JP3709303B2 - 画像読取装置及び画像記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置及び画像記録装置に係り、より詳しくは、搬送された状態で写真感光材料からの光を読み取ることにより、写真感光材料に記録された画像を読み取る画像読取装置、及び搬送された状態で写真感光材料からの光を印画紙等の記録用感光材料に照射させることにより、写真感光材料に記録された画像を記録用感光材料に記録する画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真フィルムを所定の位置に位置決めし、写真フィルムが静止状態のときに写真フィルムに記録された画像を読み取る画像読取装置が提案されている。
【0003】
このような画像読取装置において、写真フィルムを冷却するものとして、次の種々の装置が提案されている。
【0004】
即ち、ノズルから、静止状態の写真フィルムにおける照明光のスポットが形成される中心を含む領域を狙って、空気を噴出する装置が提案されている(特開昭62-69257号公報)。これにより、特に、写真フィルムが高温となる高倍率時に冷却に必要な空気を供給でき、写真フィルムの温度を充分に下げることができる。
【0005】
また、ノズルから、写真フィルムの上下両面に気体を吹きつける装置が提案されている(実開昭55-159338 号公報)。これにより、写真フィルムの上下両面が強制冷却されて、写真フィルムの変質を防止することができる。
【0006】
更に、写真フィルム画像がオーバー露光である場合に対応して写真フィルムに照射する光量を多くする場合には、冷却用ファンの駆動モータに印加する電圧を高くし、該光量が少ない場合には、該電圧を低くする装置が提案されている(特開昭63-235923 号公報)。
【0007】
そして、写真フィルムの装着又は未装着のときに、光源の明るさと冷却ファンの回転速度を自動的に制御するものも提案されている(実開昭57-23658号公報)。
【0008】
以上、種々の装置が提案されているが、何れも写真フィルムが静止状態のときに写真フィルムに記録された画像を読み取るものである。
【0009】
ところで、上記のように写真フィルムが静止状態のときに写真フィルムに記録された画像を読み取るものと異なり、写真フィルムに記録された画像を、写真フィルムを搬送しながら読み取る画像読取装置が考えられる。
【0010】
この場合、照明装置としては、照明の効果を考慮し、写真フィルムに、写真フィルムの搬送方向と直交する方向に伸びるスリット状の照明として、読み取りに必要な領域のみに光を照射することが望ましい。
【0011】
そして、本画像読取装置は、スリット光が照射された写真フィルムから透過した光を、写真フィルムの搬送方向と直交する方向に並ぶラインCCDにより画像の読み取りを行う。
【0012】
一般に、スリット光が照射された写真フィルムの画像をラインCCDにより読み取る場合には、例えば、同一画像を同一時間でエリアCCDで読み取るために必要な光量に比較すると、写真フィルムに照射される光量は格段に多く必要となる。特に、高速で搬送しながら画像を読み取る場合には、さらに大光量の照明が必要となり、写真フィルムに与える熱量が多くなるため、写真フィルムの温度が上昇することを抑制する手段が必要となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
昨今、CCDにより写真フィルム画像を取り込み、取り込んだ画像をデジタル処理して印画紙に走査露光する、いわゆるデジタルフォトプリンタが提案されている。
【0014】
これは、写真フィルムに記録された画像情報を光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用の画像情報として、この画像情報に応じて変調した記録光によって感光材料を走査露光して画像(潜像)を記録し、現像処理によってプリントとするものである。
【0015】
デジタルフォトプリンタでは、複数画像の合成や画像の分割等の編集や、文字と画像との編集等のプリント画像の編集レイアウトや、拡大縮小、色/濃度/階調調整、ネガ写真フィルム/ポジ変換、輪郭強調等の各種の画像処理も自由に行うことができる。また、従来の直接露光によるプリントでは、濃度分解能、空間分解能、色/濃度再現性等の点で、写真フィルムに記録されている画像濃度情報をすべて再生することはできないが、デジタルフォトプリンタによれば、写真フィルムに記録されている画像濃度情報をほぼ100 %再生したプリントを得ることができる。
【0016】
さらに、デジタルフォトプリンタによれば、写真フィルムに記録された画像情報や、それに対する画像処理条件を、装置が有するメモリやハードディスク等の外部メモリや外部メディアに記録(保存)しておくことが可能であるので、焼き増し等を行う際に、原画となる写真フィルムが不要であり、また、再度処理条件を設定する必要がないので、迅速かつ効率よく焼き増し等の作業を行うことができる。その他のサービスの形態としては、デジタルカメラ等により記録されたデジタル画像データの編集及びプリンタ等への出力や、写真フィルム画像を外部メディアに記録することや、さらにインターネット機能を利用してデジタル画像データを遠方へ転送する等の応用サービス等も考えられる。
【0017】
このような装置は、一種の生産設備であり、従って、画像の読み取りを短時間に行う、所謂処理能力の高いものが要求され、しかも多様な写真フィルム種、露出レベルのものを高画質に仕上げる必要がある。従って、例えば、オーバー露光されたネガ写真フィルムに対しても、入力された画像を、一定処理能力で、高画質画像データしてと読み取りができるためには、さらに、多くの照明光量が必要となる。
【0018】
また、上記画像読取装置において、カラー画像の読み取りに必要な可視光成分にも熱エネルギーがあることが分かっている。従って、カラー画像の読み取りのための光源は、カット可能な波長領域が自ずと制限され、読み取りに不要な波長成分をカットして照射しても完全な防熱効果は得られず、従って、大光量を照射すると、光量に比例して、写真フィルム原稿に熱エネルギーが蓄積され、写真フィルムの温度上昇が写真フィルム構成材料の許容温度以上となり、写真フィルムが変質する。なお、写真フィルムの変質には、一時的変質(可逆的な退色)や永久変質(非可逆的な退色や写真フィルムベースの変形等)がある。
【0019】
また、ラインCCD等を使った読み取りにおいては、原稿を一定速度で安定に搬送させるため、読取部の搬送ガイド形状を屈曲させることにより、読み取られる写真フィルム原稿の位置安定性を確保している。このように、写真フィルムが搬送ガイド形状を屈曲させた読取部を通過するとき、写真フィルム画像が順次に一部が屈曲する搬送がなされる。そのため、所定光量以上の照射光を写真フィルム屈曲部に与えながら写真フィルムが所定時間以上照射領域に滞留した場合等は、屈曲部の形状が永久変形して残るといった問題が生ずる虞がある。
【0020】
一旦写真フィルムに非可逆的な熱損傷が加わると修復不可能となるため、写真フィルムを保護するといった機能は、装置構成上で最重要課題の1つに数えられるべき機能である。この場合、照明光を有効に照射するだけでは、以上のように写真フィルムに熱損傷を与える虞がある。よって、写真フィルムの温度が高くなることを何らかの方法で抑制する手段が必要となる。
【0021】
一方、写真フィルムに大光量が照射されている状態であっても、写真フィルムの搬送が行われているか、若しくは、写真フィルムへの冷却風が少しでも与えられている状態であれば、写真フィルムの昇温を抑制できることが確認された。
【0022】
本発明は、上記事実に鑑みて成されたもので、写真感光材料の変質を効果的に防止することの可能な画像読取装置及び画像記録装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため本発明に係る画像読取装置は、写真感光材料を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される写真感光材料に光を照射する照射手段と、前記搬送手段により搬送された状態で写真感光材料からの光を読み取る読取手段と、前記写真感光材料の前記光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方を冷却する冷却手段と、 冷却開始条件が成立した場合に前記冷却手段を稼働し、冷却能力減少条件が成立した場合に前記冷却手段の冷却能力を減少する制御手段と、を備え、前記写真感光材料には所定濃度以上の画像が記録されており、前記冷却開始条件は、前記読取手段により前記所定濃度以上の画像からの光が読み取られた場合であり、前記冷却能力減少条件は、前記読取手段により前記所定濃度より小さい濃度の画像からの光が読み取られた場合であるものとしたものである
【0024】
即ち、搬送手段は、写真感光材料を搬送し、照射手段は、搬送手段により搬送される写真感光材料に光を照射する。読取手段は、搬送手段により搬送された状態で写真感光材料からの光を読み取る。
【0025】
冷却手段は、写真感光材料の光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方を冷却する。
【0026】
よって、搬送された状態で写真感光材料からの光を読み取る際に、写真感光材料に照射する光量を多くしても、写真感光材料を冷却するので、写真感光材料の変質を防止することができる。
【0027】
即ち、本発明に係る画像読取装置の好適な構成は次の通りである。即ち、本発明に係る画像読取装置は、写真感光材料を搬送するための搬送手段と、該搬送の方向に配列され、かつ、画像読み取りのための該搬送の方向と交差する方向に伸びる3ラインのCCDと、写真感光材料画像をCCDに投影する手段としてのレンズ装置と、前記搬送手段により搬送される写真感光材料に光を照射する照射手段と、を備えているものである。
【0028】
そして、本発明の特徴としては、前記写真感光材料の前記光が照射されている領域及び該領域の裏面の少なくとも一方を冷却する冷却手段を更に備えている点にある。
【0029】
本発明に係る画像読取装置の好適な態様には、読み取った画像を画像処理して記録画像の露光条件を決定するセットアップ装置、読み取った画像に種々の画像処理を施す画像処理装置、読み取った画像を記録(保存)する記録装置がある。
【0030】
なお、上記3ラインCCDとは、例えば、エリアセンサ等であっても、事実上3ラインCCDと同様の使われ方をする場合には、上記3ラインCCDと表記する。
【0031】
ここで、本発明では、冷却開始条件が成立した場合に冷却手段を稼働し、冷却能力減少条件が成立した場合に冷却手段の冷却能力を減少(停止や小さい能力で稼働する)する制御手段を更に備える。
【0032】
このように、冷却開始条件が成立した場合に冷却手段を稼働し、冷却能力減少条件が成立した場合に冷却手段の冷却能力を減少するので、不必要な場合に、冷却手段を大きな能力で稼働することを防止することができ、冷却手段の長寿命化を図ることができる。
【0033】
ここで、本発明では、写真感光材料に所定濃度以上の画像が記録されている場合、冷却開始条件は、読取手段により所定濃度以上の画像からの光が読み取られた場合であり、冷却能力減少条件は、読取手段により所定濃度より小さい濃度の画像からの光が読み取られた場合としている
【0034】
なお、制御手段は、読取手段により読み取られる画像の濃度に応じて、濃度が大きくなると大きい能力で稼働するように、冷却手段を制御するようにしてもよい。これは、画像濃度が高い部分は、照射条件が同じであっても、低い部分より、温度が高くなることに鑑みたものである。なお、搬送手段が、上記濃度が大きくなると、照射時間を多くするために遅い速度で搬送する場合、制御手段は、搬送手段による搬送速度に応じて、搬送速度が遅くなると大きい能力で稼働するように、冷却手段を制御するようにしてもよい。これは、遅い速度で搬送すると、照明時間が多くなり、写真感光材料の温度が高くなることに鑑みたものである。
【0035】
また、照射手段により光が照射される領域に写真感光材料が有るか否かを検知する検知手段を備え、冷却開始条件は、検知手段により領域に写真感光材料があることが検知された場合であり、冷却能力減少条件は、検知手段により領域に写真感光材料がないことが検知された場合としてもよい。なお、搬送手段が着脱自在に装填可能である場合、検知手段は、搬送手段が装填されているか否かを検知することにより、上記領域に写真感光材料が有るか否かを検知するようにしてもよい。なお、搬送手段が離脱されて、冷却手段による大きな風速の冷却風が利用者等に当たることを防止することができる。
【0036】
更に、写真感光材料への照射光量を絞る絞り手段と、絞り手段による絞り状態が、絞られた光量の照射によって写真感光材料が変質する危険状態であるか否かを検知する絞り状態検知手段と、を備え、冷却開始条件は、絞り状態検知手段により絞り状態が危険状態であることが検知された場合であり、冷却能力減少条件は、絞り状態検知手段により絞り状態が危険状態でないことが検知された場合としてもよい。
【0037】
ここで、本発明では、上記領域及び該領域の裏面の少なくとも一方の近傍の温度を検出する検出手段を更に備え、制御手段は、検出手段により検出された温度に基づいて、上記領域及び該領域の裏面の少なくとも一方が変質しないように、冷却手段を制御するようにしてもよい。
【0038】
なお、制御手段は、写真感光材料が変質しないための耐熱温度(ガラス転移温度)を予め記憶し、検出手段により検出された温度が、耐熱温度より所定値小さい温度以上であるか否かを判断し、検出された温度が、耐熱温度より所定値小さい温度以上である場合に、冷却手段を稼働させるようにしてもよい。
【0039】
なお、制御手段は、上記耐熱温度と検出手段により検出された温度との差に応じて、該差が大きくなれば、即ち、検出手段により検出された温度が上記耐熱温度より低い温度となれば、小さくなる能力で稼働するように冷却手段を制御するようにしてもよい。このように、上記耐熱温度より検出手段によって検出された温度が低い温度となれば、小さくなる能力で冷却手段を稼働するので、不必要に冷却手段を高能力で稼働することを防止でき、冷却手段の長寿命化を図ることができる。
【0040】
ここで、耐熱温度は、写真感光材料の乳剤面よりベース面のほうが低いので、ベース面の耐熱温度を採用するのが好ましい。
【0041】
このように、写真感光材料の光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方の近傍の温度に基づいて、写真感光材料が変質しないように、冷却手段を制御するので、写真感光材料の変質をより確実に防止することができる。
【0042】
ここで、冷却手段を、写真感光材料を冷却するための冷却風を生成する冷却風生成手段と、冷却風生成手段により生成された冷却風を、上記領域及び該領域の裏面の少なくとも一方に案内する案内手段と、により構成してもよい。
【0043】
ここで、冷却風生成手段には、例えば、コンプレッサやファン等がある。なお、コンプレッサにより生成される冷却風は、ファンにより生成される冷却風よりも、流量・流速・風圧的に大きい。写真感光材料に供給される冷却風の流量・流速・風圧等が大きければ大きい程、冷却効率が大きい。よって、コンプレッサにより生成された、ファンによる冷却風より流量・流速・風圧的に大きい冷却風を、写真感光材料の光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方に案内するので、写真感光材料に照射する光量を多くしても、写真感光材料が変質することを防止することができる。
【0044】
更に、本発明では、照射手段は、写真感光材料に対し、該写真感光材料の長手方向と交差する方向に伸びるライン状の光を照射し、冷却手段は、写真感光材料を冷却するための冷却風を生成する冷却風生成手段と、写真感光材料のライン状の光が照射される被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方に、冷却風生成手段により生成された冷却風を案内する案内手段と、により構成してもよい。
【0045】
このように、写真感光材料のライン状の光が照射される被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方に、冷却風生成手段により生成された冷却風を案内するので、冷却風の流量の減少を少なくすることができ、冷却効率を向上させることができる。
【0046】
なお、照射手段は、写真感光材料に対し、該写真感光材料の長手方向と交差する方向に伸びるライン状の光を照射する場合、読取手段は、写真感光材料のライン状の光が照射された領域の一部からの光を読み取る。
【0047】
ここで、案内手段は、被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方に沿って、冷却風が流動するように案内する。これにより、被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方と平行に、冷却風が流動する。
【0048】
また、案内手段は、被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方に全体に渡りかつ斜め方向に冷却風を案内する。これにより、被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方の全体に同時に冷却風が当たる。よって、被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方の全体をむらなく冷却することができるので、上記平行に冷却風を流動する場合より、冷却効率が高い。
【0049】
ところで、上記冷却風生成手段によって生成される冷却風は通常、空気を冷却することにより生成されるが、該空気中には塵埃等が含まれるため、そのままの状態で冷却風を生成した場合には冷却風に塵埃等が含まれることになる。
【0050】
また、冷却風生成手段がコンプレッサである場合には、コンプレッサ内部の摩耗によって樹脂の粉が発生する場合があり、この場合にはコンプレッサから吹出される冷却風に樹脂粉が含まれることになる。
【0051】
このように、塵埃や樹脂粉等が含まれた冷却風によって写真感光材料を冷却した場合、写真感光材料に塵埃等が付着してしまい、この結果として読み取った画像の品質が低下したり、写真感光材料に傷が付いたりする。
【0052】
このことに鑑みて、冷却風生成手段は、エアフィルタを備えることが好ましい。また、冷却風生成手段がコンプレッサである場合には、該コンプレッサの吸気口及び排気口の少なくとも一方にエアフィルタを備えることが好ましい。
【0053】
また、上記目的達成のため本発明に係る画像記録装置は、写真感光材料を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される写真感光材料に光を照射する照射手段と、前記搬送手段により搬送された状態で写真感光材料からの光を記録用感光材料に照射させるように前記写真感光材料からの光を案内する案内手段と、前記写真感光材料の前記光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方を冷却する冷却手段と、冷却開始条件が成立した場合に前記冷却手段を稼働し、冷却能力減少条件が成立した場合に前記冷却手段の冷却能力を減少する制御手段と、を備え、前記写真感光材料には所定濃度以上の画像が記録されており、前記冷却開始条件は、前記案内手段により前記所定濃度以上の画像からの光が案内された場合であり、前記冷却能力減少条件は、前記案内手段により前記所定濃度より小さい濃度の画像からの光が案内された場合であるものとしたものである
【0054】
即ち、搬送手段は、写真感光材料を搬送し、照射手段は、搬送手段により搬送される写真感光材料に光を照射する。案内手段は、搬送手段により搬送された状態で写真感光材料からの光を記録用感光材料に照射させるように写真感光材料からの光を案内する。
【0055】
冷却手段は、写真感光材料の光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方を冷却する。
【0056】
よって、本発明に係る画像記録装置においても、搬送された状態で写真感光材料からの光を記録用感光材料に照射させる際に、写真感光材料に照射する光量を多くしても、写真感光材料を冷却するので、写真感光材料の変質を防止することができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0058】
図1に示すように、本実施の形態に係るラインCCDスキャナ(画像読取装置)14は、画像処理部16、マウス20、2種類のキーボード12A、12B、及びディスプレイ18が設けられた作業テーブル27に備えられている。
【0059】
一方のキーボード12Aは作業テーブル27の作業面27U内に埋設されている。他方のキーボード12Bは、不使用時は、作業テーブル27の引出し24内に収納され、使用時は、引出し24から取り出し、一方のキーボード12A上に重ねる。このとき、キーボード12Bのコードを、画像処理部16に接続されたジャック110に接続する。
【0060】
マウス20のコードは作業テーブル27に設けられた孔108を介して画像処理部16に接続されている。マウス20は、不使用時はマウスホルダ20Aに収納され、使用時はマウスホルダ20Aから取り出し、作業面27U上に載置する。
【0061】
画像処理部16は、作業テーブル27に設けられた収納部16Aに収納され、開閉扉25によって密閉されている。なお、開閉扉25を開放することにより、画像処理部16を取り出すことができるようになっている。
【0062】
ラインCCDスキャナ14は、ネガフィルムやリバーサルフィルム等の写真フィルム等の写真感光材料に記録されている写真フィルム画像を読み取るためのものであり、例えば135サイズの写真フィルム、110サイズの写真フィルム、及び透明な磁気層が形成された写真フィルム(240サイズの写真フィルム:所謂APS写真フィルム)、120サイズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フィルムの写真フィルム画像を読取対象とすることができる。ラインCCDスキャナ14は、上記の読取対象の写真フィルム画像をラインCCDで読み取り、画像データを出力する。
【0063】
ここで、写真フィルムとは、被写体を撮影後、現像処理され、ネガ画像又はポジ画像が可視化されたフィルムをいう。
【0064】
画像処理部16は、ラインCCDスキャナ14から出力された画像データが入力されると共に、入力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を行って、記録用画像データとして、図示しないレーザプリンタ部へ出力する。
【0065】
図2及び図3に示すように、ラインCCDスキャナ14の光学系は、作業テーブル27の下方に配置された、照射手段としての光源部30、作業テーブル27に支持された拡散ボックス40、作業テーブル27にセットされる、搬送手段としてのフィルムキャリア38、及び作業テーブル27を挟んで光源部30の反対側に配置された読取部43を備えている。
【0066】
光源部30は金属製のケーシング31内に収容されており、ケーシング31内部には、ハロゲンランプやメタルハライドランプ等から成るランプ32が配置されている。
【0067】
ランプ32の周囲にはリフレクタ33が設けられており、ランプ32から射出された光の一部はリフレクタ33によって反射され、一定の方向へ射出される。リフレクタ33の側方には、複数のファン34が設けられている。ファン34はランプ32が点灯している間作動され、ケーシング31の内部が過熱状態となることを防止する。
【0068】
リフレクタ33の光射出側には、リフレクタ33からの射出光の光軸Lに沿って、紫外域及び赤外域の波長の光をカットすることで写真フィルム22の温度上昇を防止し読取精度を向上させるUV/IRカットフィルタ35、ランプ32からの光及びリフレクタ33からの射出光の光量を調整する絞り39、及び、写真フィルム22及び読取部43に到達する光の色成分を、写真フィルムの種類(ネガフィルム/リバーサルフィルム)に応じて適切に設定するネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pが嵌め込まれているターレット36(図4(B)も参照)が順に設けられている。
【0069】
絞り39は光軸Lを挟んで配置された一対の板材から成り、一対の板材が接近離間するようにスライド移動可能とされている。図4(A)に示すように、絞り39の一対の板材は、スライド方向に沿った一端側から他端側に向けて、スライド方向に直交する方向に沿った断面積が連続的に変化するように、一端側に切り欠き39Aが各々形成されており、切り欠き39Aが形成されている側が対向するように配置されている。
【0070】
上記構成では、所望の光成分の光となるように、写真フィルムの種類に応じたフィルタ(36N、36P)の何れが光軸L上に位置し、絞り39の位置によって絞り39を通過する光の光量を所望の光量に調整する。
【0071】
拡散ボックス40は、上部になるに従って、即ち、写真フィルム22に近づくに従って、フィルムキャリア38によって搬送される写真フィルム22の搬送方向の長さが狭くなり(図2参照)、該搬送方向に直交する方向(写真フィルム22の幅方向)の長さが広がる(図3参照)形状とされている。また、拡散ボックス40の光入射側及び光射出側には光拡散板(図示せず)が各々取付けられている。なお、上記の拡散ボックス40は、135サイズの写真フィルム用であるが、他の写真フィルムに応じた形状の拡散ボックス(図示せず)も用意されている。
【0072】
拡散ボックス40に入射された光は、フィルムキャリア38(すなわち写真フィルム22)に向けて、写真フィルム22の幅方向を長手方向(搬送方向と交差する方向(本実施の形態では、垂直な方向))とするスリット光とされ、また、光拡散板によって拡散光とされて射出される。このように、拡散ボックス40から射出される光が拡散光とされることにより、写真フィルム22に照射される光の光量むらが低減され、写真フィルム画像に均一な光量のスリット光が照射されると共に、写真フィルム画像に傷が付いていたとしても、この傷が目立ちにくくなる。
【0073】
フィルムキャリア38及び拡散ボックス40は、写真フィルム22の種類毎に用意されており、写真フィルム22に応じて選択される。
【0074】
フィルムキャリア38の上面及び下面における光軸Lに対応する位置には、写真フィルム22の幅方向に写真フィルム22の幅より長い細長い開口(図示しない)が設けられている。拡散ボックス40からのスリット光は、フィルムキャリア38の下面に設けられた該開口を介して写真フィルム22に照射され、写真フィルム22の透過光が、フィルムキャリア38の上面に設けられた該開口を介して、読取部43に到達する。
【0075】
ところで、フィルムキャリア38は、拡散ボックス40からのスリット光が照射される位置(読取位置)で湾曲するように、写真フィルム22をガイドする図示しないガイドが設けられている。これにより、読取位置での写真フィルム22の平面性が確保される。
【0076】
また、拡散ボックス40は、上面が上記読取位置に接近するように支持されている。よって、フィルムキャリア38の装填時にフィルムキャリア38と拡散ボックス40が干渉しないように、フィルムキャリア38の下面には、切り欠け部が設けられている。
【0077】
なお、フィルムキャリアは、プレスキャン時や、ファインスキャン時におけるこれからファインスキャンする写真フィルム画像の濃度等に応じた複数の速度で写真フィルム22を搬送可能なように構成されている。
【0078】
読取部43は、ケーシング44内部に収容された状態で配置されている。ケーシング44の内部には、上面にラインCCD116が取付けられた載置台47が設けられており、載置台47からは支持レール49が複数本垂下されている。支持レール49には、縮小・拡大等の変倍のために作業テーブル27と接近離間する方向Aにスライド移動可能にレンズユニット50が支持されている。作業テーブル27には支持フレーム45が立設されている。載置台47は、支持フレーム45に取り付けられたガイドレール42に、上記変倍やオートフォーカス時に共役長を確保するために作業テーブル27と接近離間する方向Bにスライド移動可能に支持されている。レンズユニット50は複数枚のレンズから成り、複数枚のレンズの間にはレンズ絞り51が設けられている。図4(C)に示すように、レンズ絞り51は略C字状に成形された絞り板51Aを複数枚備えている。各絞り板51Aは光軸Lの周囲に均等に配置され一端部がピンに軸支されており、ピンを中心として回動可能とされている。複数枚の絞り板51Aは図示しないリンクを介して連結されており、レンズ絞り駆動モータ(後述)の駆動力が伝達されると同一の方向に回動する。この絞り板51Aの回動に伴って、光軸Lを中心として絞り板51Aにより遮光されていない部分(図4(C)における略星型の部分)の面積が変化し、レンズ絞り51を通過する光の光量が変化する。
【0079】
ラインCCD116は、CCDセル及びフォトダイオード等の光電変換素子が、写真フィルム22の幅方向(搬送方向と交差する方向(本実施の形態では、垂直な方向))に一列に多数配置されかつ電子シャッタ機構が設けられたセンシング部が、間隔を空けて互いに平行に3ライン設けられており、各センシング部の光入射側にR、G、Bの色分解フィルタの何れかが各々取付けられて構成されている(所謂3ラインカラーCCD)。また、各センシング部の近傍には、多数のCCDセルから成る転送部が各センシング部に対応して各々設けられており、各センシング部の各CCDセルに蓄積された電荷は、対応する転送部を介して順に転送される。
【0080】
またラインCCD116の光入射側には、CCDシャッタ52が設けられている。なお、図4(D)に示すように、このCCDシャッタ52にはNDフィルタ52NDが嵌め込まれている。CCDシャッタ52は、矢印u方向に回転して、暗補正のためにラインCCD116に入射される光を遮光する全閉状態(NDフィルタ52NDが嵌め込まれていない部分52B等が、光軸Lを含む位置52Cに位置する)、通常の読み取りや明補正のためにラインCCD116に光を入射させる全開状態(図4(D)の位置)、リニアリティ補正のためにラインCCD116に入射される光をNDフィルタ52NDによって減光する減光状態(NDフィルタ52NDが位置52Cに位置する)の何れかの状態に切り替わる。
【0081】
図3に示すように、作業テーブル27には、写真フィルム22を冷却するための冷却風を生成するコンプレッサ94が配置されている。コンプレッサ94により生成された冷却風は、案内手段としての案内管(ホース)95によりフィルムキャリア38の図示しない読取部(写真フィルム22の読取領域のベース側に向けて)に案内されて、供給される。これにより、写真フィルム22の読取部に位置する領域を冷却することができる。このように、写真フィルム22のベース側に向けて冷却風を案内することに限定されず、乳剤面側に向けて冷却風を案内したり、ベース側及び乳剤面側双方に冷却風を案内するようにしてもよい。なお、案内管95は、冷却風の流量を検出する流量センサ96を貫通している。なお、コンプレッサ94は、ファンに比較して、生成する冷却風の流量・流速・風圧等が大きい。よって、コンプレッサ94により生成された冷却風を案内管95により、流量・流速・風圧等を維持した状態で、フィルムキャリア38の読取部に案内することができる。従って、コンプレッサ94の配置の自由度が大きい。なお、コンプレッサ94を作業テーブル27内に備えるようにしたが、本発明はこれに限定されず、フィルムキャリア38に設けてもよい。コンプレッサ94は、1個に限定されず、複数備えるようにしてもよい。即ち、作業テーブル27及びフィルムキャリア38各々内に、コンプレッサ94を、少なくとも1つ備えるようにしてもよい。なお、流量センサに限定されず、冷却風の風速を検出するセンサや圧力を検出する圧力センサを設けるようにしてもよい。これらの検出値から流量を推定するようにしてもよい。
【0082】
なお、コンプレッサ94は、リニアピストン型でもよく、ダイヤフロム型でもよい。なお、ダイヤフロム型のコンプレッサは、ゴムなどの弾性のある板状の材質をコイルによる電磁力を利用して前後に動作させ空気を吐出するものである。
【0083】
図5に示したラインCCDスキャナ14の光学系の主要部を参照しながら、ラインCCDスキャナ14及び画像処理部16の電気系の概略構成を、図6を用いて説明する。
【0084】
ラインCCDスキャナ14は、ラインCCDスキャナ14全体の制御を司る、制御手段としてのマイクロプロセッサ46を備えている。マイクロプロセッサ46には、バス66を介してRAM68(例えばSRAM)、ROM70(例えば記憶内容を書換え可能なROM)が接続されていると共に、ランプドライバ53、コンプレッサ94、流量センサ96、及びモータドライバ48が接続されている。ランプドライバ53は、マイクロプロセッサ46からの指示に応じてランプ32を点消灯させる。また、写真フィルム22の写真フィルム画像の読み取りの際、写真フィルム22に冷却風を供給するために、マイクロプロセッサ46は、コンプレッサ94を稼働させる。なお、流量センサ96により冷却風の流量が検出され、マイクロプロセッサ46は、異常を検知する。
【0085】
また、マイクロプロセッサ46には、写真フィルム22の光被照射領域近傍の温度を検出する、検出手段としての温度センサ71及びフィルムキャリア38が装填されているか否かを検出する光学的又は機械的な、装填検出手段としてのキャリア装填検出センサ72が接続されている。温度センサ71は、写真フィルム22の光被照射領域近傍の温度を検出するので、写真フィルムの最も加熱される領域近傍の温度を検出することができる。
【0086】
また、モータドライバ48には、ターレット36のネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pの何れかが光軸Lに位置するようにターレット36を図4(B)矢印t方向に回転駆動するターレット駆動モータ54、ターレット36の基準位置(図示しない切り欠け)を検出するターレット位置センサ55(図4(B)も参照)が接続されている。
モータドライバ48には、更に、絞り39をスライド移動させる絞り駆動モータ56、絞り39の位置を検出する絞り位置センサ57、載置台47(即ち、ラインCCD116及びレンズユニット50)をガイドレール42に沿ってスライド移動させる読取部駆動モータ58、載置台47の位置を検出する読取部位置センサ59、レンズユニット50を支持レール49に沿ってスライド移動させるレンズ駆動モータ60、レンズユニット50の位置を検出するレンズ位置センサ61、レンズ絞り51の絞り板51Aを回動させるレンズ絞り駆動モータ62、レンズ絞り51の位置(絞り板51Aの位置)を検出するレンズ絞り位置センサ63、CCDシャッタ52を全閉状態、全開状態及び減光状態の何れかの状態に切り換えるシャッタ駆動モータ64、シャッタ位置を検出するシャッタ位置センサ65、ファン34を駆動するファン駆動モータ37が接続されている。
【0087】
マイクロプロセッサ46は、ラインCCD116によるプレスキャン(予備読み取り)及びファインスキャン(本読み取り)を行う際に、ターレット位置センサ55及び絞り位置センサ57によって検出されるターレット36及び絞り39の位置に基づき、ターレット駆動モータ54によってターレット36を回転駆動させると共に、絞り駆動モータ56によって絞り39をスライド移動させ、写真フィルム画像に照射される光を調節する。
【0088】
またマイクロプロセッサ46は、写真フィルム画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じてズーム倍率を決定し、写真フィルム画像が前記決定したズーム倍率でラインCCD116によって読み取られるように、読取部位置センサ59によって検出される載置台47の位置に基づき読取部駆動モータ58によって載置台47をスライド移動させると共に、レンズ位置センサ61によって検出されるレンズユニット50の位置に基づきレンズ駆動モータ60によってレンズユニット50をスライド移動させる。
【0089】
なお、ラインCCD116の受光面をレンズユニット50による写真フィルム画像の結像位置に一致させる合焦制御(オートフォーカス制御)を行う場合、マイクロプロセッサ46は、読取部駆動モータ58により載置台47のみをスライド移動させる。この合焦制御は、一例としてラインCCD116によって読み取られた写真フィルム画像のコントラストが最大となるように行う(所謂画像コントラスト法)ことができるが、これに代えて写真フィルム22とレンズユニット50(又はラインCCD116)との距離を赤外線等により測定する距離センサを設け、写真フィルム画像のデータに代えて距離センサによって検出された距離に基づいて行うようにしてもよい。
【0090】
一方、ラインCCD116にはタイミングジェネレータ74が接続されている。タイミングジェネレータ74は、ラインCCD116や後述するA/D変換器82等を動作させるための各種のタイミング信号(クロック信号)を発生する。
ラインCCD116の信号出力端は、増幅器76を介してA/D変換器82に接続されており、ラインCCD116から出力された信号は、増幅器76で増幅されA/D変換器82でディジタルデータに変換される。
【0091】
A/D変換器82の出力端は、相関二重サンプリング回路(CDS)88、インタフェース(I/F)回路90を順に介して画像処理部16に接続されている。CDS88では、フィードスルー信号のレベルを表すフィードスルーデータ及び画素信号のレベルを表す画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素データからフィードスルーデータを減算する。そして、演算結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応する画素データ)を、I/F回路90を介してスキャン画像データとして画像処理部16へ順次出力する。
【0092】
なお、ラインCCD116からはR、G、Bの読取信号が並列に出力されるので、増幅器76、A/D変換器82、CDS88から成る信号処理系も3系統設けられており、I/F回路90からは、スキャン画像データとしてR、G、Bの画像データが並列に、画像処理部16に入力される。
【0093】
更に、画像処理部16には、前述したディスプレイ18、キーボード12A、12B、マウス20、及びフィルムキャリア38が接続されている。
【0094】
次に、本実施の形態に係るラインCCDスキャナ14の作用を説明する。
【0095】
フィルムキャリア38に写真フィルム22が挿入されると、フィルムキャリア38の図示しない写真フィルム識別センサが写真フィルム22を検知し、フィルムキャリア38は、自動的に写真フィルム22の搬送を開始する。
【0096】
これと同時に、ラインCCDスキャナ14は、最適露光条件を求めるための予備読み取り(以下、プレスキャンという)を行うための準備状態に、各部を移行させ、写真フィルム22を所定の一定速度で搬送しながらプレスキャンを行い、写真フィルム22に記録された画像を粗く読み取る。
【0097】
ここで、上記準備状態とは、レンズユニット50によるラインCCD116への投影倍率(光学倍率)の設定、ランプ32からの照射光量の設定、ラインCCD116での読み取り周期(蓄積時間及び転送時間からなる)の設定等を行う状態をいう。
【0098】
また、プレスキャンにおいては、写真フィルム22の処理単位、例えば、写真フィルム22がストリップス状の長尺写真フィルムであれば、ストリップ1本分を一度に同じ装置条件(上記光学倍率、照射光量、読み取り周期等)にて画像を読み取る。
【0099】
プレスキャンが終了すると、プレスキャン時に読み取られた画像をもとに、最適な画質となるような露光条件を求める、所謂、セットアップ演算を行う。また、必要に応じて、プレスキャン時に読み取られた画像を、セットアップにより補正された条件にして、仕上がり状態を示すポジ画像を、ディスプレイ18に表示する。オペレータはモニター上のポジ画像を検定し、必要に応じて、手動で更に画像の濃度、色等に関して補正をかけ、必要に応じてトリミング作業を行い、読み取り画像範囲の指定を行う。更に、印画紙に画像を出力する際には、出力画像サイズ(所謂、プリントサイズ)、出力枚数等も指定する。このようにして全ての条件を整えた上で、オペレータは本読み取り(以下、ファインスキャンという)を行うように、キー入力等により指示する。
【0100】
これにより、プレスキャンにより一旦先端まで搬送された写真フィルム22を、今度は、プレスキャンとは逆方向に搬送しながら、該写真フィルム22に記録された画像をファインスキャンするのに必要な装置状態に移行する。
【0101】
ここで、上記ファインスキャンするのに必要な装置状態とは、写真フィルム22を搬送する搬送速度の設定、上記光学倍率の設定、上記照射光量の設定、上記読み取り周期の設定等を行う状態をいう。これにより、これから読み取る画像1駒毎に最適な露光条件が設定される。
【0102】
そして、上記装置状態への移行完了後、ラインCCDスキャナ14は、フィルムキャリア38を制御して写真フィルム22を、プレスキャンとは逆方向に搬送しながら、該写真フィルム22に記録された画像を、1駒毎に、指定された露光条件にてファインスキャンする。
【0103】
上記ファインスキャンによりラインCCD116により読み取られて得られた画像信号は、増幅器76により増幅され、A/D変換器82によりディジタルデータ(画像データ)に変換される。
【0104】
上記画像データは、CDS88により、3本のラインCCD116相互の読み取った主走査方向のラインのずれ(所謂、色ずれ)が補正されて、インタフェース(I/F)回路90を介して画像処理部16に入力される。なお、画像処理部16内の図示しない拡縮回路により、所定の画素数に変換され、最終的な画像データを得る。なお、この画像データを、本発明とは別の画像記録装置へ転送し、印画紙に画像を走査露光し、現像処理することにより、所望の写真プリントを得る。
【0105】
以上説明した作用時において、写真フィルム22がフィルムキャリア38に挿入されたときや写真フィルム22がフィルムキャリア38により搬送される場合において、プレスキャン開始と同時にかつ写真フィルム22が搬送されている間、写真フィルム22を冷却する。即ち、コンプレッサ94を稼働させる。一方、ファインスキャンの終了や写真フィルム22が読取領域から離脱したことが検知されたとき、写真フィルム22の冷却を停止する。即ち、コンプレッサ94の稼働を停止する。
【0106】
ここで、写真フィルム22の冷却は、最初は弱冷却状態から徐々に強冷却状態に移行し、該冷却の停止は、強冷却状態から徐々に弱冷却状態に移行するようにしてもよい。即ち、冷却を完全に停止せず、弱冷却状態を継続して、次の写真フィルム22の挿入に応じて直ちに対応することができるようにしてもよい。
【0107】
冷却する際は、電圧を変化させることで冷却能力が可変する冷却手段を用いる場合には、電圧を制御し、インバータ方式で冷却能力が可変する冷却手段を用いる場合には、インバータ手段を制御して、冷却状態を制御する。また、吹き出し口であるノズル部分の開口形状を開閉することで、冷却状態を制御するようにしてもよい。
【0108】
以上の作用を、図7を参照して更に説明する。即ち、図7(A)には、35[mm]サイズの写真フィルム22(ストリップス)の一連の駒画像77を読み取って、順次プリント画像とする、所謂同時プリント画像に対応した読み取りの基本動作が示されている。なお、図7(B)には、特定駒画像(高濃度駒)が写真フィルム22の中に混在している場合の読み取りの動作(主に、搬送速度)が示されている。即ち、特定駒画像を読み取る際の搬送速度は、特定駒画像以外の画像を読み取る際の搬送速度(高速)より、低速になる。なお、高濃度か否か等の情報は、プレスキャンにより得られる。
【0109】
なお、実際は、写真フィルム22の各部が読取位置を通過するように搬送されるものであるが、図7(A)、図7(B)には、読取位置が写真フィルム22に対して相対的に移動するように示している。
【0110】
以上のように、一連の画像の読み取りを行う場合、プレスキャンとファインスキャンの間に、搬送方向逆転のために、照明領域が所定の写真フィルム位置Pで所定時間滞留する。また、特定駒画像を読み取る際の搬送速度を、特定駒画像以外の画像を読み取る際の搬送速度より低速にする、即ち、搬送速度を切り換えるために、照明領域が所定位置Qで所定時間滞留する。
【0111】
本実施の形態では、上記事実に鑑み、照明領域が所定位置で所定時間滞留する場合、絞り39を所定量絞ることにより、写真フィルム22への照射光量を減少させて、写真フィルム22が過熱状態となることを防止している。
【0112】
図8には、写真フィルム22への照射時間と写真フィルムの温度との関係を、400Wのハロゲンランプ(ランプ32)、読み取り位置における冷却風速が0〜10[m/s]、冷却風温度を室温の条件で、テストした結果が示されている。
【0113】
縦軸には、写真フィルム22の温度をとり、80°C、107°C、113°Cの各横軸に平行なラインはそれぞれ、照射領域の最終到達温度目標値、35[mm]サイズ写真フィルムのTACベース材料のガラス転移温度、及びAPSサイズ写真フィルムのPENベース材料のガラス転移温度を示す。横軸は照射時間であり、照射領域の搬送方向の長さと搬送速度とにより変わる値である。
【0114】
図8に示した写真フィルム22への照射時間と写真フィルムの温度との関係から次の点を理解することができる。
【0115】
第1に、冷却風のない状態(V=0[m/s])では、写真フィルムの温度を80°C以下に保つためには、2.5[s]以下の短い照射時間しか許容されない。
【0116】
第2に、冷却風が、V=4[m/s]の場合には、写真フィルムの温度を80°C以下に保つのに5[s]近くまで照射時間が許容される。なお、更に、冷却風が、V=6[m/s]以上の場合には、写真フィルムが停止していても写真フィルムの温度を80°C以下に保つことができる。
【0117】
第3に、冷却風の風速が低い状態(V=4[m/s]以下)では、写真フィルム22が照射領域に長時間停止(上記滞留)する場合には、写真フィルム22を、温度80°C以下に保つためには、更に別の昇温抑制対策が必要となる。
【0118】
ここで、写真フィルム22が変質しない耐熱温度としては、写真フィルム22のベース面側のガラス転移温度Tg より所定値小さい温度とすることができる。
ベース面側のガラス転移温度Tg としたのは、写真フィルム22の乳剤面側の変質温度は、ベース面側のガラス転移温度Tg より高いためである。写真フィルム22の温度がベース面側のガラス転移温度Tg 以上となった場合は、ベース面側の素材が流動状態となることにより変形(変質)が生じる。一方、ガラス転移温度Tg より所定値小さい温度としたのは、写真フィルム22をベース面側を内側にして屈曲させた状態で熱を与えた場合には、上記ガラス転移温度Tg に満たない温度であっても徐々に変形が進行する、所謂クリープ現象が発生し、更に、熱を与えた時間が長いほど変形量が増大するということが本発明者の実験等により確かめられたことに鑑みたものである。従って、写真フィルム22の許容温度を考慮した場合、このクリープ現象も考慮に入れ、ガラス転移温度Tg よりも更に下回る温度を超えないようにしている。
【0119】
よって、ガラス転移温度Tg よりも更に下回る温度を超えないように、写真フィルム22を冷却するようにしてもよい。
【0120】
図9には、主電源が投入されたときにスタートする温度制御ルーチンが示されている。なお、本温度制御ルーチンは、写真フィルム22に記録された画像の読み取り時や非読み取り時に関係なく、実行される。
【0121】
即ち、図9のステップ112で、写真フィルム22の温度Tを検出する。ステップ114で、写真フィルム22の温度Tが、所定のしきい値Tth以上か否かを判断する。しきい値Tthは、写真フィルム22のベース面の耐熱温度T0 (上記ガラス転移温度Tg )より、クリープ現象も考慮に入れた所定値t小さい温度である(T0 −t)。
【0122】
写真フィルム22の温度Tがしきい値Tth以上の場合には、ステップ116で、コンプレッサ94を稼働させる。よって、コンプレッサ94により生成された冷却風が、案内管95を介して、写真フィルム22の読取領域のベース側に案内されて、冷却される。
【0123】
なお、冷却風の温度を検出する温度センサやペルチエ素子を備え、冷却風の温度を管理するようにしてもよい。
【0124】
また、写真フィルム22の読取領域における冷却風の風速は、0.5[m/s]〜10[m/s]、好ましくは、2[m/s]〜8[m/s]である。即ち、写真フィルム22の搬送速度及び読取領域の搬送方向の長さから得られる、写真フィルム22の各部が読取領域を通過する時間(照射時間)と、図8のテスト結果と、から、写真フィルム22の温度Tがしきい値Tthとなるための風速を選ぶようにする。なお、冷却風の風速が10[m/s]を超える場合では、冷却効率からいっても必ずしも効果的ではなく、また、写真フィルムの冷却風による振動、冷却風の吹き出し口の風切り音やコンプレッサ等の冷却手段の騒音、消費電力が多く必要となる等の弊害が多く発生する。
【0125】
なお、写真フィルム22の温度Tがしきい値Tth未満の場合には、ステップ118で、コンプレッサ94の作動を停止させる。なお、停止することに限定されず、小さい能力で稼働するようにしてもよい。
【0126】
このように、コンプレッサにより生成された冷却風(ファンによる冷却風より流量・流速・風圧的に大きい)を、搬送される写真フィルムの光が照射される領域に案内するので、写真フィルムに照射する光量を多くしても、写真フィルムが変質することを防止することができる。即ち、本実施の形態では、大光量のスリット光が照射される領域に、写真フィルムを搬送し、写真フィルムのスリット光が照射される領域(非照射領域より高温になる)に冷却風を噴射する点で、上記従来技術のような、写真フィルムが静止状態のときに写真フィルムに記録された画像を読み取るものと大きく相違する。
【0127】
なお、写真フィルムのベース面の耐熱温度T0 を考慮してしきい値Tthを定めているので、写真フィルムの近傍の温度が乳剤面の耐熱温度より低くてもベース面の耐熱温度より大きくなって変質することを防止することができる。
【0128】
以上説明したように温度制御(図9参照)及び照明領域が所定位置で所定時間滞留する場合に絞り39を所定量絞るようにしているので、写真フィルムの搬送状態がいかなる状態であっても、写真フィルムの温度が上記しきい値以下とすることができる。
【0129】
ここで、前述した実施の形態では、温度制御ルーチンを主電源投入時にスタートするようにしている、即ち、冷却開始条件として主電源投入としているが、本発明はこれに限定されず、次のようにしてもよい。
【0130】
即ち、図10には、主電源投入時から所定時間毎に繰返実行される温度制御ルーチンが示されている。
【0131】
図10のステップ122では、キャリア装填検出センサ72がオンか否かを判断する。キャリア装填検出センサ72がオンの場合(光が照射される領域に写真フィルムがあると判断できる場合)、即ち、フィルムキャリア38が装填された場合には、これから写真フィルム22が搬送されて、写真フィルム22に記録された画像が読み取られることになる。そこで、ステップ124で、温度制御(図9の内容)を実行する。
【0132】
このように、冷却開始条件としてキャリア装填検出センサ72がオンの場合、即ち、写真フィルム22に記録された画像を読み取る前から、コンプレッサ94を稼働させる。
【0133】
一方、キャリア装填検出センサ72がオフの場合には、フィルムキャリア38が離脱されたので、写真フィルム22の画像を読み取る必要がない、即ち、写真フィルム22に光が照射されないので、冷却する必要がない。そこで、ステップ126で、温度制御をストップする。
【0134】
なお、このように、冷却能力減少条件としてフィルムキャリア38が離脱された場合に温度制御をストップするので、必要なときにのみ写真フィルムを冷却することができ、消費電力を軽減することができる。更に、不要な冷却風が利用者に当たることを防止することができる。
【0135】
なお、写真フィルム22に記録された画像を読み取る前から、コンプレッサ94を稼働することに限定されず、写真フィルム22に記録された画像を読み取るときに、コンプレッサ94を稼働するようにしてもよい。
【0136】
更に、図11には、ファインスキャン時に実行する温度制御ルーチンが示されている。即ち、所定濃度以上の画像を読み取る際に、温度制御をするものである。
【0137】
図11のステップ132で、写真フィルム22に記録された複数の画像を識別する変数kを初期化し、ステップ134で、変数kを1インクリメントし、ステップ136で、変数kで識別される画像コマkが読取位置より所定距離前の位置に位置するか否かを判断する。
【0138】
画像コマkが読取位置より所定距離前の位置に位置する場合に、ステップ138で、冷却開始条件として画像コマkが所定濃度、例えば、高濃度(その他、中濃度等でもよい)か否かを判断する。なお、画像コマkが高濃度が否かは、プレスキャン時に読み取った画像データ(画像処理部16より取り込む)に基づいて判断することができる。
【0139】
このように、冷却開始条件として画像コマkが所定濃度か否かとしているは、前述したように、所定濃度、例えば、高い濃度になるに従って写真フィルム22の搬送速度が遅くなり、搬送速度が遅くなるに従って写真フィルム22への照射光量が多くなり、より多く加熱されるからである。
【0140】
画像コマkが高濃度の場合には、ステップ140で、温度制御(図9参照)をスタートし、画像コマkが高濃度でない場合には、ステップ142で、温度制御をストップする。
【0141】
そして、ステップ144で、変数kが総画像コマ数k0 に等しいか否かを判断し、変数kが総画像コマ数k0 に等しくない場合には、以上の処理(ステップ134〜144)を実行し、変数kが総画像コマ数k0 に等しい場合には、本ルーチンを終了する。
【0142】
ところで、コンプレッサ94をノーマル稼働するようにしてもよいが、図12に示すように、写真フィルム搬送速度に応じて冷却風の速度を変化させて、稼働するようにしてもよい。
【0143】
即ち、ステップ152で、写真フィルム22の搬送速度を取り込み、ステップ154で、搬送速度−稼働能力テーブル(表1)から、取り込んだ写真フィルム搬送速度に対応する稼働能力を取り込み、ステップ156で、取り込んだ稼働能力で、コンプレッサ94を稼働させる。
【0144】
即ち、写真フィルム搬送速度が遅くなればなる程、写真フィルム22の温度が高くなるので、これに応じて、稼働能力(冷却風速)が定められている。即ち、写真フィルム搬送速度が小さくなれば大きくなる能力を、直線的に又は段階的に定めるテーブル(表1(段階的に定めるテーブルの例))を備えて、処理するようにしてもよい。
【0145】
【表1】
Figure 0003709303
【0146】
フィルムキャリア38は、前述したように、プレスキャン時や、ファインスキャン時におけるこれからファインスキャンする写真フィルム画像の濃度等に応じた複数の速度で写真フィルム22を搬送するので、以上の処理は、写真フィルム搬送速度に応じて、必要能力でコンプレッサ94を稼働するようにしたものである。
【0147】
なお、キャリア装填検出センサ72からの信号に基づいて、フィルムキャリア38が装填されているか否か、即ち、光が照射される領域に写真フィルム22があるか否かを判断しているが、本発明はこれに限定されず、光が照射される領域に写真フィルム22があるか否かは、フィルムキャリア38からの先端検出信号を入力した場合やキーボードのスキャンスタートのキー入力があるか否かにより判断するようにしてもよい。
【0148】
さらに、冷却開始条件及び冷却能力減少条件か否かとして、絞り位置センサ57により検出された絞り39の位置が、絞り39を介して写真フィルム22に照射された光量で写真フィルム22が変質する位置か否かを判断するようにしてもよい。
【0149】
なお、インターロックや制御線の切断等を判断して光源部30のケーシング31等が開放されたことが検知された場合には、コンプレッサ94を停止し、かつ、ランプ32を消灯するようにしてもよい。
【0150】
また、しきい値Tthから写真フィルム22の温度Tを引いた差やベース面の耐熱温度T0 から写真フィルム22の温度Tを引いた差の大きさに応じて、該差が大きければ小さくなる能力でコンプレッサ94を稼働するようにしてもよい。このように、しきい値Tthより写真フィルム22の温度Tがより低い温度となれば、小さくなる能力でコンプレッサを稼働すれば、不必要にコンプレッサを高能力で稼働することを防止でき、コンプレッサの長寿命化を図ることができる。なお、この場合、差が大きければ小さくなる能力を、直線的に又は段階的に定めるテーブルを備えて、上記処理するようにしてもよい。
【0151】
また、以上説明した実施の形態では、エアフィルタを備えないコンプレッサ94によって冷却風を生成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図13に示すように、コンプレッサ94の吸気口にエアフィルタ94Aを、排気口にエアフィルタ94Bを、各々設ける形態とすることもできる。この場合、冷却風に含まれる塵埃や樹脂粉等を除去することができるので、写真フィルム22に対する塵埃等の付着を防止することができ、この結果として読み取った画像の品質を向上することができると共に、写真フィルム22への傷の発生を防止することができる。
【0152】
また、以上説明した実施の形態では、案内管95は写真フィルムに斜めから冷却風が当たるように案内しているが、本発明はこれに限定されず、図14及び図15に示すように、案内管95の先端をフィルムキャリア38内に到達させ(図14)、かつ、写真フィルム22の読取領域Rに沿って平行に冷却風が流動するように案内(図15(A)参照)するようにしてもよい。即ち、案内管95を、写真フィルム22より外でかつ写真フィルム22の長手方向と垂直な方向に、先端が読取領域R近傍に位置するように、配置している。なお、図15(B)に示すように、写真フィルム22の片面側の読取領域Rに沿って平行に冷却風が流動するように案内するようにしてもよく、図15(C)に示すように、写真フィルム22の両面の読取領域Rに沿って平行に冷却風が流動するように案内するようにしてもよい。
【0153】
この形態において、前述したようにコンプレッサ94にエアフィルタ94A及び94Bを設ける場合には、例えば図16に示すように構成することができる。
【0154】
また、図17に示すように、案内管95は、写真フィルム22の読取領域Rに全体に渡りかつ斜め方向に冷却風を案内する形態とすることもできる。即ち、案内管95を、写真フィルム22より上方の位置に写真フィルム22の長手方向と垂直な方向に配置し、かつ、案内管95の読取領域Rに対応する部分に、読取領域Rに沿って伸びるスリット95Sを設けている。よって、スリット95Sを介して冷却風が、写真フィルム22の読取領域Rに、全体に渡りかつ斜め方向から当たる。なお、スリット95Sに限定されず、図17(C)に示すように、案内管95の読取領域Rに対応する部分に、一列に複数の孔を設けてもよい。
【0155】
なお、案内管95の読取領域Rに対応する部分に、スリット95Sが設けることに限定されず、図18に示すように、写真フィルム22より上方の位置に、先端が読取領域Rに向かうように複数の管95A、95B、・・・を配置するようにしてもよい。なお、複数の管95A、95B、・・・を配置することに限定されず、1つの管を、該管からの冷却風が読取領域R全体に当たるように、所定距離離間して配置するようにしてもよい。
【0156】
なお、前述した実施の形態では、流量センサを備えたが、本発明はこれに限定されず、冷却風の風速を検出するセンサや圧力を検出するセンサを備えるようにしてもよい。
【0157】
なお、前述した例では、コンプレッサを用いているが、本発明はこれに限定されず、温度制御する際、ファンにより生成された冷却風を用いても良い。
【0158】
また、前述した例では、冷却風を直接写真フィルムに当てているが、本発明はこれに限定されず、写真フィルムを一対の透明な支持板(例えば、ガラス板)で挟み、支持板を介して写真フィルムを冷却するようにしてもよい。
【0159】
なお、冷却風を写真フィルムに吹き付けるだけでなく、フィルムキャリア内に、冷却風を効果的に照明領域に導きかつ抵抗なく吹き付ける通風路を設けると、更に効果的である。
【0160】
なお、以上説明したバランスフィルタは一枚の構成のもの(ターレット(図4(B)参照)に限定されず、図19に示すように、赤光を吸収するシアンフィルタ用のターレット36C、緑光を吸収するマゼンタフィルタ用のターレット36M、及び青紫光を吸収するイエローフィルタ用のターレット36Yにより構成してもよい。ターレット36Cは、濃度の異なる複数のシアンフィルタ36C1、36C2、36C3が嵌め込まれている。なお、シアンフィルタ36C1、36C2、36C3の順に濃度が濃くなっている。その他のターレット36M、36Yも同様の構成となっている。そして、各ターレット36C、36M、36Yは、各ターレットの選択されたフィルタ各々が光軸L上で重なるように、回転可能に支持されている。
【0161】
なお、本発明は、写真フィルム画像にスリット状の照明光を与える装置、例えば、スリット露光方式の写真露光装置にも適用可能である。
【0162】
図20には、この種の写真露光装置の光学系における主要部の構成例が示されている。同図に示すように、この写真露光装置200は、図5に示した上記実施の形態に係るラインCCDスキャナ14とほぼ同様の構成とされているが、CCDシャッタ52が設けられていない点、及び写真フィルム22からの光を印画紙204に照射させるように写真フィルム22からの光を案内するミラー202が設けられている点がラインCCDスキャナ14と異なっている。写真露光装置200が本発明の画像記録装置に、ミラー202が本発明の案内手段に、印画紙204が本発明の記録用感光材料に、各々相当する。
【0163】
この写真露光装置200では、写真フィルム22と印画紙204とを相対的に移動しつつ、写真フィルム22からのスリット光をミラー202により印画紙204に案内してスリット露光する。
【0164】
本発明は、このようなアナログプリンタにも適用することができる。この場合にも、上述した各種の形態を採ることができることは言うまでもない。
【0165】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る画像読取装置は、写真感光材料を冷却するので、搬送された状態で写真感光材料からの光を読み取る際に、写真感光材料に照射する光量を多くしても、写真感光材料の変質を防止することができる、という効果を有する。
【0166】
また、本発明は、冷却開始条件が成立した場合に冷却手段を稼働し、冷却能力減少条件が成立した場合に冷却手段の冷却能力を減少するので、不必要な場合に、冷却手段を大きな能力で稼働することを防止することができ、冷却手段の長寿命化を図ることができる、という効果を有する。
【0167】
更に、本発明は、写真感光材料の光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方の近傍の温度に基づいて、写真感光材料が変質しないように、冷却手段を制御するので、写真感光材料の変質をより確実に防止することができる、という効果を有する。
【0168】
また、本発明は、冷却風生成手段により生成された、流量・流速・風圧的に大きい冷却風を、写真感光材料の光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方に案内するので、写真感光材料に照射する光量を多くしても、写真感光材料が変質することを防止することができる、という効果を有する。
【0169】
また、本発明は、写真感光材料のライン状の光が照射される被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方に、冷却風生成手段により生成された冷却風を案内するので、冷却風の流量の減少を少なくすることができ、冷却効率を向上させることができる、という効果を有する。
【0170】
更に、本発明は、冷却風生成手段にエアフィルタを備えているので、写真感光材料に対する塵埃等の付着を防止することができ、この結果として読み取った画像の品質を向上することができると共に、写真感光材料への傷の発生を防止することができる、という効果を有する。
【0171】
また、本発明に係る画像記録装置は、写真感光材料を冷却するので、搬送された状態で写真感光材料からの光を記録用感光材料に照射させる際に、写真感光材料に照射する光量を多くしても、写真感光材料の変質を防止することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラインCCDスキャナの外観図である。
【図2】ラインCCDスキャナの光学系の正面断面図である。
【図3】ラインCCDスキャナの光学系の側面断面図である。
【図4】(A)は絞り、(B)はターレット、(C)はレンズ絞り、(D)はCCDシャッタの一例を各々示す平面図である。
【図5】ラインCCDスキャナの光学系の主要部のみを示した図である。
【図6】ラインCCDスキャナの電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図7】プレスキャン及びファインスキャンの様子を示した概念図である。
【図8】写真フィルムへの照射時間と写真フィルムの温度との関係を示したグラフである。
【図9】温度制御ルーチンを示したフローチャートである。
【図10】変形例に係る温度制御ルーチンを示したフローチャートである。
【図11】他の変形例に係る温度制御ルーチンを示したフローチャートである。
【図12】コンプレッサの稼働制御ルーチンを示したフローチャートである。
【図13】コンプレッサにエアフィルタを設けた場合のラインCCDスキャナの光学系の主要部のみを示した図である。
【図14】変形例に係るラインCCDスキャナの光学系の主要部のみを示した図である。
【図15】(A)及び(B)は、案内管の一例を示した斜視図及び断面図であり、(C)は案内管の変形例を示した断面図である。
【図16】図14に示した形態におけるコンプレッサにエアフィルタを設けた場合のラインCCDスキャナの光学系の主要部のみを示した図である。
【図17】(A)及び(B)は、案内管の他の例を示した斜視図及び断面図であり、(C)は案内管の更に他の変形例を示した斜視図である。
【図18】案内管の更に他の例を示した斜視図である。
【図19】ターレットの変形例を示す図である。
【図20】写真露光装置の光学系の主要部のみを示した図である。
【符号の説明】
14 ラインCCDスキャナ
22 写真フィルム
30 光源部(照射手段)
32 ランプ
36 ターレット
38 フィルムキャリア(搬送手段)
39 絞り
40 拡散ボックス
46 マイクロプロセッサ(制御手段)
50 レンズユニット
72 キャリア装填検出センサ(装填検出手段)
94 コンプレッサ(冷却風生成手段(冷却手段))
94A、94B エアフィルタ
95 案内管(案内手段(冷却手段))
116 ラインCCD(読取手段)
200 写真露光装置(画像記録装置)
202 ミラー(案内手段)
204 印画紙(記録用感光材料)

Claims (11)

  1. 写真感光材料を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される写真感光材料に光を照射する照射手段と、
    前記搬送手段により搬送された状態で写真感光材料からの光を読み取る読取手段と、
    前記写真感光材料の前記光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方を冷却する冷却手段と、
    冷却開始条件が成立した場合に前記冷却手段を稼働し、冷却能力減少条件が成立した場合に前記冷却手段の冷却能力を減少する制御手段と、
    を備え
    前記写真感光材料には所定濃度以上の画像が記録されており、
    前記冷却開始条件は、前記読取手段により前記所定濃度以上の画像からの光が読み取られた場合であり、前記冷却能力減少条件は、前記読取手段により前記所定濃度より小さい濃度の画像からの光が読み取られた場合である
    画像読取装置。
  2. 前記搬送手段は着脱自在に装填可能であり、
    前記搬送手段が装填されているか否かを検知することにより、前記照射手段により光が照射される領域に前記写真感光材料が有るか否かを検知する検知手段を備え、
    前記冷却開始条件は、前記検知手段により前記領域に前記写真感光材料があることが検知された場合であり、前記冷却能力減少条件は、前記検知手段により前記領域に前記写真感光材料がないことが検知された場合である請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記写真感光材料への照射光量を絞る絞り手段と、
    前記絞り手段による絞り状態が、絞られた光量の照射によって写真感光材料が変質する危険状態であるか否かを検知する絞り状態検知手段と、
    を備え、
    前記冷却開始条件は、前記絞り状態検知手段により前記絞り状態が危険状態であることが検知された場合であり、前記冷却能力減少条件は、前記絞り状態検知手段により前記絞り状態が危険状態でないことが検知された場合である請求項1記載の画像読取装置。
  4. 前記領域及び該領域の裏面の少なくとも一方の近傍の温度を検出する検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記検出手段により検出された温度に基づいて、前記領域及び該領域の裏面の少なくとも一方が変質しないように、前記冷却手段を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像読取装置。
  5. 前記冷却手段は、
    前記写真感光材料を冷却するための冷却風を生成する冷却風生成手段と、
    前記冷却風生成手段により生成された冷却風を、前記写真感光材料の前記光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方に案内する案内手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像読取装置。
  6. 前記照射手段は、前記写真感光材料に対し、該写真感光材料の長手方向と交差する方向に伸びるライン状の光を照射し、
    前記冷却手段は、
    前記写真感光材料を冷却するための冷却風を生成する冷却風生成手段と、
    前記写真感光材料の前記ライン状の光が照射される被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方に、前記冷却風生成手段により生成された冷却風を案内する案内手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像読取装置。
  7. 前記案内手段は、前記被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方に沿って、前記冷却風が流動するように案内する請求項6記載の画像読取装置。
  8. 前記案内手段は、前記被照射領域及び該被照射領域の裏面の部分の少なくとも一方に全体に渡りかつ斜め方向に前記冷却風を案内する請求項6記載の画像読取装置。
  9. 前記冷却風生成手段は、コンプレッサであることを特徴とする請求項5乃至請求項8の何れか1項に記載の画像読取装置。
  10. 前記冷却風生成手段は、エアフィルタを備えることを特徴とする請求項5乃至請求項9の何れか1項に記載の画像読取装置。
  11. 写真感光材料を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される写真感光材料に光を照射する照射手段と、
    前記搬送手段により搬送された状態で写真感光材料からの光を記録用感光材料に照射させるように前記写真感光材料からの光を案内する案内手段と、
    前記写真感光材料の前記光が照射される領域及び該領域の裏面の少なくとも一方を冷却する冷却手段と、
    冷却開始条件が成立した場合に前記冷却手段を稼働し、冷却能力減少条件が成立した場合に前記冷却手段の冷却能力を減少する制御手段と、
    を備え
    前記写真感光材料には所定濃度以上の画像が記録されており、
    前記冷却開始条件は、前記案内手段により前記所定濃度以上の画像からの光が案内された場合であり、前記冷却能力減少条件は、前記案内手段により前記所定濃度より小さい濃度の画像からの光が案内された場合である
    画像記録装置。
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