用(一個)、クロック信号供給用(一個)、リセット信号供給用(一個)、予備(二個)となっている。また、ICチップは、通常、CPU、プログラム格納用のROM、EEPROM、FRAMなどの電気的にデータが書き換え可能なメモリからなるデータメモリ、ワーク用のRAMを内蔵している。
【0027】
光記録部をカード形態とした所謂光カードは、基本的には、透明保護層/パターン層/光記録層のように層構成をした光記録部を、接着層を介してカード基材へ積層したものである。このように光カードの光記録層は、透明保護層とカード基材により挟持された構造である。透明保護層は、記録再生に使用する光源の波長域で透過率が高く、且つ後工程において変形、劣化等を生じなく、また機械的強度、光学的特性を満たすものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンポリカーボネートブレンド樹脂などが適用できる。
【0028】
パターン層は、透明保護層の下面に2P法で設けられ、トラックとなる凹凸溝を備えている。なお、2P法以外のインジェクション法、キャスティング法でパターンを形成しても良く、この場合には、透明保護層とパターン層との境界はなくなる。該パターン層は、例えば、DRAW型光記録では、記録・再生時に基準となるトラックガイドと、光記録部の左右の少なくとも片方に、各トラックの識別番号・同期マークからなるトラックID部が、プリフォーマットされている。トラックガイドとトラックID部の矩形状領域を総称してトラックパターン領域という。該トラックパターン領域の全体を覆うように、光記録層を形成する。該光記録層は、パターン層の凹凸溝を覆うように設けられ、例えば、DRAW型ではテルル、ビスマス、アルミニウムなどの低融点金属、およびその合金からなる無機系材料、或いはアントラキノン系、ナフトキノン系、トリフェニルメタン系、カルボシアニン系、メロシアニン系、キサンテン系、アゾ系、アジン系、チアジン系、オキサジン系、フタロシアニン系などの有機色素を含む有機染料で一般に形成する。またROM型であれば、アルミニウムなどの高反射性金属により予め情報を記録した形で形成しても良い。該光記録層の大きさは、トラックパターン領域と同じか、より大きく形成する。
【0029】
光記録部は、読み取りのガイドラインとなるトラックガイドと、トラックID部と、データトラック部とからなっている。該トラックガイドは、カードの長辺の底辺に平行に形成された直線状の非反射部である。該トラックガイドの幅および間隔は、それぞれ2.5μm・12μmであるが、読み取るリーダライタによって異なる場合もある。前記ビットの大きさおよび形状は、特に限定されるものではなく、楕円形、円形、長方形でも良く、該大きさも例えば長方形を例にとると、短辺部が2.5μmで、長辺部が2.5・3・6・9・12μmなどが適用できる。トラックID部には、点又は楕円の低反射率のビットによりデジタルデータがプリフォーマットされている。
【0030】
データトラック部は、トラックガイドに挟まれ、非反射部分・反射部分のビットからなる。該非反射部分と反射部分のビットが、「0」と「1」を表わし、このビットを組み合わせることで情報を記録することができる。該記録は、レーザービームによって光記録層を低反射率に変化させるような、データビット(点又は楕円)を形成して、情報データを追加書き込みする。該光記録容量は、カードサイズ(54mm×86mm)全体を記録部とすると約6メガバイトであるが、通常は名称やデザインを可視表示するので、1〜3.4メガバイトであり、適時、用途などで選択することができる。
【0031】
このような構成をした光記録部は、接着層を介してオーバーシート107Aとカードコア101Aとから印刷・熱プレス加工された厚さ350μm程度のカード基体とを、接着剤で積層すれば良い。また、必要に応じて、透明保護層の表側に表面硬化層が設ける。カードの携帯時や使用時に表面への傷がつくことを防止し、カードの耐久性と書込み及び読取り精度における信頼性の向上する、該表面硬化層は、通常、放射線硬化型樹脂を用いて形成する。
【0032】
本発明では、情報記録部としては、磁気記録層33、ICチップ35、光記録層などを併用しても良い。特に、光記録部は、他の記録手段、例えば、磁気記録層やICチップとを併設することが好ましい。例えば、情報の制御部・ID属性・パスワードなどをICチップへ記録することで、情報やパスワードの暗号化などでセキュリティ性が向上できる。また光記録部をデータの記録に専念できるために、大きな情報量を記録することができる。さらに、磁気ストライプやICチップを併設すれば、光特性の他に磁気や電気的特性解読も必要になることから、偽造・変造・不正使用を一層困難なものにすることが出来る。
【0033】
本発明の可逆表示部25Aとしては、加熱温度や冷却速度により、発色(白濁)状態と透明状態が可逆的に変化する、公知の種々の材料が適用できる。例えば、染料と可逆性顕色剤を含むロイコ染料型可逆表示材料、または、脂肪酸の融解凝固で透明性が変化する脂肪酸‐高分子複合型型可逆表示材料などがある。可逆表示部は、少なくともカードの1部にあれば良く、複数個を設けても良い。複数の場合には、上記の可逆表示材料を組み合わせても良い。さらに、後述する可逆表示部25B、25C、25Dも同様である。
【0034】
ロイコ染料型可逆表示部は、加熱により高濃度に発色し、さらに再加熱により消色するものであり、コントラストが大きく画像認識がし易い。該表示部は、通常、無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じさせる可逆顕色剤とを主成分とする。通常、フルオラン染料と長鎖アルキルフェノール型可逆性顕色剤を混合した材料である。
【0035】
可逆顕色剤としては、脂肪族炭化水素基を有する電子受容性化合物が適用でき、特に炭素数6以上の脂肪族炭化水素基を少なくとも一つ有するフェノール性化合物が好適である。特にこれらに限定されるものではないが、例えば、次のものが例示できる。
4′−ヒドロキシヘプタンアニリド、4′−ヒドロキシ−3−メチルオクタンアニリド、4′−ヒドロキシトリデカンアニリド、4′−ヒドロキシノナデカンアニリド、3′−ヒドロキシノナデカンアニリド、2′,4′−ジヒドロキシヘプタデカンアニリド、4′−ヒドロキシ−4−ヘキシルベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−4−(ヘプチルチオ)ベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−4−ドデシルスルホニルベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−4−(N−ヘプタデシリデンアミノ)ベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−3,4−ジオクチルオキシベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−3−(ヘプタデシルチオ)−5−ペンタデシルオキシベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−3−ヘプタデシルカルボニルアミノ−5−ドデシルベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−3,5−ビス(N−ドコシリデンアミノ)ベンズアニリド、
【0036】
N−シクロヘキシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−シクロヘキシルメチル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−メチル−N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、4−ヒドロキシ−4′−ヘプチルカルボニルアミノベンズアニリド、4−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシカルボニルアミノベンズアニリド、N−メチル−3−ヒドロキシ−4′−オクタデシルベンズアニリド、4−(N−オクチルスルホニルアミノ)フェノール、4′−ヒドロキシ−4−シクロヘキシルベンゼンスルホンアニリド、4′−ヒドロキシ−4−オクタデシルアミノベンゼンスルホンアニリド、N−オクチリデン−4−(4−ヒドロキシフェニル)アミノスルホニルアニリン、
【0037】
4′−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシジフェニルスルフィド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−オクタデシル尿素、N−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)−N′−オクタデシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−(4−テトラデシルフェニル)尿素、N−(4−ヒドロキシベンジリデン)オクタデシルアミン、N−(4−ヒドロキシベンジリデン)−4′−テトラデシルカルボニルオキシアニリン、N−(3−ヒドロキシベンジリデン)ドデシルアミン、N−(4−ヒドロキシ−α−メチルベンジリデン)−4′−オクタデシルアニリン、N−(4−オクタデシルカルボニルアミノ)ベンジリデン−4′−ヒドロキシアニリンなどがある。
【0038】
染料前駆体としては、通常、無色ないし淡色の電子供与性化合物が適用でき、特にこれらに限定されるものではないが、例えば、次のものなどがある。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリールメタン系化合物。
【0039】
4,4´−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合物。
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のキサンテン系化合物。
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系化合物。3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等のスピロ系化合物等がある。これらの通常、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0040】
可逆表示部において、染料前駆体に対する可逆顕色剤の使用量は5〜5000重量%が好ましく、10〜3000重量%が特に好ましい。また、染料前駆体の塗布量は、発色濃度およびコストの点から、0.01〜2.0g/m2であることが好ましく、0.1〜1.5g/m2が特に好ましい。
【0041】
また、可逆表示部の強度を向上させ層を形成させるために、バインダーを添加する。これらのバインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド‐アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド‐アクリル酸エステル‐メタクリル酸3元共重合体、スチレン‐無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン‐無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン‐ブタジエン共重合体、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル‐ブタジエン共重合体等のラテックスなどがある。
【0042】
また、可逆表示部の発色感度および消色温度を、調節するために添加剤を含有させても良い。該添加剤は、例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、ビフェニル誘導体、ポリエーテル化合物、炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等がある。2種以上併用して添加することもできる。さらに、可逆表示部には、タルク、炭酸カルシウムなどの無機及び有機顔料、分散剤、界面活性剤、蛍光染料などを含有させても良い。
【0043】
脂肪酸‐高分子複合型可逆表示材料は、有機低分子化合物の融解・凝固挙動の差を利用して、透明性を変化させる材料で、有機低分子物質を合成樹脂からなるバインダへ分散させたものである。該合成樹脂としては、透明性があり、成膜性がよく、有機低分子物質を均一に分散保持できるものが好ましい。該合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体およびその部分ケン化物、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体等の塩化ビニル系樹脂。塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系樹脂。そして、各種ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、その他各種ポリエステル系樹脂などが適用できる。
【0044】
また、有機低分子物質としては、各種脂肪酸およびその誘導体が適用でき、好ましくは飽和直鎖脂肪酸で、特に、炭素数C:10〜30、融点:30〜160℃の範囲のものが最適である。該有機低分子物質は、一種または二種以上を混合しても良く、特に、融点の異なる有機低分子物質、例えば、飽和直鎖脂肪酸のモノカルボン酸とジカルボン酸などを混合すると、透明化の温度範囲が広くなり好ましい。
【0045】
該物質としては、モノカルボン酸では、カプリン酸、ラウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸などがあり、ジカルボン酸では、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン2酸、ドデカン2酸、トリデカン2酸、テトラデカン2酸、ペンタデカン2酸、ヘキサデカン2酸、ヘプタデカン2酸、オクタデカン2酸、ノナデカン2酸、エイコサン2酸、ヘンエイコサン2酸、ドコサン2酸などがある。また、合成樹脂に対する有機低分子物質の混合量は、全体に対する有機低分子物質の含有量として1重量%〜60重量%程度であり、20重量%〜50重量%の範囲が更に好ましい。有機低分子物質の含有量が1重量%以下では印字濃度が低く、鮮明さが不充分となり、一方、60重量%以上になると均一な塗膜の形成が困難となる。
【0046】
以上、説明してきた可逆表示部25Aの材料を含む組成物(インキ)を、カードコア101A、および/または101B、必要に応じてオーバーシート107A、および/または107Bへ形成する。該可逆表示部25Aは、パターン状に表示させ、文字、および/または記号、および/または番号、および/またはバーコードとする。このようにすることで、サーマルヘッドでのドット加熱や熱金型を用いずとも、全面を加熱するだけで、所定の文字、記号、番号、バーコードを表示できる。さらに、これらの文字などは、カード属性をあらわす情報であり、カードの製造工程で印刷される。このために、後から印字する方式のように、誤って表示することがない。パターンの形成は、公知のグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などの公知の印刷方法で良く、可逆表示部25Aの材料を含む組成物(インキ)を印刷し乾燥して形成する。該可逆表示部の膜厚は、1〜50μm程度であり、3〜30μmが好適である。3μm未満では表示のコントラストが低下し、30μmを越えると必要な熱量が過大となり、感度が低下してくる。
【0047】
以上、説明してきた可逆表示部25Aを、発色させて可視化させ、また、消色させて不可視化させる方法について、説明する。本発明の可逆表示部25Aのロイコ染料型可逆表示材料、脂肪酸白濁型可逆表示材料、液晶‐高分子複合型可逆表示材料は、熱を用いて可視的に表示し、また、消去して不可視とすることができる。熱源としては、サーマルヘッド・熱ロール・熱金型などの直接加熱、レーザー光・タングステンランプ・ハロゲンランプなどの照射光・フラッシュ光・赤外線・輻射熱、またに、高周波誘導加熱・電磁誘導加熱などの電磁波加熱などが適用できる。発色状態と消色状態を制御する温度は、使用する可逆表示材料の表示および消去特性に依存する。一般的には、ロイコ染料型可逆表示材料の場合は、130〜200℃程度の高温に加熱した状態から室温までに急冷却することにより、発色(可視)状態が維持され、また、100〜150℃程度の温度から徐々に冷却することにより顕色剤が解離し、透明(不可視)状態となって、目視できない。脂肪酸白濁型可逆表示材料の場合は、100〜140℃程度の温度で加熱すると白濁(可視)状態となり、80〜100℃程度に加熱で、透明(不可視)状態となる。
【0048】
このように、可逆表示部25Aは、加熱して発色させて可視化させ、再度、発色より低い温度で加熱して消色できる。このために、発色させる場合の加熱を、カードを製造するときの熱プレスの温度を利用すると、一石二鳥である。また、可逆表示部25Aが不可視状態では、可逆表示部25A自体の存在の有無も確認できないが、熱プレス工程で可視化できれば、それも確認できる。また、その後の製造工程の、工程管理に利用することもできる。
【0049】
さらに、可逆表示部を発色させてパターンを表示させるためには、加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、また、消色を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てて急冷させると、発色状態となり、また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却して、発色状態となる。一方、熱源で、比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなくカード基材も加熱されて熱源を除いても、冷却しにくいので消色状態になる。したがって、同じ加熱温度および/または同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することで、発色、および消色の両操作に使用しても良い。
【0050】
また、熱源として、レーザー光・タングステンランプ・ハロゲンランプなどの照射光・フラッシュ光・赤外線・輻射熱、またに、高周波誘導加熱・電磁誘導加熱などの電磁波加熱を用いると、非接触で加熱することができる。発色・消色の操作で、加熱手段およびカード面とが接触しないので、加熱手段およびカードの耐久性が向上する。さらに、熱源として、レーザー光・タングステンランプ・ハロゲンランプなどの照射光・フラッシュ光を用いる場合には、光を効率良く熱に変換するために、光の波長に応じた赤外線吸収染料を可逆表示部に混合するか、上下層を設けて塗布すれば良い。さらにまた、高周波誘導加熱・電磁誘導加熱などの電磁波加熱を用いた場合には、可逆表示部に接して誘電材料、磁性材料を含む層を設けておくと、高周波または電磁波の照射を受けて発熱し、表示部を選択的に加熱できて効率が良い。これらの加熱手段としては、発色時、消色時、再表示時に、異なる熱源を用いても、何らの支障もない。
【0051】
図4は、本発明のカードの製造法を説明する断面図である。
図4(A)は、オーバーシート107A、カードコア101A、カードコア101B、オーバーシート107Bを重ねて熱プレスしようとする状態である。図4(B)は、熱プレスを終了して一体化したカード基材11である。該カード基材11へ、ホログラム・可逆表示部25D、25Eを設けたのが、図4(C)である。
【0052】
図4(A)で、オーバーシート107Aには、予め、磁気記録層33を設けておく。該磁気記録層33は、通常、転写基材/剥離層/磁気層/接着層の順に形成した磁気転写箔を作製し、所定の幅にスリットし、接着層側をオーバーシートに重ねてヒートシール後に、転写基材を剥離すれば良い。磁気記録層33は、複数でも良く、また、前述した塗布などによる方法でも良い。カードコア101Aには、予め、カード表面の意匠などの絵柄21Aを設け、必要に応じて可逆表示部25Aを設ける。カードコア101Bには、予め、カード裏面の意匠などの絵柄21Aを設け、また、必要に応じて可逆表示部25Aを設ける。オーバーシート107Bには、予め、必要に応じて、磁気記録層33Aを設けておく。該絵柄の印刷としては、公知のオフセット印刷、紫外線で硬化させるUVオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などが適用できる。可逆表示部25Aの形成は印刷法であり、絵柄21A印刷と同時に行うのが好ましく、印刷工程に1色追加するだけで良く効率的である。
【0053】
図4(A)のように、カードコア101A、カードコア101Bを絵柄面のそれぞれを外側にして重ね、さらに、その両面にオーバーシート107A、107Bを重ね。該重ね合わせシートを鏡面金属板111A、111Bで挟んで、熱プレスして積層する。図4(A)は、該重ね合わせシートを鏡面金属板で挟んだ状態である。図示していない熱プレス機を用いて、上下から加熱加圧して積層する。金属板としては、ニッケル‐クロムメッキ鋼板、表面研摩したステンレス板、表面研摩したアルミニウム板などを用いる。熱プレス機の熱源は、電熱、蒸気、過熱蒸気、燃焼ガスなどが使用でき、圧力は、100〜500N/cm2程度である。
【0054】
該熱プレス条件は、100〜180℃程度、好ましくは、130〜150℃でである。100℃以下では、熱プレスに長時間かかって効率が悪く、コストが高くなり、また、カードコア間の接着が悪い。180℃以上では、カード基材および絵柄のインキ組成物に歪みが発生しやすい。
【0055】
通常、カードコア101A、101B、オーバーシート107A、107Bのカード基材11には、塩化ビニル樹脂を用いる。また、カード基材11として、例えば、テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート、若しくはこれらのアロイを用いる場合は、熱プレス温度が高くなるので、カードコアへ接着剤層を設ければ良い。カードコア101A、101Bの各々へ所定の絵柄21A、21B、必要に応じて可逆表示部25Aを設けて、さらに接着剤層を設ける。
【0056】
該接着剤層としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などのアクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ポリウレタン系樹脂などが適用できる。該接着剤層の厚さは、通常は1〜50μm程度、好ましくは5〜20μmである。1μm以下の厚さでは、均一な層が形成できず、特にインキ層との接着が弱い。50μm以上の厚さは、熱プレス時の温度で流動化して、絵柄の歪みが発生し易い。
【0057】
接着剤層の形成は、上記の樹脂を溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコートなどのコーティング方法、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷などの印刷法で、塗布し乾燥、および/または硬化させて形成すれば良い。また、既存の印刷設備が使用でき、枚葉形状で印刷のできる、グラビア印刷、スクリーン印刷が最適である。
【0058】
図4(B)は、熱プレスで積層されたカード基材で、4層のカードコア101A、101B、およびオーバーシート107A、107Bが一体的に積層されている。該プレスにより、絵柄21A、21B、可逆表示部25A、磁気記録層33Aは、カード基材へ埋まり込んで、カードの表面は略平滑となる。この積層済みシートを、カード形状に打ち抜いて、生カードとする。打抜き機は、片刃、または雄金型と雌金型などを用いる公知の打抜き機で、クレジットカードやキャッシュカードなどの規格寸法、または用途により所定の形状と寸法に打抜けばよい。
【0059】
図4(C)は、プレス済みのカード基材11へ可逆表示部を設けた変形態様である。オーバーシート107A、または、その表面へ不透明のもの、例えば、ホログラムなどが設けられていると、可逆表示部が見えないので、プレス済みのカード基材11へ可逆表示部25D、25Eを設ける。前述の可逆表示部組成物(インキ)を、プレス済みのカード基材11の表面へ、直接スクリーン印刷、グラビア印刷などで印刷すれば良い。この場合には、インキ部が盛り上がって文字などが判読される恐れがあるので、再度、熱プレスして表面を平滑にすることが好ましい。
【0060】
図5は、本発明の1実施例を示すカードの断面図である。
図5は別の変形態様であり、高意匠性のカードである。カードコア101Aには、絵柄を印刷せず、必要に応じて磁気記録層は設ける。図4(A)のように、カードコア101A、カードコア101Bの絵柄面を外側にして重ね、さらに、その両面にオーバーシート107A、107Bを重ね、さらにオーバーシート107Aの外側に、絵柄転写紙を重ねる。該重ね合わせシートを鏡面金属板111A、111Bで挟んで、熱プレスして積層した後に、絵柄転写紙の転写基材を剥がすことで、保護層/絵柄123・可逆表示部25A/隠蔽層が、カード基材11上へ積層される。
【0061】
絵柄転写紙は、通常、転写基材/離型層/保護層121/絵柄123・可逆表示部25A/隠蔽層125/接着層が、順次積層されている。ところが、離型層と保護層121、および/または、隠蔽層125と接着層は、両機能を兼ねている場合もあり、どちらか1層がない場合もある。転写基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルなどの、厚さが6〜25μmのフィルムが適用でき、離型層は、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂などを、乾燥後の厚さが0.01〜3μm程度にコーティングすれば良い。保護層121は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミド系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂などが例示でき、その膜厚は0.5〜5μmが好適である。絵柄123は、公知のインキ、印刷法で形成すれば良く、可逆表示部25Aも、インキが異なるだけで、同様である。
【0062】
隠蔽層125は、隠蔽力のあるアルミニウム・銅などの金属粉、酸化チタンなどの顔料を、塩化ビニール‐酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などのバインダと、溶剤とに、溶解または分散させて、公知のスクリーン印刷、グラビア印刷、ロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ2μmから10μmの層を得る。接着層は、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニール酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のスクリーン印刷、ロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ2μmから10μmの層を得る。このようにして、転写箔が得られる。
【0063】
なお、この場合には、磁気記録層33A上に、保護層121/絵柄123・可逆表示部25A/隠蔽層125/接着層からなる層が形成される。該層を介して、磁気記録層への書き込み・読み取りが行われ、磁気ヘッドとの間隙(ギャップ)が大きくなりがちで、書き込み・読み取りのエラーが生じやすく、層の厚みを薄く、例えば8μm以下にすることが好ましい。しかし、隠蔽層の性能を発揮させるには、ある程度以上の厚みを必要とすることもある。該層の合計厚みが、4〜30μmであるときは、磁気記録層33Aとして、磁界の強さが1.0〜2.5μWb/m)が好適である。下限未満では、一般的な端末機で読み取るのに十分な出力が得られず、また、上限を超えると、出力の読み取り波形が飽和して、波形のピーク検出ができず、発行・読み取りが困難となる。
【0064】
次に、発行方法について、詳細に説明する。
本発明の、情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法は、(a)可視表示状態である可逆性表示部パターンをカードの識別情報として読み取り、(b)読み取ったカード情報と、使用者の記録および/または表示する情報と、のマッチングを確認し、(c)マッチングしていれば、使用者情報のデータに基づいて、カードへ記録および/または表示し、(d)可視表示されているカードを識別する可逆性表示部パターンを消去して、不可視とすることである。
【0065】
図6は、本発明のカード発行処理のフロー図である。まず、ステップS11で、エンボスおよび/または刻印および/または印字および/または顔写真などのカードへの表示手段と、磁気および/またはICチップおよび/または光記録などの情報記録層への記録手段と、並びに、CCDカメラなどのカード可逆表示部の可視表示の読取手段、および、可視表示を消去する加熱手段と、を有するカード発行処理機を、スタート状態とする。同時に、生カードを準備し、カード発行処理機へ装填する。該生カードは、カード製造時のプレス工程で、既に、カードの属性情報が可視表示されているので、そのまま、装填するだけで良い。表示しない生カードを、発行時に加熱して表示させても良いのは、もちろんである。
【0066】
ステップS13で、可逆性表示部へ可視表示されているカードの識別情報を、CCDカメラで読み取る。読み取れればステップS15へ進み、読み取れなければエンドとなる。ただし、読み取れない生カードは、加熱して再表示でき、かつ、該表示が正当であれば、再使用することができる。
【0067】
読み取ったカード情報を、ステップS15で、使用者の記録および/または表示する情報とのマッチングを確認する。マッチングしていなければ、エンドとなる。マッチングしていれば、ステップS17へ進み、使用者情報のデータに基づいて、カードへ記録および/または表示する。発行中のカードに、クレジット機能・キャッシュ機能・ID機能などの複数の信用情報を、記録する場合には、この動作を繰り返し行う。カード発行が終了したら、ステップS19へ進み、カードを加熱手段で加熱して、可視表示されているカードの識別情報を消去して、不可視とし、ステップS21でエンドとなる。
【0068】
【実施例】
(実施例1)
図7は、実施例1の本発明を説明するカードの平面図、および断面図である。図7(A)は、発行前の生カードの平面図である。図7(B)は、図7(A)のCC断面図である。図7(C)は、発行処理後の使用できるカードの平面図である。厚さ280μmの白色の塩化ビニル樹脂からなるカードコア101Aの一方の面へ、カード意匠の絵柄21Aを公知のオフセット印刷およびスクリーン印刷法で設け、つづいて、同じ面へ可逆表示部25Aとして、カード属性を表わす識別番号「2001 12345」のパターンを、次のインキ組成物を用いスクリーン印刷法で印刷して形成した。可逆表示部インキ組成物(ロイコ染料型可逆表示材料)は、3‐ジ‐n‐ブチルアミノ‐6‐メチル‐7‐アニリノフルオラン30重量部、N‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐N‐ドデシル尿素60重量部、10%ポリビニルアルコール水溶液800重量部からなる。別途、厚さ280μmの白色の塩化ビニル樹脂からなるカードコア101Bへ、カードの裏面意匠の絵柄21Bを公知のオフセット印刷で設けた。
【0069】
該カードコア101A、101Bの印刷面を外側にして重ね、さらに、別途、所定の位置へ磁気ストライプ33A、33Bの2本を転写法で設けておいた厚さ100μmの透明の塩化ビニル樹脂からなるオーバーシート107Aの磁気ストライプを外側にして、カードコア101Aの印刷面を重ね、さらにまた、厚さ100μmの透明の塩化ビニル樹脂からなるオーバーシート107Bをカードコア101Bの印刷面へ重ねる。この重ね合わせた4枚のシートを、熱プレス機で温度150℃、圧力100N/cm2で、20分間プレスし一体化させ冷却した。該カード基材を、打抜き機でクレジットカードサイズに打抜いて、カードを得た。該カードの可逆表示部は、プレス工程で150℃に加熱され、冷却で急冷されて、ロイコ染料が発色し、「2001 12345」が可視表示され、目視で判読できる図7(A)の生カード状態である。
【0070】
該カードを、磁気記録とエンボス打刻ができるDCー9000機(データカード社製、カード発行機商品名)へ、CCDカメラによる識別番号読取装置および熱ロールを付与設置して、日本太郎氏のカード発行処理を行った。CCDカメラでカードの識別番号「2001 12345」を読み取り、まず、クレジット用情報ファイルの日本太郎氏信用情報とマッチングし、合致していたので磁気ストライプ33Aへ記録(エンコードともいう)し、次いで、キャッシュカード用情報ファイルの日本太郎氏信用情報とマッチングし、合致していたので磁気ストライプ33Bへ記録(エンコードともいう)し、該当する会員番号などがエンボス打刻された。次に、可逆表示部へ接するように120℃の熱ロールを通過させたところ、可逆表示部25Aは透明化して不可視となって図7(C)の状態となった。該カードは日本太郎氏へ郵送され、クレジット機能、キャッシュ機能とも、問題なく使用できた。
【0071】
(実施例2)
図8は、実施例2の本発明を説明するカードの平面図である。
図8(A)は、発行前の生カードの平面図である。図8(B)は、発行処理後の使用できるカードの平面図である。
厚さ280μmの白色の塩化ビニル樹脂からなるカードコア101Aの一方の面へ、カード意匠の絵柄を公知のオフセット印刷およびスクリーン印刷法で設け、つづいて、同じ面へ可逆表示部25Bとして、カード属性を表わす「バーコード」を、次のインキ組成物をスクリーン印刷法で印刷して形成した。可逆表示部25Bインキ組成物は、3‐ジ‐n‐ブチルアミノ‐6‐メチル‐7‐アニリノフルオラン30重量部、N‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐N‐ドデシル尿素60重量部、10%ポリビニルアルコール水溶液800重量部からなる。さらに、同じ面の別の場所へ可逆表示部25Cとして、カード属性を表わす識別記号および番号「ABC銀行 Lot 2001 123」のパターンを、次のインキ組成物をスクリーン印刷法で乾燥後の厚さが5μmになるように印刷して形成した。可逆表示部25Cインキ組成物は、エイコ酸3重量部、ベヘン酸7重量部、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体VYHH(UCC社製、商品名)20重量部、テトラヒドロフラン100重量部からなる。
【0072】
別途、厚さ280μmの白色の塩化ビニル樹脂からなるカードコア101Bへ、カードの裏面意匠の絵柄を公知のオフセット印刷で設けた。該カードコア101A、101Bの印刷面を外側にして重ね、さらに、別途、所定の位置へ磁気ストライプ33Aの1本を転写法で設けておいた厚さ100μmの透明の塩化ビニル樹脂からなるオーバーシート107Aの磁気ストライプを外側にしてカードコア101Aの印刷面へ重ね、さらにまた、厚さ100μmの透明の塩化ビニル樹脂からなるオーバーシート107Bをカードコア101Bの印刷面へ重ねる。この重ね合わせた4枚のシートを、熱プレス機で温度150℃、圧力100N/cm2で、20分間プレスし一体化させ冷却した。該カード基材を、打抜き機でクレジットカードサイズに打抜いてカードを得た。該カードの所定の位置に精密ドリルでザグリ凹部を形成し、接着剤でICカード用ICモジュールを固定し埋め込んだ。該カードの可逆表示部は、プレス工程で150℃に加熱され冷却で急冷されて、ロイコ染料型可逆表示材料が発色した「バーコード」、および脂肪酸‐高分子複合型可逆表示材料が発色した「ABC銀行 Lot 2001 123」が可視表示され、目視で判読できる図8(A)の生カード状態である。
【0073】
該生カードを、磁気記録とエンボス打刻ができるDCー9000機(データカード社製、カード発行機商品名)へ、CCDカメラおよびバーコードリーダによる読取装置および赤外線ランプを付与設置して、日本太郎氏のカード発行処理を行った。CCDカメラでカードの識別番号「ABC銀行 Lot 2001 123」を読み取り、まず、キャッシュカード用情報ファイルの日本太郎氏信用情報とマッチングし、合致していたので磁気ストライプ33Bへ記録(エンコードともいう)し、つづいて、バーコードリーダでカードの識別「バーコード」を読み取り、クレジット用情報ファイルの日本太郎氏信用情報とマッチングし、合致していたのでICチップへ記録(エンコードともいう)し、次いで、該当する会員番号などがエンボス打刻された。引き続いて、2ヶ所の可逆表示部へ200Wの赤外線ランプで10秒間照射すると、カードが約120℃に加熱されて、2ヶ所の可逆表示部25B、および25Cは不可視となって図8(B)の状態となった。該カードは日本太郎氏へ郵送され、クレジット機能、キャッシュ機能とも、問題なく使用できた。
【0074】
しかし、ある時、キャッシュ機能が使用できなくなり、調査の結果、磁気記録が消失していた。該カードの、可逆表示部25Cへ集光したYAGレーザ光(5W)を表面温度が150℃となるように照射すると、識別番号「ABC銀行 Lot 2001 123」が、可視的に再表示された。該当する在庫生カードを用いて、再発行処理を初回と同様に行って図8(B)の状態となった。該カードは、再び日本太郎氏へ郵送され、クレジット機能、キャッシュ機能とも、問題なく使用できた。
【0075】
(実施例3)
図9は、実施例3の本発明を説明するカードの平面図、および断面図である。図9(A)は、発行前の生カードの平面図である。図9(B)は、図9(A)のDD断面図である。図9(C)は、発行処理後の使用できるカードの平面図である。厚さ280μmの白色の塩化ビニル樹脂からなるカードコア101Aの一方の面へ、カード意匠の絵柄21Aを公知のオフセット印刷およびスクリーン印刷法で設けた。別途、厚さ280μmの白色の塩化ビニル樹脂からなるカードコア101Bへ、カードの裏面意匠の絵柄21Bを公知のオフセット印刷で設けた。
【0076】
該カードコア101A、101Bの印刷面を外側にして重ね、さらに、別途、所定の位置へ磁気ストライプ33Aを転写法で設けておいた厚さ100μmの透明の塩化ビニル樹脂からなるオーバーシート107Aの磁気ストライプを外側にしてカードコア101Aの印刷面を重ね、さらにまた、厚さ100μmの透明の塩化ビニル樹脂からなるオーバーシート107Bをカードコア101Bの印刷面を重ねる。この重ね合わせた4枚のシートを、熱プレス機で温度150℃、圧力100N/cm2で、20分間プレスし一体化させ冷却した。
【0077】
該カードへ、アルミニウムを反射層としたレリーフホログラムの転写箔を、温度130℃、圧力50N/cm2で、2秒間加熱加圧してホログラム41を形成した。さらに、磁気記録部33A面上へ、可逆表示部25Dとしてカード属性を表わす「バーコード」を、さらにまた、ホログラム41面上へ、可逆表示部25Eとしてカード属性を表わす識別番号「01/12」を、次のインキ組成物をスクリーン印刷法で乾燥後の厚さが5μmになるように印刷して形成した。可逆表示部25D、25Eインキ組成物は、エイコ酸3重量部、ベヘン酸7重量部、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体20重量部、テトラヒドロフラン100重量部からなる。
【0078】
該印刷した状態が図9(B)であり、プレス後のカード表面に設けたために、インキの厚さ5μm分だけ盛りあがって、光にかざすと判読できてしまう恐れがあるので、再度プレス(化粧プレス、二度プレスともいう)を行った。化粧プレスは、温度150℃、圧力100N/cm2で、15分間加熱加圧して、可逆表示部25D、25Eを平滑化した。該カードの可逆表示部は、化粧プレス工程で150℃に加熱され、冷却で急冷されて、脂肪酸‐高分子複合型表示材料が発色し、「バーコード」および「01/12」が可視表示され、目視で判読できる図9(A)の生カード状態である。該カード基材を、打抜き機でクレジットカードサイズに打抜いて、カードを得た。
【0079】
該カードを、磁気記録とエンボス打刻ができるDCー9000機(データカード社製、カード発行機商品名)へ、CCDカメラによる識別番号読取装置および熱ロールを付与設置して、日本太郎氏のカード発行処理を行った。CCDカメラでカードの属性を示す「バーコード」を読み取り、クレジット用情報ファイルの日本太郎氏信用情報とマッチングし、合致していたので磁気ストライプ33Aへ記録(エンコードともいう)し、該当する会員番号などがエンボス打刻された。次に、可逆表示部へ接するように120℃の熱ロールを通過させたところ、可逆表示部25D、25Eは不可視となって図9(C)の状態となった。該カードは日本太郎氏へ郵送され、クレジットカードとして問題なく使用できた。
【0080】
しかし、使用中のある時、クレジット機能が使用できなくなり、調査の結果、磁気記録が消失していた。該カードの、可逆表示部25Dへ電磁波(20kHz、1.2kW)を0.2秒間照射すると、識別「バーコード」が、また、可逆表示部25Eへ高周波(2450MHz、500W)を0.2秒間照射すると、識別番号「01/12」が、可視的に再表示された。該当する在庫生カードを用いて、再発行処理を初回と同様に行って図9(C)の状態となった。該カードは、再び日本太郎氏へ郵送され、クレジット機能が問題なく使用できた。
【0081】
(実施例4)
カードコア101A、101Bとして、厚さ280μmの白色のディアフィクス(テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体、三菱樹脂社製、商品名)を用い、カードコア101Aの一方の面へ、カード意匠の絵柄21Aを公知のオフセット印刷およびスクリーン印刷法で設け、さらに、バイロン300(東洋紡績社製、ポリエステル樹脂商品名)30重量部と、メチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤70重量部とからなる組成物を、乾燥後の厚さが3μmとなるように、公知のスクリーン印刷法で設け、接着層109Aとする。さらにまた、オーバーシート107A、107Bとして、厚さ100μmで透明のアロイシート(三菱樹脂社製、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートのアロイ、商品名)を用いる以外は、実施例1と同様にして、カードを得た。
【0082】
該カードの発行処理も、実施例1と同様に発行できて、日本太郎氏へ郵送され、クレジット機能、キャッシュ機能とも、問題なく使用できた。しばらくして、日本太郎氏が自身のカードを所持しているにもかかわらず、落ちていた日本太郎氏名義のカードが拾得されてきた。該カードの可逆表示部25Fと思われる部分を加熱したが、表示が現われず、偽造カードであることが判った。
【0083】
【発明の効果】
生カードを製造する印刷工程で、カード属性の識別情報を示す可逆表示部を形成するので、情報記録部へ使用者の信用情報を記録しカード発行する際に、カード種別を誤ることがない。また、使用者の信用情報は、通常、クレジット機能・キャッシュ機能・ID機能など機能毎のデータファイルとなっている。これらの個別ファイルから情報を、該当する生カードへ、間違いなく記録することができる。
【0084】
さらに、カード発行処理後には、カード属性の識別情報を加熱手段により、消去して不可視としてしまうために、カードの意匠性を損なうことがない。カード製造者、およびカード発行者以外は、その存在の有無も判らず、セキュリティ性が高い。
【0085】
そして、カードを実使用中には、カードが破損したり、記録部の情報が消失したり、情報が改竄されたり、カードが偽造されたりする場合もある。このような異常なカードが発生した場合には、カードを再加熱して、カード属性の識別情報を再表示(可視化)するので、該識別情報を判読して、異常を容易に調査できる。また、再表示しなければ、カード自体が偽造された可能性が判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例を示すカードの平面図である。
【図2】 図1のAA断面図である。
【図3】 図1のBB断面図である。
【図4】 本発明のカードの製造法を説明する断面図である。
【図5】 本発明の1実施例を示すカードの断面図である。
【図6】 本発明のカード発行処理のフロー図である。
【図7】 実施例1の本発明を説明するカードの平面図、および断面図である。
【図8】 実施例2の本発明を説明するカードの平面図である。
【図9】 実施例3の本発明を説明するカードの平面図、および断面図である。
【符号の説明】
1 カード
11 カード基材
21A、21B 絵柄
25A、25B、25C、25D、25E、25F 可逆表示部
31 エンボス
33A、33B、33C 磁気記録部
35 ICチップ
37 接着剤
41 ホログラム
101A、101B カードコア
107A、107B オーバーシート
111A、111B 鏡面板
123 絵柄
125 隠蔽(兼接着)層
Claims (4)
- 少なくとも情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法において、(a)可逆表示部へ生カード属性の識別情報が表示されている生カードを準備し、(b)前記表示されている生カード属性の識別情報を読み取り、(c)読み取った生カード属性の識別情報と、使用者の記録情報とのマッチングを確認し、(d)マッチングしていれば、使用者の記録情報のデータに基づいて、生カードの情報記録部へ記録した後に、(e)表示されている生カード属性の識別情報を消去して不可視とすることを特徴とする情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法。
- 請求項1に記載の情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法で発行するカードであって、前記可逆表示部の初期の表示法が表示のための操作を行うことなく、単層または多層のカードコアと両面のオーバーシートとを重ねたプラスチックを熱プレス法で積層して生カードを製造する際の熱プレスの熱で、積層と同時に表示されてなることを特徴とする情報記録部と可逆表示部とを有するカード。
- 請求項1に記載の情報記録部と可逆表示部とを有するカードのカード発行方法で発行するカードであって、可逆表示部の表示法または消去法がレーザ光、フラッシュ光または赤外線の光源、高周波誘導または電磁誘導の電磁波を用いることを特徴とする情報記録部と可逆表示部とを有するカード。
- 上記可逆表示部のパターンが文字、記号、番号、および/またはバーコードからなる生カード属性の識別情報であり、該識別情報が表示状態のときにカード発行し、実使用のときには非表示状態であることを特徴とする請求項2〜3のいずれかに記載の情報記録部と可逆表示部とを有するカード。
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