JP3723701B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に係り、特に、写真フィルム等の複数の画像が記録された読取対象原稿の各画像を読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真フィルムに記録されているフィルム画像を、結像手段、及びCCD等の画像センサ等を備えた画像読取装置によって読み取り、該読み取りによって得られた画像データに対して各種の補正等の画像処理を行った後に、記録材料への画像の記録やディスプレイへの画像の表示等を行う画像処理システムが知られている。なお、ここでいう写真フィルムとは、被写体を撮影後、現像処理され、ネガ画像又はポジ画像が可視化されたフィルムをいう。
【0003】
この種の画像処理システムでフィルム画像を読み取る際に用いられる画像読取装置では、画像読み取りの高速化を目的として、写真フィルムに記録された複数のフィルム画像の各々が順次所定の読取位置を通過するように写真フィルムを搬送するフィルムキャリア(原稿搬送装置)を用いて、比較的高速でかつ低精細に画像を読み取る予備読み取り(以下、プレスキャンという)を行い、プレスキャンにより得られた画像データに基づいて、比較的低速でかつ高精細に画像を読み取る本読み取り(以下、ファインスキャンという)を行う際の読取条件及びファインスキャンにより得られる画像データに対する各種画像処理の処理条件を決定し、決定された読取条件でファインスキャンを行うと共に、ファインスキャンによって得られた画像データに対して上記決定された処理条件による画像処理を行うものがある。
【0004】
一方、読取対象とする写真フィルムには、135サイズ、240サイズ等の複数の種類があるため、これらの複数の写真フィルムを1台の画像読取装置で読み取り可能とするために、写真フィルムの種類毎にフィルムキャリアを予め用意しておき、写真フィルムの種類に応じてフィルムキャリアを交換して用いる画像読取装置があった。
【0005】
このような複数のフィルムキャリアを用いる画像読取装置には、予めフィルムキャリアの種類毎に所定の読取位置に位置されたフィルム画像に対して結像手段による結像位置と画像センサの位置とが一致するように制御する合焦制御を行うことによって得られた合焦位置に関する値を複数の光学倍率毎に記憶しておき、複数のフィルム画像を連続して読み取る際に、各フィルム画像の光学倍率に応じた合焦位置に関する値を予め記憶しておいた複数の光学倍率毎の合焦位置に関する値から読み出して結像手段及び画像センサの少なくとも一方を移動させるものがあった。
【0006】
一方、高品質な画像データを得ることを目的として、特開平9−211558号公報記載の技術では、倍率調整機能と焦点調整(合焦制御)機能とを有した結像レンズ部を備え、該結像レンズ部の倍率調整を行った後に合焦制御を行い、その後、該合焦制御に応じた結像レンズ部の倍率の補正を行うことによって、正確に合焦制御が行われ、かつ正確な光学倍率で所定サイズの投影像を安定して得ることができ、高画質で、ケラレのない好適なプリントが得られるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の予めフィルムキャリア毎に複数の光学倍率毎の合焦位置に関する値を記憶しておく技術では、全てのフィルムキャリアに対して光学倍率の数だけ合焦制御を行う必要があるため、著しく時間がかかる、という問題点があると共に、合焦制御の結果得られた合焦位置に関する値をフィルムキャリア毎に光学倍率毎に記憶する必要があるため、多くの記憶容量を必要とする、という問題点があった。
【0008】
一方、上記特開平9−211558号公報記載の技術では、画像読み取り時の光学倍率が異なる複数の画像を連続して高品質に読み取るためには、各画像毎に合焦制御を行う必要があり、高速な画像読み取りを行うことができない、という問題点があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、多くの記憶容量を要することなく処理時間を短縮することができると共に、高品質な画像データを得ることができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像読取装置は、複数の画像が記録された読取対象原稿を照明する光源と、前記複数の画像の各々が順次所定の読取位置を通過するように前記読取対象原稿を搬送する搬送手段と、前記読取対象原稿を透過した光又は前記読取対象原稿から反射した光を結像させる結像手段と、前記読取対象原稿に記録された各画像を複数画素に分解して読み取って画像データとして出力する画像センサと、前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つを前記結像手段の光軸方向に移動させる移動手段と、複数の光学倍率毎に基準被写体に対して前記結像手段による結像位置と前記画像センサの位置とが一致する合焦制御が行われるように前記移動手段を制御することによって得られた合焦位置に関する第1の値を前記複数の光学倍率毎に記憶すると共に、前記読取位置の被写体に対して前記複数の光学倍率のうちの少なくとも1つの所定光学倍率における合焦制御が行われるように前記移動手段を制御することによって得られた少なくとも1つで、且つ前記光学倍率の数より少ない数の第2の値と、該第2の値と該第2の値に対応する前記所定光学倍率における前記第1の値との差分との少なくとも一方を記憶する記憶手段と、前記複数の画像の一部又は全部を読み取る際に、前記記憶手段により記憶された前記第1の値と、前記差分及び前記第2の値の何れか一方と、に基づいた位置に前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0011】
請求項1に記載の画像読取装置によれば、複数の画像が記録された読取対象原稿が光源によって照明され、上記複数の画像の各々が順次所定の読取位置を通過するように読取対象原稿が搬送手段によって搬送され、読取対象原稿を透過した光又は読取対象原稿から反射した光が結像手段によって結像され、読取対象原稿に記録された各画像が画像センサによって複数画素に分解されて読み取られて画像データとして出力される。なお、上記読取対象原稿としては、写真フィルム等の透過原稿、及び写真プリント等の反射原稿が含まれる。また、上記画像センサとしては、ラインCCD、エリアCCD、及びCCD以外の光電変換素子が含まれる。
【0012】
結像手段は、レンズ又はレンズ群を用いることができるが、1部のレンズを移動することによって光学倍率が変更可能なズームレンズを用いてもよい。レンズ又はレンズ群を用いる場合には、結像手段の全体を移動させるが、ズームレンズを用いる場合には結像手段の一部を移動させる。
【0013】
また、請求項1に記載の画像読取装置は、結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つを結像手段の光軸方向に移動させることができる移動手段を備えており、複数の光学倍率毎に基準被写体に対して結像手段による結像位置と画像センサの位置とが一致する合焦制御が行われるように上記移動手段が制御されることによって得られた合焦位置に関する第1の値が上記複数の光学倍率毎に記憶手段によって記憶されると共に、読取位置の被写体に対して上記複数の光学倍率のうちの少なくとも1つの所定光学倍率における合焦制御が行われるように上記移動手段が制御されることによって得られた少なくとも1つで、且つ前記光学倍率の数より少ない数の第2の値と、該第2の値と該第2の値に対応する上記所定光学倍率における第1の値との差分との少なくとも一方が記憶手段によって記憶される。なお、上記被写体には、読取対象原稿に記録された画像、及び該画像の位置の基準となる被写体が含まれる。
【0014】
このように記憶手段によって記憶された光学倍率毎の各々の第1の値に対して差分を加算することによって、読取位置に位置された被写体に対する複数の光学倍率毎の合焦位置に関する値を得ることができる。
【0015】
また、記憶手段によって上記差分が記憶されず、第2の値のみが記憶された場合には、第2の値と該第2の値に対応する光学倍率における第1の値との差を算出することによって上記差分を得ることができる。
【0016】
さらに、請求項1に記載の画像読取装置では、複数の画像の一部又は全部を読み取る際に、記憶手段により記憶された第1の値と、差分及び第2の値の何れか一方と、に基づいた位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように上記移動手段が制御手段によって制御される。
【0017】
すなわち、記憶手段によって差分が記憶された場合には該差分を、記憶手段によって第2の値のみが記憶された場合には第2の値と該第2の値に対応する光学倍率における第1の値との差を算出することによって得られた差分を、読取対象とする画像の光学倍率における第1の値に加算することによって得られる位置は読取対象とする画像の光学倍率に応じた合焦位置に対応する位置であるので、この位置に基づく位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つを設定することによって合焦制御を行うことなしに読取対象とする画像の合焦位置に結像手段及び画像センサを位置させることが可能となる。
【0018】
このように、請求項1に記載の画像読取装置によれば、記憶手段によって記憶された複数の光学倍率毎の第1の値と、該複数の光学倍率のうちの少なくとも1つで、且つ前記光学倍率の数より少ない数の光学倍率における差分及び第2の値の何れか一方と、に基づいて、読取位置に位置された被写体に対する複数の光学倍率毎の合焦位置に関する値を得ることを可能としているので、読取位置に位置された被写体に対する光学倍率毎の合焦制御を行う必要がなく、短時間に記憶手段による記憶を終了することができると共に、上記第1の値と上記差分又は上記第2の値とに基づいて得られる位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つを移動することによって読取対象とする画像の光学倍率に応じた合焦位置を設定することができるので、読取対象とする画像毎に合焦制御を行う場合に比較して短時間に合焦位置を設定することができ、この結果として全体的な処理時間を短縮することができる。
【0019】
また、請求項2記載の画像読取装置は、請求項1記載の画像読取装置において、前記制御手段は、前記複数の画像の一部又は全部を読み取る際に、該画像の読み取りに先立って、前記記憶手段に記憶された前記第1の値と、前記差分及び前記第2の値の何れか一方と、に基づいた位置を基準として前記被写体に対する合焦制御が行われるように前記移動手段を制御しかつこの時の合焦位置に関する第3の値を記憶しておき、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、前記第1の値及び前記第3の値に基づいた位置に前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御することを特徴としている。
【0020】
請求項2に記載の画像読取装置によれば、請求項1記載の画像読取装置における制御手段によって、複数の画像の一部又は全部を読み取る際に、該画像の読み取りに先立って、記憶手段に記憶された上記第1の値と、上記差分及び上記第2の値の何れか一方と、に基づいた位置を基準として上記被写体に対する合焦制御が行われるように移動手段が制御されると共に、この時の合焦位置に関する第3の値が記憶され、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、上記第1の値及び上記第3の値に基づいた位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように移動手段が制御される。
【0021】
このように、請求項2に記載の画像読取装置によれば、画像の読み取りに先立って上記被写体に対する合焦制御を行い、この時の合焦位置に関する第3の値が記憶され、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、上記第1の値及び上記第3の値に基づいた位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つを移動するようにしているので、実際に読み取りを行う環境に応じた最適な合焦位置を設定することができ、第3の値を用いずに合焦位置を設定した場合に比較して、より高精度に合焦位置を設定することができる。
【0022】
また、請求項3記載の画像読取装置は、請求項2記載の画像読取装置において、前記被写体が前記搬送手段における前記読取対象原稿の搬送路を隔てて1つずつ設けられ、前記搬送路上に前記読取対象原稿の前記光軸方向の変位範囲を前記結像手段の被写界深度の2倍以下に制限するための制限部材を更に備え、前記第1の値及び前記第3の値に応じて定まる位置に対して前記変位範囲の2分の1の距離をオフセットすることを特徴としている。
【0023】
請求項3に記載の画像読取装置によれば、請求項2記載の画像読取装置における被写体が搬送手段における読取対象原稿の搬送路を隔てて1つずつ設けられ、前記搬送路上に備えられた制限部材によって読取対象原稿の光軸方向の変位範囲が結像手段の被写界深度の2倍以下に制限され、上記第1の値及び第3の値に応じて定まる位置に対して上記変位範囲の2分の1の距離がオフセットされる。
【0024】
このように、請求項3に記載の画像読取装置によれば、請求項2記載の画像読取装置における被写体を搬送手段における読取対象原稿の搬送路を隔てて1つずつ設け、前記搬送路上に備えられた制限部材によって読取対象原稿の光軸方向の変位範囲を結像手段の被写界深度の2倍以下に制限すると共に、上記第1の値及び第3の値に応じて定まる位置に対して上記変位範囲の2分の1の距離をオフセットしているので、読取対象原稿の光軸方向の位置が最大限に変位した場合であっても、読取対象原稿に記録された画像に対する正確な合焦位置との合焦位置のずれ量は結像手段の被写界深度内に納まる範囲内となり、この結果として高品質な画像データを確実に得ることができる。
【0025】
また、請求項4記載の画像読取装置は、請求項2記載の画像読取装置において、前記記憶手段が、前記読取対象原稿と前記読取対象原稿の搬送路を隔てて1つずつ設けられた前記被写体との間の前記光軸方向に対する位置の差分を第4の値として更に記憶すると共に、前記制御手段が、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、前記第1の値、前記第3の値、及び前記第4の値に基づいた位置に前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御することを特徴としている。
【0026】
請求項4に記載の画像読取装置によれば、請求項2記載の画像読取装置における記憶手段によって、読取対象原稿と該読取対象原稿の搬送路を隔てて1つずつ設けられた被写体との間の光軸方向に対する位置の差分が第4の値として更に記憶される。すなわち、記憶手段によって、第1の値と、差分及び第2の値の少なくとも一方と、第4の値とが記憶される。
【0027】
また、請求項4に記載の画像読取装置では、請求項2記載の制御手段によって、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、第1の値、第3の値、及び第4の値に基づいた位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように移動手段が制御される。
【0028】
すなわち、第4の値は読取対象原稿と被写体との間の光軸方向に対する位置の差分であるので、この値を被写体に対する合焦位置に関する値である第3の値に加味した値を移動手段の制御の際に適用することによって、読取対象原稿に対して、より正確な合焦位置を設定することができる。
【0029】
このように、請求項4記載の画像読取装置によれば、請求項2記載の画像読取装置における記憶手段が、読取対象原稿と該読取対象原稿の搬送路を隔てて1つずつ設けられた被写体との間の光軸方向に対する位置の差分を第4の値として更に記憶すると共に、制御手段が、第1の値、第3の値、及び第4の値に基づいた位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように制御しているので、第4の値を適用しない場合に比較して、より正確な合焦位置を設定することができる。
【0030】
また、請求項5記載の画像読取装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像読取装置において、前記第1の値を用いた処理を行う際に、このときと前記第1の値を得たときとの温度差に応じて前記第1の値を補正して用いることを特徴としている。
【0031】
請求項5に記載の画像読取装置によれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像読取装置において第1の値を用いた処理が行われる際に、このときと上記第1の値を得たときとの温度差に応じて上記第1の値が補正されて用いられる。
【0032】
合焦位置は、光学倍率に応じた勾配で温度に応じて変動するので、第1の値を得たときと該第1の値を用いた処理を行うときとで温度差がある場合には第1の値には誤差が生じてしまう。そこで本請求項5記載の発明では、この温度差に起因する第1の値の誤差を解消すべく、温度差に応じた補正を行っているのである。
【0033】
このように、請求項5記載の画像読取装置によれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、第1の値を用いた処理を行う際に、このときと第1の値を得たときとの温度差に応じて第1の値を補正して用いているので、該補正を行わない場合に比較して、より正確な合焦位置を設定することができる。
【0034】
また、請求項6記載の画像読取装置は、請求項1記載の画像読取装置において、読取対象原稿の種類に応じた複数の前記搬送手段を備え、前記記憶手段は前記複数の搬送手段毎に前記差分及び前記第2の値の少なくとも一方を記憶することを特徴としている。
【0035】
このように、請求項6に記載の画像読取装置によれば、請求項1記載の発明における搬送手段を読取対象原稿の種類毎に備えると共に、記憶手段によって各搬送手段毎に差分及び第2の値の少なくとも一方を記憶しており、各搬送手段に対する合焦制御は搬送手段毎に1回のみ行えばよく、記憶しておく値(差分及び第2の値の少なくとも一方)も搬送手段毎に最低1つのみであるので、搬送手段毎に光学倍率毎に合焦制御を行って各々の合焦位置に関する値を記憶する場合に比較して、合焦制御に費やされる時間を短縮することができると共に、合焦位置に関する値を記憶するための記憶容量を削減することができる。
【0036】
また、請求項7記載の画像読取装置は、請求項2乃至請求項4の何れか1項記載の画像読取装置において、読取対象原稿の種類に応じた複数の前記搬送手段を備え、前記記憶手段は前記複数の搬送手段毎に前記差分及び前記第2の値の少なくとも一方を記憶し、前記制御手段は使用する搬送手段に対する前記第3の値を記憶することを特徴としている。
【0037】
このように、請求項7に記載の画像読取装置によれば、請求項2乃至請求項4の何れか1項記載の発明における搬送手段を読取対象原稿の種類毎に備えると共に、記憶手段によって各搬送手段毎に差分及び第2の値の少なくとも一方を記憶し、かつ制御手段によって使用する搬送手段に対する第3の値を記憶しており、各搬送手段に対する合焦制御は搬送手段毎に1回のみ行えばよく、記憶しておく値(差分及び第2の値の少なくとも一方)も搬送手段毎に最低1つのみであるので、搬送手段毎に光学倍率毎に合焦制御を行って各々の合焦位置に関する値を記憶する場合に比較して、合焦制御に費やされる時間を短縮することができると共に、合焦位置に関する値を記憶するための記憶容量を削減することができる。
【0038】
また、請求項8記載の画像読取装置は、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の画像読取装置において、前記基準被写体として前記被写体を用いることを特徴としている。
【0039】
このように、請求項8に記載の画像読取装置によれば、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の発明における基準被写体として被写体を用いているので、基準被写体と被写体とを個別に用意する場合に比較して、基準被写体を用意するためのコストを削減することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0045】
〔第1実施形態〕
図1に示すように、本実施の形態に係る画像読取装置はラインCCDスキャナ14を備えており、ラインCCDスキャナ14は、画像処理部16、マウス20、2種類のキーボード12A、12B、及びディスプレイ18が設けられた作業テーブル27に備えられている。
【0046】
一方のキーボード12Aは作業テーブル27の作業面27U内に埋設されている。他方のキーボード12Bは、不使用時は、作業テーブル27の引出し24内に収納され、使用時は、引出し24から取り出し、一方のキーボード12A上に重ねる。このとき、キーボード12Bのコードを、画像処理部16に接続されたジャック110に接続する。
【0047】
マウス20のコードは作業テーブル27に設けられた孔108を介して画像処理部16に接続されている。マウス20は、不使用時はマウスホルダ20Aに収納され、使用時はマウスホルダ20Aから取り出し、作業面27U上に載置する。
【0048】
画像処理部16は、作業テーブル27に設けられた収納部16Aに収納され、開閉扉25によって密閉されている。なお、開閉扉25を開放することにより、画像処理部16を取り出すことができるようになっている。
【0049】
ラインCCDスキャナ14は、ネガフィルムやリバーサルフィルム(ポジフィルム)等の写真フィルムに記録されているフィルム画像を読み取るためのものであり、例えば135サイズの写真フィルム、110サイズの写真フィルム、及び透明な磁気層が形成された写真フィルム(240サイズの写真フィルム:所謂APSフィルム)、120サイズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フィルムのフィルム画像を読取対象とすることができる。ラインCCDスキャナ14は、上記の読取対象のフィルム画像をラインCCDで読み取り、画像データを出力する。
【0050】
画像処理部16は、ラインCCDスキャナ14から出力された画像データが入力されると共に、入力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を行って、記録用画像データとして、図示しないレーザプリンタ部へ出力する。
【0051】
図2及び図3に示すように、ラインCCDスキャナ14の光学系は、作業テーブル27の下方に配置された光源部30、作業テーブル27に支持された拡散ボックス40、作業テーブル27にセットされるフィルムキャリア38、及び作業テーブル27を挟んで光源部30の反対側に配置された読取部43を備えている。
【0052】
光源部30は金属製のケーシング31内に収容されており、ケーシング31内部には、ハロゲンランプやメタルハライドランプ等から成るランプ32が配置されている。なお、ランプ32は、写真フィルム22の長手方向(搬送方向)及び写真フィルム22の幅方向の2方向に移動可能とされた図示しないX−Yステージに保持されており、該X−Yステージの位置を移動することによってランプ32の位置を微調整することが可能とされている。
【0053】
ランプ32の周囲にはリフレクタ33が設けられており、ランプ32から射出された光の一部はリフレクタ33によって反射され、一定の方向へ射出される。リフレクタ33の側方には、複数のファン34が設けられている。ファン34はランプ32が点灯している間作動され、ケーシング31の内部が過熱状態となることを防止する。
【0054】
リフレクタ33の光射出側には、リフレクタ33からの射出光の光軸Lに沿って、紫外域及び赤外域の波長の光をカットすることで写真フィルム22の化学変化を防止すると共に温度上昇を防止して読取精度を向上させるUV/IRカットフィルタ35、ランプ32からの光及びリフレクタ33からの射出光の光量を調整する絞り39、及び、写真フィルム22及び読取部43に到達する光の色成分を、写真フィルムの種類(ネガフィルム/リバーサルフィルム)に応じて適切に設定するネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pが嵌め込まれているターレット36(図4(B)も参照)が順に設けられている。
【0055】
絞り39は光軸Lを挟んで配置された一対の板材から成り、一対の板材が接近離間するようにスライド移動可能とされている。図4(A)に示すように、絞り39の一対の板材は、スライド方向に沿った一端側から他端側に向けて、スライド方向に直交する方向に沿った断面積が連続的に変化するように、一端側に切り欠き39Aが各々形成されており、切り欠き39Aが形成されている側が対向するように配置されている。
【0056】
上記構成では、所望の光成分の光となるように、写真フィルムの種類に応じたフィルタ(36N、36P)の何れかが光軸L上に位置し、絞り39の位置によって絞り39を通過する光の光量を所望の光量に調整する。
【0057】
拡散ボックス40は、上部になるに従って、即ち、写真フィルム22に近づくに従って、フィルムキャリア38によって搬送される写真フィルム22の搬送方向の長さが狭くなり(図2参照)、該搬送方向に直交する方向(写真フィルム22の幅方向)の長さが広がる(図3参照)形状とされている。また、拡散ボックス40の光入射側及び光射出側には光拡散板(図示せず)が各々取付けられている。なお、上記の拡散ボックス40は、135サイズの写真フィルム用であるが、他の写真フィルムに応じた形状の拡散ボックス(図示せず)も用意されている。
【0058】
拡散ボックス40に入射された光は、フィルムキャリア38(すなわち写真フィルム22)に向けて、写真フィルム22の幅方向を長手方向とするスリット光とされ、また、光拡散板によって拡散光とされて射出される。このように、拡散ボックス40から射出される光が拡散光とされることにより、写真フィルム22に照射される光の光量むらが低減され、フィルム画像に均一な光量のスリット光が照射されると共に、フィルム画像に傷が付いていたとしても、この傷が目立ちにくくなる。
【0059】
フィルムキャリア38及び拡散ボックス40は、読取対象とする写真フィルム22の種類毎に用意されており、写真フィルム22に応じて選択される。
【0060】
フィルムキャリア38の上面及び下面における光軸Lに対応する位置には、写真フィルム22の幅方向に写真フィルム22の幅より長い細長い開口(図示しない)が設けられている。拡散ボックス40からのスリット光は、フィルムキャリア38の下面に設けられた該開口を介して写真フィルム22に照射され、写真フィルム22の透過光が、フィルムキャリア38の上面に設けられた該開口を介して、読取部43に到達する。
【0061】
フィルムキャリア38における写真フィルム22の搬送路(図示せず)の光軸L上の位置でかつ写真フィルム22の下面側には、図5(A)の側面図及び図5(B)の平面図に示すように、写真フィルム22の搬送方向Dに沿った複数の直線が描かれたチャート140A及び140Bが長手方向両端部近傍に設けられ、かつ長手方向が後述するラインCCD116(図2、図3も参照)の長手方向に沿うように配置されたガラス部材140が備えられている。ここで、ガラス部材140は、チャート140A及び140Bの中心が光軸Lと略一致するように、すなわち光軸Lから各チャートまでの距離が略等しくなるようにフィルムキャリア38に備えられる。なお、チャート140A、140B、及びガラス部材140は、光の透過率が高い部材で構成されている。
【0062】
また、フィルムキャリア38の写真フィルム22の搬送路上には、写真フィルム22の幅方向両端部近傍の上方に、写真フィルム22の搬送時における写真フィルム22の光軸L方向へのバタツキを防止するためのガイド142(図5(A)参照、図5(B)では図示省略)が配置されており、上記チャート140A及び140Bは各々、各ガイド142の写真フィルム22の幅方向外側に位置している。
【0063】
また、拡散ボックス40から射出されるスリット光の長手方向の長さはガラス部材140の配置位置においてガラス部材140の長手方向より若干長くされている。このため、拡散ボックス40からの射出光はチャート140A及び140Bを含む領域を透過し、該透過光が後述するレンズユニット50(図2、図3も参照)によってラインCCD116に結像される。このとき、チャート140A及び140Bを透過した光は各々、ラインCCD116の両端部近傍の所定のチャート領域146B及び146Aに結像され、合焦制御時の被写体として用いられる。
【0064】
なお、図5では、135サイズや240サイズ等の長尺の写真フィルム用のフィルムキャリアに対する構成を示したが、これとは別に、本実施形態の画像読取装置では、1枚の写真フィルムを枠体(マウント)に保持した、所謂スライドを読取位置に搬送するためのフィルムキャリア(図示せず)も用意されている。このスライド用のフィルムキャリアには、上述したチャート140A、140Bは設けられておらず、該スライド用のフィルムキャリアを使用した場合の合焦制御は、写真フィルムに記録されたフィルム画像を直接被写体として用いて行われる。
【0065】
ところで、長尺の写真フィルム用のフィルムキャリア38に、合焦用のチャートを2つ備えたのは次の理由による。
【0066】
すなわち、フィルムキャリア38のラインCCDスキャナ14への装填状態やガラス部材140のフィルムキャリア38への取り付け状態によっては、ガラス部材140が写真フィルム22の幅方向に対して傾斜する場合がある。この場合、合焦用のチャートを写真フィルム22の幅方向端部より外側の1箇所のみに設けた形態であると、該チャートにより得られる合焦位置は、写真フィルム22の幅方向中心から大きくずれた位置とされてしまう。通常、写真フィルムに記録されているフィルム画像の人物等の主要被写体はフィルム画像の中央部に位置している場合が多いため、このようにして得られた合焦位置では、主要被写体に対する合焦位置から大きくずれてしまう場合が多い。
【0067】
そこで、本実施形態では図6に示すように、写真フィルム22の幅方向両端の外側に、写真フィルム22の幅方向中心(光軸L)を中心として2個所にチャート140A及び140Bを設け、各々のチャートに対する合焦位置を相加平均した位置AFPを合焦位置としている。
【0068】
図2及び図3に示すように、拡散ボックス40は、上面が上記読取位置に接近するように支持されている。よって、フィルムキャリア38の装填時にフィルムキャリア38と拡散ボックス40が干渉しないように、フィルムキャリア38の下面には、切り欠け部が設けられている。
【0069】
なお、フィルムキャリアは、プレスキャン時や、ファインスキャン時におけるこれからファインスキャンするフィルム画像の濃度等に応じた複数の速度で写真フィルム22を搬送可能なように構成されている。
【0070】
読取部43は、ケーシング44内部に収容された状態で配置されている。ケーシング44の内部には、上面にラインCCD116が取付けられた載置台47が設けられており、載置台47からはレンズ筒49が垂下されている。レンズ筒49の内部には、縮小・拡大等の変倍のために作業テーブル27と接近離間する方向Aにスライド移動可能にレンズユニット50が支持されている。作業テーブル27には支持フレーム45が立設されている。載置台47は、支持フレーム45に取り付けられたガイドレール42に、上記変倍や合焦制御時に共役長を確保するために作業テーブル27と接近離間する方向Bにスライド移動可能に支持されている。
【0071】
レンズユニット50は複数枚のレンズから成り、複数枚のレンズの間にはレンズ絞り51が設けられている。図4(C)に示すように、レンズ絞り51は略C字状に成形された絞り板51Aを複数枚備えている。各絞り板51Aは光軸Lの周囲に均等に配置され一端部がピンに軸支されており、ピンを中心として回動可能とされている。複数枚の絞り板51Aは図示しないリンクを介して連結されており、レンズ絞り駆動モータ(後述)の駆動力が伝達されると同一の方向に回動する。この絞り板51Aの回動に伴って、光軸Lを中心として絞り板51Aにより遮光されていない部分(図4(C)における略星型の部分)の面積が変化し、レンズ絞り51を通過する光の光量が変化する。
【0072】
ラインCCD116は、CCDセル又はフォトダイオード等の光電変換素子が、写真フィルム22の幅方向に一列に多数配置され、かつ電子シャッタ機構が設けられたセンシング部が、間隔を空けて互いに平行に3ライン設けられており、各センシング部の光入射側にR、G、Bの色分解フィルタの何れかが各々取付けられて構成されている(所謂3ラインカラーCCD)。また、各センシング部の近傍には、多数の転送部が各センシング部に対応して各々設けられており、各センシング部の各CCDセルに蓄積された電荷は、対応する転送部を介して順に転送される。
【0073】
またラインCCD116の光入射側には、CCDシャッタ52が設けられている。なお、図4(D)に示すように、このCCDシャッタ52にはNDフィルタ52NDが嵌め込まれている。CCDシャッタ52は、矢印u方向に回転して、暗補正やラインCCD116に設けられた色分解フィルタの保護のためにラインCCD116に入射される光を遮光する全閉状態(NDフィルタ52NDが嵌め込まれていない部分52B等が、光軸Lを含む位置52Cに位置する)、通常の読み取りや明補正のためにラインCCD116に光を入射させる全開状態(図4(D)の位置)、リニアリティ補正のためにラインCCD116に入射される光をNDフィルタ52NDによって減光する減光状態(NDフィルタ52NDが位置52Cに位置する)の何れかの状態に切り替わる。
【0074】
図3に示すように、作業テーブル27には、写真フィルム22を冷却するための冷却風を生成するコンプレッサ94が配置されている。コンプレッサ94により生成された冷却風は、案内管95によりフィルムキャリア38の図示しない読取部に案内されて、供給される。これにより、写真フィルム22の読取部に位置する領域を冷却することができる。なお、案内管95は、冷却風の流量を検出する流量センサ96を貫通している。
【0075】
次に、図7に示したラインCCDスキャナ14の光学系の主要部を参照しながら、ラインCCDスキャナ14及び画像処理部16の電気系の概略構成を、図8を用いて説明する。
【0076】
ラインCCDスキャナ14は、ラインCCDスキャナ14全体の制御を司るマイクロプロセッサ46を備えている。マイクロプロセッサ46には、バス66を介してRAM68(例えばSRAM)、ROM70(例えば記憶内容を書換え可能なROM)が接続されていると共に、レンズ温度センサ98、ランプドライバ53、コンプレッサ94、流量センサ96、及びモータドライバ48が接続されている。
【0077】
レンズ温度センサ98は、レンズユニット50内部の温度を常時検知しており、マイクロプロセッサ46はレンズユニット50内部の温度を常時知ることができる。また、ランプドライバ53は、マイクロプロセッサ46からの指示に応じてランプ32を点消灯させる。また、写真フィルム22のフィルム画像の読み取りの際、写真フィルム22に冷却風を供給するために、マイクロプロセッサ46は、コンプレッサ94を稼働させる。なお、流量センサ96により冷却風の流量が検出され、マイクロプロセッサ46は、異常を検知する。
【0078】
また、モータドライバ48には、ターレット36のネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pの何れかが光軸Lに位置するようにターレット36を図4(B)矢印t方向に回転駆動するターレット駆動モータ54、ターレット36の基準位置(図示しない切り欠け)を検出するターレット位置センサ55(図4(B)も参照)が接続されている。
【0079】
モータドライバ48には、更に、絞り39をスライド移動させる絞り駆動モータ56、絞り39の位置を検出する絞り位置センサ57、載置台47(即ち、ラインCCD116及びレンズユニット50)をガイドレール42に沿ってスライド移動させる読取部駆動モータ58、載置台47の位置を検出する読取部位置センサ59、レンズユニット50をレンズ筒49に沿ってスライド移動させるレンズ駆動モータ60、レンズユニット50の位置を検出するレンズ位置センサ61、レンズ絞り51の絞り板51Aを回動させるレンズ絞り駆動モータ62、レンズ絞り51の位置(絞り板51Aの位置)を検出するレンズ絞り位置センサ63、CCDシャッタ52を全閉状態、全開状態及び減光状態の何れかの状態に切り換えるシャッタ駆動モータ64、シャッタ位置を検出するシャッタ位置センサ65、ファン34を駆動するファン駆動モータ37が接続されている。
【0080】
マイクロプロセッサ46は、ラインCCD116によるプレスキャン(予備読み取り)及びファインスキャン(本読み取り)を行う際に、ターレット位置センサ55及び絞り位置センサ57によって検出されるターレット36及び絞り39の位置に基づき、ターレット駆動モータ54によってターレット36を回転駆動させると共に、絞り駆動モータ56によって絞り39をスライド移動させ、フィルム画像に照射される光を調節する。
【0081】
またマイクロプロセッサ46は、フィルム画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じて光学倍率を決定し、フィルム画像が前記決定した光学倍率でラインCCD116によって読み取られるように、読取部位置センサ59によって検出される載置台47の位置に基づき読取部駆動モータ58によって載置台47をスライド移動させると共に、レンズ位置センサ61によって検出されるレンズユニット50の位置に基づきレンズ駆動モータ60によってレンズユニット50をスライド移動させる。
【0082】
なお、ラインCCD116の受光面をレンズユニット50によるフィルム画像の結像位置に一致させる合焦制御を行う場合、マイクロプロセッサ46は、読取部駆動モータ58により載置台47のみをスライド移動させる。
【0083】
すなわち、本実施形態のラインCCDスキャナ14における結像関係は、ラインCCD116、レンズユニット50、及び写真フィルム22の各々の光軸L方向の相対的な位置で決定されるが、本実施形態では上述したように、光学倍率を設定する場合には読取部駆動モータ58によって載置台47をスライド移動させると共にレンズ駆動モータ60によってレンズユニット50をスライド移動させており、このようにして光学倍率が設定された状態で上記結像関係を保つために、ラインCCD116とレンズユニット50との間の距離を固定したまま、レンズユニット50と写真フィルム22との間の距離を変化させることによって合焦制御を行っている。
【0084】
このように合焦制御を行うことによって、写真フィルム22に記録された複数のフィルム画像を読み取る場合の各々のフィルム画像に対する光学倍率の変動を抑制することができる。
【0085】
本実施形態では、この合焦制御をTTL(Through The Lens)方式により、ラインCCD116によって読み取られた画像のコントラストが最大となるように行う。また、本実施形態では、この合焦制御を行うに先立って、予めフォーカスキャリブレーション処理を行うが、これについては詳細に後述する。
【0086】
一方、ラインCCD116にはタイミングジェネレータ74が接続されている。タイミングジェネレータ74は、ラインCCD116や後述するA/D変換器82等を動作させるための各種のタイミング信号(クロック信号)を発生する。
【0087】
ラインCCD116の信号出力端は、増幅器76を介してA/D変換器82に接続されており、ラインCCD116から出力された信号は、増幅器76で増幅されA/D変換器82でディジタルデータに変換される。
【0088】
A/D変換器82の出力端は、相関二重サンプリング回路(CDS)88、インタフェース(I/F)回路90を順に介して画像処理部16に接続されている。CDS88では、フィードスルー信号のレベルを表すフィードスルーデータ及び画素信号のレベルを表す画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素データからフィードスルーデータを減算する。そして、演算結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応する画素データ)を、I/F回路90を介してスキャン画像データとして画像処理部16へ順次出力する。
【0089】
なお、ラインCCD116からはR、G、Bの測光信号が並列に出力されるので、増幅器76、A/D変換器82、CDS88から成る信号処理系も3系統設けられており、I/F回路90からは、スキャン画像データとしてR、G、Bの画像データが並列に、画像処理部16に出力される。
【0090】
更に、画像処理部16には、ディスプレイ18、キーボード12A、12B、マウス20、及びフィルムキャリア38が接続されている。
【0091】
画像処理部16では、ラインCCDスキャナ14から並列に入力されるR、G、Bの画像データに対して、暗補正及び明補正を行う。
【0092】
暗補正は、ラインCCD116の光入射側に光を入射しない状態においてラインCCD116内を流れる電流である暗電流をキャンセルするものであり、ラインCCD116の光入射側がCCDシャッタ52により遮光されている状態でラインCCDスキャナ14から入力されたデータ(ラインCCD116のセンシング部の各セルの暗出力レベルを表すデータ)を各セル毎に記憶しておき、ラインCCD116が写真フィルム22を読み取ることによってラインCCDスキャナ14から入力された画像データから、各画素毎に対応するセルの暗出力レベルを減ずることによって補正する。
【0093】
また、明補正は、ラインCCD116の光電変換特性の各セル単位でのばらつきを補正するものであり、ラインCCDスキャナ14に画面全体が一定濃度の調整用のフィルム画像がセットされている状態で、ラインCCD116で前記調整用のフィルム画像を読み取ることによりラインCCDスキャナ14から入力された調整用のフィルム画像の画像データ(この画像データが表す各画素毎の濃度のばらつきは各セルの光電変換特性のばらつきに起因する)に基づいて各セル毎にゲイン(明補正データ)を定めておき、ラインCCDスキャナ14から入力された読取対象のフィルム画像の画像データを、各セル毎に定めたゲインに応じて各画素毎に補正する。
【0094】
また、画像処理部16では、階調変換、色変換、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス処理等の各種の画像処理を行う。
【0095】
なお、写真フィルム22が本発明の読取対象原稿に、ランプ32が本発明の光源に、フィルムキャリア38が本発明の搬送手段に、マイクロプロセッサ46が本発明の制御手段に、レンズユニット50が本発明の結像手段に、読取部駆動モータ58及びレンズ駆動モータ60が本発明の移動手段に、ROM70が本発明の記憶手段に、ラインCCD116が本発明の画像センサに、チャート140A及び140Bが本発明の被写体に、ガイド142が本発明の制限部材に、各々相当する。
【0096】
次に、本実施形態の作用として、ラインCCDスキャナ14のマイクロプロセッサ46によって実行されるフォーカスキャリブレーション処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、このフォーカスキャリブレーション処理は画像読取装置の工場出荷時に実行され、必要に応じて画像読取装置のメンテナンス時等に再度実行される。
【0097】
まず、ステップ200では、ラインCCDスキャナ14におけるフィルムキャリア38の装填位置に、基準チャート治具132が装填されたか否かを判定する。基準チャート治具132は、図10に示すように、ラインCCDスキャナ14にフィルムキャリア38の装填用に取り付けられているキャリア台137(図2、図3では図示省略)のガイドレール138にレール136が案内されてフィルムキャリア38の装填状態と略同様に装填することができるものであり、基準チャート治具132の略中央に設けられた開口部133の上面には、基準チャート135が中央に設けられたガラス板134が貼り付けられており、基準チャート治具132がキャリア台137に装填された状態で、光軸Lと基準チャート135の中心とが一致するように構成されている。なお、基準チャート135が本発明の基準被写体に相当する。
【0098】
ラインCCDスキャナ14におけるフィルムキャリア38の装填位置に基準チャート治具132が装填されるとステップ200の判定が肯定されてステップ202へ移行し、初期設定として光学倍率Wの値として0.6を設定し、次のステップ204では、レンズ温度センサ98によってレンズユニット50内部の温度(以下、基準温度という。)を検知してRAM68の所定領域に記憶した後、次のステップ206では、合焦位置サーチ処理を行う。次に、図11を参照して、合焦位置サーチ処理について説明する。
【0099】
ステップ250では、レンズユニット50による光学倍率が光学倍率Wとなるように読取部駆動モータ58及びレンズ駆動モータ60によって載置台47及びレンズユニット50をスライド移動させる。
【0100】
次のステップ252では、読取部駆動モータ58によって載置台47の位置をラインCCDスキャナ14に装填された基準チャート治具132に設けられた基準チャート135の合焦位置の検索領域(サーチエリア)におけるサーチ開始位置にスライド移動させる。なお、基準チャート135の合焦位置のサーチエリアは、各種光学倍率毎に予め実験等によって求めてROM70に記憶しておく。マイクロプロセッサ46は、ROM70から現在の光学倍率(=0.6倍)におけるサーチエリアを読み出して、例えば該サーチエリアのうちで最も焦点距離が短くなるように載置台47をスライド移動させることにより載置台47をサーチ開始位置へ移動させる。この場合、サーチ終了位置は、上記サーチエリアのうちで最も焦点距離が長くなる位置となる。
【0101】
次のステップ254では、読取部駆動モータ58による載置台47のサーチ終了位置に向けた所定速度のスライド移動を開始させることによりサーチ動作を開始し、次のステップ256では、所定時間の経過待ちを行う。なお、この所定時間は、サーチ開始位置からサーチ終了位置に至るまでの載置台47の上記所定速度によるスライド移動期間を複数(本実施形態では6)に分割した時間とされている。
【0102】
所定時間が経過するとステップ256の判定が肯定されてステップ258へ移行し、この時点でラインCCD116により読み取られた基準チャート135の画像コントラスト値を算出してRAM68の所定領域に記憶する。なお、本実施形態における画像コントラスト値は、読み取った画像における所定の空間周波数領域のMTF(Modulation Transfer Function)の積分値としている。
【0103】
次のステップ260では、読取部位置センサ59による載置台47の位置情報に基づいて、載置台47がサーチ終了位置に到達したか否かを判定し、到達していない場合はステップ256へ戻り、到達するまでステップ256〜260の処理を繰り返して行う。この繰り返し処理によって、上記サーチエリアにおける複数箇所(本実施形態では6箇所)の画像コントラスト値が算出されてRAM68に記憶される。
【0104】
載置台47がサーチ終了位置に到達するとステップ260の判定が肯定されてステップ262へ移行し、載置台47のスライド移動を停止させることによってサーチ動作を終了し、次のステップ264において、上記ステップ256〜260の処理によってRAM68に画像コントラスト値が記憶されたサーチエリア内の6箇所の位置のうち、画像コントラスト値が最も大きい位置を合焦位置として決定してRAM68の所定領域に記憶した後に本合焦位置サーチ処理を終了する。
【0105】
すなわち、ステップ256〜260の繰り返し処理によって、図12に示すように、サーチ開始位置からサーチ終了位置の間の6箇所の位置における画像コントラスト値が得られているので、これらの位置のうちの画像コントラスト値が最も大きい位置を合焦位置とする。なお、この合焦位置は、読取部駆動モータ58がパルスモータである場合は、載置台47の機械的な原点(以下、原点H.P.という。)からの移動に対する読取部駆動モータ58の駆動パルス数(以下、合焦パルス数という。)で表わすことができる。以下の説明では、合焦位置等の載置台47の各種位置を駆動パルス数で表わした場合について説明する。
【0106】
合焦位置サーチ処理を終了すると図9のステップ208へ移行し、光学倍率Wの値が1.0であるか否かを判定し、1.0でない場合はステップ210へ移行して光学倍率Wの値を0.2だけ増加させた後に上記ステップ206へ戻って合焦位置サーチ処理を再度行い、光学倍率Wの値が1.0である場合はステップ212へ移行する。従って、ステップ206〜210の処理によって、光学倍率Wが0.6、0.8、及び1.0の3種類における合焦位置がRAM68の所定領域に記憶される。
【0107】
ステップ212では、光学倍率Wの値として0.6を設定し、次のステップ214では、ラインCCDスキャナ14で使用可能なフィルムキャリアとして予め用意された複数のフィルムキャリアのうちの1つがラインCCDスキャナ14に装填されたか否かを判定する。なお、この際、上記基準チャート治具132はラインCCDスキャナ14から取り外す。また、本実施形態における上記複数のフィルムキャリアとしては、135サイズの写真フイルム用、240サイズの写真フィルム用、及びスライド用の3種類のものが予め用意されている。
【0108】
何れかのフィルムキャリアがラインCCDスキャナ14に装填されるとステップ214の判定が肯定されてステップ216へ移行し、図11に示した合焦位置サーチ処理を行う。合焦位置サーチ処理では、上述した処理に従って光学倍率Wが0.6である場合の合焦位置がRAM68に記憶される。この際、ラインCCDスキャナ14に装填されたフィルムキャリアが135サイズ又は240サイズの写真フィルム用のもの、すなわち長尺の写真フィルム用のフィルムキャリアである場合は、当該フィルムキャリアに設けられたチャート140A及び140Bの各々の合焦位置の中間が合焦位置とされる。
【0109】
一方、ラインCCDスキャナ14に装填されたフィルムキャリアがスライド用のものである場合は、マウントの種類毎にマウントの厚さが異なるため、マウントをフィルムキャリアに保持するために写真フィルムの種類毎(サイズ毎)に用意された保持部材(以下、マスクという)に対する写真フィルムの光軸方向の位置が異なる。また、使用するマウントの種類を識別することは困難であるため、本フォーカスキャリブレーション処理時には代表的なマウントを使用して、マスクの種類毎に写真フィルムの所定位置(例えば中心位置)の合焦位置をRAM68に記憶するようにする。
【0110】
次のステップ218では、上記ステップ206においてRAM68に記憶された光学倍率Wが0.6である場合の基準チャート135に対する合焦位置と、上記ステップ216においてRAM68に記憶された合焦位置との差分(本実施形態では、ステップ216により得られた合焦位置−ステップ206により得られた光学倍率Wが0.6である場合の基準チャート135の合焦位置)を求めてRAM68の所定領域に記憶する。従って、本ステップ218では、光学倍率Wが0.6である場合の、ラインCCDスキャナ14に装填されたフィルムキャリアのチャート(又はスライドのフィルム画像)の位置と、基準チャート135の位置との差分が記憶される。
【0111】
次のステップ220では、全ての予め用意されたフィルムキャリアについてステップ214〜218の処理が終了したか否かを判定し、終了していない場合はステップ214へ戻って未処理の全てのフィルムキャリアについてステップ214〜218の処理を行った後に本フォーカスキャリブレーション処理を終了する。
【0112】
オペレータは、以上のフォーカスキャリブレーション処理が終了すると、RAM68に記憶されている各種光学倍率毎の基準チャート135の合焦位置(本発明の第1の値に相当)と、光学倍率が0.6であるときのフィルムキャリア毎の合焦位置の差分とをテーブル形式にROM70に記憶すると共に、上記ステップ204においてRAM68に記憶された基準温度をROM70に記憶する。
【0113】
表1には、オペレータによってROM70にテーブル形式に記憶される各種光学倍率毎の基準チャート135の合焦位置と、光学倍率が0.6であるときのフィルムキャリア毎の合焦位置の差分の一例を示す。なお、表1では、フィルムキャリアがスライド用である場合、135サイズ及び240サイズの各写真フィルム用のマスクを用いた場合の合焦位置の差分を示している。このようにテーブル形式にROM70に記憶されたものを以降の説明ではフォーカスキャリブレーションテーブルという。
【0114】
【表1】
Figure 0003723701
【0115】
表1に示した基準チャート135の各光学倍率における合焦位置にフィルムキャリアの合焦位置の差分を加算することによって、各フィルムキャリア毎(スライド用のフィルムキャリアの場合はマスクの種類毎)に、各光学倍率(0.6、0.8、1.0)における合焦制御時の載置台47の基準となる合焦位置(以下、基準合焦位置という。)を求めることができる。
【0116】
具体的には、例えば、135サイズの写真フィルム用のフィルムキャリアにおける光学倍率0.6倍時の基準合焦位置は1550(=1500+50)であり、同じく光学倍率1.0倍時の基準合焦位置は2550(=2500+50)であり、240サイズの写真フィルム用のフィルムキャリア使用時における光学倍率0.8倍時の基準合焦位置は2390(=2300+90)であり、スライド用のフィルムキャリア使用時における135サイズの写真フィルム用のマスクを使用した場合における光学倍率1.0倍時の基準合焦位置は2600(=2500+100)である。
【0117】
次に、ラインCCDスキャナ14のマイクロプロセッサ46によって実行される写真フィルム22の画像読取処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。なお、ラインCCDスキャナ14は、写真フィルム読取時のモードとして、「プレスキャンモード」、及び「ファインスキャンモード」の各モードが予め定められていると共に、各モードにおけるラインCCDスキャナ14の各部の状態も予め定められている。さらに、本実施形態では、読取対象とする写真フィルム22が1本の135サイズのネガフィルムである場合について説明する。
【0118】
図13のステップ300では、「プレスキャンモード」に移行し、写真フィルム22に対するプレスキャンが所定の読取条件で行われるように、「プレスキャンモード」として予め定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。
【0119】
すなわち、ランプドライバ53によってランプ32を点灯させ、絞り駆動モータ56によって絞り39をプレスキャン時の位置に移動させ、ターレット駆動モータ54によってターレット36をネガフィルム位置(ネガフィルム用のバランスフィルタ36Nが光軸L上に位置する位置)へ回転させ、レンズユニット50による光学倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ58、レンズ駆動モータ60によって載置台47及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り駆動モータ62によってレンズ絞り51を全開位置に移動させ、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(ラインCCD116によるライン単位の読取周期(電荷蓄積時間))として最短値であるtを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度として最速値である5×v(通常のフィルム画像のファインスキャン時における搬送速度をvとした場合の5倍の搬送速度)を設定する。従って、写真フィルム22に対するプレスキャンは比較的粗い解像度で高速に行われ、短時間で処理が完了する。
【0120】
次のステップ302では、フィルムキャリア38に対し、所定方向(図2の矢印C方向)への写真フィルム22の搬送を指示し、最速の搬送速度(5×v)で搬送される写真フィルム22をラインCCD116によって最短の読取周期(t)で読み取り、ラインCCD116から出力された信号に対して順次A/D変換を行ってプレスキャンデータとして画像処理部16へ順次出力するプレスキャンを開始する。
【0121】
次のステップ304では写真フィルム22の後端までプレスキャンを行ったか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0122】
このプレスキャンの間、画像処理部16では、ラインCCDスキャナ14から入力される画像データを図示しない記憶部に順次記憶すると共に、複数コマ画像分の画像データが記憶された時点で、該記憶された画像データに基づき、写真フィルム22に記録されているフィルム画像の写真フィルム22の搬送方向に沿った両端(上流側及び下流側)のエッジ位置を各々判定する。
【0123】
エッジ位置の判定は、例えば、本願出願人が特開平8−304932号公報、特開平8−304933号公報、特開平8−304934号公報、特開平8−304935号公報で提案しているように、プレスキャンデータが表す各画素毎の濃度値に基づき、各画素毎にフィルム長手方向に沿った濃度変化値を各々演算し、各画素のフィルム長手方向に沿った濃度変化値をフィルム幅方向に沿ったライン単位で積算し、各ライン毎の積算値を比較することで行うことができる。また、写真フィルム22がAPSフィルムであれば、パーフォレーションが穿設されている位置からエッジが存在している可能性がある領域を探索範囲として設定し、該探索範囲内でエッジを探索することで、エッジ位置の判定に要する時間を短縮することも可能である。
【0124】
また、画像処理部16では、このようにして判定したエッジ位置に基づき、パーフォレーションの位置等と対応付けてフィルム画像のコマ位置を判定し、判定したコマ位置を上記図示しない記憶部に記憶すると共に、該コマ位置に基づいて、それまでに記憶した画像データからフィルム画像が記録されている領域の画像データを切り出して上記図示しない記憶部に記憶する。
【0125】
写真フィルム22の後端までプレスキャンが終了すると(図13のステップ304の判定が肯定されると)、ステップ306では、プレスキャン時に画像処理部16によって上記図示しない記憶部に記憶されたプレスキャン画像データからフィルム画像の所定の画像特徴量を演算する。なお、所定の画像特徴量には、フィルム画像の色バランス値(詳しくは、フィルム画像の各成分色毎の最小濃度値(最大輝度値)の比率)も含まれる。
【0126】
また、ステップ306では、演算した画像特徴量に基づいて、フィルム画像の種別(サイズ、濃度種別)及びファインスキャン画像データに対する画像処理の処理条件を演算により設定する。
【0127】
なお、読取対象の写真フィルム22が135サイズの写真フィルムであれば、フィルム画像のサイズ(この場合はフィルム画像のフレームサイズ)は、例えば標準サイズのフィルム画像では画像記録範囲内となり、パノラマサイズ等の非標準サイズのフィルム画像では画像記録範囲外となる所定部分の濃度や色味が、未露光部(ネガフィルムであれば素抜け)に相当する濃度や色味であるか否かに基づいて判定することができる。
【0128】
また、特開平8−304932号公報、特開平8−304933号公報、特開平8−304934号公報、特開平8−304935号公報のように、プレスキャン時の画像データが表す各画素毎の濃度値に基づき、各画素毎にフィルム幅方向に沿った濃度変化値を各々演算し、各画素のフィルム幅方向に沿った濃度変化値をフィルム長手方向に沿ったライン単位で積算し、各ライン毎の積算値を比較することでフィルム画像のサイズ(アスペクト比)を判定したり、濃度ヒストグラムから閾値を定めて画像を二値化し、画像中の各領域における画像の存在率に基づいて判定したり、前述の所定部分における濃度変化値の分散及び平均値に基づいて判定したり、上記の手法を組み合わせて判定するようにしてもよい。
【0129】
また、読取対象の写真フィルム22がAPSフィルムであれば、フィルム画像のサイズ(この場合はプリントサイズ)は、APSフィルムの磁気層にデータとして磁気記録されているプリントサイズを読み取ることで判定できる。
【0130】
フィルム画像の濃度種別については、例えば平均濃度、最大濃度、最小濃度等を予め定められた所定値と比較することで、低濃度/通常濃度/高濃度/超高濃度等に分類することができる。また、画像処理の処理条件としては、例えば画像の拡大縮小率、ハイパートーンやハイパーシャープネス等の画像処理の処理条件(具体的には、画像の超低周波輝度成分に対する階調の圧縮度、画像の高周波成分や中周波成分に対するゲイン(強調度))、階調変換条件等が演算される。
【0131】
上記のようにして全てのコマ画像について、種別、及び画像処理の処理条件の設定が終了すると、次のステップ308では画像検定処理を実行する。この画像検定処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0132】
まず、ステップ400では、画像処理部16から、所定数のフィルム画像のプレスキャン画像データ及び画像処理の処理条件を取り込む。
【0133】
次のステップ402では、先に取り込んだ所定数のフィルム画像のプレスキャン画像データ及び画像処理の処理条件から、何れか1つのフィルム画像のプレスキャン画像データ及び画像処理の処理条件を取り出し、取り出したプレスキャン画像データに対し、取り出した処理条件に従って所定の画像処理(画像の拡大縮小、階調変換、ハイパートーン処理、ハイパーシャープネス処理等)を行う。この所定の画像処理は、ファインスキャン画像データに対して画像処理部16で行われる画像処理と等価な画像処理であるが、プレスキャンはファインスキャンよりも低解像度でフィルム画像を読み取るものであり、プレスキャン画像データはファインスキャン画像データよりもデータ量が少ないので、ステップ402における画像処理は比較的短時間で完了する。
【0134】
次のステップ404では、画像処理を行った画像データに対し、該画像データをディスプレイ18に表示した場合の状態(見え具合)が図示しないレーザプリンタ部によるプリント結果と略同様となるようにディスプレイ18の特性に応じて画像データを補正し、補正後のデータ(シミュレーション画像データ)をRAM68に一旦記憶する。
【0135】
次のステップ406では、所定数のフィルム画像に対して上記の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ402に戻り、ステップ400でプレスキャン画像データ及び処理条件を取り込んだ所定数の画像のうち、画像処理を未実行のフィルム画像に対してステップ402、404の処理を繰り返す。
【0136】
ステップ406の判定が肯定されるとステップ408へ移行し、所定数のフィルム画像のシミュレーション画像データに基づいて、例として図15に示すように、前記所定数のフィルム画像の画像データに対し、画像処理部16で設定された処理条件で各々画像処理を行った結果を表す所定数(図15では6)のシミュレーション画像120をディスプレイ18に表示する。
【0137】
次のステップ410では、ディスプレイ18に表示されているシミュレーション画像120のうちの処理対象画像のオペレータによる指定が終了しているか否かを判定し、終了している場合はステップ418へ移行し、終了していない場合はステップ412へ移行する。なお、本実施形態における処理対象画像とは、実際にファインスキャンを行うフィルム画像を示している。すなわち、本実施形態では、本画像読取処理が同時プリント時に実行されている場合は、焦点が大きくずれた、所謂ピンボケのフィルム画像や、超アンダー露光又は超オーバー露光等により画像の内容が識別できない程度のフィルム画像等の、プリントしても意味がない画像以外の画像が処理対象画像となり、本画像読取処理が焼き増し時に実行されている場合は、焼き増しする画像が処理対象画像となる。
【0138】
ステップ412では、オペレータに処理対象画像の指定を要請するメッセージをディスプレイ18に表示する等により、オペレータに処理対象画像の指定を要請する。
【0139】
これにより、オペレータはディスプレイ18に表示されているシミュレーション画像120(図15も参照)のうちの、処理対象とする画像の指定をキーボード12A、12B、及びマウス20の何れかを用いて行う。すなわち、キーボード12A又はキーボード12Bを用いる場合は、例えば、ディスプレイ18に表示されたシミュレーション画像120のうちの任意の1つに対して枠で囲むように該枠を予め表示しておき、当該キーボードに設けられた図示しない矢印キーの何れかを押下することによって、上記枠の位置を押下された矢印キーの指し示す方向に位置するシミュレーション画像を囲むように移動し、処理対象とするシミュレーション画像が上記枠で囲まれた時点で当該キーボードのエンターキー等の所定のキーを押下することにより処理対象画像の指定を行うことができる。一方、マウス20を用いる場合は、ディスプレイ18上に表示されているシミュレーション画像120のうちの処理対象とする画像をマウス20によってポインティング指定することによって行うことができる。
【0140】
なお、本画像読取処理が同時プリント時に実行されている場合は、上述したように、プリント対象とするフィルム画像が処理対象画像となるが、この場合、一般的にプリント対象とする画像の方がそれ以外の画像より多いので、省力化のためオペレータは処理対象画像以外の画像を指定し、指定された画像以外の画像が処理対象画像であるものとマイクロプロセッサ46によって判断する形態とすることが好ましい。この形態は、本画像読取処理が焼き増し時に実行されている場合であっても、焼き増しする画像の数が焼き増ししない画像の数より少ない場合にも省力化の点で有効である。また、本画像読取処理が焼き増し時に実行されている場合は、オペレータは処理対象画像の各々の焼き増し枚数をこの時点で入力する。
【0141】
更にオペレータは、全ての処理対象とする画像の指定が終了した時点で、該指定が終了した旨を入力する。この入力は、処理対象画像の指定をキーボードを用いて行っている場合は、例えば当該キーボードのスペースキー等の所定のキー(少なくとも上記矢印キー以外のキー)を押下することにより行うことができ、処理対象画像の指定をマウス20を用いて行っている場合は、例えばディスプレイ18上のシミュレーション画像120の領域以外の所定領域をマウス20によりポインティング指定することによって行うことができる。
【0142】
従って、次のステップ414では、上述したオペレータからの処理対象とする画像の指定が終了した旨の入力待ちを行うことによって、処理対象画像の指定の終了待ちを行った後、ステップ416へ移行して、オペレータから指定された全ての処理対象画像の位置(本実施形態では処理対象画像のコマ番号)をRAM68の所定領域に記憶する。また、本画像読取処理が焼き増し時に実行されている場合は、オペレータから入力された処理対象画像毎の焼き増し枚数を各処理対象画像に対応付けて記憶する。
【0143】
次のステップ418では、上記ステップ412〜ステップ416によってオペレータから指定されて記憶された処理対象とするフィルム画像の位置に対応するシミュレーション画像を強調表示する。
【0144】
この強調表示の方法としては、例えば、図16(A)に示すように、指定されたシミュレーション画像の明るさを指定されなかったシミュレーション画像の明るさに比較して相対的に明るく表示する方法(図16(A)では指定されなかったシミュレーション画像を暗く(斜線で表現)表示している)、図16(B)に示すように、指定されたシミュレーション画像のみ周囲を枠で囲む方法、図16(C)に示すように、指定されたシミュレーション画像のみ、当該シミュレーション画像の写真フィルム上のコマ番号を表示する方法、図16(D)に示すように、指定されたシミュレーション画像のみを表示する方法、等を適用することができる。このような強調表示を行うことによって、処理対象画像を明確化することができる。
【0145】
次のステップ420では、オペレータにシミュレーション画像の検定を要請するメッセージをディスプレイ18に表示する等により、オペレータにシミュレーション画像の検定を要請する。
【0146】
これにより、オペレータはディスプレイ18に表示されているシミュレーション画像のうち、ステップ418により強調表示された画像を目視で確認し、各種の判定を行って判定結果を入力する検定作業を行う。すなわち、まず画像処理部16で判定されたフィルム画像のコマ位置が適正か否かを判定する。コマ位置が適正であると判断した場合にシミュレーション画像の画質が適正か否か(すなわち画像処理部16で演算された処理条件が適正か否か)を判定し、画質(処理条件)が適正でないと判定した場合には処理条件をどのように修正すべきかを判断する。
【0147】
そして、強調表示されている全てのシミュレーション画像のコマ位置及び画質を適正と判定した場合には、検定結果として「検定OK」を表す情報をキーボード12A等を介して入力し、特定のシミュレーション画像のコマ位置が適正でないと判定した場合には、検定結果として、前記特定のシミュレーション画像のコマ位置をどのように修正するかを指示する情報をキーボード12A等を介して入力し、特定のシミュレーション画像の画質が適正でないと判定した場合には、検定結果として、前記特定のシミュレーション画像に対応する特定のフィルム画像に対して処理条件の修正を指示する情報をキーボード12A等を介して入力する。
【0148】
例えば、ストロボを用いて撮影したフィルム画像や逆光のシーンを撮影したフィルム画像はコントラストが過剰に高く、シミュレーション画像上で主要被写体に対して背景のとび、又はつぶれが発生する。このような場合、オペレータは画像中の背景に相当する領域についてのみ階調が圧縮されるように、すなわちハイパートーン処理による画像の超低周波明るさ成分(画像から抽出した超低周波輝度成分の画像における高輝度の領域)の階調の圧縮度合いが高くなるように、処理条件の修正を指示する情報として画像の超低周波輝度成分のうち高輝度のデータに対する強調度の修正を指示する情報を入力する。
【0149】
また、例えばシミュレーション画像上でシャープネスが不足している場合、オペレータはシャープネスが強調されるように、処理条件の修正を指示する情報として画像の高周波成分等に対する強調度の修正を指示する情報を入力する。また、例えばアンダ露光やオーバ露光のフィルム画像は、シミュレーション画像の濃度が全体的に高濃度側又は低濃度側に偏倚したり、シミュレーション画像のコントラストが過剰に低くなる。このような場合、オペレータは、全体的な濃度やコントラストが適正となるように、処理条件の修正を指示する情報として階調変換条件の変換カーブの修正を指示する情報を入力する。
【0150】
次のステップ422では、キーボード12A等を介してオペレータから検定結果が入力されたか否か判定し、検定結果が入力される迄待機する。検定結果が入力されるとステップ424へ移行し、検定結果として入力された情報の内容を判定する。検定結果として、特定のシミュレーション画像に対応する特定のフィルム画像に対し、コマ位置の修正又は処理条件の修正を指示する情報が入力された場合にはステップ426へ移行し、入力された特定のフィルム画像に対するコマ位置又は処理条件の修正内容を画像処理部16において得られているコマ位置又は処理条件に対して反映させる。
【0151】
すなわち、入力された修正指示が特定のフィルム画像のコマ位置を修正する指示であった場合には、特定のフィルム画像のコマ位置を前記修正指示に応じて修正した後に、先に説明したステップ306と同様に、修正したコマ位置に従ってプレスキャンデータからプレスキャン画像データを再度切り出し、切り出したプレスキャン画像データから所定の画像特徴量を演算し、前記特定のフィルム画像の種別及び画像処理の処理条件を演算により再度設定する。上記のようにコマ位置を修正することで、ファインスキャン時に写真フィルム22上の画像部を確実に読み取ることができる。
【0152】
また、入力された修正指示が特定のフィルム画像の処理条件を修正する指示であった場合には、前記特定のフィルム画像の処理条件の修正のみを行う。例えば処理条件の修正指示が、特定の周波数成分に対する強調度を修正する指示であれば、画像処理の処理条件のうち、該当する周波数成分に対する強調度を修正し、処理条件の修正指示が、階調変換条件の変換カーブを修正する指示であれば、画像処理の処理条件のうち、階調変換条件が表す変換カーブを、修正指示に応じて全体的又は部分的に修正する。これにより、各フィルム画像に対して適切な処理条件を確実に設定することができる。
【0153】
上記のようにしてコマ位置又は処理条件の修正内容の反映が終了するとステップ428へ移行し、コマ位置又は処理条件の修正が行われた特定のフィルム画像のプレスキャン画像データ及び処理条件を画像処理部16から取り込み、ステップ402に戻る。
【0154】
これにより、コマ位置又は処理条件の修正が行われた特定のフィルム画像について、ステップ402、404の処理が再度行われ、特定のフィルム画像のシミュレーション画像がディスプレイ18に再表示されることになる。そして、再表示された特定のフィルム画像のシミュレーション画像をオペレータが目視で確認することにより、先に入力した修正指示の内容が適正か否かをオペレータが容易に判断することが可能となる。なお、この際、処理対象画像の指定は既に終了しているので、ステップ410の判定は肯定判定となってステップ412〜ステップ416の処理を行うことなくステップ418に移行し、RAM68に既に記憶されている処理対象画像の位置に対応するシミュレーション画像の強調表示が行われる。
【0155】
ステップ402〜428の処理は、オペレータの指示により、ディスプレイ18に強調表示されている全てのシミュレーション画像のコマ位置及び画質が各々適正と判定され、検定結果として「検定OK」を表す情報が入力される迄(ステップ424の判定が否定される迄)繰り返され、強調表示されているシミュレーション画像に対応する各フィルム画像のコマ位置や処理条件がオペレータからの指示に応じて修正される。そして、オペレータからキーボード12A等を介して「検定OK」を表す情報が入力され、ステップ424の判定が否定されると、ステップ430へ移行して、読取対象の写真フィルム22に記録されている全てのフィルム画像に対して画像検定処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ400に戻り、ステップ400以降の処理を繰り返す。これにより、読取対象の写真フィルム22に記録されているフィルム画像のうちの処理対象とする画像(本実施形態ではファインスキャンすべき画像)の指定が行われると共に、処理対象とする画像に対する画像検定処理が行われ、画像処理部16で判定されたコマ位置や演算された処理条件が適正か否かが判定されると共に、必要に応じてコマ位置や処理条件が修正されることになる。
【0156】
以上の画像検定処理が終了すると(ステップ430の判定が肯定されると)、図13のステップ310ではオートフォーカス処理を実行する。このオートフォーカス処理について、図17のフローチャート及び図18の模式図を参照して説明する。
【0157】
まず、図17のステップ450では、図9に示したフォーカスキャリブレーション処理に基づいてROM70に記憶されたフォーカスキャリブレーションテーブル(表1参照)から、ファインスキャン時の主たる光学倍率と同様の光学倍率(本実施形態では0.6)における基準チャート135の合焦位置(=1500)及び135サイズの写真フィルム用のフィルムキャリアの差分(=50)を読み出して、これらの値を合計することによって基準合焦位置(図18も参照)を取得すると共に、ROM70から基準温度を読み出す。
【0158】
次のステップ452では、レンズ温度センサ98によってレンズユニット50内の温度を取得し、次のステップ454では、ステップ450及びステップ452で取得した基準温度及びレンズユニット50内の温度の温度差に基づいて温度補正パルスを取得する。周知のように、レンズの合焦位置は、光学倍率に応じた勾配で温度に応じて変動するので、上記温度差に応じて基準合焦位置を補正する必要がある。そこで本実施形態では、一例として図19に示すように、レンズユニット50の各種光学倍率における温度差に対する載置台47の光軸L方向の変動量を読取部駆動モータ58の駆動パルス数(以下、温度補正パルス数という。)で示した温度補正テーブルを予めROM70に記憶しておき、ステップ454において、ファインスキャン時の光学倍率における温度差に対する温度補正パスル数をROM70から読み出す。
【0159】
温度補正パルスを取得すると、次のステップ456では、上記ステップ450において取得した基準合焦位置(=1550)と上記ステップ454において取得した温度補正パルス数とを加算することにより、この時点とフォーカスキャリブレーション時との温度差による合焦位置の変動を補正した予測合焦位置(図18も参照)を決定する。
【0160】
次のステップ458では、以上により求めた予測合焦位置を基準として実際の合焦位置の検索領域(サーチエリア)を設定する。本実施形態では、フィルムキャリアの種類毎に、合焦位置を検索すべき領域の光軸L方向の寸法が予めROM70に記憶されており、この値を読み出して、予測合焦位置を中心としてサーチエリア(図18も参照)を設定する。
【0161】
サーチエリアの設定が終了すると次のステップ460では、読取部駆動モータ58によって載置台47の位置を上記サーチエリアにおけるサーチ開始位置にスライド移動させる。マイクロプロセッサ46は、上記サーチエリアのうちで最も焦点距離が短くなるように載置台47をスライド移動させることにより載置台47をサーチ開始位置へ移動させる。この場合、サーチ終了位置は、上記サーチエリアのうちで最も焦点距離が長くなる位置(図18も参照)となる。
【0162】
次のステップ462では、読取部駆動モータ58による載置台47のサーチ終了位置に向けた所定速度によるスライド移動を開始させることによりサーチ動作を開始し、次のステップ464では、所定時間の経過待ちを行う。なお、所定時間は、サーチ開始位置からサーチ終了位置に至るまでの載置台47の上記所定速度によるスライド移動期間を複数(本実施形態では6)に分割した時間とされている。
【0163】
所定時間が経過すると(ステップ464が肯定されると)ステップ466へ移行し、この時点でラインCCD116により読み取られたチャート140A及び140B(図5参照)の各々の画像コントラスト値を算出してRAM68の所定領域に記憶する。なお、本実施形態における画像コントラスト値は、読み取った画像における所定の空間周波数領域のMTFの積分値としている。
【0164】
次のステップ468では、読取部位置センサ59による載置台47の位置情報に基づいて、載置台47がサーチ終了位置に到達したか否かを判定し、到達していない場合は上記ステップ464へ戻り、到達するまでステップ464〜468の処理を繰り返して行う。この繰り返し処理によって、上記サーチエリアにおける複数箇所(本実施形態では6箇所)のチャート140A、140Bの各々の画像コントラスト値が算出されて記憶される。
【0165】
載置台47がサーチ終了位置に到達すると(ステップ468が肯定されると)ステップ470へ移行して、載置台47の移動を停止することによってサーチ動作を終了し、次のステップ472では、上記ステップ464〜468の処理によって画像コントラスト値がRAM68に記憶されたチャート140A及び140Bの各々6箇所のサーチエリア内の読み取り位置のうち、最も画像コントラスト値が大きい位置をチャート毎に合焦位置として決定した後にチャート毎の合焦位置の相加平均値をチャートに対する総合的な合焦位置(図18も参照)として決定する。
【0166】
次のステップ474では、上記総合的な合焦位置に対して写真フィルムの光軸L方向のバタツキ範囲D(図20参照、本発明の変位範囲に相当)の2分の1の距離に相当するオフセットOF分だけ載置台47を移動させ、かつ載置台47の駆動系のバックラッシを除去するために所定距離だけ逆方向に移動させて最終的な停止位置(図18参照)に載置台47を停止させると共に、この時の載置台47の位置を示す駆動パルス数(本発明の第3の値に相当)をRAM68に記憶した後に本オートフォーカス処理を終了する。
【0167】
なお、本実施形態におけるフィルムキャリアのガイド142とガラス部材140との間の距離は、写真フィルム22の光軸L方向に対するバタツキ範囲Dがレンズユニット50の被写界深度の2倍以下(本実施形態では3mm)となるように設定されており、バタツキ範囲Dの2分の1の距離を上記総合的な合焦位置に対してオフセットしているので、写真フィルム22の搬送時等のバタツキにより実際の写真フィルム22の乳剤面22Aの位置が最終的な載置台47の停止位置に対して最大限にずれた場合であっても、このずれ量はレンズユニット50の被写界深度の範囲内に必ず納まるので、最終的に得られるフィルム画像の画像品質に問題が生じることはない。
【0168】
ガイド142とガラス部材140との間の距離を写真フィルム22の厚さと略等しく構成すれば上記バタツキの発生を防止することができるが、この場合、写真フィルム22を高速で搬送する際には、写真フィルム22とガラス部材140及びガイド142との摩擦が大きくなり、スムーズな搬送ができなくなる。また、複数の写真フィルムを連結して多数の写真フィルムのフィルム画像の読み取りを連続して行う形態では、写真フィルムを連結するためのテープの厚さも考慮する必要がある。これらの点から、ガイド142とガラス部材140との間の距離は、写真フィルムの厚さよりも大きくする必要がある。
【0169】
図21は、以上のオートフォーカス処理における載置台47の移動状態を示している。同図に示すように、載置台47は、図17のステップ460によって当初の位置(オートフォーカス開始位置と表現)からサーチエリアにおけるサーチ開始位置に移動した後にサーチ終了位置まで所定速度で移動する。この際、マイクロプロセッサ46では、所定時間毎にラインCCD116によって得られた画像データに基づいて画像コントラスト値を算出し記憶する。その後、載置台47は、ステップ472により決定された合焦位置に対してオフセットOF分だけオフセットした位置に向けて移動した後、載置台47の駆動系のバックラッシを除去するために所定距離だけ逆方向に移動した後に最終的な停止位置に停止する。
【0170】
オートフォーカス処理を終了すると、図13のステップ312では、フィルム画像のファインスキャンを行うための準備として、フィルムキャリア38に対して、写真フィルム22の搬送方向を上記所定方向と逆の方向(図2矢印C方向の逆方向)とするように指示し、次のステップ314では、ファインスキャン処理を行う。なお、本実施形態におけるファインスキャン処理では、処理対象とするフィルム画像の読み取りに関する期間以外の期間においては、写真フィルム22をフィルムキャリア38によってフィルムキャリア38の最高速度(5×v)で搬送することによりファインスキャンの全体的な処理時間を短縮している。次に図22のフローチャートを参照して、ファインスキャン処理について説明する。
【0171】
まず、ステップ500では、これからファインスキャンを行うフィルム画像(この場合は所定方向と逆の方向への写真フィルム22の搬送で最初に読取位置に到達する処理対象とするフィルム画像)の種別を取り込み、前記フィルム画像の種別が何であるかを判定し、該種別に応じた読取条件を設定可能な時点に読取位置に位置する写真フィルム22上の位置(以下、設定可能位置と称する。)を算出する。
【0172】
すなわち、本実施形態における画像読取装置のファインスキャンでは、フィルム画像の種別に応じてフィルム画像毎にラインCCDスキャナ14の各部の状態を設定するが、この設定には設定内容等に応じた長さの期間を要するため、次に読み取るフィルム画像の搬送方向先端が読取位置に到達した時点から各部の状態の設定を開始したのでは前記フィルム画像の読み取りを行うことができない。そこでステップ500では、次に読み取るフィルム画像の種別に応じた各部の状態の設定を当該フィルム画像の読み取りに先立って終了することができる写真フィルム上の位置がどこであるのかを求めている。
【0173】
具体的には、本実施形態では、フィルムキャリア38による写真フィルム22の搬送速度をファインスキャン時の搬送速度(v)で一定とすると共に、これから読み取るフィルム画像の種別に応じて、ランプ32による光量を絞り39により調整しかつラインCCD116の電荷蓄積時間をラインCCD116に備えられた電子シャッタによって調整する形態とされており、ステップ500では、これらの調整が終了可能な期間に写真フィルム22が搬送される距離を、これからファインスキャンするフィルム画像の搬送方向先端から溯った写真フィルム22上の位置を算出する。
【0174】
なお、写真フィルム22の搬送速度は、読取対象とするフィルム画像の濃度等に応じて切替える形態としてもよい。
【0175】
次のステップ502では、ステップ500で算出した、これからファインスキャンするフィルム画像の上記設定可能位置が読取位置に対して写真フィルム22の搬送方向下流側に位置しているか否かを判定し、下流側に位置している場合はステップ504に移行して写真フィルム22の高速搬送を開始した後にステップ512へ移行する。なお、この際の搬送速度は、上述したプレスキャン時の搬送速度と同様の5×v、すなわち、フィルムキャリア38の最高速度とする。
【0176】
一方、上記ステップ502の判定の結果、下流側に位置していないと判定された場合にはステップ506へ移行して、設定可能位置が読取位置に対して写真フィルム22の搬送方向上流側に位置しているか否かを判定し、上流側に位置している場合はステップ508へ移行して写真フィルム22の搬送方向の逆転をフィルムキャリア38に指示し、次のステップ510で写真フィルム22の通常速度(v)による搬送を開始した後にステップ512へ移行する。すなわち、この場合の写真フィルム22の搬送方向は、プレスキャン時と同様の図2矢印C方向となる。
【0177】
ステップ512では、上記ステップ500で算出した設定可能位置の読取位置への到達待ちを行い、その後ステップ514へ移行して写真フィルム22の搬送を停止する。一方、上記ステップ506の判定の結果、設定可能位置が搬送方向上流側に位置していない場合は、設定可能位置が読取位置に位置していると見做してステップ514へ移行して写真フィルム22の搬送を停止する。
【0178】
すなわち、上記ステップ500〜ステップ514の処理によって、これからファインスキャンするフィルム画像の設定可能位置が読取位置に対してファインスキャン時の写真フィルム22の搬送方向下流側に位置している場合は、設定可能位置が読取位置に到達するまでフィルムキャリア38の最高速度で写真フィルム22を搬送し、同じく上流側に位置している場合には、設定可能位置が読取位置に位置されるように写真フィルム22を戻している。
【0179】
次のステップ516では、フィルムキャリア38による写真フィルム22の搬送速度をファインスキャン時の搬送速度(v)に切替えた後に写真フィルム22の搬送を開始する。ここで、この時点の写真フィルム22の搬送方向がファインスキャン時の搬送方向となっていない場合、すなわち上記ステップ508によって写真フィルム22の搬送方向が図2矢印C方向とされている場合には、搬送方向の逆転をフィルムキャリア38に指示した後に搬送を開始する。
【0180】
次のステップ518では、これからファインスキャンを行うフィルム画像の種別に適した読取条件で処理対象とするフィルム画像に対するファインスキャンが行われるように、ラインCCDスキャナ14の各部の作動を制御する。すなわち、これからファインスキャンを行うフィルム画像の種別に応じたファインスキャンモードの設定を行う。
【0181】
また、ステップ518では、これからファインスキャンを行うフィルム画像の光学倍率が現状の光学倍率とは異なる場合、載置台47及びレンズユニット50の位置を光学倍率がこれからファインスキャンを行うフィルム画像の光学倍率となるようにスライド移動させた後に、図17に示したオートフォーカス処理によって最終的に停止された載置台47の位置を示す駆動パルス数とフォーカスキャリブレーション処理によって得られたフォーカスキャリブレーションテーブル(表1参照)の値に基づいて載置台47のスライド移動を行う。
【0182】
すなわち、例えば、これからファインスキャンを行うフィルム画像の光学倍率が1.0であり現状の光学倍率及びオートフォーカス時の光学倍率が0.6である場合、光学倍率が1.0である場合の基準チャート135の合焦位置(=2500)から光学倍率が0.6である場合の基準チャート135の合焦位置(=1500)を減じた値(=1000)を、オートフォーカス処理によって最終的に停止された載置台47の位置を示す駆動パルス数(例えば1560)に加算することにより得られた値(=2560)に対応する位置に載置台47をスライド移動することによって、これからファインスキャンを行うフィルム画像の光学倍率に応じた合焦位置に載置台47を設定することができる。
【0183】
また、例えば、これからファインスキャンを行うフィルム画像の光学倍率が0.6であり現状の光学倍率及びオートフォーカス時の光学倍率が1.0である場合は、光学倍率が1.0である場合の基準チャート135の合焦位置(=2500)から光学倍率が0.6である場合の基準チャート135の合焦位置(=1500)を減じた値(=1000)を、オートフォーカス処理によって最終的に停止された載置台47の位置を示す駆動パルス数(例えば2560)から減算することにより得られた値(=1560)に対応する位置に載置台47をスライド移動することによって、これからファインスキャンを行うフィルム画像の光学倍率に応じた合焦位置に載置台47を設定することができる。
【0184】
このように、本実施形態では、これからファインスキャンを行うフィルム画像の光学倍率が現状の光学倍率と異なる場合、該フィルム画像の光学倍率となるように載置台47及びレンズユニット50を移動させた後に、合焦位置調整のために載置台47を移動しているので、この場合は上記ステップ500における設定可能位置の算出時に、これらの設定時間も加味する必要がある。
【0185】
次のステップ520では、画像処理部16の図示しない記憶部に記憶されたコマ位置に基づき、これからファインスキャンを行うフィルム画像のエッジがラインCCD116の読取位置(光軸位置)に到達したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0186】
ステップ520の判定が肯定されるとステップ522へ移行し、読取位置に到達したフィルム画像をラインCCD116によって読み取り、ラインCCD116から出力された信号に対して順次A/D変換を行ってファインスキャン画像データとして画像処理部16へ順次出力するファインスキャンを行う。これにより、フィルム画像の種別毎に最適な読取条件で前記フィルム画像のファインスキャンが行われることになる。
【0187】
なお、ラインCCDスキャナ14から画像処理部16に出力されたファインスキャン画像データは、先に記憶された処理条件で画像処理部16において画像処理が行われ、図示しないレーザプリンタ部へ出力されてプリントされる。また、本画像読取処理が焼き増し時に実行されている場合は、画像検定処理時にオペレータによって入力された処理対象画像毎の焼き増し枚数をレーザプリンタ部へ出力することにより、処理対象画像毎に指定された枚数分プリントされるようにする。
【0188】
単一のフィルム画像に対するファインスキャンを完了するとステップ524へ移行し、上記画像検定処理においてオペレータから指定された処理対象とする全てのフィルム画像に対するファインスキャンを終了したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ500に戻り、ステップ500〜524を繰り返す。このステップ500〜524により、上記画像検定処理においてオペレータから指定された処理対象とする各フィルム画像の種別に応じた最適な読取条件で、各フィルム画像のファインスキャンが各々行われる。そして、ステップ524の判定が肯定されるとステップ526へ移行して、写真フィルム22の高速搬送(本実施形態では5×v)をフィルムキャリア38に対して指示することにより写真フィルム22を高速に排出した後に、本ファインスキャン処理を終了し、図13に示した画像読取処理を終了する。
【0189】
次に、図23を参照して、処理対象画像(ファインスキャンするフィルム画像)が1画像である場合と、処理対象画像が隣接した2画像でかつ後に読み取る画像に適した各部の設定が通常では間に合わない場合の画像読取処理の状態について説明する。なお、図23は、写真フィルムに対する読取位置の相対的な位置の移動を「開始」から「終了」に至る矢印で示した概念図である。
【0190】
処理対象画像が1画像である場合は、図23(A)に示すように、予め定められたプレスキャン時の速度(本実施形態では5×v)で搬送されている写真フィルム22の全てのフィルム画像124のプレスキャンが行われた後に、図14に示した画像検定処理によって処理対象とするフィルム画像(図23(A)ではフィルム画像124S)の指定、指定されたフィルム画像124Sの検定、及びチャート140A、140Bを用いたオートフォーカス処理(図23(A)ではAFと表現)が行われる。
【0191】
その後、写真フィルム22の搬送方向が逆転されて写真フィルム22の搬送が開始され、写真フィルム22は処理対象画像124Sの読み取り開始位置130Aから処理対象画像124Sの種別及び光学倍率に応じた各部の設定が可能な設定可能期間に相当する設定可能区間128に相当する距離を溯った位置に至る高速搬送区間126Aの間は高速(本実施形態では5×v)に搬送される。
【0192】
その後、写真フィルム22の搬送速度が処理対象画像124Sの種別に適した速度(図23(A)ではファインスキャン速度と表現)に切替えられると共に、処理対象画像124Sの種別及び光学倍率に応じた各部の設定が行われた後に、読み取り開始位置130Aから読み取り終了位置130Bまでの間に処理対象画像124Sの読み取りが行われ、その後、写真フィルム22は高速搬送区間126Bにおいて高速(本実施形態では5×v)に搬送されてフィルムキャリア38から排出される。
【0193】
一方、処理対象画像が隣接する2画像でかつ後に読み取る画像に適した各部の設定が通常では間に合わない場合は、図23(B)に示すように、プレスキャン時の速度(本実施形態では5×v)で搬送されている写真フィルム22の全てのフィルム画像124のプレスキャンが行われた後に、図14に示した画像検定処理によって処理対象とするフィルム画像(図23(B)ではフィルム画像124S及び124S’)の指定、指定されたフィルム画像124S及び124S’の検定、及びチャート140A、140Bを用いたオートフォーカス処理(図23(B)ではAFと表現)が行われる。
【0194】
その後、写真フィルム22の搬送方向が逆転されて写真フィルム22の搬送が開始され、写真フィルム22は処理対象画像124Sの読み取り開始位置130Aから処理対象画像124Sの種別及び光学倍率に応じた各部の設定が可能な設定可能期間に相当する設定可能区間128に相当する距離を溯った位置に至る高速搬送区間126Aの間は高速(本実施形態では5×v)に搬送される。
【0195】
その後、写真フィルム22の搬送速度が処理対象画像124Sの種別に適した速度(図23(B)ではファインスキャン速度と表現)に切替えられると共に、処理対象画像124Sの種別及び光学倍率に応じた各部の設定が行われた後に、読み取り開始位置130Aから読み取り終了位置130Bまでの間に処理対象画像124Sの読み取りが行われる。
【0196】
処理対象画像124Sの読み取りが終了すると、通常は次の処理対象画像124S’の読み取りに関する期間に至るまで写真フィルム22は高速に搬送されるが、ここでは、図23(B)に示したように、次の処理対象画像124S’が処理対象画像124Sに隣接している等のために、処理対象画像124Sの読み取り終了位置130Bから処理対象画像124S’の読み取り開始位置130A’までの間に処理対象画像124S’の種別及び光学倍率に応じた各部の設定ができないため、処理対象画像124S’の設定可能期間に相当する設定可能区間128’に相当する距離を溯った位置まで写真フィルム22が逆方向に搬送される。
【0197】
その後、写真フィルム22の搬送方向がファインスキャン時の搬送方向に再度切替えられて処理対象画像124S’の種別に適したファインスキャン速度の写真フィルム22の搬送が開始されると共に処理対象画像124S’の種別及び光学倍率に応じた各部の設定が行われた後に、読み取り開始位置130A’から読み取り終了位置130B’までの間に処理対象画像124S’の読み取りが行われ、その後、写真フィルム22は高速搬送区間126Bにおいて高速(本実施形態では5×v)に搬送されてフィルムキャリア38から排出される。
【0198】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る画像読取装置では、フォーカスキャリブレーションテーブルとして記憶された基準チャートに対する複数の光学倍率毎の合焦位置(合焦パルス)と該複数の光学倍率のうちの1つの光学倍率におけるフィルムキャリア毎の差分とに基づいて、所定の読取位置に位置されたチャートに対する複数の光学倍率毎の合焦位置(合焦パルス)を得ることを可能としているので、読取位置に位置されたチャートに対する光学倍率毎の合焦制御を行う必要がなく、短時間にフォーカスキャリブレーションテーブルを作成することができると共に、上記基準チャートに対する複数の光学倍率毎の合焦位置と上記差分とに基づいて得られる位置に載置台を移動することによって読取対象とするフィルム画像の光学倍率に応じた合焦位置を設定することができるので、読取対象とするフィルム画像毎に合焦制御を行う場合に比較して短時間に合焦位置を設定することができ、この結果として全体的な処理時間を短縮することができる。
【0199】
また、本実施形態に係る画像読取装置では、フォーカスキャリブレーションテーブルにフィルムキャリア毎に複数の光学倍率毎の合焦位置を記憶する必要が無いので、フォーカスキャリブレーションテーブルのための記憶容量を少なくすることができる。
【0200】
また、本実施形態に係る画像読取装置では、ファインスキャンに先立ってチャートに対する合焦制御を行い、この時の合焦位置が記憶され、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、上記基準チャートに対する複数の光学倍率毎の合焦位置及び上記チャートに対する合焦位置に基づいた位置に載置台を移動するようにしているので、実際に読み取りを行う環境に応じた最適な合焦位置を設定することができる。
【0201】
また、本実施形態に係る画像読取装置では、チャートをフィルムキャリアにおける写真フィルムの搬送路面の近傍に設け、フィルムキャリアの近傍に備えられたガイドによって写真フィルムの光軸方向の変位範囲をレンズユニットの被写界深度の2倍以下に制限すると共に、上記基準チャートに対する複数の光学倍率毎の合焦位置及び上記チャートに対する合焦位置に応じて定まる位置に対して上記変位範囲の2分の1の距離をオフセットしているので、写真フィルムの光軸方向の位置が最大限に変位した場合であっても、フィルム画像に対する正確な合焦位置との合焦位置のずれ量はレンズユニットの被写界深度内に納まる範囲内となり、この結果として高品質な画像データを確実に得ることができる。
【0202】
また、本実施形態に係る画像読取装置では、オートフォーカス処理時に、この時点とフォーカスキャリブレーション時との温度差による合焦位置の変動を補正しているので、該補正を行わない場合に比較して、より正確な予測合焦位置を設定することができる。
【0203】
また、本実施形態に係るフィルムキャリアでは、画像読取装置により読取可能でかつ写真フィルムの搬送路を除く位置に写真フィルムに記録されたフィルム画像に対する合焦制御を行う際の基準となるチャートを備えているので、フィルム画像に対して直接合焦制御を行う場合の上記写真フィルムのそり等による影響を除去することができ、高品質な画像データを得ることを可能とすることができると共に、写真フィルムに記録されたフィルム画像の読み取りと同時に合焦制御を行うことも可能とすることができる。
【0204】
さらに、本実施形態に係るフィルムキャリアでは、チャートを写真フィルムの搬送路を隔てて1つずつ備えているので、各々のチャートに対する合焦位置の中央部を写真フィルムの合焦位置とすることによって、フィルムキャリアが写真フィルムの主走査方向に対して傾いた状態で画像読取装置に装填された場合であっても、一般に写真フィルムの略中心に位置する主要被写体に対する合焦位置を正確に得ることが可能となる。
【0205】
なお、本実施形態では、オートフォーカス処理時にオフセットOF(図18参照)分のオフセットをかける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、フォーカスキャリブレーション処理時に作成するフォーカスキャリブレーションテーブル(表1参照)の基準チャート135の合焦位置又は差分の何れか一方にオフセットOFを反映させる形態としてもよい。
【0206】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、最終的に得られるフィルム画像の画像品質を向上させることを目的として、図5(A)に示すように写真フィルム22の搬送時における写真フィルム22の光軸L方向へのバタツキ範囲をレンズユニット50の被写界深度の2倍以下となるように設定するためのガイド142を設けておき、図17に示すオートフォーカス処理におけるステップ474の載置台移動処理において写真フィルムの光軸L方向のバタツキ範囲Dの2分の1の距離に相当するオフセットOF分だけ載置台47を移動させる形態について説明したが、本第2実施形態では、同様の目的を達成するために、載置台47のオフセットOF分の移動を行わずに、チャートと実際に画像を読み取る写真フィルム上の画像面との光軸方向における位置の差分を予め得ておき、該差分だけ載置台47の移動を行う形態について説明する。
【0207】
まず、ラインCCDスキャナ14に備えられたマイクロプロセッサ46は画像読取処理(図13参照)を行うに先立って、図24に示すフォーカス位置調整処理を行う。
【0208】
同図のステップ550では、ラインCCDスキャナ14で使用可能なフィルムキャリアとして予め用意された複数のフィルムキャリアのうちの1つがラインCCDスキャナ14に装填されたか否かを判定する。
【0209】
何れかのフィルムキャリアがラインCCDスキャナ14に装填されるとステップ550の判定が肯定されてステップ552へ移行し、装填されたフィルムキャリアの種別を取得する。マイクロプロセッサ46は、これによって装填されたフィルムキャリアの種別を特定することができる。
【0210】
次のステップ554では、図25に示したフォーカス位置調整画面150をディスプレイ18に表示する。なお、フォーカス位置調整画面150における「*****」の部分には、上記ステップ552で取得したフィルムキャリアの種別が表示される。また、「チャート位置」の後の「####」には、所定光学倍率(本実施形態では1.0)におけるチャートの合焦位置とフォーカスキャリブレーション処理において得られた上記所定光学倍率における基準チャートの合焦位置との差分が表示され、「フィルム位置」の後の「####」には、所定光学倍率における読み取り対象とする写真フィルムの合焦位置とチャートの合焦位置との差分が記憶される。なお、この処理が初めて実行される場合には上記チャート位置及びフィルム位置の各々の後の「####」には‘―’を表示する。
【0211】
次のステップ556では、装填されたフィルムキャリアに対する読み取り対象とする写真フィルムの装填待ちが行われ、装填された時点でステップ558へ移行して、オペレータからの入力待ちを行う。
【0212】
オペレータは、図25に示すフォーカス位置調整画面150がディスプレイ18に表示された場合、読み取り対象とする写真フィルムをフィルムキャリアに装填した後にフォーカス位置調整を行う場合はフォーカス位置調整画面150中の「実行」を、フォーカス位置調整を行わない場合はフォーカス位置調整画面150中の「キャンセル」を、マウス20等を用いて指定する。
【0213】
オペレータによって「実行」、又は「キャンセル」の何れかの入力が行われると上記ステップ558の判定が肯定されてステップ560に移行し、オペレータから入力されたものが「実行」であったか否かを判定し、「実行」であった場合(肯定判定の場合)はステップ562へ移行し、「実行」でなかった場合(否定判定の場合)には「キャンセル」が入力されたものと見なして後述するステップ574へ移行する。
【0214】
ステップ562ではプレスキャンを開始し、次のステップ564では装填されたフィルムキャリアのチャートに対する合焦位置サーチ処理(図11参照)を行う。これによって、装填されたフィルムキャリアのチャートに対する合焦位置が得られる。
【0215】
次のステップ566では、写真フィルムの搬送方向が逆転されるようにフィルムキャリアに対して指示し、次のステップ568では、装填されている写真フィルムに対する合焦位置サーチ処理を行う。これによって、写真フィルムに対する合焦位置が得られる。
【0216】
次のステップ570では、チャート位置及びフィルム位置を算出する。なお、本実施形態では、チャート位置として、所定光学倍率(本実施形態では1.0)におけるチャートの合焦位置とフォーカスキャリブレーション処理において得られた上記所定光学倍率における基準チャートの合焦位置との差分を算出し、フィルム位置として、所定光学倍率における読み取り対象とする写真フィルムの合焦位置とチャートの合焦位置との差分を算出する。
【0217】
その後、ステップ572で上記ステップ570において算出したチャート位置及びフィルム位置をフォーカス位置調整画面150の対応する位置に表示すると共に、RAM68の所定領域に記憶する。
【0218】
次のステップ574では、全ての予め用意されたフィルムキャリアについてステップ550〜572の処理が終了したか否かを判定し、終了していない場合はステップ550へ戻って未処理の全てのフィルムキャリアについてステップ550〜572の処理を行った後に本フォーカス位置調整処理を終了する。
【0219】
このようなフォーカス位置調整処理によって得られたフィルム位置(本発明の第4の値に相当)は、写真フィルムとチャートとの間の光軸方向に対する距離に正確に対応するので、画像読取処理(図13参照)におけるファインスキャン処理(図22参照)においてファインスキャン用読取条件設定(ステップ518)を行う際に、載置台47のスライド移動を行った後に上記フィルム位置をオフセットすることによって、オートフォーカス処理(図17参照)におけるステップ474においてオフセットOF分だけ載置台47を移動させることなく、かつ写真フィルムの搬送時におけるバタツキ範囲を制限するための部材(ガイド142)を設けることなく、これからファインスキャンを行うフィルム画像の光学倍率に応じた合焦位置に高精度に載置台47を設定することができる。
【0220】
以上詳細に説明したように、本第2実施形態に係る画像読取装置では、写真フィルムとチャートとの間の光軸方向に対する位置の差分(本発明の第4の値に相当)を予め得ておき、該差分をファインスキャン時の合焦位置に反映させているので、上記差分を適用しない場合に比較して、より正確な合焦位置を設定することができる。
【0221】
なお、上記各実施形態では、フォーカスキャリブレーション処理時においてチャートの合焦制御を行う際の光学倍率の数を1のみ(実施形態では光学倍率W=0.6のみ)とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2以上の複数の光学倍率についてチャートの合焦制御を行う形態としてもよい。
【0222】
また、上記各実施形態では、フォーカスキャリブレーション処理を行う際に、基準チャートに対する合焦位置とチャートに対する合焦位置との差分を記憶した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、差分を記憶せずに上記チャートに対する合焦位置を直接記憶しておき、必要に応じて基準チャートに対する合焦位置とチャートに対する合焦位置との差分を算出する形態としてもよい。
【0223】
また、上記各実施形態では、フィルムキャリアの機種毎に合焦制御に関わる調整データ(チャートの合焦位置等)を保持して用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルムキャリア内に当該フィルムキャリアのシリアル番号(製造番号)等の当該フィルムキャリアを機器毎に特定することができる情報を記録したROM、バーコード等の記録手段を備えておくと共に、画像読取装置に上記情報を入力する入力手段とフィルムキャリア毎の固有の上記調整データを使用対象とするフィルムキャリア毎に予め保持した保持手段を備えておき、画像読取装置が入力手段によって上記情報を入力してフィルムキャリアを特定しかつ特定したフィルムキャリア毎に上記保持手段に保持した調整データを切り換えて用いる形態とすることもできる。
【0224】
この場合、1台の画像読取装置に同一機種の複数のフィルムキャリアを使用することが可能になる。また、故障、メンテナンス等のために市場においてフィルムキャリアを切り換える際には一般にフィルムキャリア固有の調整が必要となるが、上記のようにフィルムキャリア毎に調整データを管理した場合には調整データの作成もれをチェックすることが可能となる。
【0225】
また、上記各実施形態では、基準チャートに対する各種光学倍率における合焦位置を得るときと該合焦位置を用いた処理を行うときとの温度差に起因する誤差の補正を基準合焦位置(図18参照)に対して行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ファインスキャンを開始する直前にROM70に記憶されている基準チャートに対する各種光学倍率の各合焦位置(表1参照)を全て読み出して、読み出した各合焦位置に対して温度補正を行う形態とすることもできる。
【0226】
また、上記各実施形態では、合焦制御を行う際に、結像手段としてのレンズユニット50についてはユニット全体を光軸方向に移動する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、結像手段として複数のレンズを備えた所謂ズームレンズを適用する場合には、該ズームレンズに備えられた複数のレンズの一部を光軸方向に移動する形態とすることもできる。
【0227】
また、上記各実施形態では、フォーカスキャリブレーション処理時に基準チャート治具132に設けられた基準チャート135に対する合焦位置を各種光学倍率毎に求めて記憶する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、基準チャート治具132を使用せずに、予め用意されている長尺フィルム用のフィルムキャリアのうちの1つ(基準フィルムキャリアという)を用いて、当該フィルムキャリアに設けられているチャートに対する合焦位置を各種光学倍率毎に求めて記憶する形態としてもよい。この場合、フォーカスキャリブレーションテーブルに差分を記憶するフィルムキャリアは基準フィルムキャリア以外のものとなり、差分を求める際の対象が基準フィルムキャリアとなる。
【0228】
また、上記各実施形態では、画像読取処理として135サイズの写真フィルムの読み取りを行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、240サイズの写真フィルムの読み取りを行う形態としてもよく、スライドの読み取りを行う形態としてもよい。この場合、240サイズの写真フィルムを読み取る場合の作用は上記各実施形態と略同一であるが、スライドを読み取る場合の作用は次の点で異なる。
【0229】
・読取対象画像が1画像のみとなる。
【0230】
・スライド用のフィルムキャリアには合焦制御用のチャートが備えられていないので、合焦制御を行う際には、読取対象とするスライド画像の略中心部分の画像コントラスト値に基づいて行う。
【0231】
・従って、読取対象とするスライド画像自身を用いて合焦制御を行っているので、図18に示したオフセットOF分の載置台47の移動を行う必要がない。
【0232】
これらの点を考慮して、スライドの読み取り時の動作をまとめると、図26に示すようになる。なお、図26は図23と同様に、写真フィルムに対する読取位置の相対的な位置の移動を「開始」から「終了」に至る矢印で示した概念図である。
【0233】
すなわち、図26に示すように、予め定められたプレスキャン時の速度(本実施形態では5×v)で搬送されているスライドのフィルム画像124Xのプレスキャンが行われた後にフィルム画像124Xの画像検定が行われると共に、フィルム画像124Xの搬送方向略中心が光軸Lに一致する様にスライドが移動されてオートフォーカス処理(図26ではAFと表現)が行われる。
【0234】
その後、スライドがプレスキャン時の搬送方向と同一方向に搬送されてフィルム画像124Xの種別及び光学倍率に応じた各部の設定が可能な位置までスライドが移動された後にスライドの搬送方向が再度逆転されてスライドの搬送がフィルム画像124Xの種別に適した搬送速度(図26ではファインスキャン速度と表現)に切替えられると共に、フィルム画像124Xの種別及び光学倍率に応じた各部の設定が行われた後に、読み取り開始位置130Aから読み取り終了位置130Bまでの間にフィルム画像124Xの読み取りが行われ、その後、スライドは高速搬送区間126Bにおいて高速(本実施形態では5×v)に搬送されてフィルムキャリアから排出される。
【0235】
また、上記各実施形態では、図11の合焦位置サーチ処理及び図17のオートフォーカス処理において、サーチエリア内の複数位置における最も画像コントラスト値が大きい位置を合焦位置とする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複数箇所の最も画像コントラスト値が大きい2点の中間の位置を合焦位置とする形態としてもよい。
【0236】
また、上記各実施形態では、基準合焦位置に対して温度補正を行った位置を予測合焦位置とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、温度補正を行わずに基準合焦位置を直接予測合焦位置とする形態としてもよい。但し、この場合は、合焦位置の温度による変動を考慮してサーチエリアを実施形態に比較して若干大きめに設定する必要があり、これ以外の条件が実施形態と同様である場合は、サーチ時間が実施形態に比較して長くなる。
【0237】
また、上記各実施形態では、図19に示した温度補正テーブルを予め記憶しておく場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演算によって温度補正パルス数を算出する形態としてもよい。(1)式は、この演算のための数式の一例である。
【0238】
CP=4×(T0 −T)/MO (1)
ここで、CPは温度補正パルス数を、T0 はフォーカスキャリブレーション時の温度を、Tはオートフォーカス時の温度を、MOは光学倍率を、各々示す。
【0239】
また、上記各実施形態では、画像コントラスト法により合焦を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、写真フィルムとレンズユニット50(又はラインCCD116)との距離を赤外線等により測定する距離センサを設け、フィルム画像のデータに代えて距離センサによって検出された距離に基づいて行うようにしてもよい。
【0240】
また、上記各実施形態では、フォーカスキャリブレーション処理時において各フィルムキャリアの合焦を行う際に光学倍率が0.6であるときの合焦位置を検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、このときの光学倍率は0.8や1.0であってもよい。
【0241】
また、上記各実施形態では、ガラス部材140に設けたチャート140A、140Bや基準チャート治具132に設けた基準チャート135を写真フィルムの搬送方向に沿った複数の直線が描かれたものとする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各チャートは画像コントラスト値が載置台47の位置に応じて変化するものであれば如何なるものでも適用することができる。
【0242】
また、上記各実施形態では、オペレータが処理対象とする画像をキーボードを用いて指定する場合、当該キーボードの矢印キーを用いて指定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばディスプレイ18に表示された各シミュレーション画像に対して、各々のシミュレーション画像に対応する写真フィルム22上のコマ番号を予め当該シミュレーション画像の近傍に表示しておき、キーボードに設けられた図示しないテンキーを用いて処理対象とする画像のコマ番号を入力する形態としてもよい。
【0243】
また、上記各実施形態では、処理対象とする画像を強調表示する形態として、図16(A)〜(D)に示した形態を適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば処理対象とする画像に対応するシミュレーション画像及び処理対象としない画像に対応するシミュレーション画像の何れか一方のみをブリンク表示する、処理対象としない画像に対応するシミュレーション画像をリバース表示する等の形態を適用してもよい。
【0244】
また、上記各実施形態では、ラインCCD116に設けられた色分解フィルタの退色を防止するために、CCDシャッタ52によりラインCCD116への光を遮光する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、絞り39を用いて遮光する形態としてもよい。
【0245】
また、上記各実施形態では、写真フィルム22がネガフィルムである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リバーサルフィルム(ポジフィルム)の読み取りに対しても本発明は適用できることはいうまでもない。
【0246】
また、上記各実施形態では、本発明の画像センサとしてラインCCD116を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エリアCCDを適用する形態としてもよく、CCD以外の光電変換素子を適用する形態としてもよい。
【0247】
さらに、以上説明したターレット(図4(B)参照)に限定されず、図27に示すように、赤光を吸収するシアンフィルタ用のターレット36C、緑光を吸収するマゼンタフィルタ用のターレット36M、及び青紫光を吸収するイエローフィルタ用のターレット36Yにより構成してもよい。ターレット36Cは、濃度の異なる複数のシアンフィルタ36C1、36C2、36C3が嵌め込まれている。なお、シアンフィルタ36C1、36C2、36C3の順に濃度が濃くなっている。その他のターレット36M、36Yも同様の構成となっている。そして、各ターレット36C、36M、36Yは、各ターレットの選択されたフィルタ各々が光軸L上で重なるように、回転可能に支持されている。
【0248】
【発明の効果】
請求項1記載の画像読取装置によれば、記憶手段によって記憶された複数の光学倍率毎の第1の値と、該複数の光学倍率のうちの少なくとも1つの光学倍率における差分及び第2の値の何れか一方と、に基づいて、読取位置に位置された被写体に対する複数の光学倍率毎の合焦位置に関する値を得ることを可能としているので、読取位置に位置された被写体に対する光学倍率毎の合焦制御を行う必要がなく、短時間に記憶手段による記憶を終了することができると共に、上記第1の値と上記差分又は上記第2の値とに基づいて得られる位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つを移動することによって読取対象とする画像の光学倍率に応じた合焦位置を設定することができるので、読取対象とする画像毎に合焦制御を行う場合に比較して短時間に合焦位置を設定することができ、この結果として全体的な処理時間を短縮することができる、という効果が得られる。
【0249】
また、請求項2記載の画像読取装置によれば、画像の読み取りに先立って上記被写体に対する合焦制御を行い、この時の合焦位置に関する第3の値が記憶され、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、上記第1の値及び上記第3の値に基づいた位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つを移動するようにしているので、実際に読み取りを行う環境に応じた最適な合焦位置を設定することができ、第3の値を用いずに合焦位置を設定した場合に比較して、より高精度に合焦位置を設定することができる、という効果が得られる。
【0250】
また、請求項3記載の画像読取装置によれば、請求項2記載の画像読取装置における被写体を搬送手段における読取対象原稿の搬送路面の近傍に設け、搬送手段又は搬送手段の近傍に備えられた制限部材によって読取対象原稿の光軸方向の変位範囲を結像手段の被写界深度の2倍以下に制限すると共に、上記第1の値及び第3の値に応じて定まる位置に対して上記変位範囲の2分の1の距離をオフセットしているので、読取対象原稿の光軸方向の位置が最大限に変位した場合であっても、読取対象原稿に記録された画像に対する正確な合焦位置との合焦位置のずれ量は結像手段の被写界深度内に納まる範囲内となり、この結果として高品質な画像データを確実に得ることができる、という効果が得られる。
【0251】
また、請求項4記載の画像読取装置によれば、請求項2記載の画像読取装置における記憶手段が、読取対象原稿と被写体との間の光軸方向に対する位置の差分を第4の値として更に記憶すると共に、制御手段が、第1の値、第3の値、及び第4の値に基づいた位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように制御しているので、第4の値を適用しない場合に比較して、より正確な合焦位置を設定することができる、という効果が得られる。
【0252】
また、請求項5記載の画像読取装置によれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、第1の値を用いた処理を行う際に、このときと第1の値を得たときとの温度差に応じて第1の値を補正して用いているので、該補正を行わない場合に比較して、より正確な合焦位置を設定することができる、という効果が得られる。
【0253】
また、請求項6記載の画像読取装置によれば、請求項1記載の発明における搬送手段を読取対象原稿の種類毎に備えると共に、記憶手段によって各搬送手段毎に差分及び第2の値の少なくとも一方を記憶しており、各搬送手段に対する合焦制御は搬送手段毎に1回のみ行えばよく、記憶しておく値(差分及び第2の値の少なくとも一方)も搬送手段毎に最低1つのみであるので、搬送手段毎に光学倍率毎に合焦制御を行って各々の合焦位置に関する値を記憶する場合に比較して、合焦制御に費やされる時間を短縮することができると共に、合焦位置に関する値を記憶するための記憶容量を削減することができる、という効果が得られる。
【0254】
また、請求項7記載の画像読取装置によれば、請求項2乃至請求項4の何れか1項記載の発明における搬送手段を読取対象原稿の種類毎に備えると共に、記憶手段によって各搬送手段毎に差分及び第2の値の少なくとも一方を記憶し、かつ制御手段によって使用する搬送手段に対する第3の値を記憶しており、各搬送手段に対する合焦制御は搬送手段毎に1回のみ行えばよく、記憶しておく値(差分及び第2の値の少なくとも一方)も搬送手段毎に最低1つのみであるので、搬送手段毎に光学倍率毎に合焦制御を行って各々の合焦位置に関する値を記憶する場合に比較して、合焦制御に費やされる時間を短縮することができると共に、合焦位置に関する値を記憶するための記憶容量を削減することができる、という効果が得られる。
【0255】
また、請求項8記載の画像読取装置によれば、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の発明における基準被写体として被写体を用いているので、基準被写体と被写体とを個別に用意する場合に比較して、基準被写体を用意するためのコストを削減することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像読取装置の外観図である。
【図2】実施形態に係る画像読取装置の光学系の正面断面図である。
【図3】実施形態に係る画像読取装置の光学系の側面断面図である。
【図4】(A)は絞り、(B)はターレット、(C)はレンズ絞り、(D)はCCDシャッタの一例を各々示す平面図である。
【図5】ガラス部材のフィルムキャリアへの設置状態及びガラス部材に設けられたチャートの状態を示した図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図6】各チャートの位置と最終的な合焦位置との位置関係を示す概略側面図である。
【図7】実施形態に係る画像読取装置の光学系の主要部のみを示した概略図である。
【図8】実施形態に係る画像読取装置のラインCCDスキャナ及び画像処理部の電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図9】実施形態においてラインCCDスキャナのマイクロプロセッサで実行されるフォーカスキャリブレーション処理のフローチャートである。
【図10】基準チャート治具の構成及びラインCCDスキャナへの装填状態を示す概略斜視図である。
【図11】図9のフォーカスキャリブレーション処理の途中で実行される合焦位置サーチ処理のフローチャートである。
【図12】載置台の移動に伴う画像コントラスト値の変化の状態及び合焦位置を示すグラフである。
【図13】実施形態においてラインCCDスキャナのマイクロプロセッサで実行される画像読取処理のフローチャートである。
【図14】図13の画像読取処理の実行途中で実行される画像検定処理のフローチャートである。
【図15】実施形態における画像検定処理実行時のディスプレイの表示状態の一例を示す概略図である。
【図16】オペレータによって指定された処理対象とするフィルム画像に対応するシミュレーション画像の強調表示の例を示す概略図である。
【図17】図13の画像読取処理の実行途中で実行されるオートフォーカス処理のフローチャートである。
【図18】原点H.P.に対する基準合焦位置、予測合焦位置、サーチエリア、合焦位置、最終的な載置台の停止位置等を示す模式図である。
【図19】実施形態に係るレンズユニットの温度差に対する温度補正パルスの値を示すグラフである。
【図20】読取位置における写真フィルムのバタツキの範囲について説明する概略側面図である。
【図21】オートフォーカス開始時から停止位置に至るまでの載置台の移動の状態を示す概略図である。
【図22】図13の画像読取処理の実行途中で実行されるファインスキャン処理のフローチャートである。
【図23】画像読取処理時における写真フィルムに対するラインCCDの相対的な位置関係を示す概念図であり、(A)は処理対象画像が1画像である場合の状態を示す図、(B)は処理対象画像が隣接しており、後に読み取る側の画像の条件設定が通常では間に合わない場合の状態を示す図である。
【図24】第2実施形態において、図13の画像読取処理の実行前に実行されるフォーカス位置調整処理のフローチャートである。
【図25】図13のフォーカス位置調整処理の途中でディスプレイに表示される画面を示す概略図である。
【図26】スライド用のフィルムキャリアを用いた場合の、画像読取処理時における写真フィルムに対するラインCCDの相対的な位置関係を示す概念図である。
【図27】ターレットの変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
12A、12B キーボード
14 ラインCCDスキャナ
16 画像処理部
18 ディスプレイ
20 マウス
22 写真フィルム(読取対象原稿)
32 ランプ(光源)
35 UV/IRカットフィルタ
36 ターレット
38 フィルムキャリア(搬送手段)
39 絞り
40 拡散ボックス
43 読取部
46 マイクロプロセッサ(制御手段)
47 載置台
50 レンズユニット(結像手段)
52 CCDシャッタ
52ND NDフィルタ
58 読取部駆動モータ(移動手段)
60 レンズ駆動モータ(移動手段)
70 ROM(記憶手段)
116 ラインCCD(画像センサ)
132 基準チャート治具
135 基準チャート(基準被写体)
140A、140B チャート(被写体)
142 ガイド(制限部材)

Claims (8)

  1. 複数の画像が記録された読取対象原稿を照明する光源と、
    前記複数の画像の各々が順次所定の読取位置を通過するように前記読取対象原稿を搬送する搬送手段と、
    前記読取対象原稿を透過した光又は前記読取対象原稿から反射した光を結像させる結像手段と、
    前記読取対象原稿に記録された各画像を複数画素に分解して読み取って画像データとして出力する画像センサと、
    前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つを前記結像手段の光軸方向に移動させる移動手段と、
    複数の光学倍率毎に基準被写体に対して前記結像手段による結像位置と前記画像センサの位置とが一致する合焦制御が行われるように前記移動手段を制御することによって得られた合焦位置に関する第1の値を前記複数の光学倍率毎に記憶すると共に、前記読取位置の被写体に対して前記複数の光学倍率のうちの少なくとも1つの所定光学倍率における合焦制御が行われるように前記移動手段を制御することによって得られた少なくとも1つで、且つ前記光学倍率の数より少ない数の第2の値と、該第2の値と該第2の値に対応する前記所定光学倍率における前記第1の値との差分との少なくとも一方を記憶する記憶手段と、
    前記複数の画像の一部又は全部を読み取る際に、前記記憶手段により記憶された前記第1の値と、前記差分及び前記第2の値の何れか一方と、に基づいた位置に前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御する制御手段と、
    を備えた画像読取装置。
  2. 前記制御手段は、前記複数の画像の一部又は全部を読み取る際に、該画像の読み取りに先立って、前記記憶手段に記憶された前記第1の値と、前記差分及び前記第2の値の何れか一方と、に基づいた位置を基準として前記被写体に対する合焦制御が行われるように前記移動手段を制御しかつこの時の合焦位置に関する第3の値を記憶しておき、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、前記第1の値及び前記第3の値に基づいた位置に前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記被写体が前記搬送手段における前記読取対象原稿の搬送路を隔てて1つずつ設けられ、前記搬送路上に前記読取対象原稿の前記光軸方向の変位範囲を前記結像手段の被写界深度の2倍以下に制限するための制限部材を更に備え、
    前記第1の値及び前記第3の値に応じて定まる位置に対して前記変位範囲の2分の1の距離をオフセットすることを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
  4. 前記記憶手段が、前記読取対象原稿と前記読取対象原稿の搬送路を隔てて1つずつ設けられた前記被写体との間の前記光軸方向に対する位置の差分を第4の値として更に記憶すると共に、
    前記制御手段が、次に読み取る画像の光学倍率が現在の光学倍率と異なる場合に、前記第1の値、前記第3の値、及び前記第4の値に基づいた位置に前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御することを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
  5. 前記第1の値を用いた処理を行う際に、このときと前記第1の値を得たときとの温度差に応じて前記第1の値を補正して用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像読取装置。
  6. 読取対象原稿の種類に応じた複数の前記搬送手段を備え、
    前記記憶手段は前記複数の搬送手段毎に前記差分及び前記第2の値の少なくとも一方を記憶することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  7. 読取対象原稿の種類に応じた複数の前記搬送手段を備え、
    前記記憶手段は前記複数の搬送手段毎に前記差分及び前記第2の値の少なくとも一方を記憶し、前記制御手段は使用する搬送手段に対する前記第3の値を記憶することを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項記載の画像読取装置。
  8. 前記基準被写体として前記被写体を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の画像読取装置
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