JP2000089374A - 画像読取装置及び合焦制御方法 - Google Patents

画像読取装置及び合焦制御方法

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JP2000089374A
JP2000089374A JP11198998A JP19899899A JP2000089374A JP 2000089374 A JP2000089374 A JP 2000089374A JP 11198998 A JP11198998 A JP 11198998A JP 19899899 A JP19899899 A JP 19899899A JP 2000089374 A JP2000089374 A JP 2000089374A
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JP11198998A
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English (en)
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Yasunobu Sakaguchi
恭伸 阪口
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像読み取りに要する時間が短く、かつ読取
対象原稿の主走査方向の反りに対しても効果的な合焦状
態を設定することができる画像読取装置を得る。 【解決手段】 写真フィルム22上のフィルム画像にお
ける主要被写体領域150の主走査方向両端近傍に位置
する領域152A及び152Cと、主走査方向中心を含
む領域152Bとの各々の領域における合焦位置を各々
仮合焦位置154A、154C、154Bとして検出
し、仮合焦位置154A、154B、154Cに基づい
て最終的な合焦位置156を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像読取装置及び
合焦制御方法に係り、特に、写真フィルム等の画像が記
録された読取対象原稿の画像を読み取る画像読取装置及
び該画像読取装置に適用される合焦制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真フィルムに記録されてい
るフィルム画像を、結像手段、画像センサ等を備えた画
像読取装置によって読み取り、該読み取りによって得ら
れた画像データに対して各種の補正等の画像処理を行っ
た後に、記録材料への画像の記録やディスプレイへの画
像の表示等を行う画像処理システムが知られている。な
お、ここでいう写真フィルムとは、被写体を撮影後、現
像処理され、ネガ画像又はポジ画像が可視化されたフィ
ルムをいう。
【0003】この種の画像処理システムで用いられる画
像読取装置には、写真フィルムの種類毎に用意されたフ
ィルムマウントに写真フィルムを保持した、所謂スライ
ドを読み取ることができるものがあり、この画像読取装
置では、高品質な画像データを得ることを目的として、
読取対象とするスライドのフィルム画像に対して、結像
手段による結像位置と画像センサの受光位置とが一致す
るように制御する合焦制御(オートフォーカス制御)が
行われている。
【0004】ところが、写真フィルムは一般に反りが発
生しやすいので、フィルムマウントに保持された状態で
あっても反りを持っている場合が多く、このような反り
を持った写真フィルムに対して合焦制御を行った場合、
フィルム画像の特定の位置に対しては最適な合焦状態を
設定することができるものの、その他の位置については
焦点が合わない状態となる。
【0005】この問題点を解決するために適用し得る技
術として、特開平4−198929号公報には、画像セ
ンサとしてラインCCDを備え、該ラインCCDによっ
てフィルム画像の主走査方向(ラインCCDの各画素の
配列方向)の1ライン分の画像を読み取ると共に、該読
み取りと同期して1ラインに相当する距離だけ写真フィ
ルムを副走査方向に移動することを繰り返すことによっ
て1画像分の画像を読み取るフィルム画像読取り装置に
おいて、フィルム画像の読み取りを開始する前に、フィ
ルム画像の副走査方向の複数の位置における合焦位置を
検出した後に各合焦位置に基づいて上記複数の位置の間
の各位置における合焦位置を近似や補完によって算出
し、フィルム画像の読み取りを行う場合には、フィルム
画像を副走査方向に移動する毎に、予め算出しておいた
フィルム画像上の副走査方向の各位置における合焦位置
となるように結像手段及び画像センサを移動させる焦点
調整を繰り返して行うことによって、写真フィルムの副
走査方向に対する合焦状態を常に維持する技術が記載さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平4−198929号公報記載の技術では、副走査方
向に写真フィルムを移動する毎に合焦状態の設定を行っ
ているので、画像読み取りに要する時間が長くなると共
に、写真フィルムの副走査方向における反りに対しては
効果があるものの、主走査方向における反りに対しては
効果がない、という問題点があった。
【0007】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、画像読み取りに要する時間が短く、か
つ読取対象原稿の主走査方向の反りに対して効果的な合
焦状態を設定することができる画像読取装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の画像読取装置は、画像が記録された
読取対象原稿を照明する光源と、前記読取対象原稿を透
過した光又は前記読取対象原稿から反射した光を結像さ
せる結像手段と、前記読取対象原稿に記録された画像を
複数画素に分解して読み取って画像データとして出力す
る画像センサと、前記結像手段の少なくとも一部、前記
画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つを
前記結像手段の光軸方向に移動させる移動手段と、前記
画像の複数の領域に対して前記結像手段による結像位置
と前記画像センサの位置とが一致する合焦制御が行われ
るように前記移動手段を制御することによって得られた
複数の合焦位置に基づいて最終的な合焦位置を求め、前
記最終的な合焦位置に基づいた位置に前記結像手段の少
なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿
の少なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御
する制御手段と、を備えている。
【0009】請求項1に記載の画像読取装置によれば、
画像が記録された読取対象原稿が光源によって照明さ
れ、読取対象原稿を透過した光又は読取対象原稿から反
射した光が結像手段によって結像され、読取対象原稿に
記録された画像が画像センサによって複数画素に分解さ
れて読み取られて画像データとして出力される。なお、
上記読取対象原稿としては、写真フィルム等の透過原
稿、及び写真プリント等の反射原稿が含まれる。また、
上記画像センサには、ラインCCD、エリアCCD、及
びCCD以外の光電変換素子が含まれる。
【0010】また、請求項1に記載の画像読取装置は、
結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記
読取対象原稿の少なくとも1つを結像手段の光軸方向に
移動させる移動手段を備えており、制御手段によって、
画像の複数の領域に対して結像手段による結像位置と画
像センサの位置とが一致する合焦制御が行われるように
移動手段が制御されることによって得られた複数の合焦
位置に基づいて最終的な合焦位置が求められ、該最終的
な合焦位置に基づいた位置に結像手段の少なくとも一
部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくと
も1つが移動するように移動手段が制御される。
【0011】なお、上記結像手段は、レンズ又はレンズ
群を用いることができるが、一部のレンズを移動するこ
とによって光学倍率が変更可能なズームレンズを用いて
もよい。レンズ又はレンズ群を用いる場合には、結像手
段の全体を移動させるが、ズームレンズを用いる場合に
は結像手段の一部を移動させる。
【0012】このように、請求項1に記載の画像読取装
置によれば、読取対象原稿に記録された画像の複数の領
域に対する複数の合焦位置に基づいて最終的な合焦位置
を求め、該最終的な合焦位置に基づいた位置に結像手段
の少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少
なくとも1つを位置させているので、上記複数の領域に
おける画像の各々に対して好適な合焦状態を設定するこ
とが可能となり、読取対象原稿が反りを持っている場合
であっても、上記複数の領域を読取対象原稿の主走査方
向に沿った領域とすることにより読取対象原稿の主走査
方向の反りに対して効果的な合焦状態を設定することが
でき、上記複数の領域を読取対象原稿の副走査方向に沿
った領域とすることにより読取対象原稿の副走査方向の
反りに対して効果的な合焦状態を設定することができる
と共に、決定された最終的な合焦位置のみに基づいて画
像読み取りを行うことができるので、読取対象原稿を副
走査方向に移動する毎に合焦制御を行う場合に比較して
著しく短時間に画像読み取りを行うことができる。
【0013】また、請求項2記載の画像読取装置は、請
求項1記載の画像読取装置において、前記制御手段は、
前記最終的な合焦位置に基づいた位置に前記結像手段の
少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原
稿の少なくとも1つが移動するように前記移動手段を制
御した場合に前記画像に記録された主要被写体の領域が
前記結像手段の被写界深度の範囲に納まるように、前記
複数の合焦位置と前記被写界深度とに基づいて前記最終
的な合焦位置を求めることを特徴としている。
【0014】請求項2に記載の画像読取装置によれば、
請求項1記載の画像読取装置における制御手段によっ
て、最終的な合焦位置に基づいた位置に結像手段の少な
くとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少なくと
も1つが移動されるように移動手段が制御された場合に
画像に記録された主要被写体の領域が結像手段の被写界
深度の範囲に納まるように、複数の合焦位置と上記被写
界深度とに基づいて最終的な合焦位置が求められる。
【0015】このように、請求項2に記載の画像読取装
置によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏する
ことができると共に、画像に記録された主要被写体の領
域が結像手段の被写界深度の範囲に納まるように、複数
の合焦位置と上記被写界深度とに基づいて最終的な合焦
位置を求めているので、主要被写体の領域に相当する画
像に対して好適な合焦状態を設定することができる。
【0016】また、請求項3記載の画像読取装置は、請
求項1又は請求項2記載の画像読取装置において、前記
制御手段は、前記複数の領域の各々における複数箇所の
画像コントラスト値の平滑化された値に基づいて前記複
数の合焦位置を得ることを特徴としている。
【0017】請求項3に記載の画像読取装置によれば、
請求項1又は請求項2記載の画像読取装置における制御
手段によって、上記複数の領域の各々における複数箇所
の画像コントラスト値の平滑化された値に基づいて上記
複数の合焦位置が得られる。
【0018】すなわち、周知のように合焦位置は、画像
コントラスト値が最大となる位置を検出することにより
得ることができる(所謂、画像コントラスト法)が、本
発明の画像読取装置を、例えば振動が発生し易い場所に
設置して使用する際に、実際の合焦位置でない位置の画
像コントラスト値を得ているときに大きな振動が発生し
た場合、結像手段、画像センサ等が光軸方向に大きく変
位して、その位置の画像コントラスト値が他の位置に比
較して極端に大きくなってしまう場合がある。この場
合、その位置が合焦位置であるものと誤認してしまい、
正確な合焦位置を検出することができない。従って、請
求項3記載の発明では、極端に大きな画像コントラスト
値が発生しないように、画像コントラスト値を平滑化し
たものとしている。
【0019】このように、請求項3に記載の画像読取装
置によれば、請求項1及び請求項2記載の発明と同様の
効果を奏することができると共に、複数の領域の各々に
おける複数箇所の画像コントラスト値の平滑化された値
に基づいて複数の合焦位置を得ているので、装置の振動
等に起因する合焦位置の誤った検出を回避することがで
き、この結果として好適な合焦状態を設定することがで
きる。
【0020】なお、請求項4記載の画像読取装置のよう
に、請求項3記載の画像読取装置における前記平滑化さ
れた値として、前記画像コントラスト値の移動平均値を
適用することができる。
【0021】ところで、上記請求項3及び請求項4記載
の発明のように、画像コントラスト値の平滑化された値
に基づいて合焦位置を得る場合であっても、必ずしも正
確な合焦位置が得られるとは限らない。
【0022】例えば、結像手段の光軸方向に対する合焦
制御対象領域(サーチエリア)内において評価値(例え
ば画像コントラスト値)が最大である位置を合焦位置と
する場合、例えば図27(A)に示すように、評価値の
最大値がサーチエリアの端部に位置するときには実際の
最大値(合焦位置に対応)はサーチエリアの範囲外(図
27(A)の場合は紙面右側)に存在する可能性が高
い。
【0023】また、実際の評価値は装置の振動のほか、
各種ノイズ等の影響によって起伏が激しく生じている場
合が多く、この場合、図27(B)に示すように、評価
値の最大値と最小値の差が小さい場合には最大値の位置
が必ずしも合焦位置であるとは限らない。
【0024】図28には読取対象原稿が135サイズの
ネガフィルムである場合の各種画像における評価値(画
像コントラスト値)の測定結果が、図29には読取対象
原稿が135サイズのリバーサルフィルムである場合の
各種画像における評価値(画像コントラスト値)の測定
結果が、各々示されている。なお、図28の(A)及び
(B)は黒ベタ画像の測定結果及びその平滑化結果、
(C)及び(D)は一般画像の測定結果及びその平滑化
結果、更に(E)及び(F)は素ネガ画像の測定結果及
びその平滑化結果である。また、図29の(A)及び
(B)は黒ベタ画像の測定結果及びその平滑化結果、
(C)及び(D)は夜空の画像の測定結果及びその平滑
化結果、(E)及び(F)は一般画像の測定結果及びそ
の平滑化結果、更に(G)及び(H)は透明画像の測定
結果及びその平滑化結果である。また、図28、図29
とも、各グラフの縦軸は画像コントラスト値で、横軸は
結像手段の光軸方向位置を示し、「手前側」、「中
央」、「奥側」は画像センサの画素並び方向に対するフ
ィルム上の位置を示している。
【0025】図28の(A)、(C)、(E)、図29
の(A)、(C)、(E)、(G)に示されるように、
平滑化前の画像コントラスト値は起伏が激しく、最大値
近傍の画像コントラスト値が複数存在するため、最大値
の位置を単純に合焦位置とすることは誤合焦となる可能
性が高い。
【0026】一方、各測定結果を平滑化した結果をみる
と、例えば図28の(D)及び(F)や図29の(D)
及び(F)等においては最大値が明確化されており、的
確な合焦位置を得ることができると考えられるが、例え
ば図29の(H)における「手前側」及び「奥側」につ
いては画像コントラストの最大値と最小値の差が小さ
く、この画像コントラスト値の分布状況では的確な合焦
位置を得ることは著しく困難である。
【0027】この点に鑑み、請求項5記載の画像読取装
置は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像読
取装置において、前記制御手段は、前記画像の複数の領
域に対する合焦制御を行った際に、合焦したとみなすこ
とができる所定条件を満足しなかった場合には、合焦制
御に関する条件を変更して再度合焦制御を行うことを特
徴としている。
【0028】請求項5に記載の画像読取装置によれば、
請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像読取装置
における制御手段によって、画像の複数の領域に対する
合焦制御が行われた際に、合焦したとみなすことができ
る所定条件が満足されなかった場合には、合焦制御に関
する条件が変更されて再度合焦制御が行われる。
【0029】なお、上記合焦したとみなすことができる
所定条件には、例えば複数箇所の画像コントラスト値に
基づいて合焦制御を行う場合において、上記複数箇所の
画像コントラスト値の最小値に対する最大値の割合が所
定値(例えば1.5)以上である場合や、上記複数箇所
の画像コントラスト値の最大値が上記複数箇所の両端の
何れかでない場合等が含まれる。また、上記合焦制御に
関する条件には、読取対象原稿上の合焦制御対象とする
位置、合焦位置を探索する際の探索エリア、画像センサ
内の読み取り位置等が含まれる。
【0030】このように、請求項5に記載の画像読取装
置によれば、請求項1乃至請求項4記載の発明と同様の
効果を奏することができると共に、画像の複数の領域に
対する合焦制御を行った際に、合焦したとみなすことが
できる所定条件を満足しなかった場合には、合焦制御に
関する条件を変更して再度合焦制御を行っているので、
より正確な合焦位置を検出することができ、この結果と
して、より好適な合焦状態を設定することができる。
【0031】また、請求項6記載の画像読取装置は、請
求項1乃至請求項5の何れか1項記載の画像読取装置に
おいて、前記制御手段は、前記画像の複数の領域に対す
る合焦制御を行うに先だって、前記画像センサの出力レ
ベルの調整を行うことを特徴としている。
【0032】請求項6に記載の画像読取装置によれば、
請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の画像読取装置
における制御手段により、画像の複数の領域に対する合
焦制御を行うに先だって、画像センサの出力レベルの調
整が行われる。
【0033】すなわち、例えば複数箇所の画像コントラ
スト値に基づいて合焦制御を行う場合には、画像センサ
の出力レベルが高すぎると擬似ピーク(実際には画像コ
ントラスト値のピークでないにも拘らず見かけ上ピーク
となる)が発生してしまい、逆に画像センサの出力レベ
ルが低すぎると所望の画像コントラスト値が得られな
い、という問題があり、本請求項6記載の発明は、この
ような問題に鑑みたものである。
【0034】なお、上記画像センサの出力レベルの調整
は、例えば光源からの照明光の光量の調整、画像センサ
がCCDセンサである場合にはCCDの電荷蓄積時間の
調整、等によって行うことができる。
【0035】このように、請求項6に記載の画像読取装
置によれば、請求項1乃至請求項5記載の発明と同様の
効果を奏することができると共に、画像の複数の領域に
対する合焦制御を行うに先だって、画像センサの出力レ
ベルの調整を行っているので、擬似ピークの発生や所望
の画像コントラスト値が得られないといった問題を回避
することができる。
【0036】また、請求項7記載の合焦制御方法は、読
取対象原稿に記録された画像の複数の領域に対して、前
記読取対象原稿を透過した光又は前記読取対象原稿から
反射した光を結像させる結像手段による結像位置と前記
読取対象原稿に記録された画像を複数画素に分解して読
み取って画像データとして出力する画像センサの位置と
が一致する合焦制御が行われるように前記結像手段の少
なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原稿
の少なくとも1つを前記結像手段の光軸方向に移動させ
ることによって複数の合焦位置を得、前記合焦制御によ
って得られた複数の合焦位置に基づいて最終的な合焦位
置を求め、前記最終的な合焦位置に基づいた位置に前記
結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記
読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように制御す
るものである。
【0037】このように請求項7に記載の合焦制御方法
によれば、読取対象原稿に記録された画像の複数の領域
に対する複数の合焦位置に基づいて最終的な合焦位置を
求め、該最終的な合焦位置に基づいた位置に結像手段の
少なくとも一部、画像センサ、及び読取対象原稿の少な
くとも1つを位置させているので、請求項1記載の発明
と同様に、上記複数の領域における画像の各々に対して
好適な合焦状態を設定することが可能となり、読取対象
原稿が反りを持っている場合であっても、上記複数の領
域を読取対象原稿の主走査方向に沿った領域とすること
により読取対象原稿の主走査方向の反りに対して効果的
な合焦状態を設定することができ、上記複数の領域を読
取対象原稿の副走査方向に沿った領域とすることにより
読取対象原稿の副走査方向の反りに対して効果的な合焦
状態を設定することができると共に、決定された最終的
な合焦位置のみに基づいて画像読み取りを行うことがで
きるので、読取対象原稿を副走査方向に移動する毎に合
焦制御を行う場合に比較して著しく短時間に画像読み取
りを行うことができる。
【0038】また、請求項8記載の合焦制御方法は、請
求項7記載の合焦制御方法において、前記最終的な合焦
位置に基づいた位置に前記結像手段の少なくとも一部、
前記画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1
つが移動するように制御する場合に前記画像に記録され
た主要被写体の領域が前記結像手段の被写界深度の範囲
に納まるように、前記複数の合焦位置と前記被写界深度
とに基づいて前記最終的な合焦位置を求めることを特徴
とするものである。
【0039】このように請求項8に記載の合焦制御方法
によれば、請求項7記載の発明と同様の効果を奏するこ
とができると共に、画像に記録された主要被写体の領域
が結像手段の被写界深度の範囲に納まるように、複数の
合焦位置と上記被写界深度とに基づいて最終的な合焦位
置を求めているので、請求項2記載の発明と同様に、主
要被写体の領域に相当する画像に対して好適な合焦状態
を設定することができる。
【0040】また、請求項9記載の合焦制御方法は、請
求項7又は請求項8記載の合焦制御方法において、前記
複数の領域の各々における複数箇所の画像コントラスト
値の平滑化された値に基づいて前記複数の合焦位置を得
ることを特徴とするものである。
【0041】このように請求項9に記載の合焦制御方法
によれば、請求項7及び請求項8記載の発明と同様の効
果を奏することができると共に、複数の領域の各々にお
ける複数箇所の画像コントラスト値の平滑化された値に
基づいて複数の合焦位置を得ているので、請求項3記載
の発明と同様に、本発明が適用された装置の振動等に起
因する合焦位置の誤った検出を回避することができ、こ
の結果として好適な合焦状態を設定することができる。
【0042】なお、請求項10記載の合焦制御方法のよ
うに、請求項9記載の合焦制御方法における前記平滑化
された値として、前記画像コントラスト値の移動平均値
を適用することができる。
【0043】また、請求項11記載の合焦制御方法は、
請求項7乃至請求項10の何れか1項記載の合焦制御方
法において、前記画像の複数の領域に対する合焦制御を
行った際に、合焦したとみなすことができる所定条件を
満足しなかった場合には、合焦制御に関する条件を変更
して再度合焦制御を行うことを特徴とするものである。
【0044】このように請求項11に記載の合焦制御方
法によれば、請求項7乃至請求項10記載の発明と同様
の効果を奏することができると共に、画像の複数の領域
に対する合焦制御を行った際に、合焦したとみなすこと
ができる所定条件を満足しなかった場合には、合焦制御
に関する条件を変更して再度合焦制御を行っているの
で、請求項5記載の発明と同様に、より正確な合焦位置
を検出することができ、この結果として、より好適な合
焦状態を設定することができる。
【0045】更に、請求項12記載の合焦制御方法は、
請求項7乃至請求項11の何れか1項記載の合焦制御方
法において、前記画像の複数の領域に対する合焦制御を
行うに先だって、前記画像センサの出力レベルの調整を
行うことを特徴とするものである。
【0046】このように請求項12に記載の合焦制御方
法によれば、請求項7乃至請求項11記載の発明と同様
の効果を奏することができると共に、画像の複数の領域
に対する合焦制御を行うに先だって、画像センサの出力
レベルの調整を行っているので、請求項6記載の発明と
同様に、擬似ピークの発生や所望の画像コントラスト値
が得られないといった問題を回避することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0048】〔第1実施形態〕図1に示すように、本実
施の形態に係る画像読取装置はラインCCDスキャナ1
4を備えており、ラインCCDスキャナ14は、画像処
理部16、マウス20、2種類のキーボード12A、1
2B、及びディスプレイ18が設けられた作業テーブル
27に備えられている。
【0049】一方のキーボード12Aは作業テーブル2
7の作業面27U内に埋設されている。他方のキーボー
ド12Bは、不使用時は、作業テーブル27の引出し2
4内に収納され、使用時は、引出し24から取り出し、
一方のキーボード12A上に重ねる。このとき、キーボ
ード12Bのコードを、画像処理部16に接続されたジ
ャック110に接続する。
【0050】マウス20のコードは作業テーブル27に
設けられた孔108を介して画像処理部16に接続され
ている。マウス20は、不使用時はマウスホルダ20A
に収納され、使用時はマウスホルダ20Aから取り出
し、作業面27U上に載置する。
【0051】画像処理部16は、作業テーブル27に設
けられた収納部16Aに収納され、開閉扉25によって
密閉されている。なお、開閉扉25を開放することによ
り、画像処理部16を取り出すことができるようになっ
ている。
【0052】ラインCCDスキャナ14は、ネガフィル
ムやリバーサルフィルム(ポジフィルム)等の写真フィ
ルムに記録されているフィルム画像を読み取るためのも
のであり、例えば135サイズの写真フィルム、110
サイズの写真フィルム、及び透明な磁気層が形成された
写真フィルム(240サイズの写真フィルム:所謂AP
Sフィルム)、120サイズ及び220サイズ(ブロー
ニサイズ)の写真フィルムのフィルム画像を読取対象と
することができる。ラインCCDスキャナ14は、上記
の読取対象のフィルム画像をラインCCDで読み取り、
画像データを出力する。
【0053】画像処理部16は、ラインCCDスキャナ
14から出力された画像データが入力されると共に、入
力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を
行って、記録用画像データとして、図示しないレーザプ
リンタ部へ出力する。
【0054】図2及び図3に示すように、ラインCCD
スキャナ14の光学系は、作業テーブル27の下方に配
置された光源部30、作業テーブル27に支持された拡
散ボックス40、作業テーブル27にセットされるフィ
ルムキャリア38、及び作業テーブル27を挟んで光源
部30の反対側に配置された読取部43を備えている。
【0055】光源部30は金属製のケーシング31内に
収容されており、ケーシング31内部には、ハロゲンラ
ンプやメタルハライドランプ等から成るランプ32が配
置されている。なお、ランプ32は、写真フィルム22
の搬送方向(図2矢印D方向)及び写真フィルム22の
搬送方向に直交する方向(図3矢印E方向)の2方向に
移動可能とされた図示しないX−Yステージに保持され
ており、該X−Yステージの位置を移動することによっ
てランプ32の位置を微調整することが可能とされてい
る。
【0056】ランプ32の周囲にはリフレクタ33が設
けられており、ランプ32から射出された光の一部はリ
フレクタ33によって反射され、一定の方向へ射出され
る。リフレクタ33の側方には、複数のファン34が設
けられている。ファン34はランプ32が点灯している
間作動され、ケーシング31の内部が過熱状態となるこ
とを防止する。
【0057】リフレクタ33の光射出側には、リフレク
タ33からの射出光の光軸Lに沿って、紫外域及び赤外
域の波長の光をカットすることで写真フィルム22の化
学変化を防止すると共に温度上昇を防止して読取精度を
向上させるUV/IRカットフィルタ35、ランプ32
からの光及びリフレクタ33からの射出光の光量を調整
する絞り39、及び、写真フィルム22及び読取部43
に到達する光の色成分を、写真フィルムの種類(ネガフ
ィルム/リバーサルフィルム)に応じて適切に設定する
ネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサ
ルフィルム用のバランスフィルタ36Pが嵌め込まれて
いるターレット36(図4(B)も参照)が順に設けら
れている。
【0058】絞り39は光軸Lを挟んで配置された一対
の板材から成り、一対の板材が接近離間するようにスラ
イド移動可能とされている。図4(A)に示すように、
絞り39の一対の板材は、スライド方向(図4(A)矢
印方向)に沿った一端側から他端側に向けて、スライド
方向に直交する方向に沿った断面積が連続的に変化する
ように、一端側に切り欠き39Aが各々形成されてお
り、切り欠き39Aが形成されている側が対向するよう
に配置されている。
【0059】上記構成では、所望の光成分の光となるよ
うに、写真フィルムの種類に応じたフィルタ(36N、
36P)の何れかが光軸L上に位置し、絞り39の位置
によって絞り39を通過する光の光量を所望の光量に調
整する。
【0060】拡散ボックス40は、上部になるに従っ
て、フィルムキャリア38によって搬送される写真フィ
ルム22の搬送方向の長さが狭くなり(図2参照)、該
搬送方向に直交する方向の長さが広がる(図3参照)形
状とされている。また、拡散ボックス40の光入射側及
び光射出側には光拡散板(図示せず)が各々取付けられ
ている。
【0061】拡散ボックス40に入射された光は、フィ
ルムキャリア38に向けて、写真フィルム22の搬送方
向に直交する方向を長手方向とするスリット光とされ、
また、光拡散板によって拡散光とされて射出される。こ
のように、拡散ボックス40から射出される光が拡散光
とされることにより、光軸L上に位置された写真フィル
ム22(図2破線の位置)に照射される光の光量むらが
低減され、フィルム画像に均一な光量のスリット光が照
射されると共に、フィルム画像に傷が付いていたとして
も、この傷が目立ちにくくなる。
【0062】フィルムキャリア38及び拡散ボックス4
0は、読取対象とする写真フィルムの種類毎に用意され
ており、写真フィルムに応じて選択される。
【0063】フィルムキャリア38の上面及び下面にお
ける光軸Lに対応する位置には、写真フィルム22の搬
送方向に直交する方向(図3矢印E方向)に該方向の写
真フィルム22の幅より長い細長い開口(図示しない)
が設けられている。拡散ボックス40からのスリット光
は、フィルムキャリア38の下面に設けられた該開口を
介して光軸L上に位置された写真フィルム22に照射さ
れ、写真フィルム22の透過光が、フィルムキャリア3
8の上面に設けられた該開口を介して、読取部43に到
達する。
【0064】図1〜図3に示したフィルムキャリア38
は、1枚の写真フィルム22を枠体(フィルムマウン
ト)に保持した、所謂スライドを読取位置に搬送するた
めのものであり、このフィルムキャリア38を使用した
場合の合焦制御(オートフォーカス制御)は、写真フィ
ルム22に記録されたフィルム画像を被写体として用い
て行われる。
【0065】図1に示すように、このフィルムキャリア
38は、図1矢印D方向に移動可能に構成された保持部
材41を備えており、写真フィルム22の読み取りに先
立ち、図1に示す位置において、読取対象とする写真フ
ィルム22を保持したフィルムマウント(スライド)を
保持し、写真フィルム22に記録されたフィルム画像を
読み取る際には保持部材41を図1矢印D方向に移動す
ることにより所定の読取位置を写真フィルム22が通過
するようにする。なお、上記保持部材は読取対象とする
写真フィルムの種類毎(サイズ毎)に用意されている。
【0066】本実施形態に係る画像読取装置では、この
スライド用のフィルムキャリア38以外にも、135サ
イズ及び240サイズの長尺の写真フィルム用のフィル
ムキャリアも用意されており、この長尺の写真フィルム
用のフィルムキャリアには、写真フィルムの搬送路近傍
でかつ後述するラインCCD116で読取可能な位置に
所定画像(以下、チャートという。)が設けられてお
り、このフィルムキャリアを使用した場合の合焦制御
は、該チャートを被写体として用いて行われる。
【0067】拡散ボックス40は、上面が上記読取位置
に接近するように支持されている。よって、フィルムキ
ャリア38の装填時にフィルムキャリア38と拡散ボッ
クス40が干渉しないように、フィルムキャリア38の
下面には、切り欠け部が設けられている。
【0068】なお、本実施形態に係る画像読取装置で
は、フィルム画像の読み取りを行う際に、フィルムキャ
リアを用いて、比較的高速でかつ低精細にフィルム画像
を読み取る予備読み取り(以下、プレスキャンとい
う。)を行い、該プレスキャンにより得られた画像デー
タに基づいて、比較的低速でかつ高精細にフィルム画像
を読み取る本読み取り(以下、ファインスキャンとい
う。)を行う際の読取条件及びファインスキャンにより
得られる画像データに対する各種画像処理の処理条件を
決定し、決定された読取条件でファインスキャンを行う
と共に、ファインスキャンによって得られた画像データ
に対して上記決定された処理条件による画像処理を行っ
ている。
【0069】従って、フィルムキャリアは、プレスキャ
ン時やファインスキャン時におけるこれからファインス
キャンするフィルム画像の濃度等に応じた複数の速度で
写真フィルム(スライド)を搬送可能なように構成され
ている。
【0070】読取部43は、ケーシング44内部に収容
された状態で配置されている。ケーシング44の内部に
は、上面にラインCCD116が取付けられた載置台4
7が設けられており、載置台47からはレンズ筒49が
垂下されている。レンズ筒49の内部には、縮小・拡大
等の変倍のために作業テーブル27と接近離間する方向
Aにスライド移動可能にレンズユニット50が支持され
ている。作業テーブル27には支持フレーム45が立設
されている。載置台47は、支持フレーム45に取り付
けられたガイドレール42に、上記変倍や合焦制御時に
共役長を確保するために作業テーブル27と接近離間す
る方向Bにスライド移動可能に支持されている。
【0071】レンズユニット50は複数枚のレンズから
成り、複数枚のレンズの間にはレンズ絞り51が設けら
れている。図4(C)に示すように、レンズ絞り51は
略C字状に成形された絞り板51Aを複数枚備えてい
る。各絞り板51Aは光軸Lの周囲に均等に配置され一
端部がピンに軸支されており、ピンを中心として回動可
能とされている。複数枚の絞り板51Aは図示しないリ
ンクを介して連結されており、レンズ絞り駆動モータ
(後述)の駆動力が伝達されると同一の方向に回動す
る。この絞り板51Aの回動に伴って、光軸Lを中心と
して絞り板51Aにより遮光されていない部分(図4
(C)における略星型の部分)の面積が変化し、レンズ
絞り51を通過する光の光量が変化する。
【0072】ラインCCD116は、CCDセル又はフ
ォトダイオード等の光電変換素子が、写真フィルム22
の搬送方向に直交する方向に一列に多数配置され、かつ
電子シャッタ機構が設けられたセンシング部が、間隔を
空けて互いに平行に3ライン設けられており、各センシ
ング部の光入射側にR、G、Bの色分解フィルタの何れ
かが各々取付けられて構成されている(所謂3ラインカ
ラーCCD)。また、各センシング部の近傍には、多数
の転送部が各センシング部に対応して各々設けられてお
り、各センシング部の各CCDセルに蓄積された電荷
は、対応する転送部を介して順に転送される。
【0073】またラインCCD116の光入射側には、
CCDシャッタ52が設けられている。なお、図4
(D)に示すように、このCCDシャッタ52にはND
フィルタ52NDが嵌め込まれている。CCDシャッタ
52は、矢印u方向に回転して、暗補正やラインCCD
116に設けられた色分解フィルタの保護のためにライ
ンCCD116に入射される光を遮光する全閉状態(N
Dフィルタ52NDが嵌め込まれていない部分52B等
が、光軸Lを含む位置52Cに位置する)、通常の読み
取りや明補正のためにラインCCD116に光を入射さ
せる全開状態(図4(D)の位置)、リニアリティ補正
のためにラインCCD116に入射される光をNDフィ
ルタ52NDによって減光する減光状態(NDフィルタ
52NDが位置52Cに位置する)の何れかの状態に切
り替わる。
【0074】図3に示すように、作業テーブル27に
は、写真フィルム22を冷却するための冷却風を生成す
るコンプレッサ94が配置されている。コンプレッサ9
4により生成された冷却風は、案内管95によりフィル
ムキャリア38の図示しない読取部に案内されて、供給
される。これにより、写真フィルム22における写真フ
ィルムの読取部に位置する領域を冷却することができ
る。なお、案内管95は、冷却風の流量を検出する流量
センサ96を貫通している。
【0075】次に、図5に示したラインCCDスキャナ
14の光学系の主要部を参照しながら、ラインCCDス
キャナ14及び画像処理部16の電気系の概略構成を、
図6を用いて説明する。
【0076】ラインCCDスキャナ14は、ラインCC
Dスキャナ14全体の制御を司るマイクロプロセッサ4
6を備えている。マイクロプロセッサ46には、バス6
6を介してRAM68(例えばSRAM)、ROM70
(例えば記憶内容を書換え可能なROM)が接続されて
いると共に、レンズ温度センサ98、ランプドライバ5
3、コンプレッサ94、流量センサ96、及びモータド
ライバ48が接続されている。
【0077】レンズ温度センサ98は、レンズユニット
50内部の温度を常時検知しており、マイクロプロセッ
サ46はレンズユニット50内部の温度を常時知ること
ができる。また、ランプドライバ53は、マイクロプロ
セッサ46からの指示に応じてランプ32を点消灯させ
る。また、写真フィルム22のフィルム画像の読み取り
の際、写真フィルム22に冷却風を供給するために、マ
イクロプロセッサ46は、コンプレッサ94を稼働させ
る。なお、流量センサ96により冷却風の流量が検出さ
れ、マイクロプロセッサ46は、異常を検知する。
【0078】また、モータドライバ48には、ターレッ
ト36のネガフィルム用のバランスフィルタ36N及び
リバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pの何れ
かが光軸Lに位置するようにターレット36を図4
(B)矢印t方向に回転駆動するターレット駆動モータ
54、ターレット36の基準位置(図示しない切り欠
け)を検出するターレット位置センサ55(図4(B)
も参照)が接続されている。
【0079】モータドライバ48には、更に、絞り39
をスライド移動させる絞り駆動モータ56、絞り39の
位置を検出する絞り位置センサ57、載置台47(即
ち、ラインCCD116及びレンズユニット50)をガ
イドレール42に沿ってスライド移動させる読取部駆動
モータ58、載置台47の位置を検出する読取部位置セ
ンサ59、レンズユニット50をレンズ筒49に沿って
スライド移動させるレンズ駆動モータ60、レンズユニ
ット50の位置を検出するレンズ位置センサ61、レン
ズ絞り51の絞り板51Aを回動させるレンズ絞り駆動
モータ62、レンズ絞り51の位置(絞り板51Aの位
置)を検出するレンズ絞り位置センサ63、CCDシャ
ッタ52を全閉状態、全開状態及び減光状態の何れかの
状態に切り換えるシャッタ駆動モータ64、シャッタ位
置を検出するシャッタ位置センサ65、ファン34を駆
動するファン駆動モータ37が接続されている。
【0080】マイクロプロセッサ46は、ラインCCD
116によるプレスキャン及びファインスキャンを行う
際に、ターレット位置センサ55及び絞り位置センサ5
7によって検出されるターレット36及び絞り39の位
置に基づき、ターレット駆動モータ54によってターレ
ット36を回転駆動させると共に、絞り駆動モータ56
によって絞り39をスライド移動させ、フィルム画像に
照射される光を調節する。
【0081】またマイクロプロセッサ46は、フィルム
画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じて光学
倍率を決定し、フィルム画像が前記決定した光学倍率で
ラインCCD116によって読み取られるように、読取
部位置センサ59によって検出される載置台47の位置
に基づき読取部駆動モータ58によって載置台47をス
ライド移動させると共に、レンズ位置センサ61によっ
て検出されるレンズユニット50の位置に基づきレンズ
駆動モータ60によってレンズユニット50をスライド
移動させる。
【0082】なお、ラインCCD116の受光面をレン
ズユニット50によるフィルム画像の結像位置に一致さ
せる合焦制御を行う場合、マイクロプロセッサ46は、
読取部駆動モータ58により載置台47のみをスライド
移動させる。
【0083】すなわち、本実施形態のラインCCDスキ
ャナ14における結像関係は、ラインCCD116、レ
ンズユニット50、及び光軸L上に位置された写真フィ
ルム22の各々の光軸L方向の相対的な位置で決定され
るが、本実施形態では上述したように、光学倍率を設定
する場合には読取部駆動モータ58によって載置台47
をスライド移動させると共にレンズ駆動モータ60によ
ってレンズユニット50をスライド移動させており、こ
のようにして光学倍率が設定された状態で上記結像関係
を保つために、ラインCCD116とレンズユニット5
0との間の距離を固定したまま、レンズユニット50と
写真フィルム22との間の距離を変化させることによっ
て合焦制御を行っている。
【0084】このように合焦制御を行うことによって、
写真フィルム22に記録されたフィルム画像を連続して
複数読み取る場合の各フィルム画像に対する光学倍率の
変動を抑制することができる。
【0085】本実施形態では、この合焦制御をTTL
(Through The Lens)方式により、ラインCCD116
によって読み取られた画像のコントラストが最大となる
ように行う。また、本実施形態では、この合焦制御を行
うに先立って、予めフォーカスキャリブレーション処理
を行うが、これについては後述する。
【0086】一方、ラインCCD116にはタイミング
ジェネレータ74が接続されている。タイミングジェネ
レータ74は、ラインCCD116や後述するA/D変
換器82等を動作させるための各種のタイミング信号
(クロック信号)を発生する。
【0087】ラインCCD116の信号出力端は、増幅
器76を介してA/D変換器82に接続されており、ラ
インCCD116から出力された信号は、増幅器76で
増幅されA/D変換器82でディジタルデータに変換さ
れる。
【0088】A/D変換器82の出力端は、相関二重サ
ンプリング回路(CDS)88、インタフェース(I/
F)回路90を順に介して画像処理部16に接続されて
いる。CDS88では、フィードスルー信号のレベルを
表すフィードスルーデータ及び画素信号のレベルを表す
画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素デー
タからフィードスルーデータを減算する。そして、演算
結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応する画
素データ)を、I/F回路90を介してスキャン画像デ
ータとして画像処理部16へ順次出力する。
【0089】なお、ラインCCD116からはR、G、
Bの測光信号が並列に出力されるので、増幅器76、A
/D変換器82、CDS88から成る信号処理系も3系
統設けられており、I/F回路90からは、スキャン画
像データとしてR、G、Bの画像データが並列に、画像
処理部16に出力される。
【0090】更に、画像処理部16には、ディスプレイ
18、キーボード12A、12B、マウス20、及びフ
ィルムキャリア38が接続されている。
【0091】画像処理部16では、ラインCCDスキャ
ナ14から並列に入力されるR、G、Bの画像データに
対して、暗補正及び明補正を行う。
【0092】暗補正は、ラインCCD116の光入射側
に光を入射しない状態においてラインCCD116内を
流れる電流である暗電流をキャンセルするものであり、
ラインCCD116の光入射側がCCDシャッタ52に
より遮光されている状態でラインCCDスキャナ14か
ら入力されたデータ(ラインCCD116のセンシング
部の各セルの暗出力レベルを表すデータ)を各セル毎に
記憶しておき、ラインCCD116が写真フィルム22
を読み取ることによってラインCCDスキャナ14から
入力された画像データから、各画素毎に対応するセルの
暗出力レベルを減ずることによって補正する。
【0093】また、明補正は、ラインCCD116の光
電変換特性の各セル単位でのばらつきを補正するもので
あり、ラインCCDスキャナ14に画面全体が一定濃度
の調整用のフィルム画像がセットされている状態で、ラ
インCCD116で前記調整用のフィルム画像を読み取
ることによりラインCCDスキャナ14から入力された
調整用のフィルム画像の画像データ(この画像データが
表す各画素毎の濃度のばらつきは各セルの光電変換特性
のばらつきに起因する)に基づいて各セル毎にゲイン
(明補正データ)を定めておき、ラインCCDスキャナ
14から入力された読取対象のフィルム画像の画像デー
タを、各セル毎に定めたゲインに応じて各画素毎に補正
する。
【0094】また、画像処理部16では、階調変換、色
変換、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパ
ートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調
するハイパーシャープネス処理等の各種の画像処理を行
う。
【0095】なお、写真フィルム22が本発明の読取対
象原稿に、ランプ32が本発明の光源に、マイクロプロ
セッサ46が本発明の制御手段に、レンズユニット50
が本発明の結像手段に、読取部駆動モータ58及びレン
ズ駆動モータ60が本発明の移動手段に、ラインCCD
116が本発明の画像センサに、各々相当する。
【0096】次に、本実施形態の作用として、ラインC
CDスキャナ14のマイクロプロセッサ46によって実
行されるフォーカスキャリブレーション処理について、
図7のフローチャートを参照して説明する。なお、この
フォーカスキャリブレーション処理は画像読取装置の工
場出荷時に実行され、必要に応じて画像読取装置のメン
テナンス時等に再度実行される。
【0097】まず、ステップ200では、ラインCCD
スキャナ14におけるフィルムキャリア38の装填位置
に、基準チャート治具132が装填されたか否かを判定
する。基準チャート治具132は、図8に示すように、
ラインCCDスキャナ14にフィルムキャリア38の装
填用に取り付けられているキャリア台137(図2、図
3では図示省略)のガイドレール138にレール136
が案内されてフィルムキャリア38の装填状態と略同様
に装填することができるものであり、基準チャート治具
132の略中央に設けられた開口部133の上面には、
基準チャート135が中央に設けられたガラス板134
が貼り付けられており、基準チャート治具132がキャ
リア台137に装填された状態で、光軸Lと基準チャー
ト135の中心とが一致するように構成されている。
【0098】ラインCCDスキャナ14におけるフィル
ムキャリア38の装填位置に基準チャート治具132が
装填されるとステップ200の判定が肯定されてステッ
プ202へ移行し、初期設定として光学倍率Wの値とし
て0.6を設定し、次のステップ204では、レンズ温
度センサ98によってレンズユニット50内部の温度
(以下、基準温度という。)を検知してRAM68の所
定領域に記憶した後、次のステップ206では、合焦位
置サーチ処理を行う。次に、図9を参照して、合焦位置
サーチ処理について説明する。
【0099】ステップ250では、レンズユニット50
による光学倍率が光学倍率Wとなるように読取部駆動モ
ータ58及びレンズ駆動モータ60によって載置台47
及びレンズユニット50をスライド移動させる。
【0100】次のステップ252では、読取部駆動モー
タ58によって載置台47の位置をラインCCDスキャ
ナ14に装填された基準チャート治具132に設けられ
た基準チャート135の合焦位置の検索領域(サーチエ
リア)におけるサーチ開始位置にスライド移動させる。
なお、基準チャート135の合焦位置のサーチエリア
は、各種光学倍率毎に予め実験等によって求めてROM
70に記憶しておく。マイクロプロセッサ46は、RO
M70から現在の光学倍率(=0.6倍)におけるサー
チエリアを読み出して、例えば該サーチエリアのうちで
最も焦点距離が短くなるように載置台47をスライド移
動させることにより載置台47をサーチ開始位置へ移動
させる。この場合、サーチ終了位置は、上記サーチエリ
アのうちで最も焦点距離が長くなる位置となる。
【0101】次のステップ254では、読取部駆動モー
タ58による載置台47のサーチ終了位置に向けた所定
速度のスライド移動を開始させることによりサーチ動作
を開始し、次のステップ256では、所定時間の経過待
ちを行う。なお、この所定時間は、サーチ開始位置から
サーチ終了位置に至るまでの載置台47の上記所定速度
によるスライド移動期間を複数(本実施形態では6)に
分割した時間とされている。
【0102】所定時間が経過するとステップ256の判
定が肯定されてステップ258へ移行し、この時点でラ
インCCD116により読み取られた基準チャート13
5の画像コントラスト値を算出してRAM68の所定領
域に記憶する。なお、本実施形態における画像コントラ
スト値は、読み取った画像における所定の空間周波数領
域のMTF(Modulation Transfer Function)の積分値
としている。
【0103】次のステップ260では、読取部位置セン
サ59による載置台47の位置情報に基づいて、載置台
47がサーチ終了位置に到達したか否かを判定し、到達
していない場合はステップ256へ戻り、到達するまで
ステップ256〜260の処理を繰り返して行う。この
繰り返し処理によって、上記サーチエリアにおける複数
箇所(本実施形態では6箇所)の画像コントラスト値が
算出されてRAM68に記憶される。
【0104】載置台47がサーチ終了位置に到達すると
ステップ260の判定が肯定されてステップ262へ移
行し、載置台47のスライド移動を停止させることによ
ってサーチ動作を終了し、次のステップ264におい
て、上記ステップ256〜260の処理によってRAM
68に画像コントラスト値が記憶されたサーチエリア内
の6箇所の位置のうち、画像コントラスト値が最も大き
い位置を合焦位置として決定してRAM68の所定領域
に記憶した後に本合焦位置サーチ処理を終了する。
【0105】すなわち、ステップ256〜260の繰り
返し処理によって、図10に示すように、サーチ開始位
置からサーチ終了位置の間の6箇所の位置における画像
コントラスト値が得られているので、これらの位置のう
ちの画像コントラスト値が最も大きい位置を合焦位置と
する。なお、この合焦位置は、読取部駆動モータ58が
パルスモータである場合は、載置台47の機械的な原点
(以下、原点H.P.という。)からの移動に対する読
取部駆動モータ58の駆動パルス数(以下、合焦パルス
数という。)で表わすことができる。以下の説明では、
合焦位置等の載置台47の各種位置を駆動パルス数で表
わした場合について説明する。
【0106】合焦位置サーチ処理を終了すると図7のス
テップ208へ移行し、光学倍率Wの値が1.0である
か否かを判定し、1.0でない場合はステップ210へ
移行して光学倍率Wの値を0.2だけ増加させた後に上
記ステップ206へ戻って合焦位置サーチ処理を再度行
い、光学倍率Wの値が1.0である場合はステップ21
2へ移行する。従って、ステップ206〜210の処理
によって、光学倍率Wが0.6、0.8、及び1.0の
3種類における合焦位置がRAM68の所定領域に記憶
される。
【0107】ステップ212では、光学倍率Wの値とし
て0.6を設定し、次のステップ214では、ラインC
CDスキャナ14で使用可能なフィルムキャリアとして
予め用意された複数のフィルムキャリアのうちの1つが
ラインCCDスキャナ14に装填されたか否かを判定す
る。なお、この際、上記基準チャート治具132はライ
ンCCDスキャナ14から取り外す。
【0108】何れかのフィルムキャリアがラインCCD
スキャナ14に装填されるとステップ214の判定が肯
定されてステップ216へ移行し、図9に示した合焦位
置サーチ処理を行う。合焦位置サーチ処理では、上述し
た処理に従って光学倍率Wが0.6である場合の合焦位
置がRAM68に記憶される。この際、ラインCCDス
キャナ14に装填されたフィルムキャリアが135サイ
ズ又は240サイズの写真フィルム用のもの、すなわち
長尺の写真フィルム用のフィルムキャリアである場合
は、当該フィルムキャリアに設けられたチャートを被写
体とした合焦位置をRAM68に記憶するようにする。
【0109】一方、ラインCCDスキャナ14に装填さ
れたフィルムキャリアがスライド用のものである場合
は、マウントの種類毎にマウントの厚さが異なるため、
マウントをフィルムキャリアに保持するために写真フィ
ルムの種類毎(サイズ毎)に用意された保持部材に対す
る写真フィルムの光軸方向の位置が異なる。また、使用
するマウントの種類を識別することは困難であるため、
本フォーカスキャリブレーション処理時には代表的なマ
ウントを使用して、保持部材の種類毎に写真フィルムの
所定位置(例えば中心位置)の合焦位置をRAM68に
記憶するようにする。
【0110】次のステップ218では、上記ステップ2
06においてRAM68に記憶された光学倍率Wが0.
6である場合の基準チャート135に対する合焦位置
と、上記ステップ216においてRAM68に記憶され
た合焦位置との差分(本実施形態では、ステップ216
により得られた合焦位置−ステップ206により得られ
た光学倍率Wが0.6である場合の基準チャート135
の合焦位置)を求めてRAM68の所定領域に記憶す
る。従って、本ステップ218では、光学倍率Wが0.
6である場合の、ラインCCDスキャナ14に装填され
たフィルムキャリアのチャート(又はスライドのフィル
ム画像)の位置と、基準チャート135の位置との差分
が記憶される。
【0111】次のステップ220では、全ての予め用意
されたフィルムキャリアについてステップ214〜21
8の処理が終了したか否かを判定し、終了していない場
合はステップ214へ戻って未処理の全てのフィルムキ
ャリアについてステップ214〜218の処理を行った
後に本フォーカスキャリブレーション処理を終了する。
【0112】オペレータは、以上のフォーカスキャリブ
レーション処理が終了すると、RAM68に記憶されて
いる各種光学倍率毎の基準チャート135の合焦位置
と、光学倍率が0.6であるときのフィルムキャリア毎
の合焦位置の差分とをテーブル形式にROM70に記憶
すると共に、上記ステップ204においてRAM68に
記憶された基準温度をROM70に記憶する。
【0113】表1には、オペレータによってROM70
にテーブル形式に記憶される各種光学倍率毎の基準チャ
ート135の合焦位置と、光学倍率が0.6であるとき
のフィルムキャリア毎の合焦位置の差分の一例を示す。
なお、表1では、フィルムキャリアがスライド用である
場合、135サイズ及び240サイズの各写真フィルム
用の保持部材を用いた場合の合焦位置の差分を示してい
る。このようにテーブル形式にROM70に記憶された
ものを以降の説明ではフォーカスキャリブレーションテ
ーブルという。
【0114】
【表1】
【0115】表1に示した基準チャート135の各光学
倍率における合焦位置にフィルムキャリアの合焦位置の
差分を加算することによって、各フィルムキャリア毎
(スライド用のフィルムキャリアの場合は保持部材の種
類毎)に、各光学倍率(0.6、0.8、1.0)にお
けるオートフォーカス時の載置台47の基準となる合焦
位置(以下、基準合焦位置という。)を求めることがで
きる。
【0116】具体的には、例えば、スライド用のフィル
ムキャリア使用時における135サイズの写真フィルム
用の保持部材を使用する場合の光学倍率1.0倍時の基
準合焦位置は2600(=2500+100)であり、
135サイズの写真フィルム用のフィルムキャリアにお
ける光学倍率0.6倍時の基準合焦位置は1550(=
1500+50)であり、240サイズの写真フィルム
用のフィルムキャリア使用時における光学倍率0.8倍
時の基準合焦位置は2390(=2300+90)であ
る。
【0117】次に、ラインCCDスキャナ14のマイク
ロプロセッサ46によって実行される写真フィルム22
の画像読取処理について、図11のフローチャートを参
照して説明する。なお、ラインCCDスキャナ14は、
写真フィルム読取時のモードとして、「プレスキャンモ
ード」、及び「ファインスキャンモード」の各モードが
予め定められていると共に、各モードにおけるラインC
CDスキャナ14の各部の状態も予め定められている。
さらに、本実施形態では、読取対象とする写真フィルム
が、フィルムマウントに保持された135サイズのネガ
フィルムである場合について説明する。従って、ここで
使用するフィルムキャリアはスライド用のフィルムキャ
リア38であり、本画像読取処理の実行に先立って、読
み取り対象とする写真フィルム22が保持されたフィル
ムマウントがフィルムキャリア38の保持部材41に保
持され、保持部材41が図1に示す位置に位置されてい
る。
【0118】図11のステップ300では、「プレスキ
ャンモード」に移行し、写真フィルム22に対するプレ
スキャンが所定の読取条件で行われるように、「プレス
キャンモード」として予め定められている各部の状態に
従って各部の作動を制御する。
【0119】すなわち、ランプドライバ53によってラ
ンプ32を点灯させ、絞り駆動モータ56によって絞り
39をプレスキャン時の位置に移動させ、ターレット駆
動モータ54によってターレット36をネガフィルム位
置(ネガフィルム用のバランスフィルタ36Nが光軸L
上に位置する位置)へ回転させ、レンズユニット50に
よる光学倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ
58、レンズ駆動モータ60によって載置台47及びレ
ンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り駆動
モータ62によってレンズ絞り51を全開位置に移動さ
せ、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ5
2を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレ
ータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの
作動時間(ラインCCD116によるライン単位の読取
周期(電荷蓄積時間))として最短値であるtを設定し、
フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送
速度として最速値である5×v(通常のフィルム画像の
ファインスキャン時における搬送速度をvとした場合の
5倍の搬送速度)を設定する。従って、写真フィルム2
2に対するプレスキャンは比較的粗い解像度で高速に行
われ、短時間で処理が完了する。
【0120】次のステップ302では、フィルムキャリ
ア38に対し、所定方向(図2の矢印Dの右方向)への
写真フィルム22の搬送を指示し、最速の搬送速度(5
×v)で搬送される写真フィルム22をラインCCD1
16によって最短の読取周期(t)で読み取り、ライン
CCD116から出力された信号に対して順次A/D変
換を行ってプレスキャンデータとして画像処理部16へ
順次出力するプレスキャンを開始する。
【0121】次のステップ304では写真フィルム22
の搬送方向後端までプレスキャンを行ったか否か判定
し、判定が肯定される迄待機する。
【0122】このプレスキャンの間、画像処理部16で
は、ラインCCDスキャナ14から入力される画像デー
タを図示しない記憶部に順次記憶すると共に、該記憶さ
れた画像データに基づき、写真フィルム22に記録され
ているフィルム画像の写真フィルム22の搬送方向に沿
った両端(上流側及び下流側)のエッジ位置を各々判定
する。
【0123】エッジ位置の判定は、例えば、本願出願人
が特開平8−304932号公報、特開平8−3049
33号公報、特開平8−304934号公報、特開平8
−304935号公報で提案しているように、プレスキ
ャンデータが表す各画素毎の濃度値に基づき、各画素毎
にフィルム搬送方向に沿った濃度変化値を各々演算し、
各画素のフィルム搬送方向に沿った濃度変化値をフィル
ム搬送方向に直交する方向に沿ったライン単位で積算
し、各ライン毎の積算値を比較することで行うことがで
きる。
【0124】また、画像処理部16では、このようにし
て判定したエッジ位置に基づき、フィルムマウントの位
置等と対応付けてフィルム画像のコマ位置を判定し、判
定したコマ位置を上記図示しない記憶部に記憶すると共
に、該コマ位置に基づいて、記憶した画像データからフ
ィルム画像が記録されている領域の画像データを切り出
して上記図示しない記憶部に記憶する。
【0125】写真フィルム22の搬送方向後端までプレ
スキャンが終了すると(図11のステップ304の判定
が肯定されると)、ステップ306では、プレスキャン
時に画像処理部16によって上記図示しない記憶部に記
憶されたプレスキャン画像データからフィルム画像の所
定の画像特徴量を演算する。なお、所定の画像特徴量に
は、フィルム画像の色バランス値(詳しくは、フィルム
画像の各成分色毎の最小濃度値(最大輝度値)の比率)
も含まれる。
【0126】また、ステップ306では、演算した画像
特徴量に基づいて、フィルム画像の種別(サイズ、濃度
種別)及びファインスキャン画像データに対する画像処
理の処理条件を演算により設定する。
【0127】なお、読取対象の写真フィルム22が13
5サイズの写真フィルムであれば、フィルム画像のサイ
ズ(この場合はフィルム画像のフレームサイズ)は、例
えば標準サイズのフィルム画像では画像記録範囲内とな
り、パノラマサイズ等の非標準サイズのフィルム画像で
は画像記録範囲外となる所定部分の濃度や色味が、未露
光部(ネガフィルムであれば素抜け)に相当する濃度や
色味であるか否かに基づいて判定することができる。
【0128】また、特開平8−304932号公報、特
開平8−304933号公報、特開平8−304934
号公報、特開平8−304935号公報のように、プレ
スキャン時の画像データが表す各画素毎の濃度値に基づ
き、各画素毎にフィルムの搬送方向に直交する方向に沿
った濃度変化値を各々演算し、各画素のフィルムの搬送
方向に直交する方向に沿った濃度変化値をフィルム搬送
方向に沿ったライン単位で積算し、各ライン毎の積算値
を比較することでフィルム画像のサイズ(アスペクト
比)を判定したり、濃度ヒストグラムから閾値を定めて
画像を二値化し、画像中の各領域における画像の存在率
に基づいて判定したり、前述の所定部分における濃度変
化値の分散及び平均値に基づいて判定したり、上記の手
法を組み合わせて判定するようにしてもよい。
【0129】フィルム画像の濃度種別については、例え
ば平均濃度、最大濃度、最小濃度等を予め定められた所
定値と比較することで、低濃度/通常濃度/高濃度/超
高濃度等に分類することができる。また、画像処理の処
理条件としては、例えば画像の拡大縮小率、ハイパート
ーンやハイパーシャープネス等の画像処理の処理条件
(具体的には、画像の超低周波輝度成分に対する階調の
圧縮度、画像の高周波成分や中周波成分に対するゲイン
(強調度))、階調変換条件等が演算される。
【0130】上記のようにして、種別、及び画像処理の
処理条件の設定が終了すると、次のステップ308では
画像検定処理を実行する。この画像検定処理について、
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0131】まず、ステップ400では、画像処理部1
6からフィルム画像のプレスキャン画像データ及び画像
処理の処理条件を取り込む。
【0132】次のステップ402では、ステップ400
において取り込んだフィルム画像のプレスキャン画像デ
ータ及び画像処理の処理条件に基づいて、プレスキャン
画像データに対し、処理条件に従って所定の画像処理
(画像の拡大縮小、階調変換、ハイパートーン処理、ハ
イパーシャープネス処理等)を行う。この所定の画像処
理は、ファインスキャン画像データに対して画像処理部
16で行われる画像処理と等価な画像処理であるが、プ
レスキャンはファインスキャンよりも低解像度でフィル
ム画像を読み取るものであり、プレスキャン画像データ
はファインスキャン画像データよりもデータ量が少ない
ので、ステップ402における画像処理は比較的短時間
で完了する。
【0133】次のステップ404では、画像処理を行っ
た画像データに対し、該画像データをディスプレイ18
に表示した場合の状態(見え具合)が図示しないレーザ
プリンタ部によるプリント結果と略同様となるようにデ
ィスプレイ18の特性に応じて画像データを補正し、補
正後のデータ(シミュレーション画像データ)をRAM
68に一旦記憶する。
【0134】次のステップ406では、上記シミュレー
ション画像データに基づいて、フィルム画像のシミュレ
ーション画像をディスプレイ18に表示し、次のステッ
プ408では、オペレータにシミュレーション画像の検
定を要請するメッセージをディスプレイ18に表示する
等により、オペレータにシミュレーション画像の検定を
要請する。
【0135】これにより、オペレータはディスプレイ1
8に表示されているシミュレーション画像を目視で確認
し、各種の判定を行って判定結果を入力する検定作業を
行う。すなわち、まず画像処理部16で判定されたフィ
ルム画像のコマ位置が適正か否かを判定する。コマ位置
が適正であると判断した場合にシミュレーション画像の
画質が適正か否か(すなわち画像処理部16で演算され
た処理条件が適正か否か)を判定し、画質(処理条件)
が適正でないと判定した場合には処理条件をどのように
修正すべきかを判断する。
【0136】そして、シミュレーション画像のコマ位置
及び画質を適正と判定した場合には、検定結果として
「検定OK」を表す情報をキーボード12A等を介して
入力し、シミュレーション画像のコマ位置が適正でない
と判定した場合には、検定結果として、シミュレーショ
ン画像のコマ位置をどのように修正するかを指示する情
報をキーボード12A等を介して入力し、シミュレーシ
ョン画像の画質が適正でないと判定した場合には、検定
結果として、シミュレーション画像に対応するフィルム
画像に対して処理条件の修正を指示する情報をキーボー
ド12A等を介して入力する。
【0137】例えば、ストロボを用いて撮影したフィル
ム画像や逆光のシーンを撮影したフィルム画像はコント
ラストが過剰に高く、シミュレーション画像上で主要被
写体に対して背景のとび、又はつぶれが発生する。この
ような場合、オペレータは画像中の背景に相当する領域
についてのみ階調が圧縮されるように、すなわちハイパ
ートーン処理による画像の超低周波明るさ成分(画像か
ら抽出した超低周波輝度成分の画像における高輝度の領
域)の階調の圧縮度合いが高くなるように、処理条件の
修正を指示する情報として画像の超低周波輝度成分のう
ち高輝度のデータに対する強調度の修正を指示する情報
を入力する。
【0138】また、例えばシミュレーション画像上でシ
ャープネスが不足している場合、オペレータはシャープ
ネスが強調されるように、処理条件の修正を指示する情
報として画像の高周波成分等に対する強調度の修正を指
示する情報を入力する。また、例えばアンダ露光やオー
バ露光のフィルム画像は、シミュレーション画像の濃度
が全体的に高濃度側又は低濃度側に偏倚したり、シミュ
レーション画像のコントラストが過剰に低くなる。この
ような場合、オペレータは、全体的な濃度やコントラス
トが適正となるように、処理条件の修正を指示する情報
として階調変換条件の変換カーブの修正を指示する情報
を入力する。
【0139】次のステップ410では、キーボード12
A等を介してオペレータから検定結果が入力されたか否
か判定し、検定結果が入力される迄待機する。検定結果
が入力されるとステップ412へ移行し、検定結果とし
て入力された情報の内容を判定する。検定結果として、
コマ位置の修正又は処理条件の修正を指示する情報が入
力された場合にはステップ414へ移行し、入力された
コマ位置又は処理条件の修正内容を画像処理部16にお
いて得られているコマ位置又は処理条件に対して反映さ
せる。
【0140】すなわち、入力された修正指示がフィルム
画像のコマ位置を修正する指示であった場合には、フィ
ルム画像のコマ位置を前記修正指示に応じて修正した後
に、先に説明したステップ306と同様に、修正したコ
マ位置に従ってプレスキャンデータからプレスキャン画
像データを再度切り出し、切り出したプレスキャン画像
データから所定の画像特徴量を演算し、フィルム画像の
種別及び画像処理の処理条件を演算により再度設定す
る。上記のようにコマ位置を修正することで、ファイン
スキャン時に写真フィルム22上の画像部を確実に読み
取ることができる。
【0141】また、入力された修正指示がフィルム画像
の処理条件を修正する指示であった場合には、フィルム
画像の処理条件の修正のみを行う。例えば処理条件の修
正指示が、特定の周波数成分に対する強調度を修正する
指示であれば、画像処理の処理条件のうち、該当する周
波数成分に対する強調度を修正し、処理条件の修正指示
が、階調変換条件の変換カーブを修正する指示であれ
ば、画像処理の処理条件のうち、階調変換条件が表す変
換カーブを、修正指示に応じて全体的又は部分的に修正
する。これにより、フィルム画像に対して適切な処理条
件を確実に設定することができる。
【0142】上記のようにしてコマ位置又は処理条件の
修正内容の反映が終了するとステップ416へ移行し、
コマ位置又は処理条件の修正が行われたフィルム画像の
プレスキャン画像データ及び処理条件を画像処理部16
から取り込み、ステップ402に戻る。
【0143】これにより、コマ位置又は処理条件の修正
が行われたフィルム画像について、ステップ402、4
04の処理が再度行われ、フィルム画像のシミュレーシ
ョン画像がディスプレイ18に再表示されることにな
る。そして、再表示されたフィルム画像のシミュレーシ
ョン画像をオペレータが目視で確認することにより、先
に入力した修正指示の内容が適正か否かをオペレータが
容易に判断することが可能となる。
【0144】ステップ402〜416の処理は、オペレ
ータの指示により、ディスプレイ18に表示されている
シミュレーション画像のコマ位置及び画質が各々適正と
判定され、検定結果として「検定OK」を表す情報が入
力される迄(ステップ412の判定が否定される迄)繰
り返され、シミュレーション画像に対応するフィルム画
像のコマ位置や処理条件がオペレータからの指示に応じ
て修正される。そして、オペレータからキーボード12
A等を介して「検定OK」を表す情報が入力され、ステ
ップ412の判定が否定されると本画像検定処理を終了
する。
【0145】画像検定処理を終了すると、図11のステ
ップ310では、写真フィルム22の搬送方向の逆転を
フィルムキャリア38に指示する。この時点における写
真フィルム22は、プレスキャンによって図2矢印Dの
右方向に移動されてフィルムキャリア38の右端に位置
しているので、ステップ310の指示によって写真フィ
ルム22の図2矢印Dの左方向への移動が開始される。
【0146】次のステップ312では、写真フィルム2
2の搬送方向中心の読取位置への到達待ちを行い、到達
した時点でステップ314へ移行して、フィルムキャリ
ア38に対して写真フィルム22の搬送停止を指示する
ことによって写真フィルム22の搬送を停止する。
【0147】次のステップ316では、オートフォーカ
ス処理(合焦制御処理)を実行する。このオートフォー
カス処理について、図13のフローチャート及び図14
の模式図を参照して説明する。なお、本実施形態に係る
オートフォーカス処理では、図15に示すように、実験
等によって予め得られている写真フィルム22上の主要
被写体領域150の主走査方向両端部近傍の領域152
A及び領域152Cと、写真フィルム22の中心を含む
領域152Bとの3個所の領域について合焦位置を求
め、該3個所の合焦位置に基づいて設定すべき合焦位置
156を求める。
【0148】まず、図13のステップ450では、図7
に示したフォーカスキャリブレーション処理に基づいて
ROM70に記憶されたフォーカスキャリブレーション
テーブル(表1参照)から、ファインスキャン時の光学
倍率と同様の光学倍率(本実施形態では1.0)におけ
る基準チャート135の合焦位置(=2500)及びス
ライド用のフィルムキャリアにおける135サイズの写
真フィルム用の保持部材41を用いた場合の差分(=1
00)を読み出して、これらの値を合計することによっ
て基準合焦位置(図14も参照)を取得すると共に、R
OM70から基準温度を読み出す。
【0149】次のステップ452では、レンズ温度セン
サ98によってレンズユニット50内の温度を取得し、
次のステップ454では、ステップ450及びステップ
452で取得した基準温度及びレンズユニット50内の
温度の温度差に基づいて温度補正パルスを取得する。周
知のように、レンズの合焦位置は、光学倍率に応じた勾
配で温度に応じて変動するので、上記温度差に応じて基
準合焦位置を補正する必要がある。そこで本実施形態で
は、一例として図16に示すように、レンズユニット5
0の各種光学倍率における温度差に対する載置台47の
光軸L方向の変動量を読取部駆動モータ58の駆動パル
ス数(以下、温度補正パルス数という。)で示した温度
補正テーブルを予めROM70に記憶しておき、ステッ
プ454において、ファインスキャン時の光学倍率にお
ける温度差に対する温度補正パルス数をROM70から
読み出す。
【0150】温度補正パルスを取得すると、次のステッ
プ456では、上記ステップ450において取得した基
準合焦位置(合焦パルス数)と上記ステップ454にお
いて取得した温度補正パルス数とを加算することによ
り、この時点とフォーカスキャリブレーション時との温
度差による合焦位置の変動を補正した予測合焦位置(図
14も参照)を決定する。
【0151】次のステップ458では、以上により求め
た予測合焦位置を基準として実際の合焦位置の検索領域
(サーチエリア)を設定する。本実施形態では、フィル
ムキャリアの種類毎、かつ検索対象とする領域152A
〜152C(図15も参照)の各領域毎に、合焦位置を
検索すべき領域の光軸L方向の寸法及び予測合焦位置に
対する位置が予めROM70に記憶されており、この値
を読み出して、予測合焦位置を基準としてサーチエリア
(図14も参照)を設定する。本実施形態では、まず領
域152Aに対するサーチエリアを設定する。
【0152】サーチエリアの設定が終了すると次のステ
ップ460では、読取部駆動モータ58によって載置台
47の位置を上記サーチエリアにおけるサーチ開始位置
にスライド移動させる。マイクロプロセッサ46は、上
記サーチエリアのうちで最も焦点距離が短くなるように
載置台47をスライド移動させることにより載置台47
をサーチ開始位置へ移動させる。この場合、サーチ終了
位置は、上記サーチエリアのうちで最も焦点距離が長く
なる位置(図14も参照)となる。
【0153】次のステップ462では、読取部駆動モー
タ58による載置台47のサーチ終了位置に向けた所定
速度によるスライド移動を開始させることによりサーチ
動作を開始し、次のステップ464では、所定時間の経
過待ちを行う。なお、所定時間は、サーチ開始位置から
サーチ終了位置に至るまでの載置台47の上記所定速度
によるスライド移動期間を複数(本実施形態では6)に
分割した時間とされている。
【0154】所定時間が経過すると(ステップ464が
肯定されると)ステップ466へ移行し、この時点でラ
インCCD116により読み取られた領域152Aの画
像における画像コントラスト値を算出してRAM68の
所定領域に記憶する。なお、本実施形態における画像コ
ントラスト値は、読み取った画像における所定の空間周
波数領域のMTFの積分値の移動平均値としている。
【0155】次のステップ468では、読取部位置セン
サ59による載置台47の位置情報に基づいて、載置台
47がサーチ終了位置に到達したか否かを判定し、到達
していない場合は上記ステップ464へ戻り、到達する
までステップ464〜468の処理を繰り返して行う。
この繰り返し処理によって、領域152Aの上記サーチ
エリアにおける複数箇所(本実施形態では6箇所)の画
像コントラスト値(移動平均値)が算出されて記憶され
る。
【0156】載置台47がサーチ終了位置に到達すると
(ステップ468が肯定されると)ステップ470へ移
行して、載置台47の移動を停止することによってサー
チ動作を終了し、次のステップ472では、上記ステッ
プ464〜468の処理によって画像コントラスト値が
RAM68に記憶された領域152Aの6箇所のサーチ
エリア内の読み取り位置のうち、最も画像コントラスト
値が大きい位置を領域152Aにおける仮合焦位置15
4Aとして決定する。
【0157】次のステップ474では、合焦位置の検出
対象とする全ての領域について上記ステップ458〜4
72の処理が終了したか否かを判定し、終了していない
場合はステップ458へ戻り、ステップ458〜ステッ
プ472の処理を残りの領域に対して行う。これによっ
て、領域152B及び領域152Cについても同様に仮
合焦位置154B及び154Cが各々決定される。な
お、仮合焦位置154A〜154Cが本発明の複数の合
焦位置に相当する。
【0158】領域152A〜152Cにおける仮合焦位
置154A〜154Cが決定されると(ステップ474
が肯定されると)ステップ476へ移行し、仮合焦位置
154A〜154Cに基づいて、設定すべき最終的な合
焦位置156を決定する。この際の合焦位置156の決
定は、例として次のように行うことができる。なお、以
下の例では、仮合焦位置154A、154B、154C
を各々KA、KB、KCと表わす。 (例1)次の(1)式により合焦位置156を求める。
【0159】 合焦位置=(max(KA,KB,KC) +min(KA,KB,KC))/2 (1) ここで、max(KA,KB,KC)は光軸方向の高さ
が最も高い仮合焦位置を、min(KA,KB,KC)
は光軸方向の高さが最も低い仮合焦位置を、各々示す
(以下、同様)。
【0160】即ち、(1)式により求められる合焦位置
156は、光軸方向の高さが最も高い仮合焦位置と最も
低い仮合焦位置との中心の位置となる。 (例2)次の(2)式により合焦位置156を求める。
【0161】 合焦位置=(KA+KB+KC)/3 (2) 即ち、(2)式により求められる合焦位置156は、3
個所の仮合焦位置の相加平均値として求められる。 (例3)次の(3)式により合焦位置156を求める。
【0162】 合焦位置=(KA+2KB+KC)/4 (3) 即ち、(3)式により求められる合焦位置156は、仮
合焦位置154Bに対して重み(ここでは2)を付加し
た場合の3個所の仮合焦位置の相加平均値として求めら
れる。 (例4)次の(4)式により合焦位置156を求める。
【0163】 合焦位置=(max(KA,KC) +min(KA,KC))/2 (4) ここで、max(KA,KC)は仮合焦位置154A及
び154Cの光軸方向の高さが高い側の仮合焦位置を、
min(KA,KC)は仮合焦位置154A及び154
Cの光軸方向の高さが低い側の仮合焦位置を、各々示す
(以下、同様)。 (例5)次の(5)式の条件が成立する場合は(1)式
により、成立しない場合は(6)式により合焦位置15
6を求める。
【0164】 max(KA,KB,KC)−min(KA,KB,KC)≦H(5) 合焦位置=max(KA,KB,KC)−H/2 (6) ここで、Hはレンズユニット50の被写界深度を示す。
【0165】即ち、光軸方向の高さが最も高い仮合焦位
置から最も低い仮合焦位置までの距離がレンズユニット
50の被写界深度以下である場合は、(1)式を用いて
算出した合焦位置156を中心としたレンズユニット5
0の被写界深度内に主要被写体領域150(図15参
照)はほぼ納まるが、光軸方向の高さが最も高い仮合焦
位置から最も低い仮合焦位置までの距離がレンズユニッ
ト50の被写界深度より大きい場合は、(1)式を用い
て算出した合焦位置156では、レンズユニット50の
被写界深度内に主要被写体領域150が納まらない。
【0166】そこで、この場合は、(6)式を用いて合
焦位置156を算出することにより、合焦位置156を
中心としたレンズユニット50の被写界深度内にできる
だけ主要被写体領域150を収めるようにしている。
【0167】一方、次の理由等により、仮合焦位置が決
定できない領域が発生する場合がある。 ・判定領域内のフィルム画像の濃度が高すぎる。 ・判定領域内のコントラストが低すぎる。
【0168】この場合の合焦位置156の決定は、例と
して次のように行うことができる。 (例6)仮合焦位置154B(光軸方向の高さが最も高
い仮合焦位置)が決定できなかった場合、次の(7)式
により合焦位置156を求める。
【0169】 合焦位置=max(KA,KC) (7) すなわち、仮合焦位置154A及び154Cの光軸方向
の高さが高い側の仮合焦位置は、3個所の仮合焦位置の
中間に位置するものであるので、この位置を合焦位置1
56とすることによって、主要被写体領域150をレン
ズユニット50の被写界深度内に極力納めるようにして
いる。 (例7)仮合焦位置154A(光軸方向の高さが最も高
い仮合焦位置以外の仮合焦位置)が決定できなかった場
合、次の(8)式により合焦位置156を求める。
【0170】 合焦位置=(KB+KC)/2 (8) なお、仮合焦位置が1個所のみしか決定できなかった場
合や1個所も決定できなかった場合には、本実施形態で
は、フォーカスキャリブレーションテーブルに基づいて
得られた予測合焦位置(図14参照)を合焦位置156
として、その後のファインスキャンを行う。
【0171】以上により合焦位置156が決定するとス
テップ478に移行して、合焦位置156に位置するよ
うに載置台47を移動させ、かつ載置台47の駆動系の
バックラッシを除去するために所定距離だけ逆方向に載
置台47を移動させた後に本オートフォーカス処理を終
了する。
【0172】図17は、以上のオートフォーカス処理に
おける載置台47の移動状態を示している。同図に示す
ように、載置台47は、図13のステップ460によっ
て当初の位置(オートフォーカス開始位置と表現)から
サーチエリアにおけるサーチ開始位置に移動した後にサ
ーチ終了位置まで所定速度で移動する。この際、マイク
ロプロセッサ46では、所定時間毎にラインCCD11
6によって得られた画像データに基づいて画像コントラ
スト値(移動平均値)を算出し記憶する。その後、載置
台47は、ステップ476により決定された合焦位置1
56に位置するように移動した後、載置台47の駆動系
のバックラッシを除去するために所定距離だけ逆方向に
移動して正確な合焦位置156に停止する。
【0173】ところで、図18に示すように、オートフ
ォーカス処理において得ているサーチエリア内の各画像
コントラスト値は通常は滑らかな曲線160A上に位置
するはずであるが、オートフォーカス処理時に画像読取
装置が振動している場合、各画像コントラスト値は振動
に応じて振動した状態の曲線160B上に位置する状態
となる。従って、載置台47が実際の合焦位置とは異な
る位置に位置するときに大きな振動が発生した場合、そ
の位置における画像コントラスト値は他に比較して極端
に大きな値となり、その位置が合焦位置であると誤認し
てしまう。
【0174】そこで本実施形態では、オートフォーカス
処理時において求めている各画像コントラスト値を移動
平均値とすることにより平滑化している。
【0175】オートフォーカス処理を終了すると、図1
1のステップ318では、ファインスキャン処理を行
う。次に図19のフローチャートを参照して、ファイン
スキャン処理について説明する。
【0176】まず、ステップ500では、フィルムキャ
リア38に写真フィルム22の搬送方向の逆転を指示す
ることにより写真フィルム22を図2矢印Dの右方向に
移動させる。即ち、この時点における写真フィルム22
の位置は、上記オートフォーカス処理によって読取位置
上に写真フィルム22の搬送方向中心が位置する位置
(図2破線で示す位置)に位置しているので、ステップ
500によってこの位置からの写真フィルム22の図2
矢印Dの右方向への移動が開始される。
【0177】次のステップ502では、ファインスキャ
ン時における写真フィルム22上のスキャン開始位置の
読取位置への到達待ちを行う。即ち、本実施形態では、
ファインスキャン時の写真フィルム22の搬送速度が予
め定められており、写真フィルム22が停止した状態か
ら上記搬送速度に到達するまでには、上記搬送速度に応
じた長さの距離(以下、助走距離という。)を要する。
このため、フィルム画像の読取開始位置(フィルム画像
のエッジ)が読取位置に位置した状態から写真フィルム
22の搬送を開始したのでは、フィルム画像の読み取り
を正確に行うことができない。そこでステップ502で
は、フィルム画像の読取開始位置から助走距離を溯った
位置をスキャン開始位置として、該スキャン開始位置が
読取位置に位置するまで写真フィルム22の搬送を行っ
ている。
【0178】なお、写真フィルム22のファインスキャ
ン時の搬送速度は、読取対象とするフィルム画像の濃度
等に応じて切替える形態としてもよい。
【0179】スキャン開始位置が読取位置に到達すると
ステップ502の判定が肯定されてステップ504へ移
行し、フィルムキャリア38に対して写真フィルム22
の搬送方向の逆転を指示することによって写真フィルム
22の搬送方向を逆転させる。
【0180】次のステップ506では、フィルム画像の
種別に適した読取条件でフィルム画像に対するファイン
スキャンが行われるように、ラインCCDスキャナ14
の各部の作動を制御する。すなわち、これからファイン
スキャンを行うフィルム画像の種別に応じたファインス
キャンモードの設定を行う。
【0181】次のステップ508では、画像処理部16
の図示しない記憶部に記憶されたコマ位置に基づき、こ
れからファインスキャンを行うフィルム画像のエッジが
ラインCCD116の読取位置(光軸位置)に到達した
か否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0182】ステップ508の判定が肯定されるとステ
ップ510へ移行し、読取位置に到達したフィルム画像
をラインCCD116によって読み取り、ラインCCD
116から出力された信号に対して順次A/D変換を行
ってファインスキャン画像データとして画像処理部16
へ順次出力するファインスキャンを行う。これにより、
フィルム画像の種別毎に最適な読取条件で前記フィルム
画像のファインスキャンが行われることになる。
【0183】なお、ラインCCDスキャナ14から画像
処理部16に出力されたファインスキャン画像データ
は、先に記憶された処理条件で画像処理部16において
画像処理が行われ、図示しないレーザプリンタ部へ出力
されてプリントされる。
【0184】ファインスキャンを完了するとステップ5
12へ移行して、写真フィルム22の高速搬送(本実施
形態では5×v)をフィルムキャリア38に対して指示
することにより写真フィルム22を高速にフィルムキャ
リア38から排出した後に、本ファインスキャン処理を
終了し、図11に示した画像読取処理を終了する。
【0185】図20は、以上の画像読取処理の全体的な
流れをまとめた概念図である。なお、図20は、写真フ
ィルムに対する読取位置の相対的な位置の移動を「開
始」から「終了」に至る矢印で示している。
【0186】即ち、本実施形態における画像読取処理で
は、予め定められたプレスキャン時の速度(本実施形態
では5×v)で搬送されているスライドのフィルム画像
124Xのプレスキャンが行われた後にフィルム画像1
24Xの画像検定が行われると共に、フィルム画像12
4Xの搬送方向略中心が光軸Lに一致する様にスライド
を移動させてオートフォーカス処理(図20ではAFと
表現)が行われる。
【0187】その後、スライドがプレスキャン時の搬送
方向と同一方向に搬送されてスキャン開始位置が読取位
置に到達するまでスライドが移動された後にスライドの
搬送方向が再度逆転されてスライドの搬送速度がファイ
ンスキャン時の所定の搬送速度に切替えられると共に、
フィルム画像124Xの種別等に応じた各部の設定が行
われた後に、読み取り開始位置130Aから読み取り終
了位置130Bまでの間にフィルム画像124Xの読み
取りが行われ、その後、スライドは高速搬送区間126
において高速(本実施形態では5×v)に搬送されてフ
ィルムキャリア38から排出される。
【0188】以上詳細に説明したように、本実施形態に
係る画像読取装置では、オートフォーカス処理時におい
て、読取対象とする写真フィルムの主走査方向の3領域
又は2領域の合焦位置(仮合焦位置)に基づいて最終的
な合焦位置を設定しているので、読取対象とする写真フ
ィルムが主走査方向に湾曲している場合であっても容易
かつ短時間に好適な合焦位置を設定することができる。
【0189】また、本実施形態に係る画像読取装置で
は、オートフォーカス処理時に得られる画像コントラス
ト値を移動平均値としているので、振動等に起因する合
焦位置の誤った設定を回避することができる。
【0190】〔第2実施形態〕本第2実施形態では、オ
ートフォーカス処理における合焦制御を行った際に、合
焦したとみなすことができる所定条件を満足しなかった
ときに合焦制御に関する条件を変更して再度合焦制御を
行うと共に、合焦制御を行うに先立ってラインCCD1
16の出力レベルを調整する場合の実施の形態、すなわ
ち、請求項5記載の画像読取装置及び請求項11記載の
合焦制御方法と請求項6記載の画像読取装置及び請求項
12記載の合焦制御方法の実施の形態について説明す
る。なお、本第2実施形態に係る画像読取装置の構成は
上記第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省
略する。
【0191】まず、図21を参照して、合焦制御を行う
に先立ってラインCCD116の出力レベルの調整を行
う処理(以下、CCD出力調整処理という)について説
明する。本実施形態に係るCCD出力調整処理では、図
15に示す領域152A、152B、及び152Cの3
つの領域に各々対応するラインCCD116上の領域に
対する目標電荷蓄積時間を各々求め、各領域の目標電荷
蓄積時間に基づいて、設定すべきラインCCD116の
全体的な目標電荷蓄積時間を求める。なお、本CCD出
力調整処理を行うに先立って、読み取り対象とする写真
フィルム22が保持されたフィルムマウントがフィルム
キャリア38の保持部材41に保持され、保持部材41
が図1に示す位置に位置されている。また、本実施形態
では、本CCD出力調整処理を画像読取処理の実行に先
立って実行する。
【0192】図21のステップ270では、画像データ
の目標値GMを算出する。なお、本実施形態における目
標値GMは、ラインCCD116の飽和出力レベルの3
0%に対応する画像データの値とする。
【0193】次のステップ272では、フィルムキャリ
ア38に対して、所定方向(図2の矢印Dの右方向)へ
の写真フィルム22の搬送を指示することによって写真
フィルムの搬送を開始し、次のステップ274では、写
真フィルム22の搬送方向中心の読取位置への到達待ち
を行い、到達した時点でステップ276へ移行して、フ
ィルムキャリア38に対して写真フィルム22の搬送停
止を指示することによって写真フィルム22の搬送を停
止する。
【0194】次のステップ278では、ラインCCD1
16の電荷蓄積時間DTを所定時間(本実施形態ではラ
インCCD116の電荷蓄積時間の最大値)に設定し、
次のステップ280では、この状態において領域152
A、152B、及び152C(図15も参照)の3つの
領域のうちの1つの領域についてG(グリーン)の画像
データを取得する。
【0195】次のステップ282では、上記ステップ2
80で取得したGの画像データの平均値が所定の下限値
より小さいか否かを判定し、小さい場合(肯定判定の場
合)はステップ284へ移行して電荷蓄積時間DTを2
倍の値に再設定した後に上記ステップ280へ戻り、小
さくない場合(否定判定の場合)にはステップ286へ
移行する。
【0196】ステップ286では、上記ステップ280
で取得したGの画像データの平均値が所定の上限値より
大きいか否かを判定し、大きい場合(肯定判定の場合)
はステップ288へ移行して電荷蓄積時間DTを半分の
値に再設定した後に上記ステップ280へ戻り、大きく
ない場合(否定判定の場合)にはステップ290へ移行
する。
【0197】すなわち、上記ステップ280乃至ステッ
プ288の繰り返し処理によって、電荷蓄積時間DTは
Gの画像データの平均値が上記下限値から上記上限値ま
での範囲内となる値に調整される。なお、本実施形態に
おける上記下限値はラインCCD116の飽和出力レベ
ルの50%に対応する画像データの値とし、上記上限値
はラインCCD116の飽和出力レベルの80%に対応
する画像データの値とする。
【0198】次のステップ290では、この時点におけ
る電荷蓄積時間DT、上記画像データの目標値GM、及
びこの時点における画像データの平均値GTに基づい
て、次の(9)式によって仮目標電荷蓄積時間DMを算
出して、RAM68の所定領域に記憶する。
【0199】 DM=DT×GM÷GT (9) 次のステップ292では、領域152A、152B及び
152Cの全ての領域について上記ステップ278〜2
90の処理が終了したか否かを判定し、終了していない
場合はステップ278へ戻り、ステップ278〜ステッ
プ290の処理を残りの領域に対して行う。これによっ
て、領域152A、152B及び152Cの全ての領域
に対する仮目標電荷蓄積時間DMが各々得られる。
【0200】次のステップ294では、以上の処理によ
って得られた領域152A、152B、及び152Cの
各々に対する仮目標電荷蓄積時間DMに基づいてライン
CCD116の総合的な目標電荷蓄積時間を導出してR
AM68の所定領域に記憶する。なお、本実施形態にお
ける上記総合的な目標電荷蓄積時間は、3つの仮目標電
荷蓄積時間DMのうちの最も短い時間を適用する。これ
によって、領域152A、152B、及び152Cの3
つの領域全てについてラインCCD116の出力レベル
が飽和出力レベルを超えないようにすることができる。
【0201】次のステップ296で、写真フィルム22
の高速搬送(本実施形態では5×v)をフィルムキャリ
ア38に対して指示することにより写真フィルム22を
高速にフィルムキャリア38から排出した後に、本CC
D出力調整処理を終了する。
【0202】以上のCCD出力調整処理によって得られ
た総合的な目標電荷蓄積時間は、次に説明する画像読取
処理におけるラインCCD116の電荷蓄積時間として
設定される。
【0203】次に、図22を参照して、本第2実施形態
に係る画像読取装置における画像読取処理について説明
する。なお、図22における図11(第1実施形態に係
る画像読取処理)と同様の処理を行うステップについて
は図11と同一のステップ番号を付して、その説明を省
略する。
【0204】同図に示すように、本第2実施形態に係る
画像読取装置の画像読取処理は、上記第1実施形態に比
較して、ステップ316のオートフォーカス処理が、合
焦制御を行った際に、合焦したとみなすことができる所
定条件を満足しなかったときに合焦制御に関する条件を
変更して再度合焦制御を行うオートフォーカス処理2と
されている点のみが上記第1実施形態と異なっている。
【0205】次に、図23を参照して、本第2実施形態
に係るオートフォーカス処理2について説明する。な
お、同図における図13(第1実施形態に係るオートフ
ォーカス処理)と同様の処理を行うステップについては
図13と同一のステップ番号を付して、その説明を省略
する。
【0206】同図に示すように、本第2実施形態におけ
るオートフォーカス処理2は上記第1実施形態における
オートフォーカス処理に比較して、ステップ458のサ
ーチエリア設定処理が図15に示す領域152A、15
2B及び152Cの3つの領域が含まれる領域をサーチ
エリアとして設定するステップ458’とされている
点、ステップ470のサーチ終了処理の実行直後にステ
ップ471A、471B、及び471Cの各処理を行う
点、ステップ474による判定結果が否定判定であった
ときの戻り先がステップ471Aとされている点、ステ
ップ476の合焦位置決定処理が、決定された仮合焦位
置の数に応じて合焦位置の決定手順を切り換えるステッ
プ476’とされている点、が異なっている。
【0207】すなわち、本第2実施形態におけるオート
フォーカス処理2では、ステップ458’において図1
5に示す領域152A、152B及び152Cの3つの
領域が含まれる領域をサーチエリアとして設定する。こ
れに伴い、ステップ460〜ステップ470の処理で
は、領域152A、152B及び152Cの各々につい
て上記サーチエリアにおける複数箇所(本実施形態では
6箇所)の画像コントラスト値(移動平均値)を算出し
て記憶するようにする。
【0208】その後、ステップ470までの処理によっ
て上記ステップ458’において設定されたサーチエリ
アにおけるサーチが終了するとステップ471Aへ移行
して、領域152A、152B及び152Cの内の1つ
の領域において、それまでに得られているサーチエリア
内の複数の画像コントラスト値の最小値に対する最大値
の割合(以下、コントラスト比という)を算出して、該
コントラスト比が所定値(本実施形態では、1.5)以
上であるか否かを判定し、所定値以上でない場合(否定
判定の場合)はステップ471Bへ移行して、上記ステ
ップ460〜ステップ470の処理の繰り返し回数(リ
トライ回数)が所定回数(本実施形態では5)以上であ
るか否かの判定を行い、所定回数未満である場合(否定
判定の場合)はステップ471Cへ移行して写真フィル
ム22を所定量(本実施形態ではフィルム画像の副走査
方向幅の10分の1)だけ副走査方向に移動した後に上
記ステップ460へ戻り、所定回数以上である場合(肯
定判定の場合)にはステップ474’へ移行する。
【0209】一方、上記ステップ471Aの判定の結
果、上記コントラスト比が上記所定値以上であると判定
された場合(肯定判定の場合)はステップ472へ移行
する。
【0210】すなわち、領域152A、152B及び1
52Cの内の1つの領域において、上記ステップ45
8’によって設定されたサーチエリアにおけるコントラ
スト比が所定値より小さい場合は、合焦することができ
ない(合焦位置を決定することができない)と判断し、
写真フィルムを副走査方向に所定量だけ移動して再度コ
ントラスト比の判定を行う。この処理をコントラスト比
が上記所定値以上となるまで上記所定回数を上限として
繰り返すことによって、ステップ472ではコントラス
ト比が上記所定値以上である画像に対する仮合焦位置を
決定することができる。ここで、リトライ回数が上記所
定回数となってしまった場合には合焦制御を断念して上
記ステップ472による仮合焦位置の決定を行うことな
くステップ474’へ移行する。
【0211】ステップ474’では、上記ステップ47
1A〜ステップ472の処理が領域152A、152B
及び152Cの全ての領域について終了したか否かを判
定し、終了していない場合(否定判定の場合)にはステ
ップ471Aに戻って終了していない領域に対してステ
ップ471A〜ステップ472の処理を行い、終了した
時点(肯定判定となった時点)でステップ476’に移
行する。
【0212】従って、本第2実施形態におけるオートフ
ォーカス処理2においても、3つの領域152A、15
2B、及び152Cの全てについて仮合焦位置が決定で
きるとは限らない。そこで、本実施形態におけるステッ
プ476’の合焦位置決定処理では、決定された仮合焦
位置の数に応じて、次のように合焦位置を決定する。
【0213】すなわち、決定された仮合焦位置の数が3
である場合は3つの仮合焦位置のうちの最大仮合焦位置
及び最小仮合焦位置の相加平均位置を、決定された仮合
焦位置の数が2である場合は2つの仮合焦位置の相加平
均位置を、決定された仮合焦位置の数が1である場合は
当該仮合焦位置を、仮合焦位置が1つも決定されなかっ
た場合には図14に示す予測合焦位置を、各々合焦位置
として決定する。この合焦位置の決定内容をまとめると
表2に示すようになる。
【0214】
【表2】
【0215】以上詳細に説明したように、本第2実施形
態に係る画像読取装置では、上記第1実施形態に係る画
像読取装置と同様の効果を奏することができると共に、
画像の複数の領域に対する合焦制御を行った際に、合焦
したとみなすことができる所定条件を満足しなかった場
合には、合焦制御に関する条件を変更して再度合焦制御
を行っているので、より正確な合焦位置を検出すること
ができ、この結果として、より好適な合焦状態を設定す
ることができる。
【0216】また、本第2実施形態に係る画像読取装置
では、画像の複数の領域に対する合焦制御を行うに先立
ってラインCCDの出力レベルの調整を行っているの
で、擬似ピークの発生や所望の画像コントラスト値が得
られないといった問題を回避することができる。
【0217】なお、本第2実施形態では、図21に示す
CCD出力調整処理において、ラインCCD116の出
力レベルを調整するためにラインCCD116の電荷蓄
積時間を調整する場合について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、光源部30に設けられた
絞り39を調整することによってラインCCD116の
出力レベルを調整する形態としてもよい。
【0218】また、本第2実施形態では、合焦したとみ
なすことができる所定条件をコントラスト比が所定値以
上であることとした場合について説明したが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えば、図23におけ
るステップ470までの処理で得られているサーチエリ
ア内の複数箇所の画像コントラスト値のうちの最大値に
対応する箇所が上記複数箇所の端部でないこととする形
態としてもよい。
【0219】すなわち、複数箇所の画像コントラスト値
のうちの最大値に対応する箇所が上記複数箇所の端部で
ある場合は、図24に示すように、該最大値はサーチエ
リアのみにおける最大値であって、サーチエリアから外
れた領域、すなわち図24の場合はサーチ終了位置より
紙面右側に画像コントラスト値が最大となる位置が存在
する可能性が高い。
【0220】従って、この場合には、サーチエリアを画
像コントラスト値の最大値側にシフトさせるか、又はサ
ーチエリアを広げてリトライする形態とすることが好ま
しい。
【0221】また、上記第2実施形態では、仮合焦位置
が1つも決定されなかったときには予測合焦位置を合焦
位置として適用する場合について説明したが、本発明は
これに限定されるものではなく、仮合焦位置が1つも決
定されなかったときにはオートフォーカス処理2を一時
中断して、この旨を示すメッセージをディスプレイ18
に表示すること等によって、オペレータに対して次の処
理(ファインスキャン処理)に移行するか否かの判断を
促す形態としてもよい。
【0222】また、上記各実施形態では、画像コントラ
ストを用いたオートフォーカス処理を行う際のラインC
CD116の使用色については特に言及しなかったが、
画像コントラストは通常、G(グリーン)において最も
高いため、Gの画像コントラストを適用することが好ま
しい。表3には、各種形態の画像センサに対するオート
フォーカス実施時の好適な使用色が示されている。
【0223】
【表3】
【0224】なお、この場合、Gの画像コントラストが
低かったときには、他の色に切り替えて合焦制御をリト
ライする形態としてもよい。
【0225】また、上記各実施形態では、オートフォー
カス処理を行う際の合焦制御の対象とする副走査方向位
置を無条件に写真フィルムの副走査方向中心位置とした
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、プレスキャン時(図11及び図22のステ
ップ302、304)に合焦制御に適した副走査方向位
置を判定しておき、オートフォーカス処理時に上記合焦
制御に適した副走査方向位置に対して合焦制御を行う形
態としてもよい。この形態の一例を以下に示す。
【0226】この場合、例えば、望ましい副走査方向位
置はフィルムキャリアにおける開口の中央部近傍である
ため、図25に示すように、該開口中央部付近の所定領
域を副走査方向位置の判定対象領域(以下、副走査位置
判定領域という)として、該副走査位置判定領域の画像
データを取得する。
【0227】すなわち、図25に示すように、オートフ
ォーカス処理において画像コントラストを判定する領域
(以下、AF評価領域という)をA、B、Cの3領域で
あるとし、各AF評価領域中の主走査方向中心画素を各
々a、b、cとすると共に、判定する画像データをライ
ンCCD116におけるG(グリーン)のセンサで取得
した画像データとした場合において、中心画素a、b、
cの副走査位置判定領域におけるGの画像データを取得
する。
【0228】図26には、このように取得された中心画
素a、b、cの各々に対応する画像データ(CCD出
力)の副走査方向位置に対する分布状態の一例が示され
ている。
【0229】その後、どの副走査方向位置が合焦制御に
適しているかを副走査方向に順次判定する。この際の判
定の基準は、例えば次のようにする。 ・理想位置(フィルムキャリアの開口中心)に近いもの
であること。 ・各中心画素の画像データが適切な範囲であること。例
えば、ラインCCD116のCCD飽和出力の10〜8
0%の範囲内にあること。 ・各中心画素の画像データに極端な差がないこと。
【0230】これらの条件をできるだけ満足する副走査
方向位置を探索し、該探索の結果得られた副走査方向位
置に対して合焦制御を行う。
【0231】図26の場合は、副走査方向位置5、副走
査方向位置6が合焦制御に適した副走査方向位置と考え
ることができる。
【0232】また、上記各実施形態では、本発明の画像
センサとしてラインCCD116を適用した場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、エリアCCDを適用する形態としてもよく、CCD
以外の光電変換素子を適用する形態としてもよい。
【0233】また、上記各実施形態では、3箇所の領域
について仮合焦位置を求める場合について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、3個所以外の
複数箇所の領域について仮合焦位置を求める形態として
もよい。
【0234】また、上記第1実施形態では、オートフォ
ーカス処理時に、3個所の領域毎に載置台47を移動さ
せて仮合焦位置を検出する場合について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、上記第2実施形
態のように、サーチエリアを3個所の仮合焦位置が含ま
れる領域として設定しておき、1回の検出動作(載置台
47の移動動作)で3個所の仮合焦位置を全て検出する
形態としてもよい。この場合、上記第1実施形態に比較
して、オートフォーカス処理の処理時間を大幅に短縮す
ることができる。
【0235】また、上記各実施形態では、予めフォーカ
スキャリブレーション処理によってフォーカスキャリブ
レーションテーブルを得ておき、該テーブルに基づいて
オートフォーカス処理時の基準合焦位置を設定する場合
について説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、フォーカスキャリブレーション処理を行わず
に、オートフォーカス時のサーチエリアを予め実験等に
よって求めておき、このサーチエリア内において合焦位
置を検出する形態としてもよい。
【0236】また、上記各実施形態では、本発明を画像
読取処理時においてスライド用のフィルムキャリア38
を用いた場合に適用した場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、長尺の写真フィル
ム用のフィルムキャリアを用いた場合に適用する形態と
してもよい。この場合も、各実施形態と同様に、読取対
象とする写真フィルムが主走査方向に湾曲している場合
であっても容易かつ短時間に好適な合焦位置を設定する
ことができる。
【0237】また、上記各実施形態では、図9の合焦位
置サーチ処理及び図13のオートフォーカス処理におい
て、サーチエリア内の複数位置における最も画像コント
ラスト値が大きい位置を合焦位置(仮合焦位置)とする
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、例えば、複数箇所の最も画像コントラスト
値が大きい2点の中間の位置を合焦位置(仮合焦位置)
とする形態としてもよい。
【0238】また、上記各実施形態では、基準合焦位置
に対して温度補正を行った位置を予測合焦位置とした場
合について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、温度補正を行わずに基準合焦位置を直接予測
合焦位置とする形態としてもよい。但し、この場合は、
合焦位置の温度による変動を考慮してサーチエリアを各
実施形態に比較して若干大きめに設定する必要があり、
これ以外の条件が各実施形態と同様である場合は、サー
チ時間が各実施形態に比較して長くなる。
【0239】また、上記各実施形態では、図16に示し
た温度補正テーブルを予め記憶しておく場合について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演
算によって温度補正パルス数を算出する形態としてもよ
い。(10)式は、この演算のための数式の一例であ
る。
【0240】 CP=4×(T0 −T)/MO (10) ここで、CPは温度補正パルス数を、T0 はフォーカス
キャリブレーション時の温度を、Tはオートフォーカス
時の温度を、MOは光学倍率を、各々示す。
【0241】また、上記各実施形態では、画像コントラ
スト法により合焦を行う場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、写真フィルムとレ
ンズユニット50(又はラインCCD116)との距離
を赤外線等により測定する距離センサを設け、フィルム
画像のデータに代えて距離センサによって検出された距
離に基づいて行うようにしてもよい。
【0242】また、上記各実施形態では、写真フィルム
22がネガフィルムである場合について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、リバーサルフィ
ルム(ポジフィルム)の読み取りに対しても本発明は適
用できることはいうまでもない。
【0243】さらに、以上説明したターレット(図4
(B)参照)に限定されず、図30に示すように、赤光
を吸収するシアンフィルタ用のターレット36C、緑光
を吸収するマゼンタフィルタ用のターレット36M、及
び青紫光を吸収するイエローフィルタ用のターレット3
6Yにより構成してもよい。ターレット36Cは、濃度
の異なる複数のシアンフィルタ36C1、36C2、3
6C3が嵌め込まれている。なお、シアンフィルタ36
C1、36C2、36C3の順に濃度が濃くなってい
る。その他のターレット36M、36Yも同様の構成と
なっている。そして、各ターレット36C、36M、3
6Yは、各ターレットの選択されたフィルタ各々が光軸
L上で重なるように、回転可能に支持されている。
【0244】
【発明の効果】請求項1記載の画像読取装置及び請求項
7記載の合焦制御方法によれば、読取対象原稿に記録さ
れた画像の複数の領域に対する複数の合焦位置に基づい
て最終的な合焦位置を求め、該最終的な合焦位置に基づ
いた位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及
び読取対象原稿の少なくとも1つを位置させているの
で、上記複数の領域における画像の各々に対して好適な
合焦状態を設定することが可能となり、読取対象原稿が
反りを持っている場合であっても、上記複数の領域を読
取対象原稿の主走査方向に沿った領域とすることにより
読取対象原稿の主走査方向の反りに対して効果的な合焦
状態を設定することができ、上記複数の領域を読取対象
原稿の副走査方向に沿った領域とすることにより読取対
象原稿の副走査方向の反りに対して効果的な合焦状態を
設定することができると共に、決定された最終的な合焦
位置のみに基づいて画像読み取りを行うことができるの
で、読取対象原稿を副走査方向に移動する毎に合焦制御
を行う場合に比較して著しく短時間に画像読み取りを行
うことができる、という効果が得られる。
【0245】また、請求項2記載の画像読取装置及び請
求項8記載の合焦制御方法によれば、請求項1記載の発
明と同様の効果を奏することができると共に、画像に記
録された主要被写体の領域が結像手段の被写界深度の範
囲に納まるように、複数の合焦位置と上記被写界深度と
に基づいて最終的な合焦位置を求めているので、主要被
写体の領域に相当する画像に対して好適な合焦状態を設
定することができる、という効果が得られる。
【0246】また、請求項3及び請求項4記載の画像読
取装置と請求項9及び請求項10記載の合焦制御方法に
よれば、請求項1及び請求項2記載の発明と同様の効果
を奏することができると共に、複数の領域の各々におけ
る複数箇所の画像コントラスト値の平滑化された値に基
づいて複数の合焦位置を得ているので、装置の振動等に
起因する合焦位置の誤った検出を回避することができ、
この結果として好適な合焦状態を設定することができ
る、という効果が得られる。
【0247】また、請求項5記載の画像読取装置及び請
求項11記載の合焦制御方法によれば、請求項1乃至請
求項4記載の発明と同様の効果を奏することができると
共に、画像の複数の領域に対する合焦制御を行った際
に、合焦したとみなすことができる所定条件を満足しな
かった場合には、合焦制御に関する条件を変更して再度
合焦制御を行っているので、より正確な合焦位置を検出
することができ、この結果として、より好適な合焦状態
を設定することができる、という効果が得られる。
【0248】更に、請求項6記載の画像読取装置及び請
求項12記載の合焦制御方法によれば、請求項1乃至請
求項5記載の発明と同様の効果を奏することができると
共に、画像の複数の領域に対する合焦制御を行うに先だ
って、画像センサの出力レベルの調整を行っているの
で、擬似ピークの発生や所望の画像コントラスト値が得
られないといった問題を回避することができる、という
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像読取装置の外観図である。
【図2】実施形態に係る画像読取装置の光学系の正面断
面図である。
【図3】実施形態に係る画像読取装置の光学系の側面断
面図である。
【図4】(A)は絞り、(B)はターレット、(C)は
レンズ絞り、(D)はCCDシャッタの一例を各々示す
平面図である。
【図5】実施形態に係る画像読取装置の光学系の主要部
のみを示した概略図である。
【図6】実施形態に係る画像読取装置のラインCCDス
キャナ及び画像処理部の電気系の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】実施形態においてラインCCDスキャナのマイ
クロプロセッサで実行されるフォーカスキャリブレーシ
ョン処理のフローチャートである。
【図8】基準チャート治具の構成及びラインCCDスキ
ャナへの装填状態を示す概略斜視図である。
【図9】図7のフォーカスキャリブレーション処理の途
中で実行される合焦位置サーチ処理のフローチャートで
ある。
【図10】載置台の移動に伴う画像コントラスト値の変
化の状態及び合焦位置を示すグラフである。
【図11】第1実施形態においてラインCCDスキャナ
のマイクロプロセッサで実行される画像読取処理のフロ
ーチャートである。
【図12】図11及び図22の画像読取処理の実行途中
で実行される画像検定処理のフローチャートである。
【図13】図11の画像読取処理の実行途中で実行され
るオートフォーカス処理のフローチャートである。
【図14】原点H.P.に対する基準合焦位置、予測合
焦位置、サーチエリア、合焦位置等を示す模式図であ
る。
【図15】オートファーカス処理時において求められる
仮合焦位置及び合焦位置と、主要被写体領域との位置関
係等を示す概略側面図である。
【図16】実施形態に係るレンズユニットの温度差に対
する温度補正パルスの値を示すグラフである。
【図17】オートフォーカス開始時から停止位置に至る
までの載置台の移動の状態を示す概略図である。
【図18】振動発生時の画像コントラスト値の状態を示
すグラフである。
【図19】図11及び図22の画像読取処理の実行途中
で実行されるファインスキャン処理のフローチャートで
ある。
【図20】スライド用のフィルムキャリアを用いた場合
の、画像読取処理時における写真フィルムに対するライ
ンCCDの相対的な位置関係を示す概念図である。
【図21】第2実施形態においてラインCCDスキャナ
のマイクロプロセッサで実行されるCCD出力調整処理
のフローチャートである。
【図22】第2実施形態においてラインCCDスキャナ
のマイクロプロセッサで実行される画像読取処理のフロ
ーチャートである。
【図23】図22の画像読取処理の実行途中で実行され
るオートフォーカス処理2のフローチャートである。
【図24】第2実施形態の別の形態の説明に供する図で
あり、載置台の移動に伴う画像コントラスト値の変化の
状態の一例を示すグラフである。
【図25】第1、第2実施形態とは異なる形態の説明に
供する図であり、フィルムキャリアの開口位置に対する
副走査位置判定領域とオートフォーカス評価領域の位置
関係を示す概略図である。
【図26】第1、第2実施形態とは異なる形態の説明に
供する図であり、副走査方向位置とラインCCDの出力
レベルとの関係の一例を示したグラフである。
【図27】従来技術の問題点の説明に供する図であり、
(A)は評価値の最大点がサーチエリアの範囲外に位置
している場合の状態を示すグラフであり、(B)は評価
値の最大値と最小値の差が小さい場合の状態を示すグラ
フである。
【図28】従来技術の問題点の説明に供する図であり、
(A)〜(F)とも135サイズのネガフィルムにおけ
る結像手段の光軸方向位置に対する画像コントラスト値
の実測結果を示すグラフである。
【図29】従来技術の問題点の説明に供する図であり、
(A)〜(H)とも135サイズのリバーサルフィルム
における結像手段の光軸方向位置に対する画像コントラ
スト値の実測結果を示すグラフである。
【図30】ターレットの変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
12A、12B キーボード 14 ラインCCDスキャナ 16 画像処理部 18 ディスプレイ 20 マウス 22 写真フィルム(読取対象原稿) 32 ランプ(光源) 38 フィルムキャリア 40 拡散ボックス 43 読取部 46 マイクロプロセッサ(制御手段) 47 載置台 50 レンズユニット(結像手段) 58 読取部駆動モータ(移動手段) 60 レンズ駆動モータ(移動手段) 116 ラインCCD(画像センサ)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像が記録された読取対象原稿を照明す
    る光源と、 前記読取対象原稿を透過した光又は前記読取対象原稿か
    ら反射した光を結像させる結像手段と、 前記読取対象原稿に記録された画像を複数画素に分解し
    て読み取って画像データとして出力する画像センサと、 前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び
    前記読取対象原稿の少なくとも1つを前記結像手段の光
    軸方向に移動させる移動手段と、 前記画像の複数の領域に対して前記結像手段による結像
    位置と前記画像センサの位置とが一致する合焦制御が行
    われるように前記移動手段を制御することによって得ら
    れた複数の合焦位置に基づいて最終的な合焦位置を求
    め、前記最終的な合焦位置に基づいた位置に前記結像手
    段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対
    象原稿の少なくとも1つが移動するように前記移動手段
    を制御する制御手段と、 を備えた画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記最終的な合焦位置
    に基づいた位置に前記結像手段の少なくとも一部、前記
    画像センサ、及び前記読取対象原稿の少なくとも1つが
    移動するように前記移動手段を制御した場合に前記画像
    に記録された主要被写体の領域が前記結像手段の被写界
    深度の範囲に納まるように、前記複数の合焦位置と前記
    被写界深度とに基づいて前記最終的な合焦位置を求める
    ことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記複数の領域の各々
    における複数箇所の画像コントラスト値の平滑化された
    値に基づいて前記複数の合焦位置を得ることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記平滑化された値が前記画像コントラ
    スト値の移動平均値であることを特徴とする請求項3記
    載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記画像の複数の領域
    に対する合焦制御を行った際に、合焦したとみなすこと
    ができる所定条件を満足しなかった場合には、合焦制御
    に関する条件を変更して再度合焦制御を行うことを特徴
    とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像読
    取装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記画像の複数の領域
    に対する合焦制御を行うに先だって、前記画像センサの
    出力レベルの調整を行うことを特徴とする請求項1乃至
    請求項5の何れか1項記載の画像読取装置。
  7. 【請求項7】 読取対象原稿に記録された画像の複数の
    領域に対して、前記読取対象原稿を透過した光又は前記
    読取対象原稿から反射した光を結像させる結像手段によ
    る結像位置と前記読取対象原稿に記録された画像を複数
    画素に分解して読み取って画像データとして出力する画
    像センサの位置とが一致する合焦制御が行われるように
    前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び
    前記読取対象原稿の少なくとも1つを前記結像手段の光
    軸方向に移動させることによって複数の合焦位置を得、 前記合焦制御によって得られた複数の合焦位置に基づい
    て最終的な合焦位置を求め、 前記最終的な合焦位置に基づいた位置に前記結像手段の
    少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記読取対象原
    稿の少なくとも1つが移動するように制御する、 合焦制御方法。
  8. 【請求項8】 前記最終的な合焦位置に基づいた位置に
    前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び
    前記読取対象原稿の少なくとも1つが移動するように制
    御する場合に前記画像に記録された主要被写体の領域が
    前記結像手段の被写界深度の範囲に納まるように、前記
    複数の合焦位置と前記被写界深度とに基づいて前記最終
    的な合焦位置を求めることを特徴とする請求項7記載の
    合焦制御方法。
  9. 【請求項9】 前記複数の領域の各々における複数箇所
    の画像コントラスト値の平滑化された値に基づいて前記
    複数の合焦位置を得ることを特徴とする請求項7又は請
    求項8記載の合焦制御方法。
  10. 【請求項10】 前記平滑化された値が前記画像コント
    ラスト値の移動平均値であることを特徴とする請求項9
    記載の合焦制御方法。
  11. 【請求項11】 前記画像の複数の領域に対する合焦制
    御を行った際に、合焦したとみなすことができる所定条
    件を満足しなかった場合には、合焦制御に関する条件を
    変更して再度合焦制御を行うことを特徴とする請求項7
    乃至請求項10の何れか1項記載の合焦制御方法。
  12. 【請求項12】 前記画像の複数の領域に対する合焦制
    御を行うに先だって、前記画像センサの出力レベルの調
    整を行うことを特徴とする請求項7乃至請求項11の何
    れか1項記載の合焦制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005084741A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 画像認識装置
US6954292B2 (en) 2000-09-13 2005-10-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image scan apparatus and focus control method

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