JP4009032B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に係り、特に、固体撮像素子によって得られたアナログ画像信号のサンプリングタイミングを最適に調整することができる画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、写真フィルムに記録されているフィルム画像をR、G、Bの各成分色に分解して読み取り、該読み取りによって得られた画像データに対して各種の補正等の画像処理を行った後に、記録材料への画像の記録やディスプレイへの画像の表示等を行う写真処理方法が提案されている。なお、ここでいう写真フィルムとは、被写体を撮影後、現像処理され、ネガ画像又はポジ画像が可視化されたフィルムをいう。
【0003】
この種の写真処理方法でフィルム画像を読み取る際に用いられる画像読取装置も含め、従来の画像読取装置では、一般に、読取対象とする原稿に対して光を照射し、該原稿からの透過光又は反射光を結像して、結像位置に設けられたラインCCD、エリアCCD等の固体撮像素子によって画像データとして、読取対象とする原稿の画像を読み取っている。
【0004】
この読み取りの際、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分のレベルと画素信号成分のレベルとの差をとることにより正確な画素データを得る、所謂相関2重サンプリングといわれる手法が広く用いられている。
【0005】
すなわち、図12に示すように、一般に固体撮像素子の出力信号には1画素毎(1周期毎)に、蓄積された電荷をキャンセルする期間に相当するリセットパルス成分RPと、電荷が蓄積されていない期間に相当するフィードスルー成分FTと、固体撮像素子の受光部に照射された光の強さに応じて蓄積された電荷に応じたレベルとなる画素信号成分PSと、により構成されている。なお、以降の説明では、フィードスルー成分FTにおけるレベルをフィードスルーレベルといい、画素信号成分PSにおけるレベルをデータレベルという。
【0006】
上述したようにフィードスルーレベルは電荷が蓄積されていない状態における固体撮像素子の出力信号のレベルであるので、データレベルからフィードスルーレベルを減ずることによって、ノイズ等の影響を除去した正確な画素データを得ることができる。
【0007】
このような相関2重サンプリングには、アナログ信号である固体撮像素子の出力信号をアナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器という)によってデジタルデータに変換した後に、該デジタルデータとされた固体撮像素子の出力信号に対して相関2重サンプリングを行う、所謂デジタル相関2重サンプリング(以下、デジタルCDS(Correlated Double Sampling)という)がある。
【0008】
デジタルCDSでは、A/D変換器によって正確なフィードスルーレベル及びデータレベルがサンプリングされていることが必要となる。高速で固体撮像素子を動作させた場合、特にフィードスルーレベルの期間が短くなってしまうため、固定のサンプリングタイミングでは、固体撮像素子の信号の遅延のばらつきや信号処理部の回路の遅延のばらつき等によって、固体撮像素子の性能を最大限に引き出せないことが生じる。このため、高速で固体撮像素子を動作させ、かつ性能を最大限に引き出すためには、それぞれ個体毎に適切なサンプリングタイミングを高精度に設定することが要求される。
【0009】
A/D変換器のサンプリングタイミング(クロック信号)を決定する場合、固体撮像素子の出力信号の1周期の間に2箇所のサンプル点が必要となるため、2倍の周波数のタイミング信号を用いる。高速に固体撮像素子を動作させた場合、当然のことながら、A/Dタイミング信号も高速になる。A/Dタイミング信号が高速になれば、A/D変換器に入力するタイミング信号の制約(パルス幅)も厳しくなり、このため、A/D変換器のタイミング信号のデューティ比を略50%にするのが望ましくなる。A/D変換器のタイミング信号のデューティ比を略50%にすると、固体撮像素子の出力信号のフィードスルーレベルのサンプリング位置関係からデータレベルのサンプリングタイミングはデータレベルの後方に位置することになる。
【0010】
また、高速に固体撮像素子を動作させた場合、フィードスルー成分FTの期間が短くなるため、正確にフィードスルーレベルを取得するためには、フィードスルー成分FTの略中央部でフィードスルーレベルをサンプリングすることが望ましい。
【0011】
このようなことから、具体例として、例えばA/D変換器におけるサンプリングタイミングを決定するためのタイミング信号(クロック信号)の立下りエッジでサンプリングを行うA/D変換器では、図12に示すタイミング関係とすることが望ましい。
【0012】
すなわち、タイミング信号をフィードスルー成分FTの略中央部に立下りエッジが位置し、かつ次のパルスの立下りエッジを画素信号成分PSの比較的後方に位置させて、各パルスの立下りエッジでサンプリングするように設定するものである。
【0013】
一方、近年の画像読取装置の高速化に対応すべく固体撮像素子による画像読み取り速度は非常に高速とされており、例えば固体撮像素子の駆動クロック信号の周波数が12MHzである場合、フィードスルー成分FTの期間は10数nS程度しかないので、フィードスルーレベルのサンプリングタイミングを自動で、かつ正確に設定するのは困難であると思われていた。
【0014】
従って従来は、画像読取装置の出荷時等に、調整者が固体撮像素子からの出力信号とA/D変換器のサンプリングタイミングとなるタイミング信号とをオシロスコープ等を用いて観測して、上記タイミング信号の位相を手動で調整していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の手動による調整では、該調整のための工数の発生によって装置の製造コストが高くなる、という問題点があった。
【0016】
また、調整者による調整のばらつきに起因して、安定した読取性能を得ることができない、という問題点もあった。
【0017】
本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、製造コストを低下することができると共に、安定した読取性能を実現することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像読取装置は、原稿の透過光又は原稿からの反射光を受光し、前記原稿に記録された画像を複数画素に分解して読み取って画素毎にフィードスルー成分と画素信号成分とが含まれたアナログ画像信号を出力する固体撮像素子と、前記アナログ画像信号をサンプリングするためのタイミング信号を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成されたタイミング信号に応じて前記アナログ画像信号をサンプリングし、サンプリング値に基づいて前記アナログ画像信号をデジタルデータに変換して出力する変換手段と、前記固体撮像素子に光を受光させた第1の状態及び光を受光させない第2の状態の各状態下で前記タイミング信号の位相を変化させたときの各々の前記デジタルデータに基づいて、前記第1の状態におけるデジタルデータと前記第2の状態におけるデジタルデータとの差が所定値以下である領域を前記フィードスルー成分の候補領域とし、前記差が所定値より大きな領域を前記画素信号成分の候補領域として、各候補領域に基づいて前記フィードスルー成分のレベルと前記画素信号成分のレベルとをサンプリングするタイミングを決定し、該決定されたタイミングに応じたタイミング信号を前記生成手段に生成させるように制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記各々のデジタルデータの変化量によって求めた前記アナログ画像信号の波形の傾きが零からマイナスの方向に変化する位置を前記フィードスルー成分の領域の両端位置の候補位置として抽出し、前記フィードスルー成分の候補領域に含まれる前記候補位置を前記フィードスルー成分の領域の両端位置とすると共に、前記画素信号成分の候補領域に含まれ、前記アナログ画像信号の波形の傾きが零からプラスの方向に変化する位置を前記画素信号成分の領域の後端位置として抽出し、前記フィードスルー成分の領域内に前記フィードスルー成分のレベルをサンプリングするタイミングを決定し、かつ前記画素信号成分の領域の後端位置から所定時間遡った時点を前記画素信号成分のレベルをサンプリングするタイミングとして決定することを特徴とする。
【0019】
請求項1に記載の画像読取装置によれば、固体撮像素子によって、原稿の透過光又は原稿からの反射光が受光され、上記原稿に記録された画像が複数画素に分解されて読み取られて画素毎にフィードスルー成分と画素信号成分とが含まれたアナログ画像信号が出力される。なお、上記原稿としては、写真フィルム等の透過原稿、及び写真プリント等の反射原稿が含まれる。また、上記固体撮像素子としては、ラインCCD、エリアCCDが含まれる。
【0020】
また、請求項1に記載の画像読取装置では、生成手段によってアナログ画像信号をサンプリングするためのタイミング信号が生成され、該タイミング信号に応じて、変換手段によって上記アナログ画像信号がサンプリングされ、サンプリング値に基づいて上記アナログ画像信号がデジタルデータに変換されて出力される。
【0021】
ここで、請求項1に記載の画像読取装置では、制御手段によって、上記固体撮像素子に光を受光させた第1の状態及び光を受光させない第2の状態の各状態下で上記タイミング信号の位相を変化させたときの各々の上記デジタルデータに基づいて、上記第1の状態におけるデジタルデータと上記第2の状態におけるデジタルデータとの差が所定値以下である領域が上記フィードスルー成分の候補領域とされ、上記差が所定値より大きな領域が上記画素信号成分の候補領域とされ、各候補領域に基づいてフィードスルー成分のレベルと画素信号成分のレベルとをサンプリングするタイミングが決定され、該決定されたタイミングに応じたタイミング信号を上記生成手段に生成させるように制御される。
【0022】
すなわち、固体撮像素子に光を受光させたときに該固体撮像素子から出力されるアナログ画像信号に含まれるフィードスルー成分と画素信号成分とでは、図12に示すようにレベルが大きく異なるので、本発明の変換手段から出力されたデジタルデータもフィードスルー成分及び画素信号成分の各領域で大きく異なるものとなるが、逆に光を受光させないときには画素信号成分のレベルはフィードスルー成分のレベルと略同一のままとなる。従って、上記第1の状態におけるデジタルデータと第2の状態におけるデジタルデータとの差が小さな領域はフィードスルー成分の領域であり、逆に上記差が大きな領域は画素信号成分の領域である可能性が高い。
このように、固体撮像素子に光を受光させた第1の状態及び光を受光させない第2の状態の各状態下でタイミング信号の位相を変化させたときの各々のデジタルデータのみに基づいてフィードスルー成分及び画素信号成分の各候補領域を求めることによって、高精度にフィードスルー成分及び画素信号成分のレベルをサンプリングすることができる。
【0023】
このように、請求項1に記載の画像読取装置によれば、タイミング信号の位相を変化させたときの各々のデジタルデータに基づいてフィードスルー成分のレベルと画素信号成分のレベルとをサンプリングするタイミングを決定しているので、自動で、かつ高精度にサンプリングタイミングを設定することができ、従って装置の製造コストを低下することができると共に安定した読取性能を実現することができる。
【0025】
また、請求項1に記載の画像読取装置によれば、制御手段により、上記各々のデジタルデータの変化量によって求めた上記アナログ画像信号の波形の傾きが零からマイナスの方向に変化する位置をフィードスルー成分の領域の両端位置の候補位置として抽出し、フィードスルー成分の候補領域に含まれる候補位置をフィードスルー成分の領域の両端位置とすると共に、画素信号成分の候補領域に含まれ、アナログ画像信号の波形の傾きが零からプラスの方向に変化する位置を画素信号成分の領域の後端位置として抽出し、上記フィードスルー成分の領域内にフィードスルー成分のレベルをサンプリングするタイミングが決定され、かつ上記画素信号成分の領域の後端位置から所定時間遡った時点が画素信号成分のレベルをサンプリングするタイミングとして決定される。
【0026】
すなわち、上述したように、固体撮像素子に光を受光させたときに該固体撮像素子から出力されるアナログ画像信号に含まれるフィードスルー成分と画素信号成分とではレベルが大きく異なるので、各成分の境界位置ではアナログ画像信号の波形の傾きが大きくなっている。従って、アナログ画像信号の波形の傾きに基づいてフィードスルー成分の領域及び画素信号成分の領域を正確に求めることができる。
【0027】
このように、請求項1に記載の画像読取装置によれば、デジタルデータの変化量によって求めたアナログ画像信号の波形の傾きに基づいてフィードスルー成分の領域及び画素信号成分の領域を求めているので、簡易かつ高速にサンプリングタイミングを設定することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の画像読取装置の実施の形態について詳細に説明する。
【0033】
図1に示すように、本実施の形態に係る画像読取装置はラインCCDスキャナ14を備えており、ラインCCDスキャナ14は、画像処理部16、マウス20、2種類のキーボード12A、12B、及びディスプレイ18が設けられた作業テーブル27に備えられている。
【0034】
一方のキーボード12Aは作業テーブル27の作業面27U内に埋設されている。他方のキーボード12Bは、不使用時は、作業テーブル27の引出し24内に収納され、使用時は、引出し24から取り出し、一方のキーボード12A上に重ねる。このとき、キーボード12Bのコードを、画像処理部16に接続されたジャック110に接続する。
【0035】
マウス20のコードは作業テーブル27に設けられた孔108を介して画像処理部16に接続されている。マウス20は、不使用時はマウスホルダ20Aに収納され、使用時はマウスホルダ20Aから取り出し、作業面27U上に載置する。
【0036】
画像処理部16は、作業テーブル27に設けられた収納部16Aに収納され、開閉扉25によって密閉されている。なお、開閉扉25を開放することにより、画像処理部16を取り出すことができるようになっている。
【0037】
ラインCCDスキャナ14は、ネガフィルムやリバーサルフィルム(ポジフィルム)等の写真フィルムに記録されているフィルム画像を読み取るためのものであり、例えば135サイズの写真フィルム、110サイズの写真フィルム、及び透明な磁気層が形成された写真フィルム(240サイズの写真フィルム:所謂APSフィルム)、120サイズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フィルムのフィルム画像を読取対象とすることができる。ラインCCDスキャナ14は、上記の読取対象のフィルム画像をラインCCDで読み取り、画像データを出力する。
【0038】
画像処理部16は、ラインCCDスキャナ14から出力された画像データが入力されると共に、入力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を行って、記録用画像データとして、図示しないレーザプリンタ部へ出力する。
【0039】
図2及び図3に示すように、ラインCCDスキャナ14の光学系は、作業テーブル27の下方に配置された光源部30、作業テーブル27に支持された拡散ボックス40、作業テーブル27にセットされるフィルムキャリア38、及び作業テーブル27を挟んで光源部30の反対側に配置された読取部43を備えている。
【0040】
光源部30は金属製のケーシング31内に収容されており、ケーシング31内部には、メタルハライドランプやキセノンランプ等の放電灯から成るランプ32が配置されている。なお、ランプ32は、写真フィルム22の長手方向(搬送方向)及び写真フィルム22の幅方向の2方向に移動可能とされた図示しないX−Yステージに保持されており、該X−Yステージの位置を移動することによってランプ32の位置を微調整することが可能とされている。
【0041】
ランプ32の周囲にはリフレクタ33が設けられており、ランプ32から射出された光の一部はリフレクタ33によって反射され、一定の方向へ射出される。リフレクタ33の側方には、複数のファン34が設けられている。ファン34はランプ32が点灯している間作動され、ケーシング31の内部が過熱状態となることを防止する。
【0042】
リフレクタ33の光射出側には、リフレクタ33からの射出光の光軸Lに沿って、紫外域及び赤外域の波長の光をカットすることで写真フィルム22の化学変化を防止すると共に温度上昇を防止して読取精度を向上させるUV/IRカットフィルタ35、ランプ32からの光及びリフレクタ33からの射出光の光量を調整する絞り39、及び、写真フィルム22及び読取部43に到達する光の色成分を、写真フィルムの種類(ネガフィルム/リバーサルフィルム)に応じて適切に設定するネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pが嵌め込まれているターレット36(図4(B)も参照)が順に設けられている。
【0043】
なお、上記説明したターレット(図4(B)参照)に限定されず、図5に示すように、赤光を吸収するシアンフィルタ用のターレット36C、緑光を吸収するマゼンタフィルタ用のターレット36M、及び青紫光を吸収するイエローフィルタ用のターレット36Yにより構成してもよい。ターレット36Cは、濃度の異なる複数のシアンフィルタ36C1、36C2、36C3が嵌め込まれている。なお、シアンフィルタ36C1、36C2、36C3の順に濃度が濃くなっている。その他のターレット36M、36Yも同様の構成となっている。そして、各ターレット36C、36M、36Yは、各ターレットの選択されたフィルタ各々が光軸L上で重なるように、回転可能に支持されている。
【0044】
絞り39は光軸Lを挟んで配置された一対の板材から成り、一対の板材が接近離間するようにスライド移動可能とされている。図4(A)に示すように、絞り39の一対の板材は、スライド方向に沿った一端側から他端側に向けて、スライド方向に直交する方向に沿った断面積が連続的に変化するように、一端側に切り欠き39Aが各々形成されており、切り欠き39Aが形成されている側が対向するように配置されている。
【0045】
上記構成では、所望の光成分の光となるように、写真フィルムの種類に応じたフィルタ(36N、36P)の何れかが光軸L上に位置し、絞り39の位置によって絞り39を通過する光の光量を所望の光量に調整する。
【0046】
拡散ボックス40は、上部になるに従って、即ち、写真フィルム22に近づくに従って、フィルムキャリア38によって搬送される写真フィルム22の搬送方向の長さが狭くなり(図2参照)、該搬送方向に直交する方向(写真フィルム22の幅方向)の長さが広がる(図3参照)形状とされている。また、拡散ボックス40の光入射側及び光射出側には光拡散板(図示せず)が各々取付けられている。なお、上記の拡散ボックス40は、135サイズの写真フィルム用であるが、他の写真フィルムに応じた形状の拡散ボックス(図示せず)も用意されている。
【0047】
拡散ボックス40に入射された光は、フィルムキャリア38(すなわち写真フィルム22)に向けて、写真フィルム22の幅方向を長手方向とするスリット光とされ、また、光拡散板によって拡散光とされて射出される。このように、拡散ボックス40から射出される光が拡散光とされることにより、写真フィルム22に照射される光の光量むらが低減され、フィルム画像に均一な光量のスリット光が照射されると共に、フィルム画像に傷が付いていたとしても、この傷が目立ちにくくなる。
【0048】
フィルムキャリア38及び拡散ボックス40は、写真フィルム22の種類毎に用意されており、写真フィルム22に応じて選択される。
【0049】
フィルムキャリア38の上面及び下面における光軸Lに対応する位置には、写真フィルム22の幅方向に写真フィルム22の幅より長い細長い開口(図示しない)が設けられている。拡散ボックス40からのスリット光は、フィルムキャリア38の下面に設けられた該開口を介して写真フィルム22に照射され、写真フィルム22の透過光が、フィルムキャリア38の上面に設けられた該開口を介して、読取部43に到達する。
【0050】
ところで、フィルムキャリア38は、拡散ボックス40からのスリット光が照射される位置(読取位置)で湾曲するように、写真フィルム22をガイドする図示しないガイドが設けられている。これにより、読取位置での写真フィルム22の平面性が確保される。
【0051】
また、拡散ボックス40は、上面が上記読取位置に接近するように支持されている。よって、フィルムキャリア38の装填時にフィルムキャリア38と拡散ボックス40が干渉しないように、フィルムキャリア38の下面には、切り欠け部が設けられている。
【0052】
なお、本実施形態に係る画像読取装置では、比較的高速でかつ低精細に画像を読み取る予備読み取り(以下、プレスキャンという)を行い、プレスキャンにより得られた画像データに基づいて、比較的低速でかつ高精細に画像を読み取る本読み取り(以下、ファインスキャンという)を行う際の読取条件及びファインスキャンにより得られる画像データに対する各種画像処理の処理条件を決定し、決定された読取条件でファインスキャンを行うと共に、ファインスキャンによって得られた画像データに対して上記決定された処理条件による画像処理を行う。
【0053】
従って、フィルムキャリア38は、プレスキャン時や、ファインスキャン時におけるこれからファインスキャンするフィルム画像の濃度等に応じた複数の速度で写真フィルム22を搬送可能なように構成されている。
【0054】
読取部43は、ケーシング44内部に収容された状態で配置されている。ケーシング44の内部には、上面にラインCCD116が取付けられた載置台47が設けられており、載置台47からはレンズ筒49が垂下されている。レンズ筒49の内部には、縮小・拡大等の変倍のために作業テーブル27と接近離間する方向Aにスライド移動可能にレンズユニット50が支持されている。作業テーブル27には支持フレーム45が立設されている。載置台47は、支持フレーム45に取り付けられたガイドレール42に、上記変倍やオートフォーカス時に共役長を確保するために作業テーブル27と接近離間する方向Bにスライド移動可能に支持されている。
【0055】
レンズユニット50は複数枚のレンズから成り、複数枚のレンズの間にはレンズ絞り51が設けられている。図4(C)に示すように、レンズ絞り51は略C字状に成形された絞り板51Aを複数枚備えている。各絞り板51Aは光軸Lの周囲に均等に配置され一端部がピンに軸支されており、ピンを中心として回動可能とされている。複数枚の絞り板51Aは図示しないリンクを介して連結されており、レンズ絞り駆動モータ(後述)の駆動力が伝達されると同一の方向に回動する。この絞り板51Aの回動に伴って、光軸Lを中心として絞り板51Aにより遮光されていない部分(図4(C)における略星型の部分)の面積が変化し、レンズ絞り51を通過する光の光量が変化する。
【0056】
ラインCCD116は、CCDセル又はフォトダイオード等の光電変換素子が、写真フィルム22の幅方向に一列に多数配置され、かつ電子シャッタ機構が設けられたセンシング部が、間隔を空けて互いに平行に3ライン設けられており、各センシング部の光入射側にR、G、Bの色分解フィルタの何れかが各々取付けられて構成されている(所謂3ラインカラーCCD)。また、各センシング部の近傍には、多数の転送部が各センシング部に対応して各々設けられており、各センシング部の各CCDセルに蓄積された電荷は、対応する転送部を介して順に転送される。
【0057】
またラインCCD116の光入射側には、CCDシャッタ52が設けられている。なお、図4(D)に示すように、このCCDシャッタ52にはNDフィルタ52NDが嵌め込まれている。CCDシャッタ52は、矢印u方向に回転して、暗補正や後述する自動調整処理等のためにラインCCD116に入射される光を遮光する全閉状態(NDフィルタ52NDが嵌め込まれていない部分52B等が、光軸Lを含む位置52Cに位置する)、通常の読み取りや明補正や自動調整処理等のためにラインCCD116に光を入射させる全開状態(図4(D)の位置)、リニアリティ補正のためにラインCCD116に入射される光をNDフィルタ52NDによって減光する減光状態(NDフィルタ52NDが位置52Cに位置する)の何れかの状態に切り替わる。
【0058】
図3に示すように、作業テーブル27には、写真フィルム22を冷却するための冷却風を生成するコンプレッサ94が配置されている。コンプレッサ94により生成された冷却風は、案内管95によりフィルムキャリア38の図示しない読取部に案内されて供給される。これにより、写真フィルム22の読取部に位置する領域を冷却することができる。なお、案内管95は、冷却風の流量を検出する流量センサ96を貫通している。
【0059】
次に、図6に示したラインCCDスキャナ14の光学系の主要部を参照しながら、ラインCCDスキャナ14及び画像処理部16の電気系の概略構成を、図7を用いて説明する。
【0060】
ラインCCDスキャナ14は、ラインCCDスキャナ14全体の制御を司るマイクロプロセッサ46を備えている。マイクロプロセッサ46には、バス66を介してRAM68(例えばSRAM)、ROM70(例えば記憶内容を書換え可能なROM)が接続されていると共に、ランプドライバ53、コンプレッサ94、流量センサ96、及びモータドライバ48が接続されている。
【0061】
ランプドライバ53は、マイクロプロセッサ46からの指示に応じてランプ32を点消灯させる。また、写真フィルム22のフィルム画像の読み取りの際、写真フィルム22に冷却風を供給するために、マイクロプロセッサ46は、コンプレッサ94を稼働させる。なお、流量センサ96により冷却風の流量が検出され、マイクロプロセッサ46は、異常を検知する。
【0062】
また、モータドライバ48には、ターレット36のネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pの何れかが光軸Lに位置するようにターレット36を図4(B)矢印t方向に回転駆動するターレット駆動モータ54、ターレット36の基準位置(図示しない切り欠け)を検出するターレット位置センサ55(図4(B)も参照)が接続されている。
【0063】
モータドライバ48には、更に、絞り39をスライド移動させる絞り駆動モータ56、絞り39の位置を検出する絞り位置センサ57、載置台47(即ち、ラインCCD116及びレンズユニット50)をガイドレール42に沿ってスライド移動させる読取部駆動モータ58、載置台47の位置を検出する読取部位置センサ59、レンズユニット50をレンズ筒49に沿ってスライド移動させるレンズ駆動モータ60、レンズユニット50の位置を検出するレンズ位置センサ61、レンズ絞り51の絞り板51Aを回動させるレンズ絞り駆動モータ62、レンズ絞り51の位置(絞り板51Aの位置)を検出するレンズ絞り位置センサ63、CCDシャッタ52を全閉状態、全開状態及び減光状態の何れかの状態に切り換えるシャッタ駆動モータ64、シャッタ位置を検出するシャッタ位置センサ65、ファン34を駆動するファン駆動モータ37が接続されている。
【0064】
マイクロプロセッサ46は、ラインCCD116によるプレスキャン(予備読み取り)及びファインスキャン(本読み取り)を行う際に、ターレット位置センサ55及び絞り位置センサ57によって検出されるターレット36及び絞り39の位置に基づき、ターレット駆動モータ54によってターレット36を回転駆動させると共に、絞り駆動モータ56によって絞り39をスライド移動させ、フィルム画像に照射される光を調節する。
【0065】
またマイクロプロセッサ46は、フィルム画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じてズーム倍率を決定し、フィルム画像が前記決定したズーム倍率でラインCCD116によって読み取られるように、読取部位置センサ59によって検出される載置台47の位置に基づき読取部駆動モータ58によって載置台47をスライド移動させると共に、レンズ位置センサ61によって検出されるレンズユニット50の位置に基づきレンズ駆動モータ60によってレンズユニット50をスライド移動させる。
【0066】
なお、ラインCCD116の受光面をレンズユニット50によるフィルム画像の結像位置に一致させる合焦制御(オートフォーカス制御)を行う場合、マイクロプロセッサ46は、読取部駆動モータ58により載置台47のみをスライド移動させる。この合焦制御は、一例としてラインCCD116によって読み取られたフィルム画像のコントラストが最大となるように行う(所謂画像コントラスト法)ことができるが、これに代えて写真フィルム22とレンズユニット50(又はラインCCD116)との距離を赤外線等により測定する距離センサを設け、フィルム画像のデータに代えて距離センサによって検出された距離に基づいて行うようにしてもよい。
【0067】
一方、ラインCCD116にはマイクロプロセッサ46に接続されたタイミングジェネレータ74が接続されている。タイミングジェネレータ74は、マイクロプロセッサ46の制御に応じてラインCCD116や後述するA/D変換器82等を動作させるための各種のタイミング信号(クロック信号)を発生する。
【0068】
また、本実施形態に係る画像読取装置では、後述するA/D変換器82を動作させるためのタイミング信号(本発明のタイミング信号に相当)を装置の出荷調整時に自動的に調整するが、この自動調整処理の際にA/D変換器82を動作させるためのタイミング信号の位相を所定時間(例えば1nS)単位に変化させる機能もタイミングジェネレータ74には備えられている。なお、A/D変換器82を動作させるためのタイミング信号の自動調整処理については後に詳述する。
【0069】
ラインCCD116の信号出力端は、増幅器76を介してA/D変換器82に接続されており、ラインCCD116から出力された信号は、増幅器76で増幅された後、A/D変換器82によって、上記タイミングジェネレータ74から入力されているタイミング信号に応じたタイミングでデジタルデータに変換される。
【0070】
A/D変換器82の出力端は、相関二重サンプリング回路(CDS)88、インタフェース(I/F)回路90を順に介して画像処理部16に接続されている。CDS88では、フィードスルー成分のレベルを表すフィードスルーデータ及び画素信号成分のレベルを表す画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素データからフィードスルーデータを減算する。そして、演算結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応する画素データ)を、I/F回路90を介してスキャン画像データとして画像処理部16へ順次出力する。
【0071】
なお、ラインCCD116からはR、G、Bの測光信号が並列に出力されるので、増幅器76、A/D変換器82、CDS88から成る信号処理系も3系統設けられており、I/F回路90からは、スキャン画像データとしてR、G、Bの画像データが並列に、画像処理部16に入力される。
【0072】
また、各A/D変換器82から出力されたデジタルデータは、対応するCDS88、及びI/F回路90を介してマイクロプロセッサ46に入力することができるように構成されている。
【0073】
一方、画像処理部16には、ディスプレイ18、キーボード12A、12B、マウス20、及びフィルムキャリア38が接続されている。
【0074】
画像処理部16では、ラインCCDスキャナ14から並列に入力されるR、G、Bの画像データに対して、暗補正及び明補正を行う。
【0075】
暗補正は、ラインCCD116の光入射側に光を入射しない状態においてラインCCD116内を流れる電流である暗電流をキャンセルするものであり、ラインCCD116の光入射側がCCDシャッタ52により遮光されている状態でラインCCDスキャナ14から入力されたデータ(ラインCCD116のセンシング部の各セルの暗出力レベルを表すデータ)を各セル毎に記憶しておき、ラインCCD116が写真フィルム22を読み取ることによってラインCCDスキャナ14から入力された画像データから、各画素毎に対応するセルの暗出力レベルを減ずることによって補正する。
【0076】
また、明補正は、ラインCCD116の光電変換特性の各セル単位でのばらつきを補正するものであり、ラインCCDスキャナ14に画面全体が一定濃度の調整用のフィルム画像がセットされている状態で、ラインCCD116で前記調整用のフィルム画像を読み取ることによりラインCCDスキャナ14から入力された調整用のフィルム画像の画像データ(この画像データが表す各画素毎の濃度のばらつきは各セルの光電変換特性のばらつきに起因する)に基づいて各セル毎にゲイン(明補正データ)を定めておき、ラインCCDスキャナ14から入力された読取対象のフィルム画像の画像データを、各セル毎に定めたゲインに応じて各画素毎に補正する。
【0077】
また、画像処理部16では、階調変換、色変換、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス処理等の各種の画像処理を行う。
【0078】
なお、写真フィルム22が本発明の原稿に、マイクロプロセッサ46が本発明の制御手段に、タイミングジェネレータ74が本発明の生成手段に、A/D変換器82が本発明の変換手段に、ラインCCD116が本発明の固体撮像素子に、各々相当する。
【0079】
次に、本実施形態の作用として、ラインCCDスキャナ14のマイクロプロセッサ46によって実行されるA/D変換器82に入力されるタイミング信号の自動調整処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、ラインCCD116が12MHzのタイミング信号(クロック信号)で動作し、A/D変換器82に入力されるタイミング信号の位相をタイミングジェネレータ74によって1nS単位に変化させることができる場合について説明する。また、本自動調整処理は、写真フィルム22がフィルムキャリア38にセットされていない状態で行われる。
【0080】
まず、ステップ100では、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ52を全閉状態とすることにより、ラインCCD116に入射される光を遮光した状態で、増幅器76、A/D変換器82、及びCDS88を介して得られるラインCCD116の出力レベルに相当するデジタルデータをサンプリングする。
【0081】
なお、マイクロプロセッサ46には、ラインCCD116が12MHzで動作する場合の、フィードスルー成分FT及び該フィードスルー成分FTの両端部に各々接するリセットパルス成分RPと画素信号成分PSとの一部が含まれる第1領域A1(図9参照)と、画素信号成分PSの後端側の一部と該画素信号成分PSの後端に接するリセットパルス成分RPの一部とが含まれる第2領域A2と、の各領域のサンプリングタイミングが予め設定されており、本ステップ100では上記第1領域A1について1nS毎にラインCCD116の1つの成分色(例えばR)についてA/D変換器82から出力されるデジタルデータをサンプリングしてRAM68の所定領域に記憶する。
【0082】
図10(A)には、このサンプリングによって得られたデジタルデータの状態の一例が示されている。なお、同図における横軸はサンプリングタイミングを、縦軸はサンプリングによって得られたデジタルデータをラインCCD116の飽和レベルに対する出力レベルの割合として表したものを各々示している(図10(B)、(C)、(D)、(F)及び(H)も同様)。
【0083】
同図に示すように、第1領域A1ではリセットパルス成分RPに相当する期間ではラインCCD116の出力レベルは0%であるが、その後フィードスルー成分FT及び画素信号成分PSに相当する期間では、遮光状態であるために一定の低レベルとなっている。このように、ステップ100の処理によって得られたサンプリングデータにより、遮光状態においてラインCCD116から出力されたアナログ画像信号の波形状態を知ることができる。
【0084】
次のステップ102では、ランプドライバ53を駆動することによってランプ32を所定光量で点灯すると共に、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ52を全開状態とすることにより、ラインCCD116に所定光量の光を入射させた状態で、増幅器76、A/D変換器82、及びCDS88を介して得られるラインCCD116の出力レベルに相当するデジタルデータをサンプリングする。なお、ここでは、上記第1領域A1及び第2領域A2の双方について1nS毎に上記ステップ100と同様の成分色に対するサンプリングを行う。
【0085】
図10(B)及び図10(C)には各々、本ステップ102によるサンプリングの結果得られた第1領域A1及び第2領域A2におけるデジタルデータの状態の一例が示されている。
【0086】
図10(B)に示すように、第1領域A1では、フィードスルー成分FTに相当する領域までは図10(A)に示したものと略同様の状態となるが、画素信号成分PSに相当する領域ではラインCCD116の出力レベルが100%に近いレベルまで上昇している。
【0087】
一方、図10(C)に示すように、第2領域A2では、画素信号成分PSに相当する領域ではラインCCD116の出力レベルが100%に近いレベルとなっているが、次のリセットパルス成分RPに相当する領域では出力レベルが0%近傍まで下降している。
【0088】
このように、ステップ102の処理によって得られたサンプリングデータにより、照明状態においてラインCCD116から出力されたアナログ画像信号の波形状態を知ることができる。
【0089】
次のステップ104では、上記ステップ100及びステップ102でサンプリングした第1領域A1における遮光状態のCCD出力レベル(図10(A)参照)と、照明状態のCCD出力レベル(図10(B)参照)と、を比較することによって、フィードスルー成分FT及び画素信号成分PSの各々に相当する領域を仮決定する。
【0090】
すなわち、図10(D)に示すように、遮光状態及び照明状態の各々の状態におけるサンプリングデータ(CCD出力レベル)間の変化量(差)が所定量以下である領域をフィードスルー成分FTの候補領域(同図では「フィードスルー仮領域」と表現)とし、変化量が上記所定量より大きな領域を画素信号成分PSの候補領域(同図では「データ仮領域」と表現)とする。
【0091】
次のステップ106では、上記ステップ102においてサンプリングした照明状態における第1領域A1のCCD出力レベル(図10(B)参照)を用いて、サンプリングデータ間の変化量(ラインCCD116の出力信号の波形の傾きに相当)を算出し、該傾きに基づいてフィードスルー成分FTの領域を決定する。
【0092】
図10(E)には、図10(B)に示したCCD出力レベルに対する傾きの算出結果が示されている。なお、同図における横軸はサンプリングタイミングを、縦軸は傾きが0(零)であるときを基準とした場合の傾きの方向(+方向及び−方向)を各々示している(図10(G)も同様)。
【0093】
照明時においては、図9に示すようにフィードスルー成分FTの領域ではレベルが略一定で、かつ該レベルが他の成分(リセットパルス成分RP及び画素信号成分PS)のレベルとは大きく異なっている。従って、図10(E)において、傾きが0(零)から−方向に変化する位置P1、P2、P3をフィードスルー成分FTの領域の両端位置の候補として抽出した後、位置P1〜P3のうち、上記ステップ104において決定したフィードスルー候補領域に含まれる位置(この場合は位置P1及びP2)をフィードスルー成分FTの領域の両端位置として決定する。
【0094】
これにより、図10(F)に示すように、1つの成分色に対するフィードスルー成分FTの領域(同図では「フィードスルー領域」と表現)が決定される。
【0095】
次のステップ108では、上記ステップ100乃至ステップ106の処理が全ての成分色について終了したか否かを判定し、終了していない場合には上記ステップ100へ戻り、残りの全ての成分色についてステップ100乃至ステップ106の処理を繰り返して実行した後にステップ110へ移行する。
【0096】
以上の処理によって、ラインCCD116から並行して出力されているR、G、B各成分色の出力信号毎に、フィードスルー成分FTの領域が決定される。
【0097】
そこで、次のステップ110では、以上の処理によって得られた各成分色毎のフィードスルー成分FTの領域が全て含まれる領域の中心位置を、全ての成分色に共通のフィードスルーレベルFLのサンプリングタイミング設定値として決定する。
【0098】
例えば、Rにおけるフィードスルー成分FTの領域が5番目(5nS目)のサンプリングデータから12番目(12nS目、以下同様)のサンプリングデータまでの期間であり、Gにおけるフィードスルー成分FTの領域が6番目(6nS目、以下同様)のサンプリングデータから13番目(13nS目)のサンプリングデータまでの期間であり、Bにおけるフィードスルー成分FTの領域が6番目のサンプリングデータから12番目のサンプリングデータまでの期間である場合、全ての成分色のフィードスルー成分FTの領域が含まれる(重なる)領域は、6番目のサンプリングデータから12番目のサンプリングデータまでの期間であるので、この場合のフィードスルーレベルFLのサンプリングタイミング設定値として9(第1領域A1の最初のサンプリングタイミングから9番目にサンプリングを行うタイミングに対応)が得られる。
【0099】
なお、全ての成分色におけるフィードスルー成分FTの領域が含まれる(重なる)領域が存在しない場合はエラーを示す旨のメッセージをディスプレイ18に表示する等してエラーの発生をオペレータに明示した後に本自動調整処理を終了する。
【0100】
次のステップ112では、ラインCCD116の1つの成分色(例えばR)について、上記ステップ102においてサンプリングした照明状態における第2領域A2のCCD出力レベル(図10(C)参照)を用いて、サンプリングデータ間の変化量(ラインCCD116の出力信号の波形の傾きに相当)を算出し、該傾きに基づいてデータレベルDLのサンプリングタイミング設定値を仮決定する。
【0101】
図10(G)には、図10(C)に示したCCD出力レベルに対する傾きの算出結果が示されている。
【0102】
照明時においては、図9に示すように画素信号成分PSの領域ではレベルが略一定で、かつ該レベルがリセットパルス成分RPのレベルとは大きく異なっている。従って、図10(G)において、傾きが0(零)から+方向に変化する位置P4を画素信号成分PSの領域の後端位置として抽出した後、位置P4から所定時間(本実施形態では4nS)遡った時点を当該成分色のデータレベルDLのサンプリングタイミング設定値として決定する。
【0103】
次のステップ114では、上記ステップ112の処理が全ての成分色について終了したか否かを判定し、終了していない場合には上記ステップ112へ戻り、残りの全ての成分色についてステップ112の処理を繰り返して実行した後にステップ116へ移行する。
【0104】
以上の処理によって、ラインCCD116から並行して出力されているR、G、B各成分色の出力信号毎に、データレベルDLのサンプリングタイミングが決定される。
【0105】
そこで、次のステップ116では、以上の処理によって得られた各成分色毎のデータレベルのサンプリングタイミング設定値の平均値を全ての成分色に共通のデータレベルDLのサンプリングタイミング設定値として決定する(図10(H)参照)。なお、全ての成分色におけるデータレベルDLの設定値のばらつきが大きな場合にはエラーを示す旨のメッセージをディスプレイ18に表示する等してエラーの発生をオペレータに明示した後に本自動調整処理を終了する。
【0106】
次のステップ118では、以上の処理によって決定されたフィードスルーレベルFL及びデータレベルDLの各々のサンプリングタイミング設定値に対するエラーチェックを行う。
【0107】
すなわち、決定された各サンプリングタイミング設定値がA/D変換器82の入力条件を満足しているか否かを判定し、満足していない場合にはエラーを示す旨のメッセージをディスプレイ18に表示する等してエラーの発生をオペレータに明示した後に本自動調整処理を終了する。一方、上記入力条件を満足している場合には上記のエラー発生の明示を行うことなく本自動調整処理を終了する。
【0108】
以上の自動調整処理によって決定されたフィードスルーレベルFL及びデータレベルDLの各々のサンプリングタイミング設定値はタイミングジェネレータ74に設定され、タイミングジェネレータ74では、設定された値に基づいて、A/D変換器82に入力するタイミング信号の立下りエッジがフィードスルーレベルFLのサンプリングタイミング設定値に対応し、かつ次の立下りエッジがデータレベルDLのサンプリングタイミング設定値に対応するようにA/D変換器82に入力するタイミング信号を生成する。
【0109】
次に、ラインCCDスキャナ14のマイクロプロセッサ46によって実行される写真フィルム22の画像読取時の処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。なお、図11は、写真フィルム22の画像読取時にマイクロプロセッサ46で実行される画像読取処理のフローチャートである。また、ラインCCDスキャナ14は、写真フィルム読取時のモードとして、「プレスキャンモード」、及び「ファインスキャンモード」の各モードが予め定められていると共に、各モードにおけるラインCCDスキャナ14の各部の状態も予め定められている。さらに、本実施形態では、写真フィルム22が1本のネガフィルムである場合について説明する。
【0110】
図11のステップ200では、「プレスキャンモード」に移行し、写真フィルム22に対するプレスキャンが所定の読取条件で行われるように、「プレスキャンモード」として予め定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。
【0111】
すなわち、ランプドライバ53によってランプ32を点灯させ、絞り駆動モータ56によって絞り39をプレスキャン時の位置に移動させ、ターレット駆動モータ54によってターレット36をネガフィルム位置(ネガフィルム用のバランスフィルタ36Nが光軸L上に位置する位置)へ回転させ、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ58、レンズ駆動モータ60によって載置台47及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り駆動モータ62によってレンズ絞り51を全開位置に移動させ、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(ラインCCD116によるライン単位の読取周期(電荷蓄積時間))として最短値であるtを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度として最速値である5×v(通常のフィルム画像(本実施形態では高濃度、標準濃度、及び低濃度のフィルム画像)のファインスキャン時における搬送速度をvとした場合の5倍の搬送速度)を設定する。従って、写真フィルム22に対するプレスキャンは比較的粗い解像度で高速に行われ、短時間で処理が完了する。
【0112】
次のステップ202では、フィルムキャリア38に対し、所定方向(図2の矢印C方向)への写真フィルム22の搬送を指示し、最速の搬送速度(5×v)で搬送される写真フィルム22をラインCCD116によって最短の読取周期(t)で読み取り、ラインCCD116から出力された信号に対して順次A/D変換を行ってプレスキャンデータとして画像処理部16へ順次出力するプレスキャンを開始する。
【0113】
次のステップ204では写真フィルム22の後端までプレスキャンを行ったか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0114】
このプレスキャンの間、画像処理部16では、ラインCCDスキャナ14から入力される画像データを図示しない記憶部に順次記憶すると共に、複数コマ画像分の画像データが記憶された時点で、該記憶された画像データに基づき、写真フィルム22に記録されているフィルム画像の写真フィルム22の搬送方向に沿った両端(上流側及び下流側)のエッジ位置を周知の技術(例えば、特開平8−304932号公報等に記載の技術)によって各々判定する。
【0115】
また、画像処理部16では、判定したエッジ位置に基づき、パーフォレーションの位置等と対応付けてフィルム画像のコマ位置を判定し、判定したコマ位置を上記図示しない記憶部に記憶すると共に、該コマ位置に基づいて、それまでに記憶した画像データからフィルム画像が記録されている領域の画像データを切り出して上記図示しない記憶部に記憶する。
【0116】
写真フィルム22の後端までプレスキャンが終了すると(図11のステップ204の判定が肯定されると)、ステップ206では、プレスキャン時に画像処理部16によって上記図示しない記憶部に記憶されたプレスキャン画像データからフィルム画像の所定の画像特徴量を演算する。
【0117】
また、ステップ206では、演算した画像特徴量に基づいて、フィルム画像の種別(サイズ、濃度種別)及びファインスキャン画像データに対する画像処理の処理条件を演算により設定する。
【0118】
全てのコマ画像について、種別、及び画像処理の処理条件の設定が終了すると、次のステップ208では、フィルム画像のファインスキャンを行うために、フィルムキャリア38に対し上記所定方向と逆の方向(図2矢印C方向の逆方向)への写真フィルム22の搬送を指示する。
【0119】
次のステップ210では、これからファインスキャンを行うフィルム画像の種別に適した読取条件で処理対象とするフィルム画像に対するファインスキャンが行われるように、ラインCCDスキャナ14の各部の作動を制御する。
【0120】
すなわち、まず、これからファインスキャンを行うフィルム画像(この場合は所定方向と逆の方向への写真フィルム22の搬送で最初に読取位置に到達するフィルム画像)の種別を取り込み、前記フィルム画像の種別が何であるかを判定し、該種別に応じたファインスキャンモードの設定を行う。例えば、種別が「高濃度コマ」であった場合、高濃度コマ用のファインスキャンモードとして予め定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。
【0121】
すなわち、ランプ32を点灯させ、絞り39を高濃度コマのファインスキャン時の位置に移動させ、ターレット36をネガフィルム位置へ回転させ、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるように載置台47及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り51及びCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(読取周期)としてtを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度としてvを設定する。高濃度のフィルム画像は透過光量が少なく、高濃度のフィルム画像を高ダイナミックレンジで高精度に読み取るために、高濃度コマのファインスキャン時の絞り39の位置は全開に近い位置とされている。
【0122】
次のステップ212では、画像処理部16の図示しない記憶部に記憶されたコマ位置に基づき、これからファインスキャンを行うフィルム画像のエッジがラインCCD116の読取位置(光軸位置)に到達したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0123】
ステップ212の判定が肯定されるとステップ214へ移行し、読取位置に到達したフィルム画像をラインCCD116によって読み取り、ラインCCD116から出力された信号に対して順次A/D変換を行ってファインスキャン画像データとして画像処理部16へ順次出力するファインスキャンを行う。これにより、フィルム画像の種別毎に最適な読取条件で前記フィルム画像のファインスキャンが行われることになる。
【0124】
なお、以上の処理によって得られたファインスキャン画像データは、先に記憶された処理条件で画像処理部16において画像処理が行われ、図示しないレーザプリンタ部へ出力されてプリントされる。
【0125】
単一のフィルム画像に対するファインスキャンを完了するとステップ216へ移行し、処理対象とする全てのフィルム画像に対するファインスキャンを終了したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ210に戻り、ステップ210〜216を繰り返す。このステップ210〜216により、各フィルム画像の種別に応じた最適な読取条件で、各フィルム画像のファインスキャンが各々行われる。そして、ステップ216の判定が肯定されると本画像読取処理が終了する。
【0126】
上記プレスキャン及びファインスキャンの各々において得られるプレスキャン画像データ及びファインスキャン画像データは、上述した自動調整処理によって正確なフィードスルーレベル及びデータレベルが得られ、かつ該正確なフィードスルーレベル及びデータレベルに基づいて相関2重サンプリングが行われた結果得られたものであるので、ノイズの影響が除去された正確な画像データとして得ることができる。
【0127】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る画像読取装置では、タイミングジェネレータからA/D変換器に入力されるタイミング信号の位相を変化させたときの各々のデジタルデータに基づいてフィードスルー成分のレベルと画素信号成分のレベルとをサンプリングするタイミングを決定しているので、自動で、かつ高精度にサンプリングタイミングを設定することができ、従って装置の製造コストを低下することができると共に安定した読取性能を実現することができる。
【0128】
なお、本実施形態では、A/D変換器82に入力されるタイミング信号の自動調整を装置の出荷調整時に実施する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば画像読取装置の電源投入時毎に実施する形態としてもよく、画像読み取りを行う直前に実施する形態としてもよい。
【0129】
また、本実施形態では、フィードスルーレベルのサンプリングタイミングを1つのみ決定し、R、G、B各成分色に各々対応する3つのA/D変換器82に共通に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばステップ106(図8参照)によって成分色毎に得られたフィードスルー領域の各々の中心位置に対応するタイミングを当該成分色のフィードスルーレベルのサンプリングタイミングとして成分色毎に適用する形態としてもよい。この場合は、各成分色毎に最適なサンプリングタイミングを設定することができ、より高精度な画像データを得ることができる。
【0130】
また、本実施形態では、データレベルのサンプリングタイミングを1つのみ決定し、R、G、B各成分色に各々対応する3つのA/D変換器82に共通に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばステップ112(図8参照)によって成分色毎に得られたデータレベルのサンプリングタイミング設定値を当該成分色のデータレベルのサンプリングタイミングとして成分色毎に適用する形態としてもよい。この場合も、各成分色毎に最適なサンプリングタイミングを設定することができ、より高精度な画像データを得ることができる。
【0131】
また、本実施形態では、第1領域A1及び第2領域A2の2つの領域に分け、各領域においてサンプリングを行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、領域を分けずに第1領域A1及び第2領域A2の双方が含まれる1つの領域についてサンプリングを行う形態としてもよい。
【0132】
また、本実施形態では、写真フィルム(透過原稿)に記録された画像を読み取る画像読取装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば写真プリント等の反射原稿における画像を読み取る画像読取装置として適用する形態としてもよい。
【0133】
また、本実施形態では、原稿がネガフィルムである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リバーサルフィルム(ポジフィルム)の読み取りに対しても本発明は適用できることはいうまでもない。
【0134】
更に、本実施形態では、本発明の固体撮像素子としてラインCCD116を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エリアCCDを適用する形態としてもよい。
【0135】
請求項1記載の画像読取装置によれば、固体撮像素子に光を受光させた第1の状態及び光を受光させない第2の状態の各状態下でタイミング信号の位相を変化させたときの各々のデジタルデータのみに基づいてフィードスルー成分及び画素信号成分の各候補領域を求めているので、自動で、かつ高精度にサンプリングタイミングを設定することができ、従って装置の製造コストを低下することができると共に安定した読取性能を実現することができる、という効果が得られる。
【0136】
また、請求項1に記載の画像読取装置によれば、デジタルデータの変化量によって求めたアナログ画像信号の傾きに基づいてフィードスルー成分の領域及び画素信号成分の領域を求めているので、簡易かつ高速にサンプリングタイミングを設定することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像読取装置の外観図である。
【図2】実施形態に係る画像読取装置の光学系の正面断面図である。
【図3】実施形態に係る画像読取装置の光学系の側面断面図である。
【図4】(A)は絞り、(B)はターレット、(C)はレンズ絞り、(D)はCCDシャッタの一例を各々示す平面図である。
【図5】ターレットの変形例を示す平面図である。
【図6】実施形態に係る画像読取装置の光学系の主要部のみを示した概略図である。
【図7】実施形態に係る画像読取装置のラインCCDスキャナ及び画像処理部の電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図8】実施形態におけるラインCCDスキャナのマイクロプロセッサで実行される自動調整処理のフローチャートである。
【図9】実施形態におけるラインCCDの出力信号及び自動調整処理によって最終的に得られるタイミング信号の状態を示すタイムチャートである。
【図10】(A)は遮光状態における第1領域のサンプリング結果を、(B)は照明状態における第1領域のサンプリング結果を、(C)は照明状態における第2領域のサンプリング結果を、(D)はフィードスルー仮領域及びデータ仮領域を、(E)は(B)における傾きの算出結果を、(F)は決定されたフィードスルー成分の領域を、(G)は(C)における傾きの算出結果を、(H)はデータレベルのサンプリングタイミングの決定結果を、各々示すグラフである。
【図11】実施形態におけるラインCCDスキャナのマイクロプロセッサで実行される画像読取処理のフローチャートである。
【図12】固体撮像素子の出力信号の状態と該出力信号とA/D変換のタイミング信号との関係の一例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
14 ラインCCDスキャナ
16 画像処理部
22 写真フィルム(原稿)
32 ランプ
38 フィルムキャリア
39 絞り
40 拡散ボックス
43 読取部
46 マイクロプロセッサ(制御手段)
47 載置台
50 レンズユニット
52 CCDシャッタ
52ND NDフィルタ
74 タイミングジェネレータ(生成手段)
82 A/D変換器(変換手段)
116 ラインCCD(固体撮像素子)
Claims (1)
- 原稿の透過光又は原稿からの反射光を受光し、前記原稿に記録された画像を複数画素に分解して読み取って画素毎にフィードスルー成分と画素信号成分とが含まれたアナログ画像信号を出力する固体撮像素子と、
前記アナログ画像信号をサンプリングするためのタイミング信号を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成されたタイミング信号に応じて前記アナログ画像信号をサンプリングし、サンプリング値に基づいて前記アナログ画像信号をデジタルデータに変換して出力する変換手段と、
前記固体撮像素子に光を受光させた第1の状態及び光を受光させない第2の状態の各状態下で前記タイミング信号の位相を変化させたときの各々の前記デジタルデータに基づいて、前記第1の状態におけるデジタルデータと前記第2の状態におけるデジタルデータとの差が所定値以下である領域を前記フィードスルー成分の候補領域とし、前記差が所定値より大きな領域を前記画素信号成分の候補領域として、各候補領域に基づいて前記フィードスルー成分のレベルと前記画素信号成分のレベルとをサンプリングするタイミングを決定し、該決定されたタイミングに応じたタイミング信号を前記生成手段に生成させるように制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記各々のデジタルデータの変化量によって求めた前記アナログ画像信号の波形の傾きが零からマイナスの方向に変化する位置を前記フィードスルー成分の領域の両端位置の候補位置として抽出し、前記フィードスルー成分の候補領域に含まれる前記候補位置を前記フィードスルー成分の領域の両端位置とすると共に、前記画素信号成分の候補領域に含まれ、前記アナログ画像信号の波形の傾きが零からプラスの方向に変化する位置を前記画素信号成分の領域の後端位置として抽出し、前記フィードスルー成分の領域内に前記フィードスルー成分のレベルをサンプリングするタイミングを決定し、かつ前記画素信号成分の領域の後端位置から所定時間遡った時点を前記画素信号成分のレベルをサンプリングするタイミングとして決定することを特徴とする
画像読取装置。
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