JP2000050011A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP2000050011A
JP2000050011A JP10211120A JP21112098A JP2000050011A JP 2000050011 A JP2000050011 A JP 2000050011A JP 10211120 A JP10211120 A JP 10211120A JP 21112098 A JP21112098 A JP 21112098A JP 2000050011 A JP2000050011 A JP 2000050011A
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Japan
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vibration
film
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reading
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JP10211120A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Konagaya
達也 小長谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動の発生に起因する色ずれの発生を未然に
防止することができる画像読取装置を得る。 【解決手段】 複数の画像が記録された長尺の写真フィ
ルムをフィルムキャリアによって所定の読取位置を通過
させて上記複数の画像を連続して読み取る画像読取処理
時において振幅が所定値以上の振動が検出された場合、
画像読取処理の動作を中断してその旨を示すメッセージ
を表示し(ステップ300、302)、中断した動作が
画像読み取り動作であったか否かを判定し、画像読み取
り動作であった場合には写真フィルムを逆方向に搬送さ
せて直前に読み取った画像の読取終了位置を所定の読取
位置に位置させた後に再度写真フィルムの搬送方向を逆
転させて画像読み取り動作を再開する(ステップ304
〜314)。これによって、振動発生時に読み取ってい
た画像を再度読み直す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像読取装置に係
り、特に、写真フィルム等の読取対象原稿に記録された
画像を複数の成分色に分解して読み取る画像読取装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真フィルムに記録されているフ
ィルム画像をCCD等の画像センサによってR、G、B
の各成分色毎に読み取り、該読み取りによって得られた
画像データに対して各種の補正等の画像処理を行った後
に、記録材料への画像の記録やディスプレイへの画像の
表示等を行う写真処理方法が提案されている。なお、こ
こでいう写真フィルムとは、被写体を撮影後、現像処理
され、ネガ画像又はポジ画像が可視化されたフィルムを
いう。
【0003】この種の写真処理方法でフィルム画像を読
み取る際に用いられる画像読取装置では、上記のように
フィルム画像をR、G、Bの各成分色毎に読み取ってい
るため、画像読み取りの際に何らかの原因で、写真フィ
ルム、画像センサ等が振動した場合、同一画素に対応す
る各成分色の画像データの相対的な位置が通常の状態、
すなわち振動していない状態とは異なってしまう場合が
あり、この場合、画像センサによって得られた画像デー
タを用いて記録材料への画像の記録を行った際には、所
謂色ずれが発生する場合があった。なお、上記振動の原
因には、画像読取装置を設置している床からの振動の伝
達、オペレータのキーボード等の操作による振動の伝
達、オペレータ等の画像読取装置への衝突、地震等が挙
げられる。
【0004】従来、このように画像読取装置の振動に起
因して色ずれが発生した場合、振動発生源と画像読み取
りに関わる部位との間に防振ゴム等を配置して振動の伝
達を抑制していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記防
振ゴム等を用いる技術では、ある程度の防振効果は得ら
れるものの、振幅が比較的大きな振動については効果が
低く、最終的に得られる画像の色ずれを防止することが
できない、という問題点があった。
【0006】また、上記防振ゴムを用いる技術では、防
振ゴムを含めた振動系の共振周波数付近の周波数の振動
が発生した場合、振動伝達の抑制は行われずに逆に振動
を増幅してしまい、この場合も最終的に得られる画像の
色ずれを防止することができない、という問題点があっ
た。
【0007】すなわち、防振ゴム等を含めた振動系によ
る振動の増幅率は、例えば図11のグラフに示すよう
に、上記振動系の共振周波数(図11では20Hz)以
下の周波数の振動については増幅率が1以上となり、特
に、周波数が共振周波数付近の振動については増幅率が
2〜10倍程度となる。すなわち、周波数が上記振動系
の共振周波数付近の振動に対しては、防振ゴムを用いて
も逆に振動が増幅されてしまうのである。
【0008】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、振動の発生に起因する色ずれの発生を
未然に防止することができる画像読取装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の画像読取装置は、読取対象原稿に記
録された画像を各成分色に分解して読み取って画像デー
タとして出力する画像センサと、振動の振幅及び振動の
周波数の少なくとも一方を検出する振動検出手段と、画
像読み取り動作中に、振幅が所定値以上の振動及び周波
数が所定範囲内の振動の少なくとも一方が検出された場
合に前記画像読み取り動作を中断するように制御する制
御手段と、を備えている。
【0010】請求項1に記載の画像読取装置によれば、
画像センサにより、読取対象原稿に記録された画像が各
成分色に分解されて読み取られて画像データとして出力
される。なお、上記読取対象原稿としては、写真フィル
ム等の透過原稿、及び写真プリント等の反射原稿が含ま
れる。また、上記画像センサとしては、ラインCCD、
エリアCCD、及びCCD以外の光電変換素子が含まれ
る。
【0011】また、請求項1に記載の画像読取装置は、
振動の振幅及び振動の周波数の少なくとも一方を検出す
る振動検出手段を備えており、画像読み取り動作中に、
振幅が所定値以上の振動及び周波数が所定範囲内の振動
の少なくとも一方が検出された場合に上記画像読み取り
動作が中断されるように制御手段によって制御される。
なお、上記所定範囲は画像読取装置における振動系の共
振周波数を含めた範囲とすることが好ましい。
【0012】このように、請求項1に記載の画像読取装
置によれば、振幅が所定値以上の振動及び周波数が所定
範囲内の振動の少なくとも一方が検出された場合に画像
読み取り動作を中断しているので、振動に起因する色ず
れの発生を未然に防止することができる。
【0013】また、請求項2記載の画像読取装置は、請
求項1記載の画像読取装置において、前記制御手段は、
前記画像読み取り動作を中断した後に画像読み取りが中
断された画像を再度読み取るように制御することを特徴
としている。
【0014】請求項2に記載の画像読取装置によれば、
請求項1記載の画像読取装置における制御手段によっ
て、画像読み取り動作が中断された後に画像読み取りが
中断された画像が再度読み取られるように制御される。
【0015】このように、請求項2に記載の画像読取装
置によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏する
ことができると共に、振幅が所定値以上の振動及び周波
数が所定範囲内の振動の少なくとも一方が検出された場
合に画像読み取り動作を中断した後に画像読み取りが中
断された画像を再度読み取るように制御しているので、
振動に起因した色ずれが発生しない画像データを確実に
得ることができる。
【0016】また、請求項3記載の画像読取装置は、請
求項1又は請求項2記載の画像読取装置において、前記
所定値が、前記画像センサによって得られた画像データ
に基づいて生成された画像に色ずれが発生する程度の値
であることを特徴としている。
【0017】このように、請求項3に記載の画像読取装
置によれば、請求項1及び請求項2記載の発明と同様の
効果を奏することができると共に、請求項1及び請求項
2記載の所定値を、画像センサによって得られた画像デ
ータに基づいて生成された画像に色ずれが発生する程度
の値としているので、色ずれが発生しない程度の振幅の
振動については画像読み取り動作の中断が行われず、振
動の発生に起因する画像読み取り時間の不必要な長時間
化を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0019】図1に示すように、本実施形態に係る画像
読取装置はラインCCDスキャナ14を備えており、ラ
インCCDスキャナ14は、画像処理部16、マウス2
0、2種類のキーボード12A、12B、及びディスプ
レイ18が設けられた作業テーブル27に備えられてい
る。
【0020】一方のキーボード12Aは作業テーブル2
7の作業面27U内に埋設されている。他方のキーボー
ド12Bは、不使用時は、作業テーブル27の引出し2
4内に収納され、使用時は、引出し24から取り出し、
一方のキーボード12A上に重ねる。このとき、キーボ
ード12Bのコードを、画像処理部16に接続されたジ
ャック110に接続する。
【0021】マウス20のコードは作業テーブル27に
設けられた孔108を介して画像処理部16に接続され
ている。マウス20は、不使用時はマウスホルダ20A
に収納され、使用時はマウスホルダ20Aから取り出
し、作業面27U上に載置する。
【0022】画像処理部16は、作業テーブル27に設
けられた収納部16Aに収納され、開閉扉25によって
密閉されている。なお、開閉扉25を開放することによ
り、画像処理部16を取り出すことができるようになっ
ている。
【0023】ラインCCDスキャナ14は、ネガフィル
ムやリバーサルフィルム(ポジフィルム)等の写真フィ
ルムに記録されているフィルム画像を読み取るためのも
のであり、例えば135サイズの写真フィルム、110
サイズの写真フィルム、及び透明な磁気層が形成された
写真フィルム(240サイズの写真フィルム:所謂AP
Sフィルム)、120サイズ及び220サイズ(ブロー
ニサイズ)の写真フィルムのフィルム画像を読取対象と
することができる。ラインCCDスキャナ14は、上記
の読取対象のフィルム画像をラインCCDで読み取り、
画像データを出力する。
【0024】画像処理部16は、ラインCCDスキャナ
14から出力された画像データが入力されると共に、入
力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を
行って、記録用画像データとして、図示しないレーザプ
リンタ部へ出力する。
【0025】図2及び図3に示すように、ラインCCD
スキャナ14の光学系は、作業テーブル27の下方に配
置された光源部30、作業テーブル27に支持された拡
散ボックス40、作業テーブル27にセットされるフィ
ルムキャリア38、及び作業テーブル27を挟んで光源
部30の反対側に配置された読取部43を備えている。
【0026】光源部30は金属製のケーシング31内に
収容されており、ケーシング31内部には、ハロゲンラ
ンプやメタルハライドランプ等から成るランプ32が配
置されている。なお、ランプ32は、写真フィルム22
の長手方向(搬送方向)及び写真フィルム22の幅方向
の2方向に移動可能とされた図示しないX−Yステージ
に保持されており、該X−Yステージの位置を移動する
ことによってランプ32の位置を微調整することが可能
とされている。
【0027】ランプ32の周囲にはリフレクタ33が設
けられており、ランプ32から射出された光の一部はリ
フレクタ33によって反射され、一定の方向へ射出され
る。
【0028】リフレクタ33の側方には、複数のファン
34が設けられている。ファン34はランプ32が点灯
している間作動され、ケーシング31の内部が過熱状態
となることを防止する。
【0029】リフレクタ33の光射出側には、リフレク
タ33からの射出光の光軸Lに沿って、紫外域及び赤外
域の波長の光をカットすることで写真フィルム22の化
学変化を防止すると共に温度上昇を防止して読取精度を
向上させるUV/IRカットフィルタ35、ランプ32
からの光及びリフレクタ33からの射出光の光量を調整
する絞り39、及び、写真フィルム22及び読取部43
に到達する光の色成分を、写真フィルムの種類(ネガフ
ィルム/リバーサルフィルム)に応じて適切に設定する
ネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサ
ルフィルム用のバランスフィルタ36Pが嵌め込まれて
いるターレット36(図4(B)も参照)が順に設けら
れている。
【0030】絞り39は光軸Lを挟んで配置された一対
の板材から成り、一対の板材が接近離間するようにスラ
イド移動可能とされている。図4(A)に示すように、
絞り39の一対の板材は、スライド方向に沿った一端側
から他端側に向けて、スライド方向に直交する方向に沿
った断面積が連続的に変化するように、一端側に切り欠
き39Aが各々形成されており、切り欠き39Aが形成
されている側が対向するように配置されている。
【0031】上記構成では、所望の光成分の光となるよ
うに、写真フィルムの種類に応じたフィルタ(36N、
36P)の何れかが光軸L上に位置し、絞り39の位置
によって絞り39を通過する光の光量を所望の光量に調
整する。
【0032】拡散ボックス40は、上部になるに従っ
て、即ち、写真フィルム22に近づくに従って、フィル
ムキャリア38によって搬送される写真フィルム22の
搬送方向の長さが狭くなり(図2参照)、該搬送方向に
直交する方向(写真フィルム22の幅方向)の長さが広
がる(図3参照)形状とされている。また、拡散ボック
ス40の光入射側及び光射出側には光拡散板(図示せ
ず)が各々取付けられている。なお、上記の拡散ボック
ス40は、135サイズの写真フィルム用であるが、他
の写真フィルムに応じた形状の拡散ボックス(図示せ
ず)も用意されている。
【0033】拡散ボックス40に入射された光は、フィ
ルムキャリア38(すなわち写真フィルム22)に向け
て、写真フィルム22の幅方向を長手方向とするスリッ
ト光とされ、また、光拡散板によって拡散光とされて射
出される。このように、拡散ボックス40から射出され
る光が拡散光とされることにより、写真フィルム22に
照射される光の光量むらが低減され、フィルム画像に均
一な光量のスリット光が照射されると共に、フィルム画
像に傷が付いていたとしても、この傷が目立ちにくくな
る。
【0034】フィルムキャリア38及び拡散ボックス4
0は、読取対象とする写真フィルム22の種類毎に用意
されており、写真フィルム22に応じて選択される。
【0035】フィルムキャリア38の上面及び下面にお
ける光軸Lに対応する位置には、写真フィルム22の幅
方向に写真フィルム22の幅より長い細長い開口(図示
しない)が設けられている。拡散ボックス40からのス
リット光は、フィルムキャリア38の下面に設けられた
該開口を介して写真フィルム22に照射され、写真フィ
ルム22の透過光が、フィルムキャリア38の上面に設
けられた該開口を介して、読取部43に到達する。
【0036】拡散ボックス40は、上面が上記読取位置
に接近するように支持されている。よって、フィルムキ
ャリア38の装填時にフィルムキャリア38と拡散ボッ
クス40が干渉しないように、フィルムキャリア38の
下面には、切り欠け部が設けられている。
【0037】また、フィルムキャリア38とフィルムキ
ャリア38の設置面との間には、フィルムキャリア38
への振動の伝達を抑制する防振ゴム132が設けられて
いる。
【0038】なお、本実施形態に係る画像読取装置で
は、フィルム画像の読み取りを行う際に、フィルムキャ
リア38を用いて、比較的高速でかつ低精細にフィルム
画像を読み取る予備読み取り(以下、プレスキャンとい
う。)を行い、該プレスキャンにより得られた画像デー
タに基づいて、比較的低速でかつ高精細にフィルム画像
を読み取る本読み取り(以下、ファインスキャンとい
う。)を行う際の読取条件及びファインスキャンにより
得られる画像データに対する各種画像処理の処理条件を
決定し、決定された読取条件でファインスキャンを行う
と共に、ファインスキャンによって得られた画像データ
に対して上記決定された処理条件による画像処理を行っ
ている。
【0039】従って、フィルムキャリアは、プレスキャ
ン時や、ファインスキャン時におけるこれからファイン
スキャンするフィルム画像の濃度等に応じた複数の速度
で写真フィルム22を搬送可能なように構成されてい
る。
【0040】読取部43は、ケーシング44内部に収容
された状態で配置されている。ケーシング44の内部に
は、上面にラインCCD116が取付けられた載置台4
7が設けられており、載置台47からはレンズ筒49が
垂下されている。レンズ筒49の内部には、縮小・拡大
等の変倍のために作業テーブル27と接近離間する方向
Aにスライド移動可能にレンズユニット50が支持され
ている。
【0041】作業テーブル27には支持フレーム45が
立設されている。載置台47は、支持フレーム45に取
り付けられたガイドレール42に、上記変倍や合焦制御
時に共役長を確保するために作業テーブル27と接近離
間する方向Bにスライド移動可能に支持されている。
【0042】レンズユニット50は複数枚のレンズから
成り、複数枚のレンズの間にはレンズ絞り51が設けら
れている。図4(C)に示すように、レンズ絞り51は
略C字状に成形された絞り板51Aを複数枚備えてい
る。各絞り板51Aは光軸Lの周囲に均等に配置され一
端部がピンに軸支されており、ピンを中心として回動可
能とされている。複数枚の絞り板51Aは図示しないリ
ンクを介して連結されており、レンズ絞り駆動モータ
(後述)の駆動力が伝達されると同一の方向に回動す
る。この絞り板51Aの回動に伴って、光軸Lを中心と
して絞り板51Aにより遮光されていない部分(図4
(C)における略星型の部分)の面積が変化し、レンズ
絞り51を通過する光の光量が変化する。
【0043】ラインCCD116は、CCDセル又はフ
ォトダイオード等の光電変換素子が、写真フィルム22
の幅方向に一列に多数配置され、かつ電子シャッタ機構
が設けられたセンシング部が、間隔を空けて互いに平行
に3ライン設けられており、各センシング部の光入射側
にR、G、Bの色分解フィルタの何れかが各々取付けら
れて構成されている(所謂3ラインカラーCCD)。ま
た、各センシング部の近傍には、多数の転送部が各セン
シング部に対応して各々設けられており、各センシング
部の各CCDセルに蓄積された電荷は、対応する転送部
を介して順に転送される。
【0044】またラインCCD116の光入射側には、
CCDシャッタ52が設けられている。なお、図4
(D)に示すように、このCCDシャッタ52にはND
フィルタ52NDが嵌め込まれている。CCDシャッタ
52は、矢印u方向に回転して、暗補正やラインCCD
116に設けられた色分解フィルタの保護のためにライ
ンCCD116に入射される光を遮光する全閉状態(N
Dフィルタ52NDが嵌め込まれていない部分52B等
が、光軸Lを含む位置52Cに位置する)、通常の読み
取りや明補正のためにラインCCD116に光を入射さ
せる全開状態(図4(D)の位置)、リニアリティ補正
のためにラインCCD116に入射される光をNDフィ
ルタ52NDによって減光する減光状態(NDフィルタ
52NDが位置52Cに位置する)の何れかの状態に切
り替わる。
【0045】図3に示すように、作業テーブル27に
は、写真フィルム22を冷却するための冷却風を生成す
るコンプレッサ94が配置されている。コンプレッサ9
4により生成された冷却風は、案内管95によりフィル
ムキャリア38の図示しない読取部に案内されて、供給
される。これにより、写真フィルム22の読取部に位置
する領域を冷却することができる。なお、案内管95
は、冷却風の流量を検出する流量センサ96を貫通して
いる。
【0046】一方、図2に示すように、キーボード12
Aが設置されている面のキーボード12Aの近傍には加
速度センサ120が取り付けられている。
【0047】本実施形態で用いる加速度センサ120
は、図5に示すように、側面視L字状とされた導体で構
成された固定部材122を備えており、固定部材122
の一端部上面には導体で構成された板ばね126の一端
が固定部材122の他端部に近接するように板ばね12
6の他端を支持する支持部材124が固定されている。
【0048】また、板ばね126の他端及び固定部材1
22の一端部には各々電線128が接続されている。
【0049】この加速度センサ120は、固定部材12
2の下面が振動を検出すべき箇所(本実施形態ではキー
ボード12Aが設置されている面のキーボード12Aの
近傍)に取り付けられ、振動が発生した際には、該振動
に同期して板ばね126が該振動と同様の周波数で振動
し、発生した振動の振幅が所定値以上となった場合に、
板ばね126の一端の固定部材122の他端部への接触
及び離間を繰り返す。従って、この場合、板ばね126
に接続された電線128と固定部材122に接続された
電線128との間の導通及び非導通が、発生した振動と
同様の周期で繰り返されるので、2本の電線128の加
速度センサ120に接続されていない側の電位差を検出
することによって、振幅が上記所定値以上の振動の発生
及び該振動の振動周波数を検出することができる。な
お、本実施形態では、上記所定値が本画像読取装置によ
り得られた画像データに基づいて図示しないレーザプリ
ンタ部でプリントを出力した際に該プリントに色ずれが
発生する程度の値となるように、加速度センサ120の
板ばね126の一端と固定部材122の他端部との距離
が予め調整されている。
【0050】次に、図6に示したラインCCDスキャナ
14の光学系の主要部を参照しながら、ラインCCDス
キャナ14及び画像処理部16の電気系の概略構成を、
図7を用いて説明する。
【0051】ラインCCDスキャナ14は、ラインCC
Dスキャナ14全体の制御を司るマイクロプロセッサ4
6を備えている。マイクロプロセッサ46には、バス6
6を介してRAM68(例えばSRAM)、ROM70
(例えば記憶内容を書換え可能なROM)が接続されて
いると共に、加速度センサ120、ランプドライバ5
3、コンプレッサ94、流量センサ96、及びモータド
ライバ48が接続されている。
【0052】加速度センサ120は、上述したようにキ
ーボード12Aの近傍に設置されているため、キーボー
ド12A近傍の振動状態を常時検出しており、マイクロ
プロセッサ46はキーボード12A近傍の振動状態を常
時知ることができる。また、ランプドライバ53は、マ
イクロプロセッサ46からの指示に応じてランプ32を
点消灯させる。
【0053】また、写真フィルム22のフィルム画像の
読み取りの際、写真フィルム22に冷却風を供給するた
めに、マイクロプロセッサ46は、コンプレッサ94を
稼働させる。なお、流量センサ96により冷却風の流量
が検出され、マイクロプロセッサ46は、異常を検知す
る。
【0054】また、モータドライバ48には、ターレッ
ト36のネガフィルム用のバランスフィルタ36N及び
リバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pの何れ
かが光軸Lに位置するようにターレット36を図4
(B)矢印t方向に回転駆動するターレット駆動モータ
54、ターレット36の基準位置(図示しない切り欠
け)を検出するターレット位置センサ55(図4(B)
も参照)が接続されている。
【0055】モータドライバ48には、更に、絞り39
をスライド移動させる絞り駆動モータ56、絞り39の
位置を検出する絞り位置センサ57、載置台47(即
ち、ラインCCD116及びレンズユニット50)をガ
イドレール42に沿ってスライド移動させる読取部駆動
モータ58、載置台47の位置を検出する読取部位置セ
ンサ59、レンズユニット50をレンズ筒49に沿って
スライド移動させるレンズ駆動モータ60、レンズユニ
ット50の位置を検出するレンズ位置センサ61、レン
ズ絞り51の絞り板51Aを回動させるレンズ絞り駆動
モータ62、レンズ絞り51の位置(絞り板51Aの位
置)を検出するレンズ絞り位置センサ63、CCDシャ
ッタ52を全閉状態、全開状態及び減光状態の何れかの
状態に切り換えるシャッタ駆動モータ64、シャッタ位
置を検出するシャッタ位置センサ65、ファン34を駆
動するファン駆動モータ37が接続されている。
【0056】マイクロプロセッサ46は、ラインCCD
116によるプレスキャン及びファインスキャンを行う
際に、ターレット位置センサ55及び絞り位置センサ5
7によって検出されるターレット36及び絞り39の位
置に基づき、ターレット駆動モータ54によってターレ
ット36を回転駆動させると共に、絞り駆動モータ56
によって絞り39をスライド移動させ、フィルム画像に
照射される光を調節する。
【0057】またマイクロプロセッサ46は、フィルム
画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じて光学
倍率を決定し、フィルム画像が前記決定した光学倍率で
ラインCCD116によって読み取られるように、読取
部位置センサ59によって検出される載置台47の位置
に基づき読取部駆動モータ58によって載置台47をス
ライド移動させると共に、レンズ位置センサ61によっ
て検出されるレンズユニット50の位置に基づきレンズ
駆動モータ60によってレンズユニット50をスライド
移動させる。
【0058】なお、ラインCCD116の受光面をレン
ズユニット50によるフィルム画像の結像位置に一致さ
せる合焦制御を行う場合、マイクロプロセッサ46は、
読取部駆動モータ58により載置台47のみをスライド
移動させる。
【0059】すなわち、本実施形態のラインCCDスキ
ャナ14における結像関係は、ラインCCD116、レ
ンズユニット50、及び写真フィルム22の各々の光軸
L方向の相対的な位置で決定されるが、本実施形態では
上述したように、光学倍率を設定する場合には読取部駆
動モータ58によって載置台47をスライド移動させる
と共にレンズ駆動モータ60によってレンズユニット5
0をスライド移動させており、このようにして光学倍率
が設定された状態で上記結像関係を保つために、ライン
CCD116とレンズユニット50との間の距離を固定
したまま、レンズユニット50と写真フィルム22との
間の距離を変化させることによって合焦制御を行ってい
る。
【0060】このように合焦制御を行うことによって、
写真フィルム22に記録された複数のフィルム画像を読
み取る場合の各々のフィルム画像に対する光学倍率の変
動を抑制することができる。
【0061】本実施形態では、この合焦制御をTTL
(Through The Lens)方式により、ラインCCD116
によって読み取られた画像のコントラストが最大となる
ように行う。
【0062】一方、ラインCCD116にはタイミング
ジェネレータ74が接続されている。タイミングジェネ
レータ74は、ラインCCD116や後述するA/D変
換器82等を動作させるための各種のタイミング信号
(クロック信号)を発生する。
【0063】ラインCCD116の信号出力端は、増幅
器76を介してA/D変換器82に接続されており、ラ
インCCD116から出力された信号は、増幅器76で
増幅されA/D変換器82でディジタルデータに変換さ
れる。
【0064】A/D変換器82の出力端は、相関二重サ
ンプリング回路(CDS)88、インタフェース(I/
F)回路90を順に介して画像処理部16に接続されて
いる。CDS88では、フィードスルー信号のレベルを
表すフィードスルーデータ及び画素信号のレベルを表す
画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素デー
タからフィードスルーデータを減算する。そして、演算
結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応する画
素データ)を、I/F回路90を介してスキャン画像デ
ータとして画像処理部16へ順次出力する。
【0065】なお、ラインCCD116からはR、G、
Bの測光信号が並列に出力されるので、増幅器76、A
/D変換器82、CDS88から成る信号処理系も3系
統設けられており、I/F回路90からは、スキャン画
像データとしてR、G、Bの画像データが並列に、画像
処理部16に出力される。
【0066】更に、画像処理部16には、ディスプレイ
18、キーボード12A、12B、マウス20、及びフ
ィルムキャリア38が接続されている。
【0067】画像処理部16では、ラインCCDスキャ
ナ14から並列に入力されるR、G、Bの画像データに
対して、暗補正及び明補正を行う。
【0068】暗補正は、ラインCCD116の光入射側
に光を入射しない状態においてラインCCD116内を
流れる電流である暗電流をキャンセルするものであり、
ラインCCD116の光入射側がCCDシャッタ52に
より遮光されている状態でラインCCDスキャナ14か
ら入力されたデータ(ラインCCD116のセンシング
部の各セルの暗出力レベルを表すデータ)を各セル毎に
記憶しておき、ラインCCD116が写真フィルム22
を読み取ることによってラインCCDスキャナ14から
入力された画像データから、各画素毎に対応するセルの
暗出力レベルを減ずることによって補正する。
【0069】また、明補正は、ラインCCD116の光
電変換特性の各セル単位でのばらつきを補正するもので
あり、ラインCCDスキャナ14に画面全体が一定濃度
の調整用のフィルム画像がセットされている状態で、ラ
インCCD116で前記調整用のフィルム画像を読み取
ることによりラインCCDスキャナ14から入力された
調整用のフィルム画像の画像データ(この画像データが
表す各画素毎の濃度のばらつきは各セルの光電変換特性
のばらつきに起因する)に基づいて各セル毎にゲイン
(明補正データ)を定めておき、ラインCCDスキャナ
14から入力された読取対象のフィルム画像の画像デー
タを、各セル毎に定めたゲインに応じて各画素毎に補正
する。
【0070】また、画像処理部16では、階調変換、色
変換、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパ
ートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調
するハイパーシャープネス処理等の各種の画像処理を行
う。
【0071】なお、写真フィルム22が本発明の読取対
象原稿に、マイクロプロセッサ46が本発明の制御手段
に、ラインCCD116が本発明の画像センサに、加速
度センサ120が本発明の振動検出手段に、各々相当す
る。
【0072】次に、本実施形態の作用として、ラインC
CDスキャナ14のマイクロプロセッサ46によって実
行される写真フィルム22の画像読取処理について、図
8のフローチャートを参照して説明する。なお、ライン
CCDスキャナ14は、写真フィルム読取時のモードと
して、「プレスキャンモード」、及び「ファインスキャ
ンモード」の各モードが予め定められていると共に、各
モードにおけるラインCCDスキャナ14の各部の状態
も予め定められている。さらに、本実施形態では、読取
対象とする写真フィルム22が1本の長尺のネガフィル
ムである場合について説明する。
【0073】図8のステップ200では、「プレスキャ
ンモード」に移行し、写真フィルム22に対するプレス
キャンが所定の読取条件で行われるように、「プレスキ
ャンモード」として予め定められている各部の状態に従
って各部の作動を制御する。
【0074】すなわち、ランプドライバ53によってラ
ンプ32を点灯させ、絞り駆動モータ56によって絞り
39をプレスキャン時の位置に移動させ、ターレット駆
動モータ54によってターレット36をネガフィルム位
置(ネガフィルム用のバランスフィルタ36Nが光軸L
上に位置する位置)へ回転させ、レンズユニット50に
よる光学倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ
58、レンズ駆動モータ60によって載置台47及びレ
ンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り駆動
モータ62によってレンズ絞り51を全開位置に移動さ
せ、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ5
2を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレ
ータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの
作動時間(ラインCCD116によるライン単位の読取
周期(電荷蓄積時間))として最短値であるtを設定し、
フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送
速度として最速値である5×v(通常のフィルム画像の
ファインスキャン時における搬送速度をvとした場合の
5倍の搬送速度)を設定する。従って、写真フィルム2
2に対するプレスキャンは比較的粗い解像度で高速に行
われ、短時間で処理が完了する。
【0075】次のステップ202では、フィルムキャリ
ア38に対し、所定方向(図2の矢印C方向)への写真
フィルム22の搬送を指示し、最速の搬送速度(5×
v)で搬送される写真フィルム22をラインCCD11
6によって最短の読取周期(t)で読み取り、ラインC
CD116から出力された信号に対して順次A/D変換
を行ってプレスキャンデータとして画像処理部16へ順
次出力するプレスキャンを開始する。
【0076】次のステップ204では写真フィルム22
の後端までプレスキャンを行ったか否か判定し、判定が
肯定される迄待機する。
【0077】このプレスキャンの間、画像処理部16で
は、ラインCCDスキャナ14から入力される画像デー
タを図示しない記憶部に順次記憶すると共に、複数コマ
画像分の画像データが記憶された時点で、該記憶された
画像データに基づき、写真フィルム22に記録されてい
るフィルム画像の写真フィルム22の搬送方向に沿った
両端(上流側及び下流側)のエッジ位置を各々判定す
る。
【0078】エッジ位置の判定は、例えば、本願出願人
が特開平8−304932号公報、特開平8−3049
33号公報、特開平8−304934号公報、特開平8
−304935号公報で提案しているように、プレスキ
ャンデータが表す各画素毎の濃度値に基づき、各画素毎
にフィルム長手方向に沿った濃度変化値を各々演算し、
各画素のフィルム長手方向に沿った濃度変化値をフィル
ム幅方向に沿ったライン単位で積算し、各ライン毎の積
算値を比較することで行うことができる。また、写真フ
ィルム22がAPSフィルムであれば、パーフォレーシ
ョンが穿設されている位置からエッジが存在している可
能性がある領域を探索範囲として設定し、該探索範囲内
でエッジを探索することで、エッジ位置の判定に要する
時間を短縮することも可能である。
【0079】また、画像処理部16では、このようにし
て判定したエッジ位置に基づき、パーフォレーションの
位置等と対応付けてフィルム画像のコマ位置を判定し、
判定したコマ位置を上記図示しない記憶部に記憶すると
共に、該コマ位置に基づいて、それまでに記憶した画像
データからフィルム画像が記録されている領域の画像デ
ータを切り出して上記図示しない記憶部に記憶する。
【0080】写真フィルム22の後端までプレスキャン
が終了すると(図8のステップ204の判定が肯定され
ると)、ステップ206では、プレスキャン時に画像処
理部16によって上記図示しない記憶部に記憶されたプ
レスキャン画像データからフィルム画像の所定の画像特
徴量を演算する。なお、所定の画像特徴量には、フィル
ム画像の色バランス値(詳しくは、フィルム画像の各成
分色毎の最小濃度値(最大輝度値)の比率)も含まれ
る。
【0081】また、ステップ206では、演算した画像
特徴量に基づいて、フィルム画像の種別(サイズ、濃度
種別)及びファインスキャン画像データに対する画像処
理の処理条件を演算により設定する。
【0082】なお、読取対象の写真フィルム22が13
5サイズの写真フィルムであれば、フィルム画像のサイ
ズ(この場合はフィルム画像のフレームサイズ)は、例
えば標準サイズのフィルム画像では画像記録範囲内とな
り、パノラマサイズ等の非標準サイズのフィルム画像で
は画像記録範囲外となる所定部分の濃度や色味が、未露
光部(ネガフィルムであれば素抜け)に相当する濃度や
色味であるか否かに基づいて判定することができる。
【0083】また、特開平8−304932号公報、特
開平8−304933号公報、特開平8−304934
号公報、特開平8−304935号公報のように、プレ
スキャン時の画像データが表す各画素毎の濃度値に基づ
き、各画素毎にフィルム幅方向に沿った濃度変化値を各
々演算し、各画素のフィルム幅方向に沿った濃度変化値
をフィルム長手方向に沿ったライン単位で積算し、各ラ
イン毎の積算値を比較することでフィルム画像のサイズ
(アスペクト比)を判定したり、濃度ヒストグラムから
閾値を定めて画像を二値化し、画像中の各領域における
画像の存在率に基づいて判定したり、前述の所定部分に
おける濃度変化値の分散及び平均値に基づいて判定した
り、上記の手法を組み合わせて判定するようにしてもよ
い。
【0084】また、読取対象の写真フィルム22がAP
Sフィルムであれば、フィルム画像のサイズ(この場合
はプリントサイズ)は、APSフィルムの磁気層にデー
タとして磁気記録されているプリントサイズを読み取る
ことで判定できる。
【0085】フィルム画像の濃度種別については、例え
ば平均濃度、最大濃度、最小濃度等を予め定められた所
定値と比較することで、低濃度/通常濃度/高濃度/超
高濃度等に分類することができる。また、画像処理の処
理条件としては、例えば画像の拡大縮小率、ハイパート
ーンやハイパーシャープネス等の画像処理の処理条件
(具体的には、画像の超低周波輝度成分に対する階調の
圧縮度、画像の高周波成分や中周波成分に対するゲイン
(強調度))、階調変換条件等が演算される。
【0086】上記のようにして全てのコマ画像につい
て、種別、及び画像処理の処理条件の設定が終了する
と、次のステップ208では、フィルム画像のファイン
スキャンを行うための準備として、フィルムキャリア3
8に対して、写真フィルム22の搬送方向を上記所定方
向と逆の方向(図2矢印C方向の逆方向)とするように
指示する。
【0087】次のステップ210では、これからファイ
ンスキャンを行うフィルム画像の種別に適した読取条件
でフィルム画像に対するファインスキャンが行われるよ
うに、ラインCCDスキャナ14の各部の作動を制御す
る。
【0088】すなわち、まず、これからファインスキャ
ンを行うフィルム画像(この場合は所定方向と逆の方向
への写真フィルム22の搬送で最初に読取位置に到達す
るフィルム画像)の種別を取り込み、前記フィルム画像
の種別が何であるかを判定し、該種別に応じたファイン
スキャンモードの設定を行う。例えば、種別が「高濃度
コマ」であった場合、高濃度コマ用のファインスキャン
モードとして予め定められている各部の状態に従って各
部の作動を制御する。
【0089】具体的には、ランプ32を点灯させ、絞り
39を高濃度コマのファインスキャン時の位置に移動さ
せ、ターレット36をネガフィルム位置へ回転させ、レ
ンズユニット50による光学倍率が1.0倍となるよう
に載置台47及びレンズユニット50をスライド移動さ
せ、レンズ絞り51及びCCDシャッタ52を全開位置
に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対
し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(読
取周期)としてtを設定し、フィルムキャリア38に対
し、写真フィルム22の搬送速度としてvを設定する。
高濃度のフィルム画像は透過光量が少なく、高濃度のフ
ィルム画像を高ダイナミックレンジで高精度に読み取る
ために、高濃度コマのファインスキャン時の絞り39の
位置は全開に近い位置とされている。
【0090】次のステップ212では、画像処理部16
の図示しない記憶部に記憶されたコマ位置に基づき、こ
れからファインスキャンを行うフィルム画像のエッジが
ラインCCD116の読取位置(光軸位置)に到達した
か否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0091】ステップ212の判定が肯定されるとステ
ップ214へ移行し、読取位置に到達したフィルム画像
をラインCCD116によって読み取り、ラインCCD
116から出力された信号に対して順次A/D変換を行
ってファインスキャン画像データとして画像処理部16
へ順次出力するファインスキャンを行う。これにより、
フィルム画像の種別毎に最適な読取条件で前記フィルム
画像のファインスキャンが行われることになる。
【0092】なお、ラインCCDスキャナ14から画像
処理部16に出力されたファインスキャン画像データ
は、先に記憶された処理条件で画像処理部16において
画像処理が行われ、図示しないレーザプリンタ部へ出力
されてプリントされる。
【0093】単一のフィルム画像に対するファインスキ
ャンを完了するとステップ216へ移行し、全てのフィ
ルム画像に対するファインスキャンを終了したか否か判
定する。判定が否定された場合にはステップ210に戻
り、ステップ210〜216を繰り返す。このステップ
210〜216により、各フィルム画像の種別に応じた
最適な読取条件で、各フィルム画像のファインスキャン
が各々行われる。そして、ステップ216の判定が肯定
されると本画像読取処理が終了する。
【0094】ところで、ラインCCDスキャナ14のマ
イクロプロセッサ46では、上述した画像読取処理を実
行している際に、キーボード12Aの近傍に設置された
加速度センサ120によって所定値以上の振幅の振動が
検出された場合に、振動検出割り込み処理が実行され
る。次に、ラインCCDスキャナ14のマイクロプロセ
ッサ46によって実行される振動発生割り込み処理につ
いて、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0095】まず、ステップ300では、この時点にお
いて実行されている画像読取処理の動作を中断する。す
なわち、この時点で、プレスキャンに関する動作(図8
のステップ200〜204の処理動作)を行っている場
合には該プレスキャンに関する動作を、セットアップ処
理(同じくステップ206の処理)を行っている場合に
は該セットアップ処理を、ファインスキャンに関する動
作(同じくステップ208〜216の処理動作)を行っ
ている場合には該ファインスキャンに関する動作を、各
々中断する。
【0096】次のステップ302では、振動が発生した
旨を示すメッセージをディスプレイ18に表示すること
によりオペレータに対して振動の発生を認識させ、次の
ステップ304では、ステップ300によって中断され
た動作が画像読み取り動作であったか否かを判定し、画
像読み取り動作でなかった場合はステップ314へ移行
してステップ300において中断した動作を再開した
後、本振動発生割り込み処理を終了する。すなわち、加
速度センサ120によって振動が検出された際に実行さ
れていた動作が、プレスキャン用読取条件設定(図8の
ステップ200に相当)、セットアップ処理(同じくス
テップ206に相当)等の画像読み取り動作とは異なる
動作であった場合には、ラインCCD116によって得
られる画像データに対する振動の影響は殆ど発生しない
ので、この場合は特に何の処理も行わずに本振動発生割
り込み処理を終了している。
【0097】一方、ステップ304の判定の結果、中断
された動作が画像読み取り動作であった場合にはステッ
プ306へ移行して、画像処理部16に振動が発生した
旨を示す信号を出力することにより、画像処理部16に
振動が発生した旨を通知する。画像処理部16では、こ
の信号を入力すると、それまでに図示しない記憶部に記
憶した画像データのうち、その時点で記憶している画像
データに対応するフィルム画像の直前に記憶したフィル
ム画像のフィルム搬送方向後端側のエッジより後に記憶
した画像データを削除する。
【0098】次のステップ308では、写真フィルム2
2の搬送方向の逆転をフィルムキャリア38に対して指
示することにより、写真フィルム22のそれまでの搬送
方向とは逆の方向への搬送を開始する。すなわち、本振
動発生割り込み処理がプレスキャンの画像読み取り時に
実行された場合は、その時点までは写真フィルム22は
図2矢印C方向に搬送されていたので、ステップ308
の処理によって図2矢印Cの逆方向への搬送が開始さ
れ、本振動発生割り込み処理がファインスキャンの画像
読み取り時に実行された場合は、その時点までは写真フ
ィルム22は図2矢印Cの逆方向に搬送されていたの
で、ステップ308の処理によって図2矢印C方向への
搬送が開始される。
【0099】次のステップ310では、画像処理部16
の図示しない記憶部に記憶されているフィルム画像のコ
マ位置の情報に基づいて、画像読み取り動作が中断され
たフィルム画像の直前に読み取られたフィルム画像の読
取終了位置(エッジ)の読取位置への到達待ちを行った
後にステップ312へ移行して、写真フィルム22の搬
送方向の逆転をフィルムキャリア38に対して指示する
ことにより、写真フィルム22のそれまでの搬送方向と
は逆の方向への搬送を開始する。これによって、上記ス
テップ300によって中断された画像読み取り動作にお
ける写真フィルム22の搬送方向と同一方向の写真フィ
ルム22の搬送が開始される。
【0100】次のステップ314では、ステップ300
によって中断された画像読み取り動作を再開する。
【0101】画像処理部16では、マイクロプロセッサ
46から振動が発生した旨を示す信号を入力した時点で
読み取り中であったフィルム画像の直前に読み取られた
フィルム画像の読取終了位置(エッジ)より後に読み取
られた画像データについては図示しない記憶部から削除
しており、該削除した領域の先頭アドレスからラインC
CDスキャナ14から入力された画像データを逐次記憶
する動作を再開する。
【0102】従って、最終的に画像処理部16の図示し
ない記憶部に記憶されている画像データは、振動が発生
した時点に読み取っていたフィルム画像の画像データに
ついては振動がない状態で再度読み取ったものとされ
る。
【0103】以上詳細に説明したように、本実施形態に
係る画像読取装置では、振幅が所定値以上の振動が検出
された場合には画像読み取り動作を中断しているので、
振動発生時に読み取っていたフィルム画像の画像データ
に基づく図示しないレーザプリンタ部によるプリント出
力を中止することができ、色ずれの発生したプリントを
無駄に出力することを防止することができる。
【0104】また、本実施形態に係る画像読取装置で
は、振幅が所定値以上の振動が検出された場合には画像
読み取り動作を中断して、振動発生時に読み取っていた
フィルム画像については再度読み取りを行っているの
で、色ずれが発生しない画像データを確実に得ることが
できる。
【0105】なお、本実施形態では、加速度センサ12
0によって振動が検出された場合に振動発生割り込み処
理を実行する場合について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、加速度センサ120によって
検出された振動が防振ゴム132を含めた振動系の共振
周波数付近の振動周波数である場合に振動発生割り込み
処理を実行する形態としてもよい。
【0106】上述したように、防振ゴム132を含めた
振動系の共振周波数付近の周波数の振動が発生した場合
には振動が増幅されてしまうので、このような振動が発
生した場合にも、本実施形態における振動発生割り込み
処理を実行する形態とすることにより、色ずれが発生し
ない画像データをより確実に得ることができる。
【0107】また、本実施形態では、振幅が所定値以上
の振動が発生した場合に図9に示す振動発生割り込み処
理を実行する形態について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、振幅が所定値以上の振動の発
生回数を計数して、該発生回数が所定回数を超えた場合
にワーニングを発して画像読取処理を中止する形態とし
てもよい。
【0108】画像読取装置を設置した場所の近傍で、例
えば道路工事を行っている場合には、振幅が所定値以上
の振動が連続して長時間発生する場合があり、この場
合、本実施形態に示した形態では振動発生割り込み処理
が繰り返して実行され、画像読取処理が全く進まなくな
る。このような場合に、上記のように発生回数が所定回
数を超えた場合にワーニングを発して画像読取処理を中
止する形態とすることにより、画像読取装置を不必要に
動作させるために発生するコストを除去することができ
る。
【0109】また、本実施形態では、加速度センサ12
0をキーボード12Aの近傍に設置して、この位置にお
ける振動発生に対処する場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、例えば図10に示
すように、フィルムキャリア38の設置位置の近傍の位
置130A、床面近傍の位置130B及び130C等に
設置して、これらの位置における振動発生に対処する形
態としてもよい。
【0110】また、本実施形態では、本発明の振動検出
手段として図5に示した加速度センサ120を適用した
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、例えば圧電型加速度センサ、ストレインゲ
ージ型加速度センサ等の市販されている加速度センサ
や、加速度センサ以外の振動が検出可能な部材を適用す
る形態としてもよい。
【0111】また、本実施形態では、写真フィルム22
がネガフィルムである場合について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、リバーサルフィルム
(ポジフィルム)の読み取りに対しても本発明は適用で
きることはいうまでもない。
【0112】さらに、本実施形態では、本発明の画像セ
ンサとしてラインCCD116を適用した場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
エリアCCDを適用する形態としてもよく、CCD以外
の光電変換素子を適用する形態としてもよい。
【0113】
【発明の効果】請求項1記載の画像読取装置によれば、
振幅が所定値以上の振動及び周波数が所定範囲内の振動
の少なくとも一方が検出された場合に画像読み取り動作
を中断しているので、振動に起因する色ずれの発生を未
然に防止することができる、という効果が得られる。
【0114】また、請求項2記載の画像読取装置によれ
ば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏することがで
きると共に、振幅が所定値以上の振動及び周波数が所定
範囲内の振動の少なくとも一方が検出された場合に画像
読み取り動作を中断した後に画像読み取りが中断された
画像を再度読み取るように制御しているので、振動に起
因した色ずれが発生しない画像データを確実に得ること
ができる、という効果が得られる。
【0115】さらに、請求項3記載の画像読取装置によ
れば、請求項1及び請求項2記載の発明と同様の効果を
奏することができると共に、請求項1及び請求項2記載
の所定値を、画像センサによって得られた画像データに
基づいて生成された画像に色ずれが発生する程度の値と
しているので、色ずれが発生しない程度の振幅の振動に
ついては画像読み取り動作の中断が行われず、振動の発
生に起因する画像読み取り時間の不必要な長時間化を防
止することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像読取装置の外観図である。
【図2】実施形態に係る画像読取装置の光学系の正面断
面図である。
【図3】実施形態に係る画像読取装置の光学系の側面断
面図である。
【図4】(A)は絞り、(B)はターレット、(C)は
レンズ絞り、(D)はCCDシャッタの一例を各々示す
平面図である。
【図5】実施形態に係る画像読取装置で用いる加速度セ
ンサの構成例を示す概略側面図である。
【図6】実施形態に係る画像読取装置の光学系の主要部
のみを示した概略図である。
【図7】実施形態に係る画像読取装置のラインCCDス
キャナ及び画像処理部の電気系の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】実施形態においてラインCCDスキャナのマイ
クロプロセッサで実行される画像読取処理のフローチャ
ートである。
【図9】図8の画像読取処理の実行中に振幅が所定値以
上の振動が発生した場合に実行される振動発生割り込み
処理のフローチャートである。
【図10】加速度センサの実施形態とは異なる場所への
設置例を示す画像読取装置の概略正面図である。
【図11】振動の周波数に対する増幅率の関係の一例を
示すグラフである。
【符号の説明】
12A、12B キーボード 14 ラインCCDスキャナ 16 画像処理部 18 ディスプレイ 20 マウス 22 写真フィルム(読取対象原稿) 32 ランプ 35 UV/IRカットフィルタ 36 ターレット 38 フィルムキャリア 39 絞り 40 拡散ボックス 43 読取部 46 マイクロプロセッサ(制御手段) 47 載置台 50 レンズユニット 52 CCDシャッタ 52ND NDフィルタ 116 ラインCCD(画像センサ) 120 加速度センサ(振動検出手段) 132 防振ゴム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 読取対象原稿に記録された画像を各成分
    色に分解して読み取って画像データとして出力する画像
    センサと、 振動の振幅及び振動の周波数の少なくとも一方を検出す
    る振動検出手段と、 画像読み取り動作中に、振幅が所定値以上の振動及び周
    波数が所定範囲内の振動の少なくとも一方が検出された
    場合に前記画像読み取り動作を中断するように制御する
    制御手段と、 を備えた画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記画像読み取り動作
    を中断した後に画像読み取りが中断された画像を再度読
    み取るように制御することを特徴とする請求項1記載の
    画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記所定値が、前記画像センサによって
    得られた画像データに基づいて生成された画像に色ずれ
    が発生する程度の値であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の画像読取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007295086A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像読取装置、および画像読取装置の制御方法

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