JP4008185B2 - 車両の速度制限装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の最高速度を制限するための速度制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関連する従来技術のひとつとして、実開平4−95633号公報に記載のディーゼルエンジン搭載車両の最高速度制限装置がある。これは、燃料噴射ポンプのスピードコントロールレバーの位置制御を介してディーゼルエンジンを駆動制御するコントローラが、アクセルペダルが踏込まれたこと且つ車速が設定速度以上であることを検出した場合に、燃料噴射ポンプのスピードコントロールレバーの位置制御により燃料噴射量を絞ることによって、車両が設定速度を越えないようにしようとしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術によれば、エンジンを駆動制御するコントローラ自体によって速度制限を行なうので、既存のコントローラをそのまま用いることはできず、コントローラ自体の変更が必要になる。このような変更を行なう場合、既存の制御機能の設定/変更等が必要になるなど、変更のための開発作業が極めて煩雑化すると共に、既存のコントローラ製造工程をも変更しなければならず、コスト高等を招来することとなる。また、コントローラには制御するエンジン等に応じて種々の機種があるので、機種毎に夫々変更する必要があるという問題を生じる。
【0004】
本発明は上記観点に基づいてなされたもので、その目的は、エンジンを制御する既存のコントロールユニットを変更することなく車両の最高速度を制限することのできる速度制限装置を提供することにある。
【0005】
また、本発明の別の目的は、コントロールユニットの機種の如何に拘らず適用することのできる汎用性を備えた速度制限装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、車両の速度を検出する車速センサからの車速信号およびアクセルの踏込量を検出するアクセルセンサからのアクセル信号を含む制御情報に基づいてエンジンを駆動制御する既存のコントロールユニットに外部的に付加され、前記車速センサから車速信号を入力すると共に、前記アクセルセンサからアクセル信号を入力して前記アクセルセンサに代えて前記コントロールユニットにアクセル信号を与える速度制限装置であって、車速が予め設定された最高速度設定値に達したか否かを検出し、車速が前記最高速度設定値に達していない場合には前記アクセルセンサからのアクセル信号をそのまま前記コントロールユニットに与え、車速が前記最高速度設定値に達した場合に、車速が前記最高速度設定値以上にならないように前記アクセルセンサのアクセル信号を加工し、この加工した信号をアクセル信号として前記コントロールユニットに与える手段を有する車両の速度制限装置。
【0007】
このような構成によれば、車速が予め設定された最高速度設定値に達すると、車速が最高速度設定値以上にならないようにアクセル信号が加工され、この加工された信号がアクセル信号として、速度制限装置から既存のコントロールユニットに与えられる。そのため、コントロールユニットが加工されたアクセル信号に基づいて最高速度設定値以上にならないようにエンジンを制御することとなり、既存のコントロールユニットを変更することなく速度制限を行なうことができる。
【0008】
また、本発明においては、前記速度制限装置が、外部情報に基づいて車速センサの種類を選択設定する手段と、外部情報に基づいて前記最高速度設定値を設定する手段とを更に含むようにすることによって、上記目的を達成する。すなわち、これにより、既存のコントロールユニットに用いられている車速センサに容易に適合させることができると共に、車種等に応じて最高速度設定値を任意に設定することができ、汎用性をもたせることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態の一例を示すブロック図で、1は車速センサ、2はアクセルセンサ、3は既存のコントロールユニット、4は車速制限装置である。
【0010】
車速センサ1は、車両の速度を検出し、それを表わす車速信号をコントロールユニット3および車速制限装置4に与える。アクセルセンサ2は、アクセルペダルの踏込量を検出し、それを表わすアクセル信号を車速制限装置4に与える。アクセル信号は、アクセルセンサ2からコントロールユニット3に直接的には与えられず、後述するように車速制限装置4からコントロールユニット3に与えられる。
【0011】
コントロールユニット3は、車速センサ1からの車速信号およびアクセル信号として車速制限装置4からのアクセル信号を入力すると共に、エンジン回転数,TDC(ピストン圧縮上死点)位置,水温等のその他の制御情報を入力し、これらの制御情報に基づいて燃料の噴射量および噴射時期を演算し、アクチュエータ5を介して燃料噴射ポンプ6を制御することにより、既存の燃料噴射制御を行なう。これにより、車速制限装置4からのアクセル信号に応じた車速になるように、ディーゼルエンジン7が駆動されることとなる。コントロールユニット3は、また周知の定速走行制御機能を有し、外部操作によって与えられる定速走行開始信号および定速走行解除信号を含む定速走行制御情報に従って、設定された速度で定速走行を行なうことができるようになっている。定速走行制御情報は車速制限装置4にも与えられ、これによって、車速制限装置4が定速走行中か否かを認識することができるようになっている。
【0012】
車速制限装置4は、外部から与えられる車速センサ選択情報に従って、既存のコントロールユニット3に用いられている車速センサ1に設定することができるようになっている。エンジン制御用のコントロールユニットに用いられている車速センサはその種類によって出力と速度との関係が相違するので、これにより、コントロールユニット3に用いられている車速センサ1に設定される。この選択設定は、例えば、特性の異なる車速センサについて出力と速度との関係を表わす出力速度特性を夫々用意し、外部からの車速センサ選択情報によって選択設定するようにすればよい。車速制限装置4は、また、外部から与えられる最高速度設定値情報に従って、任意の最高速度設定値を設定することができるようになっている。なお、当然のことながら、これらの設定情報はユーザが自由に設定/変更できるものではない。
【0013】
このような車速制限装置4は、既存のコントロールユニット3に外部的に付加され、車速センサ1からの車速信号によって与えられた車速が最高速度設定値に達していなければアクセルセンサ2からのアクセル信号をそのままコントロールユニット3に与え、車速が最高速度設定値に達することで、車速が最高速度設定値以上にならないようにアクセル信号を加工し、この加工した信号をアクセル信号としてコントロールユニット3に与える。本例では、車速が最高速度設定値に達したことを検出した場合にその時のアクセル信号を保持し、アクセルペダルがそれ以上踏込まれても、最高速度設定値に達した時のアクセル信号をコントロールユニット3に与えるようになっている。車速制限装置4は、また、定速走行中において車速が最高速度設定値を越えた場合に、定速走行キャンセル信号をコントロールユニット3に与えるようになっている。定速走行キャンセル信号は定速走行解除信号としてコントロールユニット3に与えることができるので、既存のコントロールユニット3の設定等の変更を招来するようなことはない。
【0014】
図2は車速制限装置4の制御フローチャートの一例で、図示しない車両のイグニッションスイッチのオンにより電源が印加されることで、速度制限装置4が図2の制御を開始する。
【0015】
先ず、ステップ10で車速センサ1から車速信号を入力して車速を認識し、次のステップ11で車速が最高速度設定値に達したか否かを判断する。車速が最高速度設定値に達していなければ、ステップ11からステップ12に入り、アクセルセンサ2からのアクセル信号をそのままコントロールユニット3に与え、その後ステップ10に戻る。従って、この場合は、アクセルペダルの踏込量が車両の速度にそのまま反映される。一方、車速が最高速度設定値に達したことを検出することで、ステップ11からステップ13に入り、定速走行制御情報に基づいて定速走行中か否かを判断する。定速走行中でなければ、ステップ13からステップ14に入り、車速が最高速度設定値に達した時のアクセルセンサ2のアクセル信号を一時記憶し、このアクセル信号をコントロールユニット3に与え、その後ステップ10に戻る。従って、この場合は、アクセルペダルがそれ以上踏込まれても、最高速度設定値に達した時のアクセル信号がコントロールユニット3に与えられるので、車速は最高速度設定値に制限されることとなる。ステップ13において定速走行中であれば、ステップ15に入り、コントロールユニット3に定速走行キャンセル信号を与え、その後ステップ10に戻る。これにより、コントロールユニット3が定速走行を解除するので、エンジンブレーキにより車速が緩やかに低下することとなり、最高速度設定値以下になる。
【0016】
本例では、最高速度設定値に達した後にアクセルペダルが戻されて車速が最高速度設定値以下になり、再びアクセルペダルが踏込まれて車速が最高速度設定値に達した場合には、ステップ14において、車速が最高速度設定値に達した時のアクセル信号が更新される。従って、平坦,上り坂,下り坂に応じて最高速度設定値に達した時のアクセル信号が保持されることとなり、最高速度制限を適確に行なうことができる。
【0017】
なお、本例ではディーゼルエンジンを制御するコントロールユニットを例に説明したが、これに限定するものではなく、ガソリンエンジンを制御するコントロールユニットに対しても適用することのできることは勿論である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、車速が予め設定された最高速度設定値に達すると、車速が最高速度設定値以上にならないようにアクセル信号が加工され、この加工された信号がアクセル信号として、速度制限装置から既存のコントロールユニットに与えられるようにしたので、コントロールユニットが加工されたアクセル信号に基づいて車速が最高速度設定値以上にならないようにエンジンを制御することとなり、既存のコントロールユニットを変更することなく速度制限を行なうことができる速度制限装置を提供することができる。
【0019】
また、本発明によれば、外部情報に基づいて車速センサの種類を選択設定する手段と、外部情報に基づいて最高速度設定値を設定する手段とを速度制限装置に設けるようにしたので、既存のコントロールユニットに用いられている車速センサに容易に適合させることができると共に、車種等に応じて最高速度設定値を任意に設定することができ、汎用性を有する速度制限装置を提供することができる。
【0020】
更に、本発明によれば、定速走行中に車速が最高速度設定値に達した場合に、車速制限装置からコントロールユニットに定速走行キャンセル信号を与えることにより、定速走行を解除するようにしたので、定速走行中の最高速度制限についても有効に行なうことのできる速度制限装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は図1の車速制限装置の制御フローチャートの一例である。
【符号の説明】
1 車速センサ
2 アクセルセンサ
3 コントロールユニット
4 車速制限装置
Claims (3)
- 車両の速度を検出する車速センサからの車速信号およびアクセルの踏込量を検出するアクセルセンサからのアクセル信号を含む制御情報に基づいてエンジンを駆動制御する既存のコントロールユニットに外部的に付加され、前記車速センサから車速信号を入力すると共に、前記アクセルセンサからアクセル信号を入力して前記アクセルセンサに代えて前記コントロールユニットにアクセル信号を与える速度制限装置であって、
車速が予め設定された最高速度設定値に達したか否かを検出し、車速が前記最高速度設定値に達していない場合には前記アクセルセンサからのアクセル信号をそのまま前記コントロールユニットに与え、車速が前記最高速度設定値に達した場合に、車速が前記最高速度設定値以上にならないように前記アクセルセンサのアクセル信号を加工し、この加工した信号をアクセル信号として前記コントロールユニットに与える手段を有する車両の速度制限装置。 - 前記速度制限装置が、外部情報に基づいて車速センサの種類を選択設定する手段と、外部情報に基づいて前記最高速度設定値を設定する手段とを更に含む請求項1に記載の車両の速度制限装置。
- 前記コントロールユニットが定速走行制御機能を有し、前記速度制限装置が、定速走行制御中に車速が前記最高速度設定値に達した場合に、定速走行を解除するための定速走行キャンセル信号を前記コントロールユニットに与える手段を更に含む請求項1又は2に記載の車両の速度制限装置。
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